JP4835662B2 - 窒化物系半導体発光素子を作製する方法、及びエピタキシャルウエハを作製する方法 - Google Patents

窒化物系半導体発光素子を作製する方法、及びエピタキシャルウエハを作製する方法 Download PDF

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Description

本発明は、窒化物系半導体発光素子を作製する方法、及びエピタキシャルウエハを作製する方法に関する。
特許文献1には、InGaNの成長について説明されている。サファイア基板上にバッファ層を成長した後に、該バッファ層上にバッファ層の成長温度よりも高い温度で、GaNまたはAlGaNからなる半導体層を成長する。この半導体上に、特許文献1に記載された特定の条件でInGaN層を成長する。成長速度の最大は、摂氏900度の温度で6nm/分である。フォトルミネッセンススペクトルにおけるピーク波長は406nmである。
特許文献2には、InGaNからなる活性層を有した素子を製造する方法が記載されている。この方法では、InGaNの成長における原料ガスのモル比TMI/(TMG+TMI)と結晶成長温度と波長とに関する特性図に基づいて、成長条件が決定される。サファイア基板のa面上にバッファ層を成長した後に、該バッファ層上にn型GaN層を摂氏1150度の成長温度で成長する。このGaN層上にバリア層を成長した後に、摂氏700度の成長温度で、特許文献2に記載された所定の原料モル比で、InGaN井戸層を成長する。0.79の原料ガスのモル比を用いて、ピーク波長は470nmである。
特開平06−209122号公報 特開平11−8407号公報
c面主面を有する基板を用いて量子井戸構造を作製するとき、c面の極性に起因するピエゾ電界により、井戸層内において電子と正孔とが空間的に分離される。これ故に、電子の波動関数と正孔の波動関数との重なりが大きくならず、発光素子の内部量子効率が小さくなる。したがって、特許文献1及び2におけるInGaN層を用いて発光素子を作製するとき、内部量子効率の低下が避けられない。
発明者らの知見によれば、c面から傾斜した主面を有するGaN基板上に作製された発光素子では、ピエゾ電界の影響が弱められる。ウエハ主面がc面から小さいオフ角で傾斜しているとき、比較的大きな径のウエハを作製することが容易であると考えられる。
ところが、発明者らの実験によれば、オフ角付きGaNウエハ上への結晶成長は、c面GaNウエハ上への結晶成長と異なっていた。c面GaNウエハにおいて波長480nmの光を生成する活性層の成膜条件では、オフ角GaNウエハ上に形成される活性層は、波長480nmよりも短波長の光を生成した。故に、この波長のシフトを補償する成膜条件の検討が必要である。しかしながら、上記の実験から理解されるように、オフ角付きGaNウエハ上に形成される活性層の発光波長と成膜条件との関係は未知のものである。
本発明は、窒化物系半導体発光素子を作製する方法を提供することを目的とし、この方法によれば、比較的小さいオフ角の窒化ガリウム系半導体主面へ、良好な結晶品質のInGaN井戸層を成長可能である。また、本発明は、窒化物系半導体発光素子のためのエピタキシャルウエハを作製する方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る発明は、量子井戸構造の活性層を有する窒化物系半導体発光素子を作製する方法である。この方法は、(a)窒化ガリウム系半導体からなるエピタキシャル半導体領域を形成する工程と、(b)前記エピタキシャル半導体領域上に、摂氏640度以上摂氏750度以下の温度範囲内の成長温度T及び成長速度V(nm/分)で、前記量子井戸構造の井戸層を成長する工程とを備える。前記エピタキシャル半導体領域は、前記窒化ガリウム系半導体のc面から10度以上45度以下の範囲の角度で傾斜した主面を有している。前記活性層は、480nm以上550nm以下の波長領域にピーク波長を有する発光スペクトルを生成するように設けられており、前記井戸層はInGa1−XN(インジウム組成X:0<X<1、Xは歪み組成)からなる。
前記成長温度Tが摂氏640度以上710度未満の温度であるとき、前記成長速度Vの上限は、以下の式(1)
=α1×T+β1 (1)
で与えられる値であり、式(1)は(成長温度T、成長速度V)=(摂氏710度、13.9nm/分)、(摂氏640度、5.5nm/分)を満たす。
前記成長温度Tが摂氏710度以上750度以下の温度であるとき、前記成長速度Vの上限は、13.9nm/分である。前記成長温度Tが摂氏640度以上690度未満の温度であるとき、前記成長速度Vの下限は、5.5nm/分である。前記成長温度Tが摂氏690度以上750度以下の温度であるとき、前記成長速度Vの下限は、以下の式(2)
=α2×T+β2 (2)
で与えられる値であり、式(2)は(成長温度T、成長速度V)=(摂氏750度、13.9nm/分)、(摂氏690度、5.5nm/分)を満たす。
この方法によれば、窒化ガリウム系半導体のc面から10度〜45度の範囲の角度で傾斜したエピタキシャル半導体主面上に、上記の範囲の条件における成長速度V及び成長温度Tを用いてInGaN井戸層を成長するとき、比較的小さいオフ角の窒化ガリウム系半導体主面へ、良好な結晶品質のInGaN井戸層を成長可能である。
比較的高い成長温度の領域、つまり成長温度Tが摂氏690度以上750度以下の温度であるとき、井戸層の成長には、式(2)によって規定される成長速度の下限がある。成長温度が高くなるにつれて、成長速度の下限が大きくなる。なぜなら比較的高い成長温度の領域では、Inの取り込み効率が低いため、成長速度が低いと所望の波長が得られないからである。また、成長温度Tが摂氏640度以上690度以下の温度であるときにも、成長速度には5.5nm/分の下限がある。なぜなら比較的低い成長温度の領域でも、成長速度が低すぎるとInの取り込み効率が低くなり、所望の波長が得られないからである。
成長温度Tが摂氏700度以上750度以下の温度であるとき、成長速度Vには13.9nm/分の上限がある。なぜなら成長速度が速すぎると、InGaNの結晶品質が悪化して発光特性が悪化するからである。また、比較的低い成長温度の領域、つまり成長温度Tが摂氏640度以上710度未満の温度であるとき、井戸層の成長には、式(1)によって規定される成長速度の上限がある。成長温度が低くなるにつれて、成長速度の上限は小さくなる。なぜなら成長温度が低くなるにつれて成長速度を低くしないと、InGaNの結晶品質が悪化して発光特性が悪化するからである。
本発明に係る方法は、前記エピタキシャル半導体領域上に、前記井戸層の前記成長温度Tより高い成長温度Tで、前記量子井戸構造の障壁層を成長する工程を更に備えることができる。前記障壁層はInGa1−YN(インジウム組成Y:0≦Y≦0.05、Yは歪み組成)からなり、前記井戸層の前記成長温度Tと前記障壁層の前記成長温度Tとの差は60度以上230度以下である。
この方法によれば、井戸層のインジウム組成Xが障壁層のインジウム組成Y(0≦Y≦0.05)よりも大きいので、井戸層の成長には所望のインジウム組成のInGaNを成長できる成膜温度が必要である一方で、良好な結晶品質の障壁層を形成するために、成長温度Tは、井戸層の成長温度Tより高いことが必要である。成長温度Tと成長温度Tとの差は60度未満であるとき、所望の品質の障壁層が得られない。また、活性層の成長に引き続く成長において、井戸層の結晶品質が低下する。成長温度Tと成長温度Tとの差は230度を超えるとき、障壁層の成長中に井戸層の結晶品質が低下する。
