JP4836170B2 - 表面処理鋼帯 - Google Patents

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本発明は、板鍛造、プレス成形、ロール成形などの鋼帯の冷間塑性加工の分野で用い得る潤滑性を有する表面処理鋼帯に関する。さらに詳しく述べるならば、長期保管時の発錆や、防錆油、加工油などとの接触による皮膜劣化などがなく、実用環境で安定的な塑性加工性能を発揮できる潤滑皮膜を鋼帯表面に有する表面処理鋼帯に関する。
鋼帯が用いられる塑性加工分野の中でも特に高面圧下での強加工を強いられる板鍛造などの冷間鍛造分野では、鋼板表面にリン酸塩結晶を析出させ、次いで、その上層を石けん皮膜で被覆することによりリン酸塩と石けんとの複合皮膜を形成するリン酸塩石けん処理が古くから行われている。リン酸塩皮膜は材料との密着性が良く、結晶のへき開により加工時の面積拡大に対して追従するために耐焼付き性に優れている他、上層にはリン酸塩との反応により形成される金属石けん皮膜とアルカリ石けん皮膜とが形成されるため、鋼板表面に優れた塑性加工性を付与し高度な鍛造加工を実現している。
さらに、リン酸塩石けん皮膜で被覆された鋼板表面は、リン酸塩の防食作用により長期保管にも適しているほか、油との接触や経時での性能変化もなく、安定的な実用性にも優れている。
しかし、リン酸塩石けん処理のような化成処理法は、前後処理を含めて複雑な工程を経る上、長い化成反応時間を要するために、鋼帯状での連続処理は実質上困難である。そのため鋼帯を用いる板鍛造などでは、鋼帯を加工前形状に切り出すブランキング工程後、切り出された被加工材それぞれに対する化成処理を行わなければならず、それに伴う設備負担又は外注処理費など、多大な労力やコストがかかっている。さらに、リン酸塩石けん処理では、化学反応によって生成するスラッジや、前工程からの酸混入などにより劣化した廃石けんなどが大量の産業廃棄物となることは避けられない他、化成処理後の水洗から重金属イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、フッ酸イオンなどを含む廃水が発生して廃水処理などにも多くの労力やコストがかかる。したがって、リン酸塩石けん処理は環境保全を目指した最近の流れの中では問題視されつつある。
一方、近年、生産性向上や環境保全を目的として、リン酸塩石けん処理を代替しようとする潤滑システムが開発されつつある。この技術は、被加工材である金属材料表面に対して液状の非反応型皮膜剤を付着させ、次いで乾燥するだけの簡便な工程によって高度な潤滑性を付与するものであることから、化成処理では困難であった鋼帯状での連続処理にも好適であり、さらには化成処理と比して反応副生成物などの廃棄物の発生が圧倒的に少なく、作業環境も良好であることから産業上の利用価値が極めて大きいと評価されている。
このような技術として、特許文献1には、水性無機塩とスメクタイト系粘土鉱物とを含有する保護皮膜形成用水性組成物が開示されている。水性無機塩としては、硫酸塩、ホウ酸塩、ケイ酸塩、モリブデン酸塩、バナジンサン塩及びタングステン酸塩より選ばれる少なくとも一種が用いられ、スメクタイト系粘土鉱物としては、モンモリロナイト、ソーコナイト、バイデライト、ヘクトライト、ノントロナイト、サポナイト、鉄サポナイト及びスチブンサイトより選ばれる少なくとも一種が用いられる。該組成物には潤滑成分として油、石けん、金属石けん、ワックス及びポリテトラフルオロエチレンから選ばれる少なくとも一種である潤滑成分を、水性無機塩、スメクタイト系粘土鉱物及び潤滑成分の合計を基準として、1〜70質量%含有させることにより、形成される潤滑皮膜に良好な耐焼付き性と優れた潤滑性能を併有させることができるため、該皮膜はリン酸塩石けん皮膜に匹敵する優れた潤滑皮膜になると記載されている。
