JP4835817B2 - 脂環式(メタ)アクリレート化合物及びその製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、脂環式(メタ)アクリレート化合物及びその製造法に関するものであり、更に具体的には8−アルコキシメチル−9−(メタ)アクリロイルオキシメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物及びその製造法に関するものである。
【0002】
本発明の化合物は、液晶デバイスTFT保護樹脂等の光学材料用ラジカル重合及び紫外線硬化モノマーに関する。
【0003】
【従来の技術】
国際公開WO00/15591号公報に於いて、式[10]
【0004】
【化10】
【0005】
(式中、R1 は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2 及びR3 は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、R5 は炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
で表される8−(メタ)アクリロイルオキシ−9−ヒドロメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物が、光学材料分野のモノマーとして提案されている。
【0006】
しかし、本モノマーから得られる樹脂の熱安定性にやや問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
液晶デバイスTFT保護樹脂等の光学材料用のラジカル重合及び紫外線硬化分野で、耐熱性の向上したモノマーの提供を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を行った。そこでヒドロキシ基をアルキル化により安定化を図り、その結果本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明化合物は、式[1]
【0010】
【化11】
【0011】
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2及びR3 は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、R5は炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
で表される8−アルコキシメチル−9−(メタ)アクリロイルオキシメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物(以下AMTD化合物と略記する。)に関する。
【0012】
また、本発明は式[2]
【0013】
【化12】
【0014】
(式中、R5は炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
で表される8−アルコキシメチル−9−ヒドロキシメチルトリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン(以下AHTD化合物と略記する。)と式[4]
【0015】
【化13】
【0016】
(式中、R1 は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2、R3及びR4は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
で表されるアクリル酸化合物とを、酸触媒下反応させることを特徴とする式[1]
【0017】
【化14】
【0018】
(式中、R1、R2、R3及びR5は前記と同じ意味を表す。)
で表される8−アルコキシメチル−9−(メタ)アクリロイルオキシメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物の製造法に関する。
【0019】
また、本発明は式[2]
【0020】
【化15】
【0021】
(式中、R5は炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
で表される8−アルコキシメチル−9−ヒドロキシメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンと式[5]
【0022】
【化16】
【0023】
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2及びR3は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)
で表されるアクリル酸ハライド誘導体を塩基の存在下で反応させることを特徴とする前記式[1]で表される8−アルコキシメチル−9−(メタ)アクリロイルオキシメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物の製造法に関する。
【0024】
また、本発明は式[2]及び式[3]
【0025】
【化17】
【0026】
(式中、R5及びR6は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R5及びR6は同一でも異なってもよい。)
で表される8−アルコキシメチル−9−ヒドロキシメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物及び8,9−ビス(アルコキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物に関する。
【0027】
更に、本発明は、式[6]
【0028】
【化18】
【0029】
で表される8,9−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン(DH−DOLと略記する。)と金属又は金属化合物を反応させた後、式[7]
【0030】
【化19】
【0031】
(式中、R5は前記と同じ意味を表す。)
で表されるアルキルハライド誘導体を反応させて式[2]及び[8]
【0032】
【化20】
【0033】
(式中、R5は、前記と同じ意味を表す。)
で表される8−アルコキシメチル−9−ヒドロオキシメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物(AHTDと略記する。)と8,9−ビス(アルコキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物(BATDと略記する。)を得た後、AHTDと式[4]