本発明に係る方法は、前記活性層上に、第2導電型窒化ガリウム系半導体層を成長する工程を更に備えることができる。前記井戸層の前記成長温度Tは、前記第2導電型窒化ガリウム系半導体層の成長温度T2よりも低く、前記井戸層の前記成長温度Tと前記第2導電型窒化ガリウム系半導体層の前記成長温度T2との差は、140度以上510度以下である。
この方法によれば、成長温度Tと成長温度T2との差は140度未満となるように成長温度T2が設定されるとき、良好な導電性を有する第2導電型窒化ガリウム系半導体層が得られない。成長温度Tと成長温度Tとの差は510度を超えるように成長温度T2が設定されるとき、第2導電型窒化ガリウム系半導体層の成長中に井戸層の結晶品質が低下する。
本発明に係る方法は、前記第2導電型窒化ガリウム系半導体層上に、別の第2導電型窒化ガリウム系半導体層を成長する工程を更に備えることができる。前記第2導電型窒化ガリウム系半導体層は電子ブロック層を含み、前記別の第2導電型窒化ガリウム系半導体層の成長速度は、前記井戸層及び前記障壁層の成長速度よりも大きい。
この方法によれば、活性層を形成した後に井戸層の成長温度よりも高温で行われる別の第2導電型窒化ガリウム系半導体層の成長時間を短くできる。
本発明に係る方法では、前記井戸層の前記InGa1−XNにインジウム組成Xは0.15より大きいことができる。前記井戸層の前記InGa1−XNは0.4より小さいことができる。この範囲のインジウム組成のInGaNの成長が可能となり、波長480nm以上550nm以下の発光素子を得ることができる。
本発明に係る方法では、前記半導体領域の前記主面の傾斜の方向は、前記窒化ガリウム系半導体のa軸の方向であることができる。この方法によれば、m面を劈開面として使用できる。
本発明に係る方法は、六方晶系半導体InAlGa1−S−TN(0≦S≦1、0≦T≦1、0≦S+T≦1)からなる基板を準備する工程を更に備えることができる。前記基板の前記主面は、該六方晶系半導体のc軸に直交する平面から10度以上45度以下の範囲の角度で傾斜している。
エピタキシャル半導体領域の主面が窒化ガリウム系半導体のc面から10度以上45度以下の範囲の角度で傾斜するようにエピタキシャル半導体領域を形成するためには、上記の傾斜角の主面の基板を用いることができる。
本発明に係る方法は、前記成膜に先立って、前記基板の前記主面に熱処理を行って改質された主面を前記基板に形成する工程を更に備えることができる。前記熱処理は、アンモニア及び水素を含むガスの雰囲気中で行われる。この方法によれば、この熱処理により、基板の主面にマイクロステップが形成される。
本発明に係る方法は、前記熱処理の後に、第1導電型窒化ガリウム系半導体領域を前記基板上にエピタキシャルに成長する工程を更に備えることができる。前記第1導電型窒化ガリウム系半導体領域の主面は、前記窒化ガリウム系半導体のc面から10度より大きく45度以下の範囲の角度で傾斜している。
この方法によれば、エピタキシャル成長により、第1導電型窒化ガリウム系半導体領域の主面にも結晶面が引き継がれる。また、基板の主面のマイクロステップも、第1導電型窒化ガリウム系半導体領域の主面及びエピタキシャル半導体領域にも引き継がれる。
本発明に係る方法では、前記基板の前記主面の傾斜の方向は前記窒化ガリウム系半導体のa軸の方向であることができる。この方法によれば、基板の主面は{0001}面からa軸方向に傾いていることが、m軸方向への傾斜に比べて、InGaNへのInの取り込みが大きい。このため、より高い成長温度でのInGaN井戸層の成長が可能となり、発光特性が向上する。
本発明に係る方法は、m面劈開を行って共振器面として作製する工程を更に備えることができる。この方法によれば、劈開によって形成されたm面を共振器面とする半導体レーザの作製が可能となる。
本発明に係る方法では、前記傾斜の方向と前記窒化ガリウム系半導体のm軸の方向とは89度以上91度以下の範囲であることができる。傾斜の方向の角度ばらつきが−1度以上+1度以下の範囲を超えると、レーザとしての特性の低下が顕著になる。
本発明に係る方法では、前記基板は、c軸方向に伸びる貫通転位の密度が第1の貫通転位密度より大きい複数の第1の領域と、c軸方向に伸びる貫通転位の密度が第1の貫通転位密度より小さい複数の第2の領域とを含むことができる。前記第1および第2の領域は交互に配置されており、前記基板の前記主面には前記第1および第2の領域が現れている。
第1の領域は高転位の半導体領域であり、第2の領域は低転位の半導体領域である。基板の低転位の領域に窒化物系半導体発光素子を作製することによって、発光素子の発光効率、信頼性を向上させることができる。
本発明に係る方法では、前記第2の領域の前記貫通転位の密度は1×10cm−2未満であることができる。第2の領域の貫通転位の密度が1×10cm−2未満であると、実用に十分な信頼性をもつ半導体レーザが得られる。
本発明に係る方法は、前記井戸層を成長した後に、前記障壁層を成長する前に、前記成長温度Tから前記成長温度Tに温度を変更しながら、窒化ガリウム系半導体層を成長する工程を更に備えることができる。前記窒化ガリウム系半導体層の厚さは前記障壁層の厚さより薄い。この方法によれば、井戸層の成長に引き続いて、障壁層の成長温度へ成長炉の温度が変更される。この井戸層の成長後に窒化ガリウム系半導体層が井戸層上に成長されるので、この昇温中における井戸層の劣化を低減できる。
本発明に係る方法では、前記窒化ガリウム系半導体層の成長における成長速度は前記障壁層の成長における成長速度より小さくできる。この方法によれば、窒化ガリウム系半導体層の成長は、障壁層の成長温度よりも低い温度で行われる。これ故に、昇温が完了するまでの時間を十分に得るために、窒化ガリウム系半導体層の成長速度を上記のように調整することが良い。
本発明に係る方法では、前記窒化ガリウム系半導体層の厚さは前記障壁層の厚さより薄いことができる。この方法によれば、昇温中における形成される窒化ガリウム系半導体層の厚さを薄くでき、井戸層及び障壁層と異なる領域を薄くできる。この結果、障壁層の厚さを十分な値に形成できる。
本発明に係る方法では、前記第1導電型窒化ガリウム系半導体領域、前記活性層、及び前記第2導電型窒化ガリウム系半導体層は、前記基板の前記主面の法線の方向に配列されていることができる。該六方晶系半導体のc軸の方向は前記基板の前記主面の法線の方向と異なる。この方法によれば、結晶はc軸方向に成長される。成長方向は、半導体層の積層方向と異なる。
本発明の別の側面は、窒化物系半導体発光素子のためのエピタキシャルウエハを作製する方法である。この方法は、(a)第1導電型窒化ガリウム系半導体領域を基板上にエピタキシャルに成長する工程と、(b)前記第1導電型窒化ガリウム系半導体領域上に、窒化ガリウム系半導体からなるエピタキシャル半導体領域を形成する工程と、(c)前記エピタキシャル半導体領域上に、摂氏640度以上摂氏750度以下の温度範囲内の成長温度T及び成長速度V(nm/分)で、活性層のための井戸層を成長する工程と、(d)前記エピタキシャル半導体領域上に、前記井戸層の前記成長温度Tより高い成長温度Tで、前記活性層のための障壁層を成長する工程と、(e)前記活性層上に、第2導電型窒化ガリウム系半導体層を成長する工程とを備えることができる。前記エピタキシャル半導体領域は、前記窒化ガリウム系半導体のc面から10度以上45度以下の範囲の角度で傾斜した主面を有している。前記活性層は、480nm以上550nm以下の波長領域にピーク波長を有する発光スペクトルを生成するように設けられており、前記井戸層はInGa1−XN(インジウム組成X:0<X<1、Xは歪み組成)からなる。前記成長温度Tが摂氏640度以上710度未満の温度であるとき、前記成長速度Vの上限は、以下の式(1)