この組成物は水性無機塩とスメクタイト系粘土鉱物と水とを含有し、水性無機塩水溶液中にスメクタイト系粘土鉱物粒子がコロイド分散していることで、適度なチクソトロピー性を発現させており、それにより被塗材表面に付着した液膜は乾燥工程までの間に急速なゲル化を起こし、液だれによる付着量勾配や付着斑が少ない均一被覆性を実現できる。さらには液膜濃縮に対する粘性向上率が非常に高く、液膜に内包される潤滑成分などの加熱濃縮による凝集・偏析を物理的に抑制するため、皮膜の組成均一性をも飛躍的に向上するとされている。これらが結果的に被加工材表面の耐焼付き性及び潤滑性能の安定性向上を担っており、塗布型にも関わらず、化成処理法と同等以上の優れた加工性、耐焼付き性を有する皮膜が形成されると説明されている。
しかし、上記発明では、長期保管時の発錆や、防錆油や加工油などとの接触などによる皮膜劣化など、表面処理鋼帯が扱われる実用環境に対する耐性については十分に想定されておらず、実用環境下で安定的な塑性加工性能を発揮できる表面処理鋼帯の出現が待たれていた。
国際公開WO02/014458号公報
本発明は、上記従来技術が抱える課題を解決するものである。すなわち、表面処理鋼帯が扱われる実用環境に対する耐性、例えば長期保管時の発錆や、防錆油や加工油などとの接触などによる皮膜劣化を起こさず、安定的な塑性加工性能を発揮できる表面処理鋼帯の提供を目的とする。なお、本発明において「塑性加工性能」とは塑性加工時の荷重を低減するための低摩擦係数、表面積拡大に皮膜が追従し焼付きを防止するための皮膜密着性、耐焼付き性などの総合的性能を意味する。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行ってきた結果、鋼帯表面に、ある特定のケイ酸アルカリ金属塩、合成ヘクトライト及び飽和もしくは不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩を含有する皮膜を形成させることにより、長期保管時の発錆や、防錆油や加工油などとの接触などによる皮膜劣化を起こさず、実用上安定な塑性加工性能を発揮し得る表面処理鋼帯を製造できることを見出し、さらに、特定量の高分子ワックスを配合することにより、耐油性を低下させることなく潤滑性能をさらに向上し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明はSiO/MO(Mはアルカリ金属を示す)のモル比が2〜5のケイ酸アルカリ金属塩(A)、合成ヘクトライト(B)及び飽和もしくは不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩(C)を含有するがワックスを含有しない皮膜、又は上記したケイ酸アルカリ金属塩(A)、合成ヘクトライト(B)及びアルカリ金属塩(C)並びに補助潤滑成分としての高分子ワックス(D)を含有する皮膜が鋼帯表面に形成されている表面処理鋼帯であって、該皮膜の全固形分質量を基準として、(A)、(B)及び(C)の固形分含有量がそれぞれ45〜94質量%、1〜10質量%及び5〜20質量%であり、含有される場合の(D)の固形分含有量が1〜15質量%である該表面処理鋼帯に関する。高分子ワックスは、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス及びポリテトラフルオロエチレンワックスから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。また、潤滑皮膜の付着量は1〜15g/mであることが好ましい。なお、上記した皮膜中の(A)、(B)、(C)及び(D)の固形分含有量は、該皮膜を形成させるのに使用する水性処理液中の全固形分に対する(A)、(B)、(C)及び(D)の固形分含有量に等しいものとし、その後者の各固形分含有量によって表した。
本発明の鋼帯表面に形成される潤滑皮膜は、ケイ酸アルカリ金属塩(A)からなる皮膜によって優れた耐焼付き性と耐錆性を示し、水溶性であるために油に影響され難い飽和もしくは不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩(C)を含有することで、油との接触環境下でも安定的な潤滑性を示す。該潤滑皮膜の形成過程においては、ケイ酸アルカリ金属塩水溶液中にコロイド状に分散している合成ヘクトライト(B)によって、皮膜形成過程での液膜粘性がコントロールされ皮膜が均一に塗布される他、皮膜中に分布する飽和もしくは不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩や、その他の分散成分の膜中分布も均一性が確保されるので、斑の無い潤滑皮膜が形成される。さらに油に膨潤し難い高分子ワックス(D)を特定量の範囲で配合することにより、形成される皮膜にさらに優れた塑性加工性能を付与することができる。
