JP4831359B2 - ステアリングコラム装置の衝撃吸収構造 - Google Patents

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Description

本発明は、テレスコピック機構を備えたステアリングコラム装置の衝撃吸収構造に関するものである。
運転者の体格や運転姿勢等によって操舵し易いステアリングホイールの位置が相違することから、不特定多数の運転者に運転される車両では、ステアリングホイールの位置を調整する機構が備えられたものがある。例えば、ステアリングコラムの基端側を中心として先端のステアリングホイール側を揺動可能としたチルト機構、或いはステアリングコラムを軸方向に伸縮可能な2重管構造としたテレスコピック機構を設けて、運転者が任意のチルト位置及びテレスコピック位置に調整した上で、共通の操作レバーのクランプ力により調整後のチルト位置及びテレスコピック位置を固定し得るように構成されている。
一方、車両衝突時に運転者が慣性でステアリングホイールに二次衝突する場合を想定して、種々の対策が講じられている(例えば、特許文献1参照)。当該特許文献1の技術では、車両の衝突時に解除用アクチュエータにより上記チルト機構及びテレスコピック機構の操作レバーを強制解除することで、衝突時の荷重によるステアリングコラムの前方への変位を促して小柄な運転者でもエアバッグとの間隔を確保している。
特許文献1の技術は運転者のステアリングホイールへの二次衝突をエアバッグにより回避するものであるが、二次衝突時の衝撃を吸収する構造をステアリングコラムに設ける対策も実施されている。例えば、この種の衝撃吸収構造は、運転者のステアリングホイールへの二次衝突によりステアリングコラムに軸方向に荷重が作用したときに、車体側からステアリングコラム装置全体を脱落させて、車体側とステアリングコラム側とに連結された鋼板製のエネルギ吸収材の変形(カーリング)と引き裂き(リッピング)とを生起させて衝突エネルギを吸収している。
特開2000−318623号公報
しかしながら、上記衝撃吸収構造を有するステアリングコラムにテレスコピック機構を付加した場合には、以下に述べる問題が発生する。
運転者の二次衝突によりステアリングホイールを介してステアリングコラムに軸方向の荷重が作用すると、その荷重を受けたテレスコピック機構は操作レバーのクランプ力に抗して滑りを生じながらステアリングコラムを収縮させる。この現象と相前後して上記のように車体側からステアリングコラムのブラケットが脱落し、エネルギ吸収材による衝突エネルギの吸収が行われる。
ところが、クランプ力に抗して滑りを生じているときのテレスコピック機構は、ステアリングコラムの収縮を妨げる方向に荷重を作用させるため、結果として綿密に計算されたエネルギ吸収材によるエネルギ吸収特性に対して予期しない荷重が上乗せされることになり、エネルギ吸収特性が不安定になって所期の衝撃吸収が発揮されない可能性があり、衝撃吸収性能の点で改善の余地があった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、運転者のステアリングホイールへの二次衝突時に安定したエネルギ吸収特性を実現でき、もって乗員保護性能を向上させることができるステアリングコラム装置の衝撃吸収構造を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、車体側に設けられた保持部材に対して反ステアリングホイール側から係合保持され、反ステアリングホイール側への移動に伴って保持部材から離脱するブラケット部材と、ブラケット部材の保持部材からの離脱に伴ってエネルギ吸収作用を奏するエネルギ吸収手段と、先端にステアリングホイールが固定されたステアリングシャフトを回転可能に支持し、ブラケット部材に対して軸方向に位置調整可能に連結されたステアリングコラムと、操作部材の回転に伴ってステアリングコラムの位置調整を許容する解除位置と位置調整を規制する固定位置との間で切換えられるクランプ手段と、車体側に設けられた係合部のステアリングホイール側に位置するように操作部材の一側に設けられ、ブラケット部材と共にステアリングコラムが反ステアリングホイール側に移動したときに、係合部に衝突して操作部材を解除位置に回転操作する連携部とを備えたものである。
