以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1(A)は本発明の電子鍵盤楽器の外装構造を構成する上ケース20を下側から見た斜示図であり、(B)は本発明の電子鍵盤楽器の外装構造を構成する下ケース10を上側から見た斜示図である。図2は、図1に示す下ケース10の部分拡大斜示図である。図3は、図1に示す下ケース10に配設されたサウンドシステム回路用アナログ基板51を外した状態での部分拡大斜示図である。図4は、図2に示すIV−IV線で上ケース20及び下ケース10を組み込んだ電子鍵盤楽器を切ったときの断面図である。なお、図中、矢印Y1が前後方向の演奏者側であり、矢印Y2が前後方向の演奏者から離れた側であり、矢印Y3が鍵並び方向の演奏者左側であり、矢印Y4が鍵並び方向の演奏者右側であり、矢印Y5が上下方向を示す。
図1に示すように、電子鍵盤楽器の外装構造は、演奏者側Y1に鍵盤部30(図4参照)を搭載する底板11を有する下ケース10と、下ケース10の上側を覆う上板21及びこの上板21の上面に設けられた操作部22を有する上ケース20とを有している。そして、図4に示すように、下ケース10の上側から上ケース20を重ねる抱き合わせ構造により、電子鍵盤楽器の外装構造が形成されている。
上述した上ケース20及び下ケース10内には、図1に示すように、前記アナログ基板51(放熱板付き第1基板)と音源を含む音楽信号形成回路が搭載されたデジタル基板52とが収容されている。このアナログ基板51及びデジタル基板52は、上下方向Y5と平行になるように立てて配置される。また、アナログ基板51及びデジタル基板52は、上下方向Y5の縁部E1の延在方向Y6が鍵並び方向Y3、Y4と平行になるように配置される。
まず、下ケース10の構成について説明する。上記下ケース10は、図1(B)に示すように、後方立ち上がり部12と、前方立ち上がり部13と、左右立ち上がり部14とが設けられている。後方立ち上がり部12は、底板11の演奏者から離れた側Y2の縁部から立ち上がって設けられている。前方立ち上がり部13は、底板11の演奏者側Y1の縁部から立ち上がって設けられている。左右立ち上がり部14は、底板11の鍵並び方向Y3、Y4の縁部から立ち上がって設けられている。
下ケース10の底板11には、一対の基板第1保持部151R及び151Lと、一対の基板第1保持部152R及び152Lと、下側ボス16とが設けられている。基板第1保持部151R及び151Lはそれぞれ、アナログ基板51の下側の縁部E1を狭持するために設けられ、互いに離間して鍵並び方向Y3、Y4に並んで設けられている。基板第1保持部152R及び152Lはそれぞれ、デジタル基板52の下側の縁部E1を狭持するために設けられ、互いに離間して鍵並び方向Y3、Y4に並んで設けられている。
上記基板第1保持部151Rは各々、図3に示すように、第1下側突部15A(下側突部)と、2つの第2下側突部15B(下側突部)と、位置決め壁15C、連結壁15D(連結部)とが一体に形成されている。なお、基板第1保持部151L、152R及び152Lは、上記基板第1保持部151Rと同様の構成のため詳細な説明については省略する。
第1、第2下側突部15A、15Bはそれぞれ、鍵盤部30よりも演奏者から離れた側Y2の底板11、言い換えると、鍵盤部30と後方立ち上がり部12との間の底板11に上ケース20に向かって突出されている。第1、第2下側突部15A、15Bにはそれぞれ、上ケース20側が開口となり、かつ鍵並び方向Y3、Y4に貫通する第1下側スリットSL11、第2下側スリットSL12が設けられている。第1、第2下側スリットSL11及びSL12のスリット幅は、アナログ基板51及びデジタル基板52の板厚とほぼ同じに設けられている。また、上記第1下側突部15Aは、第2下側突部15Bよりも底板11からの高さが高くなるように設けられている。これにより、第1下側スリットSL11の開口が、第2下側スリットSL12の開口よりも上ケース20側に設けられる。
一対の基板第1保持部151R及び151L、152R及び152Lのうち演奏者の右側Y4に配置される基板第1保持部151R及び152Rは、演奏者の右側Y4から位置決め壁15C、第1下側突部15A、第2下側突部15Bの順で互いに鍵並び方向Y3、Y4(即ち上下の縁部E1の延在方向Y6)に並べて設けられている。また、一対の基板第1保持部151R及び151L、152R及び152Lのうち演奏者の左側Y3に配置される基板第1保持部151L及び152Lは、演奏者の左側Y3から位置決め壁15C、第1下側突部15A、第2下側突部15Bの順で鍵並び方向Y3、Y4に並べて設けられている。
