JP4834849B2 - キャンドル構造体 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、キャンドル使用時に花びらが開くがごとき動的作用やからくり的な動作を伴うキャンドル構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、キャンドル使用上の特徴は、キャンドルの装飾や燭台の装飾、それにキャンドルの照明が電灯にはない気持ちの安らぎをもたらす軟らかな雰囲気をつくることができる点にある。キャンドルの装飾はキャンドル周囲に施されたさまざまな装飾と着色、それとキャンドルの形状であり、また、全体の豪華さを演出するには燭台に施されたさまざまな装飾であり、そして、キャンドルの使用中は単調な時間が経過するに過ぎないものであって、それらは何れも言わば静的装飾であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来のキャンドルが静的装飾であるのに対し、本発明の目的は、キャンドル使用時に経時的変化を伴う動的な装飾を付加したキャンドル装飾体によってキャンドルに対する好奇心を持続させるキャンドル構造体を提供することにある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち本発明は、燃焼剤に燃焼芯が埋設されたキャンドルと、該キャンドルが載置される固定部の周縁から外方に向けて所望の形状に裁断・成形された複数の可動部分からなる剛性を有する曲げ反発弾性力の高い可撓性シート状物と、該可撓性シート状物で囲まれたキャンドルが装着されるカップ状物又はホルダーと、該燃焼芯から離れた位置に平行して燃焼剤に埋設され、かつ、先端が該燃焼剤から突出し、他端が該キャンドルの底部から該シート状物に設けられた孔を通じて該カップ状物又はホルダーの底部に固定された、少なくとも埋設部の上部が熱伝導性を有する線状物と、該線状物の上部に設けられて、キャンドルが一挙に押し上げられることを防止する耐熱性ストッパーとからなるキャンドル構造体であって、該可撓性シート状物で囲まれたキャンドルをカップ状物又はホルダー内に装着し、該キャンドル燃焼芯の燃焼火炎の熱で線状物周囲の燃焼剤が軟化・溶融されて、該ストッパーが解除されるとともに、該シート状物がその反発弾性力でキャンドルをカップ状物又はホルダーから押し上げて、該複数の可動部分が開くよう構成したことを特徴とするキャンドル構造体である。
【0005】
また、本発明は、上記キャンドル構造体を構成する高曲げ反発弾性度の可撓性シート状物が不織布、織布、紙状物又はそれらの複合体でなる繊維シート状物に、樹脂あるいは樹脂組成物又は繊維固定組成物を付与してなるシート状物、又はプラスチックスシート状物であるキャンドル構造体である。
【0010】
すなわち、本発明のキャンドル構造体は、可撓性シート状物で作られて、キャンドル外周に設けた言わば花びら状可動部がキャンドルに着火して燃焼時間の経過に伴って、花びらが開くがごとき動的作用やからくり的な動的作用を伴うキャンドル構造体であり、その構成上の要点の1つは高曲げ反発弾性度の可撓性シート状物にある。すなわち、可撓性シート状物の特性としての曲げ反発弾性度の測定法が、シート状物の厚さ0.5mm未満の場合には幅20mm、長さ50mmの試験片を、また、シート状物の厚さ0.5mm以上の場合には厚さに応じて、幅20mm、長さ75mm又は100mmの試験片をU字型に曲げ、その状態で室内雰囲気又は使用条件に設定した雰囲気に3分間放置した後、曲げ荷重を除去して生ずる反発弾性に基づく数秒以内(1〜3秒)の開角度が少なくとも120度の回復特性を有することが好ましい。試験片をU字型に曲げた場合に折れ目が生じたり、座屈してしまうシート状物、また開角度が120度に満たないシート状物などでは、キャンドル構造体をカップ状物やホルダーに装着固定して使用した場合に、曲げたシート状物が折れてしまい開花状態にならない場合や反発弾性が不足で不完全な開花状態である場合、そして、時としてシート状物の可動部がキャンドルの火炎で燃える危険性も生ずる場合がある。
【0011】
