JP4830774B2 - ハイブリッド車両のロールバック防止装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動力源としてエンジンおよびモータ/ジェネレータを具え、これらエンジンおよびモータ/ジェネレータの少なくとも一方からの動力を自動変速機による変速下に車輪へ伝達して走行可能であるが、発進時はモータ/ジェネレータからの動力のみによる電気走行モードを選択するハイブリッド車両に関し、
登坂路発進時に車両が、モータ/ジェネレータの故障や、モータ駆動力不足に起因して後退するロールバックを防止する技術に関するものである。
上記のようなハイブリッド車両に用いるハイブリッド駆動装置としては従来、様々な型式のものが提案されているが、そのうちの1つとして、特許文献1に記載のごときものが知られている。
このハイブリッド駆動装置は、エンジン回転を変速機に向かわせる軸に結合して、これらエンジンおよび変速機間にモータ/ジェネレータを具え、エンジンおよびモータ/ジェネレータ間を切り離し可能に結合する第1クラッチを有すると共に、モータ/ジェネレータおよび変速機出力軸間を切り離し可能に結合する第2クラッチをトルクコンバータの代わりに有した構成になるものである。
かかるハイブリッド駆動装置を具えたハイブリッド車両は、第1クラッチを解放すると共に第2クラッチを締結する場合、モータ/ジェネレータからの動力のみにより走行する電気走行(EV)モードとなり、第1クラッチおよび第2クラッチをともに締結する場合、エンジンおよびモータ/ジェネレータの双方からの動力により走行可能なハイブリッド走行(HEV)モードとなり得る。
なお、エンジン始動のためのスタータモータは備えず、EV→HEVモード切り替え時のエンジン始動に当たっては、第1クラッチ6を締結し、モータ/ジェネレータ5の動力によりエンジン1をクランキングして、エンジン1を始動可能な回転数まで回転上昇させるものとする。
かかるハイブリッド車両において、発進時は通常、低負荷・低車速時における駆動力制御のし易さから電気走行(EV)モードで走行を開始するのが普通である。
ところで、登坂路発進時にモータ/ジェネレータが故障していたり、バッテリ蓄電状態の悪化やモータ/ジェネレータの温度上昇に起因してモータ駆動力が不足すると、発進を希望したアクセルペダルの踏み込みにもかかわらず車両が後退するロールバックを生ずる。
このロールバックは、運転者の意図する前進と逆向きであり、運転者を大いに戸惑わせる。
また、モータ/ジェネレータの故障はエンジン故障と違って、モータ駆動音がもともと小さくて故障により音がしなくなってもそれに気づきにくいし、バッテリ蓄電状態の悪化やモータ/ジェネレータの温度上昇に起因してモータ駆動力が不足する事態も予測できないため、上記のロールバックが運転者の予測できないところで発生し、戸惑いも大きい。
なおハイブリッド車両にあっては、駆動力不足になると本来ならエンジンを始動させてEV→HEVモード切り替えによりエンジン動力を用いた走行モードにすることから、基本的に上記のロールバックを回避し得るものであるが、前述のようにエンジン始動用のスタータモータを備えないハイブリッド車両にあってモータ/ジェネレータの故障時は、これからの動力を用いたエンジン始動もかなわず、上記のロールバックを避け難い。
車両のロールバックを回避する技術としては従来、特許文献2に記載のような自動ブレーキを用いてロールバックを防止する技術が一般的なものとして知られており、これをハイブリッド車両のロールバック防止に用いることも考えられる。
特開平11−082260号公報 特開2005−048908号公報
しかし、この対策ではロールバック防止構造の追加になり、余分な装置の付加でコスト高になると共に、メインテナンス費用も嵩み、得策でない。
本発明は、ハイブリッド車両がエンジンやモータ/ジェネレータからの動力を自動変速機による変速下に車輪へ伝達して走行するのが一般的であり、また、自動変速機が変速用摩擦要素(クラッチや、ブレーキなど)の締結の組み合わせにより、出力軸の車両後退方向回転を阻止する後退回転阻止変速段(実用する変速段だけでなく、使用しない変速段の場合もある)を選択可能であるのが普通であり、
自動変速機をこの後退回転阻止変速段が選択された状態にすることでロールバックを防止し得るとの事実認識に基づき、
この着想を具体化して、上記のコスト高やメインテナンス費用の問題を生ずることなく、ロールバックを防止し得るようにした装置を提案することを目的とする。
この目的のため、本発明によるハイブリッド車両のロールバック防止装置は、以下の構成とする。
先ず、前提となるハイブリッド車両を説明するに、これは、
動力源としてエンジンおよびモータ/ジェネレータを具え、これらエンジンおよびモータ/ジェネレータの少なくとも一方からの動力を自動変速機による変速下に車輪へ伝達して走行可能であるが、発進時はモータ/ジェネレータからの動力のみによる電気走行モードを選択し、前記自動変速機が出力軸の車両後退方向回転を阻止する状態を選択可能なものである。
本発明は、かかるハイブリッド車両において、
前記モータ/ジェネレータが発進に必要な動力を発生し得ないと判定することにより、発進時に車両が後退するロールバックを予測するロールバック予測手段と、
