JP5181393B2 - 締結部品用鋼線材 - Google Patents

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Description

本発明は、安定した締め付け性が得られる表面潤滑性に優れる締結部品の製造に使用される線材あるいは鋼線に関する。特に、線材の伸線加工時に発生する粉塵の問題をなくし、且つ、締結部品の製造過程における冷間塑性加工や、調質処理などの熱処理後に締結部品表面に安定した潤滑性を付与する線材あるいは鋼線に関する。
最近、自動車の軽量化やエンジンやギア部品などのコンパクト化が進み、それらに用いられるボルトなどの締結部品についても小型化や細径化が求められている。この要求を満足するためには高強度用材料を用いて製造された高強度ボルトが必要とされている。これら締結部品は、一般に表面潤滑性を付与する潤滑皮膜を形成した線材あるいは、その線材にさらに伸線加工を施した鋼線を所定の長さに切断し、冷間塑性加工によって成型し、さらに必要に応じて、焼入れ焼戻し、すなわち、調質処理などの熱処理を経て製品化されている。特に、潤滑皮膜を形成した線材に断面減少率30%以下程度の伸線を施すと、形成された潤滑皮膜の密着性がより高まる。そのため締結部品の冷間塑性加工には潤滑皮膜を形成した線材よりもさらに伸線加工を施した鋼線が用いられることが多い。このように冷間塑性加工の素材としては、潤滑皮膜を形成した「線材」、あるいはさらに伸線加工を施した「鋼線」のいずれもが用いられるので、以下、各々使い分ける場合には「線材」および「鋼線」、両者を共に指す場合には総称して「鋼線材」という。
締結部品用鋼線材に用いられる潤滑皮膜としては、古くからリン酸塩+石けん処理皮膜や、石灰石けん処理皮膜などが用いられてきた。前者は、酸性のリン酸亜鉛水溶液を線材表面に接触させ鉄を溶解させることによる表面のpH上昇によって不溶解性のリン酸亜鉛結晶皮膜を形成するものであり、その後の水洗工程に次いで、その上層に石けん皮膜層を付与することで潤滑皮膜を完成するものである。リン酸塩+石けん処理皮膜の冷間塑性加工性は優れており広範囲に使用されているが、皮膜処理時に溶解した鉄とリン酸との反応副生成物を主成分とするスラッジが産業廃棄物として多発するとともに、多量の重金属含有廃水も発生することから環境保全面で好ましいというものではなかった。また、リン酸塩皮膜処理が施された鋼線材から成型加工されたボルトは、その後調質処理が施されるが、その調質処理工程において、皮膜中のリンが鋼中に拡散する浸リン現象を起こし、締め付け施工後のボルトの応力集中部位での脆化破壊(遅れ破壊現象)を促進するため、特に遅れ破壊に敏感な高強度ボルトなどでは熱処理前に皮膜を除去する必要があり、その工程が増えることや除去状態のなど工業的な管理を考慮すると実質的には使用できない。一方、後者の石灰石けん皮膜は、消石灰と金属石けんとから構成される潤滑皮膜であり、線材表面には塗布・乾燥による簡便な工程で皮膜形成できるが、その冷間塑性加工性は不十分であり、加工度が高いものは焼付き発生などにより成型できないほか、加工金型の寿命も短くなる。さらには伸線時の鋼線表面からの皮膜脱落や、伸線時においても潤滑性が不足するとのことからダイス前に潤滑パウダーが用いられており、その影響で粉塵が酷く作業環境面でも好ましくない。また、ボルト成型加工機内への皮膜脱落も多いため加工油の汚染が激しくなるなどの問題を抱える皮膜である。
