JP2008034444A - Iii族窒化物半導体発光素子の製造方法、iii族窒化物半導体発光素子及びランプ - Google Patents

Iii族窒化物半導体発光素子の製造方法、iii族窒化物半導体発光素子及びランプ Download PDF

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Abstract

【課題】ウェハの面内でピーク波長のばらつきを小さくしたIII族窒化物半導体発光素子の製造方法を提供する。
【解決手段】ピーク波長が490〜550nmの光を発するIII族窒化物半導体発光素子の製造方法であって、少なくとも基板2上にスパッタ法を用いてIII族窒化物半導体からなるバッファ層3を形成し、その上に有機金属化学気相堆積(MOCVD)法を用いて発光領域を含むIII族窒化物半導体からなる半導体積層構造1aを形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ピーク波長が490〜550nmの光(緑色光)を発するIII族窒化物半導体発光素子の製造方法、並びにIII族窒化物半導体発光素子及びランプに関する。
III族窒化物半導体は、可視光から紫外光領域に相当するエネルギーの直接遷移型のバンドギャップをもち高効率な発光が可能であるため、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)やレーザーダイオード(LD:Laser Diode)の材料として用いられている(非特許文献1及び特許文献1を参照)。
例えば図3に示すように、下記非特許文献1に記載されるLED100は、サファイア基板101上に、300ÅのGaNからなる低温バッファ層102と、4μmのSiドープのGaNからなるn型障壁層103と、30ÅのノンドープのIn0.45Ga0.55Nからなる活性層104と、1000ÅのMgドープのAl0.2Ga0.8Nからなるp型障壁層105と、0.5μmのMgドープのGaNからなるp型層106とを順次積層した構造からなる。このLED100の発光領域は、n型障壁層103とp型障壁層105との間で活性層104を挟み込んだ単一量子井戸(SQW)構造を有している。また、このLED100には、n型障壁層103に接続されるn電極107と、p型層106に接続されるp電極108とが設けられている。そして、下記非特許文献1には、このようなIII族窒化物半導体を用いたLED100に順方向の電流20mAを加えると、ピーク波長520nm、出力3mWの緑色光が得られることが記載されている。
また、下記非特許文献1には、有機金属化学気相堆積(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法を用いて、サファイア基板101上にIII族窒化物半導体からなるLED積層構造を形成することが記載されている。特に、低温バッファ層102は、サファイア基板101と発光領域を形成するIII族窒化物半導体層との間で格子定数の違いに起因する歪みを緩和するために、サファイア基板101の表面を均一に隙間なく覆うことが望まれる。これは、サファイア基板101の表面が一部分でも露出していると、その上に形成されるIII族窒化物半導体層の表面に曇りが生じたり、ヒロック(hillock)やピット(pit)などが発生したりするためであり、上述したLED100の基板面内でのピーク波長のばらつきの原因の一つとなるため好ましくない。
一方、下記特許文献1には、サファイアC面基板又は導電性基板上に、高周波スパッタ法を用いてAlGa1−xN(0≦x≦1)又はInNをバッファ層として堆積させ、その上にMOCVD法を用いてAlGa1−xN(0≦x≦1)又はInNをエピタキシャル成長させる技術が記載されている。しかしながら、このようにバッファ層をスパッタ法を用いて形成し、その上にMOCVD法でIII族窒化物半導体層を設けるには、スパッタ装置とMOCVD装置という高価な装置が2台必要な上、連続して製造することができないため生産効率が悪く、通常は採用されていない。
「Superbright Green InGaN Single-Quantum-Well-Structure Light-Emitting Diodes」S.NAKAMURA et al., Jpn.J.Appl.Phys. Vol.34(1995) pp.L1332-1335 特開昭60−173829号公報
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ピーク波長が490〜550nmの光を発するIII族窒化物半導体発光素子を製造する際に、基板面内でピーク波長のばらつきを抑えることができるIII族窒化物半導体発光素子の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、そのような製造方法により作製されたIII族窒化物半導体発光素子、並びにそのようなIII族窒化物半導体発光素子を備えたランプを提供することを目的とする。
本発明は、以下の手段を提供する。