そして、第1下側突部15Aに設けられた第1下側スリットSL11、及び、2つの下側突部15Bにそれぞれ設けられた2つの第2下側スリットSL12は、鍵並び方向Y3、Y4に沿って並んで設けられている。また、一対の連結壁15Dが、これら位置決め壁15C、第1下側突部15A、第2下側突部15Bの間をそれぞれ連結するように設けられている。2つの第2下側突部15Bのうち第1下側突部15A側に設けられた突部は、連結壁15Dよりも前後方向側に延在して底板11を補強する補強リブ部を構成する。
また、上記位置決め壁15Cは、アナログ基板51、デジタル基板52の鍵並び方向Y3、Y4、即ち延在方向Y6を挟むように設けられている。そして、位置決め壁15Cは、アナログ基板51、デジタル基板52の鍵並び方向Y3、Y4にある縁部E2と接してアナログ基板51、デジタル基板52の鍵並び方向Y3、Y4を位置決めする。
上記第1、第2下側突部15A、15Bには各々、前後方向に対向して設けられた一対のテーパTが設けられている。一対のテーパTは、第1、第2下側スリットSL11、SL12の上側に設けられている。一対のテーパTは、下方向に向かうに従って互いに近づくように設けられている。なお、一対のテーパT間距離は、アナログ基板51やデジタル基板52の板厚よりも広くなるように設けられている。
上記下側ボス16は、底板11に上ケース20に向かって突設されている。この下側ボス16には、上下方向Y5に貫通するネジ孔h1が形成されている。また、下側ボス16は、鍵並び方向Y3、Y4に6つ並べて配置されている。
次に、上ケース20について説明する。上ケース20は、図1(A)に示すように、後方立ち下がり部23と、前方立ち下がり部24と、左右立ち下がり部25とが設けられている。上板21には、鍵盤部30を露出するための鍵盤部開口21Aと、スピーカ(図示せず)を露出するためのスピーカ開口21Bとが設けられている。後方立ち下がり部23は、上板21の演奏者から離れた側Y2の縁部から立ち下がって設けられている。前方立ち下がり部24は、上板21の演奏者側Y1の縁部から立ち下がって設けられている。左右立ち下がり部25は、上板21の鍵並び方向Y3、Y4の縁部から立ち上がって設けられている。
下ケース10はまた、基板第2保持部261、262と、上側ボス26とが設けられている。基板第2保持部261は、アナログ基板51の上側の縁部E1を狭持するために設けられ、互いに離間して鍵並び方向Y3、Y4に並んで設けられている。基板第2保持部262は、デジタル基板52の下側の縁部を挟んで狭持するために設けられ、互いに離間して鍵並び方向Y3、Y4に並んで設けられている。
上記基板第2保持部261は各々、図1及び図4に示すように、上側突部26Aと、この上側突部26Aに設けられた上側スリット26Bとを有している。なお、基板第2保持部262は、基板第2保持部261と同様の構成のため詳細な説明を省略する。上側突部26Aはそれぞれ、鍵盤部30よりも演奏者から離れた側Y2の上板21、言い換えると、鍵盤部30と後方立ち下がり部23との間の上板21に下ケース10に向かって突出されている。上側スリット26Bは各々、上側突部26Aの下ケース10側が開口となり、かつ鍵並び方向Y3、Y4に貫通するように設けられている。上側スリット26Bの幅は、アナログ基板51、デジタル基板52の板厚とほぼ等しい大きさに設けられている。
上側ボス26は、上板21に下ケース10に向かって突設されている。上側ボス26は、上ケース20及び下ケース10を重ねたときに下側ボス16と重なる位置に設けられている。上側ボス26には、ネジ孔h2が設けられている。
次に、上述した構成の上ケース20及び下ケース10内に収容されるアナログ基板51及びデジタル基板52について説明する。アナログ基板51及びデジタル基板52は各々、正面視矩形の平板状に設けられている。上記アナログ基板51には、図2及び図4に示すように、放熱板55が取り付けられている。