該手段により車両のロールバックが予測されることによって、前記自動変速機を、出力軸の車両後退方向回転が阻止される状態にするロールバック防止変速手段とを具備してなることを特徴とするものである。
上記した本発明によるハイブリッド車両のロールバック防止装置によれば、
ロールバック予測手段が車両のロールバックを予測するとき、ロールバック防止変速手段が自動変速機を出力軸の車両後退方向回転が阻止される状態にするため、
自動変速機が後退回転阻止状態になることにより、変速機出力軸の車両後退方向回転を阻止して、車両のロールバックを防止することができる。
ところで本発明によれば、自動変速機を後退回転阻止状態にするだけで上記のロールバック防止作用を得ることができるから、ロールバック防止用に自動ブレーキ等の新たな装置を付加することなく、従って、従来生じていたコスト高やメインテナンス費用の問題を生ずることなく、安価にロールバック防止装置の構築が可能である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明のロールバック防止装置を適用可能なハイブリッド駆動装置を具えたフロントエンジン・リヤホイールドライブ式ハイブリッド車両のパワートレーンを示し、1はエンジン、2は駆動車輪(後輪)である。
図1に示すハイブリッド車両のパワートレーンにおいては、通常の後輪駆動車と同様にエンジン1の車両前後方向後方に自動変速機3をタンデムに配置し、エンジン1(フライホイールF/Wを有したクランクシャフト1a)からの回転を自動変速機3の入力軸3aへ伝達する軸4に結合してモータ/ジェネレータ5を設ける。
モータ/ジェネレータ5は、モータとして作用したり、ジェネレータ(発電機)として作用するもので、エンジン1および自動変速機3間に配置する。
このモータ/ジェネレータ5およびエンジン1間に、より詳しくは、軸4とエンジンクランクシャフト1aとの間に第1クラッチ6を介挿し、この第1クラッチ6によりエンジン1およびモータ/ジェネレータ5間を切り離し可能に結合する。
ここで第1クラッチ6は、伝達トルク容量を連続的または段階的に変更可能なものとし、例えば、比例ソレノイドでクラッチ作動油流量およびクラッチ作動油圧を連続的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチで構成する。
モータ/ジェネレータ5および自動変速機3間に、より詳しくは、軸4と変速機入力軸3aとの間に第2クラッチ7を介挿し、この第2クラッチ7によりモータ/ジェネレータ5および自動変速機3間を切り離し可能に結合する。
第2クラッチ7も第1クラッチ6と同様、伝達トルク容量を連続的または段階的に変更可能なものとし、例えば、比例ソレノイドでクラッチ作動油流量およびクラッチ作動油圧を連続的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチで構成するが、
好ましくは、自動変速機3へのトルク変動を緩和するようトーショナルダンパを内蔵したものとするのが良い。
自動変速機3は、2003年1月、日産自動車(株)発行「スカイライン新型車(CV35型車)解説書」第C−9頁〜第C−22頁に記載されたと同じものとし、複数の変速摩擦要素(クラッチやブレーキ等)を選択的に締結したり解放することで、これら変速摩擦要素の締結・解放組み合わせにより伝動経路(変速段)を決定するものとする。
従って自動変速機3は、入力軸3aからの回転を選択変速段に応じたギヤ比で変速して出力軸3bに出力する。
この出力回転は、ディファレンシャルギヤ装置8により左右後輪2へ分配して伝達され、車両の走行に供される。
自動変速機3は、図4に示すごときもので、以下にその概略を説明する。
入出力軸3a,3bは同軸突き合わせ関係に配置し、これら入出力軸3a,3b 上にエンジン1(モータ/ジェネレータ5)の側から順次フロントプラネタリギヤ組Gf、センタープラネタリギヤ組Gm、およびリヤプラネタリギヤ組Grを載置して具え、これらを自動変速機3における遊星歯車変速機構の主たる構成要素とする。
エンジン1(モータ/ジェネレータ5)に最も近いフロントプラネタリギヤ組Gfは、フロントサンギヤSf 、フロントリングギヤRf 、これらに噛合するフロントピニオンPf 、および該フロントピニオンを回転自在に支持するフロントキャリアCf よりなる単純遊星歯車組とし、
次にエンジン1(モータ/ジェネレータ5)に近いセンタープラネタリギヤ組Gmは、センターサンギヤSm 、センターリングギヤRm 、これらに噛合するセンターピニオンPm 、および該センターピニオンを回転自在に支持するセンターキャリアCm よりなる単純遊星歯車組とし、
エンジン1(モータ/ジェネレータ5)から最も遠いリヤプラネタリギヤ組Grは、リヤサンギヤSr 、リヤリングギヤRr 、これらに噛合するリヤピニオンPr 、および該リヤピニオンを回転自在に支持するリヤキャリアCr よりなる単純遊星歯車組とする。
遊星歯車変速機構の伝動経路(変速段)を決定する変速摩擦要素としては、フロントブレーキFr/B、インプットクラッチI/C、ハイ・アンド・ローリバースクラッチH&LR/C、ダイレクトクラッチD/C、リバースブレーキR/B、ロー・コーストブレーキLC/B、およびフォワードブレーキFWD/Bを設け、これらを3個のワンウェイクラッチ、つまり3速ワンウェイクラッチ3rd/OWC、1速ワンウェイクラッチ1st/OWCおよびフォワードワンウェイクラッチFWD/OWCとともに、以下のごとくプラネタリギヤ組Gf,Gm,Grの上記構成要素に相関させて自動変速機3の遊星歯車変速機構を構成する。