(1) ピーク波長が490〜550nmの光を発するIII族窒化物半導体発光素子の製造方法であって、少なくとも基板上にスパッタ法を用いてIII族窒化物半導体からなるバッファ層を形成し、その上に有機金属化学気相堆積法を用いて発光領域を含むIII族窒化物半導体からなる半導体積層構造を形成することを特徴とするIII族窒化物半導体発光素子の製造方法。
(2) 前記バッファ層が、AlGaInN(但し、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+y=1)で表されるIII族窒化物半導体からなることを特徴とする前項(1)に記載のIII族窒化物半導体発光素子の製造方法。
(3) 前記バッファ層をリアクティブスパッタ法で形成することを特徴とする前項(1)又は(2)に記載のIII族窒化物半導体発光素子の製造方法。
(4) 前記バッファ層の厚みを10〜500nmの範囲とすることを特徴とする前項(1)〜(3)の何れか一項に記載のIII族窒化物半導体発光素子の製造方法。
(5) 前記半導体積層構造として、少なくともn型半導体層、発光層、及びp型半導体層を順次積層して形成することを特徴とする前項(1)〜(4)の何れか一項に記載のIII族窒化物半導体発光素子の製造方法。
(6) 前項(1)〜(5)の何れか一項に記載のIII族窒化物半導体発光素子の製造方法によって製造されたことを特徴とするIII族窒化物半導体発光素子。
(7) 前項(6)に記載のIII族窒化物半導体発光素子を備えたことを特徴とするランプ。
以上のように、本発明では、基板上にスパッタ法を用いてIII族窒化物半導体からなるバッファ層を形成し、その上に有機金属化学気相堆積法を用いて発光領域を含むIII族窒化物半導体からなる半導体積層構造を形成することによって、基板面内でピーク波長のばらつきを抑えることができる。これにより、ピーク波長が490〜550nmの光を発するIII族窒化物半導体発光素子を収率良く製造することができる。
以下、本発明を適用したIII族窒化物半導体発光素子の製造方法、III族窒化物半導体発光素子及びランプについて、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
本発明を適用したIII族窒化物半導体発光素子の製造方法は、少なくとも基板上にスパッタ法を用いてIII族窒化物半導体からなるバッファ層を形成し、その上にMOCVD法を用いて発光領域を含むIII族窒化物半導体からなる半導体積層構造を形成することを特徴とするものである。
本発明では、基板上にスパッタ法を用いてIII族窒化物半導体からなるバッファ層を形成し、その上にMOCVD法を用いて発光領域を含むIII族窒化物半導体からなる半導体積層構造を形成することによって、基板面内でピーク波長のばらつきを抑えることができる。これにより、ピーク波長が490〜550nmの光、いわゆる緑色光を発するIII族窒化物半導体発光素子を収率良く製造することができる。
具体的に、基板については、例えば、サファイア単結晶(Al;A面、C面、M面、R面)、スピネル単結晶(MgAl)、ZnO単結晶、LiAlO単結晶、LiGaO単結晶、MgO単結晶などの酸化物単結晶、Si単結晶、SiC単結晶、GaAs単結晶、AlN単結晶、GaN単結晶、ZrBなどのホウ化物単結晶等からなる基板を用いることができる。特に、サファイア基板のC面上にバッファ層を形成すると、結晶粒の揃ったバッファ層を形成できるため好ましい。なお、基板の面方位は必ずしも限定されるものではなく、また、ジャスト基板やオフ角を付与した基板などを用いてもよい。
本発明では、このような基板上にスパッタ法を用いてバッファ層を形成する。
具体的に、バッファ層は、AlGaInN(但し、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+y=1)の一般式で表されるIII族窒化物半導体からなる。III族窒化物半導体の具体的な組成については、例えば、AlGaN、InGaNなどの3元系や、AlN、GaNなどの2元系等を挙げることができる。このうち、バッファ層には、GaAlNを用いることが好ましく、この場合、Alの組成を50%以上とすることが更に好ましい。また、バッファ層にAlNを用いた場合には、結晶粒の揃った柱状結晶の集合体を形成することができる。
ここで、スパッタ法で形成されたバッファ層は、基板上に柱状結晶の集合体を形成する。したがって、結晶粒の揃った柱状結晶の集合体を形成することにより、その上に形成される半導体積層構造を結晶性に優れたものとすることができる。また、バッファ層は、隙間なく均一に基板表面を覆っていることが好ましい。バッファ層が基板を均一に覆っておらず、基板表面が一部分でも露出していると、その上に形成されるIII族窒化物半導体層の表面に曇りが生じたり、ヒロック(hillock)やピット(pit)が発生したりする。これらは、基板面内でのピーク波長のばらつきの原因の一つとなるため好ましくない。