最近では、簡便な工程で皮膜形成ができる塗布型皮膜であるのにも関わらず、優れた冷間塑性加工性を有する皮膜が市場化されつつある。そのような塗布型皮膜として特許文献1に、(A)合成樹脂、(B)水溶性無機塩および水を含有し、(B)/(A)(固形分重量比)が0.25/1〜9/1であって、合成樹脂が溶解または分散していることを特徴とする金属材料の塑性加工用潤滑剤組成物が開示されている。特許文献1には、潤滑成分として、金属石けん、ワックス、ポリテトラフルオロエチレンおよび油よりなる群から選ばれる少なくとも一種を1〜20質量%含有させるのが好ましく、前記水溶性無機塩としては、硫酸塩、ホウ酸塩、モリブデン酸塩、バナジン酸塩およびタングステン酸塩よりなる群から選ばれる少なくとも一種が好ましいことも記載されている。この技術は、キャリアとなり得る皮膜成分中に金属石けんやワックスなどの潤滑成分を分散した形で含有し、これを被加工材表面にコーティングすることで、高度な加工性能を有する潤滑皮膜を簡便かつ省力的に得ることができる優れた技術であり、新世代の塑性加工用潤滑皮膜といえる。
さて、冷間塑性加工により成形された締結部品は、次いで行うAC3点以上に加熱する調質処理などの熱処理を経て製品化される。調質処理は820℃以上であることから、締結部品の表面に残存した潤滑成分の多くは、分解もしくは昇華することで潤滑性を失い、締結部品の表面は鉄酸化膜に覆われる。この酸化皮膜が生成する厚さは、加工時に付着した皮膜カスや熱処理の雰囲気により大きく左右される。締結部品を代表するボルトなどは、締め付け施工時に規定の軸力が得られるように、安定した締め付け性を有することが重要であり、ねじ部やボルト座面などの摩擦状態を一定にする努力がなされている。一般的に熱処理後表面のままでは締結部品の摩擦係数は不安定であり、そのため、通常のボルトは熱処理後に再度潤滑処理を行う。潤滑剤としては、例えばリン酸マンガン系皮膜、塗布型潤滑皮膜あるいは油などが使用されている。リン酸塩皮膜処理は前述した如く工程が複雑であり、産業廃棄物や廃水などの環境負荷が多く好ましいものではないため、塗布型の潤滑皮膜形成により表面潤滑性を付与するほうが良いとされているが、それにしても皮膜処理工程以外に脱脂工程や乾燥工程なども必要であり、多量のボルト表面への潤滑処理には多くの労力が掛かっている。
ボルトに対する潤滑皮膜としては特許文献2に、ボルト、ナットおよび座金の少なくとも一の表面が、潤滑油に含水硅酸塩岩石の粉末を含んでなる潤滑剤で被覆されたことを特徴とする潤滑剤を付着させたボルトセットが開示されている。含水硅酸塩岩石の濃度は潤滑剤中の略1%(wt)〜20%(wt)、粒径は略1μm〜110μm、単位面積当たりの付着量は略0.0091g/cm〜0.183g/cmである。なお、含水硅酸塩岩石は、鉱物学的分類における一連の岩石、例えばマイカ,タルク,長石,カオリンまたはベントナイトなどのことを言うが、これら岩石の何れかの1以上である。また、対象としているボルトはトルシア形高力ボルトであり、安定な摩擦係数値が得られている。また、特許文献3には、冷間塑性加工前の潤滑処理と、締め付け性の安定化のために熱処理後の締結部品表面に施す潤滑処理とを一つの工程にまとめることで飛躍的な省力化を実現できる技術として、SiO/MO(Mはアルカリ金属を示す)のモル比が2〜5のケイ酸アルカリ金属塩(a)、平均粒子径が10μm未満の結晶性黒鉛(b)、ポリオレフィンワックス(c)を必須成分とし、全固形分中での(b)および(c)の質量比が、それぞれ1〜30質量%、30〜50質量%である潤滑皮膜を有する締結部品用の鋼線材に係わる技術が開示されている。この技術では熱処理後の摩擦係数を安定させるために結晶性黒鉛を必須成分として潤滑皮膜中に含有していることが、伸線加工時に黒色の粉塵を発生する原因となり作業環境を劣悪にすることや、ボルト成型加工機内への皮膜脱落により加工油が汚染されるなど、作業面での課題を有する。
特開2000−063880号公報 特開平7−224824号公報 特開2008−240002号公報
以上に示したように、締結部品の製造においては、鋼線材からの冷間塑性加工時、および熱処理後の出荷までの間など、2回にも亘って潤滑処理が実施されている。上述したように、それぞれの皮膜処理には塗布型皮膜が採用されるようになり、従来のリン酸塩処理などに比較すると大幅な工程短縮とはなっているものの、それでも多くの時間や労力、エネルギーなどが消費されており、さらなる省力化技術が求められていた。更に、粉塵対策などの作業環境の改善も重要な課題として取りあげられている。
