JP4734601B2 - イットリウム酸硫化物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、イットリウム酸硫化物の製造方法に関する。
希土類酸硫化物は蛍光体の母材などに用いられる産業上重要な物質である。その合成方法にはさまざまなものがあるが、例えば、所定量の希土類化合物を硫黄等の硫化剤、アルカリ金属炭酸塩等の融剤と共に焼成する方法のように( たとえば、非特許文献1 参照)、外部から加熱することによって酸硫化物を製造する方法が一般的によく用いられている。
P h o s p h o r h a n d b o o k , E d i t e d u n d e r t h e A u s p i c e s o f P h o s p h o r R e s e a r ch S o c i e t y , E d i t o r i a l C o m m i t t e e C o - c h a i r s ; S h i g e o S h i o n o y a , W i l l i a m M . Y e n , C R C Pr e s s , 1 9 9 9 , p . 3 2 2
本発明は、加熱によらない酸硫化物製造方法であって、希土類酸化物と硫黄原料のみから簡易且つ低コストに酸硫化物を製造する方法を提供することを課題とする。
前記課題は、本発明により、イットリウム酸化物と硫黄原料を、外部から加熱することなく、例えばボールミル装置を用いたメカニカルミリングによって、機械的にエネルギーを与えながら混合することにより希土類酸硫化物を合成することを特徴とする希土類酸硫化物の製造方法によって解決される。
本発明の、イットリウム酸化物と硫黄原料を外部から加熱することなく機械的にエネルギーを与えながら混合することによりイットリウム酸硫化物を合成することを特徴とするイットリウム酸硫化物の製造方法は、従来の焼成により合成を行う方法とは全く異なった原理に基づいている。イットリウム酸硫化物の合成に必要なエネルギーは外部からの加熱による熱的なエネルギーによってではなく、例えばボールミル装置等を用いたメカニカルミリングを行うことにより機械的なエネルギーとしてすべて与えられる。したがって、外部から加熱する必要はなく、室温での合成が可能である。また、加熱焼成する場合に必要とされる融剤のような補助的な物質も添加する必要がないため、原料コストを抑制することができる。ボールミル装置等を用いる場合には、出発物質の混合と合成を同時に行うことが可能であり、少ない工程で容易に一様な酸硫化物を得ることができる。
イットリウム酸化物と硫黄原料を機械的にエネルギーを与えながら混合するプロセスはメカニカルミリングにより実施することが有利である。その際、ボールミル装置を用いて行うことが可能であり、例えば遊星型ボールミル装置を用いて毎分250回転の高い回転スピードでミリングを行うこと等により、単なる混合にとどまらず合成を促進するための大きなエネルギーを発生させる高エネルギーミリングを行うことができる。メカニカルミリングの効果を十分に発揮させるためには、例えば遊星型ボールミル装置を用いる場合には、反応用容器(ミリング容器)内に多数のボールを入れ、それらのボールの重量の合計が出発物質であるイットリウム酸化物及び硫黄原料の重量の合計の数十倍より大きくなるようにするとよい。例えば、容積80mlの容器に直径10mmのボールを23個いれてボールの合計重量が出発物質の合計重量の70倍より大きくなるようにすると、長くても12時間以内のミリング時間でほぼ完全にイットリウム酸硫化物の合成が完了する。なお、ここで示した毎分250回転、12時間等の値は単に例示であって、特別な意味をもつ値ではない。ミリング時間、出発物質の量、反応用容器やボールの材質等といった条件の選び方によって、250回転よりも低い回転スピードでよい場合もある。もちろん、250回転よりも高い回転スピードを選ぶことも可能である。
メカニカルミリングによって発生する熱が原料に悪影響を与えないようにミリング中は反応用容器を冷却し、積極的に室温近傍の温度を維持することが望ましい。
硫黄原料としては、液体の二硫化炭素(CS)、粉末ないし粒状の単体硫黄(S)などを用いることが可能である。単体硫黄はSとSなど複数の同素体が混ざったものであってもよい。単体硫黄を用いる場合には、空気中でなくアルゴン等の不活性雰囲気中でミリングを行ってもよい。
