JP4831463B2 - 希土類オキシサルフェートの製造方法 - Google Patents

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本発明は、希土類酸化物から希土類オキシサルフェートを製造する方法に関する。詳しくは、希土類酸化物と硫黄原料とを機械的にエネルギーを加えて処理し、次いで、空気中で加熱して希土類オキシサルフェートに転換することを特徴とする、希土類オキシサルフェートの製造方法に関する。
一般式R22SO4(RはY、La及び原子番号58〜71のいわゆるランタニド元素からなる希土類元素のうちの一つあるいは複数の組み合わせ)で表わされる希土類オキシサルフェート(希土類オキシ硫酸塩)は、各種映像装置や表示装置における蛍光体として、あるいは電子部品材料、センサーとして使用される物質としてよく知られている。
一般的な希土類オキシサルフェートの製造方法としては、希土類元素の硫酸塩を加熱分解することによって製造されることがよく知られている。これに対して、希土類元素イオンと硫酸イオン及び尿素あるいはその誘導体とを水溶液中で反応させることによって沈殿物を生成させ、この生成物を分離して焙焼することによって希土類オキシサルフェートを得る方法が提案されている(特許文献1参照)。
あるいは、1種または2種以上の希土類元素の水酸化物を出発原料とし、これと硫酸ないしは水溶性の硫酸塩とを水性溶液中で反応させ、得られる生成物を酸化雰囲気下で加熱することによって希土類オキシサルフェートを製造する方法も提案されている(特許文献2参照)。
さらにまた、希土類の三二硫化物を乾燥空気流通下で加熱することによって希土類オキシサルフェートを得る方法(特許文献3)、希土類酸化物を出発物質として、これを水中に懸濁させ、硫酸または硫酸塩を添加して反応させ、得られた沈積物を回収し、次いでか焼することによって希土類オキシサルフェートを得る方法(特許文献4)等が特許文献に提案されている。
特開昭58−167426号公報 特開昭59−162132号公報 特開2002−267631号公報(段落0046) 特開2000−313619号公報
本発明は、上記紹介した先行技術、すなわち、水溶液を反応媒体として利用した反応プロセスによる製造方法や三二硫化物を酸化する反応プロセスによる製造方法の何れのプロセスとも異なる、新規な原理による反応プロセスによって簡単に希土類オキシサルフェートを得る方法を提案しようというものである。すなわち、希土類酸化物から出発して希土類オキシサルフェートをより簡易なプロセスによって製造し、提供しようというものである。
そのため、本発明者らにおいて鋭意研究した結果、希土類酸化物原料と硫黄原料とを所定量混合し、これをボールミル装置等の粉砕ミルによって処理し、両原料混合物に機械的エネルギーを与えて混合してなるものは、これを空気中で加熱するだけで簡単に希土類オ
キシサルフェートに転換し、容易に希土類オキシサルフェートを製造することができることを見出したものである。本発明は、この知見に基づいてなされたものであり、その構成は以下(1)〜(5)に記載する通りである。
(1) ボールミル装置を用いて機械的に高いエネルギーを与えながら一種類または複数種類の希土類酸化物と硫黄原料とを混合し、得られたミリング生成物を空気中で加熱することを特徴とする、希土類オキシサルフェートの製造方法。
(2) 前記一種類または複数種類の希土類酸化物を一般式R23(Rは希土類元素)で表される希土類三二酸化物とし、当該希土類三二酸化物に対する前記硫黄原料の混合比を、一般式R23で表される当該希土類三二酸化物中の酸素原子数N(O)と前記硫黄原料中の硫黄原子数N(S)との原子比に基づいて、N(O)/N(S)比を3以下、好ましくは1から3、に設定したことを特徴とする、(1)記載の希土類オキシサルフェートの製造方法。
(3) 前記硫黄原料が硫黄元素のみからなる粒状もしくは粉末の単体硫黄であることを特徴とする、(1)または(2)記載の希土類オキシサルフェートの製造方法。