放熱板55は、金属板から成り、図2に示すように、凹凸部が鍵並び方向Y3、Y4に交互に並べて設けられている。この凹凸部は、金属板を折り曲げて設けている。放熱板55は、アナログ基板51の演奏者とは離れた側Y2に配置される。放熱板55は、アナログ基板51と凹凸部との間に上下方向Y5に貫通する透孔60が設けられるように、アナログ基板51に重ねて固着されている。これにより、放熱板55は、その盤面Bが演奏者から離れた側Y2を向くように配置される。
また、アナログ基板51付近の底板11と後方立ち上がり部12とには、アナログ基板51から発生する熱を上ケース20及び下ケース10外に放熱させる複数の放熱孔17が設けられている。即ち、放熱板55の盤面Bと対向する後方立ち上がり部12に放熱孔17が設けられる。
また、アナログ基板51、デジタル基板52の基板第1保持部151R、151L、152R及び152L、基板第2保持部261、262に狭持される部分には各々弾性部材からなるテープ(弾性手段)70が貼り付けられている。
次に、上述した構成の上ケース20及び下ケース10内に収容される操作部用基板53について説明する。操作部22は、操作部用基板53を有している。この操作部用基板53は、上板21の下面に上板21と水平にネジによって取り付けられている。操作部22から引き出された配線部Lは、図1(A)に示すように、上板21の下面に配索され、アナログ基板51、デジタル基板52にそれぞれ接続されている。即ち、配線部Lは、図4に示すように、放熱板55の上方付近を跨ぐように配索される。この配線部Lの放熱板55上方付近を跨ぐ部分が、透孔60内を下から上に流れるアナログ基板51から熱の影響を受けて、不具合が発生する。
そこで、この配線部Lの放熱板55の上方付近に配索されている部分に、耐熱用基板54(第2基板)を設けて、配線部Lが熱の影響を受けないようにしている。耐熱用基板54は、上板21との間に配線部Lを挟んだ状態で上板21にネジ止めされている。これにより、配線部Lが上板21に取り付けられる。この耐熱用基板54は、操作部用基板53にミシン目を入れて一体に形成された後にミシン目で分離した余り基板から構成されている。
次に、上述した構成の上ケース20及び下ケース10内に収容されている鍵盤部30について説明する。鍵盤部30は、図4に示すように、黒鍵31及び白鍵32と、スイッチ基板33とを備えている。黒鍵31及び白鍵32は、鍵並び方向Y3、Y4に並べて複数、配置されている。スイッチ基板33は、黒鍵31及び白鍵32を押したときにオンするスイッチが搭載されている。
次に、上述した構成の電子鍵盤楽器の組立手順について以下説明する。まず、予め操作部22から引き出された配線部Lを上板21の下面に沿って配索した状態で、耐熱用基板54と操作部用基板53とが一体形成された一体基板を上板21の下面にネジによって固定する。このとき、上板21との間に配線部Lを挟むように、一体基板をネジで固定する。その後、一体基板をミシン目に沿って切って、耐熱用基板54と操作部用基板53とを分離させる。
また、アナログ基板51と放熱板55の凹凸部との間に上下方向Y5に貫通する透孔60が設けられるように、放熱板55をアナログ基板51に重ねて固着する。また、アナログ基板51、デジタル基板52の基板第1保持部151R、151L、152R及び152L、基板第2保持部261、262に狭持される部分にテープ70を貼り付ける。その後、アナログ基板51及びデジタル基板52の上側の縁部E1を上側突部26Aに設けた上側スリット26Bに挿入して上側突部26Aによって狭持させる。このとき、アナログ基板51に取り付けられた放熱板55が演奏者から離れた側Y2になるようにアナログ基板51の上側の縁部E1を上側突部26Aによって狭持させる。
次に、アナログ基板51及びデジタル基板52の下側の縁部E1が第1下側スリットSL11、第2下側スリットSL12に挿入され、かつアナログ基板51及びデジタル基板52が位置決め壁15C間に挿入されるように、下ケース10の上側に上ケース20を重ね合わせる。上記アナログ基板51及びデジタル基板52は、まず第1下側スリットSL11内に挿入され、第1下側突部15Aに狭持される(仮り係止)。このとき、第1下側突部15Aに設けたテーパTに沿ってアナログ基板51及びデジタル基板52を挿入すると、アナログ基板51及びデジタル基板52が第1下側スリットSL11に案内される。
