JP3747543B2 - 容器及び容器用口部材 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、可撓性シート体によって形成された内部に飲料や食品、薬品等の液体や粘体等が充填される袋状の容器本体に口部が取り付けられた容器及び容器用口部の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、図7(イ)に示すような、合成樹脂フィルムとアルミホイル等のラミネートシート等の可撓性を有するシート体の縁部12をヒートシールすることによって形成される袋状の容器本体11の上端縁部に合成樹脂から成形された別体の口部材15がヒートシールされて取り付けられている容器17が、内部に飲料等の液体や粘体が充填される容器として多く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような容器17に使用される口部材15は、通常、容器本体11と周面がシールされる取付部14と、該取付部14の中央部に突設された容器本体11内部の飲料等が注出可能な注出口13a が形成された注出部13が設けられており、該注出部13には蓋体16が冠着されている。
【0004】
この蓋体16は通常スクリュー式であるため、該蓋体16が冠着される注出部13は上面視真円形状の筒状体に形成されており、注出部13は取付部14中央部の上部に立設されるように形成されているため、取付部14の容器本体11の厚み方向の幅も通常この注出部13の径と等しいか又は径以上に形成されていた。
【0005】
そのため、取付部14の容器本体11との取付面は図7(ロ)に示すように急なカーブの曲面に形成されており、ヒートシール時に確実に面全面に亘って均等な力で押圧することが難しく、ヒートシール不良が生じるおそれがあった。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、取付部の厚みが薄く口部材と容器本体のヒートシールを確実にすることができる容器及び容器用口部材を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような課題を解決するために容器及び容器用口部材としてなされたもので、容器としての特徴は、可撓性を有するシート体からなる容器本体(1)に、注出口(3a)が形成された外面に円筒形部分を有する注出部(3)と、該注出口(3a)と容器本体(1)内部を連結する開口部(4a)が形成された取付部(4)からなる口部材(2)が、容器本体(1)と取付部(4)においてシールされて取り付けられている容器において、前記口部材(2)の取付部(4)の容器本体(1)の厚み方向の幅(d)が前記注出部(3)の上部の円筒形部分の外径(d’)より小さくなるような偏平形状であり、前記開口部(4a)が容器本体(1)の幅方向に拡がった形状を有し容器本体(1)の両側隅部からも被収納物を取り出し可能に構成され、前記取付部(4)には補強体(6)が容器本体(1)の厚み方向に接続するように一体に形成されていることにある。
【0008】
また、口部材としての特徴は、容器本体(1)内部の被収納物を注出可能な注出口(3a)が形成された外面に円筒形部分を有する注出部(3)と、注出口(3a)と連結している開口部(4a)が形成された取付部(4)からなり、且つ該取付部(4)が可撓性を有するシート体より形成された袋状の容器本体(1)に取り付けられる容器用口部材において、前記取付部(4)の容器本体(1)の厚み方向の幅(d)が注出部(3)の上部の円筒形部分の外径(d’)よりも小さくなるような偏平形状であり、前記開口部(4a)が容器本体(1)の幅方向に拡がった形状を有し容器本体(1)の両側隅部からも被収納物を取り出し可能に構成され、前記取付部(4)には補強体(6)が容器本体(1)の厚み方向に接続するように一体に形成されていることにある。
【0009】
上記のように、口部材2 の取付部4 の容器本体1 の厚み方向の幅d が、注出部3 の上部の円筒形部分の外径d'よりも小さくなるような偏平形状の取付部4 であるため、注出部3 の上部は真円形に形成でき従来と同様に蓋体を冠着しやすいと同時に、取付部4 においては容器本体1の厚み方向に薄い偏平形状に形成されているため容器本体1 とのシール面である側周面は緩やかな曲面に形成される。
