JP5024274B2 - ハイブリッド車両のエンジン始動制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動力源としてエンジンおよびモータ/ジェネレータを具え、これらエンジンおよびモータ/ジェネレータ間に第1クラッチを介在させ、モータ/ジェネレータおよび駆動車輪間に第2クラッチを介在させ、この第2クラッチとして、モータ/ジェネレータおよび駆動車輪間における自動変速機内の変速摩擦要素を流用するようにした、パラレル型ハイブリッド車両のエンジン始動制御装置に係わり、
特に、エンジン始動中に自動変速機のアップシフトが行われる場合において、このアップシフトを高応答に完遂させ得るようにしたエンジン始動制御装置に関するものである。
上記のようなハイブリッド車両に用いるハイブリッド駆動装置は、本願出願人が先に特許文献1において既に提案済のものである。
このハイブリッド駆動装置は、第1クラッチを解放すると共に第2クラッチを締結することによりモータ/ジェネレータからの動力のみによる電気走行(EV)モードを選択可能で、第1クラッチおよび第2クラッチを共に締結することによりエンジンおよびモータ/ジェネレータの双方からの動力によるハイブリッド走行(HEV)モードを選択可能である。
従って、電気走行(EV)モードからハイブリッド走行(HEV)モードへのモード切り替えに当たっては、エンジン始動が必要であり、逆にハイブリッド走行(HEV)モードから電気走行(EV)モードへのモード切り替えに当たっては、エンジン停止が必要である。
そして、前者のEVモードからHEVモードへのモード切り替え時におけるエンジン始動に際しては、第2クラッチをスリップさせつつ第1クラッチを締結進行させることにより、モータ/ジェネレータからの動力でエンジンを始動させる。
ところで、上記のエンジン始動を伴うEVモードからHEVモードへのモード切り替えと、自動変速機の変速とが同時に必要になった時のエンジン始動制御について、特許文献1には以下の技術が示唆されている。
つまり、アクセルペダルの踏み込みでエンジン始動を伴うEV→HEVモード切り換え指令が発せられ、次いで自動変速機のダウンシフト指令が発せられたとき、
先ず第1クラッチを締結開始直前状態にし、設定時間の経過時に、モータ/ジェネレータトルクをエンジン始動用に増大させる。
かかるモータ/ジェネレータトルクの増大により第2クラッチがスリップを開始して、モータ/ジェネレータ回転数が上昇することとなり、第2クラッチのスリップ量(モータ/ジェネレータ回転数の上昇量)が所定値に達したら、第1クラッチを締結開始させてエンジンをクランキングにより始動させる。
この際、上記ダウンシフト時に締結状態から解放状態にされるダウンシフト時解放側変速摩擦要素を第2クラッチとして流用し、その伝達トルク容量を上記第2クラッチ用のトルク容量まで低下させ、
上記ダウンシフト時に解放状態から締結状態にされるダウンシフト時締結側変速摩擦要素を締結直前状態にし、
ダウンシフト時解放側変速摩擦要素の解放進行と、ダウンシフト時締結側変速摩擦要素の締結進行とにより、ダウンシフトが終了したと判定される時に、ダウンシフト時解放側変速要素を完全に解放させると共に、ダウンシフト時締結側変速摩擦要素を完全に締結させて、ダウンシフトを完了させる。
特開2007−261498号公報
しかし特許文献1は、エンジン始動を伴うEVモードからHEVモードへのモード切り替え中に、自動変速機のアップシフト要求が発生した時のエンジン始動制御技術について、何ら提案しておらず、
このとき、先行するEVモードからHEVモードへのモード切り替え(エンジン始動)処理を先ず遂行し、この処理が終了した後に自動変速機のアップシフト制御を行うことが考えられる。
この場合、EV→HEVモード切り替え用のエンジン始動処理中に自動変速機のアップシフト要求があるとき、アップシフトがその要求に対し大きく遅れるのを避けられない。
かかるアップシフトの応答遅れはその間、変速機入力側回転数を、アップシフト要求により目標としている回転数よりも高めに推移させることとなり、燃費が悪化すると共に、運転性も悪化するという問題を生ずる。