本発明で使用する可撓性シート状物を構成する繊維シート状物は、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリエチレン繊維や難燃化ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維や難燃化ポリプロピレン繊維、アクリル系繊維などの化学繊維、綿、植物靱皮繊維やパルプ、獣毛繊維、あるいは再生セルロース繊維、酢酸セルロース繊維などの天然繊維やそれを原料とした繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、金属繊維、アルミナ繊維などの特殊繊維、又は上記化学繊維に金属メッキを施した金属メッキ化学繊維などから選ばれた1種類又は数種類の繊維の混繊維で造られた不織布、紙状物、織布又はそれらの複合体でなる繊維シート状物である。
【0012】
そして、繊維シート状物を固定するのに使用する樹脂や固定方法は、例えば、アクリル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂などから選ばれた樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液又は分散剤に分散させた樹脂分散液として繊維シート状物に付与し、湿式凝固法や乾式凝固法で樹脂を固化して繊維間を固定成型する方法。又は繊維より低軟化点あるいは低融点の微粉末状樹脂を繊維シート状物に付与し、加熱又は加熱加圧して繊維間を固定成型する方法である。
【0013】
また、別の方法として、シート状物の構成繊維より融点あるいは軟化点の低い繊維又は溶剤に対する溶解度を異にする繊維(以下、これらの性質を備えた繊維をバインダー繊維と称す)を混繊維して繊維シート状物を造り、熱処理あるいは熱プレス又は溶剤処理してバインダー繊維で繊維間を固定する方法。シート状物の構成繊維より融点あるいは軟化点の低い樹脂、例えば、ポリブチレンテレフタレートあるいはその共重合体などのエステル系樹脂、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体などのエチレン共重合体系樹脂、ポリプロピレン、塩化ビニル系樹脂、6−ナイロンや610−ナイロンなどのアミド系樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂などから選ばれた樹脂を成型した熱可塑性樹脂フィルムを繊維シート状物に当接して熱固定する方法などで、前記曲げ反発弾性度を満足する特性を有する可撓性シート状物とする。
【0014】
また、繊維固定の他の方法は、特に薄くて剛性の高い可撓性シート状物を造る方法として、パルプや植物靱皮繊維の繊維シート状物、又は、例えば、合成繊維や再生繊維の繊維長を1〜10mmの短繊維として、それぞれの短繊維単独あるいは混繊維して得た繊維シート状物、又はパルプや植物靱皮繊維と混繊維して得た繊維シート状物として嵩高性の低い繊維シート状物に、繊維固定組成物として天然糊剤や合成糊剤に、必要に応じて、例えば、クレーやタルク、炭酸石灰や硫酸バリウム、酸化チタンなどの充填剤を配合したサイジング液で繊維間を固定成型した繊維シート状物に、更に、例えば、上記の繊維シート状物の構成繊維より融点あるいは軟化点の低い樹脂を成型した熱可塑性樹脂フィルムを繊維シート状物に当接して熱固定する方法で所望の使用特性を満たす剛性の高い可撓性シート状物に加工する。
【0015】
また、繊維シート状物に付与する樹脂には、例えば、天然染料や合成染料、無機顔料や有機顔料などの着色剤、クレーやシリカ、ホワイトカーボン、硫酸バリウム、タルクなどの体質顔料などから選ばれた1種類又は2種類以上の添加剤を添加、更に、必要に応じて難燃剤を配合して調整した繊維固定組成物を用いる。又は繊維シート状物あるいは可撓性シート状物に十分な難燃性を付与する必要が有れば、難燃剤溶液あるいは分散液で処理を施して難燃化可撓性シート状物とするとよい。
【0016】
