JP4835203B2 - 車両用ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ポンプによる加圧によりホイールシリンダ(以下、W/Cという)に圧力(以下、W/C圧という)を発生させられる車両用ブレーキ制御装置に関するものである。
従来、特許文献1において、各車輪に対応して1つずつポンプを設けると共に、各配管系統毎に1つずつモータを設け、各モータによって各配管系統の2つのポンプを駆動するように構成したブレーキバイワイヤ式の車両用ブレーキ制御装置が提案されている。
特開平10−203338号公報
上記のような車両用ブレーキ制御装置において、各W/C毎に調圧回路を備えると共に調圧回路にリニア弁を配置し、リニア弁に対して流す電流の電流値を変化させることで、リニア弁の上下流間に発生させる差圧を変化させ、各W/C圧の調圧を行う構成とすることが考えられる。このような構成では、リニア弁に流す電流の電流値を変化させるのみで各W/C圧を調圧できるため、ドライバによるブレーキペダルの操作量に追従して速やかにW/C圧を変化させることが可能となる。具体的には、図15に示すように、ブレーキペダルの操作量に対応して変化するマスタシリンダ(以下、M/Cという)の圧力(以下、M/C圧という)に対してW/C圧が直線状に変化するような特性にできる。
しかしながら、このような特性とした場合、ブレーキペダルを少し操作しただけでW/C圧がそれに追従して変化するため、ドライバが意図的にブレーキペダルを操作していないときにまでW/C圧が変化することになり、反ってドライバのブレーキフィーリングが悪くなる。
本発明は上記点に鑑みて、リニア弁を用いて各W/C圧の調圧を行う車両用ブレーキ制御装置において、ドライバのブレーキフィーリングの向上を図ることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、制御手段(100)は、ブレーキ操作部材(1)の操作量に対する第1、第2前輪用もしくは第1、第2後輪用ホイールシリンダのホイールシリンダ圧の変化を示すマップとして、ブレーキ操作量が増大する過程のマップとなる行きマップ、および、ブレーキ操作部材の操作量が減少する過程のマップであって行きマップに対してヒステリシスを有した戻りマップを記憶した第1マップ記憶部(100a)と、操作量センサが検出したブレーキ操作部材の操作量に基づいて、第1マップ記憶部に記憶された行きマップと戻りマップのいずれか一方を選択する行き・戻りマップ選択部(100c)と、操作量センサが検出したブレーキ操作部材の操作量および行き・戻りマップ選択部にて選択したマップに基づき、操作量センサにて検出された操作量に対応する目標ホイールシリンダ圧を求める目標ホイールシリンダ圧演算部(100d)と、目標ホイールシリンダ圧演算部が演算した目標ホイールシリンダ圧に基づいて第1〜第4リニア弁に流す電流の電流値を調整するリニア弁出力調整部(100e)とを有していることを特徴としている。
このように、ブレーキ操作部材の操作量に対する目標ホイールシリンダ圧の特性が行きマップと戻りマップというヒステリシスを設けるような形態となるようにして、それを第1マップ記憶部に記憶させている。そして、ブレーキ操作部材の操作状態に応じて行きマップと戻りマップを選択し、第1〜第4リニア弁(SLFR、SLRL、SLFL、SLRR)に流す電流の電流値を決定するようにしている。
このため、ブレーキ操作部材を少し操作しただけでホイールシリンダ圧がそれに追従して変化するということを防止することができ、ドライバが意図的にブレーキペダルを操作していないときにまでホイールシリンダ圧が変化してしまうことを防止できる。したがって、ドライバのブレーキフィーリングを向上させることが可能となる。
具体的には、請求項1に記載したように、ブレーキ操作部材の操作量に対応するホイールシリンダ圧として、行きマップに基づいて求めたホイールシリンダ圧と戻りマップに基づいて求めたホイールシリンダ圧を求めるホイールシリンダ圧演算部(100b)を備え、行き・戻りマップ選択部において、行きマップを選択しているときには、行きマップに基づいて求めたホイールシリンダ圧と目標ホイールシリンダ圧演算部で前回演算された目標ホイールシリンダ圧のいずれか大きい方を第1ホイールシリンダ圧(P1)、戻りマップに基づいて求めたホイールシリンダ圧を第2ホイールシリンダ圧(P2)とし、戻りマップを選択しているときには、行きマップに基づいて求めたホイールシリンダ圧を第1ホイールシリンダ圧(P1)、戻りマップに基づいて求めたホイールシリンダ圧と目標ホイールシリンダ圧演算部で前回演算された目標ホイールシリンダ圧のいずれか小さい方を第2ホイールシリンダ圧(P2)として求める。そして、第1ホイールシリンダ圧と第2ホイールシリンダ圧を大小比較して第2ホイールシリンダ圧よりも第1ホイールシリンダ圧の方が大きければ、選択しているマップをもう一方のマップに切替えるようにしている。
なお、請求項1では、ブレーキ操作部材の操作量を操作量センサで検出するようにしているが、請求項2に示すように、ブレーキ操作部材の操作に伴って変動するブレーキ液圧に応じた検出信号を出力する圧力センサ(17、18)を備え、その圧力センサの検出信号より検出するようにしても良い。例えば、圧力センサとしては、マスタシリンダ(3)内のマスタシリンダ圧を検出するものを適用できる。
請求項3に記載の発明では、行き・戻りマップ選択部は、ブレーキ操作部材の操作量が無いときには行きマップを選択していることを特徴としている。
このように、ブレーキ操作部材の操作量が無いときには行きマップが選択されるようにすれば、ブレーキ操作部材の操作量があって直ぐのときには行きマップが選択されるようにすることができる。
請求項に記載の発明では、制御部は、目標ホイールシリンダ圧演算部で演算された目標ホイールシリンダ圧が増圧過程であるか減圧過程であるかを判定する増圧・減圧判定部(100f)と、目標ホイールシリンダ圧演算部で演算された目標ホイールシリンダ圧に対する第1〜第4リニア弁に流す電流の電流値の関係を示すマップとして、目標ホイールシリンダ圧が増圧する過程のマップとなる増圧マップ、および、目標ホイールシリンダ圧が減圧する過程のマップであって増圧マップに対してヒステリシスを有した減圧マップを記憶した第2マップ記憶部(100g)と、目標ホイールシリンダ圧演算部で演算された目標ホイールシリンダ圧に基づいて、第2マップ記憶部に記憶された増圧マップと減圧マップのいずれか一方を選択する増圧・減圧マップ選択部(100h)と、を有し、リニア弁出力調整部は、目標ホイールシリンダ圧演算部で演算された目標ホイールシリンダ圧および増圧・減圧マップ選択部にて選択したマップに基づき、目標ホイールシリンダ圧に対応する電流値を求め、該電流値に基づいて第1〜第4リニア弁に流す電流の電流値を求めることを特徴としている。
このように、第1〜第4リニア弁の特性を考慮し、目標ホイールシリンダ圧演算部で求められた目標ホイールシリンダ圧と第2マップ記憶部に記憶したマップを利用して、第1〜第4リニア弁に流す電流の電流値を決定している。このため、目標ホイールシリンダ圧が増圧中であるか、減圧中であるかに基づいて、適切に第1〜第4リニア弁に流す電流の電流値を設定することができる。これにより、目標ホイールシリンダ圧を増圧もしくは減圧しているにも関わらず、第1〜第4リニア弁に流す電流の電流値を変化させても、これらにより発生させられる差圧が変化せず、実際に発生させるホイールシリンダ圧が変化させられなくなるような現象を防止することが可能となる。
請求項に記載の発明では、リニア弁出力調整部にて、行き・戻りマップ選択部で選択されるマップが切り替わったときに、第1〜第4リニア弁に流す電流の電流値を段階的に変化させる段階電流制御を実行することを特徴としている。
このようにすれば、ドライバに対して実際のホイールシリンダ圧が急に増圧もしくは減圧したような感覚を与えることを防止でき、ブレーキフィーリングの違和感を防止することが可能になる。
この場合、例えば、請求項に示すように、リニア弁出力調整部は、段階電流制御の第1段階として、行き・戻りマップ選択部で前回選択されていたマップに基づいて目標ホイールシリンダ圧演算部で求めた前回の目標ホイールシリンダ圧に対応する第1電流値(I0)を求めると共に、行き・戻りマップ選択部で今回選択されるマップに基づいて目標ホイールシリンダ圧演算部で求めた前回の目標ホイールシリンダ圧に対応する第2電流値(I1)を求め、第1〜第4リニア弁に流す電流の電流値を第1電流値から第2電流値に変化させることができる。
そして、請求項に示すように、リニア弁出力調整部は、段階電流制御の第2段階以降の段階として、行き・戻りマップ選択部で今回選択されるマップに基づいて目標ホイールシリンダ圧演算部で求めた今回の目標ホイールシリンダ圧に対応する第3電流値(I4)を求め、第3電流値と第2電流値の差分を複数段階に分けることで、第1〜第4リニア弁に流す電流の電流値を段階的に変化させることができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態を適用した車両用ブレーキ制御装置の油圧回路構成を図1に示す。また、図2に、本実施形態の車両用ブレーキ制御装置の制御系を司るブレーキECU100の信号の入出力の関係を示す。以下、これらの図を参照して、本実施形態の車両用ブレーキ制御装置の構成について説明する。ここでは右前輪−左後輪、左前輪−右後輪の各配管系統を備えるX配管の油圧回路を構成する車両に本実施形態の車両用ブレーキ制御装置を適用した例について説明する。