=α1×T+β1 (1)
で与えられる値であり、式(1)は(成長温度T、成長速度V)=(摂氏710度、13.9nm/分)、(摂氏640度、5.5nm/分)を満たし、前記成長温度Tが摂氏710度以上750度以下の温度であるとき、前記成長速度Vの上限は、13.9nm/分であり、前記成長温度Tが摂氏640度以上690度未満の温度であるとき、前記成長速度Vの下限は、5.5nm/分であり、前記成長温度Tが摂氏690度以上750度以下の温度であるとき、前記成長速度Vの下限は、以下の式(2)
=α2×T+β2 (2)
で与えられる値であり、式(2)は(成長温度T、成長速度V)=(摂氏750度、13.9nm/分)、(摂氏690度、5.5nm/分)を満たす。
この方法によれば、窒化ガリウム系半導体のc面から10度〜45度の範囲の角度で傾斜したエピタキシャル半導体主面上に、上記の範囲の条件における成長速度V及び成長温度Tを用いてInGaN井戸層を成長するとき、比較的小さいオフ角の窒化ガリウム系半導体主面へ、良好な結晶品質のInGaN井戸層を成長可能である。
比較的高い成長温度の領域、つまり成長温度Tが摂氏690度以上750度以下の温度であるとき、式(2)によって規定される成長速度の下限がある。成長温度が高くなるにつれて、井戸層の成長において大きな成長速度が必要とされる。なぜなら成長温度が高くなるにつれて、Inの取り込み効率が低くなるからである。また、成長温度Tが摂氏640度以上690度未満の温度であるとき、成長速度には下限があり、小さい過ぎる成長速度では所望の井戸層が得られない。なぜなら小さ過ぎる成長速度ではInの取り込み効率が低くなり、所望の波長が得られないからである。
成長温度Tが摂氏710度以上750度以下の温度であるとき、成長速度Vには上限があり、大きすぎる成長速度では、所望の井戸層が得られない。なぜならInGaNの結晶品質が悪化して発光特性が悪化するからである。また、比較的低い成長温度の領域、つまり成長温度Tが摂氏640度以上700度未満の温度であるとき、式(1)によって規定される成長速度の上限がある。成長温度が高くなるにつれて、成長速度の上限も大きくなる。なぜなら成長温度が高くなるにつれて、Inの取り込み効率が低くなり、成長速度が低いと所望の波長が得られないからである。
本発明に係る方法は、前記成膜に先立って、アンモニア及び水素を含むガスの雰囲気中で基板の主面に熱処理を行う工程を更に備えることができる。この方法によれば、この熱処理により、基板の主面にマイクロステップが形成される。
本発明に係る方法では、前記基板は、六方晶系半導体InAlGa1−S−TN(0≦S≦1、0≦T≦1、0≦S+T≦1)からなり、前記基板の前記主面は、該六方晶系半導体のc軸に直交する平面から10度以上45度以下の範囲の角度で傾斜している。
エピタキシャル半導体領域の主面が窒化ガリウム系半導体のc面から10度以上45度以下の範囲の角度で傾斜するようにエピタキシャル半導体領域を形成するためには、上記の傾斜角の主面の基板に用いることができる。
本発明の上記の目的および他の目的、特徴、並びに利点は、添付図面を参照して進められる本発明の好適な実施の形態の以下の詳細な記述から、より容易に明らかになる。
以上説明したように、本発明の一側面によれば、窒化物系半導体発光素子を作製する方法が提供される。また、本発明の別の側面によれば、窒化物系半導体発光素子のためのエピタキシャルウエハを作製する方法が提供される。これらの方法によれば、比較的小さいオフ角の窒化ガリウム系半導体主面へ、良好な結晶品質のInGaN井戸層を成長可能である。
本発明の知見は、例示として示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。引き続いて、添付図面を参照しながら、本発明の窒化物系半導体発光素子を作製する方法、及びエピタキシャルウエハを作製する方法に係る実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
図1は、本実施の形態に係る、窒化物系半導体発光素子を作製する方法、及びエピタキシャルウエハを作製する方法の主要な工程を示すフローチャートである。また、図2〜図4は、本実施の形態に係る、窒化物系半導体発光素子を作製する方法、及びエピタキシャルウエハを作製する方法の主要な工程における基板生産物を示す図面である。
工程S101では、基板11を準備する。基板11は、六方晶系半導体InAlGa1−S−TN(0≦S≦1、0≦T≦1、0≦S+T≦1)からなる。図2(a)を参照すると、基板11は、例えばGaN、InGaN、AlGaN、InAlGaN等からなることができる。基板11の主面11aは、該六方晶系半導体のc軸に直交する平面から10度以上の角度で傾斜している。傾斜角θが10度未満であると、十分なピエゾ電界低減効果が得られない。また、基板11の主面11aは、45度以下の範囲の角度で傾斜している。傾斜角θが45度を超えると、比較的大きな径のウエハを作製することが難しくなる。基板11の断面には、代表的なc面S、c軸ベクトルVC、及び法線ベクトルVNが示されている。傾斜角θは、c軸ベクトルVC及び法線ベクトルVNの成す角によって規定される。基板11のエッジ上の2点の距離の最大値は45mm以上であることができ、基板11の裏面11bは、基板11の主面11aと実質的に平行であることができる。このような基板11は「ウエハ」と呼ばれる。
引き続く工程では、この基板11の主面11a上に、半導体結晶がエピタキシャルに成長される。下地のエピタキシャル半導体領域上に活性層が成長され、この下地の主面が窒化ガリウム系半導体のc面から10度以上45度以下の範囲の角度で傾斜するように、エピタキシャル半導体領域を形成する。このために、上記の傾斜角の主面11aの基板11を用いることができる。
基板11の主面11aの傾斜の方向は、例えば基板11の窒化ガリウム系半導体のa軸の方向であることができる。基板11の主面11aが{0001}面からa軸方向に傾いていれば、m軸方向への傾斜に比べて、InGaNへのInの取り込みが大きい。これ故に、より高い成長温度でのInGaN井戸層の成長が可能となり、発光特性が向上する。
基板11は、成長炉10内に配置される。引き続く結晶成長では、有機金属気相成長法が用いられる。成膜に先立って、工程S101では、続いて、図2(b)に示されるように、基板11の主面11aに熱処理を行って、改質された主面11cを基板11に形成する。この熱処理は、アンモニア及び水素、或いは窒素を含むガスの雰囲気中で行われる。熱処理温度は、例えば摂氏800度以上1200度以下であることができる。熱処理時間は、例えば10分程度である。この方法によれば、この熱処理により、基板11の主面11cにマイクロステップが形成され、マイクロステップは、複数のテラスからなる。マイクロステップの密度は、例えば2.0×10cm−1以上3.3×10cm−1であることができる。マイクロステップの高さは、例えば0.3nm以上10nm以下であることができる。マイクロステップの長さは、例えば0.3nm以上500nm以下であることができる。
