JP4834847B2 - 多層膜解析装置および多層膜解析方法 - Google Patents

多層膜解析装置および多層膜解析方法 Download PDF

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Description

この発明は、多層膜解析装置および多層膜解析方法に関し、より特定的には膜厚をより高い精度で測定する技術に関する。
従来から、機能性樹脂フィルムや半導体基板といった多層膜試料の膜厚を測定する方法として、反射率スペクトルを用いる方法が知られている。より具体的には、まず、白色光を多層膜試料に照射し、その反射光の反射率スペクトルを取得する。そして、取得された反射率スペクトルのデータに対して、ゼロフィリング処理やフィルタ処理などを行なった後、フーリエ変換を用いてパワースペクトルを取得する。さらに、このパワースペクトルに現れるピークから光学的膜厚nd(但し、nは膜の屈折率、dは膜厚)を算出し、この光学的膜厚ndを既知の屈折率nで除することにより、幾何学的な膜厚dを算出する。このような膜厚測定方法は、たとえば、特開2005−308394号公報(特許文献1)、特開2005−37315号公報(特許文献2)、特開平07−294220号公報(特許文献3)、特開平10−311708号公報(特許文献4)、特開2003−130614号公報(特許文献5)などに記載されている。
一般的に、薄膜を構成する物質(たとえば、誘電体など)は、その屈折率に波長依存性を有する。しかしながら、上述の先行技術に開示される方法では、多層膜試料を構成する薄膜の屈折率が波長依存性を持たないと仮定した上で、パワースペクトルを算出している。そのため、その屈折率に波長依存性をもつ多層膜試料を測定する場合には、この屈折率に起因した誤差が発生する。
これに対して、特開2001−227916号公報(特許文献6)には、パワースペクトルに基づいて算出される光学的膜厚ndに対して、屈折率nの波長依存性を考慮して補正を行なう方法が開示されている。
特開2005−308394号公報 特開2005−37315号公報 特開平07−294220号公報 特開平10−311708号公報 特開2003−130614号公報 特開2001−227916号公報
しかしながら、特開2001−227916号公報(特許文献6)に開示される方法においても、その式中に現れるいくつかの項(たとえば、屈折率n,dn/dk,k=2π/λなど)は依然として波長依存性を有しているため、波長依然性に起因する誤差を完全に取り除くことはできないという問題があった。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、波長依存性を有する多層膜試料の膜厚をより高い精度を測定することが可能な多層膜解析装置および多層膜解析方法を提供することである。
この発明のある局面に従う多層膜解析装置は、基板上に少なくとも1つの膜が形成された試料に対して所定の波長範囲をもつ測定光を照射する光源と、試料で反射された光または試料を透過した光に基づいて、反射率または透過率の波長分布特性を取得する分光部と、波長分布特性における各波長とその波長における値との対応関係を、各波長についての波数と所定の関係式に従って算出される変換値との対応関係に変換する波数特性変換手段と、波数特性変換手段によってそれぞれ変換された対応関係からなる波数分布特性に対して、波数について周波数変換する周波数変換手段と、周波数変換後の波数分布特性に現れるピークに基づいて、試料における膜厚を算出する膜厚算出手段とを備える。
好ましくは、波数特性変換手段は、予め入力される試料に含まれる膜の屈折率と対応の波長とに基づいて波数を算出する。
好ましくは、関係式は、各波長における反射率または透過率の値を周波数変換手段での周波数変換に係る位相因子に対して線形化するための関数である。
さらに好ましくは、波長分布特性は、試料で反射された光に基づいて取得される反射率Rの波長分布特性であり、関係式は、R/(1−R)である。
好ましくは、波数特性変換手段は、試料に複数の膜が形成されている場合に、複数の膜のそれぞれについて波数分布特性を算出し、膜厚算出手段は、複数の膜についての周波数変換後の波波数分布特性のそれぞれに現れるピークに基づいて、複数の膜の各々の膜厚を算出する。
好ましくは、少なくとも屈折率および膜厚が規定された層構造情報を複数格納する層構造格納手段と、複数の層構造情報のうち少なくとも1つの層構造情報に基づいて、層構造候補を順次選択する選択手段と、層構造候補に対応する層構造情報に基づいて、層構造候補における反射率または透過率の波長分布特性を算出する波長分布特性算出手段と、層構造候補の波長分布特性から、波数特性変換手段および周波数変換手段と同一の処理によって周波数変換後の波数分布特性を算出する波数分布特性算出手段と、実測された波長分布特性から算出された周波数変換後の波数分布特性と、波数分布特性算出手段によって算出された周波数変換後の波数分布特性との間の相関値を算出する相関値算出手段と、相関値に基づいて、選択手段が順次選択する層構造候補のうち実測値に最も近いものを決定する決定手段とをさらに備える。
この発明の別の局面に従う多層膜解析方法は、基板上に少なくとも1つの膜が形成された試料に対して所定の波長範囲をもつ測定光を照射するステップと、試料で反射された光または試料を透過した光に基づいて、反射率または透過率の波長分布特性を取得するステップと、波長分布特性における各波長とその波長における値との対応関係を、各波長についての波数と所定の関係式に従って算出される変換値との対応関係に変換するステップと、対応関係に変換するステップにおいてそれぞれ変換された対応関係からなる波数分布特性に対して、波数について周波数変換するステップと、周波数変換後の波数分布特性に現れるピークに基づいて、試料における膜厚を算出するステップとを備える。
この発明によれば、波長依存性を有する多層膜試料の膜厚をより高い精度を測定することができる。
この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態に従う多層膜解析装置100の概略構成図である。
本実施の形態に従う多層膜解析装置100は、代表的に、多層膜試料で反射された反射光の波長分布特性(以下「スペクトル」とも称す。)に基づいて、多層膜試料における各層の膜厚測定や層構造の解析を行なう。なお、反射光のスペクトルに代えて、多層膜試料を透過した光のスペクトル(透過光スペクトル)を用いてもよい。