本発明は、上述した、現状技術の問題点を解決するものである。即ち、冷間塑性加工前の鋼線材への潤滑皮膜処理と、締め付け性の安定化のために熱処理後の締結部品表面に施す潤滑処理とを一つの工程に纏めることができる特定の潤滑皮膜によって飛躍的な省力化を実現し、更に、伸線加工時の粉塵の発生を抑え、作業環境を著しく改善するものである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果以下の結論に達した。ボルトの締め付け軸力を規定の範囲に収めるためには、ボルトとナット、座金との接触面の摩擦係数を安定に保つことが必要であり、摩擦係数を安定させるためにはボルトとナット、座金との摺動面に金属接触、いわゆる、カジリ現象を防止する保護皮膜を形成させる必要である。熱処理後の締結部品において摩擦係数に大きな差がでる原因は、鉄酸化物の成長にバラツキがあるためで、表面に鉄酸化物が厚く成長した場合に摩擦係数は高くなり、鉄酸化物が適度に薄く成長した場合は摩擦係数が低くなる。そして、酸化物が厚く形成した表面の摩擦係数が高くなる原因は、強いせん断力が働いた場合に表面の鉄酸化物が容易に剥落して金属接触によるカジリが発生するためで、適度な薄い鉄酸化物が生成した場合は、強いせん断力を受けても鉄酸化物の剥落は起こらず、良好な保護皮膜として働くことを突き止めた。そして、この問題を解決するために冷間塑性加工後に残存する潤滑皮膜成分によって、熱処理工程において摩擦係数が安定する保護皮膜を形成させる方法を検討した結果、線材をある特定のケイ酸アルカリ金属塩(a)に脂肪酸のカルシウム塩(b)とポリオレフィンワックス(c)を特定量の範囲内で含有させた水性処理液で処理し、線材表面に潤滑皮膜を形成させることで、安定した締め付け性が得られる表面潤滑性に優れる締結部品の製造に使用される線材あるいは鋼線を製造できることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
本発明の締結部品用鋼線材によれば、冷間塑性加工前の鋼線材への潤滑皮膜処理と、締め付け性の安定化のために熱処理後の締結部品表面に施してきた潤滑皮膜処理とを、一つの工程に纏めることを可能とした特定の潤滑皮膜によって飛躍的な省力化により製造された締結部品を提供できる。締結部品の製造工程における潤滑皮膜処理は冷間塑性加工前の鋼線材上への処理のみとなり、調質などの熱処理後に再度の潤滑皮膜処理を行う必要がなくなり大幅な省力化となる。さらに、リン酸塩皮膜処理を施さないため、本発明の鋼線材から成型加工された締結部品は、その後の調質処理においても浸リン現象を懸念する必要がない上、伸線加工時に発生する粉塵の問題も解決され、作業環境を著しく改善するものである。したがって、本発明の産業上の利用価値は極めて大きい。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用されるSiO/MO(Mはアルカリ金属を示す)のモル比が2〜5のケイ酸アルカリ金属塩(a)は、冷間塑性加工時に脂肪酸のカルシウム塩(b)やポリオレフィンワックス(c)などの潤滑成分を加工表面へ導入するキャリアになるとともに、冷間塑性加工時の加工表面での高温高圧状態にも耐えることによって加工金型表面と材料表面との直接接触を防ぎ、焼付き現象を抑制するために良好な冷間塑性加工性を提供する。本発明のSiO/MO(Mはアルカリ金属を示す)のモル比が2〜5のケイ酸アルカリ金属塩(a)は、水中に溶解もしくはコロイド分散した状態で存在し、水分が揮発することにより常温では固体状の皮膜を形成する。水溶液の安定性や造膜性など観点から、MはK、或いは、Naであるのが好ましい。SiO/MOのモル比が2を下回ると連続皮膜性が低下し、冷間塑性加工性が著しく低下すると共に、脂肪酸のカルシウム塩(b)やポリオレフィンワックス(c)の保持性も極端に低下する。またSiO/MOのモル比が5を上回ると、水性処理液が極端に不安定になると共に冷間塑性加工性が低下する。また、調質処理などの熱処理工程においても締結部品の表面に残存して鉄酸化物の成長を抑制する役割を担っている。また、残存するケイ酸成分は締結部品を締め付ける際に金属接触を防止する保護皮膜として作用する。