更に、可撓性シート状物がプラスチックスシート状物の場合には、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、またエチレンテレフタレートやブチレンテレフタレートの共重合体であるポリエステル系樹脂、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリプロピレン、プロピレン共重合体系樹脂、その他のオレフィン共重合体系樹脂、6−ナイロンや66−ナイロンなどのポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体系樹脂、酢酸繊維素系樹脂、その他汎用樹脂から選ばれた樹脂であり、樹脂には必要に応じて着色剤や剛性を高めるための充填剤、難燃剤などを添加配合した樹脂組成物を成型したプラスチックスシート状物であり、更に、成形プラスチックスシート状物は必要に応じて1軸又は2軸延伸処理や熱処理などの後処理を施して剛性の高いシート状物とすることもよい。そして、得られたシート状物の厚みはプラスチックスの特性や構造要因からもたらされる剛性と使用するキャンドルの大きさ(重量)で決める。例えば、通常の使用時間が1〜1.5時間程度の場合には、剛性の高いシート状物の1種、ポリエチレンテレフタレートは約0.05mmから約0.4mm程度の範囲のシート状物でキャンドルを支えものが得られるし、軟質シート状物の1種、ポリエチレンでは約0.8〜2.5mm程度の範囲のシート状物でないとキャンドルの重量で使用中に撓みが生ずる場合がある。更に、この厚みの決定要因は使用する可撓性シート状物の大きさや固定部に載置するキャンドルの大きさ(重量)で適宜に決めるものである。
【0017】
また、本発明の可撓性シート状物の可動効果を調節したり、鑑賞効果を表現するために、少なくとも固定部周縁からシート状物外縁に向けて、所望する形状に成形したシート状物可動部分の一部分又は全体に剛性を有する金属、例えば、鋼、黄銅、アルミニウム、金、銀などの箔や金属シート、又は金属線、更に、バイメタル型複合材料(例えば、銅合金/ニッケル−鉄合金など)や、形状記憶性合金(例えば、ニッケル/チタン合金)などの特殊金属の箔あるいは金属シート又は金属線などである。一方、剛性を有するプラスチックスとしては、例えば、前記可撓性プラスチックスシート状物に適用する樹脂、またプラスチックス複合体としては、例えば、結晶性樹脂/非結晶性樹脂、ポリブチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレート、柔軟性樹脂(例えば、柔軟性接着剤組成物)/剛性樹脂(例えば、前記プラスチックスシート状物に適用する樹脂)などのプラスチックスフィルムやシート、更に、プラスチックス線状物や金属光沢を付与したプラスチックスシート状物である。これら箔や金属シート、金属線又はプラスチックスシート状物や線状物は可撓性シート状物の製造加工過程で添え物質として一体化したり、2枚のシート状物に介装あるいは挟持したり、又は可撓性シート状物の一面に係合させて得られる。これらの複合化処理した可撓性シート状物は、特に大型キャンドルに使用する可撓性シート状物に適応してキャンドルの重量による反発弾性度の不足を補って開花効果と装飾効果を高めたキャンドル構造体になるので好ましい。しかし、キャンドルが大きく(重く)なると、可撓性シート状物の反発弾性度だけでは十分な開花状態にならない場合が生ずる。その場合には、可撓性シート状物の反発弾性度を補うために、可撓性シート状物の固定部に当たる下部に金属製あるいはプラスチックス製のコイル状バネ、竹の子バネ、板バネなどのスプリングを補助具として設置しておくこともよい。
【0018】
次に、可撓性シート状物は任意の基点(後述する固定部の中心点)から50〜500mmの範囲で所望する大きさ、形状に裁断・成形する。
キャンドルを載置する固定部が、小型のキャンドルで直径約10mm、大型のキャンドルでは直径約100〜150mmを要することを勘案して、固定部を基点から5〜80mmの範囲とし、その固定部周縁からシート状外縁に向けて所望する形状、例えば、花びら状、植物葉状、花状、人形状、踊り難行状、食物の実様など身近な物の形状や、台形状、円形状、楕円形上、団子の串刺し状など幾何学的形状、更に、時代の人気キャラクター状や建築構造物状、制作者の心を表現した不定形模様状などに裁断・成形して可動部とした加工シート状物、又は固定部に所望の形状と大きさの可動片を接合した加工シート状物、あるいは裁断・成形して可動部とした加工シート状物の固定部に所望の形状と大きさの可動片を追加接合して得た加工シート状物である。この加工シート状物の固定部にキャンドルを載置する。