本明細書において多層膜試料とは、基板上に少なくとも1つの膜が形成された試料を意味する。代表的な多層膜試料としては、半導体基板、ガラス基板、サファイア基板、石英基板、フィルムなどの表面に薄膜が形成(コーティング)された多層薄膜が挙げられる。より具体的には、薄膜形成されたガラス基板は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)やプラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)などのフラットパネルディスプレイ(FPD:Flat Panel Display)のディスプレイ部として使用される。また、薄膜形成されたサファイア基板は、窒化物半導体(GaN:Gallium Nitride)系のLED(Light Emitting Diode)やLD(Laser Diode)として使用される。また、薄膜形成された石英基板は、各種の光学フィルタや光学部品およびプロジェクション液晶などに使用される。なお、以下では、多層膜試料を単に「試料」とも記す。
図1を参照して、多層膜解析装置100は、測定用光源10と、コリメートレンズ12と、カットフィルタ14と、結像レンズ16,36と、絞り部18と、ビームスプリッタ20,30と、観察用光源22と、光ファイバ24と、出射部26と、ピンホールミラー32と、軸変換ミラー34と、観察用カメラ38と、表示部39と、対物レンズ40とステージ50と、可動機構52と、分光測定部60と、データ処理部70とを備える。
測定用光源10は、多層膜試料の反射光のスペクトルを取得するために、所定の波長範囲をもつ測定光を発生する光源であり、その波長幅が比較的広い白色光光源が用いられる。代表的に、測定用光源10は、重水素ランプ(Dランプ)やタングステンランプ、またはそれらの組合せからなる。
コリメートレンズ12と、カットフィルタ14と、結像レンズ16と、絞り部18とは、測定用光源10とビームスプリッタ30とを結ぶ光軸AX2上に配置され、測定用光源10から出射される測定光を光学的に調整する。
具体的には、コリメートレンズ12は、測定用光源10からの測定光が最初に入射する光学部品であり、拡散光線として伝播する測定光を屈折させて平行光線に変換する。コリメートレンズ12を通過した測定光はカットフィルタ14に入射する。カットフィルタ14は、測定光に含まれる不要な波長成分を遮断する。代表的に、カットフィルタ14は、ガラス基板などに蒸着された多層膜によって形成される。結像レンズ16は、測定光のビーム径を調整するために、カットフィルタ14を通過した測定光を平行光線から収束光線に変換する。結像レンズ16を通過した測定光は絞り部18に入射する。絞り部18は、測定光の光量を所定量に調整した上でビームスプリッタ30へ出射する。好ましくは、絞り部18は、結像レンズ16によって変換された測定光の結像位置に配置される。なお、絞り部18の絞り量は、試料に入射する測定光の被写界深度や必要な光強度などに応じて適宜設定される。
一方、観察用光源22は、試料への焦点合わせや測定位置の確認に使用される観察光を生成する光源である。そして、観察用光源22が発生する観察光は、試料で反射可能な波長を含むように選択される。観察用光源22は、光ファイバ24を介して出射部26と接続されており、観察用光源22で生成された観察光は、光導波路である光ファイバ24を伝播した後に出射部26からビームスプリッタ20へ向けて出射される。
出射部26は、試料に所定の観察基準像が投射されるように、観察用光源22で生成された観察光の一部をマスクするマスク部26aを含む。この観察基準像は、その表面に何らの模様(パターン)も形成されていない試料(代表的に、透明なガラス基板など)に対しても、ユーザによる焦点合わせを容易化するためのものである。なお、レチクル像の形状はいずれであってもよいが、一例として同心円状や十字状のパターンなどを用いることができる。
すなわち、観察用光源22で生成された直後の観察光のビーム断面における光強度(光量)は略均一であるが、マスク部26aがこの観察光の一部をマスク(遮へい)することで、観察光は、そのビーム断面において光強度が略ゼロである領域(影領域)が形成される。この影領域が観察基準像として試料に投射される。
ステージ50は、試料を配置するための試料台であり、その配置面は平坦に形成される。このステージ50は、一例として機械的に連結された可動機構52によって、3方向(X方向・Y方向・Z方向)に自在に駆動される。可動機構52は、代表的に3軸分のサーボモータと、各サーボモータを駆動するためのサーボドライバとを含んで構成される。そして、可動機構52は、ユーザまたは図示しない制御装置などからのステージ位置指令に応答してステージ50を駆動する。このステージ50の駆動によって、試料と後述する対物レンズ40との間の位置関係が変更される。
対物レンズ40と、ビームスプリッタ20と、ビームスプリッタ30と、ピンホールミラー32とは、ステージ50の平坦面に垂直な方向に延伸する光軸AX1上に配置される。
ビームスプリッタ30は、測定用光源10で生成される測定光を反射することで、その伝播方向を光軸AX1の紙面下向きに変換する。また、ビームスプリッタ30は、光軸AX1を紙面上向きに伝播する試料からの反射光を透過させる。代表的に、ビームスプリッタ30はハーフミラーで構成される。
一方、ビームスプリッタ20は、観察用光源22で生成される観察光を反射することで、その伝播方向を光軸AX1の紙面下向きに変換する。同時に、ビームスプリッタ20は、光軸AX1を紙面下向きに伝播するビームスプリッタ30で反射された測定光を透過させる。すなわち、ビームスプリッタ20は、測定用光源10から集光光学系である対物レンズ40までの光学経路上の所定位置において観察光を注入する光注入部として機能する。このビームスプリッタ20で合成された測定光と観察光とは、対物レンズ40に入射する。また、ビームスプリッタ20は、光軸AX1を紙面上向きに伝播する試料からの反射光を透過させる。代表的に、ビームスプリッタ20はハーフミラーで構成される。
対物レンズ40は、光軸AX1を紙面下向きに伝播する測定光および観察光を集光するための集光光学系である。すなわち、対物レンズ40は、試料またはその近接した位置で結像するように測定光および観察光を収束させる。また、対物レンズ40は、所定の倍率(たとえば、10倍,20倍,30倍,40倍など)を有する拡大レンズであり、試料の光学特性を測定する領域を対物レンズ40に入射する光のビーム断面に比較してより微小化できる。
また、対物レンズ40から試料に入射した測定光および観察光は、試料で反射され、光軸AX1上を紙面上向きに伝播する。この反射光は、対物レンズ40に透過した後、ビームスプリッタ20および30を透過してピンホールミラー32まで到達する。
