JP2004269480A - フッ素化アルキルアルコキシフェノールの製造方法 - Google Patents

フッ素化アルキルアルコキシフェノールの製造方法 Download PDF

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高章 坂本
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Abstract

【課題】液晶材料としての可能性を有するフッ素化アルキルアルコキシフェノールの工業的に実施可能な製造方法を提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)
F(CF(CHI (1)
(式中、mは1〜18の整数であり、nは0〜12の整数である。)
で表されるフッ素化アルキル基含有アルキルアイオダイドと下記一般式(2)
HO−C−OR (2)
(Rは水酸基の保護基である。)
で表されるジヒドロキシベンゼン誘導体を反応させて、下記一般式(3)
F(CF(CHO−C−OR (3)
(式中、m、n、Rは前記と同じである。)
で表されるエーテル体とした後、保護した水酸基の脱保護を行うことを特徴とするフッ素化アルキルアルコキシフェノールの製造方法。
【選択図】 なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリカーボネート、フェノール樹脂等の樹脂やその組成物に添加することにより、撥水性、耐候性、低摩擦性等を向上させることができ、フッ素機能性材料の製造原料、構成成分等として好適に用いることができるフッ素化アルキルアルコキシフェノールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリフッ化エチレン繊維(テフロン)等のフッ素樹脂は、一般に耐熱性、光安定性、耐候性、耐薬品性等に優れ、撥水性と撥油性とを併せ持ち、低摩擦性を示す等種々の特異な性質を有している。こうした特異な性質は、炭化水素基の多くの水素原子がフッ素原子で置換されたフルオロカーボン構造に基づいており、C−F結合を多く含むものほど前述の性質が顕著に現れる。ところが、該フルオロカーボン構造を有する化合物は、成形性、加工性、接着性に劣り、また相溶性が不足することから他の樹脂や添加物と均一にブレンドすることが困難であるため、これらの欠点を添加剤等によって改善することも難しく、結果として応用範囲が限定されている。
【0003】
近年、通常の樹脂とフッ素樹脂との両者の性質を併せ持つ、即ち前述の性質を有するフルオロカーボン構造を含有するフッ素化アルキル基と親水性、反応性に富む水酸基やカルボキシル基等を同一分子内に有する化合物が、フッ素系界面活性剤、フッ素樹脂等の含フッ素機能性材料の製造原料、構成成分、一般の樹脂の改良剤等として広く産業界の注目を集めるようになってきた。
【0004】
例えばフッ素化アルキルアルコキシフェノールについては、液晶材料としての有用であるという報告(例えば、非特許文献1参照。)があり、その工業的生産が求められている。しかし、一般にフッ素化アルキル基を分子内に導入するには、通常のアルキル基の場合とは異なる特殊な反応技術が必要であり、該化合物の工業的生産方法については確立されていない。
【0005】
非特許文献1には合成方法についての記載があるが、この方法はまずハイドロキノンとベンジルクロライドを低温化で反応して、1個のフェノール性水酸基を保護した後、フッ素化アルキル基含有アルコールと脱水反応を行ってフッ素化アルキル基を導入してから、フェノール性水酸基の脱保護を行い、該化合物を得る方法である。この手法においては、▲1▼衝撃により爆発する性質を有するジエチルアゾジカルボキシレートを脱水反応時に使用する、▲2▼脱水反応の反応溶媒として沸点、引火点ともに低いジエチルエーテルを使用する、▲3▼脱水反応にかかる時間が3日と長い、等工業的には実行可能性が低いものである。
【0006】
【非特許文献1】
Luisa Andruzzi,他3名,「Synthesis and Structure Characterization of Liquid Crystalline Polyacrylates with Unconventional Fluoroalkylphenyl Mesogens」,”Macromolecules”,(アメリカ),American Chemical Society,2001年9月29日,第34巻,p.7707−7714