【0019】
更に、本発明のキャンドル構造体を構成する燃焼芯に併設する線状物は、可撓性を有する金属線が、例えば、細い鋼鉄線(ピアノ線)、真鍮線、ステンレス線、銅線、アルミニウム線などの単線あるいは複数本の撚線であり、また、金属繊維糸や無機繊維糸が、例えば、ステンレス鋼繊維糸、真ちゅう系繊維糸、銅繊維糸、ガラス繊維、アルミナ繊維、ケイ素−チタン−炭素−酸素系繊維、炭化ケイ素繊維、炭素繊維糸などであり、また、銅メッキやアルミニウムメッキを施したポリエステル繊維糸などである。更に、前記金属繊維又は類似繊維と他の繊維、例えば、綿繊維、再生繊維、絹繊維、和紙の裁断物、ポリビニルアルコール系繊維、アクリル系繊維、ナイロン系繊維、ポリエステル系繊維などとの撚糸、また不燃性繊維糸又は難燃性繊維糸が、例えば、最高使用温度が約300℃以上のアラミド系繊維糸、アクリル酸化繊維糸、全芳香族ポリエステル系繊維糸などから選ばれた線状物である。特に好ましい線状物はキャンドルの火炎で線状物を埋設してある燃焼剤の少なくとも上部が軟化あるいは溶融するに必要な熱伝導性を有する線状物である。
【0020】
一方、この線状物はキャンドル火炎の熱伝導性が構成材料で異なり、特に、金属線や金属繊維を含む撚糸ではキャンドル火炎の熱で燃焼剤が溶融したり軟化する。燃焼剤がキャンドルの外周部まで大きく溶融した場合、キャンドルに埋設した線状物がシート状物の反発弾性力でキャンドルの外周から外方向に抜けてしまい、本発明の効果が得られない。線状物の燃焼剤からの抜けを防止するために、燃焼剤の下部にシリコン樹脂、ポリ塩化ビニルや難燃性ポリ塩化ビニル、難燃化合成ゴムあるいは耐熱性合成樹脂、陶磁器、ガラスなどで造られた非熱伝導性のチューブを埋設し、該チューブに線状物を挿通しておくことが好ましい。それによって、キャンドル使用中に線状物が燃焼剤の外方向へ抜けるのを防止することができる。
【0021】
更に、線状物の上部、又は上部と下部にストッパーを設ける。上部ストッパーでは線状物が熱せられて燃焼剤が軟化あるいは溶融して一挙にキャンドルの押し上げが生ずるのを防ぎ、徐々にキャンドルを押し上げて経時的に花びらを開花させる役目をし、下部ストッパーでは線状物に設けた位置で開花動作を停止させる停止位置決めの役目をする。従って、上部ストッパーは耐火性あるいは耐熱性の素材が好ましい。例えば、金属、ガラス、陶磁器、石材、耐熱性樹脂などを細工したものである。また、使用する線状物を細工してもよい、例えば、ループを作る、結び目を作る、折曲部を作る、また上部ストッパー位置から下部ストッパー位置に向けて一定の間隔又は下部ストッパー位置までスパイラルを形成するなどでもよい。そして、キャンドルに挿着した線状物は、キャンドル底部から十分な長さを出して所望の形状に成型したキャンドルとする。
【0022】
次に、キャンドル底部から出した線状物は、可撓性シート状物の基点から離れた位置(基点部)に開けた孔される。この状態で、可撓性シート状物を包むと、可撓性シート状物キャンドルを囲むごとくキャンドルと一体化される。次いで、可撓性シート状物と一体化されたキャンドルをキャンドル底部とシート状物の可動部分の一部が挿入できる口径と深さを有する、例えば、プラスチックや金属、木材や竹、陶磁器やガラスなどで造ったカップ状物又はホルダーに装着する。可撓性シート状物の基点部に開けた孔に挿通された線状物先端は、花びらの開花を損なわないように、固定手段でカップ状物又はホルダーの底部に固定される。固定手段としては、例えば、接着剤での接着や粘着剤テープでの粘着、綿ファスナーやホック、鈎状物での掛止、紐での結び、ネジでの締結、ピンでの係止などがある。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のキャンドル構造体を図面及び実施例で具体的に説明する。
【0024】