バッファ層の厚みは、10〜500nmの範囲とすることが好ましい。バッファ層の厚みが10nm未満であると、バッファ層としての機能を充分に果たさなくなる。一方、バッファ層の厚みが500nmを超えても機能に変化はないため、処理時間を延ばすだけである。さらに、バッファ層の機能が基板面内で一様になるよう制御するためには、このバッファ層の厚みを20〜100nmの範囲とすることがより好ましい。
スパッタ法については、例えば、RFスパッタ法や、DCマグネトロンスパッタ法などを用いることができる。その中でも、リアクティブスパッタ法は、原料として、アルミニウムやガリウム、インジウムなどの金属と、窒素やアンモニアなどのガスとを用いてバッファ層を形成する方法であり、バッファ層中の不純物濃度を下げることができるため好ましい。
また、スパッタ成膜装置内に設置されるターゲットについては、上述したIII族窒化物半導体からなるものをそのまま使用することもできるが、混合材料のターゲットを用いたり、材料の異なる複数のターゲットを用いたりすることもできる。この場合も、例えばGaAlNなどの混合組成からなるバッファ層を形成することができる。
バッファ層を形成する際の基板温度については、300〜800℃の範囲とすることが好ましい。基板温度が300℃未満になると、バッファ層が基板の全面を覆うことができずに表面の一部が露出してしまうことがある。これは、スパッタで付着した原料の基板表面でのマイグレーションが不足するためと考えられる。一方、基板温度が800℃を超えると、基板表面での原料のマイグレーションが活発となり、柱状結晶の集合体というよりはむしろ単結晶の膜に近いバッファ層となるため、バッファ層としての効果が劣ったものになる。
さらに、リアクティブスパッタ法によりバッファ層を形成する場合には、上述した基板温度以外にも、スパッタ成膜装置内の圧力や窒素ガスの分圧等を制御することが重要である。例えば、装置内の圧力は、0.3Pa以上であることが好ましい。これよりも低い圧力では、装置内の窒素の存在量が小さく、スパッタされた金属が窒化物とならずに基板表面に付着してしまう。なお、装置内の圧力の上限については特に定めるものではないが、プラズマを発生させることができる程度の圧力が必要なことは言うまでもない。
Arなどの雰囲気ガスの流量に対する窒素ガスの流量の比については、20〜80%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは25〜50%の範囲である。この窒素ガスの流量比が20%未満になると、スパッタされた金属が窒化物とならず金属のまま基板表面に付着してしまう。一方、この窒素ガスの流量比が80%を超えると、Arの量が少なくなり過ぎてスパッタレートが低下してしまう。
バッファ層の成膜速度は、0.01〜10nm/sの範囲とすることが好ましい。この成膜速度が0.01nm/s未満になると、バッファ層が基板表面に均一に広がらず島状に成長するため、基板全面を均一に覆うことができなくなる。一方、この成膜速度が10nm/sを超えると、バッファ層を形成するIII族窒化物半導体が結晶とならずに非晶質となるため、その上に結晶性に優れた半導体積層構造を形成することができなくなる。
なお、基板上にバッファ層を形成する前には、前処理として基板表面に湿式エッチング等を行ってもよい。例えば、シリコン基板に対してよく行われるものと同様のRCA洗浄を行うことで、基板表面を水素終端化させることができる。これにより、基板上に再現性よく所望のバッファ層を形成することができる。
また、スパッタ成膜装置内に基板を導入した後に、スパッタにより基板表面を前処理してもよい。具体的には、基板の表面をArや窒素ガスのプラズマに曝すことによって、基板表面に付着した有機物や酸化物などの異物を除去し、その表面状態を整えることができる。特に、サファイア基板を用いる場合には、窒素ガスのプラズマに基板を曝すと、その表面が窒化され、その後に形成されるバッファ層が面内で均一に形成されやすくなる。
本発明では、このようなバッファ層上にMOCVD法を用いて発光領域を含むIII族窒化物半導体からなる半導体積層構造(LED構造)を形成する。
具体的に、半導体積層構造のうち、バッファ層上に直接形成されるIII族窒化物半導体層は、柱状結晶の集合体であるバッファ層中の転位などの結晶欠陥を引き継がないようにするため、Gaを含むものであることが好ましい。すなわち、このバッファ層上にIII族窒化物半導体層を成長させる際には、バッファ層とIII族窒化物半導体層との界面近傍で転位をループ化させる必要がある。Gaを含むIII族窒化物半導体は、転位のループ化を生じやすい材料であるため、バッファ層上に直接形成すると、このバッファ層との界面近傍に転位をループ化して閉じ込めることができる。これにより、III族窒化物半導体層中に転位が引き継がれないようになる。Gaを含むIII族窒化物半導体としては、AlGaNが好ましく、特にGaNが好適である。
