JP4831821B2 - ベルトテンショナ及びベルトテンショナの製造方法 - Google Patents

ベルトテンショナ及びベルトテンショナの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両のエンジンに支持された複数の回転軸間で回転を伝達するベルトの張力を調整するために設けられるベルトテンショナ及びその製造方法に関する。
一般的に車両のエンジンでは、出力軸(クランクシャフト)と補機の回転軸等の間で回転を伝達するために、各回転軸にプーリが取付けられ、それらのプーリにベルトが巻き掛けられている。また、エンジンには、ベルトの張力を調整するためのベルトテンショナが設けられている。前記ベルトテンショナは、エンジンに固定された軸に回動可能に支持されたテンショナ本体を備え、該テンショナ本体は付勢機構によって、ベルトを緊張させる方向へ付勢されている。また、前記テンショナ本体は、前記軸に対して偏心した状態で回動可能に支持されている。
そして、ベルトを交換する際や取り付ける際には、前記ベルトテンショナによるベルトの張力を緩める必要があり、前記テンショナ本体は前記付勢機構の付勢方向とは逆方向へ揺動されるようになっている。特許文献1には、テンショナ本体に形成された治具掛止孔に治具を掛止し、該治具を回転操作することによりテンショナ本体を揺動させる技術が開示されている。また、特許文献2には、テンショナ本体に形成された六角孔に調整工具を嵌め込み、該調整工具を回転操作することによりテンショナ本体の揺動させる技術が開示されている。
実開平5−42800号公報 特開平4−228958号公報
ところで、上記治具又は調整工具を用いる場合には、その治具又は調整工具の操作スペースがエンジンルーム内に存在している必要がある。しかし、ベルトテンショナは、複数のプーリの間に挟まれ、複数の補機に取り囲まれた状態でエンジンに取り付けられている。また、車両の仕様毎にエンジンルームの形状、補機の配置等が異なる。このため、車両によっては、例えば補機が障害となって治具又は調整工具の操作スペースを確保することが不可能となり、この場合にはその車両のみに適合された特殊工具を用いなければベルトの張力を緩める作業が行えなかった。
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ボスに装着した操作治具を回転操作に適した位置に配置することができ、特殊工具を必要とすることなくベルトの張力を緩める作業を行うことができるベルトテンショナ及びその製造方法を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両のエンジンに支持された複数の回転軸間で回転を伝達するベルトの張力を調整するために設けられ、前記エンジンに取り付けられるアルミニウム製のテンショナボディと、該テンショナボディに揺動可能に支持され、前記ベルトを緊張させるアルミニウム製の揺動アームと、該揺動アームに設けられ、前記ベルトを緩める際に操作治具が装着されるボスと、該揺動アームに支持されて前記ベルトを緊張させる方向へ押圧するテンショナプーリとを備え、前記ボスに装着した操作治具を該ボスを回転中心として回転操作することによって、前記揺動アームをベルトを緊張させた方向とは逆方向へ揺動させて前記ベルトを緩めるようにしたベルトテンショナであって、前記揺動アームには、前記ボスを鋼板製のブラケットベースに組み付けてなるブラケットが取り付けられ、該ブラケットの取付によって前記ボスに装着された前記操作治具が回転操作に適した位置に配置されるように、ボスの位置を揺動アームから嵩上げした。
この構成によれば、ボスを一体に備えたブラケットを揺動アームに取り付けることで、揺動アームにボスを一体に設けることができるとともに、該ボスを揺動アームから嵩上げすることができる。そして、揺動アームに取り付けられるブラケットのサイズを変更し、揺動アームからのボスの嵩上げ量を変更することでボスの位置を調整することができる。そして、車両におけるエンジンルームの形状、回転軸の位置、該回転軸に取り付けられる補機の位置等を考慮し、揺動アームに取り付けるブラケットを変更することでその車両に適した位置にボスを配置することができる。すなわち、嵩上げされたボスに操作治具を装着したとき、該操作治具をエンジンルーム内で回転操作を可能とする位置に配置することが可能となる。その結果として、例えば、操作治具が装着されるボスの位置調整が不可能な場合のように、車両によってはボスに装着された操作治具が回転操作することができなくなるといったことが無くなり、このために特殊工具を必要とすることが無くなる。
