JP4836023B2 - 基板の搬送と並行にストッパを移動させる、基板の印刷装置 - Google Patents

基板の搬送と並行にストッパを移動させる、基板の印刷装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工域又は検査域を有する搬送コンベアや搬送コンベアと加工ヘッドとからなる加工装置に係わり、加工域や検査域に対するワークの搬入搬出をより短い時間で行うことにより、生産性をさらに向上させることに関する。
ここで加工装置には、溶接加工、熱切断加工、切削加工、研削加工、放電加工、電子ビーム加工、イオンビーム加工、プラズマ加工、レーザービーム加工、ウオータージェット加工、ブラスト加工、溶射加工、塗装加工、印刷加工などがある。
特に、電子部品を基板に装着するシステムに使用する、基板への高速半田印刷機、基板への高速接着剤塗布機、基板への電子部品の高速装着機、及び、スクリーン印刷機などの分野においては、高速化への要請が強く求められており本発明の利用価値は高い。
【0002】
【従来の技術】
従来は加工後又は検査後に搬送コンベアを起動し、まず加工又は検査済みのワークの搬出を行い加工又は検査済みのワークが搬出されたことを検知した後に、ワークの検知部を有するストッパを挿入し、その後に次に加工又は検査するワークの搬入を行っていた。
以上のような方法では、加工又は検査済みのワークの搬出と次に加工又は検査するワークの搬入をそれぞれ別の工程で行わなければならず時間の無駄が発生していた。これは、ストッパを待避させなければ加工又は検査済みのワークを搬出することができず、ストッパを挿入してからでないと次に加工又は検査するワークを搬入することができなかったからである。
また、加工又は検査済みのワークの搬出と次に加工又は検査するワークの搬入を同時に搬送コンベアを起動して行い、ワークの搬送中に加工又は検査済みのワークの後端を検知してストッパを挿入する方法もあった。
しかし、ワークを検知するセンサにおいてはチャタリングなどのノイズによる誤動作を避けるために少なくとも0.5秒以上の認識時間を設定し、例えばワークの通過を確認する場合は、認識時間のあいだ連続してワークを検知しないときに初めてワークが通過したものと認識する必要がある。
かかる認識時間とストッパの挿入に要する時間とを加えた時間の間に搬送コンベアがワークを搬送する距離は長くなる。このため長大なワーク間の隙間を要し過大な搬送設備となると共に搬送時間も短縮されない問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した従来技術の欠点を除くためなされたものであってその目的とするところは、加工又は検査済みのワークの搬出を行った後にストッパを挿入しその次に加工又は検査するワークの搬入を行う方法の持つ、加工又は検査済みのワークの搬出と次に加工又は検査するワークの搬入をそれぞれ別の工程で行なうことによる時間的無駄を排除して、ワークの搬出と搬入作業を短時間で行うことを可能とした搬送装置、加工装置、搬送方法、加工方法などを提供することにある。
また、加工又は検査済みのワークの搬出と次に加工又は検査するワークの搬入を同時に搬送コンベアを起動して行い、ワークの搬送中に加工又は検査済みのワークの後端を検知してストッパを挿入する方法の持つ、長大なワーク間の隙間を要し過大な搬送設備となる問題をなくし、小型で省スペース化を図った搬送装置や加工装置を提供することにある。
また、チャタリングなどのノイズによる誤動作を避けるためにワークを検知するときに必要となる認識時間の影響を排除し、さらなる高速化の要請に適応した搬送装置、加工装置、搬送方法、加工方法などを提供することにある。
特に、電子部品を基板に装着するシステムに使用する、基板への高速半田印刷機、基板への高速接着剤塗布機、基板への電子部品の高速装着機、及び、スクリーン印刷機などに適した搬送方法及び印刷装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
搬入テーブル、加工テーブル及び搬出テーブルからなる基板の搬送コンベアと、印刷ヘッドとを有する印刷装置であって、基板の搬送方向と並行して移動可能に基板のストッパを設け、さらに、ストッパの移動に伴って移動する基板の検知部であって、基板が停止位置に到着する前に基板を検知することが可能な検知部を設け、搬入テーブル上の基板と加工テーブル上の基板との間にある空間から、加工テーブル上の加工域にある停止位置までストッパを移動可能とし、基板を搬送する前に、搬入テーブル上の基板と加工テーブル上の基板との間にある空間に、ストッパを移動させておく構成とした印刷装置とする。
