JP4838169B2 - 簡易屋根 - Google Patents
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Description
そして、前記垂木の先端部に前枠を取り付ける際には、接合部材(ブラケット)を介して接合している(例えば、特許文献1参照)。
そこで、垂木の先端部や接合部材の先端部等に前枠に設けられた係合部を係合可能な被係合部を設けておき、垂木の先端部等の被係合部に前枠の係合部を係合させることで、垂木の先端部に前枠を仮支持した状態とし、仮支持された状態の前枠を垂木の取付位置に押えて付けて前枠を垂木や垂木に接合された接合部材に例えばビスやボルト等により接合していた。
ここで、垂木側に前枠を仮支持させる際に、前枠の取付位置に位置決めされた状態に前枠を仮支持させることが考えられるが、この場合に、長尺な前枠を作業者一人で、全長に渡って取付位置に正確に配置させるとともに仮支持させる作業が困難なものとなる。
よって、取付位置に前枠を仮支持させる場合には、仮支持させてしまえば、前枠の取付作業は、前枠を持って位置合わせする必要がなく、ビスとドライバとを持って作業すればよいので、取付作業が容易となるが、取付位置に前枠を仮支持させる作業が困難となり、全体としては必ずしも作業が容易なものとならない。
前記接合部材は、前記垂木に接合される垂木接合部と、当該垂木接合部から前記垂木の前方に突出して前記前枠に接合される前枠接合部とを一体として備え、
前記前枠接合部には、先端側に第1被係合部が設けられ、基端側に第2被係合部が設けられ、
前記前枠には、前記第1被係合部と前記第2被係合部とのそれぞれに個別に係合可能な係合部が設けられ、
前記係合部を第1被係合部に係合した状態から第2被係合部に係合した状態に移動することにより、前記前枠が当該前枠の前記垂木への取付位置に対して離れた位置から前記取付位置もしくは取付位置近傍に移動することを特徴とする。
この状態で、長尺な前枠は、垂木の先端部に仮支持されるが、この際の仮支持位置は、接合部材の先端部となり、作業者一人でも容易に前枠を垂木に仮支持させる作業を行うことができる。
この作業は、既に前枠が垂木側に仮支持された後の作業なので、作業者一人でも容易に行うことができる。そして、この作業後は、前枠が前記垂木との取付位置もしくはその近傍に位置決めして配置された状態で仮支持されているので、容易に前枠を垂木および接合部材に接合することができる。
図1、図2は本発明の実施の形態に係る簡易屋根を示すものである。
図1、図2に示すように、簡易屋根1は、建物の外壁面に固定されて屋根の基端部側を支持する垂木掛け2と、屋根を支持する複数の支柱3と、当該支柱3に支持されるとともに屋根面の傾斜方向に対して直交する方向に延在する桁材4と、前記垂木掛け2および桁材4に支持され、屋根面の傾斜方向に沿って延在して配置され、かつ、屋根面の傾斜方向に直交する方向に間隔をあけて並んで複数配置される垂木5と、屋根面の傾斜方向に直交する方向に沿って垂木5間に架け渡されて配置される野縁6と、垂木5と野縁6に支持されるとともに屋根面を構成する屋根パネル7(図2に図示)と、垂木5の先端部に取り付けられて屋根面の先端部を構成する前枠8と、垂木5の先端部と前枠8とを接合する第1および第2接合部材11,11aとを備えている。
支柱3は、基本的に屋根の先端部側を支持する。なお、図2においては、屋根面の傾斜方向に沿って、屋根面の先端側と基端側との二箇所に桁材4と支柱3とが図示されているが、これは、後述のように垂木5が湾曲していても、桁材4を任意の箇所に移動して取り付け可能であることを示しているもので、実際には、桁材4および支柱3は屋根の先端側だけに設けられる。なお、例えば、垂木掛け2において垂木5の基端部を支持するのに十分な強度を確保できない場合に、屋根面の先端側と基端側との両方に支柱3を設ける構成とする場合もある。