図1は、本発明のキャンドル構造体の1例の断面模式図であり、キャンドル構造体1は、所望の形状に成型したキャンドル2に燃焼芯3と底部から十分な長さを出して併設した線状物4とからなり、その線状物の上部には上部ストッパー5と下部には下部ストッパー6と断熱チューブ7を設けてなる。一方、キャンドルを載置する可撓性シート状物8は花弁状可動部分9と固定部分10でなり、キャンドル底部から出した線状物はシート状物の固定部分に設けた基点部に開けた孔を通して、キャンドル底部とシート状物の可動部分の一部を挿入できる口径と深さを有するカップ状物12に装着して、キャンドルをシート状物で囲むごとく一体化し、線状物でカップ状物の底部に固定13して構成したものである。なお、11は燃焼芯固定座金である。
【0025】
図2は、本発明のキャンドル構造体のキャンドルに着火し、しばしの時間が経過して花弁が開花状態になった断面模式図であり、キャンドル2の燃焼芯3に着火して燃焼剤が減少するに伴い、キャンドルは可撓性シート状物の有する反発弾性力の作用で押し上げられる。しかし、線状物4に装着した上部ストッパー5とカップ状物12への線状物固定部13によってキャンドル上部の位置はほぼ一定になるため、可撓性シート状物8が押上げられた分だけ花弁状可動部分9は開花状態になる。なお、6は線状物に付けた下部ストッパーであり、7は線状物に挿着した断熱チューブで、10は可撓性シート状物の固定部分、11は燃焼芯固定座金である。
【0026】
図3は、本発明の可撓性シート状物の曲げ反発弾性度の測定法を説明する模式図であり、(1)は所定の大きさに裁断した試験片14であり、(2)はその試験片14をU字型に曲げた状態であり、Wは先端を揃えて曲げるに必要な荷重である。(3)は一定時間後、曲げ荷重を除去して数秒以内(1〜3秒)の反発による開角度を測定する状態を示す模式図であり、θは開角度である。
【0027】
【実施例1】
キャンドル構造体を構成するキャンドルは、所定の型に溶融パラフィンワックスを注入して得た成型キャンドルに燃焼芯と線状物を通す孔を形成し、その孔に燃焼芯と、線状物として直径0.3mmのピアノ線を用い、その上部ストッパー及び下部ストッパーとしてガラスビーズを結合し、下部にはシリコン樹脂製断熱チューブを挿着したものをキャンドルに差込み、直径約40mmの成型キャンドルを得た。一方、可撓性シート状物は、和紙(重量40g/m)を2枚積層したものにバインダーとして赤色系顔料を配合した塩化ビニル系樹脂エマルジョン液を塗布・含浸し、搾液した後、乾燥して約55℃のカレンダーロールで整形プレスし、厚さ約0.36mmのシート状物を得た。このシート状物から反発弾性度測定用試験片として、任意の3カ所から幅20mm、長さ50mmの試料を2枚ずつ採取し、室内(5月下旬の気候、室温約24.5℃)で曲げ反発弾性度を測定した結果、いずれの試料も固定を解除した数秒以内の平均開角度はほぼ180度近くに回復した。
【0028】
【比較例1】
シート状物の製造にバインダーとして、赤色系顔料を配合したスチレン−ブタジエン系樹脂エマルジョン液を、上記と同じ条件下で和紙を2枚積層したものに塗布・含浸し、搾液した後、乾燥して約55℃のカレンダーロールで整形プレスし、厚さ約0.35mmのシート状物を得た。このシート状物の反発弾性度を上記と同じ条件で測定した結果、数秒以内の平均開角度は約108度であり、1分後の平均開角度が約116度であった。なお、この試験片を曲げた場合、曲げた部分が多少座屈気味であった。
【0029】
上記2種類のシート状物をそれぞれ直径200mmの円形に裁断し、そのシート状物の中心から半径20mmを固定部とし、固定部周縁から外縁に向けて花弁状に裁断し、更に、別に裁断した花弁状物を花弁と花弁の間に配置して固定部分で接着して花弁状シート状物を作った。このシート状物に上記のキャンドルを固定座金を介して載置し、キャンドル底部に出した線状物を固定部にあけた孔を通して出し、シート状物とキャンドルを一体にした2種類のキャンドル構造体を得た。次いで、2種類のキャンドル構造体はそれぞれ花弁状部分でキャンドルを包むようにして口径約70mm、深さ25mmのプラスチック製のカップ状物に入れ、線状物をカップ状物の底に粘着テープで固定した。
【0030】