また、上記した印刷装置であって、ストッパを上下方向に昇降可能に構成し、ストッパを上げたときには、基板に衝突しない位置に待避可能にした印刷装置とする。
また、上記したいずれかの印刷装置であって、搬入テーブル上の基板と加工テーブル上の基板との間にある空間にストッパを挿入した状態で、ストッパを移動させると同時に搬送コンベアを起動し、搬入テーブル上にある基板の加工域への搬入と、ストッパの加工域への移動を同時に行う印刷装置とする。
本発明は、ストッパの検知部を加工済みの基板と次に加工する基板の間の空間に挿入した後に搬送コンベアを起動し、加工域からの加工済みの基板の搬出と加工域への次に加工する基板の搬入とストッパの移動を同時に行うものである。
また、上記したいずれかの印刷装置であって、ストッパの移動速度を、搬送コンベアによる基板の搬送速度より少し遅い速度とした印刷装置とする。
れはストッパの移動中にワークの検知を行うことにより、ワーク検知に要する認識時間の搬入搬出時間への影響を排除するためである。
本明細書において「少し遅い速度」とは、加工域にある基板と次に加工する基板との間の空間にストッパの検知部を挿入した状態で、ストッパの移動と搬送コンベアによる基板の搬送とを同時に起動したときに、ストッパが停止位置に到着する少し前に次に加工する基板がストッパに追いつき、ストッパの検知部により検知された状態で、ストッパが加工域において基板を検知するべき位置に停止するのと同時に、次に加工する基板が加工域の停止位置に到着する程度に遅い速度のことをいう。
また、上記したいずれかの印刷装置であって、搬入テーブルと加工テーブルを一体とした印刷装置、又は、加工テーブルと搬出テーブルを一体とした印刷装置とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図面に示す1実施例に基づいて説明する。本実施例ではいずれも同じ速度でワークを搬送する搬入テーブル2aと加工テーブル2bと搬出テーブル2cとで搬送コンベア2を構成し、このうち加工テーブル2bにワークを加工する加工域を設けた。
加工ヘッド3aとストッパ5とフレーム3bとで移動ユニット3を構成し、移動ユニット3は搬送コンベアの搬送方向7aと平行なX軸レール4a上を図示していないサーボモータに駆動され移動する。
ここで、移動ユニット3の通常の移動速度は搬送コンベア2の搬送速度と比べ可能な限り高速に移動するようにする。高速になる程移動ユニット3の移動時間は短くなり、ワークの搬送時間に対し無視できる程度になるからである。
X軸レール4aは搬入テーブル2aの上まで延びているため、加工テーブル2b上の加工域にあるワーク1bと搬入テーブル2a上にある次に加工するワーク1aとの間の空間6の上部にストッパ5を移動させることができる。
ストッパ5は検知部5aを有し、ワークが検知部5aに接触したことをセンサが検知する構成とし、検知部5aは上下方向であるZ軸方向に昇降可能とする。そして、検知部5aを下方向8aに下げたときにワークを検知し検知部を上方向8bに上げたときはワークに衝突しない位置に待避する構成とする。
移動ユニット3はX軸レール4aと共にY軸レール4b上を走行するよう構成し、ワークの搬送方向7aに対し直角方向に移動可能になっているため、加工ヘッド3aは加工域にあるワーク上の任意の位置に移動することができる。
【0006】
本発明は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。
ワーク1bの加工が終わると移動ユニット3はX軸の搬送方向7aと逆の方向に高速で移動し、加工テーブル2b上の加工域にあるワーク1bと搬入テーブル2a上にある次に加工するワーク1aとの間の空間6の上部にストッパ5が位置するようにする。
続いて、ストッパ5の検知部5aを下方向8aに下降させ、加工テーブル2b上の加工域にあるワーク1bと搬入テーブル2a上にある次に加工するワーク1aとの間に存在する空間6に挿入する。
続いて、移動ユニット3の移動と搬送コンベア2の搬入テーブル2aと加工テーブル2bと搬出テーブル2cとを同時に起動する。このとき移動ユニット3を搬送コンベア2の搬送速度に対し少し遅い速度で移動させ、ストッパ5が加工域においてワークを検知すべき位置まで移動する少しまえに、次に加工するワーク1aがストッパ5に追いつきワーク1aが検知部5aに検知された状態で、ストッパ5と次に加工するワーク1aとが加工域のそれぞれの所定の停止位置に到着するようにする。
【0007】
このようにすると、ワークを搬送しているあいだにワーク1aがストッパ5の検知部5aに検知された状態で、ストッパ5は加工域における検知すべき位置にワーク1aは加工域における所定の位置にそれぞれ同時に到着する。
