JP6092449B1 - 簡易構造物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 施工性の良い簡易構造物の製造方法の提供。【解決手段】 妻垂木1aと、前枠2と、前枠引っ掛け金具3とを備え、妻垂木1aは、前端部に逃がし溝4を有し、前枠引っ掛け金具3は、妻垂木1aの前端部に取付けてあり、妻垂木1aの前方に突出する係止部5を有し、前枠2は、下面に後方に突出する固定片6と、固定片6の上方に位置する被係止部7と被係止部7よりも後方に突出する水返し片8を有し、前枠2の水返し片8を妻垂木1aの逃がし溝4に挿入しつつ、前枠2の被係止部7を前枠引っ掛け金具3の係止部5に係止して、前枠2を被係止部7を支点に回動し、固定片6を妻垂木1aの下面に当接して、前枠2を仮置きする。【選択図】 図10
Description
本発明は、テラス等の簡易構造物の製造方法に関する。
従来のテラスにおいて前枠は、非特許文献1に記載されているように、前枠の下面に後方に突出して設けた突出片を妻垂木の下面にねじ止めすると共に、妻垂木の側面と前枠の後面との間にL形の垂木固定金具を取付けて固定している。前枠を取付ける際には、作業者が前枠を手で支えながらネジ孔を開けたりしなければならないため、前枠の取付け作業が容易ではなかった。
三協立山株式会社 三協アルミ社発行の施工要領書「メニーウェル 600タイプ・出幅移動納まり 施工要領書」、2015年1月、p.29
本発明は以上に述べた実情に鑑み、施工性の良い簡易構造物の製造方法の提供を目的とする。
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による簡易構造物の製造方法は、妻垂木と、前枠と、前枠引っ掛け金具とを備え、妻垂木は、前端部に逃がし溝を有し、前枠引っ掛け金具は、妻垂木の前端部に取付けてあり、妻垂木の前方に突出する係止部を有し、前枠は、下面に後方に突出する固定片と、固定片の上方に位置する被係止部と被係止部よりも後方に突出する水返し片を有し、前枠の水返し片を妻垂木の逃がし溝に挿入しつつ、前枠の被係止部を前枠引っ掛け金具の係止部に係止して、前枠を被係止部を支点に回動することで、固定片を妻垂木の下面ネジ止め部に重合する位置に当接させた後に、固定片を妻垂木にネジ止めすることを特徴とする。
請求項1記載の発明による簡易建物の製造方法は、前枠の水返し片を妻垂木の逃がし溝に挿入しつつ、前枠の被係止部を前枠引っ掛け金具の係止部に係止して、前枠を被係止部を支点に回動することで、固定片を妻垂木の下面ネジ止め部に重合する位置に当接させた後に、固定片を妻垂木にネジ止めし前枠を妻垂木に取付けるものなので、前枠を一回の操作で妻垂木との取付位置に仮置きでき、前枠を手で持ちながらネジ孔を開けたりしなくてよく、この仮置き状態から動かすことなく妻垂木に取付けることができるので、施工性が良い。また、妻垂木の逃がし溝は、前枠の水返し片を逃がすだけでよいため、逃がし溝の形状を単純にでき、加工も容易である。前枠の水返し片を妻垂木の逃がし溝に挿入していることで、水仕舞いが良好である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1〜7は、本発明に係る簡易構造物の一実施形態を示している。本簡易構造物は、住宅の庭などに建物の外壁23にくっつけて設置されるテラスに適用したものである。本簡易構造物は、図5〜7に示すように、左右方向に間隔をおいて立設した複数の支柱24,24と、支柱24,24上に架設した移動桁9と、支柱24,24及び移動桁9で支持される屋根25を備えている。屋根25は、建物の外壁23に水平に取付けた垂木掛け26と、垂木掛け26に後端部を引っ掛け、前部を移動桁で支持した複数の垂木1a,1b,…と、垂木1a,1b,…の前端部に架設した前枠2と、各垂木1a,1b,…間に取付けた屋根パネル27と、垂木1a,1b,…間に取付けられ屋根パネル27を受ける中骨28と備えている。垂木1a,1b,…は、図6に示すように、前側が下向きに湾曲しており、移動桁9及び支柱24,24は、垂木1a,1b,…の湾曲する範囲の前後にわたって設置位置を前後方向に調整することができる。