III族窒化物半導体からなるLED構造をMOCVD法で形成する際には、例えばトリメチルガリウム(TMGa)、トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリメチルインジウム(TMIn)などのIII族金属の有機金属原料とアンモニアなどの窒素原料とを用いて、熱分解によりバッファ層上にIII族窒化物半導体層を堆積させる。また、不純物として、シリコンをドープする場合には、シラン(SiH)などを用いることができ、マグネシウムをドープする場合には、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)などを用いることができる。なお、成長温度やキャリアガスなどの条件は、適宜実験により決定すすることができる。
バッファ層の上にIII族窒化物半導体層をMOCVD法で形成する場合、成長の直前にバッファ層を熱処理することができる。この熱処理は、MOCVD法に用いる反応装置内で行うことができ、雰囲気ガスとしては、例えば水素ガスや窒素ガス等を用いることができる。さらに、バッファ層の分解を防ぐため、上述した雰囲気ガスにアンモニアガスを混入させてもよい。熱処理は、900〜1200℃の範囲で1〜20分程度行う。この熱処理の過程で、バッファ層の表面の清浄化と結晶性の向上を図ることができる。
半導体積層構造は、少なくともn型半導体層、発光層、及びp型半導体層を順次積層して形成される。具体的には、n型電極と接続されるn型コンタクト層と、p型電極と接続されるp型コンタクト層と、これらn型コンタクト層とp型コンタクト層との間に挟み込まれた発光領域とを含む。発光領域は、InGaNからなる発光層(活性層)を含む構造とするのが好ましい。このInGaN層のInの組成を調整することにより、所望とするピーク波長の発光を得ることができる。発光領域は、発光層をn型障壁層とp型障壁層で挟んだダブルへテロ構造とすることができる。また、発光領域は、単一量子井戸構造又は多重量子井戸構造の発光層をn型障壁層とp型障壁層で挟み込んだ構造とすることもできる。
以下、バッファ層上にMOCVD法を用いて形成される半導体積層構造の一具体例として、図1に示す緑色発光ダイオード(以下、緑色LEDという。)1の場合を例に挙げて説明する。
この緑色LED1は、例えばサファイヤ基板2上にスパッタ法を用いてAlNからなるバッファ層3が形成され、その上にMOCVD法を用いて形成されたLED構造1aを備えている。
このLED構造1aは、例えばバッファ層3上に、n型GaNからなる下地層4と、SiドープのGaNからなるn型コンタクト層5と、SiドープのInGaNからなるn型障壁層(クラッド層)6と、ノンドープのGaNからなる量子障壁層7aとノンドープのInGaNからなる量子井戸層7bとを交互に積層した多重量子井戸構造からなる発光層7と、MgドープのAlGaNからなるp型障壁層(クラッド層)8と、MgドープのAlGaNからなるp型コンタクト層9とを順次積層した構造を有している。
また、このLED構造1aには、n型コンタクト層5に接続されるn型電極10と、p型コンタクト層9に接続されるp型電極11とが設けられている。n型電極10は、n型障壁層6、発光層7、P型障壁層8及びP型コンタクト層9の一部を除去してn型コンタクト層5を露出させた部分に配置されている。P型電極11は、P型コンタクト層9上に形成された透光性電極11aと、その上に形成されたp型電極ボンディングパッド11bとから構成されている。
下地層4は、n型不純物であるSiを1×1017〜1×1019cm−3の範囲内であればドープしてもよく、一方、アンドープ(1×1017cm−3未満)の方が良好な結晶性の維持する点で好ましい。n型不純物については、特に限定されないものの、例えば、Si、Ge、Sn等を用いることができ、好ましくはSi、Geである。下地層3を成長させる際の成長温度は、800〜1200℃の範囲で調整することが好ましく、更に好ましくは1000〜1200℃の範囲である。この温度範囲内で成長させれば結晶性のよいものが得られる。また、MOCVD成長炉内の圧力は、15〜40kPaの範囲で調整することが好ましい。
n型コンタクト層5は、n型不純物としてSiがドープされたAlGaN1−x(但し、0≦x≦1、好ましくは0≦x≦0.5、更に好ましくは0≦x≦0.1)からなることが好ましい。n型不純物のドープ濃度は、良好なオーミック接触の維持、クラック発生の抑制、良好な結晶性の維持の点から、5×1017〜5×1019cm−3の範囲が好ましく、より好ましくは1×1018〜1×1019cm−3の範囲である。
下地層4とn型コンタクト層5との厚みの合計は、良好な結晶性の維持の点から、4〜20μmが好ましく、より好ましくは4〜15μm、更に好ましくは6〜15μmである。これらの厚みの合計が4μm未満であると、結晶性が劣化し、発光効率が低下してしまう。一方、これらの厚みの合計が15μmを超えると、基板の反りが大きくなり、波長分布の増大や素子化工程での収率低下を招くことになる。なお、これらの厚みの合計のうち、n型コンタクト層5の厚みの上限については、特に限定されるものではない。
