JP4832569B2 - エネルギーガイドチェーン - Google Patents

Description

本発明は、主請求項の前段に記載のエネルギーガイドチェーンに関する。

この種のエネルギーガイドチェーンは例えば、独国特許出願公開第１９７１５５３１号公報、国際公開第９９／５７４５７号パンフレット、または独国特許出願公開第１９９１９０７６号から公知である。
これらは関節状に回転可能に連結されたサイドストラップの対向する列を有し、その間に、チェーンリンクの内側に接するようにサイドストラップと一体にクロスメンバーが設けられている。
隣接するそれぞれのサイドストラップは共通の枢軸領域で互いに重複している。
サイドストラップは例えば、平坦な内部ストラップおよび外部ストラップとして設計されることができ、内部ストラップの重複領域はチェーンリンクの内部向きに面している。外部ストラップの重複領域はチェーンリンクの内部とは逆方向に面している。
サイドストラップはさらに１つの内向きの重複領域と１つの外向きの重複領域とを有することができ、これらの領域は直角屈曲体によって連結されている。
公知のエネルギーガイドチェーンでは、枢軸はストラップの上下端面の中央に位置している。

動作時に移動する際、エネルギーガイドチェーンは、下段に位置する下段リンク列と、その上段に位置する上段リンク列と、これら各リンク列を連結する推移領域からなるループを形成する。
この場合、エネルギーガイドチェーンはほぼ例外なく伸張され、またはループの内側で凹むように湾曲される。
したがって、隣接するサイドストラップ間の関節連結部は、元来、伸張した状態から１方向に、すなわち凹状湾曲に対応して枢動可能でなければならない。

サイドストラップの少なくとも幾つかに、上段リンク列と下段リンク列の摺動を促進し、ひいてはエネルギーガイドチェーンを横移動する際の摩擦を軽減するローラを備えることは、国際公開第９９／５７４５７号パンフレットから知られている。
この場合、ループの内側に面するサイドストラップの端面はローラの走行面としての役割を果たす。
ローラが走行面上を連続的に転動することができるように、これらの走行面も重複領域内の完全なストラップ列の幅を有していることが必要なことがある。
この場合、走行面はサイドストラップの相互の枢動を妨げるので短縮されなければならず、その結果、特にストラップの伸張時には空隙が生じ、この空隙により不安定な走行とノイズの発生が誘発される。
独国特許出願公開第１９７１５５３１号 国際公開第９９／５７４５７号パンフレット 独国特許出願公開第１９９１９０７６号

本発明の目的は、上下に重なるチェーンリンク列の対向するストラップ端面をできるだけ連続する表面として設計可能なエネルギーガイドチェーンを提供することにある。

この目的を達成するために、本発明は、
平行に配された一対のサイドストラップをクロスメンバーによって連結して成るチェー ンリンクが一連に連結され、
各サイドストラップは、隣接するチェーンリンクのサイドストラップに対し共通の枢軸 を支点として互いに枢動可能に形成され、
前記一連のチェーンリンクが途中で折り返されて、上段に位置する上段リンク列が、下 段に位置する下段リンク列の上に重なった状態で、その長手方向に走行可能に配されたエ ネルギーガイドチェーンにおいて、
前記サイドストラップは、上段及び下段リンク列を重ねたときに対向する内側端面が走 行面に形成されると共に、前記走行面はリンク列を伸張した状態で連続的に形成され、
当該走行面を構成する前記平滑面から前記枢軸に至る距離が、上段及び下段リンク列を 重ねたときに前記サイドストラップの外側となる端面から枢軸までの距離より小さく選定 されたことを特徴とする。

枢軸が、走行面と、サイドストラップの対向する端面との間の中央に位置しておらず、走行面の方向に偏心的に偏っていれば、連続的な走行面を形成した場合でも枢動を妨げないことが判明した。
この偏りの範囲は、一般にサイドストラップ上のストッパによりいずれにせよ制限される、達成されるべき最大枢動角度によって決定される。
ここで「連続的」とは、１つのサイドストラップから次のサイドストラップへの移行部分での走行面内の空隙が不可避の遊びに限定されることを意味する。

本発明による実施形態では、サイドストラップの少なくとも幾つかの走行面に、対向する リンク列の走行面上を転動可能なローラを設ける場合が特に有利である。
連続的な走行面によって、エネルギー損がほとんどない転動を可能にし、僅かなノイズしか発生しない。
これに対して、枢軸を中央に位置させた場合には、必要な空隙が大きくなり、ローラがガタついて大きなノイズが発生する。