次に加工テーブル2bを停止して、ワーク1aを図示しないワーク保持具により保持しつつ、検知部5aを上方向8bに上昇させ待避させて、ワーク1aの加工を行う。
一方、加工後のワーク1bは加工テーブル2bから搬出テーブル2cに乗り移り搬出される。搬出テーブル2cは加工テーブル2bとは分離しているので加工テーブル2bが停止しても搬出テーブル2cはワーク1bを搬送することができる。
また、搬入テーブル2aも加工テーブル2bとは分離しているので、ワークを加工中に加工テーブル2bが停止していても、搬入テーブル2aは次に加工するワークを所定の位置に搬送することができる。
【0008】
本実施例では加工ヘッドをX軸方向とY軸方向の両方向に移動可能な構成としたが、Y軸方向に移動できなくてもワークの搬送方向であるX軸方向に移動可能に構成すれば同じ効果を得ることができる。
また、本実施例では移動ユニットをサーボモータにより駆動したが、ステッピングモータや速度検出器付DCモータ等出力軸の回転速度を高速から低速に至る範囲でコントロールできるモータであればよく、上記した実施例にこだわることはない。
また、本実施例では加工ヘッドとストッパとフレームとで移動ユニット構成した。既に加工ヘッドがX軸方向に移動する機能を持っている場合に、かかる機能を有効に利用するためである。
一方、加工ヘッドをX軸方向に移動させない加工機においてはストッパを単独でX軸方向に移動可能に構成すればよい。ストッパは加工機と比べ小さくて軽いため、このような場合はストッパのみを移動させることが、機構の軽量化、単純化、省エネルギ化の要請及び経済性の点で望ましい。
また、本実施例では搬入テーブルと加工テーブルと搬出テーブルとで搬送コンベアを構成したが、その理由は、本発明に係る装置の前に設置した前置コンベアと搬入テーブルを連結し、本発明に係る装置の後ろに設置した後置コンベアと搬出コンベアとを連結した場合のコンベア間におけるワークの移載を考慮したものである。
これに対し例えば、搬入テーブルへのワークの積込装置や搬出テーブルからのワークの積卸装置などを設置する場合は分離したコンベアとする必要はなく、一体の搬送コンベアでよいため上記した実施例にこだわる必要はない。
また、本実施例ではストッパの検知部を上下昇降可能としたが、左右に移動させて待避させる方法もあり、上記した実施例にこだわらない。
【0009】
上記実施例の搬入テーブル、加工テーブル、搬出テーブルとしてはベルトコンベア、ローラーコンベア、チェンコンベア及びこれらの組合せが考えられるが、ワークを搬送する装置であればよく特にこれらに限定しない。
上記実施例において加工ヘッドとして溶接ヘッドを取り付ければ溶接加工装置、切断吹管を取り付ければ熱切断加工装置、切削工具を取り付ければ切削加工装置、砥石を取り付ければ研削加工装置、放電加工電極を取り付ければ放電加工装置となる。
また、電子ビーム加工機、イオンビーム加工機、プラズマ加工機、レーザービーム加工機などを取り付け、それぞれ電子ビーム加工装置、イオンビーム加工装置、プラズマ加工装置、レーザービーム加工装置とすることも可能である。
また、ウオータージェット加工、ブラスト加工、溶射加工、塗装加工などの先端ノズルを加工ヘッドとして取り付ければ、ウオータージェット加工装置、ブラスト加工装置、溶射加工装置、塗装加工装置とすることもできる。
また、上記実施例においてワークを基板とすれば基板の搬送コンベアとなり、さらに印刷ヘッドを取り付ければ基板を印刷加工する印刷装置となる。一方、半田の印刷ヘッドを取り付ければ半田印刷装置、接着剤の塗出ノズルを取り付ければ接着剤塗布装置、装着ヘッドを取り付ければ装着装置とすることができる。
また、移動ユニットにカメラを追加したりあるいは加工ヘッドの換わりにカメラを取り付け、カメラで撮像したワークの像とあらかじめ記録したワークの正規位置や正規サイズのデータとを比較するようにすれば、ワーク位置の確認機能を有する加工装置としてあるいはワークの精度を検査する検査装置として使用することができる。
検査装置として使用する場合はワークを加工しないので、ワークの精度を検査する位置を検査域と呼称し、前記加工ヘッドの実施例における記載中の「加工域」を「検査域」と読み替えて解釈すればよい。
【0010】
【発明の効果】
本発明によると、加工又は検査済みのワークの搬出を行った後にストッパを挿入しその次に加工又は検査するワークの搬入を行う方法の持つ、加工又は検査済みのワークの搬出と次に加工又は検査するワークの搬入をそれぞれ別の工程で行なうことによる時間の無駄の発生を防止し、ワークの搬出と搬入を短時間で行うことができた。
さらに、チャタリングなどのノイズによる誤動作を避けるためにワークを検知するときに必要となる認識時間の影響を排除し、さらなる高速化の要請に適応した搬送装置、加工装置、搬送方法、加工方法などを提供することができた。