【0034】
【化21】
【0035】
(式中、R1、R2 及びR3は、前記と同じ意味を表し、R4は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
で表されるアクリル酸化合物とを、酸触媒の存在下で反応させるか、式[5]
【0036】
【化22】
【0037】
(式中、R1、R2及びR3は、前記と同じ意味を表し、Xはハロゲン原子を表す。)
で表されるアクリル酸ハライド誘導体を塩基の存在下で反応させることを特徴とする前記式[1]で表されるAMTD化合物の製造法に関する。
【0038】
又、本発明は、式[2]
【0039】
【化23】
【0040】
(式中、R5は、前記と同じ意味を表す。)
で表されるAHTDと金属又は金属化合物を反応させた後、式[9]
【0041】
【化24】
【0042】
(式中、R6は炭素数1〜10のアルキル基を表し、、R5と同一でも異なってもよい。)
で表されるアルキルハライド誘導体を反応させて式[3]
【0043】
【化25】
【0044】
(式中、R5及びR6は、前記と同じ意味を表す。)
で表される8,9−ビス(アルコキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物(BATDと略記する。)及びその製造法に関する。
【0045】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0046】
【発明の実施の形態】
本発明の前記式[1]で表されるAMTD化合物の製造法は、下記の2つの反応スキームで表される。
【0047】
【化26】
【0048】
(式中、R1、R2 、R3 、R4、R5及びXは、前記と同じ意味を表す。)
先ず(1)の反応スキームの製造法について述べる。
【0049】
反応スキーム(1)及び(2)の原料である式[2]表される8−アルコキシメチル−9−ヒドロキシメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物(AHTD)は、ジシクロペンタジエンを出発原料として以下の反応スキームで得られる。
【0050】
【化27】
【0051】
即ち、ジシクロペンタジエン(DCPD)と一酸化炭素及びアルコール化合物から、塩化第二銅の存在下、パラジウム触媒によって8,9−ビス(アルコキシカルボニル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デセ−3−エン(TCDE)が得られる。そして更にこのTCDEを還元することによって式[6]のDH−DOLが得られる。
【0052】
次に得られたDH−DOLに対して、金属又は金属化合物と反応させた後、アルキルハライドを反応させることにより目的物が得られる。
【0053】
AHTDを製造する際には、金属又は金属化合物とアルキルハライドを1モル倍使用し、BATDを製造する際にはそれぞれ2モル倍以上使用するのが好ましい。
【0054】
金属としては、周期律表第1族のアルカリ金属及び第2族のアルカリ土金属が適応でき、具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム及びカルシウム等である。更に金属化合物としては、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化アルミニウムナトリウム、水素化アルミニウムカリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム等の金属水素化錯体、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の金属炭酸塩等が挙げられる。特には、金属や金属水素化錯体が好ましい。
【0055】
式[7]で表されるアルキルハライドの種類としては、炭素数1〜10の直鎖及び分岐アルキル弗化物、塩化物、臭化物、沃化物であり、具体的には、塩化メチル、臭化メチル、沃化メチル、塩化エチル、臭化エチル、沃化エチル、塩化−n−オクチル、臭化−n−オクチル、沃化−n−オクチル、塩化−n−デシル、臭化−n−デシル、沃化−n−デシルなどが挙げられる。
【0056】
本反応は、溶媒を使用するのが好ましく、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンやジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル等が挙げられる。溶媒の使用量は、DH−DOLに対し1〜20重量倍、より好ましくは1〜6重量倍である。反応温度は、−20〜100℃、より好ましくは0〜50℃である。
【0057】
目的のAHTD及びBATDは、蒸留又は、カラムクロマトグラフィー等で精製することができる。
【0058】
得られた式[2]AHTDと式[4]で表されるアクリル酸化合物よりの目的化合物である式[1]の製法について述べる。
【0059】
一般式[3]で表されるアクリル酸化合物のR1は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、好ましくは水素原子または炭素数1〜2である。また、R2及びR3は炭素数1〜10であり、R4は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、好ましくは水素原子または炭素数1〜5である。
【0060】
具体的には、アクリル酸、メタアクリル酸、チグリル酸、3,3−ジメチルアクリル酸、2−メチル−2−ペンテン酸、2−エチル−2−ヘキセン酸及び2−オクテン酸、及びそれらの炭素数1〜10のアルキルエステル化合物、具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、チグリル酸メチル、チグリル酸エチル、3,3−ジメチルアクリル酸メチル、3,3−ジメチルアクリル酸エチル、2−メチル−2−ペンテン酸メチル、2−メチル−2−ペンテン酸エチル、2−エチル−2−ヘキセン酸メチル、2−エチル−2−ヘキセン酸エチル、2−オクテン酸メチル及び2−オクテン酸エチル等が挙げられる。
【0061】
本反応は、酸触媒が必要であり、酸触媒としては、硫酸、塩酸及び硝酸等の鉱酸が使用でき、特には、硫酸が好ましい。また、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸及びトリフルオロ酢酸等の有機酸も使用でき、特にはベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸が好ましい。
【0062】