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記実情に鑑み、本発明の課題は、液晶材料としての可能性を有するフッ素化アルキルアルコキシフェノールの工業的に実施可能な製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、既に工業的製法が確立されている下記一般式(1)で表されるフッ素化アルキル基含有アルキルアイオダイドを出発原料として用い、これとジヒドロキシベンゼンの一つのフェノール性水酸基を保護基で保護した下記一般式(2)で表されるジヒドロキシベンゼン誘導体とを反応させて下記一般式(3)で表されるエーテル体とした後、脱保護して水酸基に戻すことにより、下記一般式(4)
F(CF(CHO−C−OH (4)
(式中、mは1〜18の整数であり、nは0〜12の整数である。)
で表されるフッ素化アルキルアルコキシフェノール(以下、フッ素化アルキルアルコキシフェノール(A)と記す)を得る方法は、工業的に実施可能であることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
即ち、本発明は、下記一般式(1)
F(CF(CHI (1)
(式中、mは1〜18の整数であり、nは0〜12の整数である。)
で表されるフッ素化アルキル基含有アルキルアイオダイドと下記一般式(2)
HO−C−OR (2)
(Rは水酸基の保護基である。)
で表されるジヒドロキシベンゼン誘導体を反応させて、下記一般式(3)
F(CF(CHO−C−OR (3)
(式中、m、n、Rは前記と同じである。)
で表されるエーテル体とした後、保護した水酸基の脱保護を行うフッ素化アルキルアルコキシフェノールの製造方法を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
前記一般式(1)で表されるフッ素化アルキル基含有アルキルアイオダイドとしては、フッ素化アルキル基「F(CF(CH−」の種類即ちm、nの値に応じて各種の化合物があり、実際に使用するものについては最終的に合成しようとするフッ素化アルキルアルコキシフェノール(A)のフッ素化アルキル基を考慮して決定すればよく、例えば下記構造式(1−1)〜(1−26)で表されるものが挙げられる。
【0011】
【化1】
Figure 2004269480
【0012】
前記一般式(2)で表されるジヒドロキシベンゼン誘導体は、一つの水酸基を保護したものであり、フッ素化アルキル基含有アルキルアイオダイドとの反応性が高いことからパラ体であることが好ましい。保護する前のジヒドロキシベンゼンとしても、パラ−体、メタ−体、オルト−体の3つの異性体があり、それぞれを単独または混合物として用いることが可能であるが、フッ素化アルキル基含有アルキルアイオダイドとの反応性が高いことから、パラ−体単独、メタ−体単独、或いはこれらの混合物が好ましく、パラ−体単独、即ちハイドロキノンが最も好ましい。
【0013】
前記ジヒドロキシベンゼン誘導体の水酸基の保護基としては、水酸基を保護する機能を有するものであれば特に制限されるものではなく、ジヒドロキシベンゼンの種類、反応させるフッ素化アルキル基含有アルキルアイオダイドの種類、及び生成物の性質に応じて適宜、選択されるものであるが、例えば、R’CO−基(アシル基)、R’SO−基、R’−基(式中のR’はいずれも炭化水素基)が挙げられ、これらの中でも、保護基の導入及び脱保護に優れる点から、アシル基が好ましい。式中のR’としては、各種の炭素数及び構造のものを使用可能であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の直鎖状又は分岐状アルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基、フェネチル基等の環状構造を有する炭化水素基等を挙げることができ、これらの中でも、保護基の導入及び脱保護に優れる点からR’がフェニル基であることが好ましい。
【0014】
前記一般式(2)で表されるジヒドロキシベンゼン誘導体の合成方法、即ち、水酸基の保護を行う際の反応条件、操作、装置は特に限定されるものではないが、例えば、上記の保護基のクロライド、ブロマイド等のハロゲン化物とジヒドロキシベンゼンとを塩基の存在下で反応させることにより行うことができる。
【0015】
前記ハロゲン化物の好ましいものとしては、例えば下記構造式(5−1)〜(5−14)で表される化合物が挙げられる。
【化2】
Figure 2004269480
【0016】
これら好適なものの中でも、保護基の導入及び脱保護に優れる点から前記構造式(5−11)、(5−12)で表される化合物を用いることが最も好ましい。
【0017】