屋根25の左右両端に位置する垂木(妻垂木1a)は、図2,3に示すように、アルミニウム合金の中空押出形材よりなり、内側の側面に凹部29が長手方向に沿って形成してあり、凹部29の下部には上向きの突条30が形成してある。妻垂木1aの上面には、屋根パネル27を上から押えるパネル押え31がビス32で取付けてある。妻垂木1aの前端部には、図3,8に示すように、前枠引っ掛け金具3が取付けてある。前枠引っ掛け金具3は、アルミニウム合金の押出形材を所定の長さで切断して形成したものであり、妻垂木1aよりも前方に突出し上向きに略L形に曲がった形に形成された係止部5と、平坦な底壁33と、底壁33上に設けたタッピングホール34とを有しており、妻垂木1aの中空部内に挿入して内側の側壁に沿わせ、底壁33を妻垂木1aの凹部29上に形成された段部35に載置し、側方からネジ36をタッピングホール34に螺入して取付けてある。底壁33を妻垂木1a内の段部35に載置していることで、1本のネジ36だけで前枠引っ掛け金具3を回転しないように固定できる。また、妻垂木1aの前端部の左右側壁には、前枠2の水返し片8を逃がすための逃がし溝4が形成してある。逃がし溝4は、前側が開放した略四角形の単純な形となっており、前枠引っ掛け金具3は逃がし溝4内に設けられて、係止部5が逃がし溝4から前方に突出している。
前枠2は、図3に示すように、前側に設けた雨樋37と、雨樋37の後方に設けた中空部38と、中空部38の上壁の前部に突設され屋根パネル27の前端部を上から押えるパネル押え片39と、中空部38の底壁より後方に突出し、妻垂木1aの下面に当接してネジ40で固定される固定片6と、固定片6の上方に位置し、上壁41の下面に前向きに傾斜して突設された被係止部7と、上壁41の上面に突設され屋根パネル27を下から支えるパネル支え片62と、被係止部7よりも後方で上向きに突設した水返し片8とを有している。固定片6の前側には上向きの突起42が形成してあり、該突起42に妻垂木1aの先端が当接している。パネル押え片39には、屋根パネル27の前縁に相当する位置に目印となるくぼみ43が形成してある。
前枠2は、図9に示すように、左右の妻垂木1a,1aを取付けた後に、左右の妻垂木1a,1aの前端部に連結して取付けられる。前枠2の取付手順を図10に即して説明すると、妻垂木1a,1aには工場から出荷する時点で前枠引っ掛け金具3が予め取付けてあり、図10(a)に示すように、前枠2の水返し片8を妻垂木1aの逃がし溝4に挿入しつつ、前枠2の被係止部7を前枠引っ掛け金具3の係止部5に上から係止させる。このとき前枠2のパネル支え片62が妻垂木1aと干渉しないように、パネル支え片62には妻垂木1aを挿入可能な切欠きが設けてある。その後、図10(b)に示すように、前枠2を被係止部7を支点に下向きに回動させる。このとき前枠2は、自重により自然に回動する。前枠2をこのように回動させると、図10(c)に示すように、前枠2の固定片6が妻垂木1aの下面に当接し、前枠2から手を離しても前枠2は一定の姿勢に保持される。このように前枠2を仮置きした状態で、前枠2の固定片6を妻垂木1aの下面にネジ40で固定する。
中間の垂木1bは、図2に示すように、左右両側の側面に凹部29が長手方向に沿って形成してあり、凹部29の下部には上向きの突条30が形成してある。中間の垂木1bは、図4に示すように、前端部の左右側壁に前側が開放した逃がし溝44が形成してある。逃がし溝44は、上縁の前側に下向きに突出した係止部45を有し、該係止部45に前枠2の水返し片8を係止し、前枠2の固定片6を中間の垂木1bの下面にネジ40で固定することで、中間の垂木1bの前端部を前枠2に固定している。中間の垂木1bは、左右の妻垂木1a,1aを取付けた後、図14に示すように、後端部を垂木掛け26に掛け、後端部を支点に水平面内で回動させるようにして、前端部の逃がし溝44の係止部45を前枠2の水返し片8に係止し、その上で前枠2の固定片6を中間の垂木1bの下面にネジ40で固定して取付ける。