図1に示されるように、車両用ブレーキ制御装置には、上述したブレーキECU100(図2参照)に加えて、ブレーキペダル1、踏力センサ2、マスタシリンダ(以下、M/Cという)3、ストローク制御弁SCSS、ストロークシミュレータ4、ブレーキ液圧制御用アクチュエータ5、ホイールシリンダ(以下、W/Cという)6FL、6FR、6RL、6RRが備えられている。
ドライバによってブレーキ操作部材に相当するブレーキペダル1が踏み込まれると、ブレーキペダル1に加えられる踏力が踏力センサ2に入力され、踏力センサ2から加えられた踏力に応じた検出信号が出力されるように構成されている。この検出信号はブレーキECU100に入力され、ブレーキECU100でブレーキペダル1に加えられた踏力が検出される。なお、ここではブレーキ操作部材の操作量を検出するための操作量センサとして踏力センサ2を例に挙げているが、ストロークセンサ等であっても良い。また、ストロークセンサの検出信号や後述するM/C圧を検出するための圧力センサ17、18の検出信号に基づいてドライバによるブレーキペダル1の操作状態を検出できるようにしても構わない。
ブレーキペダル1には、加えられた踏力をM/C3に伝達するプッシュロッド等が接続されており、このプッシュロッド等が押されることでM/C3に備えられるプライマリ室3aおよびセカンダリ室3bにM/C圧が発生させられるようになっている。
M/C3には、プライマリ室3aとセカンダリ室3bを構成するプライマリピストン3cおよびセカンダリピストン3dが備えられ、これらがスプリング3eの弾性力を受けることで、ブレーキペダル1が踏み込まれていないときには各ピストン3c、3dを押してブレーキペダル1を初期位置側に戻すように構成されている。
M/C3のプライマリ室3aとセカンダリ室3bからそれぞれブレーキ液圧制御用アクチュエータ5に伸びる管路A、Bが備えられている。
また、M/C3には、マスタリザーバ3fが備えられている。マスタリザーバ3fは、ブレーキペダル1が初期位置のときに、プライマリ室3aおよびセカンダリ室3bのそれぞれと図示しない通路を介して接続されるもので、M/C3内にブレーキ液を供給したり、M/C3内の余剰ブレーキ液を貯留する。
このマスタリザーバ3fからは、ブレーキ液圧制御用アクチュエータ5に向けて直接管路Cが延設されている。
ストロークシミュレータ4は、管路Bに繋がる管路Dに接続されており、セカンダリ室3b内のブレーキ液を収容する役割を果たす。管路Dには、管路Dの連通・遮断状態を制御できる常閉型の二位置弁により構成されたストローク制御弁SCSSが備えられ、このストローク制御弁SCSSにより、ストロークシミュレータ4へのブレーキ液の流動が制御できるように構成されている。
ブレーキ液圧制御用アクチュエータ5は、以下のように構成されている。
M/C3のプライマリ室3aと前輪FRに対応するW/C(前輪用第1W/C)6FRを接続するように、管路Aに繋げられる管路Eが備えられている。この管路Eには、第1常開弁SNO1が備えられている。第1常開弁SNO1は、非通電時には連通状態、通電時には遮断状態となる二位置弁であり、この第1常開弁SNO1によって管路Eの連通・遮断状態が制御される。
また、M/C3のセカンダリ室3bと前輪FLに対応するW/C(前輪用第2W/C)6FLを接続するように、管路Bが繋げられる管路Fが備えられている。この管路Fには、第2常開弁SNO2が備えられている。第2常開弁SNO2は、非通電時には連通状態、通電時には遮断状態となる二位置弁であり、この第2常開弁SNO2によって管路Fの連通・遮断状態が制御される。
また、マスタリザーバ3fから延設された管路Cが接続される管路Gが設けられている。この管路Gは、管路G1、G2、G3、G4という4本の管路に分岐して、上述した前輪FL、FRに対応するW/C6FL、6FR、および、後輪RL、RRに対応するW/C(後輪用第1、第2W/C)6RL、6RRに接続される。
各管路G1〜G4には、それぞれ1つずつポンプ(第1〜第4ポンプ)7、8、9、10が備えられている。各ポンプ7〜10は、例えば静寂性に有効なトロコイドポンプにより構成されている。ポンプ7〜10のうち、ポンプ7、8は、第1モータ11によって駆動され、ポンプ9、10は、第2モータ12によって駆動される。第1、第2モータ11、12としてどのようなモータを用いても良いが、立上りが早いブラシレスモータを用いると好ましい。
また、ポンプ7〜10のそれぞれには、並列的に調圧回路を構成する管路H1、H2、H3、H4が備えられている。
ポンプ7に対して並列的に接続された管路H1には、直列的に接続された第1常閉弁SWC1と第1リニア弁SLFRが備えられ、第1常閉弁SWC1がポンプ7の吸入ポート側(上流側)に第1リニア弁SLFRが吐出ポート側(下流側)に位置するように配置されている。つまり、第1常閉弁SWC1により、管路H1を通じてマスタリザーバ3f側へのブレーキ液の返流を制御できる構成とされている。
ポンプ8に対して並列的に接続された管路H2には、第2リニア弁SLRLが備えられている。
ポンプ9に対して並列的に接続された管路H3には、直列的に接続された第2常閉弁SWC2と第3リニア弁SLFLが備えられ、第2常閉弁SWC2がポンプ9の吸入ポート側(上流側)に第3リニア弁SLFLが吐出ポート側(下流側)に位置するように配置されるている。つまり、第2常閉弁SWC2により、管路H3を通じてマスタリザーバ3f側へのブレーキ液の返流を制御できる構成とされている。
ポンプ10に対して並列的に接続された管路H4には、第4リニア弁SLRRが備えられている。
そして、管路G1〜G4のうち、各ポンプ7〜10と各W/C6FR〜6RRの間に圧力センサ(第1〜第4圧力センサ)13、14、15、16が配置されることで、各W/C圧が検出できるように構成されていると共に、管路E、Fのうち第1、第2常開弁SNO1、SNO2よりも上流側(M/C3側)にも圧力センサ17、18が配置されることで、M/C3のプライマリ室3aとセカンダリ室3bに発生しているM/C圧を検出できるように構成されている。そして、これら各圧力センサ13〜18の検出信号が図2に示すようにブレーキECU100に入力される。
さらに、前輪FRに対するW/C6FRを加圧するためのポンプ7の吐出ポートおよび前輪FLに対するW/C6FLを加圧するためのポンプ9の吐出ポートには、それぞれ、逆止弁20、21が備えられている。これら逆止弁20、21は、W/C6FR、6FL側からポンプ7、9側へのブレーキ液の流動を禁止するために備えられている。このような構造により、ブレーキ液圧制御用アクチュエータ5が構成されている。
このような車両用ブレーキ制御装置では、上述した管路A、管路Eを通じてプライマリ室3aとW/C6FRを繋ぐ油圧回路(第1補助管路)と、管路C、管路G、G1、G2を通じてマスタリザーバ3fとW/C6FR、6RLを繋ぐ油圧回路(主管路)、および、ポンプ7、8に並列的に接続された管路H1、H2の油圧回路(第1、第2調圧回路)が第1配管系統を構成するものとなる。
また、管路B、管路Fを通じてセカンダリ室3bとW/C6FRを繋ぐ油圧回路(第2補助管路)と、管路C、管路G、G3、G4を通じてマスタリザーバ3fとW/C6FL、6RRを繋ぐ油圧回路(主管路)、および、ポンプ9、10に並列的に接続された管路H3、H4の油圧回路(第3、第4調圧回路)が第2配管系統を構成するものとなる。
ブレーキECU100は、CPU、ROM、RAM、I/O等を備えた周知のマイクロコンピュータによって構成され、ROMなどに記憶されたプログラムに従って各種ブレーキ制御処理を実行する。このブレーキECU100には、例えば、各種制御弁SCSS、SNO1、SNO2、SWC1、SWC2、SLFR、SLRL、SLFL、SLRRや第1、第2モータ11、12への電力供給ラインのON/OFFを制御する半導体スイッチング素子(図示せず)が備えられており、この半導体スイッチング素子のON/OFFを制御すること等により、電力供給のON/OFFや単位時間当たりに供給する電流値を制御できるようになっている。
具体的には、ブレーキECU100は、第1マップ記憶部100a、W/C圧演算部100b、行き・戻りマップ選択部100c、目標W/C演算部100d、リニア弁出力調整部100eを備えている。
第1マップ記憶部100aは、ブレーキペダル1の操作に基づく行きマップと戻りマップを記憶している。図3は、行きマップと戻りマップを共に示した図である。行きマップとは、ブレーキペダル1の操作量が増大する過程において、目標W/C圧を増加させるような形態とされるマップを示しており、図3中の(1)のマップが該当する。戻りマップとは、ブレーキペダル1の操作量が減少する過程において、目標W/C圧を減少させるような形態とされるマップを示しており、図3中の(2)のマップが該当する。