前記塩基は、上記の保護基のハロゲン化物とジヒドロキシベンゼンとの反応により生成するハロゲン化水素のキャッチャーとして作用する機能と、ジヒドロキシベンゼンの水酸基との反応によりMO−基(Mは金属)となり、更に上記の保護基のハロゲン化物と反応することにより脱ハロゲン化金属反応を行う機能の2つの機能を有するものである。
【0018】
前記塩基としては、例えば、ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられ、これらの塩基は使用する保護基の種類に応じて適宜選択されるものである。
【0019】
この反応における反応温度としては、用いる保護基の種類に応じて選定されるが、通常−20〜60℃であり、−10〜40℃が好ましく、−10〜30℃が特に好ましい。反応のモル比としては、ジヒドロキシベンゼン1モルに対して保護基のハロゲン化物を通常0.1〜1モル、好ましくは0.4〜0.9モル、特に好ましくは0.5〜0.8モル用いる。反応時間としては通常0.1〜7時間、好ましくは0.2〜5時間、特に好ましくは0.5〜3時間である。反応雰囲気としては、ジヒドロキシベンゼン類の酸化反応を抑制するために窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下が好ましい。
【0020】
また、この反応における溶媒としては、水、有機溶媒、これら混合物中のいずれの場合でも行うことが可能である。その選定については、保護基のハロゲン化物の種類に応じて適宜、選択されるものである。
【0021】
前記有機溶媒としては、原料のジヒドロキシベンゼン類、保護基のハロゲン化物及び生成物に対して不活性であり、且つ両者を溶解できるものであれば特に制限されるものではないが、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、パラジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、これらの中でも、エーテル類、ニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が好ましく、エーテル類、ニトリル類が特に好ましい。また、これらの溶媒は1種類で用いてもよいし、2種類以上を混合して使用しても良い。
【0022】
次に、前記一般式(1)で表されるフッ素化アルキル基含有アルキルアイオダイドと上述の方法で得られた前記一般式(2)で表されるジヒドロキシベンゼン誘導体を反応させて、前記一般式(3)で表されるエーテル体を得る方法について説明する。
【0023】
この方法は、ジヒドロキシベンゼン誘導体と触媒として用いる塩基との反応により、ジヒドロキシベンゼン誘導体の保護されていない1個の水酸基をMO−基(Mは金属)に置換し、更に、フッ素化アルキル基含有アルキルアイオダイドと反応させて脱ヨウ化金属反応を行い、エーテル体を得る方法である。
【0024】
この反応は、水、有機溶媒、これら混合物中のいずれの場合でも行うことが可能であり、原料のフッ素化アルキル基含有アルキルアイオダイドの種類、及び前記一般式(3)で表されるエーテル体の種類に応じて応じて適宜、選択されるものである。
【0025】
前記有機溶媒としては、原料のジヒドロキシベンゼン誘導体、フッ素化アルキル基含有アルキルアイオダイド及び生成物であるエーテル体に対して不活性であり、且つ両者を溶解できるものであれば特に制限されるものではないが、例えば、前述の保護基を導入する際に使用できる有機溶剤が挙げられ、これらの中でもエーテル類、ニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が好ましく、ニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドが特に好ましい。また、これらの溶媒は1種類で用いてもよいし、2種類以上を混合して使用しても良い。
【0026】
前記塩基としては、無機塩基が好ましく、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素リチウム等が挙げられる。該塩基の使用量としては、ジヒドロキシベンゼン誘導体1モルに対し、通常0.8〜1.5モルであり、0.9〜1.3モルが好ましく、1.0〜1.2モルが特に好ましい。反応温度としては、通常10〜150℃であり、20〜100℃が好ましく、30〜80℃が特に好ましい。反応時間としては通常0.2〜15時間であり、0.5〜10時間が好ましく、1〜7時間が特に好ましい。反応雰囲気としては、酸化反応を抑制するために窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下が好ましい。
【0027】
