JP3711535B2 - 画像分光測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光路長の異なる光線から試料に対するスペクトル画像を得ることで試料を測定する画像分光測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像の測定を行うことで被測定物の分光測定を行う技術の一例として、一体化プリズム干渉計分光器が知られている。この一例を図6に示す(特願2000−60178)。図6で示すように、マイケルソン干渉計100は、第1プリズム柱体101と、第2プリズム柱体102と、第3プリズム柱体103と、第1コーナーキューブ104と、第2コーナーキューブ105と、光線を反射光と透過光に分割するビームスプリッタ106と、屈折率を整合する屈折率整合手段としての屈折率整合液体層107とを備えている。
【0003】
図6で示すように、第1プリズム柱体101は、上面及び下面ならびに周側面で構成されている。そして、第1プリズム柱体101は、その周側面に配置され、光源からの平行光108が入射される光線入射面109と、この光線入射面109と同一平面上にあり、垂直に反射するために鏡面となっている垂直反射面110と、光線入射面109からの光線の光路上に形成され、ビームスプリッタ106が隣接する第1平面111と、ビームスプリッタ106からの反射光の光路上に形成される第2平面112とを有している。
【0004】
図6で示すように、第2プリズム柱体102は、上面及び下面ならびに周側面で構成されている。そして、この第2プリズム柱体102は、その周側面に配置され、前記第1平面111に添ってビームスプリッタ106に対面する位置に形成される第3平面113と、ビームスプリッタ106からの透過光の光路上で、且つ、前記第2平面の延長上に形成される第4平面114と、ビームスプリッタ106及び第3平面113から送られてくる光線の光路上に形成される光線出射面115と、この光線出射面115と同一平面上にあり、垂直に反射するために鏡面となっている垂直反射面116とを有している。
【0005】
さらに、図6で示すように、第3プリズム柱体103は、上面及び下面ならびに周側面で構成されている。そして、この第3プリズム柱体103は、その周に形成される第5平面117と、前記ビームスプリッタ106から反射され第2平面112及び第5平面117を透過してくる光線を第1コーナーキューブ104へ通過させ且つ第1コーナーキューブ104からの光線を取り入れる第10平面118と、前記ビームスプリッタ106を透過し第4平面114及び第5平面117を透過してくる光線を第2コーナーキューブ105へ通過させ且つ第2コーナーキューブ105からの光線を取り入れる第11平面119とを有している。
【0006】
図6で示すように、第1コーナーキューブ104は、光線入出射面である第12平面120と、3つの光線偏向反射面で構成される第1光線反射部121と、その周側面で構成されている。3つの光線偏向反射面は、お互いに90度で交わる平面であり、第1コーナーキューブ104の光線入出射面である第12平面120に入射した光線は、3つの光線偏向反射面により、入射光と平行且つ逆向きの光線となって光線入出射面(第12平面120)から出射されるという特性をもつ。
【0007】
図6で示すように、第2コーナーキューブ105は、光線入出射面である第13平面122と、3つの光線偏向反射面で構成される第2光線反射部123と、その周側面で構成されている。3つの光線偏向反射面は、お互いに垂直に交わる平面であり、第2コーナーキューブ105の光線入出射面に入射した光線は、3つの光線偏向反射面により、入射光と平行且つ逆向きの光線となって光線入出射面(第13平面122)から出射されるという特性をもつ。
【0008】
図6で示すように、屈折率整合手段としての屈折率整合液体層107は、第1プリズム柱体101の第2平面112及び第2プリズム柱体102の第4平面114と、第3プリズム柱体103の第5平面117の間に設けられている。そして、屈折率整合液体層(屈折率整合手段)107は、各プリズム柱体及び各コーナーキューブを形成している部材と屈折率が近いものであればよく、その一例として各プリズム柱体及び各コーナーキューブを石英で形成した場合に、ここではシリコーンオイルを使用しており、第3プリズム柱体103と、第1及び第2プリズム柱体101,102とが、毛細管現象により保持されるように構成されている。
【0009】
図6で示すように、ビームスプリッタ106は、第1プリズム柱体101の第1平面111と、第2プリズム柱体102の第3平面113との間に接着剤等により固定されており、各プリズム柱体の材質や、送られてくる光線の角度により透過率及び反射率が所定の割合になるように形成されている。図6で示すように、第1コーナーキューブ104の光線入出射面である第12平面120と、プリズム柱体の第10平面118と、第2コーナーキューブ105の光線入出射面である第13平面122、および、プリズム柱体の第11平面119は、光を透過する接着剤等によりそれぞれ固定されている。
【0010】
ビームスプリッタ106の一例としては、金属や誘電体又はその両方の薄膜を介在させることや、また、透過部材(各プリズム柱体と同質)に蒸着するようにして形成されている。つぎに、光線の経路について説明する。図6で示すように、光ファイバ(図示せず)から平行光の光線を、光線入射面109からビームスプリッタ106に入射する。そして、ビームスプリッタ106により分割され反射した光線は、屈折率整合液体層107を通過して第5平面117に入射後、第10平面118を透過し、光線入出射面である第12平面120に入射し、第1光線反射部121で逆方向且つ平行の光線となる。そして、その後再び第12平面120と第10平面118を経由して第3プリズム柱体103に入り、第5平面117と屈折率整合液体層107及び第4平面114を透過して第2プリズム柱体102に入り、垂直反射面116で反射され再び同一光路を逆方向へ進む。
【0011】
さらに、第4平面114と屈折率整合液体層107及び第5平面117を透過して第3プリズム柱体103へ入り、第10平面118及び第12平面120を通過して第1光線反射部121において逆方向且つ平行の光線となる。そして、第12平面120及び第10平面118を通過して第3プリズム柱体103に入り、第5平面117、屈折率整合液体層107及び第2平面112を通過して第1プリズム柱体101に入り、ビームスプリッタ106へ向かう。
【0012】
一方、ビームスプリッタ106により分割され透過した光線は、第4平面114、屈折率整合液体層107を通過して第5平面117に入射後、第11平面119を透過し、光線入出射面である第13平面122に入射し、第2光線反射部123で逆方向且つ平行の光線となる。そして、その後再び第13平面122と第11平面119を経由して第3プリズム柱体103に入り、第5平面117と屈折率整合液体層107及び第2平面112を透過して第1プリズム柱体101に入り、垂直反射面110で反射され再び同一光路を逆方向へ進む。
【0013】
そして、第2平面112と屈折率整合液体層107及び第5平面117を透過して第3プリズム柱体103へ入り、第11平面119及び第13平面122を通過して第2光線反射部123において逆方向且つ平行の光線となる。さらに、第13平面122及び第11平面119を通過して第3プリズム柱体103に入り、第5平面117、屈折率整合液体層107及び第4平面114を通過して第2プリズム柱体102に入り、ビームスプリッタ106へ向かう。そして、ビームスプリッタ106側に送られて来た光線は、それぞれ合わされて干渉し、出射する平行光線として試料を透過して光検出器に向かうことになる。
【0014】
ここで、可動プリズム(第3プリズム柱体103)を移動させながら、つまり、光路長を変化させながら、光路長差と信号強度とを関連付けてデータを取得する。
【0015】
また、他の従来における構成のスペクトル画像を得るために用いた画像分光器の例を図7に示す。図7に示すように、画像分光器200は、光源部201、アパーチャ202、ビームスプリッタ203、可動鏡204、固定鏡205、試料照明光学系206、試料207、集光光学系208、投影光学系209、多チャンネル検出器210で構成されている。
【0016】
以下に、画像分光器200の動作原理を説明する。アパーチャ202を通過した光源部201からの光はビームスプリッタ203において可動光路と固定光路に分割され、再びビームスプリッタ203において合波される。これらの光を試料照明光学系206により試料207に照射し、透過または反射した光を多チャンネル検出器210上に像として投影する。ここで、可動鏡204を移動させながら、つまり光路長を変化させながら、多チャンネル検出器210上の像を光強度分布として取り込んで、光路長差と光強度分布とを関連付けてデータを蓄積する。これで多チャンネル検出器210のそれぞれのピクセル毎にインターフェログラムが記録されたことになる。
【0017】
つぎに、それぞれのピクセルにおけるインターフェログラムのデータにフーリエ変換を施し、スペクトルに変換して再びデータを蓄積する。この時点で波長に対応した光強度分布のデータセットとなる。このデータセットを用いて、ユーザの選択に応じて、特定波長での強度分布画像や特定のピクセルにおけるスペクトルを表示することができるものである。
【0018】