W/C圧演算部100bは、決められた演算周期毎にW/C圧の演算を行うことで、マップ選択に用いるW/C圧を求めるものである。具体的には、W/C圧演算部100bは、行きマップに基づくブレーキペダル1の操作量に応じたW/C圧と、戻りマップに基づくブレーキペダル1の操作量に応じたW/C圧を求める。ここでいう行きマップもしくは戻りマップに基づくブレーキペダル1の操作量に応じたW/C圧とは、行きマップが選択されている場合と戻りマップが選択されている場合、それぞれの場合におけるブレーキペダル1の操作量に対応したW/C圧のことを意味している。したがって、行きマップに基づくブレーキペダル1の操作量は、図3の(1)のマップからブレーキペダル1の操作量に対応するW/C圧を読み取ることで求められ、戻りマップに基づくブレーキペダル1の操作量は、図3の(2)のマップからブレーキペダル1の操作量に対応するW/C圧を読み取ることで求められる。
行き・戻りマップ選択部100cは、W/C圧演算部100bの演算結果や後述するように目標W/C圧演算部100dで求められた前回の演算周期のときの目標W/C圧(以下、前回出力値という)に基づいて、行きマップと戻りマップのいずれを選択するかを決定するものである。
具体的には、行き・戻りマップ選択部100cは、前回の演算周期のときに選択したマップが行きマップと戻りマップのいずれであるかを記憶しており、その記憶内容に応じて異なる演算を行う。
まず、前回の演算周期のときに行きマップが選択されていた場合には、行き・戻りマップ選択部100cは、行きマップに基づくブレーキペダル1の操作量に応じたW/C圧と前回出力値を比較し、いずれか大きい方をW/C圧(第1W/C圧)P1とする。また、戻りマップに基づくブレーキペダル1の操作量に応じたW/C圧をW/C圧(第2W/C圧)P2とする。そして、W/C圧P1がW/C圧P2よりも小さいときにはそのまま行きマップを選択し、W/C圧P1がW/C圧P2よりも大きくなったときに戻りマップを選択する。
次に、前回の演算周期のときに戻りマップが選択されていた場合には、行き・戻りマップ選択部100cは、行きマップに基づくブレーキペダル1の操作量に応じたW/C圧をW/C圧P1とする。また、戻りマップに基づくブレーキペダル1の操作量に応じたW/C圧と前回出力値を比較し、いずれか小さい方をW/C圧P2とする。そして、W/C圧P2がW/C圧P1よりも大きいときにはそのまま戻りマップを選択し、W/C圧P2がW/C圧P1よりも小さくなったときに行きマップを選択する。
目標W/C圧演算部100dは、目標制動力を発生させるために必要となる目標W/C圧の演算を行うものである。具体的には、目標W/C圧演算部100dは、踏力センサ2の検出信号からブレーキ操作量に相当する踏力の物理値を求めたのち、行き・戻りマップ選択部100cで選択されたマップが行きマップであるか戻りマップであるかに基づき、選択されたマップに相応した目標W/C圧を求める。
リニア弁出力調整部100eは、目標W/C圧演算部100dで求めた目標W/C圧に応じて、リニア弁出力すなわち各リニア弁SLFR〜SLRRに対して流す電流の電流値を決めると共に、その演算結果に基づいて第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRに対して流す電流の調整を行うものである。例えば、各リニア弁SLFR〜SLRRに対して流す電流のON/OFFのデューティ比を設定することで単位時間当たりに流す電流の電流値を決めている。そして、リニア弁出力調整部100eは、その演算結果に基づいて、例えば、第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRへの電力供給ラインに備えられる半導体スイッチング素子のON/OFFを制御することで、単位時間当たりに供給する電流値を制御し、第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRで発生させる差圧が設定された目標W/C圧に応じた値となるようにする。
また、ブレーキECU100は、リニア弁出力調整部100eを介して第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRに流す電流の制御を行うのに加え、各種制御弁SCSS、SNO1、SNO2、SWC1、SWC2や第1、第2モータ11、12を駆動するための制御信号(制御電流)を出力することで、各W/C6FR〜6RRに対してW/C圧を発生させる。そして、ブレーキECU100は、各圧力センサ13〜18の検出信号からW/C圧およびM/C圧を求めることで、実際に発生させられている制動力(実制動力)をフィードバックし、目標制動力に近づけるようにする。
なお、ブレーキECU100や各種制御弁SCSS、SNO1、SNO2、SWC1、SWC2、SLFR、SLRL、SLFL、SLRRや第1、第2モータ11、12を駆動するための制御信号の出力は、図示しない車載バッテリからの電力供給に基づいて行われる。
続いて、上記のように構成される車両用ブレーキ制御装置の動作について説明する。
ブレーキ時には、第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRに対して、目標W/C圧演算部100dで演算される目標W/C圧に基づいて決定された電流値の電流が流される。ここで用いられる目標W/C圧は、行き・戻りマップ選択部100cでのマップの選択結果に基づいて演算される。このため、車両用ブレーキ制御装置は、ブレーキ動作中およびブレーキ動作に先立ち、常に行き・戻りマップ選択部100cによるマップ選択を行っている。
図4は、行き・戻りマップ選択部100cで行われるマップ選択処理のフローチャートである。この図に示される処理は、例えば図示しないイグニッションスイッチがONにされている期間中、常に実行され、予め決められた演算周期毎に実行される。以下、この図を参照してマップ選択処理の詳細について説明する。
まず、ステップ110では、ドライバによるブレーキペダル1の操作があったか否かを判定する。そして、ブレーキペダル1の操作がない初期状態、つまりブレーキ動作前のときにはステップ120に進み、行きマップを選択して処理を終了する。したがって、ドライバによるブレーキペダル1の操作があって直ぐのときには行きマップが選択された状態となる。
一方、ステップ110で肯定判定されると、ステップ130に進み、行きマップが選択されているか否かを判定する。そして、行きマップが選択されている場合には、ステップ140に進み、行きマップに基づくブレーキペダル1の操作量に応じたW/C圧と前回出力値を比較し、いずれか大きい方をW/C圧P1とすると共に、戻りマップに基づくブレーキペダル1の操作量に応じたW/C圧をW/C圧P2とする。
また、行きマップではなく戻りマップが選択されていた場合には、ステップ150に進み、行きマップに基づくブレーキペダル1の操作量に応じたW/C圧をW/C圧P1とすると共に、戻りマップに基づくブレーキペダル1の操作量に応じたW/C圧と前回出力値を比較し、いずれか小さい方をW/C圧P2とする。
そして、ステップ140およびステップ150の処理を終えたらステップ160に進み、W/C圧P1がW/C圧P2よりも小さいか否かを判定し、肯定判定された場合には現在選択されているマップをそのまま選択し、否定判定された場合にはステップ170に進んで現在行きマップが選択されているか否かを判定して、行きマップが選択されていればステップ180に進んで選択するマップを戻りマップに切り替え、戻りマップが選択されていればステップ190に進んで選択するマップを行きマップに切替える。
すなわち、行きマップが選択されていた場合において、W/C圧P1がW/C圧P2よりも小さいときにはそのまま行きマップを選択し、W/C圧P1がW/C圧P2よりも大きくなったときに戻りマップを選択する。また、戻りマップが選択されていた場合において、W/C圧P2がW/C圧P1よりも大きいときにはそのまま行きマップを選択し、W/C圧P2がW/C圧P1よりも小さくなったときに行きマップを選択する。
このようにしてマップ選択が行われる。このため、目標W/C圧演算部100dは、ブレーキペダル1の操作量と選択されたマップに基づいて、第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRに対して流す電流の電流値を決定する。
次に、本実施形態の車両用ブレーキ制御装置の具体的なブレーキ動作について、通常ブレーキ時および車両用ブレーキ制御装置に異常が発生した場合(以下、異常時という)に分けて説明する。
図5は、通常ブレーキ時および異常時の各部の駆動状態を示した模式図である。なお、異常が発生したか否かに関しては、従来より行われているイニシャルチェックなどに基づいてブレーキECU100で判定され、一旦異常が発生するとそれが解除されるまでは異常時のブレーキ動作が行われることになる。以下、この図を参照して通常ブレーキ時、ABS制御時および異常時の動作について説明する。
(1)通常ブレーキ時の動作
通常ブレーキ時には、ブレーキペダル1が踏み込まれ、ブレーキ操作量センサ2の検出信号がブレーキECU100に入力されると、ブレーキECU100が図5に示すような駆動形態となるように各種制御弁SCSS、SNO1、SNO2、SWC1、SWC2、SLFR〜SLRRや第1、第2モータ11、12を駆動する。
すなわち、第1、第2常開弁SNO1、SNO2への通電は共にONされ、第1、第2常閉弁SWC1、SWC2への通電も共にONされる。これにより、第1、第2常開弁SNO1、SNO2は共に遮断状態、第1、第2常閉弁SWC1、SWC2は共に連通状態とされる。