n型クラッド層6は、n型コンタクト層5と発光層7との間に設けることによって、コンタクト層に求められる低抵抗のn型電極を形成し、電流をLED構造1a内に均一に広げるという性質と、クラッド層に求められる電流を効率良く発光層7に注入するという性質とを別々に制御することができる。このn型クラッド層6は、例えばAlGaN、GaN、GaInNなどからなる。また、これらをヘテロ接合したものや、これらを複数積層した超格子構造としたものであってもよい。また、このn型クラッド層6がGaInNからなる場合には、発光層7へのキャリアの閉じ込めの点から、発光層7を形成するGaInNのバンドギャップよりも大きくすることが好ましい。n型クラッド層6の厚みは、特に限定されないものの、好ましくは0.005〜0.5μmであり、より好ましくは0.005〜0.1μmである。n型不純物のドープ濃度については、良好な結晶性の維持及び素子の動作電圧低減の点から、1×1017〜1×1020cm−3の範囲が好ましく、より好ましくは1×1018〜1×1019cm−3の範囲である。
発光層7は、Ga1−sInN(但し、0<s<0.4)等の窒化物半導体からなることが好ましい。発光層7の厚みについては、特に限定されないものの、量子効果の得られる程度の厚みとすることが好ましい。具体的には、発光出力の点から、1〜10nmが好ましく、より好ましくは1〜6nmである。
この発光層7では、発光波長が490〜550nmの範囲となるように井戸層のIn組成や、膜厚等を制御する。例えば、GaInNからなる発光層7では、膜の成長温度が低いと結晶性が劣化する一方、膜の成長温度が高いとInNの昇華が顕著になり、固相中へのInの取り込まれ効率が低減し、所定の発光波長が得られない。また、温度上昇に伴い発光波長の分布が増大したり、波長の制御性が困難となったりするため、最適な膜成長温度の上限が存在する。一般的には、600〜900℃であり、より好ましくは700〜800℃である。
発光層7は、上述した単一量子井戸(SQW)構造の他にも、上記Ga1−sInNを井戸層とし、この井戸層よりバンドギャップエネルギーが大きいAlGa1−cN(但し、0≦c<0.3)からなる障壁層とを交互に積層した多重量子井戸(MQW)構造としてもよい。また、これら井戸層及び障壁層には不純物をドープしてもよい。
また、発光層7をMQW構造とする場合、量子井戸層の厚さは、面内で均一であるよりもむしろ周期的に変動させることが好ましい。変動の範囲は、最大層厚に対して10〜100%の範囲とすることが好ましい。例えば、最大層厚が3nmの量子井戸層の場合、層厚を0.3〜3nmの範囲で変動させるようにする。この変動の周期は、必ずしも規則的でなくてもよく、層厚に対して1〜100倍程度の周期で面内で変動させるとよい。また、このような層厚の変動は、上述したスパッタ法によりバッファ層3を形成する際の条件を調整し、バッファ層3の表面に凹凸を設けることにより実現することができる。また、量子井戸層の形成時に井戸層の一部が蒸発するような成長条件とした場合にも実現することができる。この量子井戸層の厚みの変動により、発光のピーク波長の他に駆動電圧も基板面内で均一となった緑色LED1を製造することができる。
p型クラッド層8は、発光層7のバンドギャップエネルギーより大きくなる組成を有し、発光層7へのキャリアの閉じ込めができるものであれば特に限定されるものではない。具体的には、AlGa1−dN(但し、0<d≦0.4、好ましくは0.1≦d≦0.3)からなることが好ましい。p型クラッド層8の厚みについては、特に限定されないものの、好ましくは0.01〜0.4μmであり、より好ましくは0.02〜0.1μmである。p型不純物のドープ濃度は、結晶性を低下させることなく良好なp型結晶が得られるように、1×1018〜1×1021cm−3の範囲とすることが好ましく、より好ましくは1×1019〜1×1020cm−3の範囲である。
p型コンタクト層9は、良好な結晶性の維持及び良好なオーミック接触の点から、AlGa1−eN(但し、0≦e<0.5、好ましくは0≦e≦0.2、より好ましくは0≦e≦0.1)からなることが好ましい。p型不純物のドープ濃度は、良好なオーミック接触の維持、クラック発生の防止、良好な結晶性の維持の点から、1×1018〜1×1021cm−3の範囲が好ましく、より好ましくは5×1019〜5×1020cm−3の範囲である。p型不純物については、特に限定されないものの、例えばMgが好ましい。p型コンタクト層9の厚みについては、特に限定されないものの、発光出力の点から、0.01〜0.5μmが好ましく、より好ましくは0.05〜0.2μmである。
なお、本発明を適用した緑色LED1では、上記構成に必ずしも限定されるものではなく、種々の変更を加えることが可能である。例えば、上述した各層の他に別の層を加えたり、上述した各層の一部を省略したりすることも可能である。さらに、上述した各層の組成や不純物等を変更することも可能である。
本発明を適用したランプは、上記緑色LED1を用いて、従来公知の方法により製造することができる。具体的には、図2に示すように、2本のリードフレーム21,22のうち一方のフレーム21上にペーストを用いて緑色LED1を接合した後に、この緑色LED1のn型電極10をボンディングワイヤー23を介してリードフレーム22と接合させ、p型電極11をボンディングワイヤー24を介してもう一方のリードフレーム21と接合させる。そして、透明なモールド樹脂25で緑色LED1をモールドすることで、例えば砲弾型のランプ20を製造することができる。