次いで、2種類のキャンドルに着火して花弁状可動部分の変化を観察した結果、実施例のキャンドル構造体は着火して約5分後から花弁状部分に変化が見られ、時間の経過と共に花弁状部分の開きが大きくなり、キャンドルが約14mm燃焼した辺りから花弁状部分は図2に示したようにほぼ全開状態になった。しかし、比較例のキャンドル構造体は花弁状部分の開きが遅く、着火して約55分間燃焼した時点でもあまり開花しないで、花弁状の先端部分は火炎の熱で変形を生じたため試験を中止した。この比較例に用いた樹脂は反発弾性特性が悪く、かつ可撓性シート状物に十分な腰がないためにキャンドルを押し上げる作用が得られないためと推考される。
【0031】
【実施例2】
実施例1の可撓性シート状物の一面に花弁模様状に切り抜いた金属箔を接着したものを反発弾性度測定用試験片として幅20mm、長さ50mmの試料を3枚採取し、曲げ反発弾性度を測定した結果、いずれの試料も固定を解除した数秒以内の平均開角度はほぼ172度近く回復した。このシート状物で実施例1と同様に成形して得たシート状物を用いて花弁状シート状物を作った。このシート状物に実施例1のキャンドルに挿着する線状物のストッパーとして、線状物の上部及び下部にループを造った線状物を用いたキャンドルを固定座金を介して載置し、キャンドル底部に出した線状物は固定部にあけた孔を通してシート状物とキャンドルを一体にしたキャンドル構造体とした。次いで、キャンドル構造体は花弁状部分でキャンドルを包むようにして口径約70mm、深さ25mmのプラスチック製のカップ状物に入れ、線状物をカップ状物の底に固定した。
【0032】
次いで、キャンドルに着火して8分位からキャンドル構造体の花弁状部分に変化が見られ、時間の経過と共に花弁状部分の開きが大きくなり、キャンドルが約20mm燃焼した辺りで花弁状部分はほぼ全開状態になった。更に、花弁状部分の開花につれて金属箔のもたらす輝きの変化も装飾効果に大きく関与するものがあった。
【0033】
【実施例3】
可撓性シート状物として、重量49g/mのポリエチレンテレフタレート繊維ウエブを用意し、15%ウレタン系樹脂組成物バインダー液を塗布・含浸し、搾液してシリンダー乾燥したシート状物は重量72g/m、平均厚さ0.51mmであつた。このシート状物の1面に厚さ約0.2mmのエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂フィルムを熱プレス接着成型して平均厚さ0.52mmのシート状物を得た。このシート状物の反発弾性度測定用試験片として幅20mm、長さ75mmの試料を採取し、不織布層を内側に曲げ反発弾性度を測定した結果、固定を解除した数秒以内の平均開角度は153度近く回復した。
【0034】
このシート状物に幾何学的な模様をプリント着色して実施例1と同様に成形して花弁状可動部のシート状物を作り、実施例1のキャンドルに挿着する線状物のストッパーとして、線状物の上部ストッパー位置から下部ストッパー位置までの間にスパイラルを造った線状物を用いたキャンドルを固定座金を介して載置し、キャンドル底部に出した線状物を固定部にあけた孔を通して出してシート状物とキャンドルを一体化して、花弁状部分でキャンドルを包むように口径約70mm、深さ25mmのプラスチック製ホルダーに入れて線状物をホルダーの底に固定した。次いで、上記キャンドルに着火し、しばらくして8分位からキャンドル構造体の花弁状部分に変化が見られ、時間の経過と共に花弁状部分の開きが大きくなり、キャンドルが約17mm燃焼した辺で花弁状部分はほぼ全開状態になった。また、プリント柄も花弁状部分の変化に伴って様々な変化が見られるのでなかなか趣の有るものであった。
【0035】
【実施例4】
可撓性シート状物として、和紙(重量40g/m)の両面に硬質塩化ビニル樹脂フィルムを積層して熱プレス接着成型した後、花弁状部分に彩色を施し、次いで加熱カレンダーロールで整形して厚さ約0.36mmのシート状物を得た。このシート状物の反発弾性度は室内(5月下旬の気候、室温約24.5℃)条件下で測定した結果、固定を解除した数秒以内の平均開角度がほぼ174度近くに回復した。
【0036】