さらに、他の従来の画像生成ATR分光装置について図8に示す(特願平11−13291)。この画像生成ATR分光装置300は、光のスペクトル多重入射ビームを生じる光源に結合された干渉計301と、検査中の試料302と接触する接触領域303を含んだ内部反射素子(IRE)304と、フォーカルプレーンアレイ検出器305と、IRE304の前面306における入力ビーム307の入射角がIRE304の臨界角以上になるようにIRE304の後面308を介して接触領域303に向けて焦点合わせするように位置した第1光学系309と、接触領域303から反射光310を集光し、フォーカルプレーンアレイ検出器305上に反射光を結像させるように位置した第2光学系311とを含んで構成されている。
【0019】
そして、焦点を合わせた第1光学系309は、入力ビームの入射角が、IRE304の臨界角(すなわち光がIREの前面306で内部的に全反射される角度)以上になるように、IRE304の後面308を介して、接触領域303に入力ビームを焦点合わせする。この構成においては、IRE304が試料302に接触していないときは、入力ビームの実質的な全てのエネルギーが反射される。しかしながら、IRE304が試料302に接触しているときは、入力ビームからいくらかの赤外線エネルギーがエバネッセント結合を介して、試料302に吸収される。接触領域303の各位置で、吸収されたエネルギーの量は、その位置の試料302中の分子構造および/または分子種に対応する。
【0020】
したがって、反射光は試料302の空間的に分解された吸収スペクトルを得ることのできる情報を含んでいる。集光及び結像光学素子は、反射光を集光し、それを、二次元フォーカルプレーンアレイ検出器305上に結像させる。フォーカルプレーンアレイ検出器305は、別々の位置で、入射光の強度を測定するための検出器の二次元アレイを備えている。それゆえ、フォーカルプレーンアレイ検出器305は、接触領域303の別々の点から反射光の強度情報を与える。そして、フォーカルプレーンアレイ検出器305の各画素は、その画素に入射する光の強度の時間変化を表す信号を提供する。
【0021】
周知のように、マイケルソン干渉計は可動ミラーと固定ミラーを有し、入力光は、その一部分が可動ミラーに入射し、他の一部分が固定ミラーに入射するように分割される。これらのビーム部分は、再び結合されて、2つのビームの間の光学干渉により、赤外線ビームの各周波数成分の強度を、成分の光学的周波数とミラーの位置との関数として変化させる。そして、検出器の出力は、これらの成分の重ね合わせを表し、規則的な距離間隔でサンプリングされるときは、そのフーリエ変換が所望されたスペクトルを生ずるインターフェログラムを提供する。
【0022】
したがって、フォーカルプレーンアレイ検出器305の各画素は、インターフェログラムを提供することになる。信号処理器312は、フォーカルプレーンアレイ検出器305によって得られた強度情報を検索し、それをスペクトル画像データに変換して試料302の測定を行っている。
【0023】
さらに、図9に示すように、全反射プリズムにおける表面プラズモン共鳴を利用し分光器を用いて分子認識機能性物質に対して特異反応を示す試料溶液中の特定分子の定量化等を行う従来の技術がある(特願平4−229345)。図9に示すように、測定装置400は、プリズム401と、金属薄膜402と、分子認識機能膜405と白色光源408と、偏光子410と、コリメータレンズ411と、分光器412とから構成されている。
【0024】
そして、白色光源408から発する入射光を偏光子410によってp偏光の光波とし、さらにコリメータレンズ411によって平行光とする。入射光は金属薄膜402の表面で全反射する角度に対して、その全反射近傍の角度で入射する。この入射した平行光は、ある特定の波長で表面プラズモン共鳴を励起して反射光の強度が低下させられる。さらに、分子認識機能膜405に固定された分子認識機能物質の作用によって被分析試料406の屈折率、誘電率等が変化した場合には、表面プラズモン共鳴の励起される波長が変化するため、この変化を、分光器412を用いて検出して、被分析試料406中の特定物質の濃度等を算出することができる。検出可能な分子の種類の数は金属薄膜に塗布されている分子認識機能物質を変えない限り、測定一度に対して一種類である。
【0025】
さらに、従来技術として、全反射プリズムにおける表面プラズモン共鳴を利用し多チャンネル検出器を用いて複数種類の分子の測定を行う技術がある。このような技術の一例を図10に示す。測定装置500は、単色光光源装置501と、ゴニオステージ502と、金薄膜503と、全反射プリズム504と、二次元イメージングセンサ505と、コリメータ506と、偏光装置507から構成されている。
【0026】
単色光光源装置501は、単色光のレーザーやLEDなどが使用される。また、全反射プリズム504には、SPR現象を起こす金薄膜503を形成または付着している。そして、単色光光源装置501から放出された光は、コリメータ506を経由して全反射プリズム504に入射し、全反射プリズム504の平面部でSPR(表面プラズモン共鳴)現象を起す。全反射プリズム504により全反射された光は、偏光装置507を通過して二次元イメージングセンサ505に入射して像に対応した強度分布を形成する。
【0027】
この測定装置500は、SPR現象を起す角度の近傍で走査することにより、入射角度に対応した強度分布の多数の二次元データを得ることができる。この二次元データ中の特定のピクセルに注目し、入射角度に対して反射強度をプロットすると、ある特定の角度で吸収がおきることが分かる。よって、測定装置500は、吸収ピークの角度位置を調べることによって、試料の屈折率測定が可能である。ここで、金薄膜503の表面に二次元的に屈折率分布がある場合、同時に複数種の測定が可能である。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の前記した各測定器では、つぎのような問題が発生した。従来の図6に示す干渉計においては、試料の平均的な情報は得られるが、検出器が単一であるため、そのままではスペクトル画像を取得することはできない。
【0029】
また、従来の図7に示す干渉計においては、スペクトル画像を取得できるが、個別の部品から構成されているため、製作時にそれぞれの光学部品の煩雑な光軸調整が必要であった。さらに、個別部品にそれぞれ支持部が必要であるため、大胆な小型化は困難であり、複雑で大型大重量かつ高価であった。
【0030】
そして、従来の図8に示す測定器においては、スペクトル画像を取得できるが、個別の部品から構成されているため、製作時にそれぞれの光学部品の煩雑な光軸調整が必要であった。また、個別部品にそれぞれ支持部が必要であるため、大胆な小型化は困難であり、複雑で大型大重量かつ高価であった。
【0031】
さらに、従来の図9に示す測定器においては、分光器が個別の部品から構成されているため、製作時にそれぞれの光学部品の煩雑な光軸調整が必要であった。さらに、個別部品にそれぞれ支持部が必要であるため、大胆な小型化は困難であり、複雑で大型大重量かつ高価であった。さらに、得られるスペクトルは単一種類であり、同時に多数種の表面プラズモン共鳴を測定することはできない。
【0032】
また、従来の図10に示す多チャンネル表面プラズモン共鳴分を測定できる測定器においては、同時に多数種の表面プラズモン共鳴を測定することはできるが、光源部と多チャンネル検出器を同時に機械的に回転させなければならず、機構が複雑で大型大重量で、また、可動部分の作業余地を必要とするために小型化できず、大きな質量を駆動するために短時間での測定ができなかった。さらに、入射角度が変化するため観測される像がゆがみ、その補正が必要であり煩雑であるという欠点があった。そして、通常の二次元SPR測定では固定した入射角度で測定されるために、SPR現象による反射強度ディップの約半分の幅の測定範囲しか得られず、高感度化と広い測定範囲を同時に実現できなかった。
【0033】
本発明は前記の問題点に鑑み創案されたものであり、個別の部品で構成されずに、光軸調整が容易で、それぞれ個別の支持部も必要とせず、簡単な構成で小型軽量に一体化形成することができ、また、製造コストも安価とし、さらに、観測する像がゆがむことなく、光源及び検出器の回転運動が不要で、共鳴点を追跡することによって二次元のSPRを高精度かつ広い測定範囲で測定することができる装置を提供することを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像分光測定装置は、前記課題を解決するため以下のように構成した。すなわち、走査干渉機構と、この走査干渉機構に隣接して設けた試料測定機構とを備える画像分光測定装置であって、前記走査干渉機構は、光線を反射光と透過光に分割するビームスプリッタを介して設けた第1および第2プリズム柱体と、この第1および第2プリズム柱体に、屈折率を整合する屈折率整合手段を介して設けた第3プリズム柱体と、この第3プリズム柱体に設けた第1および第2コーナーキューブと、を備えている。