更に、酸触媒としてタングステン酸、モリブデン酸或いはこれらのヘテロポリ酸が挙げられる。ヘテロポリ酸の具体例としては、H3PW12O40、H4SiW12O40、H4TiW12O40、H5CoW12O40、H5FeW1 2O40、H6P2W18O62、H7PW11O33、 H4TiMo12O40、H3PMo12O40、H7PMo11O39、H6P2Mo18O62、H4PMoW11O40、H4PVMo11O40、H4SiMo12O40、H5PV2Mo10O40、H3PMo6W6O40、H0.5Cs2.5PW12O40及びそれらの水和物等が代表的なものとして挙げられる。また、これらを炭素やシリカに担持させた触媒等が挙げられる。これらのヘテロポリ酸のなかでは、H3PW13O40、H3PMo12O40及びそれらの水和物等が特に好ましい。
【0063】
また更に、アンバーリストIR120等の陽イオン交換樹脂、H−ZSM−5等のH型ゼオライト等も使用することができる。
【0064】
特に、エステル交換法の場合の触媒としては、前述の鉱酸類、ヘテロポリ酸類、有機酸、陽イオン交換樹脂及びH型ゼオライトの他に、3ZnO−2B2O3、酢酸カドミウム、酢酸亜鉛及び酢酸カルシウムに代表される周期律表第II族化合物の脂肪酸塩等が使用できる。
【0065】
これらの触媒の使用量は、AHTDに対し0.1〜100重量%が使用でき、経済的には、1〜20重量%が好ましい。
【0066】
本反応は、アクリル酸化合物またはアクリル酸エステル化合物を大過剰用いることもできるが、アリルアルコール誘導体を理論量近傍に減少させて、溶媒を用いて行うこともでき、通常は、溶媒を使用することが好ましい。溶媒の種類としては、1,2−ジクロロエタン(EDC)や1,1,1−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンやジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル等が挙げられる。
【0067】
溶媒の使用量は、AHTDに対し1〜20重量倍、より好ましくは1〜6重量倍である。
【0068】
反応温度は、50〜200℃、より好ましくは70〜150℃である。反応は常圧でも加圧でも行うことができる。反応時間は、1〜50時間で行うことができ、通常2〜12時間で行うのが実用的である。
【0069】
次に、反応スキーム(2)の製造法を述べる。一般式[5]で表されるアクリル酸ハライド誘導体は、そのR1、R2及びR3は前記と同じであり、具体的には、アクリル酸、メタアクリル酸、チグリル酸、3,3−ジメチルアクリル酸、2−メチル−2−ペンテン酸、2−エチル−2−ヘキセン酸及び2−オクテン酸等のハライドである。ハロゲンの種類としては、沸素、塩素、臭素及び沃素であり、経済的には塩素である。特には、アクリル酸クロライドやメタアクリル酸クロライドが使用される。その使用量は、AHTDに対し1〜2モル倍、より好ましくは1〜1.5モル倍である。
【0070】
本反応は、塩基触媒が必要であり、その例としては、アルカリ金属やアルカリ土金属の炭酸塩や水酸化物等の無機塩基、脂肪族や芳香族の有機塩基及びアルカリ金属やアルカリ土金属の脂肪酸塩等が使用できる。その具体例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ピリジン、ピコリン、アニリン、酢酸ナトリウム及び蓚酸ナトリウム等が一例として挙げられる。特には、炭酸ナトリウムやトリエチルアミンが好ましい。その使用量は、AHTDに対し1〜2モル倍、より好ましくは1〜1.5モル倍である。
【0071】
本反応は、溶媒を使用することが好ましい。溶媒の種類としては、1,2−ジクロロエタン(EDC)や1,1,1−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンやジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル等が挙げられる。溶媒の使用量は、AHTDに対し1〜20重量倍、より好ましくは1〜6重量倍である。
【0072】
反応温度は、−20〜100℃、特には0〜50℃が好ましい。反応後は、水を添加し、残余酸クロライドを加水分解してから、溶媒を留去し、難水溶性溶媒(エーテル系やエステル系)で抽出した後、蒸留又はカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物を得ることができる。
【0073】
更に、式[3]で表される8,9−ビス(アルコキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物(BATDと略記する。)の製造法は、以下の反応スキーム
【0074】
【化28】
【0075】
で表されるが、前記の反応スキーム(1)のBATDを製造法と同様に行うことができる。尚、式[9]で表されるアルキルハライドの種類としては式[7]と同様である。
【0076】
以上の本発明の各反応及び精製は、回分式でも連続式でも可能である。
【0077】
【実施例】
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
【0078】
【化29】
【0079】
50ml 四つ口反応フラスコにTHF40mlを仕込み、氷冷下に水素化ナトリウム0.4g(10mmol)を添加した後、8,9−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(DH−DOL)1.96g(10mmol)を加え5℃で1時間攪拌した。続いて、氷冷下にヨウ化メチル2.1g(15mmol)を滴下し、25℃(水浴中)で2時間撹拌した。反応終了後、氷5gと35%塩酸0.5mlを添加した後濃縮しTHFを留去した。残渣に酢酸エチルを加え、水層と有機層を分液し、有機層を水洗した後濃縮すると油状物2.3gが得られた。この残渣に、n−ヘプタンとアセトニトリルを加えて抽出後、アセトニトリル層を濃縮すると油状物1.95gが得られた。この油状物を、n−ヘプタン/酢酸エチル=5/1〜3/1の展開液を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、無色透明な油状物質の8−ヒドロキシメチル−9−メトキシメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(HMTC)1.59g(収率75.9%)が得られた。HMTCの構造は、下記の分析結果から確認した。
【0080】
MASS(FAB+, m/e(%)) : 211([M+H]+,100), 177(26), 161(34).