ピンホールミラー32は、試料で生じる反射光のうち、測定反射光と観察反射光とを分離する光分離部として機能する。具体的には、ピンホールミラー32は、光軸AX1を紙面上向きに伝播する試料からの反射光を反射する反射面を含み、その反射面と光軸AX1との交点を中心とする穴あき部(ピンホール)32aが形成されている。このピンホール32aの大きさは、測定用光源10からの測定光が試料で反射されて生じる測定反射光の、ピンホールミラー32の位置におけるビーム径に比較して小さくなるように形成される。また、このピンホール32aは、それぞれ測定光および観察光が試料で反射されて生じる測定反射光および観察反射光の結像位置と一致するように配置される。このような構成によって、試料で生じた反射光は、ピンホール32aを通過して分光測定部60に入射する。一方、反射光の残部は、その伝播方向を変換されて軸変換ミラー34へ入射する。
分光測定部60は、ピンホールミラー32を通過した測定反射光のスペクトルを測定し、その測定結果をデータ処理部70へ出力する。より詳細には、分光測定部60は、回折格子(グレーティング)62と、検出部64と、カットフィルタ66と、シャッタ68とを含む。
カットフィルタ66と、シャッタ68と、回折格子62とは、光軸AX1上に配置される。カットフィルタ66は、ピンホールを通過して分光測定部60に入射する測定反射光に含まれる測定範囲外の波長成分を制限するための光学フィルタであり、特に測定範囲外の波長成分を遮断する。シャッタ68は、検出部64をリセットするときなどに、検出部64に入射する光を遮断するために使用される。シャッタ68は、代表的に電磁力によって駆動する機械式のシャッタからなる。
回折格子62は、入射する測定反射光を分光した上で、各分光波を検出部64へ導く。具体的には、回折格子62は、反射型の回折格子であり、所定の波長間隔毎の回折波が対応する各方向に反射するように構成される。このような構成を有する回折格子62に測定反射波が入射すると、含まれる各波長成分は対応する方向に反射されて、検出部64の所定の検出領域に入射する。回折格子62は、代表的にフラットフォーカス型球面グレーティングからなる。
検出部64は、試料の反射率スペクトルを測定するために、回折格子62で分光された測定反射光に含まれる各波長成分の光強度に応じた電気信号を出力する。検出部64は、代表的にフォトダイオードなどの検出素子をアレイ状に配置したフォトダイオードアレイや、マトリックス状に配置されたCCD(Charged Coupled Device)などからなる。
なお、回折格子62および検出部64は、光学特性の測定波長範囲および測定波長間隔などに応じて適宜設計される。
データ処理部70は、検出部64によって取得された反射率スペクトルに対して、本発明に係る特徴的な処理を行なうことで、試料の膜厚を測定する。さらに、データ処理部70は、試料の層構造を解析することも可能である。膜厚の測定方法および層構造の解析方法については後述する。そして、データ処理部70は、測定した試料の膜厚や層構造などを光学特性として出力する。
一方、ピンホールミラー32で反射された観測反射光は光軸AX3に沿って伝播し、軸変換ミラー34へ入射する。軸変換ミラー34は、観測反射光の伝播方向を光軸AX3から光軸AX4に変換する。すると、観測反射光は、光軸AX4に沿って伝播し、観察用カメラ38へ入射する。
観察用カメラ38は、観察反射光によって得られる反射像を取得する撮像部であり、代表的にはCCD(Charged Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどからなる。なお、観察用カメラ38は、代表的に可視帯域に感度をもつものであり、所定の測定範囲に感度をもつ検出部64とは異なる感度特性をもつ場合が多い。そして、観察用カメラ38は、観察反射光によって得られる反射像に応じた映像信号を表示部39へ出力する。表示部39は、観察用カメラ38からの映像信号に基づいて反射像を画面上に表示する。ユーザは、この表示部39に表示される反射像を目視して、試料に対する焦点合わせや測定位置の確認などを行なう。表示部39は、代表的に液晶ディスプレイ(LCD)などからなる。なお、観察用カメラ38および表示部39に代えて、ユーザが反射像を直接的に目視できるファインダーを設けてもよい。
(膜厚測定処理その1)
以下では、データ処理部70における試料の膜厚を測定する処理について説明する。
図2は、代表的な多層膜試料の断面模式図である。
説明を簡単化するために、図2に示すような、空気や真空などの雰囲気層(添え字0)、測定対象とする薄膜(添え字1)、基板層(添え字2)の3層からなる代表的な多層膜試料を考える。各層における屈折率を添え字iを用いて、屈折率nと表す。互いに異なる屈折率をもつ層の界面では光の反射が生じるため、屈折率の異なるi層とi+1層との間の各境界面でのP偏光成分およびS偏光成分の振幅反射率(Fresnel係数)は次の式のように表わすことができる。
Figure 0004834847
ここで、φは、i層における入射角である。この入射角φは、以下のようなSnellの法則によって、最上層の雰囲気層(0層)における入射角から計算できる。
sinφ=Nsinφ
光が干渉可能な厚さをもつ薄膜内では、上式で表される反射率で反射する光が薄膜内を何度も往復する。そのため、表面で直接反射した光と薄膜内を多重反射した後の光との間ではその光路長が異なるため、位相が互いに異なったものとなり、薄膜表面において光の干渉が生じる。このような、各薄膜内における光の干渉効果を示すために、i層の薄膜における光の位相角βを導入すると、以下のように表わすことができる。
Figure 0004834847
ここで、dはi層の厚さを示し、λは入射光の波長を示す。
より単純化するために、多層膜試料に対して垂直に光が照射される場合、すなわち入射角φ=0とすると、P偏光とS偏光との区別はなくなり、各層の界面における振幅反射率および薄膜の位相角βは以下のようになる。
Figure 0004834847
さらに、図2に示す3層系の多層膜試料における反射率Rは、以下のようになる。
Figure 0004834847
上式において、位相角βについてのフーリエ変換を考えると、位相因子(Phase Factor)であるcos2βは反射率Rに対して非線形となる。そこで、この位相因子cos2βについて線形性を有する関数への変換を行う。一例として、この反射率Rを以下の式のように変換し、独自の変数である「波数変換反射率」R’を定義する。
Figure 0004834847
この波数変換反射率R’は、位相因子cos2βについての1次式となり、線形性を有することになる。ここで、式中のRは波数変換反射率R’における切片であり、Rは波数変換反射率R’における傾きである。すなわち、この波数変換反射率R’は、各波長における反射率Rの値を周波数変換に係る位相因子cos2βに対して線形化するための関数である。なお、このような位相因子について線形化するための関数としては、1/(1−R)という関数を用いてもよい。
したがって、対象とする薄膜における波数Kは以下のように定義できる。
Figure 0004834847