従って、取付部4 と容器本体1 をヒートシールしやすく、またヒートシール面を全面に亘って確実に押圧することができるためシール不良が生じにくい。
【0010】
尚、ここでいう偏平形状とは、周囲に直線部分を有しているような形状であってもよく、船形状、長楕円形状、菱形状等を含む概念である。
【0011】
また、前記取付部4 の開口部4a内に補強体6が形成されている場合には、容器本体1と取付部4とをヒートシールバー等で強く圧した場合にも、該補強体6によって取付部4が変形したり破損することが防止できる。
従って、取付部4を偏平形状に形成して該取付部4 の側周面部が肉薄に形成された場合にも、ヒートシール時に強く押圧してより確実にヒートシールすることができる。
【0012】
さらに、前記口部材2 に、容器本体1 内部に収納される棒状体5 が取り付けられている場合には、例えば容器本体1 の被収納物の残量が少なくなった時にも棒状体5 が容器本体1 内の上下方向に収納されているため容器本体1 のシート体が密着することを防止でき、残量が少なくなっても良好に被収納物を取り出すことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例について、図面に従って説明する。
まず、本発明の容器の構成について説明する。
図1に示す1は、シート体1a,1b の側縁部及び上下端縁部をヒートシールすることによって、内部に飲料等の被収納物を密封可能な袋状に形成された容器本体である。
【0014】
該容器本体1 のシート体の材質としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルムやポリアミドフィルム等とアルミホイルやエチレンビニルアルコール共重合体フィルムや無機物を蒸着したフィルム等のガスバリアー性フィルムを積層したフィルムの内面にポリエチレンやポリプロピレン等のヒートシール性樹脂の層を形成した積層フィルムが使用できるが、これに限定されるものではなく、その他の合成樹脂性フィルム等の任意の材質よりなり内面側がヒートシール可能で内部に飲料等の目的の被収納物を収納可能なものであればよい。
【0015】
2は、前記容器本体1のシート体とヒートシール可能な材質の合成樹脂から成形された口部材で、該口部材2は容器本体1の上端縁部において前後のシート片1a,1b の間に挟持されて、該前後のシート片1a,1b の内面とヒートシールされる取付部4と、該取付部4の中央部に形成された容器本体1内部から被収納物を取り出し可能な注出口部3aが形成された注出部3と、取付部4 の下方に延設された棒状部5からなり、該注出部3の上部はスクリュー式の蓋体7が着脱自在な構造(図示なし)になっており、該蓋体7が冠着される。
【0016】
取付部4は、図3(イ)に示すように容器本体1の厚み方向の幅dは上記注出部3の上部の外径d’より薄く形成され、図2 に示すような偏平形状に形成されている。
【0017】
また、注出部3の注出口3aは、注出部3の上部では真円形状に開口しているが、下方にいくにつれて注出部3の外形と同様に厚み方向に薄くなる一方で、図3(ロ)に示すように幅方向に拡がった偏平な開口形状に形成されている。
そのため、取付部4 の開口部4aと注出口部3aは、それぞれ任意の箇所の水平切断面における面積が略等しくなるように形成されている。
【0018】
該注出部3の注出口3aの下端部と前記取付部4の開口部4aの上端部は連通されており、容器本体1の内部の被収納物は取付部4の開口部4a及び注出口3aを通って取り出すことが可能である。
尚、該取付部4の開口部4aの上端部は、注出口3aの下端部の形状及び大きさと一致するように形成されている。
【0019】
前記棒状部5は断面視N字状の形状から形成されており、その上端部が取付部4の開口部4a内を前記厚み方向に接続するように一体に形成されて図4に示すように補強体6として形成されている。
【0020】
次に、上記のような構成からなる容器10を製造する場合について説明する。