前述の方法で得られたMO−基を有するフェノール誘導体を含む反応液の中に、フッ素化アルキル基含有アルキルアイオダイドを加えることにより脱ヨウ化金属反応を行わせてエーテル体を得ることができる。フッ素化アルキル基含有アルキルアイオダイドの使用量としては、ジヒドロキシベンゼン誘導体1モルに対し、通常0.8〜2.0モルであり、0.9〜1.7モルが好ましく、1.0〜1.3モルが特に好ましい。反応温度としては、通常0〜100℃であり、10〜70℃が好ましく、20〜50℃が特に好ましい。反応時間としては通常0.1〜10時間、好ましくは0.2〜8時間、特に好ましくは0.5〜5時間である。反応雰囲気としては、酸化反応を抑制するために窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下が好ましい。
【0028】
以上のようにして得られた前記一般式(3)で表される、水酸基が保護されたエーテル体としては、パラ体であることが好ましく、また、得られたエーテル体中の保護基を適当な反応条件によって水酸基に戻すことにより、対応する所望の各種のフッ素化アルキルアルコキシフェノール(A)を得ることができる。
【0029】
ここで、保護基の水酸基への変換(脱保護)は、特に制限されるものではないが、例えば、保護基の種類に応じて、以下に示す▲1▼〜▲3▼の方法によって行うことができる。
【0030】
▲1▼アルカリ条件下によるR’CO−基、R’SO−基の脱保護反応
この方法は、前記の方法により得られた前記一般式(3)で表されるエーテル体をアルカリ水溶液中で加熱することによって、R’CO−基、R’SO−基を水素に変換する方法である。前記アルカリとしては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが好ましい。アルカリの使用量は、用いるエーテル体1モルに対し、0.005〜1.5モル使用され、0.01〜0.07モルであることが好ましく、0.02〜0.05モルであることが特に好ましい。反応温度としては、通常10℃〜還流温度であり、30℃〜還流温度が好ましく、40℃〜還流温度が特に好ましい。反応時間としては、通常0.1〜10時間であり、0.5〜8時間が好ましく、1〜6時間が特に好ましい。反応雰囲気としては、酸化反応を抑制するために窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下が好ましい。
【0031】
反応後の後処理も種々の方法によって行うことができ、例えば、必要に応じて反応液を水洗し、無水硫酸マグネシウム等の適当な乾燥剤により乾燥した後、あるいは反応液を直接、蒸留や再結晶工程に付すことによって所望の生成物を単離する方法などが挙げられる。
【0032】
▲2▼三臭化ホウ素または三塩化ホウ素を用いるR’−基の脱保護反応
この方法は、前記一般式(3)で表されるエーテル体をジクロロメタンの存在下で三臭化ホウ素または三塩化ホウ素と反応させることによってR−基を水素に変換する方法である。この場合には、R’−基がメチル基の場合に好適に用いることができる。
【0033】
また、前記一般式(3)で表されるエーテル体を三臭化ホウ素または三塩化ホウ素と反応させた後、水等の水素供与化合物と反応させる方法もあり、この場合には、R’−基がメチル基以外場合にも適用可能である。
【0034】
これらの反応としては、特に限定されるものではなく、種々の方法を用いることができるが、例えば、三臭化ホウ素とジクロロメタンを用いる場合には、三臭化ホウ素をジクロロメタンに溶解させた溶液を−78〜−60℃の温度に冷却し、同温度で前記一般式(3)で表されるエーテル体のジクロロメタン等の溶液を攪拌下で滴下し、滴下終了後、反応液の温度を徐々に室温付近にし、更に数時間攪拌下で反応させる方法等が挙げられる。三塩化ホウ素または三臭化ホウ素の使用量は、用いるエーテル体1モルに対して通常0.1〜2.0モルであり、0.5〜1.5モルが好ましく、0.7〜1.2モルが特に好ましい。反応雰囲気は、生成物の酸化反応を抑制するために窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下が好ましい。
【0035】
反応後の後処理も特に限定されるものではないが、例えば、必要に応じて反応液を水洗し、無水硫酸マグネシウム等の適当な乾燥剤により乾燥した後、あるいは反応液を直接、蒸留や再結晶工程に付すことによって所望の生成物を単離する方法等を挙げることができる。
【0036】
▲3▼水素化分解によるR’−基の脱保護反応
