JP2005037315A - 多層膜の膜厚測定方法及び膜厚測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】非接触式の薄膜上に塗布された薄膜の正確な膜厚測定方法および膜厚測定装置を提供する。
【解決手段】基板上に膜厚の被測定膜を含む少なくとも2層の多層膜を有し、被測定膜の下に少なくとも1層の膜を有し、かつ被測定膜の下にある膜の膜厚は被測定膜の膜厚よりも十分薄い構造の多層膜構造について上記膜厚の被測定膜の膜厚を測定する多層膜の膜厚測定方法であって、薄膜の反射光の分光反射率を測定し、分光反射率データを有限個サンプリングしてフーリエ変換し、被測定膜の下層の膜の膜厚及び屈折率と被測定膜の屈折率を既知として、変換して得られたスペクトルから被測定膜の膜厚を求めるに際し、得られたスペクトルのピーク位置に対応する光学膜厚に被測定膜の下層の膜による重みを加え、前記のピークを複数のピークの重ね合わせとして、上記被測定膜の膜厚を算出することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】基板上に膜厚の被測定膜を含む少なくとも2層の多層膜を有し、被測定膜の下に少なくとも1層の膜を有し、かつ被測定膜の下にある膜の膜厚は被測定膜の膜厚よりも十分薄い構造の多層膜構造について上記膜厚の被測定膜の膜厚を測定する多層膜の膜厚測定方法であって、薄膜の反射光の分光反射率を測定し、分光反射率データを有限個サンプリングしてフーリエ変換し、被測定膜の下層の膜の膜厚及び屈折率と被測定膜の屈折率を既知として、変換して得られたスペクトルから被測定膜の膜厚を求めるに際し、得られたスペクトルのピーク位置に対応する光学膜厚に被測定膜の下層の膜による重みを加え、前記のピークを複数のピークの重ね合わせとして、上記被測定膜の膜厚を算出することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は薄膜に光を照射し、その反射光の干渉現象を利用して薄膜上に塗布された薄膜の膜厚を非接触で測定する多層膜の膜厚測定方法及び膜厚測定装置に係り、特に、カラーフィルタ製造過程におけるガラス基板とインジウム−スズ酸化物膜(以下、ITO膜)の膜上に塗布されたフォトリソスペーサ膜(以下、PS膜)よりなる多層膜の膜厚測定方法および膜厚測定装置に関するものである。
従来、薄膜の膜厚測定方法として様々な方法が提案されてきた。なかでも反射光の干渉現象を利用した反射分光干渉法は簡単な装置で膜厚測定が可能であるため、数多く実用されている。
しかし、例えばカラーフィルタ製造過程におけるガラス基板、ITO膜およびPS膜からなる多層膜に、反射光の干渉現象を利用した反射分光干渉法はほとんど適用されていなかった。その主な理由は、ITO膜の膜厚が微小であるため、ITO膜表面で反射する光とガラス基板上で反射する光の干渉現象の観測が困難であることと、PS膜の屈折率とガラス基板の屈折率に差がないため、PS膜表面で反射する光とガラス基板上で反射する光の干渉現象の観測が困難であるからであった。
このため、上述した系のような薄膜の膜厚を測定する手段としては、ガラス基板上に層を形成する毎に触針法や電子顕微鏡が使用されていたが、これらの方法は破壊検査であるため、生産性を低下させてしまう問題がある。
特願2002−080586号公報
特開2001−227916号公報
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その課題とするところはガラス基板、ITO膜およびPS膜からなる多層膜の状態においては光の干渉現象が明白に観測可能となる現象に着目し、非接触式の薄膜上に塗布された薄膜の正確な膜厚測定方法および膜厚測定装置を提供することにある。
本願発明の、請求項1に係る発明では、
基板上に膜厚の被測定膜を含む少なくとも2層の多層膜を有し、被測定膜の下に少なくとも1層の膜を有し、かつ被測定膜の下にある膜の膜厚は被測定膜の膜厚よりも十分薄い構造の多層膜構造について上記膜厚の被測定膜の膜厚を測定する多層膜の膜厚測定方法であって、
薄膜の反射光の分光反射率を測定し、
分光反射率データを有限個サンプリングしてフーリエ変換し、
被測定膜の下層の膜の膜厚及び屈折率と被測定膜の屈折率を既知として、変換して得られたスペクトルから被測定膜の膜厚を求めるに際し、