そして、前記画像分光測定装置は、前記第1プリズム柱体が、光源からの平行光が入射される光入射面と、この光入射面と同一平面で異なる位置に設けた第1鏡面垂直反射面と、前記ビームスプリッタに隣接し、前記光入射面から入射した光線の光路上に配置される第1平面と、前記ビームスプリッタから反射される光線の光路上に配置される第2平面とを有し、前記第2プリズム柱体が、前記第1平面に沿って前記ビームスプリッタに対面する位置に配置される第3平面と、前記ビームスプリッタとを透過する光線の光路上で、かつ、前記第2平面の延長上に配置される第4平面と、前記試料測定機構を設置する位置に配置される光出射面と、この光出射面と同一平面上で異なる位置に設けられた第2鏡面垂直反射面とを有し、前記第3プリズム柱体が、前記第1プリズム柱体の前記第2平面および前記第2プリズム柱体の前記第4平面と対面する位置に配置される第5平面と、前記第1平面から前記第2平面および前記第5平面を介して送られて来る光線の光路上に配置された第6平面と、前記第3平面から前記第4平面および前記第5平面を介して送られて来る光線の光路上に配置された第7平面とを有し、前記第1コーナーキューブが、前記第6平面に沿って対面する位置に配置される第8平面と、この第8平面から入射して来た光線を、平行かつ反対方向に進行する光線に変換する、三つの相互に垂直な平面で構成された第1光線反射部と、周側面とを有し、前記第2コーナーキューブが、前記第7平面に沿って対面する位置に配置される第9平面と、この第9平面から入射して来た光線を、平行かつ反対方向に進行する光線に変換する、三つの相互に垂直な平面で構成された第2光線反射部と、周側面とを有している。
さらに、前記画像分光測定装置は、前記屈折率整合手段が、前記第2平面および前記第4平面と、前記第5平面との間に介在している。
また、前記画像分光測定装置は、前記試料測定機構が、前記光出射面に配置された出射光線用プリズム柱体と、この出射光線用プリズム柱体の一辺に設けられ、試料を設置するための試料設置面と、この試料設置面に設置した試料を透過した光線の光路に配置された投影レンズと、この投影レンズからの光線の光路に配置された多チャンネル検出器とを備えている。
そして、前記画像分光測定装置は、前記光源から前記光入射面を透過して前記第1プリズム柱体に入射する入射光線が、前記ビームスプリッタで第1の光線と、第2の光線とに分割され、さらに、前記第1の光線が、前記第2平面と前記屈折率整合手段と前記第5平面とを透過して第3プリズム柱体に入り、前記第6平面と前記第8平面とを透過して前記第1コーナーキューブに入り、前記第1光線反射部で反射され、当該第1の光線と平行で逆向きの光線となって、前記第8平面と前記第6平面とを透過して前記第3プリズム柱体に入り、前記第5平面と前記屈折率整合手段と前記第4平面とを透過して前記第2プリズム柱体に入り、前記第2鏡面垂直反射面で反射され、前記ビームスプリッタから前記第2鏡面垂直反射面まで進んで来た光路を再び戻って前記ビームスプリッタへ向かい、そして、前記第2の光線が、前記ビームスプリッタから第4平面と前記屈折率整合手段と前記第5平面とを透過して前記第3プリズム柱体に入り、前記第7平面と前記第9平面とを透過して前記第2コーナーキューブに入り、前記第2光線反射部で反射され、当該第2の光線と平行で逆向きの光線となって、前記第9平面と前記第7平面とを透過して前記第3プリズム柱体に入り、前記第5平面と前記屈折率整合手段と前記第2平面とを透過して前記第1プリズム柱体に入り、前記第1鏡面垂直反射面で反射され、前記ビームスプリッタから前記第1鏡面垂直反射面まで進んで来た光路を再び戻って前記ビームスプリッタへ向かい 、さらに、前記ビームスプリッタに戻ってきた前記第1の光線および前記第2の光線が合わされて干渉し、平行光線として前記光出射面を透過して前記試料測定機構へ出射すると共に、前記試料設置面に設置した試料を透過して出力される光路が構成されている。
さらに、前記画像分光測定装置は、前記第1プリズム柱体および前記第2プリズム柱体と、前記第3プリズム柱体および前記第1コーナーキューブおよび前記第2コーナーキューブとが、前記第2平面および前記第4平面と、前記第5平面とに沿って、相対的に移動自在になるように構成している。
【0035】
このように構成されることにより、画像分光測定装置は、走査干渉機構により光源から光入射面を介して入射された光線を、ビームスプリッタにより第1の光線および第2の光線として分割し、走査用の第3プリズム柱体等を介して光路長を変化させ、再び合わせて干渉させた光線として光出射面から試料測定機構側に出射する。そして、試料測定機構では出射光線用プリズム柱体を透過する光線を試料に照射する。さらに、その試料を透過する光線は、投影レンズを介して多チャンネル検出器に集光される。
【0036】
さらに、画像分光測定装置は、走査干渉機構と、この走査干渉機構に隣接して設けた試料測定機構とを備える画像分光測定装置であって、前記走査干渉機構は、光線を反射光と透過光に分割するビームスプリッタを介して設けた第1および第2プリズム柱体と、この第1および第2プリズム柱体に、屈折率を整合する屈折率整合手段を介して設けた第3プリズム柱体と、この第3プリズム柱体に設けた第1および第2コーナーキューブと、を備えるものとした。
そして、前記画像分光測定装置は、前記第1プリズム柱体が、光源からの平行光が入射される光入射面と、この光入射面と同一平面で異なる位置に設けた第1鏡面垂直反射面と、前記ビームスプリッタに隣接し、前記光入射面から入射した光線の光路上に配置される第1平面と、前記ビームスプリッタから反射される光線の光路上に配置される第2平面とを有し、また、前記第2プリズム柱体が、前記第1平面に沿って前記ビームスプリッタに対面する位置に配置される第3平面と、前記ビームスプリッタを透過する光線の光路上で、かつ、前記第2平面の延長上に配置される第4平面と、前記試料測定機構を設置する位置に配置される光出射面と、この光出射面と同一平面上で異なる位置に設けられた第2鏡面垂直反射面とを有し、さらに、前記第3プリズム柱体が、前記第1プリズム柱体の前記第2平面および前記第2プリズム柱体の前記第4平面と対面する位置に配置される第5平面と、前記第1平面から前記第2平面および前記第5平面を介して送られて来る光線の光路上に配置された第6平面と、前記第3平面から前記第4平面および前記第5平面を介して送られて来る光線の光路上に配置された第7平面とを有し、また、前記第1コーナーキューブが、前記第6平面に沿って対面する位置に配置される第8平面と、この第8平面から入射して来た光線を、平行かつ反対方向に進行する光線に変換する、三つの相互に垂直な平面で構成された第1光線反射部と、周側面とを有し、前記第2コーナーキューブが、前記第7平面に沿って対面する位置に配置される第9平面と、この第9平面から入射して来た光線を、平行かつ反対方向に進行する光線に変換する、三つの相互に垂直な平面で構成された第2光線反射部と、周側面とを有し、前記屈折率整合手段が、前記第2平面および前記第4平面と、前記第5平面との間に介在している。
さらに、前記画像分光測定装置は、前記試料測定機構が、前記光出射面に配置された出射光線用プリズム柱体と、この出射光線用プリズム柱体の一辺に設けられ、設置される試料からの反射光を透過する試料設置面と、この試料設置面に設定した試料からの反射光路で前記出射光線用プリズム柱体の出射面に隣接して配置された投影レンズと、この投影レンズからの光線の光路上に配置された多チャンネル検出器とを備え、前記出射光線用プリズム柱体は、前記光出射面に対面する位置に配置された入射面と、この入射面に対して所定角度に形成され、試料を設置するための試料設置面と、この試料設置面からの反射光路上に形成された光反射面と、この光反射面からの反射光を出射させる前記出射面とを有している。
そして、前記画像分光測定装置は、前記光源から前記光入射面を透過して前記第1プリズム柱体に入射する入射光線が、前記ビームスプリッタで第1の光線と、第2の光線とに分割され、前記第1の光線が、前記第2平面と前記屈折率整合手段と前記第5平面とを透過して第3プリズム柱体に入り、前記第6平面と前記第8平面とを透過して前記第1コーナーキューブに入り、前記第1光線反射部で反射され、当該第1の光線と平行で逆向きの光線となって、前記第8平面と前記第6平面とを透過して前記第3プリズム柱体に入り、前記第5平面と前記屈折率整合手段と前記第4平面とを透過して前記第2プリズム柱体に入り、前記第2鏡面垂直反射面で反射され、前記ビームスプリッタから前記第2鏡面垂直反射面まで進んで来た光路を再び戻って前記ビームスプリッタへ向かい、また、前記第2の光線が、前記ビームスプリッタから第4平面と前記屈折率整合手段と前記第5平面とを透過して前記第3プリズム柱体に入り、前記第7平面と前記第9平面とを透過して前記第2コーナーキューブに入り、前記第2光線反射部で反射され、当該第2の光線と平行で逆向きの光線となって、前記第9平面と前記第7平面とを透過して前記第3プリズム柱体に入り、前記第5平面と前記屈折率整合手段と前記第2平面とを透過して前記第1プリズム柱体に入り、前記第1鏡面垂直反射面で反射され、前記ビームスプリッタから前記第1鏡面垂直反射面まで進んで来た光路を再び戻って前記ビームスプリッタへ向かい、さらに、前記ビームスプリッタに戻ってきた前記第1の光線および前記第2の光線が合わされて干渉し、平行光線として前記光出射面を透過して前記試料測定機構へ出射すると共に、前記試料設置面に設置した試料からの反射光を出力する光路が構成されている。
さらに、前記画像分光測定装置は、前記第1プリズム柱体および前記第2プリズム柱体と、前記第3プリズム柱体および前記第1コーナーキューブおよび前記第2コーナーキューブとが、前記第2平面および前記第4平面と、前記第5平面とに沿って、相対的に移動自在になるように構成した。
【0037】
このように構成されることにより、画像分光測定装置は、走査干渉機構により光源から光入射面を介して入射された光線を、ビームスプリッタにより第1の光線および第2の光線として分割し、走査用の第3プリズム柱体等を介して光路長を変化させ、再び合わせて干渉させた光線として光出射面から試料測定機構側に出射する。そして、試料測定機構では出射光線用光透過体を透過する光線を試料に照射する。さらに、試料に照射された光線は、反射して、その反射光が投影レンズを介して多チャンネル検出器に集光される。