移動桁9は、図3,4に示すように、前壁12と後壁13と底壁14とからなる本体部15と、本体部15の上方に位置し垂木1a,1b,…を受ける円弧状部16とが一体に設けてある。円弧状部16は、直径を本体部15の前後寸法の約2/3まで小さくしてあり、円弧状部16と本体部15との間にハの字形に傾斜した傾斜面46,46が形成してある。円弧状部16は、移動桁9の前後方向の略中心に設けてある。円弧状部16の一箇所には、後述する垂木固定金具11,47を取付けるための裏板48a,48b,…が挿入される固定具保持溝17が長手方向に沿って設けてある。固定具保持溝17は、図13に示すように、3°から50°までの垂木1a,1b,…の傾斜角度に対応するため、その傾斜角度の略中心、具体的には鉛直方向から前側に26.5°傾いた位置に設けてある。また固定具保持溝17は、図3,4に示すように、溝入口側に対向して突出する一対の突片49,49を有し、一対の突片49,49上に逆ハの字形の傾斜面50,50が形成してある。
移動桁9の固定具保持溝17には、左右の妻垂木1a,1a用に2つ、中間の垂木1b,1b,1b用に3つの計5つの裏板48a,48b,…が挿入される。これらの裏板48a,48b,…は、図12(a)に示すように、工場から出荷する時点で固定具保持溝17に挿入され、妻垂木1a用の裏板48aは、図12(b)に示すように、固定具保持溝17から挿入し裏板48aに螺入した皿ビス51により、所定の位置に動かないように固定してある。固定具保持溝17の入口側に逆ハの字形の傾斜面50,50が形成してあることで、皿ビス51の頭51aが当該傾斜面50,50間に収まり、円弧状部16上に皿ビス51の頭51aが突出しない。そのため、円弧状部16で妻垂木1aを受けるにあたって皿ビス51の頭51aが邪魔になることがなく、円弧状部16の全体を利用できる。中間の垂木1b用の裏板48bは、一方の端部側に寄せた上で固定具保持溝17にゴムやナイロン等(図示省略)を詰めて動かないようにしておき、現場に搬入したらその詰め物を取って所定の位置にスライドする。なお、中間の垂木1b用の裏板48bも、皿ビス51を用いて予め所定の位置に固定しておくこともできる。
本簡易構造物は、上述のように固定具保持溝17に裏板48a,48b,…を予め挿入してあり、しかも両端の裏板48a,48aは所定の位置に固定されているため、現場での作業を軽減できる。
本簡易構造物は、上述のように固定具保持溝17に裏板48a,48b,…を予め挿入してあり、しかも両端の裏板48a,48aは所定の位置に固定されているため、現場での作業を軽減できる。
中間の垂木1bは、図2,4に示すように、移動桁9の円弧状部16上に載置した上で垂木固定金具11により固定される。垂木固定金具11は、垂木1bの凹部29に挿入して突条30に係合する鉤型の垂木係合部18と、移動桁9の円弧状部16に当接する当接部19を有し、当接部19には図11に示すように、前後方向の長孔20が設けてある。垂木固定金具11は、前後方向に対称で、左右勝手のない部品となっており、垂木1bの両側に同じ垂木固定金具11を前後の向きを気にすることなく用いることができる。中間の垂木1bは、垂木固定金具11の垂木係合部18を垂木1b側面の凹部29に係合し、当接部19を移動桁9の円弧状部16に当接し、当接部19の長孔20に挿入したボルト21を裏板48bに螺入して締め付けることで、様々な傾斜角度で移動桁9に固定することができる。
