JP2008105955A - (メタ)アクリル酸エステルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関するもので、特に塗料用途に有用であるシクロヘキサン環がアルキル基を介して(メタ)アクリル酸に結合した(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関するものである。
本発明の新規な(メタ)アクリル酸エステルはシクロヘキサン環がアルキル基を介して(メタ)アクリル酸に結合している単量体であり、塗料用材料としてユニークな物性が期待できる。特に、耐水性や樹脂の柔軟性などが挙げられる。しかし、シクロヘキサン環が3級アルキルエステル基を介して結合する形の単量体は、立体障害が高いことから反応性が低く、また酸性物質に対して分解性を有するために、容易に製造する事は困難であり、現在まで本発明の(メタ)アクリル酸エステルの合成方法に関して提案はなされていない。
塗料向けの(メタ)アクリル酸エステルとしてやはり高機能な樹脂原料であるものは提案(特許文献1)されているが、特に(メタ)アクリル酸エステルの製法を説明するものではない。
特開平06−145105号公報
本発明(メタ)アクリル酸エステルであるシクロヘキサン環がアルキル基を介して(メタ)アクリル酸に結合した単量体を効果的に合成する製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、(メタ)アクリル酸クロライドによる(メタ)アクリル化反応において極性溶媒を使用することで高収率でシクロヘキサン環がアルキル基を介して(メタ)アクリル酸に結合した単量体が得られることを発見することにより本発明を完成した。
すなわち本発明は、下記式(1)
また本発明は、前記反応を極性溶媒を使用して反応させることを特徴とする前記記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法を提供する。
更に本発明は、前記反応において脱塩酸剤として有機塩基を使用することを特徴とする前記記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法を提供する。
本発明によれば、シクロヘキサン環がアルキル基を介して(メタ)アクリル酸に結合した(メタ)アクリル酸エステルが高収率で得られる。
本明細書においてアクリル基であるアクリルとメタクリル基であるメタクリルを総称して(メタ)アクリルとして記載する。
本発明の(メタ)アクリル酸エステルであるシクロヘキサン環がアルキル基を介して(メタ)アクリル酸に結合した単量体、特に(メタ)アクリル酸との結合部位が3級アルキル基である単量体はその機能は期待されるものの、立体障害が高いことから反応性が低く、また酸性物質に対して不安定であり、製造条件はかなり限定されたものとなる。エステル化方法としては通常、アルコール原料と(メタ)アクリル酸とを酸触媒の存在下、脱水縮合反応によって合成されるが、本単量体はアルコールの反応性が低いため、そのような方法では分解が激しいことに由来すると思われるが、ほとんど目的とするエステルが得られない。また、(メタ)アクリル酸無水物を(メタ)アクリル化剤とする方法もあるが、(メタ)アクリル酸無水物の合成が容易ではなく工業的な方法とは言えない。本発明による(メタ)アクリル酸クロライドを使用することで、高収率で目的物が得られた。
(メタ)アクリル酸クロライドの品質は特に限定されるものではないが、(メタ)アクリル酸クロライドは2量化反応や重合反応等の品質低下が比較的速く進行するので、使用前の純度を検証することが好ましい。(メタ)アクリル酸クロライドは通常合成した後に、蒸留精製されるが、精製後できるだけ早い時期に反応に使用することが好ましい。また、比較的長い保存が必要な時は冷蔵保存が好ましい。また、使用前に再蒸留して純度を上げることも可能である。
使用される(メタ)アクリル酸クロライドの純度は通常90重量%以上であり、好ましくは93重量%以上、特に95重量%以上、更に97重量%以上のものを使用することが特に好ましいものと言える。(メタ)アクリル酸クロライドの純度が90重量%未満のものを使用すると、不純物に由来する副生成物の生成が多くなり、合成された(メタ)アクリル酸エステルの精製が煩雑になる。本発明の(メタ)アクリル酸エステルは酸性物質に対して不安定であり、精製方法は出来る限り穏和な方法であることが好ましい。
また、本発明の(メタ)アクリル酸エステルの原料アルコール(本明細書中、略号としてCHAと証することもある)は、例えば2−(4−メチルシクロヘキシル)プロパン−2−オールであれば下記式(3)によって示される反応によって合成される。