また、第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRは、通電のON/OFFがデューティ制御(もしくはPWM制御)されることで、単位時間当たりの通電量が調整され、上下流間に発生させる差圧量がリニアに制御される。このとき、第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRに流す電流の電流値は、上記のようにして選択されたマップに基づいて決定される。
ストローク制御弁SCSSに関しては、通電がONされる。このため、管路B、Dを通じて、ストロークシミュレータ4がセカンダリ室3bと連通状態となり、ブレーキペダル1が踏み込まれたときに、各ピストン3c、3dが移動しても、セカンダリ室3b内のブレーキ液がストロークシミュレータ4に移動することになる。したがって、ドライバがブレーキペダル1を踏み込んだときに踏み込みに応じた反力が得られ、かつ、M/C圧が高圧になり過ぎることでブレーキペダル1に対して硬い板を踏み込むような感覚(板感)が発生することなく、ブレーキペダル1が踏み込めるようになっている。
さらに、第1、第2モータ11、12への通電が共にONされ、ポンプ7〜10によるブレーキ液の吸入・吐出が行われる。このようにして、ポンプ7〜10によるポンプ動作が行われると、各W/C6FR〜6RRに対してブレーキ液が供給される。
このとき、第1、第2常開弁SNO1、SNO2が遮断状態とされているため、ポンプ7〜10の下流側のブレーキ液圧、つまり各W/C6FR〜6RRのW/C圧が増加させられることになる。そして、第1、第2常閉弁SWC1、SWC2が連通状態とされ、かつ、第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRへの単位時間当たりの通電量がデューティ制御されているため、デューティ比に応じて各W/C6FR〜6RRのW/C圧が調整される。
そして、ブレーキECU100にて、各圧力センサ13〜16の検出信号に基づいて各車輪FR〜RRのW/C6FR〜6RRに発生しているW/C圧をモニタリングし、第1、第2モータ11、12の通電量を調整することで第1、第2モータ11、12の回転数を制御すると共に、第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRへの通電のON/OFFのデューティ比を制御することで、各W/C圧が所望の値となるようにする。
これにより、ブレーキペダル1のブレーキ操作量に応じた制動力が発生させられることになる。
(2)異常時のブレーキ動作
異常時には、ブレーキECU100から制御信号が出力できなくなるか、もしくは、各種制御弁SCSS、SNO1、SNO2、SWC1、SWC2、SLFR〜SLRRや第1、第2モータ11、12が正常に駆動されない可能性がある。このため、各種制御弁SCSS、SNO1、SNO2、SWC1、SWC2、SLFR〜SLRRや第1、第2モータ11、12すべてに関して、図5に示されるように通電がOFFされる。
すなわち、第1、第2常開弁SNO1、SNO2への通電が共にOFFとなるため、これらは共に連通状態となる。第1、第2常閉弁SWC1、SWC2への通電も共にOFFとなるため、これらは共に遮断状態とされる。
また、第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRも、すべて通電がOFFとなるため、すべて連通状態となる。ストローク制御弁SCSSも通電がOFFとなるため、ストロークシミュレータ4とセカンダリ室3bの間が遮断状態となる。
さらに、第1、第2モータ11、12への通電が共にOFFとなり、ポンプ7〜10によるブレーキ液の吸入・吐出も停止される。
このような状態になると、M/C3におけるプライマリ室3aは、管路A、E、G1を介して右前輪FRにおけるW/C6FRとつながった状態となり、セカンダリ室3bは、管路B、F、G3を通じて左前輪FLにおけるW/C6FLとつながった状態となる。
このため、ブレーキペダル1が踏み込まれ、加えられた踏力に応じてプッシュロッド等が押されることで、M/C3におけるプライマリ室3aおよびセカンダリ室3bにM/C圧が発生させられると、それが両前輪FL、FRのW/C6FL、6FRに伝えられる。これにより、両前輪FL、FRに対して制動力が発生させられることになる。
なお、このような異常時の作動において、前輪側の各W/C6FR、6FLのW/C圧が管路G1、G3に発生することになるが、逆止弁20、21を備えているため、このW/C圧がポンプ7、9に加わることによってポンプ7、9でのブレーキ液漏れが発生し、W/C圧が低下してしまうことを防ぐことが可能となる。
以上説明したように、本実施形態の車両用ブレーキ制御装置によれば、ブレーキペダル1の操作量に対する目標W/C圧の特性が行きマップと戻りマップというヒステリシスを設けるような形態となるようにしている。そして、ブレーキペダル1の操作状態に応じて行きマップと戻りマップを選択し、第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRに流す電流の電流値を決定するようにしている。
このため、ブレーキペダル1を少し操作しただけでW/C圧がそれに追従して変化するということを防止することができ、ドライバが意図的にブレーキペダルを操作していないときにまでW/C圧が変化してしまうことを防止できる。したがって、ドライバのブレーキフィーリングを向上させることが可能となる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態に対して、さらに第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRに対して流す電流と発生させられる差圧の特性を考慮して、第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRに流す電流の電流値を決定する。
第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRに対して電流を流せば、その電流値に応じて発生させられる差圧が変化するため、目標W/C圧に対応する差圧(目標W/C圧=差圧)を発生させるべく、第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRに対して流す電流の電流値を決定している。しかしながら、実際には、第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRの特性として、電流−差圧の関係は図6に示すようなヒステリシス特性を有している。このため、図6中の(1)に示す差圧を増圧する過程と(2)に示す差圧を減圧する過程とで同じW/C圧を発生させるために第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRに対して流すべき電流の電流値が変わってくる。
例えば、目標W/C圧がP1〜P2に減圧している場合には、第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRに流す電流の電流値をI1からI2に変化させなければ、実際のW/C圧を減圧することができないが、(1)に示す増圧過程のマップしか持っていなければ、電流値をI1〜I3に変化させてしまうことになり、実際のW/C圧が変化しないような現象が発生する。
したがって、本実施形態では、上記第1実施形態において目標W/C圧演算部100dで求められた目標W/C圧と図6に示すマップを利用して、第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRに流す電流の電流値を決定する。
図7は、本実施形態の車両用ブレーキ制御装置の制御系を司るブレーキECU100の信号の入出力の関係を示した図である。なお、ブレーキECU100の構成以外に関しては、上記第1実施形態と同様であるため、ここでは第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図7に示すように、本実施形態のブレーキECU100には、上記第1実施形態で示した各部に加えて、増圧・減圧判定部100f、第2マップ記憶部100g、増圧・減圧マップ選択部100hが備えられている。
増圧・減圧判定部100fは、目標W/C圧が増圧する過程であるか減圧する過程であるかの判定を行うものである。この判定は、目標W/C圧演算部100dで求められた目標W/C圧に基づいて行われ、前回の演算周期のときに求めた目標W/C圧と今回の演算周期のときの求めた目標W/C圧の大小を比較し、前者よりも後者の方が大きければ増圧過程、逆の関係であれば減圧過程であると判定される。
第2マップ記憶部100gは、図6に示すような目標W/C圧、つまり差圧の変化に対応して第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRに流す電流の電流値のマップを記憶している。図6の(1)に示すマップは、目標W/C圧の増圧に対応する電流値のマップ(以下、増圧マップという)であり、図6の(2)に示すマップは、目標W/C圧の減圧に対応する電流値のマップ(以下、減圧マップという)である。増圧マップとは、目標W/C圧が増大するような過程において、それに対応する電流値を示したマップである。減圧マップとは、目標W/C圧が減少するような過程において、それに対応する電流値を示したマップである。