ここで、薄膜中の波長λの光速度をsとし、真空中の波長λの光速度をcとすると、屈折率n=c/sで表される。また、薄膜中をx方向に進行する光によって生じる電磁波E(x,t)は、波数K,角周波数ω,位相δを用いて、E(x,t)=Eexp[j(ωt−Kx+δ)]と表される。すなわち、薄膜中の電磁波の伝搬特性は波数Kに依存する。これらの関係から、真空中において波長λをもつ光は、薄膜中ではその光速度が低下するため、波長もλからλ/nまで長くなることがわかる。このような波長分散現象を考慮して、波数変換反射率R’を以下のように定義する。
Figure 0004834847
この関係から、波数変換反射率R’を波数Kについてフーリエ変換すると、膜厚dに相当する周期成分にピークが現れることにより、このピーク位置を特定することで、膜厚dを算出することができる。
すなわち、本実施の形態に従う多層膜解析装置100は、測定される反射率スペクトルにおける各波長とその波長における反射率の値との対応関係を、各波長から算出される波数と上述の関係式に従って算出される波数変換反射率R’との対応関係に変換する。そして、波数Kを含む波数変換反射率R’の関数に対して、波数Kについて周波数変換し、この周波数変換後の特性に現れるピークに基づいて、対象となる試料における膜厚を算出する。
ここで、RおよびRは、薄膜内における干渉現象とは無関係な値ではあるが、薄膜の屈折率nを含む各層の界面における振幅反射率に依存する。そのため、屈折率が波長分散をもつ場合には、その値は波長(すなわち、波数K)に依存する関数値となり、波数Kに関して一定値とはならない。そこで、フーリエ変換を⊃で表し、R’,R,R,cos2Kを波数Kでフーリエ変換した後の関数であるパワースペクトルをそれぞれP,P,P,Fとすると、以下の式が成立する。
Figure 0004834847
式中のPにおける膜厚に依存する成分は相対的に小さく、かつパワースペクトルFとは独立のピークをもつので、パワースペクトルFに影響を与えない。
一方、式中のPは、パワースペクトルFとコンボリューションされることにより、Pにおける膜厚成分がパワースペクトルFの膜厚成分に変調を加えることになる。しかしながら、Pは、薄膜内における干渉現象に無関係であり、隣接する2つの層における屈折率の波長依存性のみに影響を受けるため、波数Kに対するPの膜厚成分はFの膜厚成分に比較して無視できる程度に小さい。たとえば、Rが膜厚qの周期関数であるとし、そのフーリエ変換後のPがコンボリューションによりパワースペクトルFの膜厚成分dに変調を加えたとすると、スペクトルとして現れるピークは、「d−q」または「d+q」となるが、qの値が非常に小さいのでピーク位置dに対する影響は小さい。
さらに、フーリエ変換を行なう際には、測定対象の薄膜の最大膜厚を考慮して、ナイキストのサンプリング定理に従って、波数変換反射率R’に対して適切なサンプル間隔およびサンプル数でサンプリングが行なわれる。このようにサンプリングされた波数変換反射率R’に基づいて算出されたパワースペクトルの膜厚分解能rに対して、Pの膜厚成分qはより小さい可能性が高く(q<r)、膜厚dの測定結果にはほとんど影響を与えないといえる。
このように、算出された反射率スペクトルを、薄膜における波長分散を考慮した波数についての関数に変換した上で、フーリエ変換を行なうことにより、薄膜の膜厚を正確に算出することができる。
なお、上述の説明では、反射率スペクトルを用いる場合について例示したが、透過率スペクトルを用いてもよい。この場合には、測定された透過率をT、「波数変換透過率」をT’とすると、以下のような関係式で表される。
Figure 0004834847
透過率スペクトルを用いる場合においても、透過率Tは位相因子cos2βに対して非線形となる。そのため、上述したのと同様の理由から、位相因子cos2βについて線形性を有する波数変換透過率T’を採用する。上式によれば、波数変換透過率T’は、位相因子cos2βについての1次式となり、上述したのと同様の手順に従って、薄膜の膜厚を正確に算出することができる。すなわち、この波数変換透過率T’は、各波長における透過率Tの値を周波数変換に係る位相因子cos2βに対して線形化するための関数である。
(測定例1)
図3は、測定例1の試料から測定された反射率スペクトルの一例を示す図である。図3に示す試料は、石英基板上に5.0μmの窒化シリコンの膜を成膜したものである。
図4は、図3に示す反射率スペクトルから従来の方法を用いて膜厚を算出した場合の結果を示す図である。
図5は、図3に示す反射率スペクトルから本実施の形態に従う方法を用いて膜厚を算出した場合の結果を示す図である。
図4を参照して、従来の方法では、図3に示す反射率スペクトルに対して、ゼロフィリング処理やフィルタ処理などの前処理を行なった後、フーリエ変換によってパワースペクトルを算出した。なお、本測定例1では、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)を用いてフーリエ変換を行った。このように反射率スペクトルをそのままフーリエ変換して得られるパワースペクトルは、光学距離(optical distance)についての関数となる。そして、このパワースペクトル中のピーク位置に相当する光学距離を読み取り、この光学距離を、測定対象の試料である窒化シリコンのみかけの屈折率(たとえば、測定波長範囲における平均屈折率)で除することで、測定対象の薄膜の膜厚を算出した。図4に示すように、従来の方法を用いた場合には、本来5.0μmとなるべき値が「5.237μm」として比較的多くの誤差を伴って算出されていることがわかる。
これに対して、図5を参照して、本実施の形態に従う方法では、図3に示す反射率スペクトルを波数変換反射率スペクトルに変換した後、従来の方法と同様に、フーリエ変換によってパワースペクトルを算出した。この波数変換反射率スペクトルをフーリエ変換して得られるパワースペクトルは、薄膜の幾何学的膜厚についての関数となる。そのため、図5に示すパワースペクトルに現れるピーク位置を特定することで、薄膜の膜厚を直接求めることができる。図5に示すように、本実施の形態に従う方法を用いた場合には、薄膜の本来の膜厚である「5.0μm」が算出されていることがわかる。
このように、図4と図5とを比較すると、本実施の形態に従う方法によれば、従来法に比較して、より高い精度で膜厚を測定できることがわかる。
(膜厚測定処理その2)
上述の説明では、測定対象の薄膜が1層である場合について例示したが、複数の薄膜が存在している場合にも同様の手順でそれぞれの膜厚を測定することができる。
一例として、図6に示すような2層の薄膜層が形成された試料を考える。第1層の屈折率をn、膜厚をdとし、第2層の屈折率をn21、膜厚をdとすると、波数変換反射率R’は以下のように表される。
Figure 0004834847
ここで、第1層および第2層の膜厚dおよびdを算出する場合には、波数K,Kでそれぞれ変換した波数変換反射率R’(K),R’(K)を用いる。具体的には、以下のように表される。