工程S102では、熱処理の後に、図2(c)に示されるように、第1導電型窒化ガリウム系半導体領域13を基板11の表面11c上にエピタキシャルに成長する。この成長は、成長炉10を用いて行われる。窒化ガリウム系半導体領域13の主面13aは、窒化ガリウム系半導体のc面から10度以上45度以下の範囲の角度で傾斜している。また、主面13aは、基板11の主面11cの構造を引き継いで、同様にマイクロステップが形成される。第1導電型窒化ガリウム系半導体領域13は、一又は複数の窒化ガリウム系半導体層(例えば、窒化ガリウム系半導体層15、17、19)を含むことができる。例えば、窒化ガリウム系半導体層15、17、19は、それぞれ、n型AlGaN層、n型GaN層およびn型InGaN層であることができる。窒化ガリウム系半導体層15、17、19は、基板11の主面11c上に順にエピタキシャルに成長される。n型AlGaN層は例えば基板11の全表面を覆う中間層であり、n型GaN層は例えばn型キャリアを供給するための層であり、n型InGaN層は例えば活性層のための緩衝層である。
工程S103では、図3(a)に示されるように、窒化物系半導体発光素子の活性層21を作製する。活性層21は、480nm以上550nm以下の波長領域にピーク波長を有する発光スペクトルを生成するように設けられる。以下、活性層21の量子井戸構造を作製する手順を、図5を参照しながら詳細に説明する。図5は、活性層の形成における原料ガス及び成長炉の温度の変化を表すタイムチャートである。原料ガスとしては、ガリウム源、インジウム源及び窒素源が使用される。ガリウム源、インジウム源及び窒素源は、それぞれ、例えばTMG、TMI、及びNHである。
工程S104では、図3(b)に示されるように、窒化ガリウム系半導体からなるエピタキシャル半導体領域23を形成する。エピタキシャル半導体領域23は窒化ガリウム系半導体層19(例えば、緩衝層)上に成長される。エピタキシャル半導体領域23は、例えば活性層21の量子井戸構造のための第1の障壁層である。この障壁層はInGa1−YN(インジウム組成Y:0≦Y≦0.05、Yは歪み組成)からなり、第1の障壁層はGaNまたはInGaNであることができる。本実施例では、ガリウム源及び窒素源を成長炉10に供給してGaNを成長する。この成長は、図5における時刻t0〜t1の間に成長温度Tで成長される。GaN障壁層の厚さDB1は例えば15nmである。
エピタキシャル半導体領域23は、主面21a上に成長されるので、窒化ガリウム系半導体のc面から10度以上45度以下の範囲の角度で傾斜した主面23aを有している。エピタキシャル半導体領域23の表面は、主面21aの表面構造を引き継いでいる。
時刻t1で、ガリウム原料の供給を停止する。第1の障壁層を成長した後に、工程S105では、図5に示されるように、井戸層を成長する前に成長温度Tから成長温度Tに成長炉の温度を変更する。温度の変更は、図5における時刻t1〜t3の期間に行われる。この変更期間中に、例えばアンモニアといった窒素源を成長炉10に供給すると共に、障壁層の成長における窒素源の供給量が、井戸層の成長における窒素源の供給量と異なるとき、窒素源の供給量を変更して井戸層の成長のための供給量に合わせる。この温度変更期間中の少なくとも一部分において、障壁層の成長における窒素原料の流量から井戸層の成長における窒素原料の流量に、窒素原料の流量が変更される。この変更は、図5における時刻t1〜t2の間に行われる。
時刻t3で、成長炉10の温度が井戸層の成長温度Tに到達する。工程S106では、図3(c)に示されるように、エピタキシャル半導体領域上23に、時刻t3〜t4の期間で量子井戸構造のための井戸層25aを成長する。井戸層25aはInGa1−XN(インジウム組成X:0<X<1、Xは歪み組成)からなる。図5に示されるように、井戸層25aの成長温度Tは成長温度Tより低い。井戸層25aの主面は、エピタキシャル半導体領域23の主面上にエピタキシャルに成長されるので、窒化ガリウム系半導体のc面から10度以上45度以下の範囲の角度で傾斜している。また、井戸層25aの表面は、エピタキシャル半導体領域23の表面構造を引き継いでいる。井戸層25aの成長は、例えば摂氏640度以上摂氏750度以下の温度範囲内の成長温度Tで行われる。InGaN井戸層の厚さDは例えば3nmである。
井戸層25aの成長では、成長温度Tだけでなく、成長速度V(nm/分)が所定の範囲内である条件を用いる。この条件について、以下のものである。
成長温度Tが摂氏640度以上710度未満の温度であるとき、成長速度Vの上限は、以下の式(1)
=α1×T+β1 (1)
で与えられる成長速度の値である。この式(1)のα1、β1は(成長温度T、成長速度V)=(摂氏710度、13.9nm/分)、(摂氏640度、5.5nm/分)を満たす。より具体的には、係数α1、β1を計算すると
α1=(13.9−5.5)/(710−640)=8.4/70=0.12
β1=(640×13.9−710×5.5)/(640−710)=−4991/70=−71.3
である。
成長温度Tが摂氏710度以上750度以下の温度であるとき、成長速度Vの上限は、13.9nm/分である。
成長温度Tが摂氏640度以上690度未満の温度であるとき、成長速度Vの下限は、5.5nm/分である。
成長温度Tが摂氏690度以上750度以下の温度であるとき、成長速度Vの下限は、以下の式(2)
=α2×T+β2 (2)
で与えられる成長速度の値である。この式(2)のα2、β2は(成長温度T、成長速度V)=(摂氏750度、13.9nm/分)、(摂氏690度、5.5nm/分)を満たす。より具体的には、係数α2β2を計算すると
α2=(13.9−5.5)/(750−690)=0.14
β2=(690×13.9−750×5.5)/(690−750)=−5466/60=−91.1
である。
この方法によれば、窒化ガリウム系半導体のc面から10度〜45度の範囲の角度で傾斜したエピタキシャル半導体主面上に、上記の範囲の条件における成長速度V及び成長温度Tを用いてInGaN井戸層25aを成長するとき、比較的小さいオフ角の窒化ガリウム系半導体主面へ、良好な結晶品質のInGaN井戸層25aを成長可能である。
比較的高い成長温度の領域、つまり成長温度Tが摂氏690度以上750度以下の温度であるとき、式(2)によって規定される成長速度の下限がある。成長温度が高くなるにつれて、大きな成長速度が必要とされる。なぜなら成長温度が高くなるにつれて、Inの取り込み効率が低くなるからである。また、成長温度Tが摂氏640度以上690度未満の温度であるとき、成長速度には下限がある。なぜなら小さ過ぎる成長速度ではInの取り込み効率が低くなり、所望の波長が得られないからである。
成長温度Tが摂氏710度以上750度以下の温度であるとき、成長速度Vには上限がある。なぜなら成長速度が速すぎると、InGaNの結晶品質が悪化して発光特性が悪化するからである。また、比較的低い成長温度の領域、つまり成長温度Tが摂氏640度以上710度未満の温度であるとき、式(1)によって規定される成長速度の上限がある。成長温度が高くなるにつれて、成長速度の上限が大きくなる。なぜなら成長温度が高くなるにつれて、Inの取り込み効率が低くなり、成長速度が低いと所望の波長が得られないからである。