まず、一対のシート体1a,1b の側縁部及び底縁部をヒートシールして上端縁が開口した袋状に形成する。
【0021】
そして、該容器本体1の上端縁部内に該口部材2を挿入し、取付部4の側周面と容器本体1の前後両シート体1a,1b の内部とをヒートシールして容器本体1の上端縁部をシールすると同時に口部材2を容器本体1に取り付ける。
尚、このヒートシール時に予め口部材2の取付部4を加熱しておくとより効率良くヒートシールすることができる。
【0022】
このヒートシール時には容器本体1の上端縁部を外側からヒートバー等の加熱押圧手段によって押圧しながらシールするが、上記のように該取付部4は厚みが薄い偏平形状に形成されて周面のカーブは緩やかであるため、押圧しやすいと同時に全面に亘って押圧力を略均等にかけることができ、容器本体1とシールできないシール不良箇所が生じにくい。
【0023】
また、上記棒状体5の上端部は取付部4の開口部4a内に補強体6として取り付けられているため、ヒートシールバー等によって強く押圧した場合にも、補強体6によって開口4aの内側から取付部4を支持するため、取付部4が押圧時に変形したり破損したりするおそれがなく、強い押圧力をかけて確実にシールすることができる。
【0024】
特に、上記のように取付部4が偏平に形成されているため側壁の厚みは薄くなりヒートシール時の押圧力によって変形、破損し易いが、開口部4a内に補強体6を設けることによって、このような変形破損等のおそれがなくなる。
【0025】
そして、容器本体1内に被収納物が充填された後に、注出口部3の上部に蓋体7を冠着するが、注出口部3の上部は下部の形状とは異なり真円形状に形成されているため、被収納物を充填する充填ノズルの挿入も容易であり、スクリュー式の蓋体を取付けることができる。
【0026】
また、このような容器10から内部の被収納物、例えば飲料を取り出す場合には、蓋体7を取り外して、注出口3aから注ぎだしたり或いは直接注出部3の上部に口をつけて吸い出したりするが、取付部4 が偏平形状であっても、開口部4aの面積は注出口3aと同じ面積が確保されているため被収納物を取り出したりしにくいということがない。
また、取付部4 の開口部4aは偏平な容器本体1 の幅方向に拡がった形状であるため、容器本体1 の両側隅部からも被収納物を取り出しやすく被収納物が残留しにくい。
【0027】
さらに、前記棒状体5が容器本体1の上下方向に延設するように口部材2の下方に設けられているため、容器本体1内の飲料等の被収納物が残り少なくなった時に、注出口3aからの吸い出し等によって容器本体1の両シート体1a,1b の内面同士が密着して被収納物が取り出しにくくなることを防止でき、被収納物が残り少なくなった場合にも最後まで確実に取り出すことができる。
【0028】
尚、上記実施の形態では、注出部3の外形を、上部は真円形状に形成し、取付部4側に下がるにつれて容器本体1の厚み方向に薄くなり且つ幅方向に拡がるような形状にしたが、注出部3をこのような形状に形成することは条件ではない。
【0029】
例えば、図5(イ)〜(ニ)に示すように注出部3の外形は上下同じ径の円筒状に形成し、注出口3aの形状を上下方向に同じ形状の楕円形の開口を形成してもよい。
この場合には、取付部4の開口部4aも同様の形状の楕円形であるため、注出口3aから取付部4の開口4aまで連続して同形の開口部が形成される。
【0030】
さらに、上記実施の形態では、断面視略N字状の棒状体5を取付部4の下方に延設したが、図5(イ)に示すように2枚の板状体からなる棒状体5や、円柱状の物など任意の形状の棒状体に形成することができる。
要は、容器本体1内部の被収納物が残り少なくなった時に容器本体1のシート体1a,1b が密着しないように容器本体1内に上下方向に延設された棒状体であればよい。
【0031】
また、該棒状体5を図6(イ)〜(ニ)に示すように、取付部4の開口部4aと連通した開口部5aを有するパイプ状に形成し、該棒状体5を注出口部3aから容器本体1内部の飲料等を吸い上げるストローとして使用してもよい。
【0032】
この場合に、取付部4の開口4a内に図6(ハ)に示すような別体又は一体に成形した補強体6を取り付けることがヒートシール時に取付部の変形、破損を防止する面からみて好ましい。