Figure 0004834847
これらの式中において、d’およびd’は正しい膜厚値ではないが、波数変換反射率R’(K)の第2項に相当するパワースペクトル中のピークから本来の膜厚dが求まり、波数変換反射率R’(K)の第3項に相当するパワースペクトル中のピークから本来の膜厚dが求まる。
なお、実際には、第1層および第2層は、その屈折率が近似していることが多く、両者の界面における反射率は、他の界面における反射率に比較して相対的に小さくなることが多い。その結果、波数変換反射率の関数に含まれるRやRに比較して、Rの値が小さくなり、パワースペクトルから、波数変換反射率R’(K)の第3項に相当するピークを識別することが困難である場合も多い。このような場合には、波数変換反射率R’(K)の第4項に相当するパワースペクトルのピーク位置(d’+d)と、波数変換反射率R’(K)の第2項に相当するパワースペクトルのピーク位置(d’)とを算出した上で、両者の差をとることで、膜厚dを算出することができる。
(測定例2)
図7は、測定例2の試料から測定された反射率スペクトルの一例を示す図である。図7に示す試料は、基板上に、3.0μmの薄膜(第1層)と、2.0μmの薄膜(第2層)とを成膜したものである。なお、図7には、各薄膜および基板の透過率についても示す。
図8は、図7に示す反射率スペクトルから変換した第1層に係る波数変換反射率R’(K)についてのパワースペクトルである。図9は、図7に示す反射率スペクトルから変換した第2層に係る波数変換反射率R’(K)についてのパワースペクトルである。
図8を参照して、本来ならば波数変換反射率R’(K)の各項に対応する4つのピークが観測されるはずであるが、上述したように、薄膜間の反射率が相対的に低いことや、フーリエ変換処理におけるノイズカットのしきい値などを考慮すると、主として、波数変換反射率R’(K)の第2項および第4項に由来する2つのピークが現れているものと考えられる。この2つのピークのうち、より小さい膜厚に位置するピークに対応する膜厚を第1層の膜厚dとして求めることができる。すなわち、図8に示すように、膜厚が3μmの位置にピークが存在しており、このことから、第1層の膜厚d=3μmと求めることができる。
次に、図9を参照して、波数変換反射率R’(K)についてのパワースペクトルにおいても、図8と同様に、主として波数変換反射率R’(K)の第2項および第4項に由来する2つのピークのみが現れている。ここで、波数変換反射率R’(K)についてのパワースペクトルを、図8に示すパワースペクトルから算出される第1層の膜厚に相当するd’だけシフトさせた上で、波数変換反射率R’(K)の第4項に由来するピークに対応する膜厚を第2層の膜厚dとして求めることができる。すなわち、図9に示すように、シフト後の第4項に由来するピークが2μmの位置に存在しており、このことから、第2層の膜厚d=2μmと求めることができる。
上述と同様の手順によって、3層以上の多層膜試料についても、波数変換反射率または波数変換透過率を用いて、各層の膜厚を屈折率の波長依存性の影響を受けることなく算出することができる。
(データ処理部の構成)
図10は、この発明の実施の形態に従うデータ処理部70の概略のハードウェア構成を示す模式図である。
図10を参照して、データ処理部70は、代表的にコンピュータによって実現され、オペレーティングシステム(OS:Operating System)を含む各種プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)200と、CPU200でのプログラムの実行に必要なデータを一時的に記憶するメモリ部212と、CPU200で実行されるプログラムを不揮発的に記憶するハードディスク部(HDD:Hard Disk Drive)210とを含む。また、ハードディスク部210には、後述するような処理を実現するためのプログラムが予め記憶されており、このようなプログラムは、FDDドライブ216またはCD−ROMドライブ214によって、それぞれフレキシブルディスク216aまたはCD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)214aなどから読み取られる。
CPU200は、キーボードやマウスなどからなる入力部208を介してユーザなどからの指示を受取るとともに、プログラムの実行によって測定される測定結果などをディスプレイ部204へ出力する。
(制御構造)
図11は、この発明の実施の形態に従う膜厚測定処理を実現するための制御構造を示すブロック図である。図11に示すブロック図は、CPU200がハードディスク部210などの予め格納されたプログラムをメモリ部212などに読み出して実行することで実現される。
図11を参照して、データ処理部70(図1)は、バッファ部71と、波数変換部721,722,…,72mと、バッファ部731,732,…,73mと、フーリエ変換部741,742,…,74mと、ピーク探索部751,752,…,75mと、総合算出部76とをその機能として含む。なお、図10には、m層の薄膜が形成された試料において、各層の膜厚を測定する汎用的な構成を示す。
バッファ部71は、分光測定部60から出力される反射率スペクトルR(λ)を一時的に格納する。より具体的には、分光測定部60からは所定の波長分解能毎に反射率の値が出力されるので、バッファ部71は、波長とその波長における反射率とを対応付けて格納する。
波数変換部721は、ユーザなどによって予め入力される薄膜のうち第1層の屈折率n1に基づいて、バッファ部71に一時的に格納される反射率スペクトルを波数変換する。すなわち、波数変換部721は、反射率スペクトルにおける各波長とその波長における反射率との対応関係を、各波長についての波数Kと上述の関係式に従って算出される対応の波数変換反射率R’との対応関係に変換する。より具体的には、波数変換部721は、バッファ部71に格納される波長毎に、波数K(λ)および波数変換反射率R’(λ)(=R(λ)/(1−R(λ)))を順次算出し、バッファ部731へ出力する。
バッファ部731は、波数変換部721から順次出力される波数K(λ)と波数変換反射率R’(λ)とを対応付けて格納する。すなわち、バッファ部731には、波数K(λ)に関する波数変換反射率の波数分布特性である波数変換反射率R’(K)が格納される。
フーリエ変換部741は、バッファ部731に格納される波数変換反射率R’(K)を波数Kについてフーリエ変換を行って、パワースペクトルPを算出する。なお、フーリエ変換の方法としては、高速フーリエ変換(FFT)や離散コサイン変換(DCT:Discrete Cosine Transform)などを用いることができる。
ピーク探索部751は、フーリエ変換部741によって算出されたパワースペクトルPの中に現れるピークを探索し、各ピーク位置に対応する膜厚を取得する。