なお、ランプは、上記構成に必ずしも限定されるものではなく、例えば、上記緑色LED1をパッケージ内に配置した構造のものであってもよい。また、ランプは、上述したフェイスアップタイプのものに限らず、フリップチップタイプのものや、上下電極構造のものであってもよい。また、ランプは、砲弾型に限らず、携帯のバックライト等に用いられるサイドビュー型や、表示器等に用いられるトップビュー型などであってもよい。
以下、実施例により本発明の効果を明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
(実施例1)
実施例1では、上述した図1に示す構造と同様の緑色LEDを実際に作製した。
具体的には、先ず、片面を鏡面研磨した直径2インチのC面サファイア基板(ウェハ)を用意し、これをスパッタ成膜装置の中へ導入した。このスパッタ成膜装置は、高周波式の電源を持ち、ターゲット内でマグネットの位置を動かすことができる機構を有している。
次に、このスパッタ成膜装置内でウェハを750℃まで加熱し、窒素ガスだけを15sccmの流量で導入した後、チャンバ内の圧力を0.08Paに保持して、ウェハ側に50Wの高周波バイアスを印加し、ウェハを窒素プラズマに曝すことで、ウェハ表面を窒化した。
次に、チャンバ内にアルゴン及び窒素ガスを導入した後、ウェハの温度を500℃まで低下させた。そして、2000Wの高周波バイアスを金属Alターゲット側に印加し、炉内の圧力を0.5Paに保ち、Arガスを15sccm、窒素ガスを5sccm流通させながら(なお、ガス全体に対する窒素の比は25%)、ウェハ上にAlNの柱状結晶の集合体からなるバッファ層を形成した。このときの成長レートは0.12nm/sであった。
なお、ターゲット内のマグネットは、ウェハ洗浄の際も成膜の際も揺動させておいた。また、予め測定した成膜速度に従って規定の時間内で成膜を行い、50nmのAlNをウェハ上に堆積させた後、プラズマを立てるのを止め、ウェハの温度を低下させた。
次に、スパッタ成膜装置から取り出したウェハをMOCVD法による成長のための反応装置に導入し、バッファ層上にIII窒化物半導体からなるLED構造として、アンドープのGaNからなる下地層(膜厚6μm)と、9×1018cm−3の電子濃度を持つSiドープのGaNからなるn型コンタクト層(膜厚2μm)と、1×1018cm−3の電子濃度を持つGa0.99In0.01Nからなるn型障壁層(膜厚200Å)と、6層のGaNからなる量子障壁層(層厚22nm)と、5層のノンドープのGa0.89In0.11Nからなる量子井戸層(層厚3nm)とを交互に積層した多重量子井戸構造からなる発光層と、MgをドープしたAl0.08Ga0.92Nからなるp型障壁層(膜厚16nm)と、MgドープのAl0.02Ga0.98Nからなるp型コンタクト層(膜厚0.2μm)とを順次積層した。
具体的には、先ず、ウェハを高周波(RF)誘導加熱式ヒータで成膜温度に加熱される半導体用高純度グラファイト製のサセプタ(susceptor)上に載置した。そして、ステンレス鋼製の気相成長反応炉内に窒素ガスを流通し、炉内をパージした。
次に、気相成長反応炉内に窒素ガスを8分間に亘って流通させた後、誘導加熱式ヒータを作動させ、ウェハの温度を約10分間で室温から500℃に昇温した。そして、ウェハの温度を500℃に保ったまま、NHガス及び窒素ガスを流通させて、気相成長反応炉内の圧力を95kPaとした。続いて、ウェハの温度を約10分間かけて1000℃まで昇温させて、この温度及び圧力下で10分間放置して、ウェハ表面をサーマルクリーニング(thermal cleaning)した。また、サーマルクリーニングの終了後も、気相成長反応炉内への窒素ガスの供給は継続させた。
次に、アンモニアガスの流通を続けながら水素及び窒素雰囲気中で、ウェハの温度を1040℃に昇温させた。また、反応炉内の圧力を40kPaとし、キャリアガスである水素ガスと窒素ガスとの流量比率を90%:10%とした。そして、基板温度が1040℃で安定したのを確認した後、トリメチルガリウム(TMGa)の気相成長反応炉内への供給を開始し、バッファ層上にアンドープのGaNからなる下地層を6μmの膜厚まで成長させた。アンモニアの量はV/III比が600となるように調節した。
次に、ウェハの温度を1100℃に昇温し、温度が安定したところで、ドーパントガスであるモノシラン(SiH)ガスを用いて、膜厚2μmのGaNからなるn型コンタクト層を形成した。Siのドープ量は9×1018/cmとした。n型コンタクト層を成長させた後、TMGaのバルブを閉めて、TMGaの炉内への供給を停止した。そして、アンモニアをそのまま流通させながら、キャリアガスを水素ガスと窒素ガスとの混合から窒素ガスのみに切り替えた。その後、ウェハの温度を1100℃から740℃へ低下させた。また、炉内の温度変更を待つ間に、SiHの供給量を設定した。流通させる量は事前に検討し、SiドープのInGaNからなるn型障壁層の電子濃度が1×1018cm−3となるように調整した。なお、アンモニアはそのままの流量で炉内へ供給し続けた。