本発明で使用される脂肪酸のカルシウム塩(b)は、冷間塑性加工時には潤滑性を付与し、熱処理の際には鉄酸化物の成長を抑制する効果がある。脂肪酸のカルシウム塩が鉄酸化物の成長を抑制するメカニズムは、次の2つの効果によると考えられる。一つは、脂肪酸のカルシウム塩(b)のカルシウムが鉄表面に作用することで緻密な酸化物層を形成し、その効果で鉄酸化物の成長を抑制するものである。2つめは、冷間塑性加工後の締結部品の表面に残存する潤滑皮膜が、熱処理工程において皮膜成分の一部が熱分解することで生ずる皮膜欠陥部にカルシウム成分が酸化カルシウムなどの形態で残存することで、そのシール効果により酸素を遮断して鉄酸化物の成長を抑制するものである。線材に本発明の処理液を塗布すると脂肪酸のカルシウム塩が線材表面へ積極的に吸着して強く保持される。特にカルシウム化合物の中では脂肪酸のカルシウム塩の吸着能が高い。吸着した脂肪酸のカルシウム塩は冷間塑性加工されても素材表面に効率良く残存し、熱処理時には表面に吸着したカルシウムと素材の鉄が複合酸化物を形成する。この複合酸化物は、酸素を遮断する効果が高く、熱処理の早い段階で素材表面に形成することで、その後の鉄酸化物の成長を抑制すると考えられる。よって、本発明に用いる潤滑処理液に配合する脂肪酸のカルシウム塩の量は、酸素を遮断するために十分な鉄とカルシウムの複合酸化物を形成できる吸着量を与える量である。一方で、脂肪酸のカルシウム塩は潤滑剤として作用するものの、過剰の配合は皮膜強度の低下によって潤滑皮膜の冷間塑性加工性を低下させてしまう。
以上のことから、本発明の鋼線材表面に形成される潤滑皮膜中での、脂肪酸のカルシウム塩(b)の質量比は、6〜50質量%の範囲であり、より好ましくは10〜30質量%の範囲である。脂肪酸のカルシウム塩(b)の質量比が6質量%未満であると締結部品の表面にカルシウム成分が十分に供給できなくなり、熱処理で酸素の遮断性が高い複合酸化物を形成できなくなる。50質量%を上回るとカルシウムの効果が飽和し、経済的にも無駄になるほか、皮膜強度の低下によって潤滑皮膜の冷間塑性加工性を低下させる。また、本発明に用いる脂肪酸のカルシウム塩の融点は、潤滑性を左右する重要な特性である。融点が低いと伸線加工の際に液状化を起こしやすく、皮膜強度を著しく低下させ、潤滑性の低下の原因になる。以上のことから、脂肪酸のカルシウム塩(b)の融点は70℃〜180℃が好ましい。より好ましくは100℃〜170℃である。融点が70℃未満であると、潤滑皮膜中へ多量に配合した場合、潤滑皮膜の強度が低下し、冷間塑性加工性を低下させる。また、180℃を超えると伸線加工時に粉塵発生の原因になる。なお、融点が70℃未満及び180℃を超える脂肪酸のカルシウム塩であっても潤滑性に影響が出ない範囲であれば使用してもかまわない。また、脂肪酸のカルシウム塩の種類は特定されないが、C12〜C26の直鎖又は分岐鎖状の飽和又は不飽和脂肪酸とカルシウム化合物を反応させて得られたもので、一種、或いは、2種以上を用いることができる。例えば、飽和脂肪酸の具体例としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、べヘン酸、リグノセリン酸、モンタン酸。不飽和脂肪酸の具体例としてはミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、イワシ酸、ドコサヘキサエン酸。分岐脂肪酸の具体例としてはイソラウリン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、イソアラキジン酸、イソベヘン酸、イソミリストレイン酸、イソゾーマリン酸、イソオレイン酸、イソエルカ酸などが挙げられる。