また、前記ブラケットは、前記揺動アームに、3又は4箇所のネジ穴を介して取り付けられていてもよい。
請求項3に記載の発明は、車両のエンジンに支持された複数の回転軸間で回転を伝達するベルトの張力を調整するために設けられるベルトテンショナの製造方法であって、前記ベルトテンショナは、エンジンに取り付けられるアルミニウム製のテンショナボディと、該テンショナボディに揺動可能に支持され、前記ベルトを緊張させるアルミニウム製の揺動アームと、該揺動アームに設けられ、前記ベルトを緩める際に操作治具が装着されるボスと、該揺動アームに支持されて前記ベルトを緊張させる方向へ押圧するテンショナプーリとを備え、前記ボスに装着した操作治具を該ボスを回転中心として回転操作することによって、前記揺動アームをベルトを緊張させた方向とは逆方向へ揺動させて前記ベルトを緩めることを可能とし、前記揺動アームには、前記ボスを鋼板製のブラケットベースに組み付けてなるブラケットが取り付けられ、該ブラケットの取付によって前記ボスに装着された前記操作治具が回転操作に適した位置に配置されるように、ボスの位置が揺動アームから嵩上げ可能にされており、前記ブラケットの揺動アームへの取付工程において、前記車両毎の操作治具の回転操作に適した位置に合わせて前記ボスの位置を嵩上げすることを要旨とする。
この製造方法によれば、ベルトテンショナの製造時において、ベルトテンショナが取り付けられるエンジンにおける回転軸の位置、補機の位置、さらにエンジンルームの形状等を考慮して、ボスに操作治具を装着したとき、該操作治具がその回転操作を可能とする位置、すなわち操作治具の操作スペースに位置するように、ブラケットの取り付けが行われる。このため、ベルトテンショナは、その設けられる車両毎にボスの位置が調整されて製造される。したがって、ベルトテンショナの製造時に既にボスの位置が、操作治具の回転操作を考慮して調整されているため、後にベルトを緩める作業が行われるときは、特殊工具を必要とせず、操作治具を用いて行うことができる。
また、前記ブラケットは、前記ボスをブラケットベースに組み付けてなり、前記ボスの軸方向への長さを調整することによってボスの位置を調整してもよい。
この製造方法によれば、ブラケットベースに組み付けられるボスの軸方向への長さを変更することで、ボスの揺動アームからの嵩上げ量を変更することができる。すなわち、軸方向への長さが異なる複数のボスを製造し、車両の仕様に合わせてボスを選択し、該ボスをブラケットベースに組み付けるだけでボスの位置の調整を行うことができる。
本発明によれば、ボスに装着した操作治具を回転操作に適した位置に配置することができ、特殊工具を必要とすることなくベルトの張力を緩める作業を行うことができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図6にしたがって説明する。
図1は、車両のエンジン11を模式的に示す図であり、該図1における二点鎖線でエンジン11を示すものとする。エンジン11のクランクシャフト12の先端部にはクランクプーリ14が取付けられている。エンジン11において、クランクプーリ14の周辺には各種補機(図示せず)が配置されている。これらの補機としては、例えばエアコン用コンプレッサ、ウォータポンプ、オルタネータ、パワーステアリング用ポンプ等が挙げられる。各補機の回転軸15,16,17,18は、直接的又は間接的に、エンジン11に回転可能に支持されているとともに、回転軸15,16,17,18にはプーリ21,22,23,24が一体回転可能に取付けられている。クランクプーリ14、及び各プーリ21〜24には1本のベルト25が掛渡されており、このベルト25によりクランクシャフト12の回転がクランクプーリ14及び各プーリ21〜24を通じて各回転軸15〜18に伝達され、各種補機が駆動されるようになっている。また、図1の2点鎖線及び図5に示すように、エンジンルーム内には、補機19が配置されているとともに、該補機19と相対向する位置には、ファン20が配置されている。なお、回転軸15,16,17,18の配置、ベルト25の掛渡しの位置、各補機の配置、ベルト25の幅、プーリ21〜24の幅は、車両毎にエンジンルームの大きさ、エンジン11の大きさ等によって異なる。