しかし、本発明の適用範囲はローラの設計に限定されない。
ローラがなくても、ループの内側の連続的な端面は、特に、例えば公知の態様で制振部材または摺動部材が備えられていれば上段リンク列が下段リンク列上を摺動するために有利であることは自明である。

特に好ましい実施形態では、一対のサイドストラップの枢軸と一致する回転軸を有するローラを設けている。それによって、サイドストラップの特に短く簡単な設計が可能になる。

次に添付図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
図１は先行技術によるサイドストラップの概略図、図２は本発明によるエネルギーガイドチェーンのストラップ列の４つのストラップ部分を示す側面図および上面図、図３は伸張状態と湾曲状態にある同じストラップ部分の斜視図、図４は伸張状態と湾曲状態にある同じストラップ部分の側面図である。

図１では、サイドストラップ１はピボットピン３と、ピン挿入孔２とを有している。
さらに別のサイドストラップに連結する場合は、ピン３が挿入孔２内に挿入され、サイドストラップは、図面に対して垂直に延びる枢軸Ｓを支点に枢動可能である。
枢動角はストッパ４によって制限される。
ストラップは軸Ａに対して対称であり、すなわち枢軸Ｓはストラップの端面５と６との間の中央に位置している。

図２は、４つのサイドストラップを有し、伸張構成にある本発明によるエネルギーガイドチェーンの下段リンク列のストラップ列の一部の側面図（ａ）および平面図（ｂ）を示している。
この構成では、サイドストラップ９の上部端面（内側端面）１０が、好ましくは長さ全体にわたって一定の幅を有する連続的な走行面１１を形成している。
ストラップ間の空隙１４は機能上で可能な限り狭くすることができ、例えば１〜５ｍｍである。
枢軸Ｓは空隙に位置するピボットピンによって画定される。
枢軸と走行面１１との距離ａは下部端面（外側端面）１２との距離ｂよりも短い。
ピン１３はクロス部材を連結する役割を果たす。
サイドストラップの１つには、走行面からやや突出し、対向するリンク列の走行面上を転動可能なローラ１５が取付けられている。

図３および図４は、伸張状態（ａ）および湾曲状態（ｂ）にある同じリンク列のサイドストラップ部分を示す斜視図および側面図を示している。
この場合も連続的な走行面１１が示され、湾曲している場合でも僅かな空隙しか形成していない。

以上述べたように、本発明は、ホース、ケーブルなどをガイドするエネルギーガイドチェーンの用途に適用しうる。

先行技術によるサイドストラップの概略図。 本発明によるエネルギーガイドチェーンのストラップ列の４つのストラップ部分を示す側面図および上面図。 伸張状態と湾曲状態にある同じストラップ部分の斜視図。 伸張状態と湾曲状態にある同じストラップ部分の側面図。

１ サイドストラップ
２ ピンレセプタクル
３ ピボットピン
４ ストッパ
５ 端面
６ 端面
９ サイドストラップ
１０ 端面
１１ 走行面
１２ 端面
１３ クロス部材用ピン
１４ 空隙
１５ ローラ
Ａ 対称軸
Ｓ 枢軸

Claims (3)

1. 平行に配された一対のサイドストラップ間にクロスメンバーが取り付けられて成るチェーンリンクが一連に連結され、
   各サイドストラップは、隣接するチェーンリンクのサイドストラップに対し共通の枢軸を支点として互いに枢動可能に形成され、
   前記一連のチェーンリンクが途中で折り返されて、上段に位置する上段リンク列が、下段に位置する下段リンク列の上に重なった状態で、その長手方向に走行可能に配されたエネルギーガイドチェーンにおいて、
   前記サイドストラップは、上段及び下段リンク列を重ねたときに対向する内側端面が連続的な走行面に形成され、
   当該走行面から前記枢軸に至る距離が、上段及び下段リンク列を重ねたときに前記サイドストラップの外側となる端面から枢軸までの距離より小さく選定されたことを特徴とするエネルギーガイドチェーン。
2. 前記チェーンリンクの走行面に、当該走行面と対向するリンク列の走行面上を転動可能なローラが設けられた請求項１記載のエネルギーガイドチェーン。
3. 前記各ローラの回転軸が一対のサイドストラップの枢軸と一致する請求項２に記載のエネルギーガイドチェーン。

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