フロントリングギヤRfは入力軸3aに結合し、センターリングギヤRmは、インプットクラッチI/Cにより適宜入力軸3aに結合可能とする。
フロントサンギヤSfは、3速ワンウェイクラッチ3rd/OWCを介してエンジン1の回転方向と逆の方向へ回転しないようにすると共に、3速ワンウェイクラッチ3rd/OWCに対し並列的に配置したフロントブレーキFr/Bにより適宜固定可能にする。
フロントキャリアCfおよびリヤリングギヤRrを相互に結合し、センターリングギヤRmおよびリヤキャリアCrを相互に結合する。
センターキャリアCmは出力軸3bに結合し、センターサンギヤSmおよびリヤサンギヤSr間は、1速ワンウェイクラッチ1st/OWCを介してセンターサンギヤSmがリヤサンギヤSrに対しエンジン1の回転方向と逆の方向へ回転しないようにすると共に、ハイ・アンド・ローリバースクラッチH&LR/CによりセンターサンギヤSmおよびリヤサンギヤSrを相互に結合可能とする。
リヤサンギヤSrおよびリヤキャリアCr間をダイレクトクラッチD/Cにより結合可能とし、リヤキャリアCrをリバースブレーキR/Bにより適宜固定可能とする。
センターサンギヤSmは更に、フォワードブレーキFWD/BおよびフォワードワンウェイクラッチFWD/OWCにより、フォワードブレーキFWD/Bの締結状態でエンジン1の回転方向と逆の方向へ回転しないようにすると共に、ロー・コーストブレーキLC/Bにより適宜固定可能にし、これがためロー・コーストブレーキLC/BをフォワードブレーキFWD/BおよびフォワードワンウェイクラッチFWD/OWCに対し並列的に設ける。
上記遊星歯車変速機構の動力伝達列は、共線図により示すと図5に示すごときもので、
7個の変速摩擦要素Fr/B,I/C,H&LR/C,D/C,R/B,LC/B,FWD/B、および3個のワンウェイクラッチ3rd/OWC,1st/OWC,FWD/OWCの図6に〇印および●印(エンジンブレーキ時)で示す選択的係合により、前進第1速(1st)、前進第2速(2nd)、前進第3速(3rd)、前進第4速(4th)および前進第5速(5th)の前進変速段と、後退変速段(Rev )とを得ることができる。
上記した自動変速機3を具える図1のパワートレーンにおいては、停車状態からの発進時などを含む低負荷・低車速時に用いられる電気走行(EV)モードが要求される場合、第1クラッチ6を解放し、第2クラッチ7を締結し、自動変速機3を動力伝達状態にする。
この状態でモータ/ジェネレータ5を駆動すると、当該モータ/ジェネレータ5からの出力回転のみが変速機入力軸3aに達することとなり、自動変速機3が当該入力軸3aへの回転を、選択中の変速段に応じ変速して変速機出力軸3bより出力する。
変速機出力軸3bからの回転はその後、ディファレンシャルギヤ装置8を経て後輪2に至り、車両をモータ/ジェネレータ5のみによって電気走行(EV走行)させることができる。
高速走行時や、大負荷走行時や、バッテリの持ち出し可能電力が少ない時などで用いられるハイブリッド走行(HEV走行)モードが要求される場合、第1クラッチ6および第2クラッチ7をともに締結し、自動変速機3を動力伝達状態にする。
この状態では、エンジン1からの出力回転、または、エンジン1からの出力回転およびモータ/ジェネレータ5からの出力回転の双方が変速機入力軸3aに達することとなり、自動変速機3が当該入力軸3aへの回転を、選択中の変速段に応じ変速して、変速機出力軸3bより出力する。
変速機出力軸3bからの回転はその後、ディファレンシャルギヤ装置8を経て後輪2に至り、車両をエンジン1およびモータ/ジェネレータ5の双方によってハイブリッド走行(HEV走行)させることができる。
かかるHEV走行中において、エンジン1を最適燃費で運転させるとエネルギーが余剰となる場合、この余剰エネルギーによりモータ/ジェネレータ5を発電機として作動させることで余剰エネルギーを電力に変換し、この発電電力をモータ/ジェネレータ5のモータ駆動に用いるよう蓄電しておくことでエンジン1の燃費を向上させることができる。
なお図1では、モータ/ジェネレータ5および駆動車輪2を切り離し可能に結合するトーショナルダンパ付き第2クラッチ7を、モータ/ジェネレータ5および自動変速機3間に介在させたが、
図2に示すように、トーショナルダンパ付き第2クラッチ7を自動変速機3およびディファレンシャルギヤ装置8間に介在させても、同様に機能させることができる。
また、図1および図2では第2クラッチ7として専用のものを自動変速機3の前、若しくは、後に追加することとしたが、
この代わりに第2クラッチ7として、図3に示すごとく自動変速機3内に既存する前進変速段選択用の変速摩擦要素または後退変速段選択用の変速摩擦要素を流用するようにしてもよい。
この場合、第2クラッチ7が前記したモード選択機能を果たすのに加えて、この機能を果たすよう締結される時に自動変速機を対応変速段への変速により動力伝達状態にすることとなり、専用の第2クラッチが不要でコスト上大いに有利である。