【0038】
また、画像分光測定装置は、走査干渉機構と、この走査干渉機構に隣接して設けた試料測定機構とを備える画像分光測定装置であって、前記走査干渉機構は、光線を反射光と透過光に分割するビームスプリッタを介して設けた第1および第2プリズム柱体と、この第1および第2プリズム柱体に、屈折率を整合する屈折率整合手段を介して設けた第3プリズム柱体と、この第3プリズム柱体に設けた第1および第2コーナーキューブと、を備える構成とした。
また、前記画像分光測定装置は、前記第1プリズム柱体が、光源からの平行光が入射される光入射面と、この光入射面と同一平面で異なる位置に設けた第1鏡面垂直反射面と、前記ビームスプリッタに隣接し、前記光入射面から入射した光線の光路上に配置される第1平面と、前記ビームスプリッタから反射される光線の光路上に配置される第2平面とを有し、また、前記第2プリズム柱体が、前記第1平面に沿って前記ビームスプリッタに対面する位置に配置される第3平面と、前記ビームスプリッタを透過する光線の光路上で、かつ、前記第2平面の延長上に配置される第4平面と、前記試料測定機構を設置する位置に配置される光出射面と、この光出射面と同一平面上で異なる位置に設けられた第2鏡面垂直反射面とを有し、さらに、前記第3プリズム柱体が、前記第1プリズム柱体の前記第2平面および前記第2プリズム柱体の前記第4平面と対面する位置に配置される第5平面と、前記第1平面から前記第2平面および前記第5平面を介して送られて来る光線の光路上に配置された第6平面と、前記第3平面から前記第4平面および前記第5平面を介して送られて来る光線の光路上に配置された第7平面とを有し、また、前記第1コーナーキューブが、前記第6平面に沿って対面する位置に配置される第8平面と、この第8平面から入射して来た光線を、平行かつ反対方向に進行する光線に変換する、三つの相互に垂直な平面で構成された第1光線反射部と、周側面とを有し、そして、前記第2コーナーキューブが、前記第7平面に沿って対面する位置に配置される第9平面と、この第9平面から入射して来た光線を、平行かつ反対方向に進行する光線に変換する、三つの相互に垂直な平面で構成された第2光線反射部と、周側面とを有し、さらに、前記屈折率整合手段が、前記第2平面および前記第4平面と、前記第5平面との間に介在している。
そして、前記画像分光測定装置は、前記試料測定機構が、前記光出射面に設けた出射光線用プリズム柱体と、この出射光線用プリズム柱体の一辺に設けられ、設置される試料からの反射光を透過する試料設置面と、この試料設置面に設定した試料からの反射光を反射するために前記出射光線用プリズム柱体に設けられた光反射手段と、この光反射手段からの光線の反射光路上で前記出射光線用プリズム柱体に隣接して配置された投影レンズと、この投影レンズの光線の光路に配置された多チャンネル検出器とを備えている。
そして、前記画像分光測定装置は、前記光源から前記光入射面を透過して前記第1プリズム柱体に入射する入射光線が、前記ビームスプリッタで第1の光線と、第2の光線とに分割され、前記第1の光線が、前記第2平面と前記屈折率整合手段と前記第5平面とを透過して第3プリズム柱体に入り、前記第6平面と前記第8平面とを透過して前記第1コーナーキューブに入り、前記第1光線反射部で反射され、当該第1の光線と平行で逆向きの光線となって、前記第8平面と前記第6平面とを透過して前記第3プリズム柱体に入り、前記第5平面と前記屈折率整合手段と前記第4平面とを透過して前記第2プリズム柱体に入り、前記第2鏡面垂直反射面で反射され、前記ビームスプリッタから前記第2鏡面垂直反射面まで進んで来た光路を再び戻って前記ビームスプリッタへ向かい、また、前記第2の光線が、前記ビームスプリッタから第4平面と前記屈折率整合手段と前記第5平面とを透過して前記第3プリズム柱体に入り、前記第7平面と前記第9平面とを透過して前記第2コーナーキューブに入り、前記第2光線反射部で反射され、当該第2の光線と平行で逆向きの光線となって、前記第9平面と前記第7平面とを透過して前記第3プリズム柱体に入り、前記第5平面と前記屈折率整合手段と前記第2平面とを透過して前記第1プリズム柱体に入り、前記第1鏡面垂直反射面で反射され、前記ビームスプリッタから前記第1鏡面垂直反射面まで進んで来た光路を再び戻って前記ビームスプリッタへ向かい、かつ、前記ビームスプリッタに戻ってきた前記第1の光線および前記第2の光線が合わされて干渉し、平行光線として前記光出射面を透過して前記試料測定機構へ出射すると共に、前記試料設置面に設置した試料からの反射光を前記光反射手段を介して出力する光路が構成されている。
さらに、前記画像分光測定装置は、前記第1プリズム柱体および前記第2プリズム柱体と、前記第3プリズム柱体および前記第1コーナーキューブおよび前記第2コーナーキューブとが、前記第2平面および前記第4平面と、前記第5平面とに沿って、相対的に移動自在になるように構成した。
【0039】
このように構成されることにより、画像分光測定装置は、走査干渉機構により光源から光入射面を介して入射された光線を、ビームスプリッタにより、第1の光線および第2の光線に分割し、走査用の第3光透過体等を介して光路長を変化させ、再び合わせられて干渉させた光線として光出射面から試料測定機構側に出射する。そして、試料測定機構では出射光線用光透過体を透過する光線を試料に照射する。さらに、試料に照射された光線は、試料からの反射光が光反射手段により投影レンズ側に反射される。そして、投影レンズは、試料の表面におけるスペクトル画像についての情報を含む光線を多チャンネル検出器に集光させている。
【0041】
そして、前記画像分光測定装置において、前記試料設置面は、前記光出射面からの出射光線に対して全反射する角度で形成される構成とした。このように構成されることにより、画像分光測定装置は、試料設置面に試料を設置すると全反射の条件が解除されて試料の表面のスペクトル画像についての情報を含む光線が、投影レンズを介して多チャンネル検出器に集光される。
【0042】
さらに、前記画像分光測定装置において、前記試料設置面は、表面プラズモン共鳴用薄膜が設けられた構成とした。このように構成されることにより、画像分光測定装置は、表面プラズモン共鳴用薄膜として例えば金を用い、また、試料としての例えば、DNA、抗体、抗原、酵素あるいはレセプター等を用いることにより、その表面プラズモン共鳴用薄膜上に修飾層を形成することができ、多チャンネル検出器に集光されるわずかなスペクトルの差から表面プラズモン共鳴波長を推定することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1(a)は、実施の第1形態における画像分光測定装置を模式的に示す平面図、図1(b)は、(a)における矢印II−II位置での側面状態を縮小して示す模式図である。
図1に示すように、画像分光測定装置1は、光源Lからの光線の光路長を変えるための走査干渉機構Aと、この走査干渉機構Aに隣接して設けられた試料測定機構Bとから構成されている。
【0045】
走査干渉機構Aは、第1光透過体としての三角柱状の第1プリズム柱体2と、この第1プリズム柱体2に隣接して配置されたビームスプリッタ5と、このビームスプリッタ5に隣接して配置された第2光透過体としての第2プリズム柱体3と、両プリズム柱体2,3に隣接して配置された屈折率を整合する光屈折率整合手段としての光屈折率整合液体層6と、この光屈折率整合液体層6に対して滑動自在に配置された走査用の第3光透過体4としての第3プリズム柱体4Aおよび第1、第2コーナーキューブ4B、4Cとを備えている。
【0046】
また、試料測定機構Bは、出射光線用光透過体としての透過ガラスプリズム7と、この透過ガラスプリズム7の試料設置面7bに設置された試料Wを透過する光線を集光する投影レンズ8と、この投影レンズ8の光線の光路に配置された多チャンネル検出器9とを備えている。
【0047】
図1に示すように、第1プリズム柱体2は、光源Lからの光線を入射する光入射面2aと、この光入射面2aと同一平面で異なる位置に設けられた反射手段としての鏡面垂直反射面2dと、光入射面2aからの光線の光路上に形成され、ビームスプリッタ5が隣接する第1平面2bと、ビームスプリッタ5からの反射光の光路上に形成される第2平面2cとを備えている。
【0048】
また、第2プリズム柱体3は、前記第1平面2bに添ってビームスプリッタ5に対面して隣接する位置に形成される第3平面3aと、ビームスプリッタ5からの透過光の光路上で、かつ、前記第2平面2cの延長上に形成される第4平面3bと、ビームスプリッタ5および第3平面3aから送られてくる光線の光路上に形成された光出射面3cと、この光出射面3cの同一平面上で異なる位置に形成された反射手段としての鏡面垂直反射面3dとを備えている
【0049】
さらに、第3プリズム柱体4Aは、両プリズム柱体2,3の第2平面2cおよび第4平面3bに対面する位置に形成された第5平面4aと、ビームスプリッタ5から反射され第2平面2cおよび第5平面4aを透過してくる光線を第1コーナーキューブ4Bへ通過させかつ第1コーナーキューブ4Bからの光線を取り入れる第6平面4bと、ビームスプリッタ5を透過して第4平面3bおよび第5平面4aを透過してくる光線を第2コーナーキューブ4Cへ通過させかつ第2コーナーキューブ4Cからの光線を取り入れる第7平面4cとを備えている。
【0050】