次に、炉内の状態が安定するのを待って、TMInとTEGaとSiHのバルブを同時に切り替え、これらの原料の炉内への供給を開始した。そして、所定時間だけ供給を継続し、SiドープのGa0.99In0.01Nからなるn型障壁層を20μmの膜厚まで成長させた。
次に、TMIn、TEGa及びSiHのバルブを切り替え、これらの原料の供給を停止した。また、原料供給を停止した後、SiHの供給量の設定を変更した。流通させる量は事前に検討し、SiドープのGaNからなる量子障壁層の電子濃度が3×1017cm−3となるように調整した。
次に、ウェハの温度を740℃としたまま、TEGaとSiHの炉内への供給を開始し、所定時間SiをドープしたGaNからなる量子障壁層Aを形成し、TEGaとSiHの供給を停止した。その後、成長を中断した状態でサセプタの温度を920℃に昇温した。温度が安定した後、ウェハの温度や炉内の圧力、アンモニアガス及びキャリアガスの流量や種類はそのままで、TEGaとSiHのバルブを切り替えてTEGaとSiHの炉内への供給を再開し、そのままウェハの温度920℃にて、規定の時間の量子障壁層Bの成長を行った後、TEGaとSiHの炉内への供給を停止した。続いて、サセプタ温度を740℃に下げ、TEGaとSiHの供給を開始し、量子障壁層Cの成長を行った後、再びバルブを切り替えてTEGaとSiHの供給を停止して量子障壁層の成長を終了した。これにより、SiドープのGaNからなり、総膜厚22nmの3層構造を有する量子障壁層を形成した。なお、740℃にて量子障壁層Aを形成した後、量子障壁層Bを形成するため920℃へ昇温する工程では、III族原料の供給を停止することによって半導体層の成長を中断した。
次に、30秒間に亘ってTEGaとSiHの供給を停止し、TEGaの供給量の設定を事前に検討した流量に変更した後、ウェハの温度や炉内の圧力、アンモニアガス及びキャリアガスの流量や種類はそのままで、TEGaとTMInのバルブを切り替えてTEGaとTMInの炉内への供給を行い、量子井戸層の形成を行った。すなわち、予め決めた時間だけTEGaとTMInの供給を行った後、再びバルブを切り替えてTEGaとTMInの供給を停止してGa0.89In0.11Nからなる量子井戸層を3μmの膜厚まで成長させた。
そして、このような手順を繰り返し、6層のSiドープのGaNからなる量子障壁層と5層のGa0.89In0.11Nからなる量子井戸層とを交互に積層した多重量子井戸構造からなる発光層を形成した。
次に、発光層上に、Mgドープのp型Al0.08Ga0.92Nからなるp型クラッド層を形成した。すなわち、最上層にある量子障壁層の成長が終了した後に、ウェハの温度を980℃に昇温し、キャリアガスの種類を水素に切り替えて、炉内の圧力を15kPaに変更した。そして、炉内の圧力が安定するのを待って、TMGaとTMAlとCpMgのバルブを切り替え、これらの原料の炉内への供給を開始した。その後、約3分間に亘って成長を行った後、TEGaとTMAlの供給を停止した。これにより、MgドープのAl0.08Ga0.92Nからなるp型障壁層を16μmの膜厚まで成長させた。
次に、このP型障壁層上に、Mgドープのp型Al0.02Ga0.98Nからなるp型コンタクト層を形成した。すなわち、P型障壁層の成長が終了した後、キャリアガスと炉内の圧力はそのままで、TMGa、TMAl、Cp2Mgの供給量の変更を行った。その後、アンモニアガスを炉内に供給したまま、TMGaとTMAlとCp2Mgのバルブを切り替え、これらの原料の炉内への供給を開始した。Cp2Mgを流通させる量は事前に検討し、MgドープのAl0.02Ga0.98Nからなるp型コンタクト層の正孔濃度が8×1017cm−3となるように調整した。そして、約14分間に亘ってp型コンタクト層の成長を行った後、TMGaとTMAlとCpMgの供給を停止した。これにより、MgドープのAl0.02Ga0.98Nからなるp型コンタクト層を約0.2μmの膜厚まで成長させた。
次に、p型コンタクト層の気相成長を終了させた後、直ちに高周波誘導加熱式ヒータへの通電を停止した。同時に、キャリアガスを水素から窒素に切り替え、アンモニアの流量を低下させた。具体的には、成長中には全流通ガス量のうち体積にして約14%を締めていたアンモニアガスを0.2%まで下げた。さらに、この状態で45秒間保持した後、アンモニアの流通を停止した。この状態で、ウェハの温度が室温まで降温したのを確認して、ウェハを大気中に取り出した。
以上のような手順により、バッファ層上にIII窒化物半導体からなるLED構造を形成した。なお、このLED構造のうち、p型コンタクト層は、p型キャリアを活性化するためのアニール処理を行わなくてもp型を示した。
ここで、フォトルミネッセンス(PL)のマッピング測定を行ったところ、平均ピーク波長が528nm、ピーク波長の標準偏差が2.2nmであった。さらに、ウェハ面内の波長均一性は良好であった。具体的に、ピーク波長の偏差がセンター波長±5nmの範囲を良品とした場合、この実施例1におけるPLマッピングでの波長収率は95%であった。