従って、操作部材を回転操作してクランプ手段を解除位置に切換えると、ステアリングコラムの位置調整が許容されるため、ステアリングホイールを所望の軸方向位置、即ちテレスコピック位置に調整でき、その後に操作部材の回転操作によりクランプ手段を固定位置に切換えると、ステアリングコラムの位置調整が規制されてテレスコピック位置が固定される。
一方、車両衝突に伴ってステアリングホイールに運転者が二次衝突したときには、ステアリングホイール及びステアリングシャフトを介してステアリングコラムに軸方向への荷重が作用する。この荷重はクランプ手段のクランプ力を上回るため、クランプ手段に抗してステアリングコラムが反ステアリングホイール側に移動し、その後に車体側の保持部材からブラケット部材が離脱して、エネルギ吸収材によりエネルギ吸収作用が奏される。
このとき、ステアリングコラムと一体で操作部材も軸方向に移動するため、その連携部が車体側の係合部に衝突して操作部材が回転操作され、クランプ手段は強制的に解除位置へと切換えられる。よって、ステアリングコラムは軸方向にほとんど荷重を要することなく移動し、この軸方向の荷重がエネルギ吸収材のエネルギ吸収特性に対して上乗せされる現象が未然に防止される。従って、運転者の二次衝突によりステアリングコラムに作用した軸方向の荷重は、エネルギ吸収材の安定したエネルギ吸収特性により消費される。
請求項2の発明は、請求項1において、ステアリングコラムが、ブラケット部材に対して軸方向に加えて上下方向にも位置調整可能に連結され、連携部が、ステアリングコラムの上下方向への調整範囲の最上位置において係合部と対応するものである。
従って、ステアリングコラムは軸方向に加えて上下方向にも位置調整可能なため、テレスコピック位置と共に所望の上下位置、即ちチルト位置に調整可能となる。そして、運転者のステアリングホイールへの二次衝突時には、運転者とステアリングホイールとの位置関係によりステアリングコラムが上方への荷重を受けて上方へと移動するが、チルト位置の調整範囲の最上位置において操作部材の連携部が車体側の係合部と対応することから、連携部が係合部に衝突して操作部材の回転操作が支障なく行われる。このため、ステアリングホイールに対して如何なる状態で運転者が二次衝突した場合でも、車体側の係合部に連携部を衝突させて操作部材が確実に解除位置に切換えられる。
以上説明したように請求項1の発明のステアリングコラム装置の衝撃吸収構造によれば、運転者のステアリングホイールへの二次衝突時に安定したエネルギ吸収特性を実現でき、もって乗員保護性能を向上させることができる。
請求項2の発明のステアリングコラム装置の衝撃吸収構造によれば、請求項1に加えて、ステアリングホイールに対する運転者の二次衝突状態に関わらず、常に安定したエネルギ吸収特性を発揮させることができる。
以下、本発明を具体化したステアリングコラム装置の衝撃吸収構造の一実施形態を説明する。
図1は本実施形態のステアリングコラム装置の衝撃吸収構造のチルトレバー固定時を示す斜視図、図2は同じくステアリングコラム装置の衝撃吸収構造のチルトレバー強制解除時を示す斜視図、図3はチルトレバー周辺の構成を示す図1のIII−III線断面図、図4はステアリングコラム装置の衝撃吸収構造のチルトレバー固定時を示す側面図、図5は同じくチルトレバー固定時を示す図1のA矢視図である。なお、図1,2,4ではステアリングコラム装置を水平姿勢で示しているが、実際のステアリングコラム装置は、図の左側に相当する基端側(反ステアリングホイール側)を斜め下方に指向させ、図の右側に相当する先端側(ステアリングホイール側)を斜め上方に指向させた斜状姿勢で車室内に配置されている。