図5に示されるように、時刻t4で井戸層25aの成長が終了する。工程S107では、第2の障壁層29aの成長温度Tへ温度Tから温度を変更する。この昇温は、例えば時刻t4〜時刻t6の期間に行われる。この昇温中に井戸層25aが劣化することを防ぐために、図4(a)に示されるように、井戸層25aの表面を覆うように保護層27aを成長することができる。保護層27aは、井戸層25aの材料よりも大きいバンドギャップを有する窒化ガリウム系半導体からなる。時刻t4で井戸層25aのInGaNの成長を停止するために、インジウム原料の供給を停止する。保護層27aの窒化ガリウム系半導体は、障壁層29aの成長速度よりも小さい成長速度で成長される。例えばガリウム原料の供給量を減少させて成長速度を調整すると共に、時刻t4〜t5の期間で窒素原料の供給量を減少させる。時刻t4〜t6の期間では、図4(a)に示されるように、上記の窒化ガリウム系半導体からなる保護層27aがエピタキシャルに成長される。保護層27aの表面は、井戸層25aの表面構造を引き継いでいる。保護層27aの厚さは障壁層29aの厚さよりも薄い。本実施例では、保護層27aは障壁層29aと同じ材料からなり、GaNである。GaN保護層の厚さDは例えば2.5nmである。保護層27aの主面は、井戸層25aの主面上に成長されるので、窒化ガリウム系半導体のc面から10度以上45度以下の範囲の角度で傾斜している。
時刻t6において、成長炉10の昇温が完了する。時刻t6〜t7で、図4(b)に示されるように、窒化ガリウム系半導体からなる障壁層29aを成長温度Tで成長する。障壁層29aの厚さDB2は保護層27aの厚さDよりも大きい。昇温中における形成される窒化ガリウム系半導体層の厚さを薄くして、これにより井戸層及び障壁層の厚みに対して保護層27aの厚みを薄くできる。故に、障壁層29aの厚さを十分な値に形成できる。窒化ガリウム系半導体層からなる保護層27aの成長は、障壁層29aの成長温度よりも低い温度で行われる。これ故に、昇温が完了するまでの時間を十分に得るために、保護層27aの成長速度を上記のように調整することが良い。
障壁層29aは例えばGaNからなり、障壁層29aの厚さDB2は例えば12.5nmである。障壁層29aの主面は、保護層27aの主面上にエピタキシャルに成長されるので、窒化ガリウム系半導体のc面から10度以上45度以下の範囲の角度で傾斜している。保護層27aの表面は、井戸層25aの表面構造を引き継いでいる。
同様にして活性層21の形成を続ける。工程S109で、温度Tから温度Tへの降温(期間t7〜t8〜t9、t13〜t14〜t15)、井戸層の成長(期間t9〜t10)、保護層の成長(期間t10〜t11)及び温度Tから温度Tへの昇温(期間t10〜t11〜t12)、及び障壁層の成長(期間t12〜t13)を繰り返して、量子井戸構造を完成させる。図5に示されるように、量子井戸構造は、障壁層23、29a、29b、29c、井戸層25a、25b、25c、保護層27a、27b、27cを含む。
井戸層25a、25b、25cの成長温度Tと障壁層23、29a、29b、29cの成長温度Tとの差は60度以上230度以下であることができる。井戸層25a、25b、25cのインジウム組成Xが障壁層23、29a、29b、29cのインジウム組成Y(0≦Y≦0.05)よりも大きいので、井戸層25a、25b、25cの成長には所望のインジウム組成のInGaNを成長できる成膜温度が必要である一方で、良好な結晶品質の障壁層23、29a、29b、29cを形成するために、成長温度Tは、井戸層25a、25b、25cの成長温度Tより高いことが必要である。成長温度Tと成長温度Tとの差は60度未満であるとき、活性層21の成長に引き続く成長において、井戸層25a、25b、25cの結晶品質が低下する。成長温度Tと成長温度Tとの差は230度を超えるとき、障壁層23、29a、29b、29cの成長中に井戸層25a、25b、25cの結晶品質が低下する。
井戸層25a、25b、25cの膜厚は、2nm以上10nm以下であることができる。また、InGa1−XN井戸層25a、25b、25cのインジウム組成Xは、0.15より大きいことができる。井戸層25a、25b、25cのInGa1−XNは0.4より小さいことができる。成長温度及び成長速度の条件に従うことによって、上記範囲のインジウム組成のInGaNの成長が可能となり、波長480nm以上550nm以下の発光素子を得ることができる。
再び図1を参照すると、工程S110では、活性層21上に、第2導電型窒化ガリウム系半導体領域31を基板11の表面11c上にエピタキシャルに成長する。この成長は成長炉10を用いて行われ、第2導電型窒化ガリウム系半導体層31の成長温度T2は井戸層25a、25b、25cの成長温度Tよりも高い。第2導電型窒化ガリウム系半導体領域31は、例えば電子ブロック層33、第1のp型コンタクト層35及び第2のp型コンタクト層37を含むことができる。電子ブロック層33は例えばAlGaNからなることができる。p型コンタクト層35、37はp型GaNからなることができる。第2のp型コンタクト層37のドーパント濃度N37は第1のp型コンタクト層35のドーパント濃度N35よりも大きい。本実施例では、電子ブロック層33、p型コンタクト層35、37の成長温度は、例えば摂氏1100度である。第2導電型窒化ガリウム系半導体領域31の形成の工程において、図4(c)に示されるエピタキシャルウエハEが完成する。必要な場合には、半導体レーザの光ガイドのために一対の光ガイド層を成長することができる。この一対の光ガイド層は活性層を挟む。これらの光ガイド層は、例えばInGaNまたはGaNからなることができる。
井戸層25a、25b、25cの成長温度Tと第2導電型窒化ガリウム系半導体領域31の成長における最も高い成長温度T2との差は、140度以上510度以下である。成長温度Tと成長温度T2との差が140度未満となるように成長温度T2が設定されるとき、第2導電型窒化ガリウム系半導体層35、37の抵抗率が高くなる。成長温度Tと成長温度T2との差が510度を超えるように成長温度T2が設定されるとき、第2導電型窒化ガリウム系半導体層35、37も成長中の井戸層25a、25b、25cの結晶品質が低下する。
また、p型コンタクト層35、37の成長速度は、井戸層25a、25b、25c及び障壁層23、29a、29b、29cの成長速度よりも大きい。活性層21を形成した後に井戸層25a、25b、25cの成長温度よりも高温で行われるp型コンタクト層35、37の成長時間を短くできる。
第1導電型窒化ガリウム系半導体領域13、活性層21、及び第2導電型窒化ガリウム系半導体層31は、基板11の主面11aの法線軸の方向に配列されていることができる。該六方晶系半導体のc軸の方向は基板11の主面11aの法線軸の方向と異なる。エピタキシャル成長の成長方向はc軸方向である一方で、この成長方向は半導体層13,21、31の積層方向と異なる。
工程S111では、エピタキシャウエハE上に電極を形成する。第1の電極(例えば、アノード電極)がコンタクト層37上に形成されると共に、第2の電極(例えば、カソード電極)が基板裏面13b(必要な場合に研削された裏面)上に形成される。
電極の形成の後に、m面劈開を行って共振器面として作製することができる。劈開によって形成されたm面を共振器面とする半導体レーザの作製が可能となる。また、基板11におけるc軸傾斜の方向と基板11の窒化ガリウム系半導体のm軸の方向とは89度以上91度以下の範囲であることができる。基板主面11aの傾斜方向がm軸方向を基準に−1度以上+1度以下の範囲を超えると、レーザとしての特性の低下が顕著になる。なお、エピタキシャル半導体領域23の主面23aの傾斜の方向が窒化ガリウム系半導体のa軸の方向であれば、m面を劈開面として使用できる。