増圧・減圧マップ選択部100hは、増圧・減圧判定部100fの判定結果と第2マップ記憶部100gに記憶してあるマップに基づいて、図6の(1)に示す増圧マップと図6の(2)に示す減圧マップのいずれかを選択するものである。
これらの構成が追加されているため、リニア弁出力調整部100eは、増圧・減圧マップ選択部100hでの選択結果と目標W/C圧演算部100dで求めた目標W/C圧に基づいて、第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRに流す電流の電流値を決定している。
以下、第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRに流す電流の電流値の具体的な決定手法について説明する。
まず、増圧・減圧判定部100fでは、目標W/C圧演算部100dで今回と前回の演算周期のときに求められた目標W/C圧の差を求め、その差が正の値であるか負の値であるかを求める。このとき、今回の演算周期で求められた目標W/C圧の方が前回の演算周期よりも大きく、差が正の値であった場合には目標W/C圧が増圧中であるものと判定され、その逆で差が負の値であった場合には目標W/C圧が減圧中であるものと判定される。なお、このとき差が0であれば、前回と同じマップが選択される。
そして、増圧・減圧マップ選択部100hにて、増圧・減圧判定部100fでの判定結果に基づき、増圧中との判定結果であれば図6の(1)に示す増圧マップを選択し、減圧中との判定結果であれば図6の(2)に示す減圧マップを選択する。これに基づき、目標W/C圧に対応する電流値を、増圧マップが選択されたときには増圧マップに基づいて求め、減圧マップが選択されたときには減圧マップに基づいて求める。例えば、前回の演算周期の目標W/C圧が図6中のP1であり、今回の演算周期の目標W/C圧がP2に減圧していた場合、減圧マップに基づいて電流値I2が求められる。逆に、前回の演算周期の目標W/C圧が図6中のP2であり、今回の演算周期の目標W/C圧がP1に増圧していた場合、増圧マップに基づいて電流値I1が求められる。
以上説明したように、本実施形態では、第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRの特性を考慮し、目標W/C圧演算部100dで求められた目標W/C圧と図6に示すマップを利用して、第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRに流す電流の電流値を決定している。
このため、目標W/C圧が増圧中であるか、減圧中であるかに基づいて、適切に第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRに流す電流の電流値を設定することができる。これにより、目標W/C圧を増圧もしくは減圧しているにも関わらず、第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRに流す電流の電流値を変化させても、これらにより発生させられる差圧が変化せず、実際に発生させるW/C圧が変化させられなくなるような現象を防止することが可能となる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。上記第2実施形態では、第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRに流す電流の電流値が目標W/C圧の増圧もしくは減圧に対応して適切な値となるようにしている。しかしながら、図6に示すように、電流値がI1〜I2に変化させる際に、その変化が大きいと、ドライバに対して実際のW/C圧が急に増圧もしくは減圧したような感覚を与え、ブレーキフィーリングに違和感を与える可能性がある。本実施形態では、それを防止するものであり、ブレーキECU100におけるリニア弁出力調整部100eで実行される処理以外に関しては、上記第2実施形態と同様であるため、ここでは第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態では、上記第2実施形態に対して、目標W/C圧が減圧過程から増圧過程に切り替わった瞬間、若しくは、増圧過程から減圧過程に切り替わった瞬間を検出し、この瞬間には第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRに流す電流の電流値が大きく変化するものと想定して、その電流値の変化を段階的に行う。この電流値の変化を段階的に行うための処理をリニア弁出力調整部100eで実行している。
図8および図9A、図9Bは、リニア弁出力調整部100eで実行する処理を表したもので、図8は、第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRに流す電流の電流値を段階的に変化させるという段階電流制御を実行するか否かの判定を行う段階電流制御判定処理を示したフローチャートである。図9A、図9Bは、段階電流制御を行うための出力電流値演算処理のフローチャートである。図8に示す段階電流制御判定処理は、上述した図5に示すマップ選択処理と同様の演算周期毎に実行され、図9A、図9Bに示す段階出力電流値演算処理は段階電流制御判定処理の1/4の演算周期毎に実行される。以下、これらの図を参照して、リニア弁出力調整部100eで実行する処理について説明する。
まず、上記第2実施形態で示したように、増圧マップと減圧マップのいずれを用いるかが決まると、図8のステップ200〜220において、前回行きマップが選択されていた状態から今回戻りマップが選択された状態であるか、もしくは、前回戻りマップが選択されていた状態から今回行きマップが選択された状態であるか、つまり選択されたマップが切り替わったか否かを判定している。具体的には、ステップ200で前回行きマップが選択されているか否かを判定している。そして、前回行きマップが選択されていればステップ210で今回戻りマップが選択されているか否かを判定し、前回行きマップが選択されていなければステップ220で今回行きマップが選択されているか否かを判定している。
そして、選択されたマップが切り替わっており、ステップ210もしくはステップ220で肯定判定されればステップ230に進み、選択されたマップが切り替わっておらず、ステップ210もしくはステップ220で否定判定されればステップ240に進む。
ステップ230では、選択されたマップの切り替りにより電流値の変化が大きくなると想定し、段階電流制御フラグをONさせると共に、1段階目電流値出力完了フラグをOFFさせる。ここでいう段階電流フラグとは、電流値の変化を段階的に行うという制御を実行するか否かを示すフラグであり、このフラグがONになると当該制御が実行される。また、1段階目電流値出力完了フラグとは、後で説明する出力電流値演算処理において1段階目の電流値の出力が行われたか否かの判定に用いるフラグであり、このフラグがOFFされると、まだ1段階目の電流値の出力が行われていないと判定される。
一方、ステップ240では、選択されたマップが切り替わっておらず、電流値の変化が大きくならないと想定し、段階電流制御フラグをOFFさせて処理を終了する。
続いて、図9A、図9Bに示す出力電流値演算処理では、図8に示す段階電流制御判定処理での判定結果に基づいて、電流値の変化を段階的に行うという制御を実行する。
まず、出力電流制御演算処理の概略について、図10を参照して説明する。図10(a)は、前回の演算周期のときに戻りマップが選択されていたが、今回の演算周期のときに行きマップが選択されることでマップが切り替わった場合、つまり目標W/C圧が減圧過程から増圧過程に切り替わった場合における電流値の変化のさせ方を示した模式図であり、図10(b)は、本制御が実行されてからの経過時間に対する電流値の変化を示した模式図である。
目標W/C圧が減圧過程から増圧過程に切り替わる前には、減圧マップに基づいて目標W/C圧に対応する電流値を求めていたが、切り替わった瞬間、増圧マップに基づいて目標W/C圧に対応する電流値を求めることになる。この場合、図10(a)に示すように、目標W/C圧がP1からP4に変化したとすると、減圧マップに基づいて求めた電流値(前回出力値)であるI0から増圧マップに基づいて求めた電流値であるI4に大きく変化することになる。このため、本実施形態では、電流値の変化が4段階に分けて行われるようにする。
すなわち、まず第1段階として、前回の演算周期のときの目標W/C圧をそのまま用い、増圧マップに基づいて目標W/C圧に対する電流値を求める。次に、第2段階から第4段階として、前回の演算周期のときの目標W/C圧から今回の演算周期のときの目標W/C圧になるまで3段階に分けて電流値が変化するようにする。
このようにすれば、図10(a)に示すように、本制御が実行されてからの時間が経過するに連れて、徐々に電流値が変化することになり、ドライバに対して実際のW/C圧が急に増圧もしくは減圧したような感覚を与えることを防止でき、ブレーキフィーリングの違和感を防止することが可能になる。なお、図9A、図9Bに示す出力電流値演算処理は、図8に示す段階電流制御判定処理の1/4の演算周期としてあるため、上述した電流値を段階的に変化させる一連の制御を段階電流制御判定処理の演算周期1周期分で行うことが可能となる。