図13(a)は、本簡易構造物において、垂木1bの傾斜角度を50°から3°まで変化させた場合の、垂木固定金具11の垂木係合部18の中心からのボルト21の偏心量を示しており、図13(b)は、比較のために円弧状部16の直径が移動桁本体部15の前後寸法と同じ場合に、同じように垂木1bの傾斜角度を50°から3°まで変化させた場合の、垂木固定金具11の垂木係合部18の中心からのボルト21の偏心量を示している。垂木固定金具11の垂木係合部18の中心からのボルト21の偏心量が小さいほど垂木1bの固定強度が大きくなるが、同図より明らかなように、円弧状部16の直径を移動桁本体部15の前後寸法よりも小さくした場合(図13(a))には、円弧状部16の直径が移動桁本体部15の前後寸法と同じ場合(図13(b))と比べ、垂木固定金具11の垂木係合部18の中心からのボルト21の偏心量が、垂木1bの傾斜角度が何れの場合も3割以上小さくなっている。これにより、垂木1bの固定強度が大きくなり、また、垂木固定金具11の当接部19に形成される前後方向の長孔20を短くすることができる。
従来は、長孔の長さを短くするために、円弧状部に固定具保持溝を二箇所設け、垂木の傾斜角度が急なときと緩いときとで固定具保持溝を使いわけていたが(非特許文献1参照)、本実施形態の簡易構造物では、円弧状部16の直径を移動桁本体部15の前後寸法より小さくしたことで、固定具保持溝17が一箇所であっても長孔20の長さを短くでき、十分な垂木1bの固定強度を確保することができる。すなわち、円弧状部16の直径を移動桁本体部15の前後寸法より小さくすることで、固定具保持溝17を一箇所にすることが可能となり、垂木1bを移動桁9に固定する作業が容易となる。
従来は、長孔の長さを短くするために、円弧状部に固定具保持溝を二箇所設け、垂木の傾斜角度が急なときと緩いときとで固定具保持溝を使いわけていたが(非特許文献1参照)、本実施形態の簡易構造物では、円弧状部16の直径を移動桁本体部15の前後寸法より小さくしたことで、固定具保持溝17が一箇所であっても長孔20の長さを短くでき、十分な垂木1bの固定強度を確保することができる。すなわち、円弧状部16の直径を移動桁本体部15の前後寸法より小さくすることで、固定具保持溝17を一箇所にすることが可能となり、垂木1bを移動桁9に固定する作業が容易となる。
妻垂木1aも、中間の垂木1bと同様に、妻垂木固定金具47を用いて移動桁9の円弧状部16に固定される(図2,3参照)。妻垂木固定金具47は、妻垂木1a側面の凹部29に係合する垂木係合部18と、移動桁9の円弧状部16に当接する当接部19に加え、妻垂木1aの側面に当接する垂木当接部52を有しており、垂木当接部52を妻垂木1aの側面に当接してネジ53で固定してある。これにより、妻垂木1aの移動桁9への固定強度を一層高めている。
移動桁9の左右両端部には、図2,3に示すように、樹脂製の端部キャップ10が取付けてあり、移動桁9の小口を端部キャップ10で覆ってある。端部キャップ10は、移動桁9の円弧状部16とほぼ同じ直径の円弧状部54を有すると共に、当該円弧状部54の外側に移動桁9の円弧状部16よりも外周に張り出すフィン22を有している。
妻垂木1aは、図2に示すように、移動桁9の円弧状部16と端部キャップ10の円弧状部54上にまたがって載置され、その外側に端部キャップ10のフィン22が円弧状部54の周囲に張り出している。したがって、妻垂木1aの取付け時に妻垂木1aを移動桁9上に載せた際、フィン22によって妻垂木1aが移動桁9上から落下するのを防ぐことができ、妻垂木1aを妻垂木固定金具47を用いて移動桁9の円弧状部16に固定するのを容易に行うことができる。
妻垂木1aは、図2に示すように、移動桁9の円弧状部16と端部キャップ10の円弧状部54上にまたがって載置され、その外側に端部キャップ10のフィン22が円弧状部54の周囲に張り出している。したがって、妻垂木1aの取付け時に妻垂木1aを移動桁9上に載せた際、フィン22によって妻垂木1aが移動桁9上から落下するのを防ぐことができ、妻垂木1aを妻垂木固定金具47を用いて移動桁9の円弧状部16に固定するのを容易に行うことができる。