ただし、自動変速機3の変速摩擦要素はトーショナルダンパを有していないのが通常であることから、変速機入力軸3aおよびモータ/ジェネレータ軸4との間をトーショナルダンパT/Dにより相互に結合するのがよい。
図1〜3に示すハイブリッド車両のパワートレーンを成すエンジン1、モータ/ジェネレータ5、第1クラッチ6、および第2クラッチ7は、図7に示すようなシステムにより制御する。
なお以下では、パワートレーンが図3に示すようなものである(第2クラッチ7として自動変速機3内に既存の変速摩擦要素を流用するもの)である場合につき説明を展開するものとする。
図7の制御システムは、パワートレーンの動作点を統合制御する統合コントローラ20を具え、パワートレーンの動作点を、目標エンジントルクtTeと、目標モータ/ジェネレータトルクtTm(目標モータ/ジェネレータ回転数tNmでもよい)と、第1クラッチ6の目標伝達トルク容量tTc1(第1クラッチ指令圧tPc1)と、第2クラッチ7の目標伝達トルク容量tTc2(第2クラッチ指令圧tPc2)とで規定する。
統合コントローラ20には、上記パワートレーンの動作点を決定するために、
エンジン回転数Neを検出するエンジン回転センサ11からの信号と、
モータ/ジェネレータ回転数Nmを検出するモータ/ジェネレータ回転センサ12からの信号と、
変速機入力回転数Niを検出する入力回転センサ13からの信号と、
変速機出力回転数Noを検出する出力回転センサ14からの信号と、
エンジン1の要求負荷状態を表すアクセルペダル踏み込み量(アクセル開度APO)を検出するアクセル開度センサ15からの信号と、
モータ/ジェネレータ5用の電力を蓄電しておくバッテリ9の蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)を検出する蓄電状態センサ16からの信号と、
モータ/ジェネレータ5の温度Tempを検出する温度センサ17からの信号とを入力する。
なお、上記したセンサのうち、エンジン回転センサ11、モータ/ジェネレータ回転センサ12、入力回転センサ13、および出力回転センサ14はそれぞれ、図1〜3に示すように配置することができる。
統合コントローラ20は、上記入力情報のうちアクセル開度APO、バッテリ蓄電状態SOC、および変速機出力回転数No(車速VSP)から、運転者が希望している車両の駆動力を実現可能な運転モード(EVモード、HEVモード)を選択すると共に、目標エンジントルクtTe、目標モータ/ジェネレータトルクtTm(目標モータ/ジェネレータ回転数tNmでもよい)、目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1(第1クラッチ指令圧tPc1)、および目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2(第2クラッチ指令圧tPc2)をそれぞれ演算する。
目標エンジントルクtTeはエンジンコントローラ21に供給され、目標モータ/ジェネレータトルクtTm(目標モータ/ジェネレータ回転数tNmでもよい)はモータ/ジェネレータコントローラ22に供給される。
エンジンコントローラ21は、エンジントルクTeが目標エンジントルクtTeとなるようエンジン1を制御し、
モータ/ジェネレータコントローラ22はモータ/ジェネレータ5のトルクTm(または回転数Nm)が目標モータ/ジェネレータトルクtTm(または目標モータ/ジェネレータ回転数tNm)となるよう、バッテリ9およびインバータ10を介してモータ/ジェネレータ5を制御する。
統合コントローラ20は、目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1(第1クラッチ指令圧tPc1)および目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2(第2クラッチ指令圧tPc2)に対応したソレノイド電流を第1クラッチ6および第2クラッチ7の油圧制御ソレノイド(図示せず)に供給し、第1クラッチ6の伝達トルク容量Tc1(第1クラッチ圧Pc1)が目標伝達トルク容量tTc1(第1クラッチ指令圧tPc1)に一致するよう、また、第2クラッチ7の伝達トルク容量Tc2(第2クラッチ圧Pc2)が目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2(第2クラッチ指令圧tPc2)に一致するよう、第1クラッチ6および第2クラッチ7を個々に締結力制御する。
統合コントローラ20は、上記した運転モード(EVモード、HEVモード)の選択、そして目標エンジントルクtTe、目標モータ/ジェネレータトルクtTm(目標モータ/ジェネレータ回転数tNmでもよい)、目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1(第1クラッチ指令圧tPc1)、および目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2(第2クラッチ指令圧tPc2)の演算を行うほかに、
図8および図9に示す制御プログラムを実行して、本発明が狙いとする車両のロールバック防止制御を行い、自動変速機3に対してロールバック防止用の変速指令を発する。
