JP2020164250A - パウチ - Google Patents
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Description
第1基材層と第1シーラント層を備えた第1面を構成する包装材料と、第2基材層と第2シーラント層を備えた第2面を構成する包装材料が対向して接合されて収容部が形成されるパウチであって、
角部に形成されたフック挿入部と、
フック挿入部を含むように形成された補強部と、
前記パウチの外縁とフック挿入部とを結び、前記パウチを貫通する連通部と、を備え、
前記補強部は、以下のa)からc)のいずれかの構成であることを特徴とするパウチを提供する。
a)前記第1基材層と前記第2基材層の間に厚みが100μm以上のシール層が形成されている
b)前記第1基材層と前記第2基材層の間に、第1シール層、第3基材層、第4基材層、第2シール層が順に形成されている
c)前記第1基材層と前記第2基材層の間に、第1シール層、補強材、第2シール層が順に形成されている
前記連通部として切込みを有してもよい。
前記連通部は、前記切込みと前記外縁を結ぶ切り欠きを有してもよい。
前記連通部は、前記フック挿入部の上端と連続していてもよい。
図1は、本発明の一実施形態に係るパウチを示す正面図および背面図である。図2は、図1(a)におけるA−A線に対応する断面図である。図1、図2に示した本実施形態のパウチは、内容物が充填される前の状態(内容物が充填されていない状態)のパウチを示したものである。本実施形態のパウチは、対向する第1面1、第2面2を有し、第1面1、第2面2で挟まれた空間が収容部8となっている。本実施形態のパウチは、第1面1側から見た正面視、第2面2側から見た背面視において四角形状である。本実施形態において、四角形状とは、各隅が角を有する形状だけでなく、各隅が面取りされて、外に凸の円弧状または曲線状となったものも含む概念である。本発明において、パウチは、内容物が充填されていない状態のパウチに限らず、内容物が充填されている状態のパウチも含む概念である。
本実施形態のパウチは、第1面1を構成する包装材料、第2面2を構成する包装材料の計2枚の同一形状同一サイズの包装材料と、補強部の構成要素となるシーラント材により形成されている。第1面1を構成する包装材料、第2面2を構成する包装材料は、基材層(第1基材層、第2基材層)とシーラント層(第1シーラント層、第2シーラント層)を備えている。第1面1を構成する包装材料と第2面2を構成する包装材料は、シーラント層どうしを対向させて、第1縁11、第3縁13、第4縁14において、ヒートシールされて接合されている。第1縁11側においては、第1面1を構成する包装材料と第2面2を構成する包装材料の間にシーラント材が挟み込まれる。シーラント材が挟み込まれた箇所は、第1面1を構成する包装材料のシーラント層、第2面2を構成する包装材料のシーラント層とヒートシールされて一体化し、1つのシール層が形成される。図1に示すように、第2縁12においては、シールされていないため、内容物の充填前は、収容部8の開口部9となっている。
図1、図2に示す本実施形態のパウチは、内容物の充填前の状態を示している。内容物の充填前の本実施形態のパウチは、図1に示すように、第1縁11、第3縁13、第4縁14において、ヒートシールされて、それぞれ第1縁シール部21、第3縁シール部23、第4縁シール部24の各シール部が形成されている。図1においては、既にヒートシールが行われ、形成済みの第1縁シール部21、第3縁シール部23、第4縁シール部24の各シール部を斜線で網掛けして示している。図1において、一点鎖線より第2縁12側は、第2縁シール部22となる予定の第2縁シール予定部22´であり、シール部が未形成であるため、網掛けを施していない。第1縁シール部21、第3縁シール部23、第4縁シール部24の各シール部は、それぞれ、第1縁11、第3縁13、第4縁14を含むように形成されている。