得られたスペクトルのピーク位置に対応する光学膜厚に被測定膜の下層の膜による重みを加え、前記のピークを複数のピークの重ね合わせとして、上記被測定膜の膜厚を算出することを特徴とする多層膜の膜厚測定方法を提供するものである。
基板上に膜厚の被測定膜を含む少なくとも2層の多層膜を有し、被測定膜の下に少なくとも1層の膜を有し、かつ被測定膜の下にある膜の膜厚は被測定膜の膜厚よりも十分薄い構造の多層膜構造について上記膜厚の被測定膜の膜厚を測定する多層膜の膜厚測定方法であって、
薄膜の反射光の分光反射率を測定し、
分光反射率データを有限個サンプリングしてフーリエ変換し、
被測定膜の下層の膜の膜厚及び屈折率と被測定膜の屈折率を既知として、変換して得られたスペクトルから被測定膜の膜厚を求めるに際し、
得られたスペクトルのピーク位置に対応する光学膜厚に被測定膜の下層の膜による重みを加え、前記のピークを複数のピークの重ね合わせとして、上記被測定膜の膜厚を算出することを特徴とする多層膜の膜厚測定方法を提供するものである。
また、請求項2に係る発明では、
基板上に少なくとも2層の膜厚の被測定膜を含む多層膜を有し、被測定膜の下に少なくとも1層の膜を有し、かつ被測定膜の下にある膜の膜厚は被測定膜の膜厚よりも十分薄い構造の多層膜構造について上記膜厚の被測定膜の膜厚を測定する多層膜の膜厚測定装置であって、
薄膜の反射光の分光反射率を測定する反射率測定手段と、
分光反射率データを有限個サンプリングしてフーリエ変換してスペクトルを得るフーリエ変換手段と、
被測定膜の下層の膜の膜厚及び屈折率と被測定膜の屈折率を既知として、変換して得られたスペクトルから被測定膜の膜厚を求める膜厚算出手段であって、
得られたスペクトルのピーク位置に対応する光学膜厚に被測定膜の下層の膜による重みを加え、前記のピークを複数のピークの重ね合わせとして、上記被測定膜の膜厚を算出する膜厚算出手段と
を有することを特徴とする多層膜の膜厚測定装置を提供するものである。
基板上に少なくとも2層の膜厚の被測定膜を含む多層膜を有し、被測定膜の下に少なくとも1層の膜を有し、かつ被測定膜の下にある膜の膜厚は被測定膜の膜厚よりも十分薄い構造の多層膜構造について上記膜厚の被測定膜の膜厚を測定する多層膜の膜厚測定装置であって、
薄膜の反射光の分光反射率を測定する反射率測定手段と、
分光反射率データを有限個サンプリングしてフーリエ変換してスペクトルを得るフーリエ変換手段と、
被測定膜の下層の膜の膜厚及び屈折率と被測定膜の屈折率を既知として、変換して得られたスペクトルから被測定膜の膜厚を求める膜厚算出手段であって、
得られたスペクトルのピーク位置に対応する光学膜厚に被測定膜の下層の膜による重みを加え、前記のピークを複数のピークの重ね合わせとして、上記被測定膜の膜厚を算出する膜厚算出手段と
を有することを特徴とする多層膜の膜厚測定装置を提供するものである。
本発明は以上のような構成であるから、薄膜上に塗布された薄膜の膜厚を非接触で高精度に測定することが出来る。
本発明の多層膜の膜厚測定方法及び装置は、基板上に膜厚の被測定膜を含む少なくとも2層の多層膜を有し、被測定膜の下に少なくとも1層の膜を有し、かつ被測定膜の下にある膜の膜厚は被測定膜の膜厚よりも十分薄い構造の多層膜構造について上記膜厚の被測定膜の膜厚を測定する多層膜の膜厚測定方法及び装置を前提とする。
まず、薄膜の反射光の分光反射率を測定し、分光反射率データを有限個サンプリングしてフーリエ変換をおこなう。そして、被測定膜の下層の膜の膜厚及び屈折率と被測定膜の屈折率を既知として、フーリエ変換して得られたスペクトルから被測定膜の膜厚を求める。このとき、得られたピーク位置に対応する光学膜厚に被測定膜の下層の膜による重みを加え、そのピークを複数のピークの重ね合わせとして、上記被測定膜の膜厚を算出する多層膜の膜厚測定方法及び装置である。
フーリエ変換して得られたスペクトルのピーク値から、被測定膜の膜厚の情報が得られる。しかし、この値だけでは正確な膜厚が得られない。このピーク値には、被測定膜による干渉と、下層膜及びガラス基板とによる干渉とが含まれる。そこで、得られたピーク位置に対応する光学膜厚に、被測定膜の下層の膜による重みを加え、このピーク値が、これらの複数の干渉によるピークの重ね合わせとして、上記被測定膜の膜厚を算出することで、正確な値が求められる。
この膜厚算出の原理は以下の通りである。