本発明の表面処理鋼帯は表面処理鋼帯が扱われる実用環境での耐性、例えば長期保管時の耐食性や耐油性などに優れ、工業的に安定な塑性加工性能を発揮できる。また、本発明の表面処理鋼帯は、鋼帯表面に水性処理液を付着させた後、乾燥する簡便な方法であって、リン酸塩石けん処理法と比して廃棄物が少なく、作業環境も良好な方法によって製造することができ、性能的にもリン酸塩石けん処理皮膜を有する表面処理鋼帯に匹敵する性能を発揮する。したがって、本発明の産業上の利用価値は極めて大きい。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の「表面処理鋼帯」における「鋼」は炭素鋼のみならず合金鋼や特殊鋼も含む。また、鋼帯は、熱延鋼帯、冷延鋼帯のみならず、表面に亜鉛めっきなどを施しためっき鋼帯も包含する。本発明の表面処理鋼帯は主として板鍛造用途に使用されるが、それに限定されるものではなく、広い用途に使用し得る。なお、板鍛造用途に使用される場合の鋼帯としては、例えば板厚2.3mm以上など、比較的板厚が厚い熱延鋼帯を用いることが一般的である。
本発明の表面処理鋼帯の表面に形成されている潤滑皮膜の皮膜ベース(主成分)であるケイ酸アルカリ金属塩(A)は、鋼帯表面に耐熱性に優れた強固な連続皮膜を形成することにより、被加工材と工具との金属直接接触を防止する耐焼付き性機能や、緻密なアルカリ性皮膜のバリア性による耐錆性機能などを発現する他、飽和もしくは不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩や、その他の分散成分などを皮膜中に保持する機能などを担っている。ケイ酸アルカリ金属塩(A)は、通常水溶液の形態で使用する。ケイ酸アルカリ金属塩が液中で安定に存在し得るのは、水和MがOHのついたケイ酸イオンの縮合を妨害するためと考えられ、MO分が多いほど水に溶解し易く水溶液として安定である。しかし、本発明においては、ケイ酸アルカリ金属塩によるガラス状皮膜を形成するために、SiO/MOのモル比として2〜5の範囲であることが必要であり、この範囲を外れると皮膜強度が十分に得られず塑性加工性能が極端に悪化する他、5よりも大きい場合には水溶液としての安定性が悪くなるため実用性が乏しくなる。具体的には、SiO/MOのモル比が2〜5のケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムなどを使用できるが、水溶液の安定性や、造膜性などを考慮すると、特にケイ酸ナトリウムが好ましく、さらにはSiO/MOのモル比が3〜4であることが好ましい。
本発明の表面処理鋼帯の表面に形成されている潤滑皮膜におけるケイ酸アルカリ金属塩(A)の含有量は、該皮膜の全固形分質量を基準として、固形分として、45〜94質量%であることが必要であり、50〜90質量%であることが好ましい。(A)の含有量が45質量%に満たないとケイ酸アルカリ金属塩によって形成されるガラス状皮膜の連続性が乏しくなるため、塑性加工に耐え得る皮膜強度が得られなくなる。また、(A)の含有量が94質量%を超えると、配合し得る合成ヘクトライト(B)及び飽和もしくは不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩(C)の量が不足するため、本発明の効果を発現できなくなる。
本発明の表面処理鋼帯上の潤滑皮膜を形成させる際の均一塗布性及び潤滑成分の膜中分布の均一性を確保している合成ヘクトライト(B)は、一般式[Si(MgLi)O20(OH)F4−c−xNa+x(0<a≦6,0<b≦6,4<a+b<8,0≦c≦4,x=12−2a−b)を有する合成粘土鉱物である。合成ヘクトライトの粒子は3層構造をしており、層状構造における結晶構造各層は、厚さ約1nmの二次元小板よりなっている。そしてこの小板ユニットの中層に存在するマグネシウム原子の一部が低原子価のリチウム原子と同型置換しており、その結果、小板ユニットは負に帯電している。乾燥状態ではこの負電荷はプレート面の格子構造外側にある置換可能な陽イオンと釣り合っており、固相ではこれらの粒子はファンデルワールス力により互いに結合し平板の束を形成している。
