JP4833235B2 - ケーシング詰め畜肉加工食品の着色方法及び着色されたケーシング詰め畜肉加工食品の製造方法 - Google Patents

ケーシング詰め畜肉加工食品の着色方法及び着色されたケーシング詰め畜肉加工食品の製造方法 Download PDF

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本発明はソーセージやハム等のケーシング詰め畜肉加工食品の着色方法、及び着色された畜肉加工食品の製造方法に関する。詳細には天然色素を用いつつも鮮やかに赤色系の色調に着色可能であり、色流れや経時的な色調変化が抑制された畜肉加工食品の着色方法、及び鮮やかな赤色系の色調に着色されたケーシング詰め畜肉加工食品の製造方法に関する。
ソーセージやハム等のケーシング詰め畜肉加工食品の経時的色調変化の防止や色調の向上を目的として、従来より赤色系の着色料が用いられてきた。これら着色料による畜肉加工食品の着色方法としては、主に着色料を原材料に練り込み畜肉加工食品自体を着色する方法、畜肉加工食品を充填するケーシングとして着色されたケーシングを用いる方法、及びケーシング詰め畜肉加工食品を着色料溶液に浸漬することによって畜肉加工食品の表面を着色する方法(外染)等が挙げられ、ソーセージやハム等の着色用途や使用形態に応じて各種着色方法が用いられる。
畜肉加工食品表面を赤色系に着色する際に使用される着色料としては、赤色3号及びアナトー色素の組み合わせが用いられてきたが、赤色3号のタール系色素は天然色素に比して着色性や安定性に優れるものの、合成着色料として消費者に敬遠されやすく、天然色素を用いた畜肉加工食品の着色方法が求められていた。アナトー色素は着色性に優れ、ケーシング詰め畜肉加工食品の外染に用いる着色料として優れているが単独では畜肉加工食品特有の赤色系の色調を出すことが困難であり、赤色系の着色料の併用が必須となっていた。しかし、赤色系の色調を有するベニコウジ色素やクチナシ赤色素を併用した場合は、耐光性が悪く経時的に色調が変化する、色調が暗く、畜肉加工食品に求められる鮮やかな赤色を呈しないなど、天然色素のみを用いて畜肉加工食品を鮮やかな赤色系の色調に着色することは困難であった。
畜肉加工食品の着色方法の従来技術として、天然または天然系再生ケーシング素材を、pH7.5以上のアナトー色素水溶液に浸漬して黄色に着色したものをpH7.0以下のコチニールおよび/またはラック色素と発色調整剤とからなる水系に浸漬して赤色に着色することを特徴とするハム・ソーセージ類用ケーシングの橙赤ないし赤橙色着色法(特許文献1)、コチニール色素製剤を用いて、ソーセージなどの畜肉水産練り製品を着色する方法(特許文献2〜4)が開示されている。
しかし、特許文献1に記載の方法を用いてソーセージ類を着色する場合は、色流れが生じる、色調が暗いといった不具合があった。また、特許文献2〜4に開示されている方法はコチニール色素製剤を原材料に練り込み畜肉加工食品自体を着色する技術であり、ケーシング詰め畜肉加工食品の表面を着色する技術について一切記載されていない。コチニール色素(カルミン酸)は、コチニール色素のアルミニウムレーキ、またはカルシウム アルミニウムレーキであるカルミンとは異なり、畜肉加工食品の原材料自体に練り込むことによって畜肉加工食品全体を均一に着色することは可能であるものの、コチニール色素含有溶液に畜肉加工食品を浸漬した場合であっても、畜肉加工食品の表面を着色することはできなかった。更に、カルミン酸を含有したコチニール色素は畜肉加工食品中に含まれるタンパク質と反応し紫変する、pHによる色調変化があり色調の安定化が困難である等使い勝手が悪いものであった。
一方、カルミンに関する技術として、固体状態のカルミンで畜肉加工品等の食品を着色する方法(特許文献5)、特定のペクチンによって部分的に被膜されている着色物質塊を含む組成物がソーセージ製品用のケーシングとして用いられるコラーゲンフィルムの着色に利用可能であって、着色物質の一例としてコチニールカルミンが用いられることが開示されている(特許文献6)。しかし、開示されている技術は固体状のカルミンを用いて食品を着色すること、及び人工ケーシングの製造時に固体状のカルミンをケーシング原料に添加混合後、押し出すことによって人工ケーシング製品を製造できることが開示されているに過ぎず、羊腸や豚腸といった天然腸や製造後の人工ケーシングを着色する方法、及びかかる天然腸や人工ケーシングによって既にケーシング詰めされた畜肉加工食品自体の表面を着色する方法(外染)について一切記載されていない。