図6は、実施の形態において使用可能なGaN基板の一構造を示す図面である。基板11は、c軸方向に伸びる貫通転位の密度が第1の貫通転位密度より大きい複数の第1の領域12aと、c軸方向に伸びる貫通転位の密度が第1の貫通転位密度より小さい複数の第2の領域12bとを含むことができる。基板11の主面11aには第1および第2の領域12a、12bが現れている。基板11の主面11aにおいて、第1および第2の領域12a、12bの幅は、それぞれ、例えば30マイクロメートル、370マイクロメートルである。第1および第2の領域12a、12bは所定の方向(配列の方向)に交互に配置されている。基板が窒化ガリウムからなるとき、配列の方向は該窒化ガリウムのa軸の方向であることができる。
第1の領域12aは高転位密度の欠陥集中領域の半導体部であり、第2の領域12bは低転位密度の欠陥低減領域の半導体部である。基板11の低転位密度の領域に窒化物系半導体発光素子を作製することによって、発光素子の発光効率、信頼性を向上させることができる。また、第2の領域12bの貫通転位密度は1×10cm−2未満であることができる。第2の領域12bの貫通転位密度が1×10cm−2未満であると、実用に十分な信頼性をもつ半導体レーザが得られる。
(実施例1)
引き続き本実施の形態の実施例を説明する。有機金属気相成長法を用いて発光ダイオードの作製を行った。図7には、主要な製造条件が示されている。有機金属気相成長のためのガリウム原料、インジウム原料、アルミニウム原料、及び窒素原料として、それぞれ、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルインジウム(TMI)、トリメチルアルミニウム(TMA)及びアンモニアを用いた。n型及びp型ドーパントとして、SiH及びCpMgを用いた。GaNウエハ41を準備した。GaNウエハ41の主面は、GaNウエハ41のc面に対して18度の角度で傾斜している。GaNウエハ41を成長炉に配置した後に、アンモニア及び水素の雰囲気中で熱処理を行った。熱処理温度は摂氏1050度であり、熱処理時間は10分程度であった。熱処理の後に、TMG(24.2μmol/分)、TMA(4.3μmol/分)、NH(5slm)、SiHを成長炉に供給して、GaNウエハ41上にn型AlGaN層43を摂氏1100度で成長した。n型AlGaN層43の厚さは50nmであった。n型AlGaN層43の成長速度は9.8nm/分であった。n型AlGaN層43のAl組成は0.12であった。
TMG(243.8μmol/分)、NH(7.5slm)、SiHを成長炉に供給して、n型AlGaN層43上にn型GaN層45を摂氏1150度で成長した。n型GaN層45の厚さは2000nmであった。n型GaN層45の成長速度は129.6nm/分であった。
TMG(24.4μmol/分)、TMI(24.4μmol/分)、NH(6slm)、SiHを成長炉に供給して、n型InGaN層47をn型GaN層45上に摂氏780度で成長した。n型InGaN層47の厚さは100nmであった。n型InGaN層47の成長速度は6.7nm/分であった。n型InGaN層47のIn組成は0.04であった。
活性層49を成長した。TMG(24.4μmol/分)、NH(6slm)を成長炉に供給して、アンドープGaN層49aをn型InGaN層47上に摂氏870度で成長した。アンドープGaN層49aの厚さは15nmであった。GaN層49aの成長速度は6.7nm/分であった。
次いで、成長炉の温度を摂氏870度から摂氏660度に変更した。
TMG(24.4μmol/分)、TMI(276.2μmol/分)、NH(8slm)を成長炉に供給して、アンドープInGaN層49bをGaN層49a上に摂氏660度で成長した。InGaN層49bの厚さは4nmであった。InGaN層49bの成長速度は5.5nm/分であった。アンドープInGaN層49bのIn組成は0.20であった。
成長炉の温度を摂氏660度から摂氏870度に変更しながらTMG(2.6μmol/分)、NH(6slm)を成長炉に供給して、保護層49cを成長した。保護層49cの厚さは2.5nmであった。GaN層49cの平均成長速度は1.0nm/分であった。
TMG(24.4μmol/分)、NH(6slm)を成長炉に供給して、アンドープGaN層49dをGaN層49c上に摂氏870度で成長した。GaN層49dの厚さは12.5nmであった。GaN層49dの成長速度は6.7nm/分であった。
井戸層49b、保護層49c及び障壁層49dの成長を繰り返して、活性層49を形成した。この後に、TMG(13.0μmol/分)、NH(6slm)を成長炉に供給して、アンドープGaN層(N2−GaN層)51を活性層49上に摂氏870度で成長した。GaN層51の厚さは3nmであった。GaN層51の成長速度は4.5nm/分であった。また、TMG(13.0μmol/分)、NH(6slm)を成長炉に供給して、アンドープGaN層(アンドープGaN層)53をGaN層51上に摂氏1100度で成長した。GaN層53の厚さは10nmであった。GaN層53の成長速度は60.0nm/分であった。
TMG(24.4μmol/分)、TMA(2.3μmol/分)、NH(6slm)、CpMgを成長炉に供給して、p型AlGaN層55をGaN層53上に摂氏1100度で成長した。AlGaN層55の厚さは20nmであった。AlGaN層55の成長速度は5.9nm/分であった。p型AlGaN層55のAl組成は0.18であった。
TMG(98.7μmol/分)、NH(5slm)、CpMgを成長炉に供給して、p型GaN層57をp型AlGaN層55上に摂氏1100度で成長した。GaN層57の厚さは25nmであった。GaN層57の成長速度は58.2nm/分であった。また、TMG(67.0μmol/分)、NH(5slm)、CpMgを成長炉に供給して、p型GaN層59をp型GaN層57上に摂氏1100度で成長した。GaN層59の厚さは25nmであった。GaN層59の成長速度は36.3nm/分であった。これらの工程によってエピタキシャルウエハが作製された。このエピタキシャルウエハ上にアノード61a及びカソード61bを形成して、図8に示される発光素子が得られた。図8には、オフ角18度を示すc面Scが代表として描かれており、c軸、a軸およびm軸の示す結晶座標系CR並びにX軸、Y軸およびZ軸の示す位置座表系Sが示されている。
GaNウエハ41と同じ品質のGaNウエハを準備して、井戸層に関して様々な成長温度及び成長速度を用いて活性層を成長した。活性層を除くエピタキシャル膜の堆積条件として上記の実施例と同じ条件を用いて、多数のエピタキシャルウエハを作製した。また、上記の実施例と同様にして、これらのエピタキシャルウエハ上にアノード及びカソードを形成して発光素子を作製した。これらの発光素子の構造は、活性層の構造を除いて、図8に示される構造と同じである。
図9は、代表的な条件で作製された発光素子のフォトルミネッセンス(PL)スペクトルPL1、PL2、PL3を示す図面である。これらのPLスペクトル
PLスペクトルと井戸層の成膜条件とを示す。
PL名称、成膜温度T、成長速度V、半値全幅、ピーク波長;
PL1:660度 、5.5nm/分、54nm、524nm;
PL2:690度 、9.3nm/分、49nm、513nm;
PL3:710度 、13.9nm/分、44nm、520nm。
図9の結果によれば、成長速度が大きくなるにつれて、PL強度が強くなると共にPL半値全幅は小さくなる。成長速度に関しては、上限だけでなく、所望の結果を得るための下限が存在していることが明らかになった。