図2の断面図に示すように、補強部21aにおいては、ヒートシールされたシール層の厚みが、外縁側シール部21b、収容部側シール部21cに比べて厚いものとなっている。補強部21aにおけるシール層の厚みをT1、外縁側シール部21b、収容部側シール部21cにおけるシール層の厚みをT2とすると、T1>T2である。補強部21aの強度を保つため、補強部21aの厚みT1は100μm以上である必要がある。外縁側シール部21bと収容部側シール部21cは同等の厚みである。第1面1を構成する包装材料、第2面2を構成する包装材料がそれぞれ備える基材層の一方を第1基材層51、他方を第2基材層52とすると、補強部21aは、第1基材層51と第2基材層52の間に厚みが100μm以上のシール層が形成されている構成となる。
パウチを吊り下げるために用いるフック挿入部4および連通部5について説明する。フック挿入部4は、フックを挿入するための部分であり、図1の例では、円形状の貫通孔となっている。連通部5は、第1面1から第2面2に亘ってパウチを貫通した箇所であり、第1縁11と第4縁14の交点であり、パウチの角である上端15と、フック挿入部4を結ぶように形成されている。図1の例では、上端15からフック挿入部4にまで達する切込みである。フック挿入部4は、その周縁の全てが補強部21aに囲まれるような位置に形成されている。フック挿入部4の周縁全てが補強部21aに囲まれていることにより、フック挿入部4の周縁における補強部21aの厚みが、他のシール部よりも厚くなる。このため、フック挿入部4の周縁の強度が高まり、フックに掛かるパウチの重みにより、フック挿入部4の周縁が裂けることを抑止することができる。また、第1面1から第2面2に亘ってパウチを厚み方向に貫通する連通部5が、上端15とフック挿入部4を結ぶように形成されているため、フックの胴体部分を連通部5に通すことにより、フック挿入部4に収めることができる。したがって、フックの先端をフック挿入部4に通す必要がなくなり、パウチの陳列作業が大幅に省力化される。
後に、第2縁12に形成された開口部9を介して内容物が収容された後、第2縁12に沿ってシール形成され、パウチが封止される。第2縁12におけるシール部である第2縁シール部22は、第3縁13から第4縁14に亘って形成される。充填、シール後の収容部8は、第1縁11、第2縁12、第3縁13、第4縁14の内縁で画成されることになる。第2縁12にシール部を形成して封止した状態のパウチを図3(a)(b)に示す。図3(a)は、図1(a)に対応するパウチの正面図、図3(b)は、図1(b)に対応するパウチの背面図である。第1縁11、第2縁12、第3縁13、第4縁14のシール部のシール幅は、適宜設定することができる。第1縁11、第2縁12のシール部のシール幅とは、第1縁11、第2縁12のシール部が延びる方向(図3における左下から右上に向かう方向)に交差する方向(図3における左上から右下に向かう方向)における幅である。第3縁13、第4縁14のシール部のシール幅とは、第3縁13、第4縁14のシール部が延びる方向(図3における左上から右下に向かう方向)に交差する方向(図3における左下から右上に向かう方向)における幅である。
次に、補強部21aの変形例について説明する。上記実施形態では、補強部21aの構成を、第1基材層51と第2基材層52の間に厚みが100μm以上のシール層60が形成されている構成としたが、第1基材層51と第2基材層52の間に、第1シール層61、第3基材層53、第4基材層54、第2シール層62が順に形成されている構成としてもよい。図4は、変形例の場合における図1のA−A線に対応する断面図である。図4に示すように、変形例の場合、補強部21aにおいては、第1面1を構成する包装材料の第1基材層51と第2面2を構成する包装材料の第2基材層52の間に第1シール層61、第3基材層53、第4基材層54、第2シール層62が存在する。
次に、フック挿入部4および連通部5の変形例について説明する。図1の例では、フック挿入部4を円形の貫通孔とし、連通部5を、フック挿入部4と収容部8と反対側の外縁である上端15とフック挿入部4とを結ぶ切込みとした。図7は、図1におけるフック挿入部4および連通部5の部分拡大図である。図7においては、フック挿入部4および連通部5の様々な例を示している。図7(a)〜(d)において、左側の図はフックHが挿入されていない状態を示しており、右側の図はフックHが挿入された状態を示している。図7(a)は、図1に示した形態であり、連通部5が切り込みとなっている。図7(a)の例では、連通部5が切り込みであるため、連通部5の幅(図7における左右方向)は実質的に0である。
