JP2009162023A - カーポート - Google Patents

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聖士 市川
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Abstract

【課題】直線状の梁で湾曲状の屋根体を支持する構造において施工性が良好で低コスト化を図ることのできるカーポートを提供する。
【解決手段】支柱3の上端部に梁4を設けてなるフレーム材1と、フレーム材1の梁4に支持される屋根体5とからなり、梁4は略直線状に形成されると共に、上面に湾曲状に形成された補助梁6を載置してなり、屋根体5は梁4の長手方向に沿って湾曲状に形成されると共に、梁4及び補助梁6に支持されてなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、支柱に梁を取付け屋根体を支持してなるカーポートに関し、特に直線状に形成された梁に対し湾曲状に形成された屋根体を取付けてなるカーポートに関する。
従来、地面に立設した支柱に梁を取付けてフレーム材を構成し、フレーム材の上部に屋根体を固定してなるカーポートが用いられている。このカーポートは、少なくとも前後にそれぞれフレーム材が立設され、湾曲状または平面状に形成された屋根体が前後のフレーム材の梁によって支持される。また屋根体は、前後枠と左右側枠とを略方形状に枠組みした枠体内に、パネル材を複数枚取付けて構成される。
屋根体は、湾曲状に形成されている方が意匠性が高いが、この場合には支持する梁も湾曲状に形成される。湾曲状の梁の場合には、強度を確保するために断面積を大きく形成する必要があり、コスト上昇の要因となっていた。また、平面状の屋根体を支持するために用いる直線状の梁と、湾曲状の屋根体を支持するために用いる湾曲状の梁とを共用できないために、両方を用意しておかなくてはならず、これもコスト上昇の要因となっていた。このため、直線状の梁で湾曲状の屋根体を支持するカーポートが知られている。このようなカーポートとしては例えば特許文献1に挙げるようなものがある。
特開2000−110291号公報
従来における直線状の梁で湾曲状の屋根体を支持するカーポートは、梁と屋根体との間にスペーサを設け、このスペーサを屋根体の湾曲に合わせて異なる高さを有するように形成し、梁で屋根体を支持できるようにしている。しかし、従来のカーポートでは、高さの異なるスペーサを複数種類用意しなければならず、部品点数が多くなるために施工に手間を要すると共に、コストもかかるものとなっていた。
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、直線状の梁で湾曲状の屋根体を支持する構造において施工性が良好で低コスト化を図ることのできるカーポートを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るカーポートは、支柱の上端部に梁を設けてなるフレーム材と、該フレーム材の梁に支持される屋根体とからなるカーポートにおいて、
前記梁は略直線状に形成されると共に、上面に湾曲状に形成された補助梁を載置してなり、前記屋根体は前記梁の長手方向に沿って湾曲状に形成されると共に、前記梁及び補助梁に支持されることを特徴として構成されている。
また、本発明に係るカーポートは、前記補助梁は前記屋根体の湾曲面と略平行となるように湾曲することを特徴として構成されている。
さらに、本発明に係るカーポートは、前記屋根体は前記梁を横切る方向に配置される前後枠と、左右側枠とを略方形状に枠組みした枠体内にパネル材を納めて構成され、前記左右側枠間には母屋が渡され、該母屋が前記補助梁に支持されることを特徴として構成されている。
さらにまた、本発明に係るカーポートは、前記補助梁は断面中空状に形成され、端面には端部キャップ材が挿入され、該端部キャップは前記補助梁の端面を塞ぐ蓋部と、前記補助梁の端部下面を受ける載置部とが一体的に形成されてなり、前記蓋部には前記補助梁の端面から外方に向かうように突出するリブが形成されることを特徴として構成されている。
本発明に係るカーポートによれば、梁は略直線状に形成されると共に、上面に湾曲状に形成された補助梁を載置してなり、屋根体は梁の長手方向に沿って湾曲状に形成されると共に、梁及び補助梁に支持されることにより、梁に補助梁を載置してなる簡易な構造で、湾曲状の屋根体を直線状の梁で支持することができ、部品点数が少なく施工性を良好とすることができると共に、低コスト化も図ることができる。
また、本発明に係るカーポートによれば、補助梁は屋根体の湾曲面と略平行となるように湾曲することにより、スペーサ等を設けることなく補助梁により屋根体を支持することができ、部品点数を減らして施工性を良好とすることができる。