図1に示すように、クランクプーリ14とプーリ24との間には、その区間でベルト25の張力を調整するためのベルトテンショナ26が配置され、該ベルトテンショナ26は複数のボルト13によってエンジン11に取り付けられている。なお、図5に示すように、ベルトテンショナ26において、エンジン11への取付側とは反対側を、ベルトテンショナ26が操作治具70によって操作される操作側とする。図1及び図2に示すように、前記ベルトテンショナ26は、エンジン11に取り付けられるアルミニウム製のテンショナボディBに、アルミニウム製の揺動アーム27及びアイドラプーリ28を備えて構成されている。前記揺動アーム27は、略円盤状をなす基部27aと、該基部27aから延設されたアーム部27bとを一体に備えて構成されている。そして、揺動アーム27は、前記基部27aが、軸29を揺動中心としてテンショナボディBに揺動可能に支持されている。揺動アーム27において軸29の周りには、ばね力等を利用して、ベルト25を緊張させる方向(図1の反時計回り方向)へ揺動アーム27を付勢する付勢機構(図示せず)が内蔵されている。揺動アーム27のアーム部27bの先端には、アルミニウム製のテンショナプーリ30が、軸31により回転可能に支持されているとともに、該テンショナプーリ30にはベルト25が巻掛けられている。前記軸31は、頭部31aと軸部(図示せず)よりなり、前記軸31は、頭部31aがテンショナプーリ30の端面よりも、前記操作治具70の操作側へ突出するようになっている。テンショナボディBには、固定アーム34が延設され、該固定アーム34には前記アイドラプーリ28が、軸32により回転可能に支持されている。このアイドラプーリ28にはベルト25が巻掛けられている。
ベルトテンショナ26において、テンショナプーリ30は、揺動アーム27の揺動に伴いベルト25の張力を調整可能となっている。すなわち、エンジン11では、クランクプーリ14及びプーリ21〜24に対し緊張した状態で掛渡されたベルト25の交換又は取付の際に、ベルトテンショナ26におけるテンショナプーリ30のベルト25に対する押圧力を弱めてベルト25の張力を緩める必要がある。そのために、図6の矢印Yに示すように、付勢機構の付勢方向とは逆方向(図6の時計回り方向)へ揺動アーム27を強制的に揺動させることが行われる。この揺動アーム27の揺動は、エンジンルーム内において、ベルトテンショナ26の操作側に操作治具70を挿入し、該操作治具70を揺動アーム27のボス50に装着し、操作治具70を回転操作させて揺動アーム27を揺動させることで行われる。図5に示すように、前記操作治具70は、棒状をなすハンドル71と、該ハンドル71の先端に設けられたソケット72とが一体に組み付けられてなる。前記ソケット72は、前記ボス50に装着可能になっている。そして、この操作治具70は、いずれの車両にも用いられる汎用タイプのものである。
図2及び図3に示すように、ベルトテンショナ26において、揺動アーム27の基部27aは、前記テンショナプーリ30とアイドラプーリ28との間に配置されているとともに、テンショナプーリ30及びアイドラプーリ28において、ベルトテンショナ26の操作側に臨む端面よりも後退した位置にある。揺動アーム27の基部27aの上部には、取付突部35が操作側へ向けて立設され、該取付突部35には2つのねじ穴35aが形成されている。また、揺動アーム27の基部27aの下部であって、前記軸29の中心点を通過し、かつ鉛直方向へ延びる仮想線M(図1参照)よりも前記アイドラプーリ28側へずれた位置には、1つのねじ穴35bが形成されている。そして、前記ねじ穴35a,35bにはそれぞれねじ60が螺合可能になっている。
揺動アーム27の基部27aには、ブラケット40がねじ60によって取り付けられている。図4(a)及び(b)に示すように、前記ブラケット40は、鋼板製のブラケットベース41に炭素鋼製のボス50が組み付けられて構成されている。前記ブラケットベース41は、全体として細長板状をなし、ブラケットベース41の一端側(図4では上端側)の第1板部42と、該第1板部42に段差部43を介して連設された他端側(図4では下端側)の第2板部44とから構成されている。すなわち、ブラケットベース41は、段差部43が形成されるように鋼板を折り曲げることにより第1板部42と第2板部44とが形成され、第1板部42と第2板部44とが段違いとなるように形成されている。前記第1板部42には2つの挿通孔42aが形成され、第2板部44には1つの挿通孔44aが形成されている。そして、挿通孔42a,44aには、それぞれ前記ねじ60を挿通可能となっている。