(4) 前記硫黄原料が液体の二硫化炭素であることを特徴とする、(1)または(2)記載の希土類オキシサルフェートの製造方法。
(5) 前記得られたミリング生成物を空気中で加熱する温度を、700〜1000℃の温度範囲としたことを特徴とする、(1)記載の希土類オキシサルフェートの製造方法。
ここに、ボールミル装置を用いて機械的に高いエネルギーを与えながら一種類または複数種類の希土類酸化物と硫黄原料とを混合する意義は、両原料が均一に混合されるだけでなく、機械的エネルギーによって希土類酸化物分子内の一部酸素サイトに硫黄原子が置換され、希土類酸化物が一部硫化される。その結果得られる中間生成物(ミリング生成物)が後段の加熱工程によって酸化され、目的とするオキシサルフェート化合物を形成する。したがって、両原料の配合量は、硫黄原料が少なすぎると、後段の加熱工程によって生成する希土類オキシサルフェート中に未反応希土類酸化物が残留することになるので、硫黄原料はすこし過剰に加えるのが良い。(2)において、混合比N(O)/N(S)を3以下、好ましくは1から3、と規定した理由は、この点を考慮したものである。
ボールミル装置でミリングして得られた生成物を空気中で加熱する際の温度は、低すぎると希土類酸化物に置換した硫黄原子の酸化反応が生ぜず、目的とする希土類オキシサルフェート化合物を得る事が出来ないし、また、高温になりすぎると、目的とする最終生成物(希土類オキシサルフェート)中に希土類酸化物が多く含まれることになる。加熱温度は、700〜1000℃程度の温度とするとよい。ほぼ単相のオキシサルフェートを得るためには、原料やミリング条件によって、より厳密に加熱温度を決定する必要がある。例えば、二硫化炭素を用いてN(0)/N(S)=1となるようにした場合には、十分にミリングが行われていれば加熱温度は865℃程度で十分であるが、単体硫黄を用いてN(O)/N(S)=3となるようにした場合にはより高温で熱処理を行うとよい。
本発明に係る希土類オキシサルフェートの製造方法は、出発原料である希土類酸化物と硫黄原料とをボールミル装置によってメカニカルミリングして両原料を均一に混合し、得られた混合生成物を電気炉等により空気中で加熱するだけで簡単に希土類オキシサルフェートを得ることができるので、製造プロセスが非常に簡易であり、水溶液反応系のように沈殿生成物を析出させる際の濃度、温度、時間、pH調整のような複雑な反応操作、管理は必要ない。また、その使用するボールミル装置等は、一度に大量の原料を扱うことができるので、希土類オキシサルフェートを大量に製造するような場合にも適しており、容易に実施することができる格別の作用効果が奏せられる。
なお、本発明では工程の簡素化の観点からメカニカルミリング操作を大気中で行うことを念頭においているが、他方で、制御された雰囲気、例えば、不活性雰囲気の下で行なうこともでき、本発明はこれを実施態様とすることを含むものであり、排除するものではない。いずれにしても、本発明によれば、簡単な処理操作、装置を用いることによって容易に目的とする化合物を低コストで得ることができる。
以下、本発明を図面及び実施例に基づいて具体的に説明する。但し、これらの実施例は、本発明を容易に理解しえるようにするための一助として開示するものであり、これらの例によって限定されるものではない。
本発明は、希土類元素の酸化物と硫黄原料を用意して、これをミリングする工程、次いでミリング生成物を空気中で加熱して希土類のオキシサルフェートを生成する工程の二段階工程からなるものである。
ミリング操作に使用されるミルとしては、両原料を均一に混合し、機械的に高エネルギーを付与しえる機能を有する限りは特に限定されず、ボールミル装置を使用することもできるが、高エネルギーを与えるという観点から、ボールミル装置のボール及び容器(ポット)の材質は、硬くて密度の大きいもの、例えば超硬合金(タングステンカーバイド)等、であることが望ましい。その装置型式も、遊星型ボールミルのような高エネルギーボールミル装置を用いることが好ましい。もちろん、この操作によって希土類以外の不純物混入の恐れのないものが望ましい。