このような合成ヘクトライト(B)を水相に分散すると、置換可能な陽イオンが水和されて粒子が膨潤を起こし、高速ディゾルバーなどの通常の分散機を用いて分散させると安定なゾルを得ることができる。このように水相に分散された状態では小板は表面が負の電荷となり、相互に静電気的に反発し、小板状の一次粒子にまで細分化された安定なゾルになる。しかし、粒子濃度を増加したり、イオン濃度を増加した場合、表面負電荷による反発力が減少して、負電荷を帯びた小板面に、正電荷を帯びた他の小板端部が電気的に配向することが可能になり、いわゆるカードハウス構造を形成し、増粘性とチクソトロピー性を呈するようになる。このようにカードハウス構造の結合は電気的引力によるため、この分散液は低剪断域では構造粘性を示し、高剪断域では結合の分離が生じゾル状態になるため優れたチクソトロピー性を示すものと考えられる。合成ヘクトライトの水相分散物は厚さ約1nmの2次元小板すなわち円板状のプレートでプレート面の直径は20〜40nmであると考えられている。
合成ヘクトライト(B)は、鋼帯に均一な皮膜を形成させると共に、潤滑成分の膜中分布の均一性をも確保するために必須である。ケイ酸アルカリ金属塩(A)の水溶液中にコロイド分散状態で含有される合成ヘクトライト(B)は、非常に小径であるために、該水溶液に対して低剪断における強力な構造粘性を効率良く発現する。この構造粘性により被塗材表面に付着した液膜は乾燥工程までの間に急速なゲル化を起こし、液だれによる付着量勾配や付着斑が少ない均一被覆性を実現できる。さらに液膜濃縮に対する粘性向上率が非常に高いため、液膜に内包される潤滑成分などの加熱濃縮による凝集・偏析を物理的に抑制することができ、皮膜の組成均一性は飛躍的に向上する。これらが結果的に本発明の表面処理鋼帯の耐焼付き性及び潤滑性の安定的向上を担っている。
本発明の表面処理鋼帯の潤滑皮膜における合成ヘクトライト(B)の含有量は、該皮膜の全固形分質量を基準として、固形分として、1〜10質量%であることが必要であり、2〜8質量%であることが好ましい。合成ヘクトライト(B)の含有量が1質量%に満たないと十分な構造粘性が発現し難くなり、皮膜の均一塗布性や、潤滑成分の膜中分布の均一性に悪影響を生じ易くなる。また、含有量が10質量%を超えると効果が飽和する他、処理液粘性が極端に高まり塗布工程でのハンドリングが悪くなる。
本発明の表面処理鋼帯の潤滑皮膜における飽和もしくは不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩(C)は、潤滑性を有することに加え、水溶性であって油に相溶し難いことから、鋼帯表面に形成される皮膜に潤滑性及び耐油性を付与する必須成分である。飽和もしくは不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩(C)の具体例としては、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イコサン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、及び一部分岐構造を有するイソステアリン酸などの飽和もしくは不飽和脂肪酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる。また該脂肪酸を構成する炭素数は8〜22であることが好ましく、12〜18であることがより好ましい。7以下では潤滑性が不十分となり、23以上では疎水性が強くなるために耐油性が劣ってくる傾向になる。これらの飽和もしくは不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩は各単独でもしくは2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明の表面処理鋼帯の潤滑皮膜における飽和もしくは不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩(C)の含有量は、該皮膜の全固形分質量を基準として、固形分として、5〜20質量%であることが必要である。(C)の含有量が5質量%に満たないと潤滑性が不足するため目的の塑性加工性能が得られない。また、20質量%を超えると潤滑性及び耐油性に関する効果が飽和し経済的に無駄になる他、皮膜の連続性の低下により塑性加工性能が悪化する。