続いて、図9A、図9Bに示す出力電流値演算処理の詳細について説明する。まず、ステップ300において、今回行きマップが選択されているか否かを判定し、行きマップが選択されていればステップ305に進み、戻りマップが選択されていればステップ345に進む。
ステップ305では、段階電流制御フラグがONになっているか否かを判定する。上述した図8におけるステップ230にて段階電流制御フラグがONされていればステップ305で肯定判定され、ステップ240で段階電流制御フラグがOFFされていればステップ305で否定判定される。そして、このステップで肯定判定されればステップ310に進み、否定判定されればステップ335に進む。
ステップ310では、1段階目電流値出力完了フラグがOFFになっているか否かを判定する。上述した図8におけるステップ230において1段階目電流値出力完了フラグがOFFされていれば本ステップで肯定判定され、後述するステップ320において1段階目電流値出力完了フラグがONされていれば本で否定判定される。そして、このステップで肯定判定されればステップ315に進み、否定判定されればステップ325に進む。
ステップ315では、図10(a)に示した1段階目の電流値を設定すべく、今回の出力電流値を求める。具体的には、前回の目標W/C圧を用いて、その目標W/C圧に対応する電流値を増圧マップから求める。例えば、図10(a)の場合には、目標W/C圧がP1となり、増圧マップから求めた電流値がI1となる。この後、1段階目の電流値出力が完了したものとして、ステップ320に進み、1段階目電流出力完了フラグをONしたのち、再度ステップ300から処理を繰り返す。
一方、ステップ325では、図10(b)に示した2段階目以降の電流値を設定する為の処理を行う。具体的には、今回の目標W/C圧に対応する電流値を増圧マップに基づいて求め、それが前回の出力電流値よりも大きいか否かを判定する。今回の目標W/C圧に対応する電流値を増圧マップが前回の出力電流値よりも大きくなるような場合には、上述したように電流値の変化が大きく、段階的に電流値を変化させる制御を実行する必要がある。しかしながら、今回の目標W/C圧に対応する電流値を増圧マップが前回の出力電流値よりも小さくなるような場合には、段階的に電流値を変化させる制御を実行する必要がない。このため、ステップ325において、段階的に電流値を変化させる制御を実行する必要があるか否かを判定する。
ステップ325で肯定判定されると、ステップ330に進み、今回の出力電流値を求める。具体的には、前回の出力電流値に対して、今回の目標W/C圧に対応した増圧マップに基づいて求めた電流値と前回の目標W/C圧に対応した増圧マップに基づいて求めた電流値の差分を3分割した値を足し合わせ、それを今回の出力電流値に設定する。例えば、図10(a)の場合には、前回の出力電流値がI1、今回の目標W/C圧に対応した増圧マップに基づいて求めた電流値がI4、前回の目標W/C圧に対応した増圧マップに基づいて求めた電流値がI1となり、今回の出力電流値は、I1+(I4−I1)/3となる。
また、ステップ325で否定判定されると、ステップ335に進んで段階電流制御フラグをOFFしたのち、ステップ340に進み、今回の出力電流値を求める。この場合には、電流値を段階的に変化させる必要がないため、目標W/C圧に対応した増圧マップに基づいて求めた電流値が今回の出力電流値となる。
一方、ステップ345以降では、上述したステップ305〜340と同様の処理を実行する。ただし、ステップ345以降は、基本的に、行きマップが選択されていた状態から戻りマップが選択された場合に実行される処理であるため、用いられるマップが減圧マップとなる。
以上説明したように、本実施形態の車両用ブレーキ制御装置では、目標W/C圧が減圧過程から増圧過程に切り替わった瞬間、若しくは、増圧過程から減圧過程に切り替わった瞬間を検出し、この瞬間には第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRに流す電流の電流値が大きく変化するものと想定して、その電流値の変化を段階的に行うようにしている。
これにより、ドライバに対して実際のW/C圧が急に増圧もしくは減圧したような感覚を与えることを防止でき、ブレーキフィーリングの違和感を防止することが可能になる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して車両用ブレーキ制御装置の構成を一部変更したものであり、基本的には第1実施形態と同様の構成となっているため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図11は、本実施形態の車両用ブレーキ制御装置の油圧回路構成を示したものである。この図に示されるように、本実施形態の車両用ブレーキ制御装置では、管路Gが2つの管路Ga、Gbに分岐されており、管路Ga(つまり、分岐点よりも下流かつ管路H1、H2の上流側)に第1常閉弁SWC1が備えられ、管路Gb(つまり、分岐点よりも下流かつ管路H3、H4の上流側)に第2常閉弁SWC2が備えられた構成としてある。
このような構成においても、上記第1〜第3実施形態に示したような制御を実行することで、第1〜第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、このような構成によれば、異常時に第1常閉弁SWC1が遮断状態となっても、管路H1、H2の上流側が遮断状態となるだけであるため、ブレーキペダル1の踏み込みによってM/C3のプライマリ室3aにM/C圧が発生させられると、それが右前輪FRのW/C6FRだけでなく左後輪RLのW/C6RLにも伝えられるようにできる。同様に、異常時に第2常閉弁SWC2が遮断状態となっても、管路H3、H4の上流側が遮断状態となるだけであるため、ブレーキペダル1の踏み込みによってM/C3のセカンダリ室3bにM/C圧が発生させられると、それが左前輪FLのW/C6FLだけでなく右後輪RRのW/C6RRにも伝えられるようにできる。
このように、本実施形態の車両用ブレーキ制御装置によれば、異常時に4輪FR〜RRのすべてについて、W/C6FR〜6RRにW/C圧を発生させることが可能となる。これにより、よりバランス良い制動力を発生させることができる。
なお、本実施形態では、第1実施形態に示した逆止弁20、21を設けていないが、仮にポンプ7、9からブレーキ液漏れが発生したとしても、各ポンプ7、9の上流に位置する第1、第2常閉弁SWC1、SWC2によってブレーキ液が止められることになるため、W/C圧の低下は起こらない。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態は、第4実施形態に対して車両用ブレーキ制御装置の構成を一部変更したものであり、基本的には第4実施形態と同様の構成となっているため、第4実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図12は、本実施形態の車両用ブレーキ制御装置の油圧回路構成を示したものである。この図に示すように、本実施形態の車両用ブレーキ制御装置は、第1、第4実施形態のように第1、第2常閉弁SWC1、SWC2の2つを備えた構造ではなく、1つの常閉弁SWCのみを2つの配管系統の双方で共用した構造としている。
このような構成においても、上記第1〜第3実施形態に示したような制御を実行することで、第1〜第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、このような構成としても、通常ブレーキ時には、4輪FR〜RRのW/C6FR〜6RRのW/C圧を適宜調圧でき、異常時には、4輪FR〜RRのW/C6FR〜6RRに対してブレーキペダル1の踏み込みに応じてM/C3に発生したM/C圧を伝えることが可能となる。
さらに、本実施形態では、異常時に、1つの常閉弁SWCにより、2つの配管系統のすべての車輪FR〜RRに対してM/C圧を伝えることが可能となるため、システムをコンパクトな構成とすることが可能となる。
なお、本実施形態の車両用ブレーキ制御装置において、常閉弁SWCの駆動形態は、図5に示した第1実施形態の車両用ブレーキ制御装置における第1、第2常閉弁SWC1、SWC2と同様である。
(他の実施形態)
上記実施形態では、ブレーキペダル1の操作量を踏力センサ2の検出信号から検出し、これに基づいて目標W/C圧を設定するようにしているが、ブレーキペダル1の操作量そのものを検出しなくても、ブレーキペダル1の操作量に応じて変動するパラメータを用い、そのパラメータの変化をブレーキペダル1の操作量の変化と対応する変化と考えて目標W/C圧を設定しても良い。例えば、ブレーキペダル1の操作量に応じてM/C圧が変化するため、圧力センサ17、18の検出信号からM/C圧を求め、これに基づいて目標W/C圧を設定しても良い。
また、上記第3実施形態では、第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRに流す電流の電流値が大きく変化する場合に、まず、第1段階として、前回の演算周期のときの目標W/C圧をそのまま用い、増圧マップに基づいて目標W/C圧に対する電流値を求めている。そして、第2段階から第4段階として、前回の演算周期のときの目標W/C圧から今回の演算周期のときの目標W/C圧になるまで3段階に分けて電流値を変化させている。しかしながら、これらは単なる一例であり、他の形態を採っても良い。