ここで、自動変速機3に対するロールバック防止用の変速指令につき以下に説明する。
大抵の有段式自動変速機がそうであるように、本実施例における前記した自動変速機3も、変速摩擦要素の締結の組み合わせにより変速機出力軸3bが車両後退方向への回転(図5の共線図では逆回転と記載した)するのを阻止してロールバック防止機能を発揮し得る変速段(通常は使用しない変速段の場合もある)が存在する。
本実施例における自動変速機3の場合につき以下に説明する。
第1速の選択に際しては図6から明らかなように、ハイ・アンド・ローリバースクラッチH&LR/C、フロントブレーキFr/B、ロー・コーストブレーキLC/B、およびフォワードブレーキFWD/Bを締結することで、3速ワンウェイクラッチ3rd/OWC、1速ワンウェイクラッチ1st/OWCおよびフォワードワンウェイクラッチFWD/OWCの係合を介して第1速を選択することができる。
この場合、フロントブレーキFr/Bの締結によりサンギヤSfが図5の自由回転状態から図10の回転速度0の状態に固定され、ハイ・アンド・ローリバースクラッチH&LR/Cの締結によりサンギヤSm,Srが図5の相対回転状態から図10の一体回転状態にされて遊星歯車組Gr,Gmを表すレバーが相互に重なり、更に一体回転状態にされたサンギヤSm,SrがフォワードブレーキFWD/Bの締結により図5の自由回転状態から図10に示すごとくフォワードワンウェイクラッチFWD/OWCの係合により逆回転を阻止される。
ここで、全ての回転メンバが回転速度を0にされた(遊星歯車組Gf,Gm,Grを表す3本のレバーが回転速度0の横軸上に重なった)停車状態から、キャリアCm(変速機出力軸3b)が車両後退方向へ回転(0から逆回転)される方向の矢Fで示すロールバック力を受けると、
サンギヤSfがフロントブレーキFr/Bの締結により回転速度0の状態に固定され、且つ、ハイ・アンド・ローリバースクラッチH&LR/Cの締結により相互に結合されたサンギヤSm,SrがフォワードブレーキFWD/Bの締結およびフォワードワンウェイクラッチFWD/OWCの係合により回転速度0の状態からの逆回転を阻止されているものの、
遊星歯車組Gfを表すレバーが固定状態のサンギヤSfの周りで自由に回動し得ることから、ロールバック力FによりキャリアCm(変速機出力軸3b)が回転速度0の状態から車両後退方向へ回転(逆回転)され得て、1速選択状態で車両のロールバックは防止することはできない。
一方、自動変速機3を第2速選択状態にするに際しては図6から明らかなように、ダイレクトクラッチD/C、フロントブレーキFr/B、ロー・コーストブレーキLC/B、およびフォワードブレーキFWD/Bを締結することで、3速ワンウェイクラッチ3rd/OWC、およびフォワードワンウェイクラッチFWD/OWCの係合を介して自動変速機3を第2速選択状態にすることができる。
この場合、フロントブレーキFr/Bの締結によりサンギヤSfが図5の自由回転状態から図11の回転速度0の状態に固定され、ダイレクトクラッチD/Cの締結により遊星歯車組GrのリングギヤRr、キャリアCrおよびサンギヤSrの回転速度が全て同じにされて遊星歯車組Grを表すレバーが図5の傾斜状態から図11の水平状態に保たれ、更にフォワードブレーキFWD/Bの締結により、サンギヤSmが図5の自由回転状態から図11に示すごとくフォワードワンウェイクラッチFWD/OWCの係合により逆回転を阻止されると共に、サンギヤSrが図5の自由回転状態から図11に示すごとく1速ワンウェイクラッチ1st/OWCおよびフォワードワンウェイクラッチFWD/OWCの係合により逆回転を阻止される。
ここで、全ての回転メンバが回転速度を0にされた(遊星歯車組Gf,Gm,Grを表す3本のレバーが回転速度0の横軸上に重なった)停車状態から、キャリアCm(変速機出力軸3b)が車両後退方向へ回転(0から逆回転)される方向の矢Fで示すロールバック力を受けても、
サンギヤSfがフロントブレーキFr/Bの締結により回転速度0の状態に固定され、且つ、サンギヤSm,SrがフォワードブレーキFWD/Bの締結によりフォワードワンウェイクラッチFWD/OWCの係合や1速ワンウェイクラッチ1st/OWCの係合を介して回転速度0の状態からの逆回転を阻止されており、更に、ダイレクトクラッチD/Cの締結で遊星歯車組Grを表すレバーが回転速度0の横軸上にあって水平に保たれるため、
キャリアCm(変速機出力軸3b)が回転速度0の状態から車両後退方向へ回転(逆回転)され得ず、2速選択状態では車両のロールバックを防止することができる。
従って第2速は、本発明における後退回転阻止変速段に相当する。
図7の統合コントローラ20は、自動変速機3が上記のように第2速選択状態で車両のロールバックを防止することができることから、この変速状態を用いて車両のロールバックを防止すべく、EV走行モードにおいて図8および図9の制御プログラムを実行する。
図8は、車両のロールバックが発生するか否かを予測するロールバック判定(予測)処理ルーチンで、ステップS11においては、モータ/ジェネレータ5の出力特性マップなどを基にバッテリ蓄電状態SOCおよびモータ/ジェネレータ温度Tempから、アクセル開度APOを最大にした時にモータ/ジェネレータ5が発生可能な最大出力Pmmaxを求める。