車室内のダッシュパネルの下方には、例えば左右のAピラーを連結するクロスメンバ等の車体構造材1(図4,5に示す)が設けられ、ステアリングコラム装置はロアブラケット2及びアッパブラケット3(ブラケット部材)により車体構造材1に吊下支持されている。ステアリングコラム装置のステアリングコラム4は先端側のアウタパイプ4a及び基端側のインナパイプ4bからなり、詳細は後述するが、アウタパイプ4a内にインナパイプ4bが軸方向に摺動可能に嵌挿されている。アウタパイプ4a及びインナパイプ4bの内部にはそれぞれステアリングシャフト5a,5bが回転可能に支持され、両ステアリングシャフト5a,5bはステアリングコラム4内でスプラインにより軸方向に摺動可能、且つ相対回転不能に結合されている。
インナパイプ4b側のステアリングシャフト5bの基端は図示しない中間シャフトを介してステアリングギヤボックスと連結され、アウタパイプ4a側のステアリングシャフト5aの先端にはステアリングホイール9(図4に示す)が取り付けられている。ステアリングホイール9の回転はステアリングシャフト5a,5b及び中間シャフトを介してギヤボックスに入力され、ギヤボックスからタイロッドエンドを介してナックルアームに伝達されて左右の操舵輪が操舵される。
車体構造材1の下面には上記ロアブラケット2が固定され、このロアブラケット2によりステアリングコラム4の基端側がピボットピン6を介して支持されると共に、ピボットピン6を中心としてステアリングコラム4の先端側が上下方向に揺動し得る。
図1,4に示すように、車体構造材1のロアブラケット2より後方位置には車幅方向に所定間隔をおいて一対のカプセル7(保持部材、係合部)が配設され、両カプセル7は上下方向に貫設されたボルト孔7aを介して下方からボルト8により車体構造材1に固定されている。両カプセル7には、それぞれ車幅方向に向けて開口する水平溝7bが形成されている。
上記アッパブラケット3は、水平な平板状をなす取付座10の下面にブラケット部11を溶接固定してなり、ブラケット部11は下方に開口する略コ字状をなして一対の側壁11aを車幅方向に所定間隔をおいて相対向させている。アッパブラケット3の取付座10には両カプセル7と対応するように一対の切欠10aが形成され(図2に示す)、取付座10は各切欠10aの箇所をそれぞれカプセル7の水平溝7b内に基端側より挿入された上で、カプセル7の四隅を貫通する合成樹脂製のピン12により水平溝7b内から基端側への離脱を規制されている。
上記アウタパイプ4aの基端上面には挟持ブロック13が一体形成され、この挟持ブロック13はアッパブラケット3の両側壁11a間に下方より嵌め込まれている。アウタパイプ4aの基端上面に形成された分割溝13aにより挟持ブロック13は左右一対に分断され、アウタパイプ4aの基端側は両挟持ブロック13を接近させながら縮径し得る。
図3に示すように、アウタパイプ4aの挟持ブロック13及びその両側に位置するアッパブラケット3の側壁11aには、それぞれ左右に調整孔13b,11bが貫設されている。これらの調整孔13b,11bには左方よりチルトボルト14(クランプ手段)が挿入され、チルトボルト14の先端は右側の側壁11aより突出してスラストベアリング15を介してナット16(クランプ手段)が螺合している。このチルトボルト14によりアッパブラケット3とアウタパイプ4aとが連結され、結果として車体構造材1からアッパブラケット3を介してステアリングコラム4の中間部(アウタパイプ4aの基端側)が支持されている。
挟持ブロック13に形成されたテレスコ調整孔13bはステアリングコラム4の軸方向に延びる長孔状をなし、両側壁11aに形成されたチルト調整孔11bはステアリングコラム4の軸方向と直交する上下方向に延びる長孔状をなしている。これらの調整孔13b,11bの範囲内でチルトボルト14はステアリングコラム4の軸方向及び上下方向に任意に位置変更可能であり、それに応じてアッパブラケット3に対するアウタパイプ4aの軸方向位置(即ち、テレスコピック位置)が変更されると共に、上記ピボットピン6を中心としたアウタパイプ4aの上下位置(即ち、チルト角度)が変更される。