その後、アナログ基板51及びデジタル基板52は、第2下側スリットSL12内に挿入され、第2下側突部15Bに狭持される。このとき、第2下側突部15Bに設けたテーパTに沿ってアナログ基板51及びデジタル基板52を挿入すると、アナログ基板51及びデジタル基板52が第2下側スリットSL21に案内される。
次に、下ケース10下側から下側ボス16のネジ孔h1、上側ボス26のネジ孔h2にネジ(固着手段)を挿入して上ケース20及び下ケース10をネジで固定して組立が完成する。
上述した電子鍵盤楽器の外装構造によれば、アナログ基板51、デジタル基板52の縁部E1がそれぞれ第1、第2下側スリットSL11、SL12及び上側スリット26B内に挿入されて第1、第2下側突部15A、15B及び上側突部26Aによって狭持されるように下ケース10の上側に上ケース20を重ねた状態で、上ケース20及び下ケース10がネジで固着されて設けられている。これにより、上ケース20及び下ケース10によって上下方向Y5からアナログ基板51、デジタル基板52を挟み込んで保持することができるため、アナログ基板51、デジタル基板52を上ケース20及び下ケース10に取り付けるためのネジ止め作業が不要になる。しかも下ケース10に対する上ケース20の取付作業時にアナログ基板51、デジタル基板52を上ケース20及び下ケース10に取り付けることができる。このため、組立作業を簡単に行うことができる。また、アナログ基板51、デジタル基板52が上ケース20及び下ケース10の上下方向Y5の補強となり、上ケース20及び下ケース10の外力による変形を防止することができる。また、アナログ基板51、デジタル基板52の上下の縁部E1が第1、第2下側突部15A、15B、上側突部26Aによって狭持されるため、アナログ基板51、デジタル基板52が前後方向に倒れるのを防止して、上ケース20及び下ケース10内に強固に固定される。
また、上述した電子鍵盤楽器の外装構造によれば、放熱板55をアナログ基板51の演奏者から離れた側Y2に配置し、しかも放熱板55の盤面Bを演奏者から離れた側Y2に向けるように配置するため、鍵盤部30に熱がこもるのを防ぐことができる。例えば、アナログ基板51と鍵盤部30との間に放熱板55を配置すると、鍵盤部30のフレーム(樹脂)に熱がこもり、鍵盤(樹脂)フレームに熱分布のアンバランスが起こる。それによって鍵盤部30のフレームがねじれ、各鍵毎のタッチレスポンスの均一性が悪くなったり、鍵盤演奏性(フラットな鍵盤ではなくなる)が低下するが、本実施形態によれば、鍵盤部30に熱がこもるのを防ぐことができ、アナログ基板51からの熱によって各鍵毎のタッチレスポンスの均一性の悪化や鍵盤演奏性が低下するのを防ぐことができる。
また、上述した電子鍵盤楽器の外装構造によれば、放熱板55に対向した後方立ち上がり部12に放熱孔17が設けられている。これにより、放熱効果を増すことができる。
また、上述した電子鍵盤楽器の外装構造によれば、放熱板55が、アナログ基板51と凹凸部との間に上下方向Y5に貫通する透孔60が設けられるように、アナログ基板51に重ねて固着されているので、放熱板55がアナログ基板51の補強になる。このため、アナログ基板51が上ケース20及び下ケース10をより一層補強し、上ケース20及び下ケース10の外力による変形を防止することができる。しかも、透孔60によって上下方向Y5に空気の通り道を作るため、より一層、放熱効果を増すことができる。
また、上述した電子鍵盤楽器の外装構造によれば、第1下側スリットSL11の開口を第2下側スリットSL12の開口よりも上ケース20側に設けることにより、アナログ基板51、デジタル基板52挿入時に最初に第1下側スリットSL11に挿入されその後に第2下側スリットSL12に挿入されるように設けられている。このように、時間差で挿入できる第1下側スリットSL11及び第2下側スリットSL12によってスムーズにアナログ基板51、デジタル基板52を下ケース10に装着することができる。また、第1下側スリットSL11及び第2下側スリットSL12が協働してアナログ基板51、デジタル基板52の前後方向(板厚方向)の調芯作用をする。