機械的に高いエネルギーを与えながらミリングすることにより、希土類酸化物の酸素原子が硫黄原料の硫黄原子で置換され、単にこれらを混ぜただけの通常の意味での混合物とは性質の異なる混合物が生成される。この混合物をして、単に希土類酸化物と硫黄原料とが混合した単純な混合物と区別するため、このミリング操作によって生成された混合物をして、本明細書においてはミリング生成物と称している。
上記ミリング操作終了後、ミリング生成物を、電気炉等加熱装置を用いて空気中で700〜1000℃の温度で加熱処理することにより、目的とする化合物、希土類オキシサルフェートが生成される。ミリング操作に際して希土類元素と硫黄原料の仕込み量は、ミリングによる硫黄のロスも考慮にいれて希土類原子と硫黄原子の化学量論比(2:1)よりも硫黄原子の割合がいくらか大きくなるように選ぶとよい。
すなわち、希土類元素の酸化物として一般式R23(R:イットリウム、ランタン及び原子番号58から71までのランタニド元素を含む希土類元素のいずれか一つ)で表される希土類三二酸化物を一種類もしくは複数種類用い、当該三二酸化物及び前記硫黄原料の量を、当該三二酸化物の酸素原子三つに対して前記硫黄原料の硫黄原子が一つ以上の割合となるように選べばよい。
また、硫黄原料としては、小さな粒状または粉末状の硫黄元素のみからなる単体硫黄でもよく、液体の二硫化炭素等を用いることができる。単体硫黄を用いる場合には、化学量論比に対して若干過剰な量の硫黄を使用することがよく、過剰すぎる量の単体硫黄を使用すると十分なミリングを行うために長時間かける必要が生じるので注意が必要である。単体硫黄を用いる場合にはアルゴン雰囲気等不活性雰囲気中でミリングを行ってもよい。液体の二硫化炭素を硫黄原料として用いる場合には、希土類三二酸化物の酸素原子と二硫化炭素の硫黄原子の割合が1:1程度となるように選んでもミリングへの影響はほとんどない。
高エネルギーミリングのためのボールミル装置の回転スピードや運転時間は使用するボールミル装置の種類、反応容器やボールの材質、反応容器のサイズ、ボールの重量と数、希土類酸化物と硫黄原料の仕込み量等の条件によって変わる。遊星型ボールミルを利用する場合であれば、両方の原料を合わせた重量をボール重量の例えば1/70程度としたときには、毎分250回転で少なくとも4時間程度以上ミリングすることが必要である。ここで十分な高エネルギーミリングが行われないと、最終生成物に希土類酸化物が混ざってしまうので注意が必要である。ボールに対して原料の仕込み量が少なければミリングに要する時間は短くてすむが、不純物が混入する可能性が大きくなる。一方、原料の仕込み量が相対的に多くなれば不純物が混入する可能性を小さくすることができるが、ミリングに要する時間は長くなる。硫黄原料として液体の二硫化炭素を用いれば粉末の単体硫黄を用いるよりもミリング時間を短くすることができる。
ミリング操作後、得られたミリング生成物を空気中で加熱処理する工程に付す。この加熱処理工程の温度は、ミリング生成物の状態等さまざまな条件に依存する。700℃程度から希土類オキシサルフェートが生成され始めるが、より好ましい加熱温度は850℃程度から1000℃弱程度の温度が好ましい。加熱温度が1000℃を超えるような高温になるとミリングが十分であっても希土類の酸化物が生じてしまう場合もある。硫黄原料として液体の二硫化炭素を使用する場合にあえて化学量論比よりも多い量を仕込み量として選択すると、ミリングによって得られる生成物中に炭素成分が残留し、ミリング生成物を加熱する際に炭素の酸化に伴う発熱が生じるため、より低い加熱温度で希土類オキシサルフェートを得ることができる。
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明する。
実施例1;