出発物質としての希土類酸化物と硫黄原料の量は必ずしも厳密に秤量されなくてもよい。希土類酸化物のうちの一つの酸素原子を一つの硫黄原子で置きかえるのに十分な割合でありさえすれば良い。その際、酸素原子一つを置きかえるのに十分な数以上に硫黄原子を含むような組成で出発物質を準備してもよい。二硫化炭素を用いる場合には、酸化物の酸素原子一つに対して硫黄原料の硫黄原子一つの割合で出発物質を準備しても希土類酸硫化物を得ることができる。
以下に、いくつかの実施例に基づいて、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
市販のイットリウム酸化物(Y、粉末、純度99.9%)1.7270gと市販の二硫化炭素(CS、液体、純度99.0%、密度1.266g/ml(20℃))0.690ml とタングステンカーバイド製のボール(10mm径)23個(合計重量:約181g)をタングステンカーバイド製容器(容量80ml)にいれ遊星型ボールミルを用いて毎分250回転の回転スピードで12時間、空気中でミリングした。ミリング中は容器をスポットエアコンで冷却した。
図1に出発物質であるイットリウム酸化物のX線回折パターン(a)、12時間のミリングの結果生じた生成物のX線回折パターン(b)、並びに粉末X線回折データベースに登録されているイットリウム酸硫化物(YS)のX線回折パターン(#24−1424)(c) を示した。X線回折パターンは、生成物の結晶構造が空間群
で表わされる構造をもつことを明瞭に示している。格子面間隔等を解析した結果、イットリウム酸硫化物と同一であることが確認された。
市販のイットリウム酸化物(Y、粉末、純度99.9%)2.2447gと市販の硫黄(S、3〜5mm粒状、純度99.99%)0.3550gを粗く粉状につぶしたものとタングステンカーバイド製のボール(10mm径)23個(合計重量:約181g)をタングステンカーバイド製容器(容量80ml)にいれ遊星型ボールミルを用いて毎分250回転の回転スピードで12時間、アルゴン雰囲気でミリングした。ミリング中は容器をスポットエアコンで冷却した。
図2に出発物質であるイットリウム酸化物のX線回折パターン(a)、12時間のミリングの結果生じた生成物のX線回折パターン(b)、並びに粉末X線回折データベースに登録されているイットリウム酸硫化物(YS)のX線回折パターン(#24−1424)(c)を示した。X線回折パターンは、生成物の結晶構造が空間群
で表わされる構造をもつことを明瞭に示している。格子面間隔等を解析した結果、イットリウム酸硫化物と同一であることが確認された。
出発物質として用いたイットリウム酸化物のX線回折パターン(a)、実施例1による生成物のX線回折パターン(b)、及び粉末X線回折データベースに記録されているイットリウム酸硫化物のX線回折パターン(c)を示した図である。 出発物質として用いたイットリウム酸化物のX線回折パターン(a)、実施例2による生成物のX線回折パターン(b)、及び粉末X線回折データベースに記録されているイットリウム酸硫化物のX線回折パターン(c)を示した図である。

Claims (6)

  1. イットリウム酸化物と硫黄原料を外部から加熱することなく機械的にエネルギーを与えながら混合することによりイットリウム酸硫化物を合成することを特徴とするイットリウム酸硫化物の製造方法。
  2. メカニカルミリングによって機械的にエネルギーを与えながら混合することを特徴とする、請求項1に記載のイットリウム酸硫化物の製造方法。
  3. 前記メカニカルミリングがボールミル装置を用いて行われることを特徴とする、請求項2 に記載のイットリウム酸硫化物の製造方法。
  4. 前記ボールミル装置が遊星型ボールミル装置であり、当該遊星型ボールミル装置を毎分250回転のスピードで動作させることを特徴とする、請求項3に記載のイットリウム酸硫化物の製造方法。
  5. 前記硫黄原料が液体の二硫化炭素であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のイットリウム酸硫化物の製造方法。
  6. 前記硫黄原料が単体硫黄であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のイットリウム酸硫化物の製造方法。
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