この方法は、前記一般式(3)で表されるエーテル体をパラジウム触媒の存在下で水素と接触させ水素化分解することによって該エーテル体のR’−基を水素に変換する方法である。この方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、水素ガスで置換した反応器中に前記一般式(3)で表されるエーテル体とパラジウム/カーボン触媒等の適当なパラジウム含有触媒とエタノール等の適当な溶媒をそれぞれ適当量入れ、該反応器内に水素ガスを導入し、適当な温度及び水素ガス圧で反応させることによって好適に行うことができる。反応温度としては通常、0〜100℃であり、10〜80℃であることが好ましく、20〜50℃であることが特に好ましい。反応圧(水素圧)としては、通常1〜30気圧であり、1〜10気圧であることが好ましく、1〜3気圧であることが特に好ましい。反応時間としては、温度等の条件によって異なるが、通常1〜10時間であり、1〜7時間であることが好ましく、1〜3時間であることが特に好ましい。
【0037】
反応後の後処理も特に限定されるものではないが、例えば、必要に応じて触媒をろ過等によって除去してから反応液を水洗し、無水硫酸マグネシウム等の適当な乾燥剤によって乾燥した後、或いは反応液を直接、蒸留工程に付すことによって所望の生成物を単離する方法等が挙げられる。
【0038】
上記▲1▼〜▲3▼の手法の中でも、保護基の導入及び脱保護に優れる点から、R’CO−基を用いた保護の▲1▼による脱保護の手法が好ましい。
【0039】
前記製造方法▲1▼〜▲3▼によって得られた前記一般式(4)で示されるフッ素化アルキルアルコキシフェノール(A)は、用途、目的によっては、未精製で用いることも出来るが、蒸留、溶媒による洗浄、再結晶、各種クロマトグラフィー、吸着剤等により、精製することも可能である。
【0040】
本発明で製造するフッ素化アルキルアルコキシフェノール(A)中のF(CF(CHO−(式中、mは1〜18の整数であり、nは0〜12の整数である。)は、各種の用途における耐熱性、光安定性、耐候性、耐薬品性、撥水性、撥油性、低摩擦性等の優れた効果を得るために必要不可欠なセグメントである。該基の鎖長、即ち前記一般式(4)中のm、nは、前記性能を得るためにはmが1〜18の整数であり、nが0〜12の整数であることを必須とし、含フッ素機能性材料の製造原料、構成成分、一般の樹脂の改良剤等として使用する際の、他の成分の組成、目的とする効果のレベル等により適宜、選択されるものである。
【0041】
本発明で製造できるフッ素化アルキルアルコキシフェノール(A)としては例えば、以下のものが挙げられる。
【化3】
Figure 2004269480
【0042】
前記フッ素化アルキルアルコキシフェノール(A)は、使用する原料、用途等に応じて、種々の純度の単独化合物または2種以上の混合物として製造することができる。また、上記で述べた製造方法における反応性(収率)が良好である点から、フッ素化アルキルアルコキシフェノール(A)は、パラ体であることが好ましい。
【0043】
本発明で得られるフッ素化アルキルアルコキシフェノール(A)は、熱や光に対して安定であり、化学的にも安定で反応性や親和性に乏しい撥水性と撥油性とを併せ持つという特異な性質を有するフルオロカーボン構造からなるフッ素化アルキル基を有し、且つ、通常の樹脂や多くの化合物に対して高い反応性や親和性を示すフェノール性水酸基も同一分子内に有していることから、こうした性質を利用した種々の用途に好適に用いることができる。例えば、ポリカーボネート、フェノール樹脂等の一般の多くの樹脂や樹脂組成物に均一に添加配合することができ、種々の組成の均一な配合物(混合物や反応物)を容易に得ることができ、これによって、それぞれの樹脂や樹脂組成物が本来持っている所望の特性を生かした上で、それらの撥水性や耐熱性、光安定性等の特性を大幅に改善することができる。例えば、有機感光体のバインダー樹脂への添加成分、または光学繊維等の光学材料の製造の際の樹脂への添加成分等として、好適に使用することができる。
【0044】
また、同様に、樹脂や樹脂組成物に添加することによって樹脂材料の摩擦係数の低減化も容易にはかることができるので、各種の低摩擦性の樹脂製品の製造分野にも好適に使用することができる。
【0045】
更に、フェノール性水酸基に適当な化合物を反応させることによって各種のフッ素化アルキル基含有化合物に容易に誘導することが可能であり、これによってフッ素系界面活性剤等の各種の有用な含フッ素化合物の製造にも広く使用することができる。
【0046】
【実施例】
次に本発明をより詳細に説明するために、実施例を掲げる。なお、実施例中「%」は特に断りのない限り、重量基準である。
【0047】
実施例1
▲1▼水酸基の保護