1H-NMR(CDCl3,δppm) : 1.27(dt, J1=10.08Hz, J2=1.53Hz, 1H), 1.42-1.63(m, 7H), 1.81-1.83(m, 2H), 2.10-2.15(m, 1H), 2.21-2.26(m, 1H), 2.33-2.35(m, 2H), 3.28(dd, J1=4.28Hz, J2=9.47Hz, 1H), 3.31(s, 3H), 3.35(dd, J1=4.28Hz, J2=11.6Hz,1H), 3.52(dd, J1=9.78Hz, J2=10.68Hz, 1H), 3.66(dd, J1=9.78Hz, J2=11.3Hz, 1H), 3.80(brs, 1H).
13C-NMR(CDCl3,δppm) : 26.63, 26.67, 28.86, 37.98, 39.54, 41.47, 45.53, 45.56, 45.69, 45.71, 58.58, 64.01.
実施例2
【0081】
【化30】
【0082】
50ml 四つ口反応フラスコに8−ヒドロキシメチル−9−メトキシメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(HMTC)1.45g(6.9mmol)、THF20ml及びトリエチルアミン1.40g(13.9mmol)を仕込み、5℃で攪拌下にメタアクリロイルクロライド1.44g(13.9mmol)を15分で滴下した。更に22℃で6時間攪拌した。氷冷して水を加えてからTHFを留去した。酢酸エチルを加えて抽出分液後、有機層を水洗し濃縮すると油状物2.00gが得られた。この残渣を、n−ヘプタン/酢酸エチル=20/1〜5/1でシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、無色透明な油状物質の8−メタアクリロイルオキシメチル−9−メトキメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(MMTC)1.49g(収率77.6%)が得られた。MMTCの構造は、下記の分析結果から確認した。
【0083】
MASS(FAB+, m/e(%)) : 279([M+H]+,23), 193(100), 177(34), 161(65).
1H-NMR(CDCl3,δppm) : 1.27(d, J=10.08Hz, 1H), 1.39-1.62(m, 8H), 1.87(t, J=1.22Hz, 3H), 1.97(brs, 2H), 2.09-2.16(m, 2H), 2.35(d, J=3.55Hz, 2H), 3.17(dd, J1=7.18Hz, J2=9.01Hz, 1H), 3.22(s, 4H), 3.27(dd, J1=6.71Hz, J2=10.15Hz, 1H), 3.94(dd, J1=8.86Hz, J2=10.00Hz, 1H), 4.16(dd, J1=5.50Hz, J2=10.69Hz, 1H), 5.47(dd, J1=1.53Hz, J2=3.06Hz, 1H), 6.02(dd, J1=0.916Hz, J2=1.53Hz, 1H).
13C-NMR(CDCl3,δppm) : 18.16, 26.61(2), 28.82, 37.02, 37.88, 38.18, 44.84(2), 45.32, 45.49, 58.43, 64.79, 73.26, 124.99, 136.35, 167.25.
実施例3
【0084】
【化31】
【0085】
50ml 四つ口反応フラスコにTHF50mlを仕込み、氷冷攪拌下に水素化ナトリウム(純度60%)0.96g(24mmol)を添加した。続いて8,9−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(DH−DOL)1.96g(10mmol)を滴下し1時間攪拌した。次に、氷冷下で、ヨウ化メチル3.4g(2.4mmol)を滴下し、25℃(水浴中)で6時間撹拌した。再び冷却してから氷を加え、続いて濃縮によりTHFを留去した後、残渣に酢酸エチルを加えて有機分を抽出・水洗・濃縮すると油状物2.21g(9%)が得られた。無色透明な油状物質の8,9−ビス(メトキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(BMD)2.20g(収率98.2%)が得られた。この構造は、下記の分析結果から確認した。
【0086】
MASS(FAB+, m/e(%)) : 225([M+H]+,71), 193(100), 161(46),123(50), 110(80), 97(98).
1H-NMR(CDCl3,δppm) : 1.25(dt, J1=6.53Hz, J2=1.53Hz, 1H), 1.36-1.45(m, 3H), 1.47-1.59(m, 5H), 1.97(t, J=1.68Hz, 2H), 2.02-2.06(m, 2H), 2.33-2.35(m, 2H), 3.11-3.15(m, 1H), 3.25 (d, J=0.61Hz, 6H), 3.32(dd, J1=5.70Hz, J2=9.06Hz, 2H).
13C-NMR(CDCl3,δppm) : 26.66(2), 28.91, 37.79(2), 38.28, 44.80(2), 45.53(2), 58.37(2), 73.14(2). ((2)は炭素原子2本分を表す。)
Claims (7)
- 酸触媒が、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸または硫酸である請求項2記載の8−アルコキシメチル−9−(メタ)アクリロイルオキシメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物の製造法。
- 塩基が、アルキルアミン、芳香族アミンまたは金属炭酸塩であることを特徴とする請求項4記載の8−アルコキシメチル−9−(メタ)アクリロイルオキシメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物の製造法。
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