次のステップS12においては、現在のモータ/ジェネレータ出力Pmを、演算または検出により求める。
次のステップS13では、ステップS11で求めたモータ/ジェネレータ5の発生可能最大出力Pmmaxが、停車時における路面勾配から求めた車両の発進に必要な動力の下限値に余裕代を加算して得られる目標モータ/ジェネレータ出力Pmset未満か否かを、つまり、このまま停車した場合、次の発進時に出力不足によりロールバックを発生するようなモータ/ジェネレータ駆動環境か否かをチェックする。
ステップS13でモータ/ジェネレータ発生可能最大出力Pmmaxが目標出力Pmset以上と判定するときは、つまり、出力不足によりロールバックを発生するモータ/ジェネレータ駆動環境でないと判定するときは、制御をステップS14に進めてアクセル開度APOが0よりも大きいアクセルペダル踏み込み状態か否かをチェックする。
APO>0のアクセルペダル踏み込み状態である場合は、ステップS15において、ステップS12で求めた現在のモータ/ジェネレータ出力Pmが故障判定値Pmmin未満か否かをチェックする。
ステップS14でアクセルペダル踏み込み状態でない(アクセルペダル釈放状態)と判定したり、ステップS15で現在のモータ/ジェネレータ出力Pmが故障判定値Pmmin未満でないと判定するときは、アクセルペダルの踏み込みによる発進操作が行われていないことや、モータ/ジェネレータ5が故障していないことから、制御をステップS11に戻して上記のロールバック判定(予測)ループを継続的に実行する。
ステップS13でPmmax<Pmset(出力不足によりロールバックが発生する)と判定する場合は、ステップS17において当該ロールバックを防止する制御を開始する。
また、ステップS13でPmmax≧Pmset(出力不足によるロールバックが発生しない)と判定する場合は、ステップS14でアクセル開度APO>0(アクセルペダル踏み込み状態)と判定しているにもかかわらずステップS15でモータ/ジェネレータ出力Pmが故障判定値Pmmin未満である(故障によりロールバックが発生する)と判定する時に、ステップS16において、このことを示すようにフラグFLAGを1にセットした後、ステップS17において当該ロールバックを防止する制御を開始する。
従ってステップS13〜ステップS15は、本発明におけるロールバック予測手段に相当する。
ロールバック防止制御は図9に示すごときもので、先ずステップS21において、ロールバック防止用に前記した後退回転阻止変速段である第2速への変速を行うとモータ/ジェネレータ5が許容回転を超える過回転状態になる車速域(車速VSP≧過回転判定車速VSPs)か否かを判定する。
車速VSPが過回転判定車速VSPs以上であれば、モータ/ジェネレータ5が過回転してその耐久性に悪影響が及ぶことから、制御をそのまま終了して自動変速機を第2速へ変速するロールバック防止制御を行わない。
従ってステップS21は、本発明におけるロールバック防止変速禁止手段に相当する。
ステップS21で過回転車速域にない低車速と判定するときは、以下のようにロールバック防止実行する。
先ずステップS22において、自動変速機2をロールバック防止用の後退回転阻止変速段である第2速へ変速する指令を発し、当該変速を実行させることにより、自動変速機2の前記した出力軸後退回転不可機能を介して車両のロールバックを防止する。
従ってステップS22は、本発明におけるロールバック防止変速手段に相当する。
次のステップS23においては、モータ/ジェネレータコントローラ22(図7参照)への目標モータ/ジェネレータトルクtTmを0にする。
従ってステップS23は、本発明におけるモータ停止手段に相当する。
なお、かように目標モータ/ジェネレータトルクtTmを0にする理由は、モータ/ジェネレータ5が温度Tempの上昇により出力不足となってロールバックを生じた場合に、温度低下を促してモータ/ジェネレータ5が再びロールバックを生ずることのない動力を発生し得るような温度状態にするためである。
次のステップS24においては、前記のフラグFLAGがステップS16で1に設定されたか否かを、つまり、モータ/ジェネレータ5の故障によるロールバックが発生するか否かをチェックする。
モータ/ジェネレータ5の故障によりロールバックが発生すると予測される場合は、EV走行不能であるから、ステップS26〜ステップS29によるEV走行復帰制御を行わず、ステップS25で故障の警報を発した後、制御をそのまま終了する。
ステップS24でフラグFLAGが1でないと判定するとき、つまり、モータ/ジェネレータ5の故障によりロールバックが発生するのではなく、モータ/ジェネレータ5の出力不足によりロールバックが発生すると予測される場合は、モータ/ジェネレータがEV走行可能な駆動環境に復帰する可能性があるから、ステップS26〜ステップS29によるEV走行復帰制御を以下のごとくに行う。
ステップS26においては、モータ/ジェネレータ5の出力特性マップなどを基にバッテリ蓄電状態SOCおよびモータ/ジェネレータ温度Tempから、アクセル開度APOを最大にした時にモータ/ジェネレータ5が発生可能な最大出力Pmmaxを求める。