本発明の表面処理鋼帯上に形成されている潤滑皮膜中には、皮膜の塑性加工性能のさらなる向上を目的として、油に膨潤し難い特徴をもつ高分子ワックス(D)を含有させることができる。高分子ワックス(D)としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックスが好適であり、これらは各単独でもしくは2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明の表面処理鋼帯の潤滑皮膜における高分子ワックス(D)の含有量は、該皮膜の全固形分質量を基準として、固形分として、1〜15質量%であることが好ましく、3〜10質量%であることがより好ましい。(D)の含有量が1質量%未満では塑性加工性能のさらなる向上を達成し難い傾向になり、15質量%を超えるとワックス界面から皮膜中への油の拡散が顕著となることから皮膜の耐油性が悪化し、油との接触環境下で目的の塑性加工性能が得られ難くなる傾向になる。
本発明の表面処理鋼帯を被覆している潤滑皮膜を形成する際に、水性処理液の粘性を調整するために粘性調整剤を皮膜強度に影響を及ぼさない範囲内で含有させることができる。粘性調整剤としては一般に用いられるものを使用することができ、例えばヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールなどの有機高分子系増粘剤などが挙げられる。粘性調整剤を使用する場合、その含有量は、該皮膜の全固形分質量を基準として、固形分として、10質量%未満であることが好ましい。
本発明の表面処理鋼帯の表面を被覆している潤滑皮膜を形成するには、水に上記各成分を所定量含有させた水性処理液を調製し、被塗材である鋼帯表面に塗布し、次いで乾燥すればよい。
水性処理液の固形分濃度の下限については特に制限はないが、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがさらに好ましい。該固形分濃度の上限についても特に制限はないが、40質量%以下であることが好ましい。該固形分濃度が5質量%未満では均一な皮膜の形成が難しくなる傾向になり、40質量%を超えると水性処理液の粘性が著しく高まり、取扱い上、均一な塗布が困難になる傾向となる。
本発明の表面処理鋼帯の潤滑皮膜を形成するのに使用する水性処理液を被塗材に塗布するに先立って、被塗材の被塗面を清浄にするための前処理を行うのが適当である。かかる前処理は、通常、アルカリ脱脂→水洗→酸洗い→水洗→乾燥、アルカリ脱脂→水洗→乾燥などによって行う。
前記水性処理液の塗布方法としては、浸漬、シャワーリンガー、ロールコートなどの常法を採用し得る。中でもロールコート法が一般的である。なお、塗布は被塗材表面が水性処理液で十分に覆われれば良く、水性処理液温度や塗布時間には特に制限はない。また、塗布後の処理液膜は乾燥する必要がある。乾燥は常温放置によって行っても構わないが、通常は熱風乾燥により鋼帯表面温度が50〜150℃に到達するように行うのが好適である。
本発明の表面処理鋼帯における潤滑皮膜の付着量は、多すぎると鍛造加工時のカス発生量が多くなり、工具周りや加工油の汚染を生じる傾向になり、少なすぎると均一被覆性の限界を生じ焼付きなどが発生する傾向になる。かかる観点から皮膜付着量は1〜15g/mであることが好ましい。
本発明の実施例を比較例と共に挙げることによって、本発明をその効果と共にさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
(1)水性処理液の調製
以下に示す各成分を、表1に示す組合せ及び割合にて用いて、鋼帯表面に潤滑皮膜を形成させるために用いる実施例1〜8及び比較例1〜6の水性処理液を調製した。なお、これら水性処理液の固形分濃度は10質量%とした。