本発明は、EV→HEVモード切り替え用のエンジン始動処理中に自動変速機のアップシフト要求があるとき、エンジンの始動処理と同時並行して自動変速機のアップシフト処理を行い得るようにし、
これにより上記の問題を解消したハイブリッド車両のエンジン始動制御装置を提案することを目的とする。
この目的のため、本発明によるハイブリッド車両のエンジン始動制御装置は、請求項1に記載したごとくに構成する。
先ず前提となるハイブリッド車両を説明するに、これは、
動力源としてエンジンおよびモータ/ジェネレータを具え、
これらエンジンおよびモータ/ジェネレータ間に第1クラッチを介在され、モータ/ジェネレータおよび駆動車輪間に第2クラッチを介在され、この第2クラッチとして、モータ/ジェネレータおよび駆動車輪間に介挿した自動変速機内の動力伝達を担っている変速摩擦要素を流用し、
第1クラッチを解放すると共に第2クラッチを締結することによりモータ/ジェネレータからの動力のみによる電気走行モードを選択可能で、第1クラッチおよび第2クラッチを共に締結することによりエンジンおよびモータ/ジェネレータの双方からの動力によるハイブリッド走行モードを選択可能であり、
電気走行モードの選択中、モータ/ジェネレータからの動力で第2クラッチを伝達トルク容量制御下にスリップさせつつ第1クラッチを締結進行させることによりエンジンをクランキングし、該エンジンクランキングの回転数が始動用目標回転数となるよう前記モータ/ジェネレータからの動力を回転速度制御することにより、該モータ/ジェネレータからの動力でエンジンを始動させ、電気走行モードからハイブリッド走行モードへのモード切り替えが可能なものである。
本発明のエンジン始動制御装置は、かかるハイブリッド車両に対し以下のようなアップシフト予測手段と、アップシフト時解放側変速摩擦要素制御手段と、ダウンシフト時解放側変速摩擦要素制御手段とを設けて構成する。
アップシフト予測手段は、前記エンジン始動を伴う電気走行モードからハイブリッド走行モードへのモード切り替え中に、前記自動変速機がアップシフトされるのを予測するものである。
アップシフト時解放側変速摩擦要素制御手段は、アップシフト予測手段により自動変速機のアップシフトが予測されるとき、該アップシフトに際し締結状態から解放状態へと切り替わるアップシフト時解放側変速摩擦要素を前記第2クラッチとして該変速摩擦要素の前記伝達トルク容量制御に際し、該伝達トルク容量を、前記モータ/ジェネレータによるエンジン始動に必要な駆動力に対応したエンジン始動時目標駆動力相当値にし、エンジン始動後0にするものである。
ダウンシフト時解放側変速摩擦要素制御手段は、前記アップシフト予測手段により自動変速機のアップシフトが予測されない間は、前記自動変速機のダウンシフトに際し締結状態から解放状態へと切り替わるダウンシフト時解放側変速摩擦要素を前記第2クラッチとして該変速摩擦要素の前記伝達トルク容量制御に際し、該伝達トルク容量を前記エンジン始動時目標駆動力相当値にするが、前記アップシフト予測手段により自動変速機のアップシフトが予測されたことで前記アップシフト時解放側変速摩擦要素制御手段による前記アップシフト時解放側変速摩擦要素の伝達トルク容量制御が行われるようになった後は前記ダウンシフト時解放側変速摩擦要素の伝達トルク容量を前記アップシフト予測された時の値に保つものである。
上記した本発明によるハイブリッド車両のエンジン始動制御装置によれば、
エンジン始動中にアップシフトが予測されるとき、
アップシフト時解放側変速摩擦要素を第2クラッチとして該変速摩擦要素の伝達トルク容量をエンジン始動時目標駆動力相当値にするため、
エンジン始動中にアップシフト要求があっても、これらエンジンの始動と、自動変速機のアップシフトとを、同時並行的に遂行させることができ、
アップシフト要求に対しアップシフトの遂行が大きく遅れて、その間、変速機入力側回転数が、アップシフト要求により目標としている回転数よりも高めに推移し、燃費が悪化したり、運転性が悪化するという前記の問題を解消することができる。