さらに、本発明に係るカーポートによれば、屋根体は梁を横切る方向に配置される前後枠と、左右側枠とを略方形状に枠組みした枠体内にパネル材を納めて構成され、左右側枠間には母屋が渡され、母屋が補助梁に支持されることにより、母屋と補助梁を連結するだけで容易に屋根体を固定することができる。
さらにまた、本発明に係るカーポートによれば、補助梁は断面中空状に形成され、端面には端部キャップ材が挿入され、端部キャップは補助梁の端面を塞ぐ蓋部と、補助梁の端部下面を受ける載置部とが一体的に形成されてなり、蓋部には補助梁の端面から外方に向かうように突出するリブが形成されることにより、補助梁の小口面が蓋部で覆われて意匠性を向上させることができると共に、リブにより強度を充分に確保できるので、蓋部が補助梁の端面から外れることを防止することができる。
本発明の実施形態について、図面に沿って詳細に説明する。図1は本実施形態におけるカーポートの正面図であり、図2は側面図、図3は平面図である。これら各図に示すように、本実施形態におけるカーポートは、地面に立設される支柱3に梁4を片持ち状に設けてなる前フレーム材1と後フレーム材2とを前後方向に並設し、前フレーム材1と後フレーム材2の各梁4によって屋根体5を支持してなるものである。ここで、梁4は直線状に形成される一方、屋根体5は梁4の長手方向に沿って湾曲状に形成されており、屋根体5は両端部がそれぞれ梁4に支持されると共に、中間部は湾曲状に形成され梁4に載置される補助梁6によって支持される。
支柱3や梁4及び補助梁6はアルミの押出型材からなり、断面中空状に形成されている。梁4は直線状に形成されると共に、支柱3との連結部分から先端部分に向かってやや上り傾斜状となるように取付けられている。屋根体5は平面視において略方形であって、梁4の長手方向に沿って湾曲状となるように形成されている。補助梁6は、梁4に取付けられる位置において、長手方向全長に渡って屋根体5と平行となるように湾曲している。すなわち、補助梁6と屋根体5の湾曲面は、長手方向全長に渡って等間隔を有するように配置されている。
屋根体5は、前枠11と後枠12及び左右の側枠13、13を方形状に枠組みしてなる枠体10内に、複数のパネル材14を納めて構成されている。前枠11と後枠12及び左右の側枠13、13は、アルミの押出型材からなり、前枠11と後枠12については断面中空状に形成されている。枠体10の一端部近傍には、前枠11と後枠12間を渡るように集水樋15が設けられる。集水樋15は、前枠11と後枠12の下方に配置されると共に、後枠12側の端部で排水樋16に連結される。排水樋16は、支柱3に沿って設けられ、下端部から外部に水を排水する。これによって、前枠11及び後枠12から排水される水を、集水樋15及び排水樋16を介して外部に排水することができる。
屋根体5は前述のように前枠11と後枠12及び左右の側枠13、13を方形状に枠組みした枠体10によって外形状が構成されており、この枠体10内に骨組みを構成する各部材が格子状に設けられており、さらにそれら部材に支持されるように透明板からなる複数のパネル材14が設けられている。前枠11は梁4の長手方向と直交し、梁4の先端部側に配置される。また、後枠12は梁4の長手方向と直交し、梁4の支柱側に配置される。
図3に示すように屋根体5を上方から見ると、前枠11から後枠12に渡るように垂木押さえ材22が複数本平行に設けられており、また垂木押さえ材22の配設方向と直交しその下方を潜って左右の側枠13間に渡るように母屋20が複数本平行に設けられている。パネル材14は、垂木押さえ材22とその下部に設けられる垂木21によって周縁部が挟持され、固定されている。
図4には、図3のA−A断面図のうち一部を示している。この図に示すように補助梁6は、下面が端部キャップ材24を介して梁4の上面にネジ止め固定され、補助梁6の上面には母屋20がネジ止め固定される。母屋20の端面には、母屋端面キャップ23が設けられる。また、母屋20の上面には、母屋20と直交するように垂木21が設けられてネジ止め固定される。母屋20の端部においては、側枠13の上部に形成される垂木部13aが垂木の機能を果たしている。
垂木21の上部には、垂木押さえ材22が設けられ、垂木押さえ材22と垂木21とでパネル材14の周縁部を挟持し、固定している。側枠13の垂木部13aの上部には、側枠押さえ材13bが設けられ、垂木21の構造と同様に側枠押さえ材13bと垂木部13aによってパネル材14の周縁部を挟持固定する。
図5には、図3のB−B断面図のうち支柱3と梁4の連結部分付近を示している。支柱3と梁4は、略L字状に形成されてなる連結部材7が各端面から中空内部に挿入され、この連結部材7とのネジ止めによって互いに連結されている。また、支柱3の上端面には支柱キャップ8が設けられて、その小口面を塞いでいる。