【0033】
また、上記実施の形態では,注出口3aと開口部4aの任意位置での水平断面積が略等しく形成された好ましい例を説明したが、注出口3aと開口部4aはこれに限定されるものではない。
さらに、図示等は省略したが、注出部3の外面にはスクリューキャップ用の溝等が形成されており、また1〜数個のフランジ等を形成されていてもよい。
【0034】
さらに、容器本体1の具体的な形状も、両側部或いは底部にガセットが形成された自立袋形状のもの等や、チューブ状フィルムから形成されたものであってもよく、特に限定されるものではない。
【0035】
【発明の効果】
上述のように、本発明はシート体からなる簡易な容器において、口部材との取付けを強固にし,且つシール不良の発生を確実に防止できると同時に、口部材部に着脱自在の蓋体を容易に取り付けることができる。
また、開口部に補強体を有する場合には、ヒートシール時に強力に押圧を加えても変形したり破損することのない口部材であるために、口部材を確実に取り付ける作業が容易にできる。
さらに下方に延設される棒状体を有する場合には、容器の被収納物の残量が少なくなっても容易に取り出すことができ、被収納物の残留を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の容器の実施の形態の一例を示す正面図。
【図2】本発明の口部材の実施の形態の一例を示す斜視図。
【図3】(イ)は図2のA−A線断面図、(ロ)は図2のB−B線断面図。
【図4】図3(ロ)のC−C線断面部。
【図5】(イ)は他の実施の形態の口部材を示す斜視図、(ロ)は(イ)のD−D線断面図、(ハ)は(ロ)のE−E線断面図、(ニ)は(ロ)のF−F線断面図。
【図6】(イ)は他の実施の形態の口部材を示す斜視図、(ロ)は(イ)のG−G線断面図、(ハ)は(イ)のH−H線断面図、(ニ)は(イ)のI−I線断面図。
【図7】(イ)は従来の容器を示す要部拡大斜視図、(ロ)は(イ)のJ−J線断面図。
【符号の説明】
1 容器本体
2 口部材
3 注出部
4 取付部
5 棒状体
6 補強体
Claims (4)
- 可撓性を有するシート体からなる容器本体(1)に、注出口(3a)が形成された外面に円筒形部分を有する注出部(3)と、該注出口(3a)と容器本体(1)内部を連結する開口部(4a)が形成された取付部(4)からなる口部材(2)が、容器本体(1)と取付部(4)においてシールされて取り付けられている容器において、前記口部材(2)の取付部(4)の容器本体(1)の厚み方向の幅(d)が前記注出部(3)の上部の円筒形部分の外径(d’)より小さくなるような偏平形状であり、前記開口部(4a)が容器本体(1)の幅方向に拡がった形状を有し容器本体(1)の両側隅部からも被収納物を取り出し可能に構成され、前記取付部(4)には補強体(6)が容器本体(1)の厚み方向に接続するように一体に形成されていることを特徴とする容器。
- 前記取付部(4)の開口部(4a)内には、補強体(6)が内側から取付部(4)を支持すべく形成されている請求項1に記載の容器。
- 前記取付部(4)の開口部(4a)と注出口(3a)は、それぞれ任意の箇所の水平切断面における面積が略等しくなるように形成されている請求項1に記載の容器。
- 容器本体(1)内部の被収納物を注出可能な注出口(3a)が形成された外面に円筒形部分を有する注出部(3)と、注出口(3a)と連結している開口部(4a)が形成された取付部(4)からなり、且つ該取付部(4)が可撓性を有するシート体より形成された袋状の容器本体(1)に取り付けられる容器用口部材において、前記取付部(4)の容器本体(1)の厚み方向の幅(d)が注出部(3)の上部の円筒形部分の外径(d’)よりも小さくなるような偏平形状であり、前記開口部(4a)が容器本体(1)の幅方向に拡がった形状を有し容器本体(1)の両側隅部からも被収納物を取り出し可能に構成され、前記取付部(4)には補強体(6)が容器本体(1)の厚み方向に接続するように一体に形成されていることを特徴とする容器用口部材。
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