図3に示すように、移動桁9の底壁には裏板保持溝55が長手方向に沿って形成してあり、裏板保持溝55に挿入した裏板56にボルト57を螺入して柱取付け金具58を取付け、柱取付け金具58に支柱24の上端部をネジ59で固定して、移動桁9と支柱24を連結してある。裏板保持溝55の周囲の壁は、前側の部分の壁60aの肉厚を、後側の部分の壁60bの肉厚よりも厚くしてある。
屋根25に吹き上げ荷重を受けると、移動桁9は円弧状部16に形成した固定具保持溝17の部分が上方に引っ張られ、固定具保持溝17は移動桁9の前後方向の中心に対して前側に偏心しているから、移動桁9には後側に転ぶような荷重が働く。このとき、上述のように裏板保持溝55の前側の部分の壁60aの肉厚を、後側の部分の壁60bの肉厚よりも厚くしてあることで、裏板保持溝55の変形が抑えられ、移動桁9と支柱24との連結強度を高めることができる。
屋根25に吹き上げ荷重を受けると、移動桁9は円弧状部16に形成した固定具保持溝17の部分が上方に引っ張られ、固定具保持溝17は移動桁9の前後方向の中心に対して前側に偏心しているから、移動桁9には後側に転ぶような荷重が働く。このとき、上述のように裏板保持溝55の前側の部分の壁60aの肉厚を、後側の部分の壁60bの肉厚よりも厚くしてあることで、裏板保持溝55の変形が抑えられ、移動桁9と支柱24との連結強度を高めることができる。
次に、本簡易構造物の施工手順を説明する。まず、建物の外壁23に垂木掛け26を水平に取付ける。次に、支柱24,24を立設し、支柱24,24上に移動桁9を架設し、移動桁9の両端部に端部キャップ10を取付ける。
次に、妻垂木1aの取付けを行う。妻垂木1aは、後端部を垂木掛け26に掛け、前部を移動桁9の円弧状部16上に載置し、妻垂木固定金具47により妻垂木1aを移動桁9の円弧状部16に固定する。このとき、移動桁9の端部キャップ10に移動桁9の円弧状部16よりも外周に張り出すフィン22を有しているため、妻垂木1aが移動桁9上から落下するのを防止できる。
次に、左右の妻垂木1a,1aの前端部間に前枠2を架設する。妻垂木1aの前端部には予め前枠引っ掛け金具3が取付けてあって、図10(a)に示すように、前枠2の水返し片8を妻垂木1aの逃がし溝4に挿入しつつ、前枠2の被係止部7を前枠引っ掛け金具3の係止部5に上から係止させ、その後、図10(b)に示すように、前枠2を被係止部7を支点に下向きに回動させ、図10(c)に示すように、前枠2の固定片6を妻垂木1aの下面に当接させて前枠2を仮置きし、このように前枠2を仮置きした状態で、前枠2の固定片6を妻垂木1aの下面にネジ40で固定する。
次に、中間の垂木1bの取付けを行う。中間の垂木1bは、後端部を垂木掛け26に掛け、図14に示すように水平面内で回動させ、前端部に形成した逃がし溝44に前枠2の水返し片8を挿入し、水返し片8を逃がし溝44内の係止部45に係止して垂木1bを仮置きし、前枠2の固定片6を垂木1bの下面にネジ40で固定する。その後、垂木1bを垂木固定金具11で移動桁9の円弧状部16に固定する。
次に、垂木1a,1b,…間に中骨28を取付け、垂木1a,1b,…間の上部に屋根パネル27を取付ける。屋根パネル27は、後端部を垂木掛け26に挿入してから、前端部を前枠2のパネル押え片39の下に挿入する。このとき、屋根パネル27の前縁をパネル押え片39に設けてあるくぼみ43に合わせることで、目視にて屋根パネル27の位置決めと歪みの矯正が行え、屋根パネル27を所定の位置に正確に取付けることができる。
その後、各垂木1a,1b,…上にパネル押え31を取付け、屋根パネル27を固定する。