また本発明によるハイブリッド車両のエンジン始動制御装置では、エンジン始動中にアップシフトが予測されない間は、ダウンシフト時解放側変速摩擦要素を第2クラッチとして該変速摩擦要素の伝達トルク容量をエンジン始動時目標駆動力相当値にしてエンジン始動を行わせるが、エンジン始動中にアップシフトが予測されたことで前記アップシフト時解放側変速摩擦要素の伝達トルク容量制御によるエンジン始動が行われるようになった後は、ダウンシフト時解放側変速摩擦要素の伝達トルク容量を前記アップシフト予測時の値に保つため、以下の効果が得られる。
つまり、エンジン始動中にアップシフトが予測されない間はダウンシフト時解放側変速摩擦要素を第2クラッチとして伝達トルク容量制御下にスリップさせることでエンジン始動を可能にするが、このエンジン始動中にアップシフトが予測される状態に切り替わると、上記のごとくアップシフト時解放側変速摩擦要素もエンジン始動用に伝達トルク容量制御されるようになることから、
ダウンシフト時解放側変速摩擦要素のエンジン始動用伝達トルク容量制御およびアップシフト時解放側変速摩擦要素のエンジン始動用伝達トルク容量制御が共に遂行されることとなり、アップシフト予測に呼応して行うべきアップシフト時解放側変速摩擦要素のエンジン始動用伝達トルク容量制御がダウンシフト時解放側変速摩擦要素のエンジン始動用伝達トルク容量制御により進行を妨げられ、アップシフトの応答遅れを生ずる。
しかして本発明によるハイブリッド車両のエンジン始動制御装置では、エンジン始動中のアップシフトが予測されない間においてダウンシフト時解放側変速摩擦要素の伝達トルク容量制御(スリップ状態)下に行われるエンジン始動中にアップシフトが予測された場合、ダウンシフト時解放側変速摩擦要素の伝達トルク容量を、当該アップシフトが予測された時の値に保持してダウンシフト時解放側変速摩擦要素をアップシフト予測時の状態に保ったまま、アップシフト時解放側変速摩擦要素をエンジン始動用に伝達トルク容量制御するため、
アップシフト予測に呼応して行うべきアップシフト時解放側変速摩擦要素のエンジン始動用伝達トルク容量制御がダウンシフト時解放側変速摩擦要素の伝達トルク容量制御により進行を妨げられることがなく、アップシフトの応答遅れに関する上記の問題を解消することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
[構成]
図1は、本発明の一実施例になるエンジン始動制御装置を内蔵するハイブリッド駆動装置を具えたフロントエンジン・リヤホイールドライブ式ハイブリッド車両のパワートレーンを、その制御系と共に示し、
1は、動力源としてのエンジン、2は自動変速機、3は、別の動力源としてのモータ/ジェネレータである。
図1に示すハイブリッド車両のパワートレーンにおいては、通常の後輪駆動車と同様にエンジン1の車両前後方向後方に自動変速機2をタンデムに配置し、エンジン1(詳しくはクランクシャフト1a)からの回転を自動変速機2の入力軸4へ伝達する軸5に結合してモータ/ジェネレータ3を設ける。
モータ/ジェネレータ3は、ハウジング内に固設した環状のステータ3aと、このステータ3a内に所定のエアギャップを持たせて同心に配置したロータ3bとよりなり、
運転状態の要求に応じ、モータ(電動機)として作用したり、ジェネレータ(発電機)として作用するもので、エンジン1および自動変速機2間に配置する。
モータ/ジェネレータ3は、ロータ3bの中心に上記の軸5を貫通して結着し、この軸5をモータ/ジェネレータ軸として利用する。
かかるモータ/ジェネレータ3およびエンジン1間、詳しくは、モータ/ジェネレータ軸5とエンジンクランクシャフト1aとの間に第1クラッチ6を介挿し、この第1クラッチ6によりエンジン1およびモータ/ジェネレータ3間を切り離し可能に結合する。
ここで第1クラッチ6は、伝達トルク容量を連続的に変更可能なものとし、例えば、比例ソレノイドでクラッチ作動油流量およびクラッチ作動油圧を連続的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチで構成する。