第1コーナーキューブ4Bは、第6平面4bに対面する光線入射面である第8平面4dと、3つの光線偏向反射面で構成される第1光線反射部4eと、その周側面により構成されている。この第1コーナーキューブ4Bの第1光線反射部4eは、3つの光線偏向反射面を互いに90度で交わる平面であり、第8平面4dに入射した光線は3つの光線偏向反射面により入射光と平行かつ逆向きの光線となって第8平面4dから出射される特性をもつ。なお、第2コーナーキューブ4Cは、第7平面4cに対面して配置され、第9平面4fと、3つの光線偏向反射面で構成される第2光線反射部4gと、その周側面とにより構成されており、第1コーナーキューブ4Bと同じ機能を備えている。また、両各コーナーキューブ4B,4Cは、第3プリズム柱体4Aに透過光に対して影響のない接着剤により固定されている。
【0051】
光屈折率整合液体層6は、各プリズム柱体2,3,4Aおよび各コーナーキューブ4B,4Cを形成している部材と屈折率が近いものであればよく、その一例として各プリズム柱体2,3,4Aおよび各コーナーキューブ4B,4Cを石英で形成した場合に、ここではシリコーンオイルを用い、毛細管現象により第3プリズム柱体4Aと、両プリズム柱体2,3とを保持するように構成されている。
【0052】
ビームスプリッタ5は、両プリズム柱体2,3の間に、光線の反射および透過に対して影響のない接着剤等により固定されており、各プリズム柱体2,3,4Aの材料や、送られてくる光線の角度により透過率および反射率を所定の割合になるように形成されている。このビームスプリッタの一例としては、金属や誘電体またはその両方の薄膜を介在させることや、あるいは、透過部材(各プリズム柱体と同質)に蒸着して形成されている。
【0053】
光入射面2aから光出射面3cに導くための光線の光路中に設けた反射手段としての鏡面垂直反射面2d、3dは、金属や誘電体またはその両方などを薄膜として蒸着して形成してもよい。なお、この反射手段は、走査干渉機構Aの形状が変わると設けられる位置も異なる。
また、第3光透過体4は、図示しないリニアガイドや精密送り機構などの移動機構により光屈折率整合液体層6を介して両プリズム柱体2,3の第2平面2cおよび第4平面3bに添って移動するように構成されている。
【0054】
一方、試料測定機構Bの透過ガラスプリズム7は、光出射面3cに隣接して配置されている。この透過ガラスプリズム7は、各プリズム柱体2,3,4Aと同質な素材により形成されることが好ましく、その光出射面に対面する位置で、光出射面3cからの光線を入射させる入射面7aと、この入射面7aに平行に形成された試料Wを設置するための試料設置面7bとを備える柱体状に形成されている。なお、透過ガラスプリズム7の入射面7aは、光出射面3cに、透過する光線に対して影響がない接着剤などにより接着されている。
【0055】
投影レンズ(測定光学系)8は、ここでは凸レンズが用いられ、試料Wを透過した光線を集光して多チャンネル検出器9に、その試料Wに関するデータを含む光線を受け渡している。なお、この投影レンズ8は、各プリズム柱体2,3,4Aや、透過ガラスプリズム7と同じ素材で形成されていることが望ましい。
【0056】
多チャンネル検出器9は、投影レンズ8の焦点位置に配置されており、投影レンズ8から送られてくる光線の各波長成分の強度を検出することができる例えばCCD(Charge Coupled Device)と、図示しないデータ蓄積部、信号処理部、表示部を備えている。なお、多チャンネル検出器9に送られた試料Wについての情報を含む光線は、多チャンネル検出器9からの出力をデータ蓄積部に蓄積し、さらに、信号処理器(図示せず)により所定の処理が行われて、また、液晶ディスプレイなどの表示部(図示せず)により画像で処理情報を確認することができる。
【0057】
つぎに、画像分光測定装置1の動作について説明する。
画像分光測定装置1は、両プリズム柱体2,3と、第3光透過体3とが光屈折率整合液体層6を介して移動機構(図示せず)により相対的に移動する。なお、ここでは第3光透過体3を移動距離D(図示せず)だけ移動させている。
【0058】
このとき、ビームスピリッタ5を反射した光線a1は、鏡面垂直反射面3dで反射されるまでに進む距離が2Dsinθだけ増加する。そのため、光線a1が鏡面垂直反射面3dで反射された後に反射光線b1として同じ光路を経由して戻ってくるまでに進む距離は、4Dsinθだけ増加する。また、ビームスプリッタ5を透過した光線a2は、鏡面垂直反射面2dで反射されるまでに進む距離は2Dsinθだけ減少するため、鏡面垂直反射面2dで反射後に反射光線b2として同じ光路を戻ってくるまでに進む距離は4Dsinθだけ減少する。
【0059】
したがって、光線が進む距離の変化は、それぞれ4Dsinθの増加と4Dsinθの減少となり第3プリズム柱体4Aの屈折率をnとして、最大移動距離をDMAXとすると、この光路における最大光路長差は8nDMAXsinθとなる。そして、反射光線b1、b2は、ビームスピリッタ5により合わされて干渉し光出射面3cから平行光として出射して透過ガラスプリズム7の入射面7aから入射して試料設置面7bの試料Wに照射される。そして、試料Wに照射した光線は、その試料Wを透過して投影レンズ8により集光されて多チャンネル検出器9に送られる。
【0060】
多チャンネル検出器9は、光路長差の値と多チャンネル光検出器上のイメージとを関連づけてデータを図示しないデータ蓄積部に保存する。そして、多チャンネル検出器9に結像される光線は、2つの光線間の干渉により、その光線の各波数成分の強度を、成分の波数と光路長差の関数として変化させることができる。そのため、多チャンネル検出器9の出力は、これらの成分(各波数成分)の重ね合わせを表し、規則的な距離間隔でサンプリングされるときは、そのフーリエ変換が所望されたスペクトルを生ずるインターフェログラムを提供する。
【0061】
したがって、多チャンネル検出器9の各画素は、インターフェログラムを提供することになる。多チャンネル検出器9の信号処理器(図示せず)は、得られた各波数成分の強度情報を検索し、それをスペクトル画像データに変換する。これは多チャンネル光検出器の各画素が取得したスペクトルデータの集合体である。多チャンネル検出器9の表示部(図示せず)では、ユーザの選択に応じて、特定波長での透過強度分布画像や特定の画素における透過スペクトルを表示することができる。この透過スペクトル画像を解析して、試料Wに関する知見を得ることができる。
【0062】
つぎに、本発明に係る画像分光測定装置における実施の第2形態について説明する。図2は、画像分光測定装置を模式的に示す平面図である。なお、図1においてすでに説明した構成は、同じ符号を付して説明を省略する。
【0063】
図2に示すように、画像分光測定装置11は、広帯域の光源Lからの光線の光路長を変えるための走査干渉機構Aと、この走査干渉機構Aに隣接して設けられた試料測定機構B1とから構成されている。
【0064】
走査干渉機構Aは、第1プリズム柱体2と、ビームスプリッタ5と、第2プリズム柱体3と、光屈折率整合液体層6と、走査用の第3光透過体4としての第3プリズム柱体4Aおよび第1、第2コーナーキューブ4B、4Cとを備えている。
【0065】
また、図2に示すように、試料測定機構B1は、出射光線用光透過体としての透過ガラスプリズム17と、この透過ガラスプリズム17の試料設置面17bに設置された試料Wからの反射光を、光反射面17cを介して出射する出射面17dに隣接して配置された投影レンズ8と、この投影レンズ8からの光線の光路に配置された多チャンネル検出器9とを備えている。
【0066】
透過ガラスプリズム17は、各プリズム柱体2,3,4Aと同質な素材により形成されることが好ましく、その光出射面3cに対面する位置で、光出射面3cからの光線を入射させる入射面17aと、この入射面17aに対して所定角度に形成された試料Wを設置するための試料設置面17bと、この試料設置面17bに設置した試料Wからの反射光路上に形成された光反射面17cと、この光反射面17cからの反射光を当該透過ガラスプリズム17から出射させる出射面17dとを備えている。
【0067】
この透過ガラスプリズム17の入射面17aは、光出射面3cに、透過する光線に対して影響のない接着剤により接着されている。そして、透過ガラスプリズム17の試料設置面17bは、入射面17aからの光線に対して直交する90度より小さく、その光線に対して平行な0度より大きな所定角度に形成されている。なお、試料設置面17bは、その角度が入射面17aからの光線に対して全反射する45度になるように形成すると都合がよい。
【0068】
また、透過ガラスプリズム17の光反射面17cは、金属や誘電体またはその両方などを薄膜として蒸着して形成してもよい。なお、試料Wからの反射光に対して全反射する角度に形成する場合は薄膜は必要としない。
さらに、透過ガラスプリズム17の出射面17dは、ここでは光反射面17cからの反射光上にその反射光に対して直交する角度に形成されている(ここでは入射面17dと平行)。
【0069】
つぎに、画像分光測定装置11の動作について説明する。
図2に示すように、広帯域の光源Lからの光線は、コリメートされて走査干渉機構Aに入射し、その走査干渉機構Aで光路長差を生成して光出射面3cから出射される。つぎに走査干渉機構Aから出射した干渉光は、試料測定機構B1中に入って、試料設置面17bの試料Wより反射され、光反射面17cにより方向を変えて出射面17dより出射し、投影レンズ8を経由し多チャンネル検出器9上に像を結ぶ。
【0070】