このシート状物を直径250mmの円形に裁断し、そのシート状物の中心から半径23mmを固定部とし、固定部周縁から外縁に向けて花弁状に裁断し、花弁状部分にはボタンの花びら様の彩色を施し、更に、別に裁断した花弁状物にも彩色を施したものを花弁と花弁の間に配置して固定部分に接着して重ね花弁状シート状物を作った。このシート状物に実施例1のキャンドルを固定座金を介して載置し、キャンドル底部に出した線状物を固定部にあけた孔を通して出して、シート状物とキャンドルを一体にしたキャンドル構造体を得た。次いで、キャンドル構造体はそれぞれ花弁状部分でキャンドルを包むようにして口径約70mm、深さ25mmのプラスチック製のカップ状物に入れ、線状物をカップ状物の底に固定した。次いで、上記キャンドルに着火して7分位からキャンドル構造体の花弁状部分に変化が見られ、時間の経過と共に花弁状部分の開きが大きくなり、キャンドルが約15mm燃焼した辺で大輪のボタンがほぼ全開状態になった様であった。
【0037】
【実施例5】
可撓性シート状物として厚さ0.2mmのポリエチレンテレフタレートシートを用いた。このシート状物は剛性が高く、曲げ反発弾性度は平均開角度が数秒以内にほぼ180度に回復した。このシート状物の基点から半径17mmを固定部とし、固定部周縁から外縁に向けて8分割に裁断整形して可動部分とし、その可動部分にアニメキャラクターをプリント着色して用い、シート状物の固定部に実施例1のキャンドルを固定座金を介して載置し、キャンドル底部に出した線状物は固定部にあけた孔を通して出してシート状物とキャンドルを一体にした後、可動部分でキャンドルを包むようにして口径約75mm、深さ30mmの金属製のホルダーに入れて線状物をホルダーの底に固定した。
【0038】
次いで、キャンドルに着火して9分位からキャンドル構造体の可動部分に変化が見られ、時間の経過と共に花弁状部分の開きが大きくなり、キャンドルに着火して約12mm燃焼した辺りで可動部分はほぼ全開状態になった。
【0039】
【発明の効果】
本発明のキャンドル構造体は、従来のより多様な優れた静的装飾性に加え、キャンドル構造体周辺に設けた多彩な形状や色調の花弁状シート状物がキャンドルに着火使用することにより、経時的に花弁状部分が開花状態になる動的な装飾性を付加して一層多彩なキャンドルとなって、キャンドル構造体に対する好奇心を持続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のキャンドル構造体の断面模式図である。
【図2】本発明のキャンドルに着火、花弁が開花状態になった断面模式図である。
【図3】本発明のシート状物の開角度測定の模式図である。
【符号の説明】
1 キャンドル構造体
2 キャンドル
3 燃焼芯
4 線状物
5 上部ストッパー
6 下部ストッパー
7 断熱チューブ
8 可撓性シート状物
9 花弁状部分
10 固定部分
11 燃焼芯固定座金
12 カップ状物
13 線状物固定部
14 開角度測定試験片
W 曲げ荷重
θ 開角度

Claims (1)

  1. 燃焼剤に燃焼芯が埋設されたキャンドルと、該キャンドルが載置される固定部の周縁から外方に向けて所望の形状に裁断・成形された複数の可動部分からなる剛性を有する曲げ反発弾性力の高い可撓性シート状物と、該可撓性シート状物で囲まれたキャンドルが装着されるカップ状物又はホルダーと、該燃焼芯から離れた位置に平行して燃焼剤に埋設され、かつ、先端が該燃焼剤から突出し、他端が該キャンドルの底部から該シート状物に設けられた孔を通じて該カップ状物又はホルダーの底部に固定された、少なくとも埋設部の上部が熱伝導性を有する線状物と、該線状物の上部に設けられて、キャンドルが一挙に押し上げられることを防止する耐熱性ストッパーとからなるキャンドル構造体であって、該可撓性シート状物で囲まれたキャンドルをカップ状物又はホルダー内に装着し、該キャンドル燃焼芯の燃焼火炎の熱で線状物周囲の燃焼剤が軟化・溶融されて、該ストッパーが解除されるとともに、該シート状物がその反発弾性力でキャンドルをカップ状物又はホルダーから押し上げて、該複数の可動部分が開くよう構成したことを特徴とするキャンドル構造体。
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