図10は、これらの発光素子の作製において発光波長と成長速度との関係を示すグラフである。グラフには、プロットEP1〜EP14及びEQ1〜EQ6が示されている。プロットEP1〜EP14は、480nm以上550nm以下の波長領域にピーク波長を有するPLスペクトルを生成する活性層を含む素子の作製条件である。プロットEP1〜EP14に関しては、成長速度Vの上限は、摂氏640度以上710度以下の成長温度の範囲では式(1)で与えられ、摂氏710度以上750度以下の成長温度の範囲では13.9nm/分である。また、成長速度Vの下限は、摂氏640度以上690度以下の成長温度の範囲では5.5nm/分であり、摂氏690度以上750度以下の成長温度の範囲では式(2)で与えられる。
プロット名称、成膜温度T、成長速度V、半値全幅、ピーク波長;
EP1 :摂氏710度、13.9nm/分、44nm、520nm;
EP2 :摂氏730度、13.9nm/分、46nm、506nm;
EP3 :摂氏740度、13.9nm/分、41nm、495nm;
EP4 :摂氏750度、13.9nm/分、36nm、483nm;
EP5 :摂氏700度、11.4nm/分、49nm、510nm;
EP6 :摂氏675度、 9.3nm/分、43nm、509nm;
EP7 :摂氏690度、 9.3nm/分、46nm、518nm;
EP8 :摂氏700度、 9.3nm/分、45nm、523nm;
EP9 :摂氏710度、 9.3nm/分、81nm、550nm;
EP10:摂氏675度、 7.1nm/分、50nm、518nm;
EP11:摂氏640度、 5.5nm/分、67nm、510nm;
EP12:摂氏660度、 5.5nm/分、60nm、520nm;
EP13:摂氏675度、 5.5nm/分、78nm、507nm;
EP14:摂氏690度、 5.5nm/分、52nm、502nm。
プロットEQ1〜EQ6は上記の波長条件を満たさない。
プロット名称、成膜温度T、成長速度V
EQ1 :摂氏760度、13.9nm/分、26nm、459nm;
EQ2 :摂氏730度、 9.3nm/分、30nm、460nm;
EQ3 :摂氏720度、 9.3nm/分、33nm、477nm;
EQ4 :摂氏720度、 5.5nm/分、27nm、444nm;
EQ5 :摂氏690度、 3.5nm/分、30nm、460nm;
EQ6 :摂氏690度、 2.3nm/分、28nm、439nm。
図10の好適な成長温度及び成膜速度の範囲においては、480nm以上550nm以下のPL発光波長において、実用上十分に高いPL強度と、実用上十分小さいPL半値幅を得ることができる。
c面から10度以上45度以下の範囲の角度で傾斜している低オフ角の半極性面半導体表面では、c面に比べてマイクロステップ密度が高く、Inの取り込みが小さい。c面と(10−11)面からなるステップが半導体表面に形成されていると、テラス上ではInが取り込まれる。しかしながら、テラスエッジ(マイクロステップ端)に現れる化学結合のボンドの視点から検討すると、テラスエッジではIn原子が取り込まれない。このため、低オフ角の半極性面上ではc面上とは異なる半極性面上特有のInGaN成長条件が必要となる。
また、c面から10度以上45度以下の範囲の角度で傾斜している低オフ角の半極性面半導体表面では、c面に比べてマイクロステップ密度が高く、マイグレーションが起こりにくい。このため、障壁層の成長温度を井戸層の成長温度よりも高くしても、c面に比べて障壁層成長中に井戸層の分解が起こりにくい。
好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
図1は、本実施の形態に係る、窒化物系半導体発光素子を作製する方法、及びエピタキシャルウエハを作製する方法の主要な工程を示すフローチャートである。 図2は、本実施の形態に係る、窒化物系半導体発光素子を作製する方法、及びエピタキシャルウエハを作製する方法の主要な工程における基板生産物を示す図面である。 図3は、本実施の形態に係る、窒化物系半導体発光素子を作製する方法、及びエピタキシャルウエハを作製する方法の主要な工程における基板生産物を示す図面である。 図4は、本実施の形態に係る、窒化物系半導体発光素子を作製する方法、及びエピタキシャルウエハを作製する方法の主要な工程における基板生産物を示す図面である。 図5は、活性層の形成における原料ガス及び成長炉の温度の変化を表すタイムチャートである。 図6は、実施の形態において使用可能なGaN基板の一構造を示す図面である。 図7は、実施例1における主要な製造条件を示す図面である。 図8は、オフ角18度のGaNウエハを用いた実施例1における発光素子及びエピタキシャルウエハの構造を示す図面である。 図9は、代表的な条件で作製された発光素子のフォトルミネッセンス(PL)スペクトルPL1、PL2、PL3を示す図面である。 図10は、実施例1の発光素子の作製において発光波長と成長速度との関係を示すグラフである。
符号の説明
11…基板、11a…基板主面、11b…基板裏面、S…c面、VC…c軸ベクトル、VN…法線ベクトル、10…成長炉、13…窒化ガリウム系半導体領域、13a…窒化ガリウム系半導体領域主面、15、17、19…窒化ガリウム系半導体層、21…活性層、DB1…GaN障壁層、23…エピタキシャル半導体領域(第1の障壁層)、T…障壁層の成長温度、T…井戸層の成長温度、25a、25b、25c…井戸層、27a、27b、27c…保護層、23、29a、29b、29c…障壁層、31…第2導電型窒化ガリウム系半導体領域、33…電子ブロック層、35、37…p型コンタクト層

Claims (20)

  1. 量子井戸構造の活性層を有する窒化物系半導体発光素子を作製する方法であって、
    窒化ガリウム系半導体からなるエピタキシャル半導体領域を形成する工程と、
    前記エピタキシャル半導体領域上に、摂氏640度以上摂氏750度以下の温度範囲内の成長温度T及び成長速度V(nm/分)で、前記量子井戸構造の井戸層を成長する工程と
    を備え、
    前記エピタキシャル半導体領域は、前記窒化ガリウム系半導体のc面から10度以上45度以下の範囲の角度で傾斜した主面を有しており、
    前記井戸層はInGa1−XN(インジウム組成X:0<X<1、Xは歪み組成)からなり、
    前記活性層は、480nm以上550nm以下の波長領域にピーク波長を有する発光スペクトルを生成するように設けられており、
    前記成長温度Tが摂氏640度以上710度未満の温度であるとき、前記成長速度Vの上限は、以下の式(1)
    =α1×T+β1 (1)
    で与えられる値であり、式(1)は(成長温度T、成長速度V)=(摂氏710度、13.9nm/分)、(摂氏640度、5.5nm/分)を満たし、
    前記成長温度Tが摂氏710度以上750度以下の温度であるとき、前記成長速度Vの上限は、13.9nm/分であり、
    前記成長温度Tが摂氏640度以上690度未満の温度であるとき、前記成長速度Vの下限は、5.5nm/分であり、
    前記成長温度Tが摂氏690度以上750度以下の温度であるとき、前記成長速度Vの下限は、以下の式(2)
    =α2×T+β2 (2)
    で与えられる値であり、式(2)は(成長温度T、成長速度V)=(摂氏750度、13.9nm/分)、(摂氏690度、5.5nm/分)を満たす、ことを特徴とする方法。
  2. 前記エピタキシャル半導体領域上に、前記井戸層の前記成長温度Tより高い成長温度Tで、前記量子井戸構造の障壁層を成長する工程を更に備え、