上述のように、波数変換部721と、バッファ部731と、フーリエ変換部741と、ピーク探索部751とは、第1層の薄膜に起因するパワースペクトルに現れるピークに対応する膜厚を取得する。
同様にして、波数変換部722と、バッファ部732と、フーリエ変換部742と、ピーク探索部752とは、第2層の薄膜に起因するパワースペクトルに現れるピークに対応する膜厚を取得する。さらに、波数変換部72mと、バッファ部73mと、フーリエ変換部74mと、ピーク探索部75mとは、第m層の薄膜に起因するパワースペクトルに現れるピークに対応する膜厚を取得する。
総合算出部76は、ピーク探索部751,752,…,75mから出力される各パワースペクトルに現れるピークに対応する膜厚に基づいて、各薄膜における膜厚を算出する。より具体的には、図8および図9に示すように、まず、ピーク探索部751から出力されるピークに対応する膜厚に基づいて第1層の膜厚が決定され、この第1層の膜厚とピーク探索部752から出力されるピークに対応する膜厚とに基づいて第2層の膜厚が決定される。以下同様にして、各層の膜厚が順次算出される。そして、総合算出部76は、算出した各層の膜厚の測定結果を、ユーザや図示しない上位のコンピュータなどへ出力する。
図11に示す制御構造と本願発明との対応関係については、波数変換部721,722,…,72mが「波数特性変換手段」に対応し、フーリエ変換部741,742,…,74mが「周波数変換手段」に対応し、総合算出部76が「膜厚算出手段」に対応する。
(処理手順)
図12は、この発明の実施の形態に従う膜厚測定に係る処理手順を示すフローチャートである。
図12を参照して、まず、ユーザは、測定対象の試料をステージ50(図1)上に配置する(ステップS100)。また、ユーザは、測定対象の試料を構成する薄膜の屈折率をデータ処理部70へ入力する(ステップS102)。ユーザによる薄膜の屈折率の入力に応じて、データ処理部70のCPU200は、これらの値をメモリ部212などに格納する。
ここで、観察用光源22からは観察光の照射が開始され、ユーザは、表示部39に表示される観察用カメラ38で撮影された反射像を参照しながら、可動機構52にステージ位置指令を与えて、測定対象の領域の調整や焦点合わせを行なう(ステップS104)。
その後、ユーザが測定開始指令を与えると、測定用光源10から測定光の発生が開始され、分光測定部60は、試料からの反射光から取得される反射率スペクトルをデータ処理部70へ出力する(ステップS106)。
データ処理部70のCPU200は、分光測定部60からの反射率スペクトルをメモリ部212などに一時的に格納する(ステップS108)。CPU200は、入力された屈折率の1つに基づいて、反射率スペクトルを波数変換する(ステップS110)。そして、CPU200は、この波数変換して算出される波数変換反射率をメモリ部212などに格納する(ステップS112)。さらに、CPU200は、算出された波数変換反射率に対してフーリエ変換を行って、パワースペクトルを算出する(ステップS114)。その後、CPU200は、算出したパワースペクトルに現れるピークおよびそのピークに対応する膜厚を取得する(ステップS116)。
その後、CPU200は、入力されたすべての屈折率について、ピークおよびそのピークに対応する膜厚の取得処理が実行されたか否かを判断する(ステップS118)。入力されたすべての屈折率について、ピークおよびそのピークに対応する膜厚の取得処理が実行されていなければ(ステップS118においてNO)、残りの反射率の1つについて、ステップS110以下の処理が繰返し実行される。
一方、入力されたすべての屈折率について、ピークおよびそのピークに対応する膜厚の取得処理が実行されていれば(ステップS118においてYES)、CPU200は、各屈折率について算出されるピークおよびそのピークに対応する膜厚に基づいて、各薄膜における膜厚を算出する(ステップS120)。そして、CPU200は、算出した各薄膜における膜厚をディスプレイ部204やインターフェイス部206を介して図示しない上位のコンピュータなどへ出力する(ステップS122)。
以上のような一連の処理に従って、多層膜試料の各層の膜厚が測定できる。
(層構造同定処理)
上述したように、反射率スペクトルをフーリエ変換して得られるパワースペクトルには、多層膜試料の層構造に応じたピークが現れる。しかしながら、算出されるパワースペクトルは、その算出過程において、各種のフィルタ処理・打ち切り処理・アポダイゼーション(apodization)処理といった前処理や、ベースラインの設定に伴うDCオフセットピークといった擬似ピークの発生の影響を受ける。また、層間の間にも光学的な現象が生じ得る。そのため、パワースペクトルには、1つの層から1つのピークが現れるわけではなく、層の組合せに応じた複数のピークが出現する。そのため、層構造が予め既知の場合であっても、パワースペクトルに現れるピークがいずれの層の干渉に起因するものであるかをスペクトルの形状だけで判断することは困難な場合が多い。ましてや層構造が未知の場合には、スペクトルの形状から層構造を特定することは困難である。
そこで、本実施の形態に従う多層膜解析装置は、対象とする試料の層構造を同定する機能を備える。この層構造を同定する機能は、代表的にデータ処理部70に実装される。具体的には、予め規定された複数の層構造のうち所定数を抽出することで仮想の層構造を設定して、この仮想の層構造から反射率スペクトル(理論値)を計算し、さらにこの反射率スペクトルをフーリエ変換してパワースペクトルを算出する。同時に、実測値の反射率スペクトルから同じ処理手順でフーリエ変換してパワースペクトルを算出する。そして、これらのパワースペクトルの間で相関係数を算出し、この算出された相関係数に基づいて、仮想の層構造を順次変更していき、最も相関係数が高くなった組合せをその試料における層構造として決定する。
図13は、この発明の実施の形態に従う層構造同定処理を実現するための制御構造を示すブロック図である。図13に示すブロック図は、CPU200がハードディスク部210などの予め格納されたプログラムをメモリ部212などに読み出して実行することで実現される。
図13を参照して、データ処理部70は、層構造データベース300と、組合せ部304と、反射率算出部306と、理論スペクトル算出部308と、パワースペクトル算出部310,320と、バッファ部318と、相関係数算出部330と、層構造決定部332とをその機能として含む。
層構造データベース300は、複数の層構造情報302を予め格納する。この層構造情報302の各々は、各層について、少なくとも屈折率および膜厚の情報を含む。この層構造情報は、上述の膜厚測定処理によって算出された膜厚や既知の屈折率などに基づいて、ユーザが任意に設定することができる。