次に、妻垂木1aの取付けを行う。妻垂木1aは、後端部を垂木掛け26に掛け、前部を移動桁9の円弧状部16上に載置し、妻垂木固定金具47により妻垂木1aを移動桁9の円弧状部16に固定する。このとき、移動桁9の端部キャップ10に移動桁9の円弧状部16よりも外周に張り出すフィン22を有しているため、妻垂木1aが移動桁9上から落下するのを防止できる。
次に、左右の妻垂木1a,1aの前端部間に前枠2を架設する。妻垂木1aの前端部には予め前枠引っ掛け金具3が取付けてあって、図10(a)に示すように、前枠2の水返し片8を妻垂木1aの逃がし溝4に挿入しつつ、前枠2の被係止部7を前枠引っ掛け金具3の係止部5に上から係止させ、その後、図10(b)に示すように、前枠2を被係止部7を支点に下向きに回動させ、図10(c)に示すように、前枠2の固定片6を妻垂木1aの下面に当接させて前枠2を仮置きし、このように前枠2を仮置きした状態で、前枠2の固定片6を妻垂木1aの下面にネジ40で固定する。
次に、中間の垂木1bの取付けを行う。中間の垂木1bは、後端部を垂木掛け26に掛け、図14に示すように水平面内で回動させ、前端部に形成した逃がし溝44に前枠2の水返し片8を挿入し、水返し片8を逃がし溝44内の係止部45に係止して垂木1bを仮置きし、前枠2の固定片6を垂木1bの下面にネジ40で固定する。その後、垂木1bを垂木固定金具11で移動桁9の円弧状部16に固定する。
次に、垂木1a,1b,…間に中骨28を取付け、垂木1a,1b,…間の上部に屋根パネル27を取付ける。屋根パネル27は、後端部を垂木掛け26に挿入してから、前端部を前枠2のパネル押え片39の下に挿入する。このとき、屋根パネル27の前縁をパネル押え片39に設けてあるくぼみ43に合わせることで、目視にて屋根パネル27の位置決めと歪みの矯正が行え、屋根パネル27を所定の位置に正確に取付けることができる。
その後、各垂木1a,1b,…上にパネル押え31を取付け、屋根パネル27を固定する。
以上に述べたように本簡易構造物の製造方法は、前枠2の水返し片8を妻垂木1aの逃がし溝4に挿入しつつ、前枠2の被係止部7を前枠引っ掛け金具3の係止部5に係止して、前枠2を被係止部7を支点に回動し、固定片6を妻垂木1aの下面に当接させることで、前枠2を仮置きできるので、前枠2を手で持ちながらネジ孔を開けたりしなくてよいため、施工性が良い。また、妻垂木1aの逃がし溝4は、前枠2の水返し片8を逃がすだけでよいため、逃がし溝4の形状を単純にでき、加工も容易である。前枠2の水返し片8を妻垂木1aの逃がし溝4に挿入していることで、水仕舞いが良好である。
前枠引っ掛け金具3は、妻垂木1aの逃がし溝4内に設けてあり、係止部5が逃がし溝4から前方に突出しているため、前枠2の水返し片8を妻垂木1aの逃がし溝4に挿入しつつ、前枠2の被係止部7を前枠引っ掛け金具3の係止部5に係止させるのが容易であり、また前枠2の仮置き状態も安定する。
さらに、中間の垂木1bは前端部に前枠2の水返し片8の逃がし溝44を有すると共に、逃がし溝44に水返し片8が係止する係止部45を設けたので、中間の垂木1bの前端部の前枠2との固定も容易である。
妻垂木1aと前枠2とを金具(前枠引っ掛け金具3)で固定しているので丈夫であり、前枠2の被係止部7は、上壁41の下面に前向きに傾斜して突設され、上壁41と被係止部7との間に前枠引っ掛け金具3の係止部5を係止することで、前枠2の回転を規制して前枠2を強固に取付けできる。
前枠引っ掛け金具3は、妻垂木1aの逃がし溝4内に設けてあり、係止部5が逃がし溝4から前方に突出しているため、前枠2の水返し片8を妻垂木1aの逃がし溝4に挿入しつつ、前枠2の被係止部7を前枠引っ掛け金具3の係止部5に係止させるのが容易であり、また前枠2の仮置き状態も安定する。
さらに、中間の垂木1bは前端部に前枠2の水返し片8の逃がし溝44を有すると共に、逃がし溝44に水返し片8が係止する係止部45を設けたので、中間の垂木1bの前端部の前枠2との固定も容易である。