モータ/ジェネレータ3および自動変速機2間は、モータ/ジェネレータ軸5と変速機入力軸4との直接結合により相互に直結させる。
自動変速機2は、その変速機構部分が周知の遊星歯車式自動変速機と同様なものであるが、これからトルクコンバータを排除して、その代わりにモータ/ジェネレータ3を変速機入力軸4に直接結合したものとする。
自動変速機2を以下に概略説明する。
自動変速機2は、入力軸4に同軸突き合わせ関係に配置した出力軸7を具え、
これら入出力軸4,7上にエンジン1(モータ/ジェネレータ3)の側から順次フロントプラネタリギヤ組Gf、センタープラネタリギヤ組Gm、およびリヤプラネタリギヤ組Grを載置して具え、
これらを自動変速機2における遊星歯車変速機構の主たる構成要素とする。
エンジン1(モータ/ジェネレータ3)に最も近いフロントプラネタリギヤ組Gfは、フロントサンギヤSf 、フロントリングギヤRf 、これらに噛合するフロントピニオンPf 、および該フロントピニオンを回転自在に支持するフロントキャリアCf よりなる単純遊星歯車組とする。
次にエンジン1(モータ/ジェネレータ3)に近いセンタープラネタリギヤ組Gmは、センターサンギヤSm 、センターリングギヤRm 、これらに噛合するセンターピニオンPm 、および該センターピニオンを回転自在に支持するセンターキャリアCm よりなる単純遊星歯車組とする。
また、エンジン1(モータ/ジェネレータ3)から最も遠いリヤプラネタリギヤ組Grは、リヤサンギヤSr 、リヤリングギヤRr 、これらに噛合するリヤピニオンPr 、および該リヤピニオンを回転自在に支持するリヤキャリアCr よりなる単純遊星歯車組とする。
遊星歯車変速機構の伝動経路(変速段)を決定する変速摩擦要素としては、フロントブレーキFr/B、インプットクラッチI/C、ハイ・アンド・ローリバースクラッチH&LR/C、ダイレクトクラッチD/C、リバースブレーキR/B、およびフォワードブレーキFWD/Bを設け、これらを以下のごとくプラネタリギヤ組Gf,Gm,Grの上記構成要素に相関させて自動変速機2の遊星歯車変速機構を構成する。
フロントリングギヤRfは入力軸4に結合し、センターリングギヤRmは、インプットクラッチI/Cにより適宜入力軸4に結合可能とする。
フロントサンギヤSfは、フロントブレーキFr/Bにより変速機ケース2aに適宜固定可能にする。
フロントキャリアCfおよびリヤリングギヤRrを相互に結合し、センターリングギヤRmおよびリヤキャリアCrを相互に結合する。
センターキャリアCmは出力軸7に結合し、センターサンギヤSmおよびリヤサンギヤSr間は、ハイ・アンド・ローリバースクラッチH&LR/Cにより相互に結合可能とする。
リヤサンギヤSrおよびリヤキャリアCr間をダイレクトクラッチD/Cにより結合可能とし、リヤキャリアCrをリバースブレーキR/Bにより変速機ケース2aに適宜固定可能とする。
センターサンギヤSmは更に、フォワードブレーキFWD/Bにより変速機ケース2aに適宜固定可能にする。
上記遊星歯車変速機構の動力伝達列は、6個の変速摩擦要素Fr/B,I/C,H&LR/C,D/C,R/B,FWD/Bの図2に〇印で示す選択的締結により、前進第1速、前進第2速、前進第3速、前進第4速、および前進第5速の前進変速段と、後退変速段とを得ることができる。
なお、上記したエンジン1、モータ/ジェネレータ3および自動変速機2より成る図1のパワートレーンを具えたハイブリッド車両は、モータ/ジェネレータ3と、変速機出力軸7に結合した駆動車輪との間を切り離し可能に結合する第2クラッチが必要であるが、
本実施例においては、自動変速機2内に既存する前記した6個の変速摩擦要素Fr/B,I/C,H&LR/C,D/C,R/B,FWD/Bのうち、締結により動力伝達を担う変速摩擦要素を第2クラッチとして流用する。
ちなみに、第2クラッチとして用いる自動変速機2内に既存の変速摩擦要素はもともと、前記した第1クラッチ6と同様、伝達トルク容量を連続的に変更可能なものである。
以下、図1につき上述したパワートレーンの走行モードごとの機能を説明する。