組合せ部304は、層構造データベース300に格納される複数の層構造情報302のうち、所定数の層構造情報302を組合せて、候補となる層構造を選択する。なお、組合せ部304が組合せる層の数については、予めユーザが設定するようにしてもよい。
反射率算出部306は、組合せ部304によって組合せられた候補に対応する層構造情報(膜厚および屈折率)に基づいて、当該層構造における反射率を解析的に算出する。なお、反射率に代えて絶対透過率を算出してもよい。
この反射率(あるいは、屈折率)の算出については、上述したように、隣接する層界面におけるフレネル係数の計算、および各層の干渉による位相角の計算を順次行ない、薄膜内において無限に反射が繰返されるとして、無限等比級数の収束値(の2乗)として反射率(または、絶対透過率)を解析的に計算できる。
理論スペクトル算出部308は、反射率算出部306によって算出された候補となる層構造の反射率の演算式に基づいて、各波長における強度値を順次算出して、候補となる層構造における反射率スペクトル(理論値)を算出する。なお、この反射率スペクトルの波長分解能は、測定される反射率スペクトルの分解能と同様とすることが好ましい。
パワースペクトル算出部310は、理論スペクトル算出部308で算出される反射率スペクトル(理論値)をフーリエ変換してパワースペクトル(理論値)を算出する。ここでパワースペクトル算出部310は、図11の波数変換部721と、バッファ部731と、フーリエ変換部741とによって行なわれるパワースペクトルの算出処理と同一の処理を実行する。これは、実測された反射率スペクトルから算出されるパワースペクトルと、理論上で算出されるパワースペクトルとを同一条件で比較するためである。
一方、バッファ部318は、分光測定部60で実測された反射率スペクトルを一時的に格納する。そして、パワースペクトル算出部320は、この反射率スペクトル(実測値)を上述したパワースペクトル算出部310と同一のパワースペクトル算出処理によって、パワースペクトル(実測値)を算出する。
相関係数算出部330は、パワースペクトル算出部310によって算出されたパワースペクトル(理論値)と、パワースペクトル算出部320によって算出されたパワースペクトル(実測値)との間で相関係数を算出する。このような相関係数の算出の一例としては、パワースペクトル(実測値)をR(K)とし、パワースペクトル(理論値)をR(K)とすると、2つのパワースペクトルの相互相関関数Cmc=<R(K)R(K+κ)>に従って算出することができる。あるいは、Pearsonの線形相関係数を算出してもよい。
層構造決定部332は、相関係数算出部330によって算出された相関係数とそのときの候補となる層構造とを対応付けて格納し、すべての組合せについての相関係数の算出が完了した後に、最も相関係数が高い組合せをその試料における層構造として決定する。
図14は、この発明の実施の形態に従う層構造同定処理に係る処理手順を示すフローチャートである。
図14を参照して、まず、ユーザは、図12に示す膜厚測定に係る処理手順のステップS100〜S106と同様の手順に従って、試料からの反射光に基づいて反射率スペクトル(実測値)を取得する(ステップS200)。この反射率スペクトルがデータ処理部70へ入力されると、データ処理部70のCPU200は、この反射率スペクトルをメモリ部212などに一時的に格納する(ステップS202)。そして、CPU200は、図12に示す膜厚測定に係る処理手順のステップS110〜S114と同様の手順に従って、反射率スペクトル(実測値)からパワースペクトルを算出する(ステップS204)。
一方、CPU200は、ハードディスク部210(層構造データベース300)に格納される複数の層構造情報302のうち、所定数の層構造情報302を組合せて、候補となる層構造を選択する(ステップS206)。そして、CPU200は、候補となる層構造に対応する層構造情報(膜厚および屈折率)に基づいて、選択した層構造における反射率を解析的に算出する(ステップS208)。さらに、CPU200は、候補となる層構造の反射率の演算式に基づいて、選択した層構造における反射率スペクトル(理論値)を算出する(ステップS210)。さらに、CPU200は、図12に示す膜厚測定に係る処理手順のステップS110〜S114と同様の手順に従って、反射率スペクトル(理論値)からパワースペクトルを算出する(ステップS212)。
その後、CPU200は、パワースペクトル(理論値)と、パワースペクトル(実測値)との間で相関係数を算出し(ステップS214)、この算出した相関係数と選択されている層構造(組合せ)とを対応付けて、メモリ部212などに格納する(ステップS216)。そして、CPU200は、ハードディスク部210(層構造データベース300)に格納される複数の層構造情報302について、未選択の組合せが存在するか否かを判断する(ステップS218)。未選択の組合せが存在する場合(ステップS218においてYES)には、ステップS206以下の処理が繰返される。
これに対して、未選択の組合せが存在しない場合(ステップS218においてNO)には、CPU200は、メモリ部212に格納した相関係数のうち、最も高いものに対応する層構造を対象となる試料における層構造に決定する(ステップS220)。そして、CPU200は、決定した層構造をディスプレイ部204やインターフェイス部206を介して図示しない上位のコンピュータなどへ出力する(ステップS222)。
以上のような一連の処理に従って、層構造の同定ができる。
図15は、任意の試料に対して測定された反射率スペクトルを示す測定例である。
図16は、この発明の実施の形態に従う層構造同定処理を用いて図15に示す反射率スペクトルに対して同定した結果の一例を示す図である。
図15および図16に示すように、本実施の形態に従う層構造同定処理によれば、多層膜試料の膜構造を高精度に同定することができる。
この発明の実施の形態によれば、多層膜試料から測定された反射率スペクトルからパワースペクトルを算出する過程において、多層膜試料における各波長の波長分散を考慮して、波数の関数である波数変換反射率を導入する。そして、パワースペクトルは、この波数変換反射率の関数に対して、波数についてフーリエ変換することで算出される。さらに、このパワースペクトルに現れるピークに基づいて対象となる試料における膜厚を算出する。このように、パワースペクトルの算出過程において、各波長の波長分散を考慮した独自の関数を採用することで、屈折率の波長依存性の影響を排除して、より高い精度で多層膜試料の膜厚を測定することができる。