攪拌装置、還流冷却器、滴下ロート、および温度計を付した3リットルの四ツ口フラスコに、ハイドロキノン(1,4−ジヒドロキシベンゼン)110.1g(1モル)、水酸化カリウム43.8g(0.78モル)、イオン交換水1500gを仕込み、0℃に冷却した。窒素雰囲気下、激しく攪拌しながら、ベンゾイルクロライド101.2g(0.72モル)を30分かけて滴下した。滴下終了後、0℃で更に2時間攪拌した。反応終了後、窒素雰囲気下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液2000gの中に、反応液を加え1時間攪拌した。沈殿物をろ過し、1000gのイオン交換水で洗浄した後、70%エタノール水溶液から再結晶することにより、ベンゾイックアシッド−4−ヒドロキシフェニルエステル(1−▲1▼)139.2g(収率65%)を得た。生成物の同定は、H−NMR及びIRにより、行った。
【0048】
H−NMR(DMSO−d溶液、単位ppm)
9.5(1H、OH),8.2(2H、芳香族水素)、7.7及び7.6(3H、芳香族水素)、7.1(2H、芳香族水素)、6.9(2H、芳香族水素)
【0049】
IR(KBr、cm−1
3450(O―H)、3100−3050(C−H、芳香族)、1714(CO)、1560、1510及び1450(C=C、芳香族)、1280−1210(ArC−O)、1000(C−H、芳香族)、710(C−H、芳香族)
【0050】
▲2▼エーテル体の合成
攪拌装置、還流冷却器、滴下ロート、および温度計を付した10リットルの四ツ口フラスコに、▲1▼で得られたベンゾイックアシッド−4−ヒドロキシフェニルエステル(1−▲1▼)107.1g(0.5モル)、水酸化カリウム29.7g(0.53モル)、イオン交換水300g、N,N−ジメチルホルムアミド200gを仕込み、窒素雰囲気下、40℃で2時間攪拌した。攪拌終了後、予めN,N−ジメチルホルムアミド600gに溶解させた1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ヘプタデカフルオロ−10−ヨード−デカン344.4g(0.6モル)を、窒素雰囲気下、同温度で30分かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間攪拌した。攪拌終了後、反応液にイオン交換水1000g及びイソプロピルエーテル2000gを加え、窒素雰囲気下、同温度で30分攪拌した。攪拌終了後、有機層を分離し濃縮することにより、粗ベンゾイックアシッド−4−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロ−デシロキシ)−フェニルエーテル320.2gを得た。これをヘキサンから再結晶することにより、高純度のベンゾイックアシッド−4−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロ−デシロキシ)−フェニルエーテル(1−▲2▼)300.1g(収率91%)を得た。生成物の同定はH−NMRにより、行った。
【0051】
H−NMR(CDCl溶液、単位ppm)
2.6(2H、CHCF),4.3(2H、CH OC)、6.9(2H、芳香族水素)、7.2(2H、芳香族水素)、7.5(3H、芳香族水素)、8.2(2H、芳香族水素)
【0052】
▲3▼脱保護によるフッ素化アルキルアルコキシフェノール(A)の合成
攪拌装置、還流冷却器および温度計を付した20リットルの四ツ口フラスコに、▲2▼で得られたベンゾイックアシッド−4−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロ−デシロキシ)−フェニルエーテル(1−▲2▼)198.1g(0.3モル)、水酸化カリウム0.52g(0.009モル)、イオン交換水1500g、エタノール3000gを仕込み、窒素雰囲気下、還流するまで加温し、その温度で4時間攪拌した。反応終了後、反応液に37%塩酸水溶液5000gを加え、pHを2に調製した。反応液に、ジクロロメタン6000gを加えて抽出した後、有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を濃縮することにより4−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロ−デシロキシ)フェノール(1−▲3▼)142.6g(収率88%)を得た。生成物の同定はH−NMRにより、行った。
【0053】
H−NMR(CDCl溶液、単位ppm)
2.6(2H、CHCF),4.2(2H、CHOC)、4.6(1H、OH)、6.8(4H、芳香族水素)
【0054】
実施例2
▲2▼エーテル体の合成
