JP4834926B2 - 吊下げタイプの包装袋 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、店頭陳列時や使用時に、内容物を収容した状態で吊り下げられる包装袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、一定容量を超える液状体は、例えば500mlまたは1Lサイズのペットボトルやブローボトルに入れて販売されることが多い。また、収納状態で0.5kgを超える小麦粉等の粉体は、平袋もしくは角底袋に入れて販売されることが多い。このような販売形態では、包装用の容器または袋が店頭で陳列棚に並べて販売されるので、陳列場所が限定される。
【0003】
一方、陳列棚以外にも設置して販売できる形態としては、フック等に吊り下げて陳列される吊下げタイプの包装体が知られている。吊下げタイプの包装体としては、(1)ビニール製袋のヒートシール部に孔を直接形成したもの、(2)シール部に開けた孔の周囲に金属製の鳩目を取り付けたもの、(3)袋の上部に別体である台紙を取り付けて当該台紙に吊下用の孔を形成したもの等が知られている。
【0004】
しかしながら、上記(1)の従来例では、内容物が重い場合や長時間吊り下げた場合に、孔部が裂けるといった問題がある。孔部に金属製の鳩目を設けた上記(2)の場合においても、内容物が重い場合には鳩目が割れるといった問題や、鳩目自体が孔部からちぎり取られてしまうといった問題が残る。また、上記(3)の場合では、包装袋に台紙を取り付ける作業が必要であるため、製造工程が増えてコストアップにつながる問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明が解決すべき技術的課題は、重量物を収納した場合であっても、長時間の吊下げに耐えることのできる包装袋を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段・作用・効果】
本発明は、上記課題を有効に解決するために創案されたものであって、以下の特徴を備えた包装袋を提供することである。
【0007】
本発明の包装袋は、対向する2枚のシート材の周囲をヒートシールして構成されており、吊下用孔を備えている。吊下用孔は、樹脂製プレート材を上記2枚のシート材の間に挟み込んでヒートシールして一体化した部分に形成されている。
【0008】
上記構成を有する本発明の包装袋においては、袋を構成する2枚のシート間にヒートシールにより樹脂製プレート材が一体化されており、その位置に吊下用孔が形成されている。したがって、金属製の鳩目が孔部の周縁に固定されている場合に比べて、内容物の重量に起因した孔部の破損を低減できる。プレート材は、低密度ポリエチレン製またはエチレン酢酸ビニル共重合体製であることが好ましい。
【0009】
本発明の包装袋は、吊下げ状態にあるとき下端部側となる位置に抽出口を備えていることが好ましい。そのような包装袋は、吊下げ状態のままで、下方側に位置する抽出口から内容物を取り出すことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る包装袋10を示す斜視図である。包装袋10は酒等の飲料を収容した状態で販売され、図2に示したように、壁面20に設けたフック部21に袋ごと吊り下げることができる。
【0011】
包装袋10は、吊下げ状態において下端側となる位置に抽出口19を有している。抽出口のキャップ19aを外すとねじ部(図示せず)が現れ、そこにツイストコック30を取り付けることができる。したがって、包装袋10を壁面20に吊り下げたままで飲料をコップ等に注ぐことができる。このような構成の包装袋10は、居酒屋や飲食店で使用する業務用として好適である。なお、ツイストコックは、最初から袋10に一体的に設けられていてもよい。
【0012】
図3は、包装袋10の吊下用孔11の周辺を詳細に示す拡大図である。左右の吊下用孔11は同様の構造を有しており、図3は、左側の吊下用孔11を示している。図3において、ハッチングで示した領域は、ヒートシールが施された領域である。図4は、図3中の4-4線断面図である。
【0013】
包装袋10は、2枚のシート材10a、10bを対向させ、その周囲をヒートシールして構成されている。各シート材は、「ナイロン層/印刷層/アンカー処理層/ポリエチレン層/線状低密度ポリエチレン層」からなる層構造を有しており、線状低密度ポリエチレン層を互いに向かい合わせた状態でヒートシールされる。2枚のシート材の間にはディスク状の樹脂製プレート材13が挟み込まれており、このディスクプレート13は、ヒートシールによって両側のシート材10a、10bと一体化されている。そして、ディスクプレート13の中央に貫通孔11を形成し、これを吊下用孔としている。
【0014】