また、上述した電子鍵盤楽器の外装構造によれば、第1下側スリットSL11、第2下側スリットSL12が鍵並び方向Y3、Y4に並んで設けられているため、より一層スムーズにアナログ基板51、デジタル基板52を下ケース10に装着することができる。また、上述した電子鍵盤楽器の外装構造によれば、第2下側突部15B、第2下側スリットSL12が2つ、つまり複数設けられているため、より一層スムーズにアナログ基板51、デジタル基板52を下ケース10に装着することができる。また、2つの第2下側スリットSL12が各々延在方向Y6(鍵並び方向Y3、Y4)に並んで設けられているため、より一層スムーズにアナログ基板51、デジタル基板52を下ケース10に装着することができる。
また、上述した電子鍵盤楽器の外装構造によれば、アナログ基板51、デジタル基板52にテープ70を貼り付けることによりアナログ基板51、デジタル基板52が第1下側スリットSL11、第2下側スリットSL12内でガタツキがなく、強固に固着することができる。このため、楽音にメカ雑音が発生するのを防止し、ビリツキ音が発生するのを防止することができる。
また、上述した電子鍵盤楽器の外装構造によれば、位置決め壁15Cによりアナログ基板51、デジタル基板52の鍵並び方向Y3、Y4の位置決めを行うことができる。しかも、連結壁15Dによって第1下側突部15A、第2下側突部15Bと連結して一体に設けることにより、位置決め壁15C、第1、第2下側突部15A、15Bを補強することができる。
また、上述した電子鍵盤楽器の外装構造によれば、上板21との間に配線部Lを挟んで上板21に取り付けられる耐熱用基板54が、配線部Lの放熱板55の上方付近に配索されている部分に設けられているので、耐熱用基板54により放熱板55からの熱を遮断することができるため、放熱板55からの熱の影響により配線部Lに不具合が発生することを防止することができる。
また、上述した電子鍵盤楽器の外装構造によれば、耐熱用基板54が、操作部用基板53にミシン目を入れて一体に形成された後にミシン目で分離されて設けられているので、操作部用基板53と耐熱用基板54とを上ケース20及び下ケース10に取り付けるまで一体にしておけば、耐熱用基板54を紛失してしまうのを防止することができる。
なお、上述した実施形態によれば、下ケース10には後方立ち上がり部12を設けていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば下ケース10の演奏者とは離れた側Y2に開口を設け、上ケース20に下ケース10の演奏者とは離れた側Y2の開口を覆う背面板部を設けるような構成であってもよい。即ち、下ケース10が少なくとも底板11を有し、上ケース20が少なくとも上板21を有し、そして、上ケース20を下ケース10の上方から重ねて取り付けるようなものであれば、ケースの形状は上述した実施形態に限定されるものではない。
また、上述した実施形態によれば、上ケース20を下ケース10の上側から重ねて取り付けていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、上ケース20を下ケース10に対して演奏者側にスライドさせて取り付けるようにしてもよい。
また、上述した実施形態によれば、アナログ基板51、デジタル基板52を上下方向Y5に平行に配置していたが、本発明はこれに限ったものではない。アナログ基板51、デジタル基板52は、上板21や底板11と水平に配置してもよい。
また、上述した実施形態によれば、耐熱用基板54が、操作部用基板53にミシン目を入れて一体に形成された後にミシン目で分離されて設けられていたが、本発明はこれに限ったものではない。耐熱用基板54と操作部用基板53とを別々に設けるようにしてもよい。
また、上述した実施形態によれば、底板11に第1下側突部15A、第2下側突部15Bを設け、その第1下側突部15A、第2下側突部15Bに第1下側スリットSL11、第2下側スリットSL12を設けていたが、本発明はこれに限ったものではない。底板11に厚みがあれば、第1、第2下側突部15A、15Bを設けることなく、底板11に直接、第1、第2下側スリットSL11、SL12を設けることも考えられる。
また、上述した実施形態によれば、上板21に上側突部26Aを設け、この上側突部26Aに上側スリット26Bを設けていたが、本発明はこれに限ったものではない。上板21に厚みがあれば、上側突部26Aを設けることなく、上板21に直接、上側スリット26Bを設けることも考えられる。
また、上述した実施形態によれば、盤面Bが演奏者から離れた側Y2に向くように、アナログ基板51の演奏者から離れた側Y2に放熱板55を取り付けていたが、本発明はこれに限ったものではない。放熱板55の形状や配置位置も上述した実施形態に限定されるものではない。