特開昭60−186245号公報 特開2005−328710号公報 特開2006−109722号公報 特開2007−104930号公報 特開2004−208595号公報 特表2003−500035号公報
本発明は、合成着色料を用いることなく天然色素を用いて鮮やかな赤色系の色調に畜肉加工食品を着色することを目的とする。詳細には、簡便な製造工程でケーシング詰め畜肉加工食品の表面を鮮やかな赤色系の色調に着色することが可能であり、更に着色性及び色流れが抑制されたケーシング詰め畜肉加工食品の着色方法、及び鮮やかな赤色系の色調に着色されたケーシング詰め畜肉加工食品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねていたところ、天然色素であるカルミン及びアナトー色素を含有するアルカリ溶液にケーシング詰め畜肉加工食品を接触処理後、酸性水溶液で処理することにより、鮮やかな赤色系の色調に畜肉加工食品を着色でき、色流れもなく経時安定性に優れた畜肉加工食品を製造できることを見出して本発明を完成した。
本発明は、以下の態様を有するケーシング詰め畜肉加工食品の着色方法に関する;
項1.ケーシング詰め畜肉加工食品を、カルミン及びアナトー色素を含有するアルカリ水溶液と接触処理後、酸性水溶液で処理することを特徴とする、ケーシング詰め畜肉加工食品の着色方法。
項2.項1に記載の方法によって着色されてなるケーシング詰め畜肉加工食品。
更に、本発明は以下の態様を有する着色されたケーシング詰め畜肉加工食品の製造方法に関する;
項3.ケーシング詰め畜肉加工食品を、カルミン及びアナトー色素を含有するアルカリ水溶液と接触処理後、酸性水溶液で処理することを特徴とする、着色されたケーシング詰め畜肉加工食品の製造方法。
天然色素を用いて鮮やかな赤色系の色調にケーシング詰め畜肉加工食品を着色することが可能である。更には、色流れもなく経時安定性に優れた畜肉加工食品を提供できる。
本発明は、ケーシング詰め畜肉加工食品をカルミン及びアナトー色素を含有するアルカリ溶液と接触処理後、酸性水溶液で処理することを特徴とすることを特徴とする、畜肉加工食品の着色方法に関する。本発明で用いるカルミンは、カイガラムシ科エンジムシ(Coccus cacti LINNE(Dactylopius coccus COSTA))の乾燥体を基原とし、温時〜熱時水で、または温時含水エタノールで抽出して得られるカルミン酸のアルミニウムレーキ、またはカルシウムアルミニウムレーキである。かかるカルミンは市販されているものを使用することができ、好ましくは本願出願人が国際公開02/22743号パンフレットに開示している方法により得られるカルミンである。かかるカルミンは商業的に入手可能であり、例えば三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製の「カルミン サンエイ[商標]」が挙げられる。通常、カルミンを用いて食品を着色する際は、粉末状のカルミンを食品へ添加混合することにより用いられるが、本発明ではカルミンを含有するアルカリ水溶液を用いて食品を着色することを特徴とする。
アルカリ水溶液中のカルミンの添加量は、着色対象であるケーシング詰め畜肉加工食品の種類や希望される色調、カルミン含有水溶液及び畜肉加工食品の接触処理方法や接触時間によっても適宜調節することが可能であり特に制限されないが、添加量の具体例として以下の添加量を例示することができる。カルミン含量50%とした場合の添加量が0.05〜0.7質量%、好ましくは0.1〜0.55質量%である。
本発明では、上記カルミンに加え、更にアナトー色素を併用することを特徴とする。アナトー色素を併用することにより要求に応じた赤色〜赤橙色の様々な色調にケーシング詰め畜肉加工食品を染色することが可能である。本発明で使用するアナトー色素は、ベニノキ科ベニノキ(Bixa orellana LINNE)の種子の被覆物より得られる色素であり、例えば、油脂若しくはプロピレングリコールにより熱時抽出する方法、へキサン、若しくはアセトンによる室温時抽出後、溶媒を除去する方法、またはアルカリ性水溶液で熱時抽出し、加水分解し、中和する方法などにより得られたものである。アナトー色素は主としてビキシン及び/又はノルビキシンからなる。かかるアナトー色素は商業的に入手可能であり、たとえば三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製の「粉末 サンアナト[商標]NO.4132」が挙げられる。アナトー色素の添加量として、ノルビキシン含量50%とした場合の添加量がカルミン100質量部に対し10〜70質量部、好ましくは20〜60質量部を好適な例として挙げることができる。