本発明で使用されるポリオレフィンワックス(c)は、鋼線材を冷間塑性加工する際に優れた潤滑性を付与するための必須成分である。脂肪酸のカルシウム塩(b)だけでは加工度の高い冷間塑性加工を行なう場合は潤滑性が不足するが、ポリオレフィンワックス(c)は、本発明の鋼線材を用いて締結部品を製造する過程で、冷間塑性加工時に潤滑皮膜中に固体状もしくは溶融状態で保持され、加工表面の摩擦係数を著しく低下させ、加工度の高い冷間塑性加工を可能にする。一方で、ポリオレフィンワックス(c)は成型加工後の熱処理時には約500℃付近で分解するため、本発明の鋼線材による締結部品表面には殆ど残存していない。よって、酸素を遮断するために熱処理で皮膜欠陥を形成させない観点から配合量は少ない方が良い。そして、ポリオレフィンワックスの粒子が大きいと熱処理で形成する欠陥の個々のサイズが大きくなり問題である。以上のことから、ポリオレフィンワックス(c)の質量比は、1〜20質量%が好適である。より好ましい質量比は3〜10質量%の範囲である。本発明の鋼線材表面に形成される潤滑皮膜中でのポリオレフィンワックス(c)の含有量が1質量%未満であると潤滑皮膜による成型加工性が不十分であり、20質量%を上回ると熱処理の際、分解物による皮膜欠陥が多くなり鉄酸化物の生成を抑制する効果が得られにくくなる。そして、ポリオレフィンワックスの平均粒子径は5μm以下であることが好ましい。また、平均粒子径が0.05μmを下回ると皮膜の強度が低下して成形加工性が不十分になる。粒子径は市販の堀場製作所製のレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置LA-920を用い、測定で得られたD50を平均粒子径とした。本発明に使用できるポリオレフィンワックス(c)としては、効率よく優れた潤滑性を発現するにはポリエチレンワックスおよびポリプロピレンワックスであることが好ましい。また、ポリオレフィンワックス(c)の融点は70℃〜150℃の範囲が好適である。70℃を未満であると皮膜強度が低下し、潤滑性が低下する。150℃を超えると冷間塑性加工時に摩擦低減の効果が十分に得られない。
本発明の鋼線材から製造された締結部品の表面の潤滑状態としては、ボルトの締め付け作業の更なる安定化を目指す観点から、バウデン式摩擦磨耗試験機を用いて垂直荷重を1kgとした時の表面摩擦係数が0.2未満であることが好ましく、0.15未満であることがより好ましい。
本発明の鋼線材が表面に有する潤滑皮膜は、SiO/MO(Mはアルカリ金属を示す)のモル比が2〜5のケイ酸アルカリ金属塩(a)、脂肪酸のカルシウム塩(b)、ポリオレフィンワックス(c)が水に溶解もしくは分散した水性処理液を、塗布し、次いで乾燥することで形成させ得る。水性処理液の塗布方法は、浸漬、スプレー、流しかけ、刷毛塗りなどの常法により線材表面に塗布する。塗布は線材表面が該水性処理液で十分に覆われればよく、塗布する時間に特に制限はない。塗布後の処理液膜は乾燥する必要がある。乾燥は常温放置でも構わないが、通常60℃〜150℃で2秒〜60分行うのが好適である。乾燥後の潤滑皮膜の皮膜質量は用途によって異なるが、冷間塑性加工度が厳しい形状のボルトなどでは加工時の焼付きを防ぐ観点から、乾燥皮膜として1g/m以上であるのが好ましく、3〜30g/mであるのがより好ましく、5〜20g/mであるのがより一層好ましい。締結部品用鋼線材としては、このように乾燥された線材でも支障は無いが、潤滑皮膜の密着性をより高めるため、乾燥後の線材に対してさらに断面減少率30%以下程度の伸線を施して鋼線とするのがより好ましい。
さらに、本発明における潤滑皮膜には、塑性加工性を高める目的で必要により任意の潤滑成分を含有することができる。含有でき得る潤滑成分としては、油、脂肪酸ワックス、ポリテトラフルオロエチレン、有機モリブデン化合物(モリブデンDTC)、メラミンシアヌレートなどが挙げられる。