また、上述した実施形態によれば、基板第1保持部151R、151L、152R及び152Lには各々、2つの第2下側突部15Bが設けられ、2つの第2下側スリットSL12が設けられていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、第2下側突部15B、第2下側スリットSL12は、1つだけ設けても良いし、3つ以上設けてもよい。
また、上述した実施形態によれば、基板第1保持部151R、151L、152R及び152Lには各々、第2下側突部15B、第2下側スリットSL12が設けられていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、基板第1保持部151R、151L、152R及び152Lに、基板第1保持部と同様に、第2下側突部15B、第2下側スリットSL12を設けないことも考えられる。
また、上述した実施形態によれば、位置決め壁15C、第1下側突部15A、第2下側突部15Bは、連結壁15Dによって連結されていたが、本発明はこれに限ったものではない。位置決め壁15C、第1下側突部15A、第2下側突部15Bの各々に強度があれば、連結壁15Dによって連結させる必要はない。
また、上述した実施形態によれば、基板第1保持部151R、151L、152R及び152Lには各々、位置決め壁15Cが設けられていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、基板第1保持部151R、151L、152R及び152Lに、基板第1保持部と同様に、位置決め壁15Cを設けないことも考えられる。
また、上述した実施形態によれば、アナログ基板51、デジタル基板52に弾性手段としてのテープ70を貼り付けていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、第1下側スリットSL11、第2下側スリットSL12、上側スリット26Bの内側にテープ70を貼り付けることも考えられる。
また、基板第1保持部151R、151L、152R及び152L、基板第2保持部261、262については、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、第1、第2下側突部15A、15Bと上側突部26Aとの少なくとも一方によってアナログ基板51及びデジタル基板52の板厚方向を狭持するようにしてもよい。このとき、第1、第2下側突部15A、15Bには、下方向に向かうに従ってスリット幅が狭くなるようなテーパを設け、上側突部26Aには、上方向に向かうに従ってスリット幅が狭くなるようなテーパを設ける。そして、第1、第2下側スリットSL11、SL12、上側スリット26Bにアナログ基板51、デジタル基板52を圧入すれば、弾性手段(テープ70)を設けなくても音楽発生時のビリツキ音を防止することができる。
また、上述した実施形態では、アナログ基板51、デジタル基板52は、上下方向Y5の縁部E1が第1、第2下側スリットSL11、SL12の底面、上側スリット26Bの底面にそれぞれ接していたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、アナログ基板51、デジタル基板52を第1、第2下側スリットSL11、SL12と上側スリット26Bとの少なくとも一方の底面から離間させ、アナログ基板51、デジタル基板52の板厚方向を第1、第2下側突部15A、15B、上側突部26Aによって狭持させて保持してもよい。また、このとき、アナログ基板51、デジタル基板52と、第1、第2下側スリットSL11、SL12や上側スリット26Bの底面との間にできた隙間にゴム接着剤を流し込んで、第1、第2下側スリットSL11、SL12や上側スリット26B内でのアナログ基板51、デジタル基板52のガタツキを防止して、音楽発生時のビリツキ音を防止することもできる。
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
10…下ケース、11…底板、20…上ケース、21…上板、22…操作部、30…鍵盤部、51…アナログ基板(放熱板付き第1基板)、53…操作部用基板、54…耐熱用基板(第2基板)、55…放熱板、L…配線部