屈折率が空気1.0、PS膜1.5、ITO膜2.0、ガラス基板1.5程度であるので、PS膜の表面で反射したR1とPS膜を透過してITO膜との境界面で反射した光R2の位相は半波長分ずれる。したがって、PS膜厚をd1、PS膜屈折率をn1、ITO膜厚をd2、ITO膜屈折率をn2として垂直入射の場合を考えると、R1とR2は光路差2n1d1が波長λの整数倍のとき強め合い、(整数+0.5)倍のとき弱め合う。また、R1とPS膜およびITO膜を透過してガラス基板との境界面で反射した光R3は光路差2(n1d1+n2d2)が波長λの整数倍のとき弱め合い、(整数+0.5)倍のとき強め合う。なお、ITO膜厚は半波長分よりも微小であるため、少なくともR2とR3の干渉によるピークは現れ
ない。
ない。
横軸に波長をとり、縦軸に反射率をとると、上記干渉現象の和情報として、図2のような極大と極小が繰り返し現れる波形となる。
ここで干渉次数mを整数とすると、極値をとるときのλには
よって、隣り合う極大波長をλ1、λ2とすると、
つぎに、図3の波数−分光反射率特性をフーリエ変換する。このとき、図3の特性では上記のように極値が一定値Tで繰り返されることから、変換して得られるパワースペクトルではTの波長をもった波動のスペクトルがピーク値を示す。なおこの波動は、K空間の波動である。このピーク値を示す波動の周波数fは、f=1/T=1/(K2−K1)であるから、(3)式から以下の(5)式が成立する。
つまり、図4のピークは、図5に示すようにPS膜に由来するピークと、PS膜とITO膜の和に由来するピークの重ね合わせであると判断できる。
したがって、このときの(6)式は、
なお、図4ではピーク値が2ヶ所膜厚の厚いところと薄いところに見られるが、これは実際に測定したときにその結果から、どちらが本願の膜による干渉によるピークであるか判断できる。例えば、図3から、波形が滑らかに変化していることにより、周波数の低い部分のピークがでている、と判断し、周波数の高いところが本発明に係る膜によるピークであると判断できる。
以下、本発明をガラス基板上にITO膜およびPS膜を塗付した多層膜サンプルのケースに適用した場合の実施形態について説明する。
図1は本発明の装置の概略構成を示している。本装置は光源部1、二分岐ファイバー2、対物レンズ3、分光器4、演算部5から成る。本実施例では、反射率測定手段としては光源部1、二分岐ファイバー2、対物レンズ3、分光器4、フーリエ変換手段は演算部5、膜厚算出手段としては演算部5を利用している。
約6μmのPS膜の場合、測定に使用する光が可視光域では干渉によるピークが多数現れてしまい、ピーク位置の検出が困難であるため、さらに長波長の赤外光域を使用する。光源部1は電球10とカットフィルタ9を備える。電球10は赤外域の光を効率良く放出するハロゲン電球を使用し、さらに効率を高めるため、金コーティングリフレクタを使用するのが望ましく、利用する。カットフィルタ9は800nm以下の波長をカットし、感光性のあるPSに対してパターン露光前の膜厚測定を可能とすると同時に分光器の高次光が受光素子に入るのを防ぐ。
二分岐ファイバー2は光源部1に接続している部分が投光用で、分光器4に接続している部分が受光用である。それぞれ光ファイバー数100本を束ねたもので、途中でそれらが1本にまとめられている。この束の中で投光用と受光用の光ファイバーは1本1本入り交じって束ねられ、対物レンズ3に接続している面では均等に両方の光ファイバーが配置されるようになっている。また、光ファイバーは近赤外光を透過するようにGe(ゲルマニウム)をドープしたものなどを使用する。
対物レンズ3により、光が被測定物であるPSおよびITOを塗付または蒸着したガラス板8に垂直入射される。対物レンズ3により、焦点深度以内のPSを塗付したガラス板8までの距離変動を吸収する。
被測定物からの反射光は対物レンズ3、二分岐ファイバー2を経由して分光器4に入る。分光器4は回折格子、リニアアレイ等から成る分光器部6と分光器部6の制御と信号をデジタル変換する制御部7から成る。回折格子とリニアアレイ素子の組み合わせで波長が決まるが、900〜1600nm程度の波長範囲を使用すればPS膜厚6μm程度の測定には十分である。なお、このときのサンプリング間隔は256素子のリニアアレイを用いて2.7mmである。
分光器4はパーソナルコンピューター、キーボード、マウス、ディスプレイモニター等から構成される演算部5に接続され、ここで、演算を行って膜厚値を算出する。また、分光器4の制御やユーザーインターフェース処理を受け持つ。