本発明の鋼線材から製造される締結部品の製造過程でいう冷間塑性加工、すなわち成型加工とは、例えば鍛造加工、圧造加工、転造加工などの一般的な冷間塑性加工を示す。次いで行う熱処理とは、焼入れ焼戻しすなわち調質処理等であり、焼入れ処理は一般に鋼を硬くし、または強さを増すために、例えばAC3点以上のオーステナイト領域温度に鋼を加熱した後、水、油その他の冷却剤を用いて急冷する操作を示す。次いで、焼入れで生じた組織を、A1点以下の温度に加熱する焼戻しにより安定な組織に近づけ、また析出強化などにより、所用の性質及び状態に調質する。
本発明における鋼線材とは、締結部材を製造する際に使用される、典型的にはコイル状を成している線材または鋼線を指し、例えばS45C等のJISG4051の機械構造用炭素鋼鋼材、SCM415やSCM435等のJISG4053の機械構造用合金鋼鋼材等、冷間塑性加工に用いられる種々の規格鋼の線材または鋼線である。また、本発明の鋼線材により製造される締結部品は、冷間塑性加工後に、調質処理等の熱処理が施される締結部品を指し、例えば自動車用、建材用などで使用されるボルト、ナット、座金などの締結部品を示し、特には締め付け力の安定性が重要視されるエンジンボルトや自動車の足回り部材用締結ボルトなどに代表される強度区分10Tおよび10.9級以上の高強度ボルトを対象とする。該締結部品の表面には、ケイ酸アルカリ金属塩(a)皮膜に脂肪酸のカルシウム塩(b)が保持された形の潤滑皮膜が残存する。潤滑皮膜の皮膜量は、十分な潤滑効果を発揮するために0.1g/m以上であることが好ましい。また、潤滑皮膜の表面には、熱処理時にポリオレフィンワックス(c)が分解し揮散した跡が微細な穴状に残存しているため、一般に締結部品の表面に塗布する防錆油などの物理的な保持効果をも発揮する。
本発明の実施例を比較例と共に挙げることによって、本発明をその効果と共にさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
(実施例1)
(1)潤滑皮膜形成用水性処理液の調製
以下に示す各成分を、表1に示す組合せ及び割合にて用いて、表1に示す実施例1〜11及び比較例1〜17の水性処理液を調製した。なお、これらすべての水性処理液において、水性処理液中の全固形分:水の質量比は1:9とした。
<潤滑皮膜成分>
本実施例と比較例にて、上記水性処理液に配合した各成分を以下に示す。
(a成分)
a−1 ケイ酸ナトリウム(NaO・4SiO
a−2 ケイ酸ナトリウム(NaO・2SiO
a−3 ケイ酸カリウム(KO・2SiO
a−4 ケイ酸ナトリウム(NaO・3SiO
a−5 炭酸カリウム
a−6 ポリウレタン樹脂エマルジョン
a−7 ケイ酸ナトリウム(NaO・6SiO
a−8 ケイ酸ナトリウム(2NaO・SiO
(b成分)
b−1 パルミチン酸カルシウム
b−2 ステアリン酸カルシウム
b−3 ベヘン酸カルシウム
b−4 ラウリン酸カルシウム
b−5 モンタン酸カルシウム
b−6 オレイン酸カルシウム
b−7 リシノール酸カルシウム
b−8 燐片状黒鉛(5μm)
b−9 炭酸カルシウム
b−10 ステアリン酸ナトリウム
b−11ステアリン酸Al
(c成分)
c−1 ポリエチレンワックス
c−2 ポリプロピレンワックス
c−3 カルナバワックス
(2)潤滑皮膜処理
(2−1)前処理及び潤滑皮膜処理
本実施例および比較例1〜15については、JISG4051の機械構造用炭素鋼鋼材S45Cの線材を用いて、以下の処理手順にて潤滑皮膜処理を行った。
(a)評価用試験材:前方押し出し試験片(S45C) 30mm×φ25mm
(b)酸洗:塩酸の17.5%水溶液、温度40℃、浸漬10分
(c)水洗:水道水、常温、スプレー処理30秒
(d)潤滑皮膜処理:上記で調製した各水性処理液、40℃、浸漬1分処理
(e)乾燥:80℃熱風乾燥3分
(f)乾燥皮膜質量:10g/m