市販のイットリウム三二酸化物(Y23、白色粉末、純度99.9%)を1.7179g秤量し、これと市販の二硫化炭素(CS2、液体、純度99.0%、密度1.266g/ml(20℃))0.690mlとを直径10mmのタングステンカーバイド製のボール23個(合計重量:約181g)を装てんしたタングステンカーバイド製容器(容量80ml)にいれ、遊星型ボールミルを用いて毎分250回転の回転スピードで6時間、空気中でミリングした。ミリング中は容器をスポットエアコンで冷却した。このときイットリウム三二酸化物に含まれる酸素原子と二硫化炭素に含まれる硫黄原子のモル比はほぼ1対1とした。この化学量論的関係は予想される生成物Y22SO4に対してCS2は過剰とした。
ミリングにより得られた生成物を回収して電気炉で空気の存在下865℃で30分間加熱処理した。その結果、白色粉末が得られた。電気炉の昇温速度は毎分約3.3℃とした。
得られた白色粉末を、X線回折装置によって回折パターンを求め、生成物を同定した。図1(a)は、加熱後得られた白色粉末のX線回折パターンであり、同(b)は、粉末X線回折データベースに登録されているイットリウムオキシサルフェート(Y22SO4)のX線回折パターンである(#41−0685)。
これらの比較から本実施例に係る白色粉末は、斜方晶系(orthorhombic)に属する結晶構造をもつことが明らかとなった。また、両者は、ピーク位置も測定誤差範囲で一致した。このことから、白色生成物は、イットリウムオキシサルフェートであることが確認された。すなわち、本発明の反応プロセスによってイットリウムオキシサルフェートを製造しうることが明らかにされた。
実施例2;
市販のイットリウム三二酸化物(Y23、白色粉末、純度99.9%)0.6339g
、同じく市販のユーロピウム三二酸化物(Eu23、白色粉末、純度99.99%)0.9926gをそれぞれ秤量し、これを市販の二硫化炭素(CS2、液体、純度99.0%、密度1.266g/ml(20℃))0.508mlと混合して、タングステンカーバイド製のボール(10mm径)23個(合計重量:約181g)を装てんしたタングステンカーバイド製容器(容量80ml)にいれ、遊星型ボールミルを用いて毎分250回転の回転スピードで12時間、空気中でミリングした。ミリング中は容器をスポットエアコンで冷却した。このときイットリウムとユーロピウムのモル比はほぼ1対1である。イットリウム三二酸化物及びユーロピウム三二酸化物に含まれる酸素原子と二硫化炭素に含まれる硫黄原子のモル比もまた約1対1であり、生成されることが予想されるイットリウム・ユーロピウムオキシサルフェート(YEu)22SO4に対してCS2は過剰とした。ミリングにより得られた生成物を回収し、これを電気炉で空気の存在下、865℃で30分間加熱処理し、白色粉末を得た。電気炉の昇温速度は毎分約3.3℃とした。
図2(a)に加熱後得られた白色粉末のX線回折パターン、同図(b)に粉末X線回折データベースに登録されているイットリウムオキシサルフェート(Y22SO4)のX線回折パターン(#41−0685)、並びに同図(c)に粉末X線回折データベースに登録されているユーロピウムオキシサルフェート(Eu22SO4)のX線回折パターン(#48−1211)をそれぞれ示した。
これらの比較から実施例2で得られた白色粉末は、斜方晶系(orthorhombic)の結晶構造をもつことが明らかにされた。また、(b)、(c)の回折ピークのうち同一の格子面に対する格子面間隔に対応するピークとされている回折角(2θ)30度付近のピーク位置で比較すると、本実施例に係る白色粉末のピーク位置はイットリウムオキシサルフェートのピーク位置とユーロピウムオキシサルフェートのピーク位置の間に位置しており、イットリウムとユーロピウムが複合したオキシサルフェートが得られた結果、格子面間隔がそれぞれのオキシサルフェートの中間の値を示す構造となっていることがわかった。
その結果、本実施例2に示した合成プロセスによって得られた白色粉末は、イットリウムオキシサルフェートとユーロピウムオキシサルフェートとの混合物ではなく、一般式:(YEu)22SO4で表される複合オキシサルフェート化合物、すなわち、イットリウム・ユーロピウムオキシサルフェートであることが確認された。