ここで、第3光透過体4を移動させながら、つまり光路長を変化させながら、光路長差の値と多チャンネル光検出器9上のイメージとを関連付けてデータを取得し、データ蓄積部(図示せず)に保存する。これらの多チャンネル検出器9に入射された光線部分は、再び結合されて、2つの光線間の干渉により、光線の各波数成分の強度を、成分の波数と光路長との関数として変化させる。
【0071】
そして、多チャンネル検出器9の出力は、これらの成分(各波数成分)の重ね合わせを表し、規則的な距離間隔でサンプリングされるときは、そのフーリエ変換が所望されたスペクトルを生ずるインターフェログラムを提供する。したがって、多チャンネル光検出器の各画素はインターフェログラムを提供することになる。さらに、多チャンネル検出器9の信号処理器(図示せず)は、得られた各波数成分の強度情報を検索し、それをスペクトル画像データに変換する。
【0072】
このスペクトル画像データは、多チャンネル光検出器9の各画素が取得したスペクトルデータの集合体である。そのため多チャンネル検出器9の表示部(図示せず)では、ユーザの選択に応じて、特定波長での反射強度分布画像や特定の画素における反射スペクトルを表示することができる。この反射スペクトル画像を解析して、試料Wに関する知見を得ることができる。
【0073】
つぎに、本発明に係る画像分光測定装置における実施の第3形態について説明する。図3は、画像分光測定装置を模式的に示す平面図である。なお、図1においてすでに説明した構成は、同じ符号を付して説明を省略する。
図3に示すように、画像分光測定装置21は、走査干渉機構Aと、この走査干渉機構Aに隣接して配置された試料測定機構B2とから構成されている。
【0074】
また、図2に示すように、試料測定機構B2は、出射光線用光透過体としての透過ガラスプリズム27と、この透過ガラスプリズム27の試料設置面27bに設置された試料Wからの反射光を出射する出射面27cに隣接して配置された投影レンズ8と、この投影レンズ8からの光線の光路に配置された多チャンネル検出器9とを備えている。
【0075】
透過ガラスプリズム27は、各プリズム柱体2,3,4Aと同質な素材により形成されることが好ましく、その光出射面3cに対面する位置で、光出射面3cからの光線を入射させる入射面27aと、この入射面27aからの光線を全反射する角度に形成された試料Wを設置するための試料設置面27bと、この試料設置面27bに設置した試料Wからの反射光路上に形成され、該透過ガラスプリズム27から光線を出射させる出射面27cとを備えている。
【0076】
つぎに、画像分光測定装置21の動作について説明する。広帯域の光源Lからの光線は、コリメートされて走査干渉機構Aに入射し、走査干渉機構Aで光路長差を生成して出射される。つぎに走査干渉機構Aから出射した干渉光は試料測定機構B2に入射して試料Wに対して照射される。このとき、試料設置面27bは、試料Wに接した面で全反射を起すような角度に形成されているため、試料Wが設置されることで試料Wの表面まで光線が到達して反射する。そして、試料設置面27bの試料Wから反射した光線は、出射面27cから出射して投影レンズ8によって多チャンネル検出器9上に結像する。
【0077】
ここで、第3透過体4(可動プリズム)を移動させながら、つまり光路長を変化させながら、光路長差の値と多チャンネル光検出器9上のイメージとを関連付けてデータを取得し、データ蓄積部(図示せず)に保存する。これらの多チャンネル検出器9に入射された光線部分は、再び結合されて、2つの光線間の干渉により、光線の各波数成分の強度を、成分の波数と光路長との関数として変化させる。
【0078】
多チャンネル検出器9の出力は、これらの成分(各波数成分)の重ね合わせを表し、規則的な距離間隔でサンプリングされるときは、そのフーリエ変換が所望されたスペクトルを生ずるインターフェログラムを提供する。したがって、多チャンネル検出器9の各画素は、インターフェログラムを提供することになる。そして、多チャンネル検出器9の信号処理器(図示せず)は、得られた各波数成分の強度情報を検索し、それをスペクトル画像データに変換する。これは多チャンネル光検出器9の各画素が取得したスペクトルデータの集合体である。多チャンネル検出器9の表示部(図示せず)では、ユーザの選択に応じて、特定波長での全反射強度分布画像や特定の画素における反射スペクトルを表示することができる。この反射スペクトル画像を解析して、試料Wに関する知見を得ることができる。
【0079】
つぎに、本発明に係る画像分光測定装置における実施の第4形態について説明する。図4は、画像分光測定装置を模式的に示す平面図である。なお、図1および図3においてすでに説明した構成は、同じ符号を付して説明を省略する。
図4に示すように、画像分光測定装置21Aは、走査干渉機構Aと、この走査干渉機構Aに隣接して配置された試料測定機構B3とから構成されている。そして、試料測定機構B3は、試料設置面27bに、表面プラズモン共鳴用薄膜としての金薄膜27dが蒸着されている。
【0080】
この画像分光測定装置21Aは、広帯域の光源Lからの光を、コリメートされて走査干渉機構Aに入射させ、光出力面3cから干渉光の平行光線として出射させている。走査干渉機構Aからの干渉光は、試料測定機構B3の入射面27aから入射され試料設置面27bの金薄膜27dに到達する。また、試料設置面27bの金薄膜27dには、試料Wとしての試料液体が保持できるような容器が設置されており、試料液体は金薄膜27dに接触している。そのため、入射面27aから送られてきた光線は、試料設置面27bの金薄膜27dで反射する。
【0081】
このとき、試料設置面27bは、全反射を起すような角度にあらかじめ形成されていると、金薄膜27dの表面で全反射を起す。全反射された光線は、投影レンズ8によって多チャンネル検出器9に入射して像に対応した強度分布を形成する。この強度分布データを、データ蓄積部(図示せず)に格納する。
【0082】
ここで、第3光透過体4を移動させながら、つまり光路長を変化させながら、光路長差の値と多チャンネル光検出器9上のイメージとを関連付けてデータ取得し、データ蓄積部(図示せず)に保存する。これらの多チャンネル検出器9に入射された光線部分は、再び結合されて、2つの光線間の干渉により、光線の各波数成分の強度を、成分の波数と光路長との関数として変化させる。
【0083】
多チャンネル検出器9の出力は、これらの成分(各波数成分)の重ね合わせを表し、規則的な距離間隔でサンプリングされるときは、そのフーリエ変換が所望されたスペクトルを生ずるインターフェログラムを提供する。
【0084】
したがって、多チャンネル光検出器9の各画素はインターフェログラムを提供することになる。多チャンネル光検出器9の信号処理器(図示しない)は、得られた強度情報を検索し、それをスペクトル画像データに変換する。これは多チャンネル光検出器9の各画素が取得したスペクトルデータの集合体である。このスペクトルデータを解析し、SPR(表面プラズモン共鳴)を起す波長の近傍で精査することにより、二次元データ中の特定のピクセルに注目し、波長に対して反射強度をプロットすると、ある特定の波長で吸収がおきることが分かる。
【0085】
このとき、あらかじめ金薄膜27d上の一部に牛血清アルブミン(BSA)を塗布しておくと、金属薄膜表面のBSA膜の膜厚と密度の不均一さによって生じる屈折率分布に依存して吸収がおきる波長が変化する。よって、吸収ピークの波長を調べることによって、屈折率分布の多点同時測定が可能である。このときBSA膜が無いところ、BSA膜があるところも、スペクトル上にSPRによる吸収が観測され、測定面内に大きな屈折率偏差があっても同時に測定できる。
【0086】
さらに金薄膜の表面に複数種の分子を薄く(二次元的に)分布させて塗布した場合、同時に複数種の分子の測定が可能である。測定可能な分子の種類は同時に塗布できる分子認識機能性物質の数と多チャンネル検出器9の解像度で決まるため、非常に多くの種類の分子が測定できる。
【0087】
また、図4の画像分光測定装置21Aを用いてつぎの構成にすることもできる。すなわち、試料設置面27bの金薄膜27d上に、チオール基を有して異なる配列を備えるDNAの一本鎖をアレイ状に配置し、反応させ、金薄膜27d上にDNAが配列された基板を得ることができる。
【0088】
この基板と被測定DNAを均一反応させた後、走査干渉機構Aおよび試料測定機構B3により測定すると、相補配列を持つ部分ではDNAの2本鎖が生成され、屈折率が大きくなり、図5に示すようにスペクトルに違いがみられるデータX、データYを得ることができる。これは図10のような測定が歪みを伴う反射率だけの情報であるのに比べて、この画像分光測定装置21Aを用いることにより、画像を歪ませることなく、スペクトルを得ることができるためである。
【0089】
そのため、はるかに大きな情報量を取得して、わずかなスペクトルの差から、SPR波長を高精度に推定することができ、少ないDNAの固定化量でも測定が可能となる。
この例で用いた金膜上の修飾層としては、DNAの他に抗体、抗原、酵素、レセプターなどを用いてもそれぞれの分子に特異的に反応する分子の測定ができる。
【0090】
なお、図1から図4に示す画像分光測定装置1,11,21,21Aは、プリズム柱体の構成として説明したが、走査干渉機構Aおよび試料測定機構Bは、平面導波路により構成しても成立する。平面導波路により構成する場合は、光線の光路となる中央に存在するコア層と、このコア層の上下に設けられるクラッド層(各層は図示せず)とにより成る。また、画像分光測定装置は、平面導波路により構成されることにより、精密な構造を維持して大量生産を可能とする。
【0091】