また、桁材4には、支柱3の上端部が取付可能となっている。
そして、垂木5の基端部は、前記垂木掛け2に固定され、垂木5の先端部には、前枠8が固定される。また、垂木5の下側には上述の桁材4が固定される。また、垂木5の先端面は、垂木5の先端部の上面および下面にほぼ直交するようになっている。
そして、垂木5の先端部には、図3に示すように、接合部材11,11aが接続されている。なお、この例において、接合部材11,11aには、図3および図4に示す第1接合部材11と、図5に示す第2接合部材11aとが用いられている。
第1接合部材11および第2接合部材11aは、共通の構成要素として、概略四角筒状の垂木5の先端部の左右の側板のうちの一方の側板の内面側に接続される板状の垂木接合部13と、垂木5の先端部に取り付けられる前枠8に接続される前枠接合板12と、これら垂木接合部13と前枠接合板12とを一体に繋ぐ繋ぎ部14とを有する。なお、接合部材11,11aのうちの前枠接合板12と繋ぎ部14を合わせた部分が、垂木接合部13から垂木5の前方に突出して前枠8に接合される前枠接合部となっている。
前枠接合板12は、四角板状の部材であり、垂木接合部13に対して直角に配置されており、垂木5の端面にほぼ平行となっている。また、前枠接合板12は、垂木接合部13に対して垂木5の延長線上に離間して配置された状態となっている。すなわち、垂木接合部13を垂木5の先端部に固定した状態で、前枠接合板12は、垂木5の端面から前方に離間した位置に配置される。
これら垂木接合部13と前枠接合板12とを繋ぐ繋ぎ部14は、クランク状に二箇所で屈曲した形状となっている。
繋ぎ部14は、垂木接合部13の先端縁から垂木5の長さ方向に沿って前方に延出する垂木接合部13に沿った部分と、この部分から前枠接合板12に向けて直角に屈曲して垂木接合部13に対して直角となり前枠接合板12に対して平行となる部分と、この部分からさらに直角に前側に屈曲して垂木接合部13と平行となる部分とを備え、この部分の先端部から直角に屈曲するように前枠接合板12が設けられている。
また、第1被係合部16および第2被係合部18を有する第1接合部材11においては、前枠接合板12の上下幅は、垂木接合部13より狭く、繋ぎ部14より広いものとなっており、繋ぎ部14と前枠接合板12との間にも、繋ぎ部14より前枠接合板12が高くなる段差が形成されている。そして、前枠接合板12の繋ぎ部14より高くなった部分が第1被係合部16となっている。
第2被係合部18は、繋ぎ部14の前枠接合板12側に設けられるとともに、垂木5の先端面より前側に出た部分に設けられている。
また、第2被係合部18は、前枠接合板12から遠ざかるにつれて高くなる斜辺と、当該斜辺の最も高くなったところで、繋ぎ部14の上面と直交するように形成される垂直辺とから概略直角三角形状に形成されている。
また、垂木5の先端部に垂木接合部13を接合した状態で、クランク状の繋ぎ部14の中央の垂木接合部13に直角となる部分が垂木5の先端面となる部分に配置され、それより先の垂木接合部13に直角で前枠接合板12に接続される部分が垂木5より前側に突出した状態となっている。
野縁6は、並んで配置される2本の垂木5同士の間に配置され、両端部がそれぞれ垂木5に接合されている。そして、垂木5同士の間で屋根パネル7を支持するようになっている。なお、屋根パネル7が後述のように樹脂製であることから、垂木5間に架け渡された状態の屋根パネル7が垂木5同士の間で下側に撓むの防止している。
前枠8の取付部8aには、先端部が垂木5の先端部下面に沿って配置される下板81と、当該下板81の基端部との間に後述の垂木5の先端部に取り付けられた第1接合部材11の前枠接合板12を挿入可能な間隔をあけて、当該下板81の基端部に沿って配置される上板82と、上板82の基端側と下板81の基端側とを繋ぐとともに、前枠接合板12に当接して当該前枠接合板12に接合される当接板83とが備えられている。