図4(b)に示すように、前記第1板部42には、圧入孔42bが第1板部42の厚み方向へ貫通形成され、該圧入孔42bには前記ボス50の一部が圧入されている。前記ボス50は、操作治具70のソケット72が装着されるボス部51と、該ボス部51の一端から延設され、前記圧入孔42bに圧入される圧入端部52とから形成されている。そして、ボス50は、圧入端部52を圧入孔42bに圧入すると同時に、圧入端部52の周面と圧入孔42b周面とをプロジェクション溶接を行うことにより、ブラケットベース41に組み付けられるとともに、一体化されている。前記ボス50は、軸方向に沿って中央部が貫通された中空状をなす。
そして、図2に示すように、上記構成のブラケット40は、前記第1板部42の挿通孔42aから基部27aにおける取付突部35のねじ穴35aにねじ60を螺合し、第2板部44の挿通孔44aから基部27aにおけるねじ穴35bにねじ60を螺合することによって基部27a(揺動アーム27)に取り付けられている。すなわち、ブラケット40の第2板部44は、基部27aにおける操作側の端面に当接するように取り付けられ、第1板部42は、段差部43及び取付突部35によって基部27aの端面から、操作側へ嵩上げされた位置に取り付けられている。このため、ブラケットベース41に段差部43が形成されるとともに、基部27aに取付突部35が立設されることによって、ブラケット40の揺動アーム27への取付状態では、第1板部42(ブラケットベース41)が軸29に干渉しないようになっている。
また、図1及び図3に示すように、ボス50がブラケット40に組み付けられていることによって、ボス50(ボス部51)は揺動アーム27に一体化されるとともに、ボス50も基部27aの端面から操作側へ嵩上げされている。そして、ブラケット40が揺動アーム27に取り付けられた状態では、ボス50(ボス部51)は基部27aの中央寄りに位置している。また、ボス50(ボス部51)の基部27aからの嵩上げ量は、車両のエンジンルームの仕様に対応させて調整されるようになっている。すなわち、ボス50(ボス部51)は、該ボス部51に前記操作治具70のソケット72を装着したとき、ハンドル71をその回転操作に適した位置に位置させるように基部27aからの嵩上げ量が設定されている。
そして、本実施形態では、図5に示すように、ボス部51にソケット72を装着したとき、前記補機19とファン20の間の隙間(操作スペースS)に位置するように、ボス50(ボス部51)の嵩上げ量が設定されている。このボス50の嵩上げ量は、ボス50の軸方向への長さを調整することによって行われる。すなわち、ブラケット40において、ボス部51の軸方向への長さを調整することで、嵩上げ量が調整されるようになっている。また、ボス50の嵩上げ量は、取付突部35の立設高さ及び段差部43の高さに、ボス部51の軸方向への長さを加味して設定される。
次に、上記ベルトテンショナ26の製造方法について説明する。ベルトテンショナ26の製造時におけるブラケット40の揺動アーム27への取付工程において、ボス50におけるボス部51の軸方向への長さが選択される。このボス部51の軸方向への長さは、車両のエンジンルームの仕様に合わせて適宜選択される。そして、選択されたボス50を、前記圧入及びプロジェクション溶接によってブラケットベース41に組み付ける。続いて、ブラケット40をねじ60を用いて揺動アーム27の基部27aに取り付ける。すると、ボス50(ボス部51)が基部27aの端面から操作側へ嵩上げされ、ボス50が所定の位置に配置されたベルトテンショナ26が製造される。
次に、操作治具70を用い、揺動アーム27を揺動させてベルト25を緩める方法について説明する。