<ケイ酸アルカリ金属塩(A)又はそれと対比させるアルカリ金属塩>
a−1 ケイ酸ナトリウム(SiO/MOモル比=2)
a−2 ケイ酸ナトリウム(SiO/MOモル比=4)
a−3 ケイ酸カリウム(SiO/MOモル比=5)
a−4 ケイ酸ナトリウム(SiO/MOモル比=1)
a−5 ケイ酸リチウム(SiO/MOモル比=8)
a−6 四ホウ酸カリウム
※a−1〜a−3は本発明範囲内のケイ酸アルカリ金属塩であり、a−4〜a−6は本発明の範囲外のケイ酸アルカリ金属塩及びケイ酸以外の無機酸のアルカリ金属塩である。
<合成ヘクトライト(B)>
市販の合成ヘクトライト(Na+0.7[Si(Mg5.5Li0.3)O20(OH)−0.7)を用いた。
<飽和もしくは不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩(C)又はそれと対比させる脂肪酸塩>
c−1 ラウリン酸カリウム
c−2 パルミチン酸ナトリウム
c−3 ステアリン酸ナトリウム
c−4 イソステアリン酸リチウム
c−5 オレイン酸カリウム
c−6 ステアリン酸カルシウム
※c−1〜c−5は本発明の範囲内の脂肪酸塩であり、c−6は本発明の範囲外の脂肪酸塩である。
<高分子ワックス(D)又はそれと対比させるワックス>
d−1 ポリエチレンワックス
d−2 ポリテトラフルオロエチレンワックス
d−3 マイクロクリスタリンワックス
※d−1、d−2は高分子ワックスであり、d−3は低分子ワックスである。
(2)前処理及び皮膜処理
(2−1)均一付着性、防錆性、耐油性試験用皮膜処理
実施例1〜8及び比較例1〜9について以下の処理手順にて処理を行った。
(a)評価用テストピース:冷延鋼板(SPCC−SB) 150mm×70mm×0.8mmt(tは厚さ)
(b)脱脂:脱脂剤(登録商標 ファインクリーナーD5410、日本パーカライジング(株)製)を水にて濃度45g/Lに希釈、温度60℃、浸漬5分
(c)水洗:水道水、常温、スプレー処理30秒
(d)潤滑皮膜処理:上記で調製した各水性処理液、60℃、浸漬10秒
(e)乾燥:最高到達板温が100℃となるように熱風乾燥
(f)乾燥皮膜質量:5g/m
(2−2)塑性加工性試験用皮膜処理
実施例1〜8及び比較例1〜9について以下の処理手順にて処理を行った。
(a)評価用試験片:S45C球状化焼鈍材 25mmφ×30mm
(b)脱脂:脱脂剤(登録商標 ファインクリーナーD5410、日本パーカライジング(株)製)濃度45g/L、温度60℃、浸漬5分
(c)水洗:水道水、常温、浸漬30秒
(d)潤滑皮膜処理:上記で調整した各水性処理液、60℃、浸漬30秒
(e)乾燥:100℃の熱風乾燥で10分
(f)乾燥皮膜質量:10g/m
(3)評価試験
(3−1)均一付着性
下記処理条件にて潤滑皮膜を形成した後に、試験片を2等分に切断した時の各部分での皮膜付着量を測定し、各部分での付着量と両部分の平均付着量から下式により付着量勾配率(%)を計算することにより均一付着性を評価した。
付着量勾配率=(各部分付着量―平均付着量)/平均付着量×100
処理条件:
上述した潤滑皮膜処理工程(水性処理液塗布)に続いて、45度の角度にて10秒間の液切り保持工程を導入し、次いで乾燥工程を行った。
付着量の測定:
潤滑皮膜付着時の切断片の質量と潤滑皮膜剥離後の切断片の質量との差を付着量とし、皮膜剥離はアルカリ脱脂液に浸漬後10分間超音波洗浄することにより行った。
評価基準:
○ 付着量勾配率が±5%未満
△ 〃 が±5%以上±15%未満
× 〃 が±15%以上
(3−2)防錆性
上述した潤滑皮膜処理工程にて作成した防錆性試験用の各皮膜処理板を、屋内に6ヶ月間暴露し、錆発生面積を目視評価した。なお、試験板は上面を評価面として地面に対して水平に放置し、錆発生面積率(%)は下式により計算した。
錆発生面積率=錆発生面積/試験板評価面の全面積×100
評価基準:
○ 錆発生面積率が5%未満
△ 錆発生面積率が5%以上15%未満
× 錆発生面積率が15%以上
(3−3)耐油性
上述した潤滑皮膜処理工程にて作成した耐油性試験用の各皮膜処理板そのままと、2日間防錆油に浸漬した後の処理板との比較で摩擦磨耗試験を実施し、焼付き摺動距離の差(潤滑性の低下)から耐油性を評価した。試験機としてはボールオンディスク摩擦磨耗試験機を用いて、得られた結果から潤滑性低下率(%)を下式により計算した。