また、当接板83は、第1接合部材11の前枠接合板12と当接した状態で、前枠接合板12に設けられたビス孔17から下穴なしでねじ込み可能なビス86が当接板83にねじ込まれることでビス止めされている。
また、上板82には、当該上板82の先端から下板81に向かって屈曲して設けられるとともに垂木5の先端面に当接する係合部84が設けられている。
また、延出片92と本体部8cとの間に、断面が楔上でさらに本体部8c上面の溝と勘合する抜け止めを備えるビードが挿入され、屋根パネル7の先端部がパネル保持部8bに保持されるようになっている。
樋8dは、底部94と、前壁95とを有し、本体部8cと前壁95との間の底部94上に雨水を流すようになっている。また、樋8dには、雨水を流下させるための図示しない縦樋に繋がる接続管97が接続されている。
この場合に、垂木5は、桁材4と、垂木掛け2に支持された状態となっており、桁材4は支柱3に支持され、垂木掛け2は建物の外壁面部分に建物の柱等により支持されている。
なお、この際に、簡易屋根1に3本以上の垂木5がある場合に、4つ以上の第1および第2接合部材11,11aが用いられることになるが(垂木5が奇数の場合に中央に配置される垂木5には、2つの第1および第2接合部材11,11aが用いられる)、そのうちの2つを第1および第2被係合部16,18を有する第1接合部材11とし、残りの全てを第1および第2被係合部16,18が無い第2接合部材11aとする。
この際に前枠8は、屋根面に対応した傾きよりも水平に近い傾きとし、取付部8aの下板81を垂木5の下面より離した位置とする。
次に、図8(a)に示す状態から前枠8を垂木5の先端面に近づけるように垂木5の先端面側に前枠8を押付け、図8(b)に示す状態とする。
そして、この際に、係合部84の先端が繋ぎ部14の上に形成された第2被係合部18の斜辺に接触し、斜辺に沿って上るように移動した後に、斜辺の後側の垂直片に落ち込む状態となる。これにより係合部84は第2被係合部18に係合した状態となる。この状態は、上述の最初に仮支持させた場合と同様に安定した状態となっており、作業者が手を離しても仮支持した状態が維持される。
なお、第1および第2接合部材11,11aの前枠接合板12のビス孔17を介してビス86を前枠8の当接板83にねじ込み可能となっている。
図9、図10において、前記実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
そして、図9および図10に示される変形例においても、前記実施の形態と同様に前枠8を垂木5に接合することができる。
5 垂木
7 屋根パネル
8 前枠
11 第1接合部材(接合部材)
12 前枠接合板(前枠接合部)
13 垂木節合部
14 繋ぎ部(前枠接合部)
16 第1被係合部
18 第2被係合部
84 係合部
Claims (1)
- 屋根面の傾斜方向に沿って延在して複数配置される垂木と、当該垂木に支持されて前記屋根面を構成する屋根パネルと、前記屋根面の先端部を構成するとともに、前記垂木の先端部に取り付けられる前枠と、前記垂木の先端部と前枠とを接合する接合部材とを備えた簡易屋根であって、
前記接合部材は、前記垂木に接合される垂木接合部と、当該垂木接合部から前記垂木の前方に突出して前記前枠に接合される前枠接合部とを一体として備え、
前記前枠接合部には、先端側に第1被係合部が設けられ、基端側に第2被係合部が設けられ、
前記前枠には、前記第1被係合部と前記第2被係合部とのそれぞれに個別に係合可能な係合部が設けられ、
前記係合部を第1被係合部に係合した状態から第2被係合部に係合した状態に移動することにより、前記前枠が当該前枠の前記垂木への取付位置に対して離れた位置から前記取付位置もしくは取付位置近傍に移動することを特徴とする簡易屋根。
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