まず、操作治具70のハンドル71を把持し、エンジン11の上方からソケット72側を、ベルトテンショナ26と車体との間の空間に挿入する。そして、図5に示すように、ソケット72をボス部51に装着する。この装着状態では、ハンドル71が補機19とファン20の間の操作スペースSに配置され、該操作スペースSでハンドル71を回転操作することが可能となっている。次に、図6の矢印Yに示すように、操作治具70のハンドル71をソケット72を回動中心として時計回り方向へ回転操作する。すると、付勢機構の付勢力に抗して揺動アーム27がベルト25が緩まる方向へ揺動され、テンショナプーリ30によるベルト25の緊張状態が解除され、ベルト25が緩み、ベルト25の交換が可能となる。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ブラケット40をブラケットベース41にボス50を組み付けて一体化し、このブラケット40を揺動アーム27に取り付けることで、ボス50を揺動アーム27に一体化することができるとともに、ボス50を揺動アーム27から操作側へ嵩上げすることができる。そして、車両におけるエンジンルームの形状、大きさ、回転軸15〜18、補機の位置等を考慮してボス50の嵩上げ量を調整することで、該ボス50に操作治具70のソケット72を装着したとき、ハンドル71は、補機19によって回転操作が妨げられることのない位置(操作スペースS)に配置させることができる。なお、補機19の如き位置に配置される補機は種々あるが、例えば、ビスカスヒータが挙げられる。したがって、ブラケット40を揺動アーム27に取り付け、ボス50の嵩上げ量を調整することで、エンジンルームといった限られた空間の中でボス50に装着された操作治具70を、その回転操作を可能とする位置に配置させることができ、操作治具70の回転操作によってベルト25を緩めることができる。その結果として、特殊工具を用いることなくベルト25を緩めることができる。また、操作治具70を用いてベルト25を緩めることができるため、操作治具70の操作スペースSの確保のために、ベルトテンショナ26の周辺の部品を取外したり、エンジン11の下方のアンダーカバーを外したりしなくてもすむ。
(2)車両のエンジンルームの形状、大きさ、回転軸15〜18の位置、補機の位置等の仕様は、車両毎に異なり、操作治具70の回転操作を可能とするスペースの位置は車両毎に異なっている。そして、ベルトテンショナ26では、その製造時に、該ベルトテンショナ26が取り付けられる車両の仕様を考慮するとともに、操作治具70の装着状態を考慮して、予めボス50の嵩上げ量が調整されている。したがって、後のベルト25の交換又は取付時におけるベルト25を緩める作業は、特殊工具を用いることなく操作治具70で容易に行うことができる。
(3)ブラケット40において、ボス50とブラケットベース41は、ブラケットベース41の圧入孔42bに、ボス50の圧入端部52を圧入し、さらに、圧入孔42bの周面と圧入端部52の周面とをプロジェクション溶接することによって組み付けられている。すなわち、ボス50とブラケットベース41は、圧入とプロジェクション溶接の2つの方法を同時に行うことで組み付けられている。したがって、例えば、ボス50とブラケットベース41を、圧入のみ又はプロジェクション溶接のみで組み付ける場合に比して、ボス50とブラケットベース41の組み付け箇所における接続強度を増大させることができる。その結果として、操作治具70の操作の際に、ボス50には大きな荷重(ねじり)が作用するが、接続強度が確保されていることからボス50がブラケットベース41から外れたりすることを防止することができる。
(4)ブラケット40は、ブラケットベース41にボス50を組み付けることで形成されている。そして、ブラケットベース41に取り付けられるボス50の軸方向への長さを変更することで、ベルトテンショナ26におけるボス50の位置を変更することができる。すなわち、軸方向への長さが異なる複数のボス50を製造し、車両の仕様に合わせてボス50を選択し、該ボス50をブラケットベース41に組み付けるだけでボス50の位置の調整を行うことができる。したがって、例えば、ブラケット40が、ボスとブラケットベースが一体成形されたタイプである場合には、多種類のブラケットを製造しなければならないが、本実施形態では、ボス50を取り替えるだけで済むためベルトテンショナ26の製造コストを抑えることができる。
(5)ブラケット40を揺動アーム27に取り付けることで、ボス50を基部27aの中央寄りに配置することができ、テンショナプーリ30とアイドラプーリ28との間にボス50を配置することができる。このため、各プーリ28,30とボス50との間に空間を形成して、ボス50にソケット72を装着させることが可能となる。