例えば、電流値を変化させる段階数は4回である必要はなく、他の回数であっても良い。また、まず目標W/C圧を変化させないで電流値だけを変化させるという第1段階を経るようにしているが、この段階を経ないで電流値の変化分を段階数で割るだけにしても良い。
さらに、上記第2実施形態において、増圧・減圧判定部100fや増圧・減圧マップ選択部100hを設けたが、これらの各部を別々に備えなくても、第1実施形態で示した行きマップ選択中には、増圧過程であるとして増圧マップを選択し、戻りマップ選択中には減圧過程であるとして減圧マップを選択するというように、行きマップと戻りマップといずれが選択されているかで一義的に増圧マップおよび減圧マップの選択を行っても構わない。
また、図1に示した車両用ブレーキ制御装置は、本発明を適用できるブレーキ構成例として示したものであり、図1に示したものに限定されるものではなく、様々な形態で変更可能である。
また、第1実施形態では、右前輪−左後輪、左前輪−右後輪の各配管系統を備えるX配管の油圧回路を構成する車両に本実施形態の車両用ブレーキ制御装置を適用した例について説明したが、前後配管など他の系統にも本発明を適用可能である。
また、上記各実施形態では、マスタリザーバ3fに繋がるのが管路Cの一本のみで、この管路Cを通じて第1、第2配管系統の双方へのブレーキ液の供給が行われるようにした。しかしながら、管路Cの他にもう一本備え、例えば管路Cにて第1配管系統へのブレーキ液の供給を行い、もう一本の管路にて第2配管系統へのブレーキ液の供給を行うようにしても良い。
また、上記各実施形態では、第1〜第4ポンプ7〜10による加圧が行えない異常時を考慮して、M/C3と第1、第2配管系統を接続した構成とし、通常ブレーキ時にはマスタリザーバ3fからブレーキ液が供給されるようにしている。しかしながら、これも単なる一例であり、M/C3と第1、第2配管系統が接続される形態でなくても良いし、M/C3自体が無いようなブレーキ構成であっても構わない。また、ブレーキ液の供給もマスタリザーバ3fからでなく、ブレーキ液を貯留できる他のリザーバから行われるようにしても良い。
さらに、上記実施形態では、フェールセーフを考慮して、第1〜第4リニア弁SLFL〜SLRRを駆動しなくてもブレーキペダル1の踏み込みに基づいて発生させられたM/C圧がW/C6FL、6FR等に伝えられるようにしている。しかしながら、異常が発生した場所が第1〜第4リニア弁SLFL〜SLRR以外の部位であれば、これらを駆動することができるため、これらに通電を行い管路H1〜H4を遮断状態(もしくは上下流間に最大差圧が発生させられる状態)にできるようにすれば、上記と同様にM/C圧をW/C6FL、6FR等に伝えることが可能となる。このため、必ずしも第1、第2常閉弁SWC1、SWC2および常閉弁SWCを備えなければならない訳ではなく、図13に示す油圧回路構成に示されるように、第1、第2常閉弁SWC1、SWC2および常閉弁SWCを備えない構造であっても構わない。
ただし、すべて機械的にフェールセーフが行えるようにするという意味では、第1、第2常閉弁SWC1、SWC2および常閉弁SWCが重要となる。
このため、図14に示す油圧回路構成のように、第1リニア弁SLFRと第3リニア弁SLFLを常閉型のリニア弁として構成しておけば、機械的にフェールセーフを行うことも可能となるため、より好ましい構造となる。勿論、第2、第4リニア弁SLRL、SLRRに関しても、常閉型のリニア弁としても構わない。
なお、ブレーキ操作部材としてブレーキペダル1を例に挙げたが、ブレーキレバーなどであっても構わない。
本発明の第1実施形態における車両用ブレーキ制御装置の油圧回路構成を示す図である。 図1に示す車両用ブレーキ制御装置の制御系を司るブレーキECUの信号の入出力の関係を示すブロック図である。 行きマップと戻りマップを共に示した図である。 行き・戻りマップ選択部100cで行われるマップ選択処理のフローチャートである。 通常ブレーキ時および異常時の各部の駆動状態を示した模式図である。 第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRの電流−差圧特性である。 本発明の第2実施形態における車両用ブレーキ制御装置の制御系を司るブレーキECUの信号の入出力の関係を示すブロック図である。 段階電流制御判定処理を示したフローチャートである。 第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRに流す電流の電流値を段階的に変化させるための出力電流値演算処理のフローチャートの一部を示した図である。 第1〜第4リニア弁SLFR〜SLRRに流す電流の電流値を段階的に変化させるための出力電流値演算処理のフローチャートの一部を示した図である。 (a)は、目標W/C圧が減圧過程から増圧過程に切り替わった場合における電流値の変化のさせ方を示した模式図であり、(b)は、制御が実行されてからの経過時間に対する電流値の変化を示した模式図である。 本発明の第4実施形態における車両用ブレーキ制御装置の油圧回路構成を示す図である。 本発明の第5実施形態における車両用ブレーキ制御装置の油圧回路構成を示す図である。 本発明の他の実施形態における車両用ブレーキ制御装置の油圧回路構成を示す図である。 本発明の他の実施形態における車両用ブレーキ制御装置の油圧回路構成を示す図である。 ブレーキペダルの操作量に対応して変化するM/C圧に対するW/C圧の変化を示した特性図である。
符号の説明
1…ブレーキペダル、2…踏力センサ、3…M/C、3a…プライマリ室、3b…セカンダリ室、3c…プライマリピストン、3d…セカンダリピストン、3e…スプリング、3f…マスタリザーバ、4…ストロークシミュレータ、5…ブレーキ液圧制御用アクチュエータ、6FL、6FR、6RL、6RR…W/C、7〜10…ポンプ、11、12…モータ、11a、12a…回転センサ、13〜18…圧力センサ、20、21…逆止弁、100…ブレーキECU、100a…第1マップ記憶部、100b…W/C圧演算部、100c…マップ選択部、100d…目標W/C圧演算部、100e…リニア弁出力調整部、100f…増圧・減圧判定部、100g…第2マップ記憶部、100h…増圧・減圧マップ選択部、A、B、C、D、E、F、G1〜G4、H1〜H4…管路、FL、FR、RL、RR…車輪、SCSS…ストローク制御弁、SLFL、SLFR、SLRR、SLRR…第1〜第4リニア弁、SNO1、SNO2…第1、第2常開弁、SWC…常閉弁、SWC1、SWC2…第1、第2常閉弁。

Claims (7)

  1. ドライバによって操作されるブレーキ操作部材(1)と、
    前記ブレーキ操作部材の操作量を検出する操作量センサ(2)と、
    2つの前輪(FR、FL)それぞれに対応して設けられた前輪用第1、第2ホイールシリンダ(6FR、6FL)、および、2つの後輪(RL、RR)それぞれに対応して設けられた後輪用第1、第2ホイールシリンダ(6RL、6RR)と、
    ブレーキ液を貯留しているリザーバ(3f)と、
    前記リザーバと前記前輪用第1、第2および前記後輪用第1、第2ホイールシリンダをつなぎ、前記前輪用第1、第2および前記後輪用第1、第2ホイールシリンダそれぞれに接続されるように4つに分岐された主管路(C、G、G1〜G4)と、
    前記主管路のうち4つに分岐された部位(G1〜G4)それぞれに対して1つずつ配置され、前記リザーバに貯留されたブレーキ液を吸入・吐出して、前記前輪用第1、第2および後輪用第1、第2ホイールシリンダそれぞれを加圧する第1〜第4ポンプ(7〜10)と、
    前記第1、第2ポンプ(7、8)により加圧される系統を第1配管系統として、該第1配管系統に備えられた前記第1、第2ポンプを駆動するための第1モータ(11)と、
    前記第3、第4ポンプ(9、10)により加圧される系統を第2配管系統として、該第2配管系統に備えられた前記第3、第4ポンプを駆動するための第2モータ(12)と、
    前記第1〜第4ポンプに並列的に配置され、前記リザーバへブレーキ液を返流する管路となる第1〜第4調圧回路(H1〜H4)と、
    前記第1〜第4調圧回路にそれぞれ対応して配置された第1〜第4リニア弁(SLFR、SLRL、SLFL、SLRR)と、
    前記操作量センサの検出信号に基づいて、前記第1〜第4リニア弁および前記第1、第2モータを駆動する制御手段(100)と、を備えた車両用ブレーキ制御装置であって、
    前記制御手段は、
    前記ブレーキ操作部材の操作量に対する前記第1、第2前輪用もしくは前記第1、第2後輪用ホイールシリンダのホイールシリンダ圧の変化を示すマップとして、前記ブレーキ操作量が増大する過程のマップとなる行きマップ、および、前記ブレーキ操作部材の操作量が減少する過程のマップであって前記行きマップに対してヒステリシスを有した戻りマップを記憶した第1マップ記憶部(100a)と、
    前記ブレーキ操作部材の操作量に対応する前記ホイールシリンダ圧として、前記行きマップに基づいて求めたホイールシリンダ圧と前記戻りマップに基づいて求めたホイールシリンダ圧とを求めるホイールシリンダ圧演算部(100b)と、