アッパブラケット3の左側の側壁11aとチルトボルト14の頭部との間において、チルトボルト14にはチルトレバー18(操作部材)の基端と一対のリングカム19a,19b(クランプ手段)とが回転自在に嵌め込まれ、チルトレバー18はクランク状に折曲形成されて先端を運転者側に指向させている。チルトレバー18の基端と左側のリングカム19aとは図示しない係合部により相対回転を規制され、同様に右側のリングカム19bとアッパブラケット3の側壁11aとは図示しない係合部により相対回転を規制されている。
図5に示すように、両リングカム19a,19bの対向面にはカムが形成され、チルトボルト14を中心としたチルトレバー18の回転に伴って両リングカム19a,19bの相対位相が変化すると、カム作用により両リングカム19a,19bの厚み(チルトボルト14の軸方向に沿った寸法)が変化する。これにより、リングカム19a,19bとナット16で位置決めされたスラストベアリング15との間隔が変化し、それに応じてリングカム19a,19bとスラストベアリング15との間に位置するアッパブラケット3の側壁11a及びアウタパイプ4aの挟持ブロック13には、チルトボルト14の軸方向に沿ったクランプ力が作用する。
具体的には、運転者の操作によりチルトレバー18は、図1に示す固定位置と図2に示す解除位置との間で切換えられる。図6は本実施形態のステアリングコラム装置の衝撃吸収構造のチルトレバー強制解除時を示す側面図、図7は同じくチルトレバー強制解除時を示す図2のB矢視図である。図2,7に示すチルトレバー18の解除位置では、両リングカム19a,19bの厚みが最小になってスラストベアリング15との間隔が拡大されるため、アッパブラケット3の両側壁11a及びアウタパイプ4aの挟持ブロック13にクランプ力は作用しない。よって、両側壁11a間での挟持ブロック13の軸方向及び上下方向の移動が許容され、且つインナパイプ4bに対するアウタパイプ4aの軸方向の摺動も許容され、上記のようにアウタパイプ4aを軸方向及び上下方向に位置変更してテレスコピック位置及びチルト位置を任意に調整可能となる。
また、図1,5に示すチルトレバー18の固定位置では、両リングカム19a,19bの厚みが増加するため、リングカム19a,19bとスラストベアリング15との間で両側壁11a及び挟持ブロック13にはチルトボルト14の軸方向にクランプ力が作用する。結果として両側壁11a間での挟持ブロック13の移動が規制され、且つ縮径したアウタパイプ4aによりインナパイプ4bが挟持されて摺動が規制され、テレスコピック位置及びチルト位置が固定される。以上により、テレスコピック位置を調整するテレスコピック機構及びチルト位置を調整するチルト機構が構成されている。
図示はしないが、左側のカプセル7とアッパブラケット3の取付座10とは鋼板製のエネルギ吸収材(エネルギ吸収手段)により連結されている。エネルギ吸収材の詳細は周知のため説明しないが、ステアリングホイール9に対する運転者の二次衝突によりアッパブラケット3と共にステアリングコラム4を脱落させたときに、カプセル7とアッパブラケット3の取付座10との離間に伴ってエネルギ吸収材に変形(カーリング)と引き裂き(リッピング)とを生起させて衝突エネルギを吸収する機能を果たすものである。
一方、上記チルトレバー18の基端近傍には、連携爪21(連携部)が直角に折曲形成されている。チルト位置の調製時にはアウタパイプ4aと共にチルトレバー18も上下方向に位置変更するため、それに応じて連携爪21の位置も変化し、チルトレバー18の操作位置(固定位置、解除位置)によっても連携爪21の位置は変化する。ここで、連携爪21の位置は、チルト位置が最上位置(ステアリングコラム4を最も直立させた位置)で、且つチルトレバー18が固定位置の状態において、左側のカプセル7に対してステアリングコラム4の先端側(後側)に僅かな間隔をおいて対応するように設定されている。
次に、以上のように構成されたステアリングコラム装置の衝撃吸収構造の作用を説明する。