次に、フック挿入部4の変形例について説明する。図1、図7(a)(b)(c)(d)の例では、いずれもフック挿入部4を円形の貫通孔としていた。図8は、図1におけるフック挿入部4および連通部5の部分拡大図である。図8においては、フック挿入部4および連通部5の様々な例を示している。図8に示した例では、フック挿入部4が円形状の貫通孔でなく、円形状の一部に加工が行われていない連結部4aを備えた切り込みにより実現されている。したがって、円形のフック挿入部4は、貫通しておらず、基材層、シール層が存在した状態であり、補強部21aと同じ構成となっている。図8(a)(b)(c)(d)の連通部5の形状は、それぞれ図7(a)(b)(c)(d)の連通部5の形状と同一である。図8に示す各変形例では、パウチの吊り下げを行う際には、フックを連通部5に通し、フック挿入部4の上端において、基材層、シール層を含む部分をフック自体で上方から押すことにより、フック挿入部4に挿入する。
次に、さらに別のフック挿入部4および連通部5の別の変形例について説明する。図1、図7、図8の例では、いずれも連通部5が、パウチの角部における外縁と連続するように形成されていたが、連通部5が角部以外の外縁から連続するように形成されていてもよい。図9は、連通部が縁に接続する変形例を示すパウチの正面図である。図9に示した例では、フック挿入部4が円形状の貫通孔でなく、多角形状の貫通孔である。また、連通部5は、第1縁11からフック挿入部4まで、ほぼ同幅で形成された切り欠きである。図9においては、フック挿入部4と連通部5の境界を破線で示している。連通部5の幅は、フックの幅以上とすることもできる。連通部5の幅が、フックの幅以上である場合、第1縁11側からフックを挿入する作業が非常に容易になる。図9に示す変形例では、パウチの吊り下げを行う際には、第1縁11側からフックを連通部5に通し、フック挿入部4の左下側から、そのままフック挿入部4に挿入する。
次に、本発明に係るパウチの全体形状の変形例について説明する。上記実施形態においては、いわゆる平パウチと呼ばれる4方シールの形態のものについて説明したが、ピロータイプの形態とすることもできる。図10は、本発明のパウチの変形例であり、全体形状をピロータイプの形態としたパウチを示す正面図である。図10に示すピロータイプのパウチは、図1に示した平パウチタイプのパウチに、合掌部を追加した形状となっている。合掌部7は、基部7aから先端部7bまでヒートシールされてシール部が形成されている。合掌部7の基部7aは、第1面1と連接されている。
本実施形態に係るパウチが収容対象とする内容物については、特に限定されない。液体、粉体、粒体、固形物等、様々な態様のものを内容物として収容することができる。また、食品であっても非食品であってもよい。
パウチの第1面1、第2面2は、積層フィルムである包装材料により構成することができる。図4に示したような補強部21aに用いる包装材料は、第1面1を構成する包装材料、第2面2を構成する包装材料と同様の包装材料により構成することができる。上述のように、本実施形態では、基本的には第1面1を構成する包装材料、第2面2を構成する包装材料の2枚の包装材料により構成されている。本実施形態で用いる包装材料は、少なくとも、外側から、基材層、シーラント層を含む積層体である。基材層としては、紙またはプラスチックフィルムを用いることができる。基材層としては、特に、一軸または二軸延伸された延伸プラスチックフィルムを2枚以上重ねて用いることが好ましい。例えば、包装材料は、外面側から順に、第1延伸プラスチックフィルム、第2延伸プラスチックフィルム、シーラントフィルムが順に積層されていることが好ましい。
・OPP(延伸ポリプロピレンフィルム)20μm/印刷層/AC/PE10μm/VMPET12μm/AC/PE10μm/CPP(無延伸ポリプロピレンフィルム)18μm
・OPP20μm/接着剤層/VMCPP30μm
・PET(ポリエチレンテレフタレート)12μm/接着剤層/VMCPP30μm
・OPP20μm/接着剤層/CPP18μm
・ONY(延伸ナイロンフィルム)15μm/PE(ポリエチレンフィルム)30μm
・印刷層/紙50μm/PE10μm/VMPET12μm/AC/PE10μm/CPP18μm
・印刷層/紙50μm/PE10μm/アルミニウム箔7μm/PE30μm
・PET12μm/PE15μm/アルミニウム箔7μm/PE30μm