このようにして構成された吊下用孔11は、孔の周縁に金属製の鳩目を固定してなる従来の吊下用孔に比べて耐久性が高い。すなわち、鳩目を取り付けた従来の吊下用孔では、リング状の鳩目と孔部周縁との連結部面積が小さく、重量物を収容した包装袋を長時間吊り下げた場合に、鳩目自体が袋からちぎり取られてしまうことがある。これに対して、本発明の包装袋10においては、2枚のシート材の間に樹脂製のディスクプレート13がヒートシールにより一体化されている。したがって、ディスクプレート13は、その両側全面においてシート材と強固に一体化されており、長時間吊下状態とされたとしても、ディスクプレート自体が袋からちぎり取られてしまうことは殆ど考え難い。
【0015】
したがって、樹脂製ディスクプレート13は、内容物の重量に応じて適度な面積及び厚みを有していることが好ましい。例えば、内容物の重量が10kgである場合には、ディスク直径を約40mm、吊下用孔の直径を約9mm、厚みを約1mmとする。なお、図示の例では、円形のディスクプレート13を使用しているが、シート間に挟み込まれるプレート材は、円形である必要はなく、所望の面積をもって延在するものであれば、四角や三角、その他のあらゆる形状のものを採用できる。かかるプレート材は、適度な柔軟性および強度を有する低密度ポリエチレン製もしくはエチレン酢酸ビニル共重合体製であることが好ましいが、それ以外にも、袋の層構成中の内面のヒートシール層とヒートシール可能な樹脂を適宜利用することができる。
【0016】
図3および図4から分かるように、2枚のシート材10a、10b間にヒートシールされたディスクプレート13の周縁エッジ部13aから一定間隔を置いた位置において、当該2枚のシート材同士が直接ヒートシールされ、これにより、湾曲して延在するヒートシール部15が形成されている。ヒートシール部15は、包装袋10の内容物収容空間とディスクプレート13とを隔離している。
【0017】
このように、内容物収容空間とディスクプレート13とを隔離することには、次のようなメリットがある。すなわち、包装袋を積層輸送する場合等に、内容物がプレート材13を圧迫し、その結果、プレート材の周縁エッジ部13aに対応するシート材部分が押し破られてしまうといった不都合を回避できる。
【0018】
以上に説明した実施形態では、本発明を飲料用の包装袋に適用した例を示しているが、本発明は、包装袋の吊下用孔に特徴を有するものであり、重量物を包装した状態で吊り下げられるあらゆる包装袋に適用することが可能である。包装の対象についても、飲料等の液体に限定されるものではなく、液状物、半液状物、固形物、粒状物、その他、どのような内容物であってもよい。なお、袋の形態としては、両サイドに折り込み部を有するガセット袋が、大きな内容量を確保できる点で好ましい。
【0019】
また、例えば図5に示したように、重量物であるハンマー55を収容した状態で販売される包装袋50等、抽出口を備えていない包装袋に対しても本発明を適用することが可能である。包装袋50においては、ディスク状の樹脂プレート51の中央に吊下用孔52が形成されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る飲料用の包装袋を示す斜視図である。
【図2】 図1の包装袋が壁面に吊り下げられた状態を示す斜視図である。
【図3】 図1の包装袋の吊下用孔周辺を示す拡大図である。
【図4】 図3中における4-4線断面図である。
【図5】 本発明の他の実施形態に係る包装袋を示す正面図である。
【符号の説明】
10、50 包装袋
10a、10b シート材
11、52 吊下用孔
12 周縁ヒートシール部
13、51 ディスクプレート
15 ヒートシール部
19 抽出口
19a キャップ
20 壁面
21 吊下用フック部
30 ツイストコック
55 ハンマー

Claims (3)

  1. 対向する2枚のシート材(10a、10b)の周囲をヒートシールして構成され、吊下用孔(11)を備えた包装袋であって、
    樹脂製のプレート材(13)を上記2枚のシート材(10a、10b)の間に挟み込んでヒートシールして一体化した部分に、上記吊下用孔(11)を形成するとともに、
    上記2枚のシート材(10a、10b)間に位置する上記プレート材(13)の周縁部から一定間隔を置いた位置において、当該2枚のシート材同士が直接ヒートシールされており、
    これにより形成されるヒートシール部(15)が当該包装袋の内容物収容空間と上記プレート材(13)とを隔離していることを特徴とする、包装袋。
  2. 上記樹脂製プレート材(13)が低密度ポリエチレン製またはエチレン酢酸ビニル共重合体製であることを特徴とする、請求項1記載の包装袋。
  3. 吊下げ状態にあるとき下端部側となる位置に、抽出口(19)を備えていることを特徴とする、請求項1記載の包装袋。
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