車両衝突時の衝撃吸収作用の説明に先立って、テレスコピック位置及びチルト位置の調整手順について概述する。これらの調整はチルトレバー18の操作により一括して実行可能であり、まず、図2に示すようにチルトレバー18を解除位置に切換える。これによりアッパブラケット3の両側壁11a間での挟持ブロック13の軸方向及び上下方向の移動が許容され、インナパイプ4bに対するアウタパイプ4aの軸方向の摺動も許容されるため、ステアリングホイール9を把持して前後位置(軸方向位置)及び上下位置を調整可能となる。所望の位置に調整後にチルトレバー18を固定位置に切換えると、アッパブラケット3の両側壁11a間での挟持ブロック13の移動が規制されると共に、インナパイプ4bに対するアウタパイプ4aの摺動も規制され、テレスコピック位置及びチルト位置が固定されてステアリングホイール9の位置調整が完了する。
調整後のチルト位置に応じて、左側のカプセル7に対するチルトレバー18の連係爪21の位置関係は相違し、チルト位置が最上位置のときを除くほとんどの場合には、連携爪21はカプセル7と対応しない位置となる。
そして、車両の衝突により運転者がステアリングホイール9に二次衝突したときには、ステアリングホイール9及びアウタパイプ4a側のステアリングシャフト5aを介してステアリングコラム4には軸方向への荷重が作用する。これと同時に、ステアリングホイール9と運転者との位置関係によりステアリングコラム4には上方(直立方向)への荷重が作用する。これらの荷重はリングカム19a,19bにより発生したクランプ力を上回るため、アッパブラケット3の両側壁11a間でアウタパイプ4aの挟持ブロック13が滑りを生じながら基端側且つ上側に移動すると共に、インナパイプ4bの外周面に対してアウタパイプ4aが滑りを生じながら基端側に移動する。
結果としてステアリングコラム4はテレスコピック位置を基端側に変化させながらチルト位置を上側に変化させ、テレスコピック位置が最前位置に到達し、チルト位置が最上位置に到達すると、チルトレバー18の連携爪21は左側のカプセル7に対応する。よって、衝突以前にテレスコピック位置及びチルト位置がどのように調整されている場合でも、最終的には連携爪21がカプセル7と対応することになる。そして、この時点でチルトボルト14はテレスコ調整孔13及びチルト調整孔11bのストローク端に位置するため、それ以上にテレスコピック位置及びチルト位置が変化することはないが、軸方向の荷重はアッパブラケット3の取付座10をカプセル7に固定している各ピン12に作用し、これらのピン12が破断される。
従って、アッパブラケット3の取付座10をカプセル7の水平溝7b内から基端側に離脱させながら、アウタパイプ4aはテレスコピック位置の最前位置を越えてさらに基端側に移動する。これによりカプセル7に対してアッパブラケット3が切り離され、ピボットピン6を中心としてステアリングコラム装置全体が車体構造材1から脱落するのであるが、本実施形態では、これに先立ってチルトレバー18が強制的に解除される。
即ち、このときにはアウタパイプ4aと一体でチルトレバー18も基端側に移動し、僅かに移動した時点でチルトレバー18の連携爪21がカプセル7に先端側(後方側)より衝突するため、チルトボルト14を中心とした回転モーメントがチルトレバー18に発生する。回転モーメントは図4に矢印で示す時計回りに生じることから、固定位置にあるチルトレバー18が解除位置まで強制的に回転操作され、挟持ブロック13へのクランプ力が消失してインナパイプ4bに対するアウタパイプ4aの挟持が解除される。
その直後にカプセル7の水平溝7bからアッパブラケット3の取付座10が離脱して、ピボットピン6を中心としてステアリングコラム装置全体が脱落し、これと並行してステアリングコラム4を収縮させながらエネルギ吸収材により衝突エネルギが吸収される。既にインナパイプ4bに対するアウタパイプ4aの挟持が解除されていることから、ステアリングコラム4はほとんど軸方向の荷重を要することなく収縮するため、収縮に要する軸方向の荷重がエネルギ吸収材のエネルギ吸収特性に対して上乗せされる現象が未然に防止される。従って、運転者の二次衝突によりステアリングコラム4に作用した軸方向の荷重は、エネルギ吸収材の安定したエネルギ吸収特性により消費されることになり、所期の衝撃吸収を発揮させて乗員保護性能を向上させることができる。