    前記操作量センサが検出した前記ブレーキ操作部材の操作量に基づいて、前記第1マップ記憶部に記憶された前記行きマップと前記戻りマップのいずれか一方を選択する行き・戻りマップ選択部(100c)と、
    前記操作量センサが検出した前記ブレーキ操作部材の操作量および前記行き・戻りマップ選択部にて選択したマップに基づき、前記操作量センサにて検出された操作量に対応する目標ホイールシリンダ圧を求める目標ホイールシリンダ圧演算部(100d)と、
    前記目標ホイールシリンダ圧演算部が演算した前記目標ホイールシリンダ圧に基づいて前記第1〜第4リニア弁に流す電流の電流値を調整するリニア弁出力調整部(100e)とを有し
    前記行き・戻りマップ選択部は、前記行きマップを選択しているときには、前記行きマップに基づいて求めたホイールシリンダ圧と前記目標ホイールシリンダ圧演算部で前回演算された前記目標ホイールシリンダ圧のいずれか大きい方を第1ホイールシリンダ圧(P1)、前記戻りマップに基づいて求めたホイールシリンダ圧を第2ホイールシリンダ圧(P2)とし、前記戻りマップを選択しているときには、前記行きマップに基づいて求めたホイールシリンダ圧を前記第1ホイールシリンダ圧(P1)、前記戻りマップに基づいて求めたホイールシリンダ圧と前記目標ホイールシリンダ圧演算部で前回演算された前記目標ホイールシリンダ圧のいずれか小さい方を前記第2ホイールシリンダ圧(P2)として、前記第1ホイールシリンダ圧と前記第2ホイールシリンダ圧を大小比較して前記第2ホイールシリンダ圧よりも前記第1ホイールシリンダ圧の方が大きければ、前記選択しているマップをもう一方のマップに切替えることを特徴とする車両用ブレーキ制御装置。
  2. ドライバによって操作されるブレーキ操作部材(1)と、
    前記ブレーキ操作部材の操作量を検出する操作量センサ(2)と、
    2つの前輪(FR、FL)それぞれに対応して設けられた前輪用第1、第2ホイールシリンダ(6FR、6FL)、および、2つの後輪(RL、RR)それぞれに対応して設けられた後輪用第1、第2ホイールシリンダ(6RL、6RR)と、
    ブレーキ液を貯留しているリザーバ(3f)と、
    前記リザーバと前記前輪用第1、第2および前記後輪用第1、第2ホイールシリンダをつなぎ、前記前輪用第1、第2および前記後輪用第1、第2ホイールシリンダそれぞれに接続されるように4つに分岐された主管路(C、G、G1〜G4)と、
    前記主管路のうち4つに分岐された部位(G1〜G4)それぞれに対して1つずつ配置され、前記リザーバに貯留されたブレーキ液を吸入・吐出して、前記前輪用第1、第2および後輪用第1、第2ホイールシリンダそれぞれを加圧する第1〜第4ポンプ(7〜10)と、
    前記第1、第2ポンプ(7、8)により加圧される系統を第1配管系統として、該第1配管系統に備えられた前記第1、第2ポンプを駆動するための第1モータ(11)と、
    前記第3、第4ポンプ(9、10)により加圧される系統を第2配管系統として、該第2配管系統に備えられた前記第3、第4ポンプを駆動するための第2モータ(12)と、
    前記第1〜第4ポンプに並列的に配置され、前記リザーバへブレーキ液を返流する管路となる第1〜第4調圧回路(H1〜H4)と、
    前記第1〜第4調圧回路にそれぞれ対応して配置された第1〜第4リニア弁(SLFR、SLRL、SLFL、SLRR)と、
    前記操作量センサの検出信号に基づいて、前記第1〜第4リニア弁および前記第1、第2モータを駆動する制御手段(100)と、を備えた車両用ブレーキ制御装置であって、
    前記ブレーキ操作部材の操作に伴って変動するブレーキ液圧に応じた検出信号を出力する圧力センサ(17、18)を備え、
    前記制御手段は、
    前記ブレーキ操作部材の操作量に対する前記第1、第2前輪用もしくは前記第1、第2後輪用ホイールシリンダのホイールシリンダ圧の変化を示すマップとして、前記ブレーキ操作量が増大する過程のマップとなる行きマップ、および、前記ブレーキ操作部材の操作量が減少する過程のマップであって前記行きマップに対してヒステリシスを有した戻りマップを記憶した第1マップ記憶部(100a)と、
    前記ブレーキ操作部材の操作量に対応する前記ホイールシリンダ圧として、前記行きマップに基づいて求めたホイールシリンダ圧と前記戻りマップに基づいて求めたホイールシリンダ圧とを求めるホイールシリンダ圧演算部(100b)と、
    前記圧力センサの検出信号より検出した前記ブレーキ操作部材の操作量に基づいて、前記第1マップ記憶部に記憶された前記行きマップと前記戻りマップのいずれか一方を選択する行き・戻りマップ選択部(100c)と、
    前記操作量センサが検出した前記ブレーキ操作部材の操作量および前記行き・戻りマップ選択部にて選択したマップに基づき、前記操作量センサにて検出された操作量に対応する目標ホイールシリンダ圧を求める目標ホイールシリンダ圧演算部(100d)と、
    前記目標ホイールシリンダ圧演算部が演算した前記目標ホイールシリンダ圧に基づいて前記第1〜第4リニア弁に流す電流の電流値を調整するリニア弁出力調整部(100e)とを有し
    前記行き・戻りマップ選択部は、前記行きマップを選択しているときには、前記行きマップに基づいて求めたホイールシリンダ圧と前記目標ホイールシリンダ圧演算部で前回演算された前記目標ホイールシリンダ圧のいずれか大きい方を第1ホイールシリンダ圧(P1)、前記戻りマップに基づいて求めたホイールシリンダ圧を第2ホイールシリンダ圧(P2)とし、前記戻りマップを選択しているときには、前記行きマップに基づいて求めたホイールシリンダ圧を前記第1ホイールシリンダ圧(P1)、前記戻りマップに基づいて求めたホイールシリンダ圧と前記目標ホイールシリンダ圧演算部で前回演算された前記目標ホイールシリンダ圧のいずれか小さい方を前記第2ホイールシリンダ圧(P2)として、前記第1ホイールシリンダ圧と前記第2ホイールシリンダ圧を大小比較して前記第2ホイールシリンダ圧よりも前記第1ホイールシリンダ圧の方が大きければ、前記選択しているマップをもう一方のマップに切替えることを特徴とする車両用ブレーキ制御装置。
  3. 前記行き・戻りマップ選択部は、前記ブレーキ操作部材の操作量が無いときには前記行きマップを選択していることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用ブレーキ制御装置。
  4. 前記制御部は、
    前記目標ホイールシリンダ圧演算部で演算された前記目標ホイールシリンダ圧が増圧過程であるか減圧過程であるかを判定する増圧・減圧判定部(100f)と、
    前記目標ホイールシリンダ圧演算部で演算された前記目標ホイールシリンダ圧に対する前記第1〜第4リニア弁に流す電流の電流値の関係を示すマップとして、前記目標ホイールシリンダ圧が増圧する過程のマップとなる増圧マップ、および、前記目標ホイールシリンダ圧が減圧する過程のマップであって前記増圧マップに対してヒステリシスを有した減圧マップを記憶した第2マップ記憶部(100g)と、
    前記目標ホイールシリンダ圧演算部で演算された前記目標ホイールシリンダ圧に基づいて、前記第2マップ記憶部に記憶された前記増圧マップと前記減圧マップのいずれか一方を選択する増圧・減圧マップ選択部(100h)と、を有し、
    前記リニア弁出力調整部は、前記目標ホイールシリンダ圧演算部で演算された前記目標ホイールシリンダ圧および前記増圧・減圧マップ選択部にて選択したマップに基づき、前記目標ホイールシリンダ圧に対応する電流値を求め、該電流値に基づいて前記第1〜第4リニア弁に流す電流の電流値を求めることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の車両用ブレーキ制御装置。
  5. 前記リニア弁出力調整部は、前記行き・戻りマップ選択部で選択されるマップが切り替わったときに、前記第1〜第4リニア弁に流す電流の電流値を段階的に変化させる段階電流制御を実行することを特徴とする請求項に記載の車両用ブレーキ制御装置。
  6. 前記リニア弁出力調整部は、前記段階電流制御の第1段階として、前記行き・戻りマップ選択部で前回選択されていたマップに基づいて前記目標ホイールシリンダ圧演算部で求めた前回の目標ホイールシリンダ圧に対応する第1電流値(I0)を求めると共に、前記行き・戻りマップ選択部で今回選択されるマップに基づいて前記目標ホイールシリンダ圧演算部で求めた前回の目標ホイールシリンダ圧に対応する第2電流値(I1)を求め、前記第1〜第4リニア弁に流す電流の電流値を前記第1電流値から前記第2電流値に変化させることを特徴とする請求項に記載の車両用ブレーキ制御装置。
  7. 前記リニア弁出力調整部は、前記段階電流制御の第2段階以降の段階として、前記行き・戻りマップ選択部で今回選択されるマップに基づいて前記目標ホイールシリンダ圧演算部で求めた今回の目標ホイールシリンダ圧に対応する第3電流値(I4)を求め、前記第3電流値と前記第2電流値の差分を複数段階に分けることで、前記第1〜第4リニア弁に流す電流の電流値を段階的に変化させることを特徴とする請求項に記載の車両用ブレーキ制御装置。
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