また、この発明の実施の形態によれば、予め定められた複数の層構造情報から候補となる層構造を順次選択した上で、この候補となる層構造における反射率スペクトル(理論値)を算出し、さらにこの反射率スペクトルからパワースペクトル(理論値)を算出する。そして、実際に測定された反射率スペクトルから算出されるパワースペクトル(実測値)とパワースペクトル(理論値)との相関係数に基づいて、最も確からしい層構造が決定される。これにより、多数の層が積層された多層膜試料であっても、その層構造をより正確に特定できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施の形態に従う多層膜解析装置の概略構成図である。 代表的な多層膜試料の断面模式図である。 測定例1の試料から測定された反射率スペクトルの一例を示す図である。 図3に示す反射率スペクトルから従来の方法を用いて膜厚を算出した場合の結果を示す図である。 図3に示す反射率スペクトルから本実施の形態に従う方法を用いて膜厚を算出した場合の結果を示す図である。 2層の薄膜層が形成された多層膜試料の断面模式図である。 測定例2の試料から測定された反射率スペクトルの一例を示す図である。 図7に示す反射率スペクトルから変換した第1層に係る波数変換反射率についてのパワースペクトルである。 図7に示す反射率スペクトルから変換した第2層に係る波数変換反射率についてのパワースペクトルである。 この発明の実施の形態に従うデータ処理部の概略のハードウェア構成を示す模式図である。 この発明の実施の形態に従う膜厚測定処理を実現するための制御構造を示すブロック図である。 この発明の実施の形態に従う膜厚測定に係る処理手順を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態に従う層構造同定処理を実現するための制御構造を示すブロック図である。 この発明の実施の形態に従う層構造同定処理に係る処理手順を示すフローチャートである。 任意の試料に対して測定された反射率スペクトルを示す測定例である。 この発明の実施の形態に従う層構造同定処理を用いて図15に示す反射率スペクトルに対して同定した結果の一例を示す図である。
符号の説明
10 測定用光源、12 コリメートレンズ、14,66 カットフィルタ、16,36 結像レンズ、18 絞り部、20,30 ビームスプリッタ、22 観察用光源、24 光ファイバ、26 出射部、26a マスク部、32 ピンホールミラー、32a ピンホール、34 軸変換ミラー、38 観察用カメラ、39 表示部、40 対物レンズ、50 ステージ、52 可動機構、60 分光測定部、62 回折格子、64 検出部、68 シャッタ、70 データ処理部、71,731,732,…,73m バッファ部、741,742,…,74m フーリエ変換部、751,752,…,75m ピーク探索部、76 総合算出部、100 多層膜解析装置、204 ディスプレイ部、206 インターフェイス部、208 入力部、210 ハードディスク部(HDD)、212 メモリ部、214 CD−ROMドライブ、214a CD−ROM、216 FDDドライブ、216a フレキシブルディスク、300 層構造データベース、302 層構造情報、304 組合せ部、306 反射率算出部、308 理論スペクトル算出部、310,320 パワースペクトル算出部、318 バッファ部、330 相関係数算出部、332 層構造決定部。

Claims (6)

  1. 基板上に少なくとも1つの膜が形成された試料に対して所定の波長範囲をもつ測定光を照射する光源と、
    前記試料で反射された光または前記試料を透過した光に基づいて、反射率または透過率の波長分布特性を取得する分光部と、
    前記波長分布特性における各波長とその波長における反射率または透過率の値との対応関係を、各波長についての波数と所定の関係式に従って算出される変換値との対応関係に変換する波数特性変換手段と、
    前記波数特性変換手段によってそれぞれ変換された対応関係からなる波数分布特性に対して、波数について周波数変換する周波数変換手段と、
    周波数変換後の波数分布特性に現れるピークに基づいて、前記試料における膜厚を算出する膜厚算出手段とを備え
    前記所定の関係式は、各波長における反射率または透過率の値を前記周波数変換手段での周波数変換に係る位相因子に対して線形化するための関数である、多層膜解析装置。
  2. 前記波数特性変換手段は、各波長についての波数を、前記試料に含まれる膜の予め入力された屈折率に基づいて算出する、請求項1に記載の多層膜解析装置。
  3. 前記波長分布特性は、前記試料で反射された光に基づいて取得される反射率Rの波長分布特性であり、
    前記関係式は、R/(1−R)である、請求項1または2に記載の多層膜解析装置。
  4. 前記波数特性変換手段は、前記試料に複数の膜が形成されている場合に、前記複数の膜のそれぞれについて前記波数分布特性を算出し、
    前記膜厚算出手段は、前記複数の膜についての周波数変換後の前記波数分布特性のそれぞれに現れるピークに基づいて、前記複数の膜の各々の膜厚を算出する、請求項1〜のいずれか1項に記載の多層膜解析装置。
  5. 少なくとも屈折率および膜厚が規定された層構造情報を複数格納する層構造格納手段と、
    複数の前記層構造情報のうち少なくとも1つの層構造情報に基づいて、層構造候補を順次選択する選択手段と、
    前記層構造候補に対応する前記層構造情報に基づいて、前記層構造候補における反射率または透過率の波長分布特性を算出する波長分布特性算出手段と、
    前記層構造候補の前記波長分布特性から、前記波数特性変換手段および前記周波数変換手段と同一の処理によって周波数変換後の波数分布特性を算出する波数分布特性算出手段と、
    実測された前記波長分布特性から算出された周波数変換後の波数分布特性と、前記波数分布特性算出手段によって算出された周波数変換後の波数分布特性との間の相関値を算出する相関値算出手段と、
    前記相関値に基づいて、前記選択手段が順次選択する層構造候補のうち実測値に最も近いものを決定する決定手段とをさらに備える、請求項1〜のいずれか1項に記載の多層膜解析装置。
  6. 基板上に少なくとも1つの膜が形成された試料に対して所定の波長範囲をもつ測定光を照射するステップと、
    前記試料で反射された光または前記試料を透過した光に基づいて、反射率または透過率
    の波長分布特性を取得するステップと、
    前記波長分布特性における各波長とその波長における値との対応関係を、各波長についての波数と所定の関係式に従って算出される変換値との対応関係に変換するステップと、
    前記対応関係に変換するステップにおいてそれぞれ変換された対応関係からなる波数分布特性に対して、波数について周波数変換するステップと、
    周波数変換後の波数分布特性に現れるピークに基づいて、前記試料における膜厚を算出するステップとを備え
    前記所定の関係式は、各波長における反射率または透過率の値を前記周波数変換するステップでの周波数変換に係る位相因子に対して線形化するための関数である、多層膜解析方法。
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