また、どのようなチルト位置に調整されている場合であっても、上記のように運転者とステアリングホイール9との位置関係によりステアリングコラム4には上方への荷重が作用することにより、クランプ力に抗してチルト位置は最上位置に強制的に変更されるが、この現象を想定して、チルト位置が最上位置のときにチルトレバー18の連携爪21をカプセル7と対応させている。従って、ステアリングホイール9に対して如何なる状態で運転者が二次衝突した場合でも、連携爪21をカプセル7に衝突させてチルトレバー18を解除位置に切換えることができ、もって上記安定したエネルギ吸収特性を常に確実に発揮させることができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、ステアリングコラムのチルト位置を調整するチルト機構を備えたステアリングコラム装置に具体化したが、これに限定されることはなく、例えば、チルト機構を省略してテレスコピック機構のみを備えたステアリングコラム装置として具体化してもよい。
また、上記実施形態では、変形(カーリング)及び引き裂き(リッピング)によりエネルギ吸収作用を奏する鋼板製のエネルギ吸収材を適用したが、本発明のエネルギ吸収手段はこれに限ることはなく、例えばステアリングシャフト内に封入したシリコンゴムを二次衝突時の軸方向の荷重により外部に押し出してエネルギ吸収してもよい。
また、上記実施形態では、アッパブラケット3を支持するカプセル7に連結爪21を衝突させてチルトレバー18を回転操作したが、このカプセル7に代えて、本発明の係合部として機能する専用の部材を車体側に設けてもよい。
実施形態のステアリングコラム装置の衝撃吸収構造のチルトレバー固定時を示す斜視図である。 同じくステアリングコラム装置の衝撃吸収構造のチルトレバー強制解除時を示す斜視図である。 チルトレバー周辺の構成を示す図1のIII−III線断面図である。 ステアリングコラム装置の衝撃吸収構造のチルトレバー固定時を示す側面図である。 同じくチルトレバー固定時を示す図1のA矢視図である。 ステアリングコラム装置の衝撃吸収構造のチルトレバー強制解除時を示す側面図である。 同じくチルトレバー強制解除時を示す図2のB矢視図である。
符号の説明
4 ステアリングコラム
5a,5b ステアリングシャフト
7 カプセル(保持部材、係合部)
9 ステアリングホイール
14 チルトボルト(クランプ手段)
16 ナット(クランプ手段)
18 チルトレバー(操作部材)
19a,19b リングカム(クランプ手段)
21 連携爪(連携部)

Claims (2)

  1. 車体側に設けられた保持部材に対して反ステアリングホイール側から係合保持され、反ステアリングホイール側への移動に伴って上記保持部材から離脱するブラケット部材と、
    上記ブラケット部材の上記保持部材からの離脱に伴ってエネルギ吸収作用を奏するエネルギ吸収手段と、
    先端に上記ステアリングホイールが固定されたステアリングシャフトを回転可能に支持し、上記ブラケット部材に対して軸方向に位置調整可能に連結されたステアリングコラムと、
    操作部材の回転に伴って上記ステアリングコラムの位置調整を許容する解除位置と位置調整を規制する固定位置との間で切換えられるクランプ手段と、
    上記車体側に設けられた係合部のステアリングホイール側に位置するように上記操作部材の一側に設けられ、上記ブラケット部材と共に上記ステアリングコラムが反ステアリングホイール側に移動したときに、上記係合部に衝突して上記操作部材を解除位置に回転操作する連携部と
    を備えたことを特徴とするステアリングコラム装置の衝撃吸収構造。
  2. 上記ステアリングコラムは、上記ブラケット部材に対して軸方向に加えて上下方向にも位置調整可能に連結され、
    上記連携部は、上記ステアリングコラムの上下方向への調整範囲の最上位置において上記係合部と対応することを特徴とする請求項1記載のステアリングコラム装置の衝撃吸収構造。
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