(6)ブラケット40は、鋼板製のブラケットベース41に炭素鋼製のボス50が組み付けられて構成されている。また、ボス50は中空状に形成されている。このため、ブラケット40を鍛造等によって製造する場合に比してブラケット40の軽量化を図ることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ ボス50の嵩上げ量の調整は、ボス50の軸方向への長さは変更せず、取付突部35の高さ、及び段差部43の高さを変更して行ってもよい。
○ サイズの異なるブラケット40を複数種類用意し、ボス50の嵩上げ量の調整をブラケット40そのものを変更することで行ってもよい。
○ ブラケット40において、第1板部42に挿通孔42aを2つ設け、第2板部44にも挿通孔44aを2つ設けるとともに、基部27aにねじ穴35bを2つ設けて4つのねじ60で揺動アーム27に取り付けられていてもよい。
エンジンに取り付けられたプーリにベルトが巻掛けられた状態を示す模式図。 実施形態のベルトテンショナを示す分解斜視図。 実施形態のベルトテンショナを示す側面図。 (a)はブラケットを示す正面図、(b)は図4(a)のb−b線断面図。 ボスに操作治具を装着した状態を示す側面図。 操作治具を回転操作した状態を示す正面図。
符号の説明
B…テンショナボディ、11…エンジン、12…回転軸としてのクランクシャフト、15〜18…回転軸、25…ベルト、26…ベルトテンショナ、27…揺動アーム、30…テンショナプーリ、40…ブラケット、41…ブラケットベース、42b…圧入孔、50…ボス、52…圧入端部、70…操作治具。

Claims (4)

  1. 車両のエンジンに支持された複数の回転軸間で回転を伝達するベルトの張力を調整するために設けられ、
    前記エンジンに取り付けられるアルミニウム製のテンショナボディと、
    該テンショナボディに揺動可能に支持され、前記ベルトを緊張させるアルミニウム製の揺動アームと、
    該揺動アームに設けられ、前記ベルトを緩める際に操作治具が装着されるボスと、
    該揺動アームに支持されて前記ベルトを緊張させる方向へ押圧するテンショナプーリとを備え、
    前記ボスに装着した操作治具を該ボスを回転中心として回転操作することによって、前記揺動アームをベルトを緊張させた方向とは逆方向へ揺動させて前記ベルトを緩めるようにしたベルトテンショナであって、
    前記揺動アームには、前記ボスを鋼板製のブラケットベースに組み付けてなるブラケットが取り付けられ、該ブラケットの取付によって前記ボスに装着された前記操作治具が回転操作に適した位置に配置されるように、ボスの位置を揺動アームから嵩上げしたベルトテンショナ。
  2. 前記ブラケットは、前記揺動アームに、3又は4箇所のネジ穴を介して取り付けられている請求項1に記載のベルトテンショナ。
  3. 車両のエンジンに支持された複数の回転軸間で回転を伝達するベルトの張力を調整するために設けられるベルトテンショナの製造方法であって、
    前記ベルトテンショナは、エンジンに取り付けられるアルミニウム製のテンショナボディと、
    該テンショナボディに揺動可能に支持され、前記ベルトを緊張させるアルミニウム製の揺動アームと、
    該揺動アームに設けられ、前記ベルトを緩める際に操作治具が装着されるボスと、
    該揺動アームに支持されて前記ベルトを緊張させる方向へ押圧するテンショナプーリとを備え、
    前記ボスに装着した操作治具を該ボスを回転中心として回転操作することによって、前記揺動アームをベルトを緊張させた方向とは逆方向へ揺動させて前記ベルトを緩めることを可能とし、
    前記揺動アームには、前記ボスを鋼板製のブラケットベースに組み付けてなるブラケットが取り付けられ、該ブラケットの取付によって前記ボスに装着された前記操作治具が回転操作に適した位置に配置されるように、ボスの位置が揺動アームから嵩上げ可能にされており、前記ブラケットの揺動アームへの取付工程において、前記車両毎の操作治具の回転操作に適した位置に合わせて前記ボスの位置を嵩上げすることを特徴とするベルトテンショナの製造方法。
  4. 前記ブラケットは、前記ボスをブラケットベースに組み付けてなり、前記ボスの軸方向への長さを調整することによってボスの位置を調整する請求項3に記載のベルトテンショナの製造方法。
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