屋根体5の後枠12は、枠固定部品17によって連結部材7に対してネジ止め固定されている。また後枠12は、パネル材14から流れてくる水を流すための溝部12aと、パネル材14の周縁部を固定するパネル材固定部12bと、枠固定部品17に対する固定部分となる金具取付部12cとを有している。金具取付部12cと枠固定部品17は、締結具12dにより連結固定されている。
図6には、図3のB−B断面図のうち補助梁6の一端部付近を示している。補助梁6の端部には、端部キャップ材24が取付けられており、その小口面を塞いでいる。また、補助梁6は端部キャップ材24を介して梁4に支持されている。母屋20は、補助梁6の上面にネジ止め固定され、屋根体5の湾曲面と補助梁6とが略平行となるようにされている。
図7には、端部キャップ材24の斜視図を示している。この図に示すように、端部キャップ材24は、補助梁6の端面から挿入されて小口面を塞ぐ蓋部24aと、補助梁6の端部付近の下面を載置する載置部24bとが一体的に形成されている。補助梁6は前述のように屋根体5の湾曲面に沿って湾曲しているため、補助梁6の下面が当接する載置部24bの上面は傾斜状に形成されている。
また、蓋部24aには、補助梁6の端面から外方に向かうように突出したリブ24cが2つ形成されている。補助梁6には屋根体5の荷重がかかるために、補助梁6の小口面には変形する力がかかり、これに伴い端部キャップ材24には抜ける方向に力がかかることとなる。これに対して蓋部24aにリブ24cが形成されていることにより、蓋部24aは充分な強度を有するので、端部キャップ材24が補助梁6から抜けることを防止することができる。
図8には、図3のB−B断面図のうち梁4の先端部付近を示している。梁4の先端面には、梁キャップ25が設けられて、その小口面を塞いでいる。屋根体5の前枠11は、枠固定部品17によって梁4に固定されている。この枠固定部品17は後枠12を固定するものと同じ部品を用いている。また、前枠11は後枠12と略同様の構成を有しており、パネル材14から流れてくる水を流すための溝部11aと、パネル材14の周縁部を固定するパネル材固定部11bと、枠固定部品17に対する固定部分となる金具取付部11cとを有しており、金具取付部11cに設けられる締結具11dにより枠固定部品17と固定され、梁4に対して連結されている。
図9には、枠固定部品17の正面図及び平面図を示している。図9(a)が枠固定部品17の正面図、図9(b)が枠固定部品17の平面図である。図9の各図に示すように、枠固定部品17は前枠11または後枠12に固定される枠固定面17aと、梁4に固定される梁固定面17bとが互いに直交するように形成されている。また、枠固定面17aには、前枠11または後枠12に設けられる係合部(図示しない)に対して係合する係合片17cも形成されている。図9(a)に示すように、枠固定面17aには、一方側が開口した長孔状の締結具挿通部17dが形成されている。
枠固定部品17により前枠11と梁4とを連結するにあたっては、予め前枠11の金具取付部11cに対して締結具11dを構成するボルトを取付けておき、枠固定部品17をスライドさせることで枠固定面17aに形成された締結具挿通部17dの開口部分からボルトを挿通させる。これにより、連結作業を簡易にすることができる。
枠固定部品17の梁固定面17bは、図9(b)に示すように、略半円形状に形成されており、また梁4と連結するネジを挿通するネジ孔17eが複数形成されている。梁4の上面には、図4に示すように凹部4aが長手方向に沿って形成されており、この凹部4aの底面に梁固定面17bを当接させ、ネジ孔17eにネジを挿通することで、枠固定部品17を梁4に対してネジ止め固定する。
本実施形態では、梁4と屋根体5の前枠11は直交しているが、カーポートを設置する敷地によっては、前フレーム材1及び後フレーム材2に対して屋根体5の前枠11を傾斜状に配置し、屋根体5を台形状とする場合がある。この場合、梁4と前枠11は直交せず、梁固定面17bが角を有する例えば方形状に形成されていた場合、梁固定面17bが梁4に形成された凹部4aの壁面と干渉することとなるため、屋根体5の前フレーム材1及び後フレーム材2に対する傾斜角度毎に枠固定部品17を用意する必要があった。これに対して本実施形態では、梁固定面17bが略半円形状とされて角を有しないR形状に形成されていることにより、梁4と屋根体5の前枠11の連結角度が異なっても、梁固定面17bが梁4の凹部4aと干渉することがなく、同じ部品でこれらを連結することができる。