実際の測定例として、ガラス基板、ITO膜およびPS膜からなる多層膜の分光反射率グラフを図2に示す。図2の波長λを波数Kに変換したものが図3であり、図3をフーリエ変換し、πを掛けたものが図4である。なお、ガラス基板上にITO膜、PS膜を塗付
した毎に各膜厚を蝕針式の段差計で測定したところ、ITO膜は160nm、PS膜は5940nmであった。
した毎に各膜厚を蝕針式の段差計で測定したところ、ITO膜は160nm、PS膜は5940nmであった。
図4からピーク位置を求めると
ここで、
つまり、(9)式のピークは、図5に示すようにPS膜に由来するピークと、PS膜とITO膜の和に由来するピークの重ね合わせであると判断できる。
したがって、このときの(6)式は、(7)式に相当するから、
n1、n2、d2は既知なので、上式を変形して、
1 光源部
2 二分岐ファイバー
3 対物レンズ
4 分光器
5 演算部
6 分光器部
7 制御部
8 ITO膜、PS膜を塗付したガラス板(被測定物)
9 カットフィルタ
10 電球
2 二分岐ファイバー
3 対物レンズ
4 分光器
5 演算部
6 分光器部
7 制御部
8 ITO膜、PS膜を塗付したガラス板(被測定物)
9 カットフィルタ
10 電球
Claims (2)
- 基板上に膜厚の被測定膜を含む少なくとも2層の多層膜を有し、被測定膜の下に少なくとも1層の膜を有し、かつ被測定膜の下にある膜の膜厚は被測定膜の膜厚よりも十分薄い構造の多層膜構造について上記膜厚の被測定膜の膜厚を測定する多層膜の膜厚測定方法であって、
薄膜の反射光の分光反射率を測定し、
分光反射率データを有限個サンプリングしてフーリエ変換し、
被測定膜の下層の膜の膜厚及び屈折率と被測定膜の屈折率を既知として、変換して得られたスペクトルから被測定膜の膜厚を求めるに際し、
得られたスペクトルのピーク位置に対応する光学膜厚に被測定膜の下層の膜による重みを加え、前記のピークを複数のピークの重ね合わせとして、上記被測定膜の膜厚を算出することを特徴とする多層膜の膜厚測定方法。 - 基板上に少なくとも2層の膜厚の被測定膜を含む多層膜を有し、被測定膜の下に少なくとも1層の膜を有し、かつ被測定膜の下にある膜の膜厚は被測定膜の膜厚よりも十分薄い構造の多層膜構造について上記膜厚の被測定膜の膜厚を測定する多層膜の膜厚測定装置であって、
薄膜の反射光の分光反射率を測定する反射率測定手段と、
分光反射率データを有限個サンプリングしてフーリエ変換してスペクトルを得るフーリエ変換手段と、
被測定膜の下層の膜の膜厚及び屈折率と被測定膜の屈折率を既知として、変換して得られたスペクトルから被測定膜の膜厚を求める膜厚算出手段であって、
得られたスペクトルのピーク位置に対応する光学膜厚に被測定膜の下層の膜による重みを加え、前記のピークを複数のピークの重ね合わせとして、上記被測定膜の膜厚を算出する膜厚算出手段と
を有することを特徴とする多層膜の膜厚測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003276527A JP2005037315A (ja) | 2003-07-18 | 2003-07-18 | 多層膜の膜厚測定方法及び膜厚測定装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009092454A (ja) * | 2007-10-05 | 2009-04-30 | Otsuka Denshi Co Ltd | 多層膜解析装置および多層膜解析方法 |
JP2020517559A (ja) * | 2017-03-23 | 2020-06-18 | カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー | 材料除去を決定する方法及びワークのビーム加工装置 |
CN112197711A (zh) * | 2020-09-01 | 2021-01-08 | 宜昌南玻显示器件有限公司 | 消影ito玻璃的消影层膜厚计算方法 |
CN114184583A (zh) * | 2021-11-09 | 2022-03-15 | 天津大学 | 高深宽比微结构深度一致性的光学测量与评估方法 |
-
2003
- 2003-07-18 JP JP2003276527A patent/JP2005037315A/ja active Pending
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