妻垂木1aと前枠2とを金具(前枠引っ掛け金具3)で固定しているので丈夫であり、前枠2の被係止部7は、上壁41の下面に前向きに傾斜して突設され、上壁41と被係止部7との間に前枠引っ掛け金具3の係止部5を係止することで、前枠2の回転を規制して前枠2を強固に取付けできる。
また本簡易構造物は、移動桁9が前壁12と後壁13と底壁14とからなる本体部15と、本体部15の上方に位置し垂木1a,1bを受ける円弧状部16とが一体に設けてあり、円弧状部16の一箇所に固定具保持溝17が設けてあり、垂木固定金具11,47の垂木係合部18を垂木1a,1bに係合すると共に当接部19を移動桁9の円弧状部16に当接し、当接部19に形成した前後方向の長孔20に挿入した固定具(ボルト21)で移動桁9の固定具保持溝17に固定したので、従来のように桁を回動させる必要がなく、桁の前後位置によって溝を選択する必要もないため、施工性が向上する。また、移動桁9の円弧状部16の直径を本体部15の前後寸法よりも小さくしたことで、固定具保持溝17が一箇所しかないにもかかわらず、垂木固定金具11,47の前後方向の長孔20の長さを短くすることができ、これにより垂木1a,1bの固定強度が高められる。また、円弧状部16の直径を本体部15の前後寸法より小さくしたことで、固定具保持溝17を一箇所にしても広範囲の屋根角度に対応できる。
また本簡易構造物は、移動桁9の端部キャップ10に円弧状部16よりも外周に張り出すフィン22を有することで、垂木(妻垂木1a)を移動桁9上に載置・固定する際に、垂木1aが移動桁9上から落下するのを防止できるので、施工性が向上する。また、横から見たときに端部キャップ10のフィン22により、移動桁9の本体部15の前後寸法よりも直径を小さくした円弧状部16が隠れるため、意匠性を向上できる。
また本簡易構造物は、移動桁9の端部キャップ10に円弧状部16よりも外周に張り出すフィン22を有することで、垂木(妻垂木1a)を移動桁9上に載置・固定する際に、垂木1aが移動桁9上から落下するのを防止できるので、施工性が向上する。また、横から見たときに端部キャップ10のフィン22により、移動桁9の本体部15の前後寸法よりも直径を小さくした円弧状部16が隠れるため、意匠性を向上できる。
図15は、本発明に係る簡易構造物の他の実施形態を示している。本実施形態のものは、垂木1a,1bが湾曲部を有しないまっすぐなものであり、屋根25がフラットになっている。移動桁9や前枠2は先に説明した実施形態と同じものを使用している。
本実施形態の簡易構造物も、先に説明した実施形態と同様に、前枠2の水返し片8を妻垂木1aの逃がし溝4に挿入しつつ、前枠2の被係止部7を前枠引っ掛け金具3の係止部5に係止して、前枠2を被係止部7を支点に回動し、固定片6を妻垂木1aの下面に当接させることで、前枠2を仮置きできる(図16参照)。図16(a)に示すように、前枠2に被係止部7が前向きに傾斜して設けてあることで、前枠2を妻垂木1aに挿入・係止させるのが容易である。
本実施形態の簡易構造物も、先に説明した実施形態と同様に、前枠2の水返し片8を妻垂木1aの逃がし溝4に挿入しつつ、前枠2の被係止部7を前枠引っ掛け金具3の係止部5に係止して、前枠2を被係止部7を支点に回動し、固定片6を妻垂木1aの下面に当接させることで、前枠2を仮置きできる(図16参照)。図16(a)に示すように、前枠2に被係止部7が前向きに傾斜して設けてあることで、前枠2を妻垂木1aに挿入・係止させるのが容易である。
図17,18は、本発明に係る簡易構造物の変形例であって、先に説明した簡易構造物を横に連結したものを示している。屋根25はR型のもの、フラットなもののどちらでもよい。
移動桁9と前枠2は、中空部内に挿入したスリーブ61を介して長手方向に2本連結して構成してある。屋根25は、左右方向の中央部に連結垂木1cが設けられ、左右両端の妻垂木1a,1aに加え連結垂木1cにも前枠引っ掛け金具3を取付け、前枠2を左右両端部と中央部の三カ所の前枠引っ掛け金具3に係止して仮置きできるようにしている。