なお、比較例16についての潤滑皮膜処理には市販の石灰石けん処理剤(登録商標パルーブCAO2、日本パーカライジング(株)製)を用いた。
比較例17については、本実施例および比較例1〜16同様、JISG4051の機械構造用炭素鋼鋼材S45Cの線材を用いて、以下の処理手順にて保護皮膜処理を行った。
(a)評価用試験材:前方押し出し試験片(S45C) 30mm×φ25mm
(b)酸洗:塩酸の17.5%水溶液、温度40℃、浸漬10分
(c)水洗:水道水、常温、スプレー処理30秒
(d)化成処理:市販のリン酸亜鉛化成処理剤(登録商標パルボンド181X、日本パーカライジング(株)製)、濃度90g/L、温度80℃、浸漬10分
(e)水洗:水道水、常温、スプレー処理30秒
(f)石けん処理:市販の反応石けん潤滑剤(登録商標
パルーブ235、日本パーカライジング(株)製)、濃度70g/L、温度80℃、浸漬5分
(g)乾燥:80℃熱風乾燥3分
(h)乾燥皮膜質量:12g/m
(3)冷間塑性加工試験
上記で潤滑皮膜処理を施した試験片を用いて前方押し出し加工を行い、加工後試験片の加工先端部までの皮膜追随程度と焼付き部の有無とを目視評価した。追随性が良いものは冷間塑性加工時の表面積拡大に対して十分な耐焼付き性を有し、皮膜が追随しないものでは焼付きが発生し易くなる。
前方押し出し加工条件:先端絞り径φ10mm、押し出し長さ12mm
評価基準: ○ : 先端部まで皮膜が追随していて、焼付き部無し
△ : 先端部まで皮膜が追随していないが、焼付き部無し
× : 先端部に皮膜が追随しておらず、焼付き部有り
(4)調質処理後の潤滑性評価
上記で成型加工した試験片について、洗浄工程を行わずに、以下の条件で調質処理を行った。その後に外観評価および潤滑性評価を下記の評価基準にて実施した。
焼入れ:窒素雰囲気にて870℃で30分保持し、次いで焼入れ油にて冷却した。
焼戻し:焼入れ工程に連続し、大気雰囲気にて470℃で1時間保持し、次いで油冷した。
<潤滑性評価>
上記調質処理後の試験片の表面について摩擦磨耗試験機による摺動試験を行った。摩擦摩耗試験は冷間鍛造加工性が△以上の条件のみ実施した。摩擦磨耗試験としては、最も標準的なバウデン試験にて行った。潤滑性能評価としては、摺動回数5回目の動摩擦係数値により評価した。工業的許容レベルは「△」以上である。
試験条件: 圧子として10mmφのSUJ2鋼球使用
垂直荷重=1kg,摺動速度=10mm/s、温度=常温
評価基準: ○ : 動摩擦係数が0.15未満
△ : 動摩擦係数が0.15以上0.2未満
× : 動摩擦係数が0.2以上
以上の試験結果を表1に示す。表1から明らかなように、本発明の範囲である実施例1〜11は、冷間塑性加工性、調質処理後の表面潤滑性が全て優れていた。一方、ケイ酸アルカリ金属塩(a)が配合されていない比較例15,脂肪酸のカルシウム塩(b)が配合されていないか、配合量が本発明の範囲外である比較例2,11,ポリオレフィンワックス(c)が配合されていないか、配合量が本発明の範囲外である比較例3,4,12,14,ケイ酸アルカリ金属塩(a)のSiO/MO比が本発明の範囲外である比較例7,13,皮膜成分としてケイ酸アルカリ金属塩(a)を使用していない比較例5,6,脂肪酸のカルシウム塩(b)の代わりに本発明範囲外の成分を使用している比較例8,9,10は、水性処理液が不安定で評価用に適した潤滑皮膜を形成できなかったか、冷間塑性加工性、調質処理後の表面潤滑性のいずれかが工業的な使用レベルに達していなかった。また、従来皮膜である比較例16は、冷間塑性加工性評価と粉塵発生評価が満足していなかった。比較例17は、調質処理後の表面潤滑性が本発明の目的を満足しなかった。
Figure 0005181393
(実施例2)
(1)潤滑皮膜形成用水性処理液の調製