上記カルミン及びアナトー色素を含有するアルカリ水溶液(以下、「本発明のアルカリ水溶液」ともいう)は、カルミンが溶解するpHを有する溶液であればよく、例えばpH11.5〜12.5、好ましくはpH11.5〜12.0に調整されたアルカリ水溶液を用いることが好ましい。かかるアルカリ水溶液は、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属塩の水酸化物または水酸化マグネシウムや水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属塩の水酸化物;炭酸ナトリウムや炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩または炭酸マグネシウムや炭酸カルシウムなどのアルカリ土類金属の炭酸塩;炭酸水素ナトリウムや炭酸水素カリウム等のアルカリ金属の炭酸水素塩;リン酸三ナトリウムまたはリン酸三カリウム等のアルカリ金属のリン酸塩;リン酸水素二ナトリウムまたはリン酸水素二カリウム等のアルカリ金属のリン酸水素塩;ピロリン酸ナトリウムまたはピロリン酸カリウム等のアルカリ金属のピロリン酸塩;アンモニア、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、リン酸三アンモニウム、またはリン酸水素二アンモニウム等のアンモニア塩等の無機塩;またはクエン酸ナトリウムやクエン酸カリウムなどのクエン酸のアルカリ金属塩等の有機塩を用いて調製することができる。好ましくは各種リン酸塩を併用し、緩衝させることが好ましい。
本発明のカルミン及びアナトー色素を含有するアルカリ水溶液の着色対象であるケーシング詰め畜肉加工食品は、ケーシングに充填された畜肉加工食品であって、例えばケーシングに充填されたボンレスハム、ロースハム、ショルダーハム等のハム類やプレスハム;ウインナーソーセージ、フランクフルトソーセージ、ボロニアソーセージ等のソーセージ類;畜肉を主原料に、魚肉を加えソーセージやプレスハム風に製造される混合ソーセージ、混合プレスハム;テリーヌ、ローストビーフ、焼き豚といったケーシングに充填された畜肉加工食品を例示することができる。
本発明で用いるケーシングとしては、豚、羊、牛、馬などの動物の消化管(食道、小腸、結腸、直腸)や泌尿器管(膀胱)を材料とした天然ケーシング、コラーゲン等を素材として人工的に作成された可食性の人工ケーシング、及び塩化ビニリデン樹脂フィルムやセルロース等から作成された非可食性の人工ケーシングがあり、好ましくは天然ケーシングもしくは可食性の人工ケーシング、更に好ましくは天然ケーシングを使用することができる。
本発明では上記ケーシング詰め畜肉加工食品を、本発明のアルカリ水溶液と接触処理することを特徴とする。当該接触処理としてはアルカリ水溶液中にケーシング詰め畜肉加工食品を浸漬する浸漬処理や、アルカリ水溶液をケーシング詰め畜肉加工食品に噴霧する噴霧処理等が挙げられ、好ましくは浸漬処理である。
浸漬処理時の条件(温度、時間、本発明のアルカリ水溶液の溶液濃度等)は、特に限定されず種々の条件を用いることができる。例えば、低濃度の本発明のアルカリ水溶液を用いて長時間処理してもよく、高濃度の本発明のアルカリ水溶液を用いて短時間処理してもよく、また低温で長時間処理しても、高温で短時間処理してもよく、求められる色調や着色濃度に応じて適宜選択することが可能である。具体的には、アルカリ水溶液のカルミンやアナトー色素の濃度などを考慮し、処理時間としては通常30〜85℃、好ましくは50〜75℃の範囲で1〜10分、好ましくは2〜5分の浸漬条件を挙げることができる。
本発明では上記アルカリ水溶液と接触処理されたケーシング詰め畜肉加工食品を、次いで酸性水溶液で処理することにより、カルミンをケーシング詰め畜肉加工食品の表面に安定に固形化することができ、ケーシング内部や外部への色流れや色移り、更に保存時や調理時の色落ちを防止することが可能となる。かかる方法を用いて着色された畜肉加工食品は、従来の畜肉加工食品の原材料に色素を添加・混合して畜肉加工食品全体が均一に着色された畜肉加工食品とは異なり、表面部分のみが鮮やかな赤色系の色調に着色されたケーシング詰め畜肉加工食品となる。