原料アルコールは蒸留精製したものを使用することが好ましい。原料アルコールの純度が悪いと(メタ)アクリル化した後に、そのエステルの精製が煩雑となり、酸性物質に不安定である(メタ)アクリル酸エステルの純度を上げる事が困難になる。精製方法によっては分解による副生物の発生で逆に純度低下、また、それらの原因から収率低下をきたす。
使用される原料アルコール(CHA)と(メタ)アクリル酸クロライド(MCL)とのモル比は特に限定されるものではないが、通常はCHA/MCL=0.4〜2.2である。好ましくは、0.6〜1.4であり、特に好ましくは、0.7〜1.3程度である。0.4より小さいとMCLが大過剰となり、残存MCLの処理も必要になるし、経済的ではない。また、2.2より大きいと、CHAが過剰となり後処理でCHAの分離が難しくなる。
本反応では(メタ)アクリル酸クロライドから塩素が塩化水素の形で発生するために脱塩酸剤(塩化水素補足剤とも記載することがある)が必要である。脱塩酸剤としては塩基性物質であれば使用できる。無機塩基性物質としては、アルカリ金属の炭酸塩や炭酸水素塩などが使用できる。有機塩基性物質としては3級アミン類が使用できる。3級アミン類としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチル−ジエチルアミン、N−エチル−ジメチルアミン、N−エチル−ジアミルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチル−シクロヘキシルアミン、N,N−ジエチル−シクロヘキシルアミン等の脂肪族アミン;N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン等の芳香族アミン;ピリジン、ピコリン、N,N−ジメチルアミノピリジン等の複素環アミン; 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0] ノン−5−エン等の脂環式アミン等が挙げられる。
脱塩酸剤の使用量としては、通常は使用されるMCLのモル数に対して、0.8〜10倍モルであり、好ましくは0.9〜8倍モル、特に好ましくは、1.0〜7倍モル程度である。脱塩酸剤がMCLのモル数に対して0.8倍未満では発生する塩化水素を捕捉しきれず本単量体の分解等による純度低下を起こす恐れがあり、10倍モルを超えると脱塩酸剤の除去が煩雑となるだけでなく経済的ではない。
(メタ)アクリル化の反応において、使用される溶媒は使用される原料等を均一に混合できる溶媒であれば良いが、反応速度や収率の面から極性のある溶媒であることが好ましい。極性を有する溶媒を本明細書では極性溶媒と呼ぶ。有機溶媒で極性溶媒とは、極性基を有する溶媒である。ここで言う極性基とは、シアノ基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アミド基等が挙げられる。シアノ基を有する極性溶媒としてはアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどが挙げられ、エーテル基を有する極性溶媒としてはジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等の鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテルが挙げられる。エステル基を有する極性溶媒としては酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸ブチル等である。カルボニル基を有する極性溶媒としてはアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどであり、またアミド基を有する極性溶媒としてはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。中でも、シアノ基及びエーテル基を有する極性溶媒が好ましい。また、溶媒は単独で用いてもよく、他の極性溶媒及び/または非極性溶媒と混合して用いてもよい。
(メタ)アクリル酸クロライドによる(メタ)アクリル化は原料アルコールとの反応が激しく起こるために、一気に混合するよりは、原料アルコールと極性溶媒の混合物中に(メタ)アクリル酸クロライドを逐次的に添加することが好ましい。この方法により反応温度を制御しやすくなり、更には高収率をも実現できる。脱塩酸剤は初めから原料アルコール溶液と混合していてもよく、また反応系に逐次的に添加することも可能である。原料アルコール及び脱塩酸剤は初めから溶媒と混合しておくことが、操作性が良いことから好ましい方法と言える。