例えば、電子部品を基板に装着する機械やスクリーン印刷機などにおけるワークの入れ替えに、従来3秒かかっていたものが2秒で行えるようになった。ワークの搬入と搬出に要する時間のみで比較すれば、本発明により33.3%の時間短縮効果があったことになる。
電子部品を基板に装着する機械では1つの電子部品の装着を0.09秒で行うため、例えば、50個の電子部品を基板に装着するときは1枚の基板に4.5秒の装着時間を要することになる。従来方法では基板の搬入搬出時間の3秒を加え合計7.5秒で1枚の基板を処理していた。
これに対し、本発明によれば基板の搬入搬出時間を1秒の短縮する効果が認められ、1枚の基板を6.5秒で処理することができた。このときの基板の生産性は13.3%向上した効果が得られた。
一方、スクリーン印刷機などでは5秒程度で印刷を行うので、従来の搬入搬出方法では3秒の時間を加え合計8秒で1枚の印刷を処理するのに対し、本発明によれば合計7秒で1枚の印刷が可能となった。このときの印刷の生産性は12.5%向上した効果が得られた。
また、ストッパを加工ヘッドに取り付け移動可能とした発明により、加工ヘッドが既にX軸方向に移動する機能を有する場合に、かかる機能を有効利用し機構の簡素化と安価な設備を実現する効果があった。
また、ワークの搬送中に加工又は検査済みのワークの後端を検知してストッパを挿入する方法の持つ、長大なワーク間の隙間を要し過大な搬送設備となるといった問題をなくし、小型で省スペース化を図った搬送装置や加工装置を提供できる効果があった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 加工域にあるワークと次に加工するワークとの間の空間の上部にストッパが位置する状態の斜視図である。
【図2】 加工域にあるワークと次に加工するワークとの間の空間にストッパの検知部を挿入する状態の斜視図である。
【図3】 ワークの搬送と並行してストッパを有する移動ユニットが移動する状態の斜視図である。
【図4】 移動中にストッパの検知部によりワークが検知された状態の斜視図である。
【図5】 ストッパが加工域における位置決め位置に到着した状態の斜視図である。
【図6】 ワークの搬入が完了した後に検知部を上昇させる状態の斜視図である。
【符号の説明】
1a・・・ ワーク
1b・・・ ワーク
2 ・・・ 搬送コンベア
2a・・・ 搬入テーブル
2b・・・ 加工テーブル
2c・・・ 搬出テーブル
3 ・・・ 移動ユニット
3a・・・ 加工ヘッド
3b・・・ フレーム
4a・・・ X軸レール
4b・・・ Y軸レール
5 ・・・ ストッパ
5a・・・ 検知部
6 ・・・ 空間
7a・・・ 搬送方向
8a・・・ 下方向
8b・・・ 上方向

Claims (4)

  1. 搬入テーブル、加工テーブル及び搬出テーブルからなる基板の搬送コンベアと、印刷ヘッドとを有する印刷装置であって、前記基板の搬送方向と並行して移動可能の前記基板のストッパを設け、さらに、前記ストッパの移動に伴って移動する前記基板の検知部であって、前記ストッパの移動速度を、前記搬送コンベアによる基板の搬送速度より遅い速度とすることで前記基板が停止位置に到着する前に前記基板を検知することが可能な検知部を設け、前記搬入テーブル上の基板と前記加工テーブル上の基板との間にある空間から、前記加工テーブル上の加工域にある前記停止位置まで前記ストッパを移動可能とし、前記基板を搬送する前に、前記搬入テーブル上の基板と前記加工テーブル上の基板との間にある空間に、前記ストッパを移動させておく構成としたことを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載した印刷装置であって、前記ストッパを上下方向に昇降可能に構成し、前記ストッパを上げたときは、前記基板に衝突しない位置に待避可能にしたことを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項1または請求項2のいずれかに記載した印刷装置であって、前記搬入テーブル上の基板と前記加工テーブル上の基板との間にある空間に前記ストッパを挿入した状態で、前記ストッパを移動させると同時に前記搬送コンベアを起動し、前記搬入テーブル上にある基板の前記加工域への搬入と、前記ストッパの前記加工域への移動を同時に行うことを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載した印刷装置であって、前記搬入テーブルと前記加工テーブルを一体とした印刷装置。
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