実施例1−▲2▼において1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ヘプタデカフルオロ−10−ヨード−デカン344.4g(0.6モル)の代わりに、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロ−8−ヨード−オクタン284.4g(0.6モル)を用いる以外は実施例1と同様にして、ベンゾイックアシッド−4−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−オクタノキシ)−フェニルエーテル(2−▲2▼)285.8g(収率85%)を得た。生成物の同定は、実施例1と同様にして行った。
【0055】
▲3▼脱保護によるフッ素化アルキルアルコキシフェノール(A)の合成
実施例1−▲3▼において、ベンゾイックアシッド−4−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロ−デシロキシ)−フェニルエーテル(1−▲2▼)198.1g(0.3モル)の代わりに、▲2▼で得られたベンゾイックアシッド−4−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−オクタノキシ)−フェニルエーテル(2−▲2▼)168.1g(0.3モル)を用いた以外は実施例1と同様にして、4−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−オクタノキシ)フェノール(2−▲3▼)117.5g(収率89%)を得た。生成物の同定は実施例1と同様にして行った。
【0056】
実施例3
▲2▼エーテル体の合成
実施例1−▲2▼において、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ヘプタデカフルオロ−10−ヨード−デカン344.4g(0.6モル)の代わりに、1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロ−6−ヨード−ヘキサン224.4g(0.6モル)を用いる以外は実施例1と同様にして、ベンゾイックアシッド−4−(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−ヘキセノキシ)−フェニルエーテル(3−▲2▼)243.1g(収率88%)を得た。生成物の同定は、実施例1と同様にして行った。
【0057】
▲3▼脱保護によるフッ素化アルキルアルコキシフェノール(A)の合成
実施例1−▲3▼において、ベンゾイックアシッド−4−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロ−デシロキシ)−フェニルエーテル(1−▲2▼)198.1g(0.3モル)の代わりに、ベンゾイックアシッド−4−(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−ヘキセノキシ)−フェニルエーテル(3−▲2▼)138.1g(0.3モル)を用いる以外は実施例1と同様にして、4−(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−ヘキセノキシ)フェノール(3−▲3▼)85.7g(収率84%)を得た。生成物の同定は実施例1と同様にして行った。
【0058】
実施例4
▲1▼水酸基の保護
攪拌装置、還流冷却器および温度計を付した3リットルの四ツ口フラスコに、ハイドロキノン110.1g(1モル)、水酸化カリウム43.8g(0.78モル)、イオン交換水500g、エタノール1000gを仕込んだ。窒素雰囲気下、室温で激しく攪拌しながら、ベンジルブロマイド123.1g(0.72モル)を30分かけて滴下した。滴下終了後、70℃で更に4時間攪拌した。反応終了後、窒素雰囲気下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液2000gの中に、反応液を加え1時間攪拌した。沈殿物をろ過し、1000gのイオン交換水で洗浄した後、70%エタノール水溶液から再結晶することにより、4−ベンジルオキシフェノール(4−▲1▼)156.2g(78%)を得た。生成物の同定は、実施例1と同様にして行った。
【0059】
▲2▼エーテル体の合成
実施例1−▲1▼において、ベンゾイックアシッド−4−ヒドロキシフェニルエステル(1−▲1▼)107.1g、0.5モルの代わりに4−ベンジルオキシフェノール(4−▲1▼)100.1g(0.5モル)を用いる以外は実施例1と同様にして、4−(へプタデカフルオロキシ)フェニル−ベンジルエーテル(4−▲2▼)286.5g(収率86%)を得た。生成物の同定は、実施例1と同様にして行った。