移動桁9と前枠2は、中空部内に挿入したスリーブ61を介して長手方向に2本連結して構成してある。屋根25は、左右方向の中央部に連結垂木1cが設けられ、左右両端の妻垂木1a,1aに加え連結垂木1cにも前枠引っ掛け金具3を取付け、前枠2を左右両端部と中央部の三カ所の前枠引っ掛け金具3に係止して仮置きできるようにしている。
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。本発明の簡易構造物は、2階のバルコニー等に設置することもでき、移動桁及び支柱を前後に移動できることで、バルコニー等への設置が容易である。前枠引っ掛け金具の形状、材質等は、適宜変更することができる。移動桁の円弧状部の直径を本体部の前後寸法に対してどの程度小さくするかは特に限定されないが、垂木固定金具の前後方向の長孔を十分短くでき、且つ垂木が移動桁の本体部と干渉しなければよい。本発明は、テラス等の建物の外壁に付けて施工されるものに限らず、カーポート等の自立型の簡易構造物にも適用できる。
1a 妻垂木(垂木)
1b 中間の垂木(垂木)
1c 連結垂木(垂木)
2 前枠
3 前枠引っ掛け金具
4 逃がし溝
5 係止部
6 固定片
7 被係止部
8 水返し片
9 移動桁
10 端部キャップ
11 垂木固定金具
12 前壁
13 後壁
14 底壁
15 本体部
16 円弧状部
17 固定具保持溝
18 垂木係合部
19 当接部
20 長孔
21 ボルト(固定具)
22 フィン
47 妻垂木固定金具(垂木固定金具)
1b 中間の垂木(垂木)
1c 連結垂木(垂木)
2 前枠
3 前枠引っ掛け金具
4 逃がし溝
5 係止部
6 固定片
7 被係止部
8 水返し片
9 移動桁
10 端部キャップ
11 垂木固定金具
12 前壁
13 後壁
14 底壁
15 本体部
16 円弧状部
17 固定具保持溝
18 垂木係合部
19 当接部
20 長孔
21 ボルト(固定具)
22 フィン
47 妻垂木固定金具(垂木固定金具)
Claims (1)
- 妻垂木と、前枠と、前枠引っ掛け金具とを備え、妻垂木は、前端部に逃がし溝を有し、前枠引っ掛け金具は、妻垂木の前端部に取付けてあり、妻垂木の前方に突出する係止部を有し、前枠は、下面に後方に突出する固定片と、固定片の上方に位置する被係止部と被係止部よりも後方に突出する水返し片を有し、前枠の水返し片を妻垂木の逃がし溝に挿入しつつ、前枠の被係止部を前枠引っ掛け金具の係止部に係止して、前枠を被係止部を支点に回動することで、固定片を妻垂木の下面ネジ止め部に重合する位置に当接させた後に、固定片を妻垂木にネジ止めすることを特徴とする簡易構造物の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2016122126A JP6092449B1 (ja) | 2016-06-20 | 2016-06-20 | 簡易構造物の製造方法 |
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0612601U (ja) * | 1992-05-13 | 1994-02-18 | ワイケイケイアーキテクチュラルプロダクツ株式会社 | 横架材用補強材の取付構造 |
JP2008208671A (ja) * | 2007-02-28 | 2008-09-11 | Tostem Corp | 簡易屋根 |
JP2013213319A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-17 | Lixil Corp | 屋根構造体 |
-
2016
- 2016-06-20 JP JP2016122126A patent/JP6092449B1/ja active Active
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