    前記障壁層はInGa1−YN(インジウム組成Y:0≦Y≦0.05、Yは歪み組成)からなり、
    前記井戸層の前記成長温度Tと前記障壁層の前記成長温度Tとの差は60度以上230度以下である、ことを特徴とする請求項1に記載された方法。
  3. 前記活性層上に、第2導電型窒化ガリウム系半導体層を成長する工程を更に備え、
    前記井戸層の前記成長温度Tは、前記第2導電型窒化ガリウム系半導体層の成長温度T2よりも低く、
    前記井戸層の前記成長温度Tと前記第2導電型窒化ガリウム系半導体層の前記成長温度T2との差は、140度以上510度以下である、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載された方法。
  4. 前記第2導電型窒化ガリウム系半導体層上に、別の第2導電型窒化ガリウム系半導体層を成長する工程を更に備え、
    前記第2導電型窒化ガリウム系半導体層は電子ブロック層を含み、
    前記別の第2導電型窒化ガリウム系半導体層の成長速度は前記井戸層及び前記量子井戸構造の障壁層の成長速度よりも大きい、ことを特徴とする請求項3に記載された方法。
  5. 前記井戸層の前記InGa1−XNにおけるインジウム組成Xは、0.15より大きく、0.4より小さい、ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載された方法。
  6. 前記エピタキシャル半導体領域の前記主面の傾斜の方向は、前記窒化ガリウム系半導体のa軸の方向である、ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載された方法。
  7. 六方晶系半導体InAlGa1−S−TN(0≦S≦1、0≦T≦1、0≦S+T≦1)からなる基板を準備する工程を更に備え、
    前記基板の前記主面は、該六方晶系半導体のc軸に直交する平面から10度以上45度以下の範囲の角度で傾斜している、ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載された方法。
  8. 前記成膜に先立って、前記基板の前記主面に熱処理を行って前記基板に、改質された主面を形成する工程を更に備え、
    前記熱処理は、アンモニア及び水素を含むガスの雰囲気中で行われる、ことを特徴とする請求項7に記載された方法。
  9. 前記熱処理の後に、第1導電型窒化ガリウム系半導体領域を前記基板上にエピタキシャルに成長する工程を更に備え、
    前記第1導電型窒化ガリウム系半導体領域の主面は、前記窒化ガリウム系半導体のc面から10度以上45度以下の範囲の角度で傾斜している、ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載された方法。
  10. 前記第1導電型窒化ガリウム系半導体領域、前記活性層、及び前記第2導電型窒化ガリウム系半導体層は、前記基板の前記主面の法線の方向に配列されており、
    該六方晶系半導体のc軸の方向は前記基板の前記主面の法線の方向と異なる、ことを特徴とする請求項9に記載された方法。
  11. 前記傾斜の方向と前記窒化ガリウム系半導体のm軸の方向とは89度以上91度以下の範囲である、ことを特徴とする請求項7請求項10のいずれか一項に記載された方法。
  12. 前記基板は、c軸方向に伸びる貫通転位の密度が第1の貫通転位密度より大きい複数の第1の領域と、c軸方向に伸びる貫通転位の密度が第1の貫通転位密度より小さい複数の第2の領域とを含み、
    前記第1および第2の領域は交互に配置されており、
    前記基板の前記主面には前記第1および第2の領域が現れている、ことを特徴とする請求項7〜請求項11のいずれか一項に記載された方法。
  13. 前記第2の領域の前記貫通転位の密度は1×10cm−2未満である、ことを特徴とする請求項12に記載された方法。
  14. m面劈開を行って共振器面を作製する工程を更に備える、ことを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか一項に記載された方法。
  15. 前記井戸層を成長した後に、前記量子井戸構造の障壁層を成長する前に、前記成長温度Tから前記障壁層の成長温度Tに温度を変更しながら、窒化ガリウム系半導体層を成長する工程を更に備える、ことを特徴とする請求項1〜請求項14のいずれか一項に記載された方法。
  16. 前記窒化ガリウム系半導体層の厚さは前記障壁層の厚さより薄い、ことを特徴とする請求項15に記載された方法。
  17. 前記窒化ガリウム系半導体層の成長における成長速度は前記障壁層の成長における成長速度より小さい、ことを特徴とする請求項15または請求項16に記載された方法。
  18. 窒化物系半導体発光素子のためのエピタキシャルウエハを作製する方法であって、
    第1導電型窒化ガリウム系半導体領域を基板上にエピタキシャルに成長する工程と、
    前記第1導電型窒化ガリウム系半導体領域上に、窒化ガリウム系半導体からなるエピタキシャル半導体領域を形成する工程と、
    前記エピタキシャル半導体領域上に、摂氏640度以上摂氏750度以下の温度範囲内の成長温度T及び成長速度V(nm/分)で、活性層のための井戸層を成長する工程と、
    前記井戸層上に、前記井戸層の前記成長温度Tより高い成長温度Tで、前記活性層のための障壁層を成長する工程と、
    前記活性層上に、第2導電型窒化ガリウム系半導体層を成長する工程と
    を備え、
    前記エピタキシャル半導体領域は、前記窒化ガリウム系半導体のc面から10度より大きく45度以下の範囲の角度で傾斜した主面を有しており、
    前記井戸層はInGa1−XN(インジウム組成X:0<X<1、Xは歪み組成)からなり、
    前記活性層は、480nm以上550nm以下の波長領域にピーク波長を有する発光スペクトルを生成するように設けられており、
    前記成長温度Tが摂氏640度以上710度未満の温度であるとき、前記成長速度Vの上限は、以下の式(1)
    =α1×T+β1 (1)
    で与えられる値であり、式(1)は(成長温度T、成長速度V)=(摂氏710度、13.9nm/分)、(摂氏640度、5.5nm/分)を満たし、
    前記成長温度Tが摂氏710度以上750度以下の温度であるとき、前記成長速度Vの上限は、13.9nm/分であり、
    前記成長温度Tが摂氏640度以上690度未満の温度であるとき、前記成長速度Vの下限は、5.5nm/分であり、
    前記成長温度Tが摂氏690度以上750度以下の温度であるとき、前記成長速度Vの下限は、以下の式(2)
    =α2×T+β2 (2)
    で与えられる値であり、式(2)は(成長温度T、成長速度V)=(摂氏750度、13.9nm/分)、(摂氏690度、5.5nm/分)を満たす、ことを特徴とする方法。
  19. 前記基板は、六方晶系半導体InAlGa1−S−TN(0≦S≦1、0≦T≦1、0≦S+T≦1)からなり、
    前記基板の前記主面は、該六方晶系半導体のc軸に直交する平面から10度以上45度以下の範囲の角度で傾斜している、ことを特徴とする請求項18に記載された方法。
  20. 前記成膜に先立って、アンモニア及び水素を含むガスの雰囲気中で基板の主面に熱処理を行う工程を更に備える、ことを特徴とする請求項18または請求項19に記載された方法。
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