次に、フォトリソグラフィーによってp型コンタクト層の表面上に、ITOからなる透明電極と、その上に表面側から順にチタン、アルミニウム、金を積層した構造を持つp型電極ボンディングパッドを形成し、p型電極を形成した。さらに、ウェハに対してドライエッチングを行い、n型コンタクト層のn型電極を形成する部分を露出させ、露出した部分にNi、Al、Ti、Auの4層よりなるn型電極を形成した。
次に、ウェハの裏面を研削、研磨してミラー状の面とした後に、ウェハを350μm角の正方形のチップに分割して、実施例1の緑色LEDを作製した。
この実施例1の緑色LEDでは、p型電極とn型電極との間に順方向の電流を流したところ、電流20mAにおける順方向電圧は3.0Vであった。また、p側の透光性電極を通して発光を観察したところ、発光波長は520nmであり、発光出力は15mWであった。このような特性を有する緑色LEDは、分割したウェハの全面からばらつきなく得られた。具体的に、ウェハを350μm角の正方形のチップに分割した場合での波長収率は、14000チップ中13000が良品と判定され、この実施例1における緑色LEDの収率は93%であった。
また、この実施例1の緑色LEDについて、厚み方向に切断した切断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、基板と下地層との界面には、基板の厚み方向に多数の粒界を持つAlN膜が観察された。膜厚は50nm程度であり、粒界と粒界の距離は5〜50nmであった。このことから、AlNからなるバッファ層は、縦長の柱状結晶の集合体であることがわかった。
(比較例1)
比較例1では、バッファ層をMOCVD法により500℃で形成した以外は、実施例1と同様の方法を用いて緑色LEDを作製した。
比較例1の緑色LEDでは、バッファ層上にIII窒化物半導体からなるLED構造を形成した後に、フォトルミネッセンス(PL)のマッピング測定を行ったところ、平均ピーク波長が525nm、ピーク波長の標準偏差が7.1nmであった。さらに、ウェハ面内の波長均一性は、実施例1よりも悪化していた。具体的に、ピーク波長の偏差がセンター波長±5nmの範囲を良品とした場合、この比較例1におけるPLマッピングでの波長収率は46%であった。また、ウェハを350μm角の正方形のチップに分割した場合での波長収率は、14000チップ中6300が良品と判定され、この比較例1における緑色LEDの収率は45%であった。
図1は、本発明を適用したLEDの一例を模式的に示す断面図である。 図2は、図1に示すLEDを用いたランプの一例を示す断面図である。 図3は、従来のLEDの一例を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1…緑色LED(III族窒化物半導体発光素子) 2…サファイア基板 3…バッファ層 4…下地層 5…n型コンタクト層 6…n型障壁層 7…発光層 7a…量子井戸層 7b…量子障壁層 8…p型障壁層 9…p型コンタクト層 10…n型電極 11…p型電極 11a…透光性電極 11b…p型電極ボンディングパッド

Claims (7)

  1. ピーク波長が490〜550nmの光を発するIII族窒化物半導体発光素子の製造方法であって、少なくとも基板上にスパッタ法を用いてIII族窒化物半導体からなるバッファ層を形成し、その上に有機金属化学気相堆積法を用いて発光領域を含むIII族窒化物半導体からなる半導体積層構造を形成することを特徴とするIII族窒化物半導体発光素子の製造方法。
  2. 前記バッファ層が、AlGaInN(但し、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+y=1)で表されるIII族窒化物半導体からなることを特徴とする請求項1に記載のIII族窒化物半導体発光素子の製造方法。
  3. 前記バッファ層をリアクティブスパッタ法で形成することを特徴とする請求項1又は2に記載のIII族窒化物半導体発光素子の製造方法。
  4. 前記バッファ層の厚みを10〜500nmの範囲とすることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のIII族窒化物半導体発光素子の製造方法。
  5. 前記半導体積層構造として、少なくともn型半導体層、発光層、及びp型半導体層を順次積層して形成することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のIII族窒化物半導体発光素子の製造方法。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載のIII族窒化物半導体発光素子の製造方法によって製造されたことを特徴とするIII族窒化物半導体発光素子。
  7. 請求項6に記載のIII族窒化物半導体発光素子を備えたことを特徴とするランプ。
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