【0060】
▲3▼脱保護によるフッ素化アルキルアルコキシフェノール(A)の合成
攪拌装置、還流冷却器および温度計を付した3リットルの四ツ口フラスコに、4−(へプタデカフルオロキシ)フェニル−ベンジルエーテル(4−▲2▼)199.9g(0.3モル)及び酢酸エチル1000gを仕込み、窒素雰囲気下、室温で10分間攪拌し溶解させた。その後、窒素雰囲気下で、10%Pd/Cを加えた。還流冷却器に水素ガスを満たしたバルーンを取り付け、室温で3時間激しく攪拌した。攪拌終了後、ろ過し、ろ液を濃縮することにより4−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロ−デシロキシ)フェノール(4−▲3▼)160.2g(収率93%)を得た。生成物の同定は実施例1と同様にして行った。
【0061】
実施例5
▲1▼ハイドロキノンの水酸基の保護
実施例1−▲1▼において、ハイドロキノン(1,4−ジヒドロキシベンゼン)110.1g(1モル)の代わりに、レゾルシン(1,3−ジヒドロキシベンゼン)110.1g(1モル)を用いる以外は実施例1と同様にして、ベンゾイックアシッド−3−ヒドロキシフェニルエステル(5−▲1▼)143.5g(収率67%)を得た。生成物の同定は、実施例1と同様にして行った。
【0062】
▲2▼エーテル体の合成
実施例1−▲2▼において、ベンゾイックアシッド−4−ヒドロキシフェニルエステル(1−▲1▼)107.1g(0.5モル)の代わりに、ベンゾイックアシッド−3−ヒドロキシフェニルエステル(5−▲1▼)107.1g(0.5モル)を用いる以外は実施例1と同様にしてベンゾイックアシッド3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロ−デシロキシ)−フェニルエーテル(5−▲2▼)(280.7g、85%)を得た。生成物の同定は実施例1と同様にして行った。
【0063】
▲3▼脱保護によるフッ素化アルキルアルコキシフェノール(A)の合成
実施例1−▲3▼において、ベンゾイックアシッド4−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロ−デシロキシ)−フェニルエーテル(1−▲2▼)198.1g(0.3モル)の代わりにベンゾイックアシッド3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロ−デシロキシ)−フェニルエーテル(5−▲2▼)を用いる以外は実施例1と同様にして、3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロ−デシロキシ)フェノール(5−▲3▼)142.6g(88%)を得た。生成物の同定は実施例1と同様にして行った。
【0064】
【発明の効果】
本発明のよれば、液晶材料としての可能性を有するフッ素化アルキルアルコキシフェノールの工業的に実施可能な製造方法を提供することができる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)
    F(CF(CHI (1)
    (式中、mは1〜18の整数であり、nは0〜12の整数である。)
    で表されるフッ素化アルキル基含有アルキルアイオダイドと下記一般式(2)
    HO−C−OR (2)
    (Rは水酸基の保護基である。)
    で表されるジヒドロキシベンゼン誘導体を反応させて、下記一般式(3)
    F(CF(CHO−C−OR (3)
    (式中、m、n、Rは前記と同じである。)
    で表されるエーテル体とした後、保護した水酸基の脱保護を行うことを特徴とするフッ素化アルキルアルコキシフェノールの製造方法。
  2. 前記一般式(2)中のRがアシル基である請求項1記載のフッ素化アルキルアルコキシフェノールの製造方法。
  3. 前記一般式(2)及び(3)で表される化合物が、パラ体である請求項1または2記載のフッ素化アルキルアルコキシフェノールの製造方法。
  4. フッ素化アルキルアルコキシフェノールがパラ体である請求項3記載のフッ素化アルキルアルコキシフェノールの製造方法。
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JP2010502798A (ja) * 2006-09-07 2010-01-28 チバ ホールディング インコーポレーテッド 表面変性剤としてのペルフルオロアルキル基で置換されたフェノール誘導体

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