以上に示したのはあくまでも一例であって、画像分光測定装置1,11,21,21Aの走査干渉機構Aは、例えば、特願2000−60178に記載されている構成のものであっても構わない。
【0094】
さらに、本実施の形態において、広帯域の光源は、タングステンハロゲンランプなどの白色光源や、発光ダイオードや、スーパールミネッセンスダイオード等の、単色光源でない光源であれば特に限定されるものではない。
また、SPRを起こす媒体としては、金以外にも、銀、シリコンなど、SPR現象を起こすような金属、半導体、誘電体、これらの混合物、フォトニック結晶などが挙げられる。
【0095】
さらに、プリズムの材料としては、ガラス、プラスチック、無機物結晶などを用いることができる。また、プリズムとSPRを起こす物質を一体化したフォトニック結晶を使うことができる。
そして、本実施の形態で、試料に光を入射する光学系は、屈折光学系を用いて説明したが(透過ガラスプリズムで図示)反射光学系でもよい。本実施の形態において、試料から出射される光を多チャンネル検出器に投影する測定光学系は、投影レンズで図示された屈折光学系を用いているが、これはカセグレン型反射鏡等の反射光学系でもよい。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る画像分光測定装置によれば、次のような効果が得られる。
(1)画像分光測定装置は、光学素子が個別の部品で構成されずに、光軸調整が容易で、それぞれ個別の支持部も必要とせず、簡単な構成で小型軽量に一体化形成することができ、また製造コストも安価にできる。また、画像分光測定装置は、光路における最大光路長差は8nD MAX sinθとなる大きな光路長差を得ることができる。
【0097】
(2)画像分光測定装置は、光学素子が個別の部品で構成されずに、光軸調整が容易で、かつ、多チャンネル検出器に得られるスペクトルは多数種類であるため、同時に多数種の波数成分を測定することができる。
(3)画像分光測定装置は、試料設置面を全反射できるように構成することで、測定できるため、構成を簡略化して正確な測定を行うことができる。
【0098】
(4)画像分光測定装置は、SPR装置として用いた場合には、観測する画像がゆがむことなく、光源及び検出器の回転運動が不要で、共鳴点を追跡することによって二次元のSPRを高精度かつ広い測定範囲で測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明に係る実施の第1形態における画像分光測定装置を模式的に示す平面図、(b)は(a)における矢印II−II位置での側面状態を縮小して示す模式図である。
【図2】 本発明に係る実施の第2形態における画像分光測定装置を模式的に示す平面図である。
【図3】 本発明に係る実施の第3形態における画像分光測定装置を模式的に示す平面図である。
【図4】 本発明に係る実施の第4形態における画像分光測定装置を模式的に示す平面図である。
【図5】 本発明に係る画像分光測定装置により測定したデータの一例を示すグラフ図である。
【図6】 従来の単一チャンネル一体化プリズム走査フーリエ変換分光器本体の図である。
【図7】 従来のフーリエ変換分光器利用スペクトル画像測定装置の模式図である。
【図8】 従来のフーリエ変換分光器利用スペクトル画像ATR測定装置を示す模式図である。
【図9】 従来のフーリエ変換分光器利用単一チャンネルSPR測定装置を示す模式図である。
【図10】 従来の多チャンネル角度走査型SPR装置を示す模式図である。
【符号の説明】
A 走査干渉機構
B 試料測定機構
L 光源
1,11,21,21A 画像分光測定装置
2 第1プリズム柱体(第1光透過体)
2a 光入射面
2b 第1平面
2c 第2平面
2d 鏡面垂直反射面(反射手段)
3 第2プリズム柱体(第2光透過体)
3a 第3平面
3b 第4平面
3c 光出射面
3d 鏡面垂直反射面(反射手段)
4 第3光透過体
4A 第3プリズム柱体
4B 第1コーナーキューブ(光線反射部)
4C 第2コーナーキューブ(光線反射部)
4a 第5平面
4b 第6平面
4c 第7平面
4d 第8平面
4e 光線反射部(第1光線反射部)
4f 第9平面
4g 光線反射部(第2光線反射部)
5 ビームスプリッタ
6 光屈折率整合液体層(光屈折率整合手段)
7,17,27 透過ガラスプリズム(出射光線用光透過体)
7a,17a 入射面
7b,17b 試料設置面
8 投影レンズ
9 多チャンネル検出器
17c 光反射面
17d 出射面
27d 金薄膜(表面プラズモン共鳴用薄膜)
Claims (5)
- 走査干渉機構と、この走査干渉機構に隣接して設けた試料測定機構とを備える画像分光測定装置であって、
前記走査干渉機構は、光線を反射光と透過光に分割するビームスプリッタを介して設けた第1および第2プリズム柱体と、この第1および第2プリズム柱体に、屈折率を整合する屈折率整合手段を介して設けた第3プリズム柱体と、この第3プリズム柱体に設けた第1および第2コーナーキューブと、を備え、
前記第1プリズム柱体は、光源からの平行光が入射される光入射面と、この光入射面と同一平面で異なる位置に設けた第1鏡面垂直反射面と、前記ビームスプリッタに隣接し、前記光入射面から入射した光線の光路上に配置される第1平面と、前記ビームスプリッタから反射される光線の光路上に配置される第2平面とを有し、
前記第2プリズム柱体は、前記第1平面に沿って前記ビームスプリッタに対面する位置に配置される第3平面と、前記ビームスプリッタとを透過する光線の光路上で、かつ、前記第2平面の延長上に配置される第4平面と、前記試料測定機構を設置する位置に配置される光出射面と、この光出射面と同一平面上で異なる位置に設けられた第2鏡面垂直反射面とを有し、
前記第3プリズム柱体は、前記第1プリズム柱体の前記第2平面および前記第2プリズム柱体の前記第4平面と対面する位置に配置される第5平面と、前記第1平面から前記第2平面および前記第5平面を介して送られて来る光線の光路上に配置された第6平面と、前記第3平面から前記第4平面および前記第5平面を介して送られて来る光線の光路上に配置された第7平面とを有し、
前記第1コーナーキューブは、前記第6平面に沿って対面する位置に配置される第8平面と、この第8平面から入射して来た光線を、平行かつ反対方向に進行する光線に変換する、三つの相互に垂直な平面で構成された第1光線反射部と、周側面とを有し、
前記第2コーナーキューブは、前記第7平面に沿って対面する位置に配置される第9平面と、この第9平面から入射して来た光線を、平行かつ反対方向に進行する光線に変換する、三つの相互に垂直な平面で構成された第2光線反射部と、周側面とを有し、
前記屈折率整合手段は、前記第2平面および前記第4平面と、前記第5平面との間に介在し、
前記試料測定機構は、前記光出射面に配置された出射光線用プリズム柱体と、この出射光線用プリズム柱体の一辺に設けられ、試料を設置するための試料設置面と、この試料設置面に設置した試料を透過した光線の光路に配置された投影レンズと、この投影レンズからの光線の光路に配置された多チャンネル検出器とを備え、
前記光源から前記光入射面を透過して前記第1プリズム柱体に入射する入射光線が、前記ビームスプリッタで第1の光線と、第2の光線とに分割され、
前記第1の光線が、前記第2平面と前記屈折率整合手段と前記第5平面とを透過して第3プリズム柱体に入り、前記第6平面と前記第8平面とを透過して前記第1コーナーキューブに入り、前記第1光線反射部で反射され、当該第1の光線と平行で逆向きの光線となって、前記第8平面と前記第6平面とを透過して前記第3プリズム柱体に入り、前記第5平面と前記屈折率整合手段と前記第4平面とを透過して前記第2プリズム柱体に入り、前記第2鏡面垂直反射面で反射され、前記ビームスプリッタから前記第2鏡面垂直反射面まで進んで来た光路を再び戻って前記ビームスプリッタへ向かい、
前記第2の光線が、前記ビームスプリッタから第4平面と前記屈折率整合手段と前記第5平面とを透過して前記第3プリズム柱体に入り、前記第7平面と前記第9平面とを透過して前記第2コーナーキューブに入り、前記第2光線反射部で反射され、当該第2の光線と平行で逆向きの光線となって、前記第9平面と前記第7平面とを透過して前記第3プリズム柱体に入り、前記第5平面と前記屈折率整合手段と前記第2平面とを透過して前記第1プリズム柱体に入り、前記第1鏡面垂直反射面で反射され、前記ビームスプリッタから前記第1鏡面垂直反射面まで進んで来た光路を再び戻って前記ビームスプリッタへ向かい、
前記ビームスプリッタに戻ってきた前記第1の光線および前記第2の光線が合わされて干渉し、平行光線として前記光出射面を透過して前記試料測定機構へ出射すると共に、前記試料設置面に設置した試料を透過して出力される光路が構成され、
前記第1プリズム柱体および前記第2プリズム柱体と、前記第3プリズム柱体および前記第1コーナーキューブおよび前記第2コーナーキューブとが、前記第2平面および前記第4平面と、前記第5平面とに沿って、相対的に移動自在であることを特徴とする画像分光測定装置。 - 走査干渉機構と、この走査干渉機構に隣接して設けた試料測定機構とを備える画像分光測定装置であって、
前記走査干渉機構は、光線を反射光と透過光に分割するビームスプリッタを介して設けた第1および第2プリズム柱体と、この第1および第2プリズム柱体に、屈折率を整合する屈折率整合手段を介して設けた第3プリズム柱体と、この第3プリズム柱体に設けた第1および第2コーナーキューブと、を備え、
前記第1プリズム柱体は、光源からの平行光が入射される光入射面と、この光入射面と同一平面で異なる位置に設けた第1鏡面垂直反射面と、前記ビームスプリッタに隣接し、前記光入射面から入射した光線の光路上に配置される第1平面と、前記ビームスプリッタから反射される光線の光路上に配置される第2平面とを有し、