以上の示した実施例では、イットリウム三二酸化物からイットリウムオキシサルフェートを合成する例と、1対1のモル比のイットリウム三二酸化物とユーロピウム三二酸化物からイットリウム・ユーロピウムオキシサルフェートを合成する例とを示したが、これらの例は、本発明の一つの実施態様であり、本発明はこの例に限定されるものではない。
すなわち、他の希土類三二酸化物、あるいは組み合わせによる場合も含み、これによって多様な組成を有するオキシサルフェートを合成し、提供することができ、これを含むものである。また、複数の希土類三二酸化物の配合量を適宜選ぶことにより希土類オキシサルフェートに一つまたは複数の希土類をドープしたもの(例えばY22SO4:Eu、Gd22SO4:Eu等)を同様の方法で得ることができ、含むものである。
また、液体の二硫化炭素の変わりに粒状や粉末の単体硫黄を用いてもよい。ただし、単体硫黄を用いた場合や、二硫化炭素の量をオキシサルフェートを得るに必要最小限の量とした場合には、加熱処理工程で炭素の酸化による発熱が生じないので、加熱処理温度を上げる、もしくは時間を長くする等の措置が必要である。
以上、本発明の希土類オキシサルフェートの製造方法を詳細に説明したことかも明らかなように、本発明は、希土類の酸化物から出発しえること、水溶液中での厄介な反応操作と分離回収操作によらないこと等、入手しやすい原料から出発して、簡単な操作で容易に製造することができ、優れた希土類オキシサルフェート合成手段を提供したものでその意義は極めて大きい。近年、希土類オキシサルフェートは、液晶テレビ、プラズマテレビの蛍光体、プロジェクターの蛍光体、照明の蛍光体等各種用途の蛍光体、あるいは電子部品、ファインセラミックス、ディスク、超伝導体等に盛んに用いられ、注目されている。本発明の希土類オキシサルフェート合成手段は、上述したように極めてユニークなプロセスにより、しかも量産化、低コスト化に適っており、今後大いに利用され、実施され、以って産業の発展に寄与するものと期待される。
実施例1に係る生成物のX線回折パターン(a)と粉末X線回折データベースに記録されているイットリウムオキシサルフェートのX線回折パターン(b)とを示す図。 実施例1に係る生成物質のX線回折パターン(a)、粉末X線回折データベースに記録されているイットリウムオキシサルフェートのX線回折パターン(b)、及び粉末X線回折データベースに記録されているユーロピウムオキシサルフェートのX線回折パターン(c)を示す図。

Claims (5)

  1. ボールミル装置を用いて機械的にエネルギーを与えながら一種類または複数種類の希土類酸化物と硫黄原料とを混合し、得られたミリング生成物を空気中で加熱することを特徴とする希土類オキシサルフェートの製造方法。
  2. 前記一種類または複数種類の希土類酸化物を一般式R23(Rは希土類元素)で表される希土類三二酸化物とし、当該希土類三二酸化物に対する前記硫黄原料の混合比を、一般式R23で表される当該希土類三二酸化物中の酸素原子数N(O)と前記硫黄原料中の硫黄原子数N(S)との原子比に基づいて、N(O)/N(S)比を3以下に設定したことを特徴とする、請求項1記載の希土類オキシサルフェートの製造方法。
  3. 前記硫黄原料が硫黄元素のみからなる粒状もしくは粉末の単体硫黄であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の希土類オキシサルフェートの製造方法。
  4. 前記硫黄原料が液体の二硫化炭素であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の希土類オキシサルフェートの製造方法。
  5. 前記得られたミリング生成物を空気中で加熱する温度を、700〜1000℃の温度範囲としたことを特徴とする、請求項1記載の希土類オキシサルフェートの製造方法。
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