次のステップS27においては、モータ/ジェネレータ5の発生可能最大出力Pmmaxが、停車時における路面勾配から求めた目標モータ/ジェネレータ出力Pmset(ステップS13におけると同じもの)にヒステリシス分αを加算して得られるモータ出力復帰判定値(Pmset+α)以上で、且つ、アクセルペダルを釈放してブレーキを操作した状態か否かをチェックする。
ステップS27でPmmax≧(Pmset+α)、且つ、アクセルペダルを釈放してブレーキを操作した状態であると判定するまでは、制御をステップS26に戻してこれらの復帰条件が整うまで待機する。
ステップS27でPmmax≧(Pmset+α)、且つ、アクセルペダルを釈放してブレーキを操作した状態であると判定するとき、制御をステップS28に進めてロールバック防止制御を終了する共に、自動変速機3を車両運転状態に応じて通常通りに変速制御し、ステップS29でEV走行を開始させる。
なお上記実施例では、ロールバック防止用の後退回転阻止変速段が第2速である場合について説明したが、自動変速機3にあってはそれ以外に、第3速や第5速もロールバック防止用の後退回転阻止変速段として用いることができ、また、これら実用変速段だけでなく、図6の最下段に示す変速摩擦要素の締結の組み合わせにより得られる、実際には使わない変速段もロールバック防止用の後退回転阻止変速段として用いることができる。
図6の最下段に示す、ロールバック防止用の後退回転阻止変速段は、インプットクラッチI/C、ハイ・アンド・ローリバースクラッチH&LR/C、およびフォワードブレーキFWD/Bの締結により、フォワードワンウェイクラッチFWD/OWCの係合を介して選択することができる。
この場合、インプットクラッチI/Cの締結によりリングギヤRfおよびキャリアCrが図5の相対回転状態から図12の一体回転状態にされて、遊星歯車組Gf,Grを表すレバーが相互に一直線上に重なる。
また、ハイ・アンド・ローリバースクラッチH&LR/Cの締結によりサンギヤSm,Srが図5の相対回転状態から図12の一体回転状態にされて、遊星歯車組Gr,Gmを表すレバーが相互に一直線上に重なる。
従って、遊星歯車組Gf,Gr,Gmを表す3本のレバー全てが図12に示すごとく相互に一直線上に重なる
一方でサンギヤSfは、3速ワンウェイクラッチ3rd/OWCの係合により逆回転を阻止され、また、上記のごとく一体回転状態にされたサンギヤSm,SrがフォワードブレーキFWD/Bの締結によりフォワードワンウェイクラッチFWD/OWCの係合により逆回転を阻止される。
ここで、全ての回転メンバが回転速度を0にされた(遊星歯車組Gf,Gm,Grを表す3本のレバーが回転速度0の横軸上に重なった)停車状態から、キャリアCm(変速機出力軸3b)が車両後退方向へ回転(0から逆回転)される方向の矢Fで示すロールバック力を受けた場合につき考察すると、
サンギヤSfが3速ワンウェイクラッチ3rd/OWCの係合により逆回転を阻止され、且つ、相互に結合されたサンギヤSm,SrがフォワードブレーキFWD/Bの締結およびフォワードワンウェイクラッチFWD/OWCの係合により回転速度0の状態からの逆回転を阻止され、また、遊星歯車組Gf,Gm,Grを表す3本のレバーが相互に重なって1本のレバーと同様に機能することから、
キャリアCm(変速機出力軸3b)が回転速度0の状態から車両後退方向へ回転(逆回転)され得ず、当該変速段が選択された状態でも自動変速機3は車両のロールバックを防止することができる。
従ってこの変速段も、本発明における後退回転阻止変速段に相当する。
而して、本実施例における自動変速機3のように、ロールバック防止機能を果たす後退回転阻止変速段が複数種存在する場合、これら変速段のうち、実用変速段(第2速〜第5速)であって、且つ、最も低速側の変速段(実施例では第2速)へ自動変速機3を投入することにより車両のロールバックを防止するようにするのがよい。
その理由は、低速側の変速段であるほど、ロールバック防止状態から発進可能になった後のEV走行開始時における発進性能が良いためである。
なお更に好ましくは、上記最も低速側の後退回転阻止変速段が、第2速のようにワンウェイクラッチ(フォワードワンウェイクラッチFWD/OWCおよび1速ワンウェイクラッチ1st/OWC)の係合により変速機出力軸3bの車両後退方向回転を阻止する変速段であるのがよい。
その理由は、ワンウェイクラッチの係合により変速機出力軸3bの後退回転を阻止する変速段である場合、ロールバック防止状態から発進可能になった後のEV走行開始時に当該EV走行がワンウェイクラッチの空転により開始され得て、変速摩擦要素の解放制御が一切不要で発進制御性が良いためである。
本発明のロールバック防止装置を適用可能なハイブリッド車両のパワートレーンを示す概略平面図である。 本発明のロールバック防止装置を適用可能な他のハイブリッド車両のパワートレーンを示す概略平面図である。 本発明のロールバック防止装置を適用可能な更に他のハイブリッド車両のパワートレーンを示す概略平面図である。 図1〜3に示したパワートレーンにおける自動変速機を示す骨子図である。 図4に示した自動変速機の共線図である。 図4に示した自動変速機内における変速摩擦要素の締結の組み合わせと、自動変速機の選択変速段との関係を示す締結論理図である。 図3に示したパワートレーンの制御システムを示すブロック線図である。 同制御システムにおける統合コントローラが、ロールバック防止制御に先だって実行するロールバック判定(予測)プログラムを示すフローチャートである。 同制御システムにおける統合コントローラが実行するロールバック防止の制御プログラムを示すフローチャートである。 図4に示した自動変速機の第1速(ロールバック防止不可変速段)選択時における共線図である。 図4に示した自動変速機の第2速(ロールバック防止可能変速段)選択時における共線図である。 図4に示した自動変速機が、不使用変速段ながらロールバックを防止し得る変速段に投入された時における共線図である。