前記第2プリズム柱体は、前記第1平面に沿って前記ビームスプリッタに対面する位置に配置される第3平面と、前記ビームスプリッタを透過する光線の光路上で、かつ、前記第2平面の延長上に配置される第4平面と、前記試料測定機構を設置する位置に配置される光出射面と、この光出射面と同一平面上で異なる位置に設けられた第2鏡面垂直反射面とを有し、
前記第3プリズム柱体は、前記第1プリズム柱体の前記第2平面および前記第2プリズム柱体の前記第4平面と対面する位置に配置される第5平面と、前記第1平面から前記第2平面および前記第5平面を介して送られて来る光線の光路上に配置された第6平面と、前記第3平面から前記第4平面および前記第5平面を介して送られて来る光線の光路上に配置された第7平面とを有し、
前記第1コーナーキューブは、前記第6平面に沿って対面する位置に配置される第8平面と、この第8平面から入射して来た光線を、平行かつ反対方向に進行する光線に変換する、三つの相互に垂直な平面で構成された第1光線反射部と、周側面とを有し、
前記第2コーナーキューブは、前記第7平面に沿って対面する位置に配置される第9平面と、この第9平面から入射して来た光線を、平行かつ反対方向に進行する光線に変換する、三つの相互に垂直な平面で構成された第2光線反射部と、周側面とを有し、
前記屈折率整合手段は、前記第2平面および前記第4平面と、前記第5平面との間に介在し、
前記試料測定機構は、前記光出射面に配置された出射光線用プリズム柱体と、この出射光線用プリズム柱体の一辺に設けられ、設置される試料からの反射光を透過する試料設置面と、この試料設置面に設定した試料からの反射光路で前記出射光線用プリズム柱体の出射面に隣接して配置された投影レンズと、この投影レンズからの光線の光路上に配置された多チャンネル検出器とを備え、
前記出射光線用プリズム柱体は、前記光出射面に対面する位置に配置された入射面と、この入射面に対して所定角度に形成され、試料を設置するための試料設置面と、この試料設置面からの反射光路上に形成された光反射面と、この光反射面からの反射光を出射させる前記出射面とを有し、
前記光源から前記光入射面を透過して前記第1プリズム柱体に入射する入射光線が、前記ビームスプリッタで第1の光線と、第2の光線とに分割され、
前記第1の光線が、前記第2平面と前記屈折率整合手段と前記第5平面とを透過して第3プリズム柱体に入り、前記第6平面と前記第8平面とを透過して前記第1コーナーキューブに入り、前記第1光線反射部で反射され、当該第1の光線と平行で逆向きの光線となって、前記第8平面と前記第6平面とを透過して前記第3プリズム柱体に入り、前記第5平面と前記屈折率整合手段と前記第4平面とを透過して前記第2プリズム柱体に入り、前記第2鏡面垂直反射面で反射され、前記ビームスプリッタから前記第2鏡面垂直反射面まで進んで来た光路を再び戻って前記ビームスプリッタへ向かい、
前記第2の光線が、前記ビームスプリッタから第4平面と前記屈折率整合手段と前記第5平面とを透過して前記第3プリズム柱体に入り、前記第7平面と前記第9平面とを透過して前記第2コーナーキューブに入り、前記第2光線反射部で反射され、当該第2の光線と平行で逆向きの光線となって、前記第9平面と前記第7平面とを透過して前記第3プリズム柱体に入り、前記第5平面と前記屈折率整合手段と前記第2平面とを透過して前記第1プリズム柱体に入り、前記第1鏡面垂直反射面で反射され、前記ビームスプリッタから前記第1鏡面垂直反射面まで進んで来た光路を再び戻って前記ビームスプリッタへ向かい、
前記ビームスプリッタに戻ってきた前記第1の光線および前記第2の光線が合わされて干渉し、平行光線として前記光出射面を透過して前記試料測定機構へ出射すると共に、前記試料設置面に設置した試料からの反射光を出力する光路が構成され、
前記第1プリズム柱体および前記第2プリズム柱体と、前記第3プリズム柱体および前記第1コーナーキューブおよび前記第2コーナーキューブとが、前記第2平面および前記第4平面と、前記第5平面とに沿って、相対的に移動自在であることを特徴とする画像分光測定装置。 - 走査干渉機構と、この走査干渉機構に隣接して設けた試料測定機構とを備える画像分光測定装置であって、
前記走査干渉機構は、光線を反射光と透過光に分割するビームスプリッタを介して設けた第1および第2プリズム柱体と、この第1および第2プリズム柱体に、屈折率を整合する屈折率整合手段を介して設けた第3プリズム柱体と、この第3プリズム柱体に設けた第1および第2コーナーキューブと、を備え、
前記第1プリズム柱体は、光源からの平行光が入射される光入射面と、この光入射面と同一平面で異なる位置に設けた第1鏡面垂直反射面と、前記ビームスプリッタに隣接し、前記光入射面から入射した光線の光路上に配置される第1平面と、前記ビームスプリッタから反射される光線の光路上に配置される第2平面とを有し、
前記第2プリズム柱体は、前記第1平面に沿って前記ビームスプリッタに対面する位置に配置される第3平面と、前記ビームスプリッタを透過する光線の光路上で、かつ、前記第2平面の延長上に配置される第4平面と、前記試料測定機構を設置する位置に配置される光出射面と、この光出射面と同一平面上で異なる位置に設けられた第2鏡面垂直反射面とを有し、
前記第3プリズム柱体は、前記第1プリズム柱体の前記第2平面および前記第2プリズム柱体の前記第4平面と対面する位置に配置される第5平面と、前記第1平面から前記第2平面および前記第5平面を介して送られて来る光線の光路上に配置された第6平面と、前記第3平面から前記第4平面および前記第5平面を介して送られて来る光線の光路上に配置された第7平面とを有し、
前記第1コーナーキューブは、前記第6平面に沿って対面する位置に配置される第8平面と、この第8平面から入射して来た光線を、平行かつ反対方向に進行する光線に変換する、三つの相互に垂直な平面で構成された第1光線反射部と、周側面とを有し、
前記第2コーナーキューブは、前記第7平面に沿って対面する位置に配置される第9平面と、この第9平面から入射して来た光線を、平行かつ反対方向に進行する光線に変換する、三つの相互に垂直な平面で構成された第2光線反射部と、周側面とを有し、
前記屈折率整合手段は、前記第2平面および前記第4平面と、前記第5平面との間に介在し、
前記試料測定機構は、前記光出射面に設けた出射光線用プリズム柱体と、この出射光線用プリズム柱体の一辺に設けられ、設置される試料からの反射光を透過する試料設置面と、この試料設置面に設定した試料からの反射光を反射するために前記出射光線用プリズム柱体に設けられた光反射手段と、この光反射手段からの光線の反射光路上で前記出射光線用プリズム柱体に隣接して配置された投影レンズと、この投影レンズの光線の光路に配置された多チャンネル検出器とを備え、
前記光源から前記光入射面を透過して前記第1プリズム柱体に入射する入射光線が、前記ビームスプリッタで第1の光線と、第2の光線とに分割され、
前記第1の光線が、前記第2平面と前記屈折率整合手段と前記第5平面とを透過して第3プリズム柱体に入り、前記第6平面と前記第8平面とを透過して前記第1コーナーキューブに入り、前記第1光線反射部で反射され、当該第1の光線と平行で逆向きの光線となって、前記第8平面と前記第6平面とを透過して前記第3プリズム柱体に入り、前記第5平面と前記屈折率整合手段と前記第4平面とを透過して前記第2プリズム柱体に入り、前記第2鏡面垂直反射面で反射され、前記ビームスプリッタから前記第2鏡面垂直反射面まで進んで来た光路を再び戻って前記ビームスプリッタへ向かい、
前記第2の光線が、前記ビームスプリッタから第4平面と前記屈折率整合手段と前記第5平面とを透過して前記第3プリズム柱体に入り、前記第7平面と前記第9平面とを透過して前記第2コーナーキューブに入り、前記第2光線反射部で反射され、当該第2の光線と平行で逆向きの光線となって、前記第9平面と前記第7平面とを透過して前記第3プリズム柱体に入り、前記第5平面と前記屈折率整合手段と前記第2平面とを透過して前記第1プリズム柱体に入り、前記第1鏡面垂直反射面で反射され、前記ビームスプリッタから前記第1鏡面垂直反射面まで進んで来た光路を再び戻って前記ビームスプリッタへ向かい、
前記ビームスプリッタに戻ってきた前記第1の光線および前記第2の光線が合わされて干渉し、平行光線として前記光出射面を透過して前記試料測定機構へ出射すると共に、前記試料設置面に設置した試料からの反射光を前記光反射手段を介して出力する光路が構成され、
前記第1プリズム柱体および前記第2プリズム柱体と、前記第3プリズム柱体および前記第1コーナーキューブおよび前記第2コーナーキューブとが、前記第2平面および前記第4平面と、前記第5平面とに沿って、相対的に移動自在であることを特徴とする画像分光測定装置。 - 前記試料設置面は、前記光出射面からの出射光線に対して全反射する角度で形成されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像分光測定装置。
- 前記試料設置面は、表面プラズモン共鳴用薄膜が設けられたことを特徴とする請求項4に記載の画像分光測定装置。
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JP2001278464A JP3711535B2 (ja) | 2001-09-13 | 2001-09-13 | 画像分光測定装置 |
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