使用する極性溶媒は原料アルコールに対して、通常0.5〜100重量倍であり、好ましくは1〜50重量倍、特に好ましくは2〜10重量倍である。極性溶媒量が0.5重量倍未満では反応する材料の濃度が高くなり、温度制御や攪拌効果などに問題を起こす可能性もあり、100重量倍を超えると濃度が薄くなり、一定量の目的物を得るには大きな反応器などが必要となり経済的ではない。
(メタ)アクリル化の反応は比較的低温度で実施される。通常は−50〜100℃、好ましくは−30〜80℃、特に好ましくは−15〜60℃である。反応温度が100℃を超えると副反応が起こり、目的物の収率低下につながる。また、−50℃未満では反応速度が遅くなり所要時間がかかりすぎて経済的でない。
(メタ)アクリル酸クロライドと原料アルコールとの(メタ)アクリル化反応後は発生した塩酸及び/又は塩酸塩を除去するために水による洗浄や塩基性物質の水溶液によって洗浄することが好ましい。塩基性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属の炭酸水素塩;炭酸水素カルシウム、炭酸水素マグネシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩等が挙げられる。また、これらの塩基性物質を2種類以上組み合わせて使用することも可能である。更に、異なる塩基性物質の水溶液により複数回の洗浄を試みることもできる。塩基性物質で洗浄後は、有機層に残存する塩基性物質を除くために水による洗浄を試みることも好ましい。更に、微量の金属の残存を好まない用途に使用するときは、洗浄する水は、蒸留水やイオン交換樹脂等で脱イオンされた純水を使用することも好ましい。
また、脱塩酸剤として使用した塩基性物質は過剰に添加されることが多く、特に有機塩基性物質であれば、生成した(メタ)アクリル酸エステルと一緒に有機溶媒中に残存し、着色・分解等の好ましくない現象を引き起こしやすいので、反応後の洗浄作業で除去しておくことが好ましい。有機塩基性物質を洗浄除去するためには酸性物質の水溶液で洗浄することが好ましい。使用する酸性物質としては、特に限定されるものではないが、無機系酸性物質としては例えば塩酸、硫酸、硝酸などがあり、有機系酸性物質としては、例えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などのカルボン酸;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのスルホン酸などがあり、酸性度の低い有機性酸性物質がより好ましい。
生成した(メタ)アクリル酸エステルは、有機溶媒に溶解した状態で水洗された後、有機溶媒は蒸留にて除かれる。有機溶媒を蒸留にて除いた後、濃縮された状態でモノマーとして重合に使用することも出来る。また、高純度のモノマーが要求されるときは濃縮液を更に蒸留することで精製された(メタ)アクリル酸エステルが得られる。蒸留は(メタ)アクリル酸エステルの重合を防止するために低温で実施することが好ましい。従って、減圧蒸留を採用することが好ましい。減圧蒸留の減圧度は通常100torr以下であり、好ましくは50torr以下、特に好ましくは30torr以下である。蒸留は回分式蒸留や連続式蒸留が使用される。蒸留塔は充填塔や棚段塔を使用する精留でも良いし、単蒸留でも良く、また薄膜蒸留装置等の熱履歴が小さい方式であれば蒸留中の重合を抑制できさらに好ましい。
蒸留時には重合を防止するために重合禁止剤を添加することが好ましい。重合禁止剤としては特に限定されるものではないが、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)等が挙げられる。
本発明の前記式(2)で示される(メタ)アクリル酸エステルの名称を以下に列記した。
R1、R2がそれぞれメチル基又はどちらかがエチル基であり、R3がメチル基である化合物。
1−メチル−1−(4−メチルシクロヘキシル)エチル=(メタ)アクリラート
1−メチル−1−(4−メチルシクロヘキシル)プロピル=(メタ)アクリラート
R1、R2がそれぞれメチル基又はどちらかがエチル基であり、R3が水素原子である化合物。
1−メチル−1−シクロヘキシルエチル=(メタ)アクリラート
1−メチル−1−シクロヘキシルプロピル=(メタ)アクリラート
R1、R2がそれぞれメチル基又はどちらかがエチル基であり、R3がメチル基である化合物。
1−メチル−1−(4−メチルシクロヘキシル)エチル=(メタ)アクリラート
1−メチル−1−(4−メチルシクロヘキシル)プロピル=(メタ)アクリラート
R1、R2がそれぞれメチル基又はどちらかがエチル基であり、R3が水素原子である化合物。
1−メチル−1−シクロヘキシルエチル=(メタ)アクリラート
1−メチル−1−シクロヘキシルプロピル=(メタ)アクリラート
以下に実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。原料としては下記のものを使用した。