符号の説明
1 エンジン
2 駆動車輪(後輪)
3 自動変速機
Gf フロントプラネタリギヤ組
Gm センタープラネタリギヤ組
Gr リヤプラネタリギヤ組
Fr/B フロントブレーキ
I/C インプットクラッチ
H&LR/C ハイ・アンド・ローリバースクラッチ(第2クラッチ)
D/C ダイレクトクラッチ
R/B リバースブレーキ
LC/B ロー・コーストブレーキ
FWD/B フォワードブレーキ
3rd/OWC 3速ワンウェイクラッチ
1st/OWC 1速ワンウェイクラッチ
FWD/OWC フォワードワンウェイクラッチ
4 伝動軸
5 モータ/ジェネレータ
6 第1クラッチ
7 第2クラッチ
8 ディファレンシャルギヤ装置
9 バッテリ
10 インバータ
11 エンジン回転センサ
12 モータ/ジェネレータ回転センサ
13 変速機入力回転センサ
14 変速機出力回転センサ
15 アクセル開度センサ
16 バッテリ蓄電状態センサ
17 モータ温度センサ
20 統合コントローラ
21 エンジンコントローラ
22 モータ/ジェネレータコントローラ

Claims (8)

  1. 動力源としてエンジンおよびモータ/ジェネレータを具え、これらエンジンおよびモータ/ジェネレータの少なくとも一方からの動力を自動変速機による変速下に車輪へ伝達して走行可能であるが、発進時はモータ/ジェネレータからの動力のみによる電気走行モードを選択し、前記自動変速機が出力軸の車両後退方向回転を阻止する状態を選択可能なものであるハイブリッド車両において、
    前記モータ/ジェネレータが発進に必要な動力を発生し得ないと判定することにより、発進時に車両が後退するロールバックを予測するロールバック予測手段と、
    該手段により車両のロールバックが予測されることによって、前記自動変速機を、出力軸の車両後退方向回転が阻止される状態にするロールバック防止変速手段とを具備してなることを特徴とするハイブリッド車両のロールバック防止装置。
  2. 請求項1に記載のロールバック防止装置において、
    前記ロールバック予測手段は、電気走行モードでアクセル操作があったにもかかわらずモータ/ジェネレータのモータ動力が故障判定値未満である状態をもって、車両の発進時ロールバックを予測するものであることを特徴とするハイブリッド車両のロールバック防止装置。
  3. 請求項1または2に記載のロールバック防止装置において、
    前記ロールバック予測手段は、現在のモータ/ジェネレータ温度や、バッテリ蓄電状態のようなモータ/ジェネレータ駆動環境のもとで最大アクセル開度により出力可能なモータ/ジェネレータの最大モータ動力が発進に必要な動力に達しない状態をもって、車両の発進時ロールバックを予測するものであることを特徴とするハイブリッド車両のロールバック防止装置。
  4. 請求項2または3に記載のロールバック防止装置において、
    前記ロールバック予測手段により車両のロールバックが予測されるとき、モータ/ジェネレータのモータ動力を0にするモータ停止手段を設けたことを特徴とするハイブリッド車両のロールバック防止装置。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載のロールバック防止装置において、
    前記ロールバック防止変速手段は、出力軸の車両後退方向回転が阻止される後退回転阻止変速段が複数種存在する場合、これら変速段のうち、実用変速段であって、且つ、最も低速側の変速段へ前記自動変速機を投入するものであることを特徴とするハイブリッド車両のロールバック防止装置。
  6. 請求項に記載のロールバック防止装置において、
    前記最も低速側の変速段が、ワンウェイクラッチの係合により変速機出力軸の車両後退方向回転を阻止する変速段であることを特徴とするハイブリッド車両のロールバック防止装置。
  7. 請求項5または6に記載のロールバック防止装置において、
    前記ロールバック防止変速手段が自動変速機を前記後退回転阻止変速段に投入するのを、設定車速以上の高車速で禁止するロールバック防止変速禁止手段を設けたことを特徴とするハイブリッド車両のロールバック防止装置。
  8. 請求項〜7のいずれか1項に記載のロールバック防止装置において、
    前記ロールバック予測手段が車両のロールバックを予測しなくなり、且つ、アクセルペダルを釈放してブレーキを操作した状態であるとき、ロールバック防止変速手段が自動変速機を前記後退回転阻止変速段に投入するのを中止して、自動変速機を車両運転状態に応じ変速制御する通常変速状態に復帰させるものであることを特徴とするハイブリッド車両のロールバック防止装置。
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