潤滑性低下率=(防錆油浸漬前の焼付き摺動距離−防錆油浸漬後の焼付き摺動距離)/防錆油浸漬前の焼付き摺動距離×100
防錆油:
NOX−RUST550S(パーカー興産(株)製)
試験条件:
圧子として6mmφのSUJ2鋼球使用
垂直荷重=10N,回転半径=10mm,回転速度=50rpm,温度=常温
評価基準:
○ 潤滑性低下率が20%未満
△ 潤滑性低下率が20%以上40%未満
× 潤滑性低下率が40%以上
(3−4)塑性加工性
塑性加工性は、上述した潤滑皮膜処理工程にて作成した塑性加工性評価試験片を用いて特許第3227721号公報の発明に準じたスパイク試験加工を行い、加工後試験片の突起部までの皮膜追従程度と焼付き部の有無とを目視評価した。追従性が良いものは冷間塑性加工時の表面積拡大に対して十分な耐焼付き性を有し、皮膜が追従しないものでは焼き付きが発生し易くなる。
評価基準:
○ 突起部まで皮膜が追従していて、焼付き部無し
△ 突起部まで皮膜が追従していないが、焼付き部無し
× 突起部まで皮膜が追従しておらず、焼付き部有り
以上の試験結果を表2に示す。表2から明らかなように、実施例1〜8の本発明の表面処理鋼帯の表面に形成されている潤滑皮膜は、表面処理鋼帯として斑の無い性能を確保するために必要な均一付着性、実用環境において皮膜劣化を起こさず工業的に安定な潤滑皮膜性能を維持するための防錆性及び耐油性に優れているのに加えて、十分に満足し得る塑性加工性能を有していた。一方、飽和もしくは不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩の含有量が少なすぎるか、含有しない比較例1及び2の潤滑皮膜、本発明の許容範囲を超えた量の高分子ワックスを含有したか、高分子ではないために油に膨潤し易いワックスを含有した比較例3及び4の潤滑皮膜、飽和もしくは不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩の代わりに飽和脂肪酸のカルシウム塩を含有する比較例6の潤滑皮膜は、それぞれ耐油性が著しく劣っており、合成ヘクトライトを含まない比較例5の潤滑皮膜は均一付着性が極端に劣っていた。また、皮膜ベースであるケイ酸アルカリ金属塩のSiO/MOモル比が本発明の範囲から外れている比較例7及び8の潤滑皮膜は、塑性加工性が極端に劣っており、皮膜ベースがケイ酸アルカリ金属塩ではない比較例9の潤滑皮膜は防錆性が極端に劣っていた。
Figure 0004836170
Figure 0004836170

Claims (3)

  1. SiO/MO(Mはアルカリ金属を示す)のモル比が2〜5のケイ酸アルカリ金属塩(A)、合成ヘクトライト(B)及び飽和もしくは不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩(C)を含有するがワックスを含有しない皮膜、又は上記したケイ酸アルカリ金属塩(A)、合成ヘクトライト(B)及び上記した飽和もしくは不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩(C)並びに補助潤滑成分としての高分子ワックス(D)を含有する皮膜が鋼帯表面に形成されている表面処理鋼帯であって、該皮膜の全固形分質量を基準として、(A)、(B)及び(C)の固形分含有量がそれぞれ45〜92質量%、1〜10質量%及び〜20質量%であり、含有される場合の(D)の固形分含有量が1〜15質量%である該表面処理鋼帯。
  2. 高分子ワックス(D)がポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス及びポリテトラフルオロエチレンワックスから選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の表面処理鋼帯。
  3. 該皮膜の付着量が1〜15g/mである請求項1又は2記載の表面処理鋼帯。
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