2−(4−メチルシクロヘキシル)プロパン−2−オール;α−ターピネオールから、J.Org.Chem.,51(14),2655-2661(1986)に記載の方法に準じて、Pd/Cを用いた水添反応により合成し、蒸留精製したものを用いた。得られた化合物は2種の立体異性体(シス、トランス)の混合物であった。
2−シクロヘキシルプロパン−2−オール;シクロヘキサンカルボン酸メチルから、J.Org. Chem.,27, 2332-2338(1962)に準じた方法でメチルマグネシウムヨージドと反応させて合成し、蒸留精製したものを用いた。
メタクリル酸クロライド;東京化成工業(株)から購入した試薬を減圧蒸留精製によりメタクリル酸クロライドの2量体が0.5重量%以下のものを使用した。使用したものはガスクロマトグラフィーによる純度99.5重量%であった。
2−(4−メチルシクロヘキシル)プロパン−2−オール;α−ターピネオールから、J.Org.Chem.,51(14),2655-2661(1986)に記載の方法に準じて、Pd/Cを用いた水添反応により合成し、蒸留精製したものを用いた。得られた化合物は2種の立体異性体(シス、トランス)の混合物であった。
2−シクロヘキシルプロパン−2−オール;シクロヘキサンカルボン酸メチルから、J.Org. Chem.,27, 2332-2338(1962)に準じた方法でメチルマグネシウムヨージドと反応させて合成し、蒸留精製したものを用いた。
メタクリル酸クロライド;東京化成工業(株)から購入した試薬を減圧蒸留精製によりメタクリル酸クロライドの2量体が0.5重量%以下のものを使用した。使用したものはガスクロマトグラフィーによる純度99.5重量%であった。
実施例1
攪拌機、冷却器、温度計及び滴下ロートを備えたガラス製反応容器を窒素置換し、2−(4−メチルシクロヘキシル)プロパン−2−オール71.4g(0.457モル)、アセトニトリル233g、トリエチルアミン69.4g(0.685モル)を入れた。攪拌しつつ氷浴で冷却し、2℃まで冷却し、さらにメタクリル酸クロライド66.9g(0.640モル)を30分かけて滴下ロートより滴下した。滴下終了後、液温を5℃に保ちつつ4時間攪拌した。反応液を氷冷し液温を15℃以下に保ちつつ、トルエン233gを加え、ついで水233gを30分かけて加えた。有機層を分離し、5%酢酸水溶液233gで1回、5%水酸化ナトリウム水溶液233gで1回、ついで水233gで1回洗浄した。有機層にフェノチアジン0.5gを添加した後、減圧濃縮し、さらに減圧蒸留することにより、1−メチル−1−(4−メチルシクロヘキシル)エチル=メタクリラートが66.6g(収率65.0%)得られた。得られた液のNMRデータは以下に示す。
[1−メチル−1−(4−メチルシクロヘキシル)エチル=メタクリラートのスペクトルデータ]
1H-NMR(CDCl3)δ:0.86-0.98(m,4H),1.06-1.16(m,1H),1.24-1.58(m,10H), 1.71-1.97(m,7H), 5.46(s,1H), 6.00(s,1H)
比較例1
10段の棚段を有するガラスのバッチ蒸留塔で塔頂にデカンターを有して生成した水を蒸留系外にトルエンは蒸留塔に戻せるように設置して、蒸留塔の缶に2−(4−メチルシクロヘキシル)プロパン−2−オール71.4g(0.457モル)、メタクリル酸34.4g(0.40モル)、p−トルエンスルホン酸2g及び溶媒としてトルエン500mlを仕込み常圧にて蒸留を5時間実施した。生成した水を系外に排出したが、缶の中には目的とする1−メチル−1−(4−メチルシクロヘキシル)エチル=メタクリラートは殆ど検出できなかった。
攪拌機、冷却器、温度計及び滴下ロートを備えたガラス製反応容器を窒素置換し、2−(4−メチルシクロヘキシル)プロパン−2−オール71.4g(0.457モル)、アセトニトリル233g、トリエチルアミン69.4g(0.685モル)を入れた。攪拌しつつ氷浴で冷却し、2℃まで冷却し、さらにメタクリル酸クロライド66.9g(0.640モル)を30分かけて滴下ロートより滴下した。滴下終了後、液温を5℃に保ちつつ4時間攪拌した。反応液を氷冷し液温を15℃以下に保ちつつ、トルエン233gを加え、ついで水233gを30分かけて加えた。有機層を分離し、5%酢酸水溶液233gで1回、5%水酸化ナトリウム水溶液233gで1回、ついで水233gで1回洗浄した。有機層にフェノチアジン0.5gを添加した後、減圧濃縮し、さらに減圧蒸留することにより、1−メチル−1−(4−メチルシクロヘキシル)エチル=メタクリラートが66.6g(収率65.0%)得られた。得られた液のNMRデータは以下に示す。
[1−メチル−1−(4−メチルシクロヘキシル)エチル=メタクリラートのスペクトルデータ]