酸性水溶液のpHは2〜5、好ましくはpH2〜3の範囲の水溶液を好適に使用することができ、用いられる酸性水溶液は、フマル酸、ソルビン酸、乳酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸等の有機酸もしくはこれらの塩、または酸性ピロリン酸カリウムやリン酸、塩酸、硫酸等の無機酸もしくはこれらの塩を含有する水溶液を例示することができ、好ましくはリン酸、フマル酸、クエン酸から選ばれる1種以上を用いることができる。かかる酸若しくはこれらの塩は、通常0.2〜1.0質量%、好ましくは0.3〜0.7質量%の範囲で用いることができる。
酸性水溶液による処理方法は、本発明のアルカリ水溶液に浸漬後のケーシング詰め畜肉加工食品を酸性水溶液で洗浄する、酸性水溶液を噴霧する、又は酸性水溶液に浸漬することにより処理することができ、好ましくは浸漬処理が用いられる。酸性水溶液による処理条件は、少なくとも色止め効果または着色安定効果が得られる効果であれば、特に限定されず各種条件を適宜選択することができる。具体的には、処理時間としては通常30〜85℃、好ましくは50〜75℃の範囲で1〜10分、好ましくは2〜5分の浸漬条件を挙げることができる。
本発明の着色方法ではケーシングに充填後、畜肉加工食品を本発明のアルカリ水溶液と接触処理後、酸性水溶液で処理することを特徴とするが、それ以外は常法に従って畜肉加工食品を製造することにより、鮮やかな赤色系の色調に着色されたケーシング詰め畜肉加工食品を提供することができる。例えばソーセージであれば、原料となる畜肉のミンチを若しくはすり身をケーシングに充填後、一次調理としてスチーム加熱したものを直ちに又は冷却後、本発明のアルカリ水溶液と接触処理し、次いで酸性水溶液で処理してもよく、ケーシングに充填後、本発明のアルカリ水溶液と接触処理後、酸性水溶液で処理した畜肉加工食品をスチーム加熱してもよい。また、スチーム処理を行わない場合はケーシングに畜肉のミンチ若しくはすりみを充填後、ケーシング詰めされた畜肉加工食品を本発明のアルカリ水溶液と接触処理後、酸性水溶液で処理することができる。また、畜肉加工食品に使用されるケーシングを予め本発明のアルカリ水溶液と接触処理し、次いで酸性水溶液で処理し、かかるケーシングに原料となる畜肉のミンチやすり身を充填することによっても鮮やかな赤色系の色調に着色されたケーシング詰め畜肉加工食品を提供することができる。
そして、上述の着色方法を用いることにより、天然色素を用いているにも関わらず、表面が鮮やかな赤色系の色調に着色され、更に色流れや経時的な色調変化が抑制された畜肉加工食品を提供することができる。同時に、本発明はケーシング詰め畜肉加工食品を、カルミン及びアナトー色素を含有するアルカリ水溶液と接触処理後、酸性水溶液で処理することを特徴とする、着色されたケーシング詰め畜肉加工食品の製造方法を提供するものである。かかる着色されたケーシング詰め畜肉加工食品は前述の方法を用いて製造することができる。なお、例えばカルミン含有水溶液が酸性もしくは中性である、又はケーシング詰め畜肉加工食品をアルカリ水溶液と接触処理後、酸性水溶液で処理しなかった場合は、ケーシング詰め畜肉加工食品が赤色系の色調を有さない、赤色または紫赤色斑点が生じる、または色流れが生じてしまうなど目的とする赤色系のケーシング詰め畜肉加工食品を提供することができない。
本発明で用いるアルカリ水溶液、及び酸性水溶液には、本発明に影響を与えない範囲において、他の色素や各種酸化防止剤等を添加することが可能である。
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。また、特に記載のない限り「部」とは、「質量部」、「%」は「質量%」を意味するものとする。文中「*」印のものは、三栄源エフ・アイ株式会社製、文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを示す。
実施例1 ウインナーソーセージの着色
下記表1〜4の処方、及び以下に示す製法に従って赤色系の色調に着色されたウインナーソーセージを調製した。
(1)ウインナーソーセージの調製