以上のように、前フレーム材1と後フレーム材2を構成する梁4を直線状に形成し、梁4の上面に補助梁6を載置し、梁4の長手方向に沿って湾曲状となるように形成した屋根体5を梁4と補助梁6により支持するように構成したことで、部品点数の少ない簡易な構造により湾曲状の屋根体5を直線状の梁4で支持することができ、施工性の良好なカーポートとすることができる。また、平面状の屋根体5を有するカーポートと梁4を共用化することができ、部品の共用化によるコストダウンも図ることができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図10には、本実施形態におけるカーポートの正面図を示している。本実施形態のカーポートの構成は、第1の実施形態のカーポートと概ね同様であるため、共通する点については説明を省略する。図10に示すように、本実施形態のカーポートは、第1の実施形態のカーポートよりも梁4が長く、屋根体5も幅広に形成されている。
このため、屋根体5の母屋20は、第1の実施形態のカーポートにおいては3本であるのに対し、本実施形態のカーポートにおいては4本有している。それに合わせて、梁4の上面に載置される補助梁6も、長手方向により長尺となるように形成されている。また、第1の実施形態と同様、補助梁6は長手方向の全長に渡って、屋根体5の湾曲面と略平行となる湾曲状に形成されている。これにより、補助梁6で屋根体5の母屋20を直接支持することができる。このように、屋根体5の幅、すなわち前枠11と後枠12との間隔に合わせて補助梁6を用意することにより、様々な大きさの屋根体5に対応することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。例えば、フレーム材は、少なくとも前フレーム材1と後フレーム材2を有していれば、それ以上の本数としてもよい。また、前述したように、前フレーム材1及び後フレーム材2に対して屋根体5の前枠11を傾斜状に配置して、屋根体5を台形状とすることもできる。
また、図11にはカーポートの他の例における平面図を示している。この図では、前フレーム材1及び後フレーム材2は第2の実施形態に用いたもの、すなわち幅方向に4本の母屋20を有する屋根体5を載置することのできるものであり、一方で屋根体5は第1の実施形態に用いたもの、すなわち幅方向に3本の母屋20を有するものである。この例では、屋根体5を前フレーム材1及び後フレーム材2に対して傾斜状に配置している。このように、屋根体5を長方形状に枠組みしつつ、各フレーム材に対しては傾斜状に配置することもでき、この場合にあっても梁4に補助梁6を載置して屋根体5を支持するようにしている。
第1の実施形態におけるカーポートの正面図である。 カーポートの側面図である。 カーポートの平面図である。 図3のA−A断面図の一部である。 図3のB−B断面図のうち支柱と梁の連結部分付近の拡大図である。 図3のB−B断面図のうち補助梁の支持部分付近の拡大図である。 端部キャップ材の斜視図である。 図3のB−B断面図のうち梁の先端部付近の拡大図である。 枠固定部品の正面図及び平面図である。 第2の実施形態におけるカーポートの正面図である。 カーポートの他の例における平面図である。
符号の説明
1 前フレーム材
2 後フレーム材
3 支柱
4 梁
5 屋根体
6 補助梁
10 枠体
11 前枠
12 後枠
13 側枠
14 パネル材
17 枠固定部品
17a 枠固定面
17b 梁固定面
20 母屋
21 垂木
22 垂木押さえ材
24 端部キャップ材
24a 蓋部
24b 載置部
24c リブ

Claims (4)

  1. 支柱の上端部に梁を設けてなるフレーム材と、該フレーム材の梁に支持される屋根体とからなるカーポートにおいて、
    前記梁は略直線状に形成されると共に、上面に湾曲状に形成された補助梁を載置してなり、前記屋根体は前記梁の長手方向に沿って湾曲状に形成されると共に、前記梁及び補助梁に支持されることを特徴とするカーポート。
  2. 前記補助梁は前記屋根体の湾曲面と略平行となるように湾曲することを特徴とする請求項1記載のカーポート。
  3. 前記屋根体は前記梁を横切る方向に配置される前後枠と、左右側枠とを略方形状に枠組みした枠体内にパネル材を納めて構成され、前記左右側枠間には母屋が渡され、該母屋が前記補助梁に支持されることを特徴とする請求項1または2記載のカーポート。
  4. 前記補助梁は断面中空状に形成され、端面には端部キャップ材が挿入され、該端部キャップは前記補助梁の端面を塞ぐ蓋部と、前記補助梁の端部下面を受ける載置部とが一体的に形成されてなり、前記蓋部には前記補助梁の端面から外方に向かうように突出するリブが形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカーポート。
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