以下に示す各成分を、表2に示す組合せ及び割合にて水性処理液を調製した。潤滑皮膜を形成する、a成分,b成分,c成分は、実施例A〜Cについては実施例1のa−2,b−2,c−1を用い、実施例Dについては実施例1のa−4,b−6,c−2を用いた。また、比較例Aについては比較例1のa−2,b−2+b−8,c−1を用いた。なお、これらすべての水性処理液において、水性処理液中の全固形分:水の質量比は1:9とした。
Figure 0005181393
(2)潤滑皮膜処理
JISG4053の機械構造用合金鋼鋼材SCM415のφ12.3mmの線材を長さ50mmに切断し、以下の処理手順にて潤滑皮膜処理して用いた。
(a)酸洗:硫酸の17.5%水溶液、温度70℃、浸漬10分
(b)水洗:常温の水洗槽に浸漬後引上げ
(c)潤滑皮膜処理:上記で調製した各水性処理液、60℃、浸漬5分処理
(d)乾燥:自然乾燥
(e)乾燥皮膜質量:10g/m
(f)伸線:φ12.0mmに伸線
(3)粉塵発生評価
伸線時における粉塵の発生しやすさを評価する目的で、上記潤滑皮膜処理を施した試験片で前方押し加工を行い、金型に残存した潤滑皮膜成分の性状を評価した。ダイスは伸線時の温度上昇を考慮して150℃に加熱した。なお、加工度は断面減少率20%である。前方押し加工により皮膜の一部が脱落するが、脱落した皮膜が細かく粉状であるものほど粉塵が発生しやすいとした。また、前方押し加工で加工表面にキズが発生したものは、伸線時にダイス前に潤滑パウダーを使用する必要があると判断し、粉塵は最も多く発生するとした。なお、脱落量は試験片10本加工した時の状況で評価した。
評価基準: ○ : 脱落皮膜が粉状にならない
△ : 脱落皮膜が粉状
× : 加工面にキズ発生
試験結果を表2に示す。実ラインで粉塵の問題がある比較例Aの燐片状黒鉛は脱落皮膜が粉状になった。比較例Bの石灰石けん皮膜は加工面にキズがはいった。比較例Cのリン酸塩+石けん処理は加工面にキズは無いが皮膜脱落物の性状が粉状であった。本発明の範囲である実施例は、粉状の脱落物は発生せず、加工面にキズの発生も無かった。表2から明らかのように粉塵が発生し難い皮膜であること分かる。
以上、本発明の締結部品用鋼線材は、線材表面を所定の水性処理液で処理するか、必要に応じてさらに伸線加工で鋼線とすることにより得られることを説明したが、線材の代わりに予め伸線を施して細径化した鋼線を用いても同様の効果を有することは言うまでもないことであり、したがって鋼線に対してその表面を所定の水性処理液で処理して得られた鋼線や、さらに伸線加工した鋼線も、本発明に係る「鋼線材」である。

Claims (6)

  1. SiO/MO(Mはアルカリ金属を示す)のモル比が2〜5のケイ酸アルカリ金属塩(a)、脂肪酸のカルシウム塩(b)、ポリオレフィンワックス(c)を必須成分とし、全固形分中での(b)及び(c)の質量比が、それぞれ6〜50質量%、1〜20質量%である組成物の水性処理液で処理された、焼入れ焼戻し熱処理を経て使用される締結部品用鋼線材。
  2. SiO/MO(Mはアルカリ金属を示す)のモル比が2〜5のケイ酸アルカリ金属塩(a)、脂肪酸のカルシウム塩(b)、ポリオレフィンワックス(c)を必須成分とし、全固形分中での(b)及び(c)の質量比が、それぞれ6〜50質量%、1〜20質量%である潤滑皮膜を有する、焼入れ焼戻し熱処理を経て使用される締結部品用鋼線材。
  3. 前記MがNa及びKのいずれか1種又は2種である請求項1又は2に記載の締結部品用鋼線材。
  4. 前記脂肪酸のカルシウム塩(b)の融点が70℃から180℃である請求項1〜3のいずれかに記載の締結部品用鋼線材。
  5. 前記ポリオレフィンワックス(c)の平均粒子径が5μm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の締結部品用鋼線材。
  6. 前記ポリオレフィンワックス(c)の融点が70℃から150℃である請求項1〜5のいずれかに記載の締結部品用鋼線材。
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