表1の処方に従ってウインナーソーセージを調製した。詳細には、表1に示す原材料をサイレントカッターで最終肉温14℃になるまで練り上げ、練り上げたものを羊腸ケーシングに充填し、加熱(乾燥50℃ 30分・スチーム 中心 70℃)した。染色の下準備として、調製されたウインナーソーセージ(5個:約10g/個)を65℃のお湯に浸し、2分間予備加熱した。
Figure 0004833235
注1)サンライク※ アミノベース NAG*を使用した。
注2)サンライク※ スパイスミックス SW−1*を使用した。
(2)外染液及び浸漬液の調製
表2〜表4の処方に従って実施例1〜2及び比較例1〜6の外染液及び浸漬液を各々調製した。なお、紅麹色素、クチナシ赤色素及び食用赤色3号は、カルミン(実施例1及び2)と同等の着色濃度となるように添加量を調整した。なお、アナトー色素及びカルミンの添加量は各々ノルビキシン含量及びカルミン含量を50%とした場合の添加量である。
Figure 0004833235
注3)カルミン サンエイ※*を使用した。
Figure 0004833235
Figure 0004833235
(3)ウインナーソーセージの着色
上記製法によって調製された外染液及び浸漬液を用いてウインナーソーセージを着色した。詳細には、(1)で調製された加熱後のウインナーソーセージを65℃に保温した外染液200部に2分間浸漬後、外染液から取り出し、引き続き浸漬液200部を用いて2分間浸漬処理を行った。浸漬液から取り出されたウインナーソーセージを水にて冷却し、赤色系に着色されたウインナーソーセージを調製した。なお、外染液及び浸漬液にウインナーソーセージを浸す際は、十分に液を除き、pHの変動が生じないようにして着色されたウインナーソーセージを調製した(実施例1、2及び比較例1〜6)。
各々調製したウインナーソーセージにつき、色調及び耐光性、色流れについて評価を行った。結果を表5に示す。評価は、色調は着色したウインナーソーセージを肉眼で観察した。色流れは、浸漬液から取り出し、水で冷却する際の水の流出度によって確認した。耐光性は6,000Luxで7日間蛍光灯照射した試料を未照射の試料と比較し肉眼にて残存率を測定した。耐熱性は水にウインナーソーセージを加えた後、60℃まで加熱した試料を未照射の試料と比較し肉眼にて残存率を測定した。
Figure 0004833235
表5より、カルミン単独及びアナトー色素単独で着色した場合は、色調が暗紫色や黄土色となり鮮やかな赤系の色調にウインナーソーセージを着色することができず(比較例1、2)、更にアナトー色素単独でウインナーソーセージを着色した際は、耐光性に劣っていた(比較例2)。同様にしてアナトー色素と併用して紅麹色素やクチナシ赤色素を用いた場合も(比較例3、4)、耐光性が低く、更に目的とする鮮やかな赤系の色調に着色することができなかった。従来、天然色素に比較して耐光性や耐熱性が高いことが知られている食用色素3号をアナトー色素と併用した場合も、紅橙色にウインナーソーセージを着色することができたものの、その耐光性は著しく低く、商品価値を下げるものであった(比較例5)。カルミンに代わりカルミン酸(コチニール色素)をアナトー色素と併用した場合も、耐光性が劣る上にウインナーソーセージからの色素の色流れが多く、安定してウインナーソーセージを着色することができなかった(比較例6)。
一方、カルミン及びアナトー色素を併用することにより(実施例1及び2)、単独使用では暗い色調を有していたものの、鮮やかな紅橙色にウインナーソーセージを着色することができ、その色調は合成色素である食用赤色3号とアナトー色素を用いて着色した際の色調と遜色ない鮮やかな色を有していた。更に、天然色素を用いているにも関わらず色流れもなく、その耐熱性及び耐光性は高く、非常に優れた安定性を有する紅橙色のウインナーソーセージを調製できた。
天然色素を用いつつも鮮やかに赤色系の色調に着色され、色流れや経時的な色調変化が抑制されたケーシング詰め畜肉加工食品を提供できる。

Claims (3)

  1. ケーシング詰め畜肉加工食品を、カルミン及びアナトー色素を含有するアルカリ水溶液と接触処理後、酸性水溶液で処理することを特徴とする、ケーシング詰め畜肉加工食品の着色方法。
  2. 請求項1に記載の方法によって着色されてなるケーシング詰め畜肉加工食品。
  3. ケーシング詰め畜肉加工食品を、カルミン及びアナトー色素を含有するアルカリ水溶液と接触処理後、酸性水溶液で処理することを特徴とする、着色されたケーシング詰め畜肉加工食品の製造方法。
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