次に、上述の包装材料30を用いてパウチを製造する方法について説明する。ここでは、上記実施形態に係るパウチを製造する場合について説明する。まず、2枚の包装材料30を準備する。2枚の包装材料30のシーラントフィルム33どうしを対向させて、その間にシーラント材を挟み込む。この状態で、第1縁11、第3縁13、第4縁14において、所定のシール温度でヒートシールしてシール部を形成して接合する。シーラントフィルム33が挟まれた箇所は、他のシール部より厚みが厚い補強部21aとなる。2枚の包装材料は、第1縁11と第2縁12を両端として図1(a)における左下から右上に向かう方向に延びている。したがって、図1(a)における左下から右上に向かう方向に搬送されながら、製造が行われる。補強部21aが形成された後、抜き型および刃を用いて、フック挿入部4および連通部5を形成する。さらに、第3縁13、第4縁14に沿って、適切な形状に切断して単体のパウチごとに分離し、図1、図2に示したような実施形態のパウチが得られる。これにより、補強部21a、フック挿入部4、連通部5を備えた内容物充填前のパウチが完成する。続いて、第2縁12側の開口部9を介して内容物をパウチの収容部8に充填する。
図7(a)〜(d)、図8(a)〜(d)、図9の9種類のフック挿入部および連通部の形状のパウチを製造し、内容物の充填・封止後、吊り下げ作業を行った。円形状の貫通孔のみを有する従来のパウチと比較すると、フックへの取り付け易さ、フックからの外し易さが向上した。フックへの取り付け時には、従来のパウチでは、貫通孔にフックの先端を通さなければならなかったが、本発明のパウチでは、円柱状のフックの胴部を連通部に通すことにより、フック挿入部に導くことができた。また、フックからの取り外し時には、従来のパウチでは、貫通孔からフックの先端を抜かなければならなかったが、本発明のパウチでは、フックの胴部を連通部に通すことにより、フック挿入部から外すことができた。量販店、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等の店舗においては、大量の商品を陳列する必要があり、フックへの吊り下げ作業も商品の数に応じて繰り返し行う必要がある。本発明のパウチの場合、1つ1つの取り付け、取り外し作業を容易に行うことができるため、作業時間の削減に繋がる。
2・・・第2面
4・・・フック挿入部
5・・・連通部
7・・・合掌部
7a・・・基部
7b・・・先端部
8・・・収容部
9・・・開口部
11・・・第1縁
12・・・第2縁
13・・・第3縁
14・・・第4縁
15・・・上端
21・・・第1縁シール部
21a・・・補強部
21b・・・外縁側シール部
21c・・・収容部側シール部
22・・・第2縁シール部
23・・・第3縁シール部
24・・・第4縁シール部
30・・・包装材料
51・・・第1基材層
52・・・第2基材層
53・・・第3基材層
54・・・第4基材層
55・・・補強材
60・・・シール層
61・・・第1シール層
62・・・第2シール層
Claims (5)
- 第1基材層と第1シーラント層を備えた第1面を構成する包装材料と、第2基材層と第2シーラント層を備えた第2面を構成する包装材料が対向して接合されて収容部が形成されるパウチであって、
角部に形成されたフック挿入部と、
フック挿入部を含むように形成された補強部と、
前記パウチの外縁とフック挿入部とを結び、前記パウチを貫通する連通部と、を備え、
前記補強部は、以下のa)からc)のいずれかの構成であることを特徴とするパウチ。
a)前記第1基材層と前記第2基材層の間に厚みが100μm以上のシール層が形成されている
b)前記第1基材層と前記第2基材層の間に、第1シール層、第3基材層、第4基材層、第2シール層が順に形成されている
c)前記第1基材層と前記第2基材層の間に、第1シール層、補強材、第2シール層が順に形成されている - 前記連通部として切込みを有する請求項1に記載のパウチ。
- 前記連通部は、前記切込みと前記外縁を結ぶ切り欠きを有する請求項2に記載のパウチ。
- 前記連通部は、前記フック挿入部の上端と連続している請求項1から3のいずれか一項に記載のパウチ。
- 前記連通部は、前記パウチの角部以外の外縁と前記フック挿入部とを結ぶ請求項1から4のいずれか一項に記載のパウチ。
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