1H-NMR(CDCl3)δ:0.86-0.98(m,4H),1.06-1.16(m,1H),1.24-1.58(m,10H), 1.71-1.97(m,7H), 5.46(s,1H), 6.00(s,1H)
比較例1
10段の棚段を有するガラスのバッチ蒸留塔で塔頂にデカンターを有して生成した水を蒸留系外にトルエンは蒸留塔に戻せるように設置して、蒸留塔の缶に2−(4−メチルシクロヘキシル)プロパン−2−オール71.4g(0.457モル)、メタクリル酸34.4g(0.40モル)、p−トルエンスルホン酸2g及び溶媒としてトルエン500mlを仕込み常圧にて蒸留を5時間実施した。生成した水を系外に排出したが、缶の中には目的とする1−メチル−1−(4−メチルシクロヘキシル)エチル=メタクリラートは殆ど検出できなかった。
実施例2
反応溶媒としてアセトニトリルに代えて、ジオキサンを使用した以外は実施例1と同様な操作を実施した。減圧蒸留により得られた1−メチル−1−(4−メチルシクロヘキシル)エチル=メタクリラートは64.8g(収率63.2%)であった。
反応溶媒としてアセトニトリルに代えて、ジオキサンを使用した以外は実施例1と同様な操作を実施した。減圧蒸留により得られた1−メチル−1−(4−メチルシクロヘキシル)エチル=メタクリラートは64.8g(収率63.2%)であった。
実施例3
反応溶媒としてアセトニトリルに代えて、メチルエチルケトンを使用した以外は実施例1と同様な操作を実施した。減圧蒸留により得られた1−メチル−1−(4−メチルシクロヘキシル)エチル=メタクリラートは64.0g(収率62.4%)であった。
反応溶媒としてアセトニトリルに代えて、メチルエチルケトンを使用した以外は実施例1と同様な操作を実施した。減圧蒸留により得られた1−メチル−1−(4−メチルシクロヘキシル)エチル=メタクリラートは64.0g(収率62.4%)であった。
実施例4
反応に使用する原料を2−(4−メチルシクロヘキシル)プロパン−2−オールに代えて2−シクロヘキシルプロパン−2−オール65.0g(0.457モル)を使用した以外は実施例1と同様な操作を実施して、1−メチル−1−シクロヘキシルエチル=メタクリラート66.3g(収率69.0%)が得られた。得られた液のNMRデータは以下に示す。
[1−メチル−1−シクロヘキシル−エチル=メタクリラートのスペクトルデータ]
1H-NMR(CDCl3)δ:1.01-1.16(m,3H), 1.20-1.29(m,2H), 1.45(s,6H), 1.65-1.71(m,1H), 1.73-1.80(m,4H), 1.86-1.92(m,4H), 5.46(s,1H), 6.00(s,1H)
比較例2
使用するアルコール原料を2−(4−メチルシクロヘキシル)プロパン−2−オールに代えて2−シクロヘキシルプロパン−2−オール65.0g(0.457モル)にした以外は比較例1と同様な操作を実施した。比較例1と同様に目的とする1−メチル−1−シクロヘキシルエチル=メタクリラートは殆ど得られなかった。
反応に使用する原料を2−(4−メチルシクロヘキシル)プロパン−2−オールに代えて2−シクロヘキシルプロパン−2−オール65.0g(0.457モル)を使用した以外は実施例1と同様な操作を実施して、1−メチル−1−シクロヘキシルエチル=メタクリラート66.3g(収率69.0%)が得られた。得られた液のNMRデータは以下に示す。
[1−メチル−1−シクロヘキシル−エチル=メタクリラートのスペクトルデータ]
1H-NMR(CDCl3)δ:1.01-1.16(m,3H), 1.20-1.29(m,2H), 1.45(s,6H), 1.65-1.71(m,1H), 1.73-1.80(m,4H), 1.86-1.92(m,4H), 5.46(s,1H), 6.00(s,1H)
比較例2
使用するアルコール原料を2−(4−メチルシクロヘキシル)プロパン−2−オールに代えて2−シクロヘキシルプロパン−2−オール65.0g(0.457モル)にした以外は比較例1と同様な操作を実施した。比較例1と同様に目的とする1−メチル−1−シクロヘキシルエチル=メタクリラートは殆ど得られなかった。
参考例1
反応溶媒としてアセトニトリルに代えて、トルエンを233g使用した以外は実施例1と同じ反応操作を実施した。減圧蒸留により得られた1−メチル−1−(4−メチルシクロヘキシル)エチル=メタクリラートは44.6g(収率43.5%)であった。
反応溶媒としてアセトニトリルに代えて、トルエンを233g使用した以外は実施例1と同じ反応操作を実施した。減圧蒸留により得られた1−メチル−1−(4−メチルシクロヘキシル)エチル=メタクリラートは44.6g(収率43.5%)であった。
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