図1のパワートレーンにおいては、停車状態からの発進時などを含む低負荷・低車速時に用いられる電気走行(EV)モードが要求される場合、
第1クラッチ6を解放し、第2クラッチ(IC,H&LR/C,D/Cなど)の締結により自動変速機2を動力伝達状態にする。
この状態でモータ/ジェネレータ3を駆動すると、当該モータ/ジェネレータ3からの出力回転のみが変速機入力軸4に達することとなり、自動変速機2が当該入力軸4への回転を、選択中の変速段に応じ変速して変速機出力軸7より出力する。
変速機出力軸4からの回転はその後、図示せざるディファレンシャルギヤ装置を経て左右駆動輪に至り、車両をモータ/ジェネレータ3のみによって電気走行(EV走行)させることができる。(EVモード)
高速走行時や、大負荷走行時や、バッテリ蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)が少ない時などで用いられるハイブリッド走行モード(HEVモード)が要求される場合、
第1クラッチ6を締結すると共に、第2クラッチ(IC,H&LR/C,D/Cなど)の締結により自動変速機2を動力伝達状態にする。
この状態では、エンジン1からの出力回転、または、エンジン1からの出力回転およびモータ/ジェネレータ3からの出力回転の双方が変速機入力軸4に達することとなり、自動変速機2が当該入力軸4への回転を、選択中の変速段に応じ変速して、変速機出力軸7より出力する。
変速機出力軸7からの回転はその後、図示せざるディファレンシャルギヤ装置を経て左右駆動輪に至り、車両をエンジン1およびモータ/ジェネレータ3の双方によってハイブリッド走行させることができる。(HEVモード)
かかるHEV走行中において、エンジン1を最適燃費で運転させるとエネルギーが余剰となる場合、
この余剰エネルギーによりモータ/ジェネレータ3を発電機として作動させることで余剰エネルギーを電力に変換し、この発電電力をモータ/ジェネレータ3のモータ駆動に用いるよう蓄電しておくことでエンジン1の燃費を向上させることができる。
以下、上記ハイブリッド車両のパワートレーンを成すエンジン1、モータ/ジェネレータ3、第1クラッチ6、および変速機2内における第2クラッチ(IC,H&LR/C,D/Cなど)の制御システムを、図1に基づき概略説明する。
この制御システムは、パワートレーンの動作点を統合制御する統合コントローラ11を具え、
該パワートレーンの動作点を、目標エンジントルクtTeと、目標モータ/ジェネレータトルクtTmと、第1クラッチ6の目標伝達トルク容量tTc1と、第2クラッチ(IC,H&LR/C,D/Cなど)の目標伝達トルク容量tTc2とで規定する。
統合コントローラ11には、上記パワートレーンの動作点を決定するために、
エンジン1の回転数Neを検出するエンジン回転センサ12からの信号と、
モータ/ジェネレータ3の回転数Nmを検出するモータ/ジェネレータ回転センサ13からの信号と、
変速機入力回転数Niを検出する入力回転センサ14からの信号と、
変速機出力回転数No(これから車速VSPを演算し得る)を検出する出力回転センサ15からの信号と、
アクセルペダル踏み込み量(アクセル開度APO)を検出するアクセル開度センサ16からの信号と、
モータ/ジェネレータ3用の電力を蓄電しておくバッテリ(図示せず)の蓄電状態SOCを検出する蓄電状態センサ17からの信号とを入力する。
統合コントローラ11は、上記入力情報のうちアクセル開度APO、バッテリ蓄電状態SOC、および変速機出力回転数No(車速VSP)から、
運転者が希望している車両の駆動力を実現可能な運転モード(EVモード、HEVモード)を選択すると共に、目標エンジントルクtTe、目標モータ/ジェネレータトルクtTm、第1クラッチ目標伝達トルク容量tTc1、および第2クラッチ目標伝達トルク容量tTc2をそれぞれ演算する。
目標エンジントルクtTeはエンジンコントローラ21に供給され、
このエンジンコントローラ21は、センサ12で検出したエンジン回転数Neと目標エンジントルクtTeとから、エンジン回転数Neのもとで目標エンジントルクtTeを実現するためのスロットル開度制御や燃料噴射量制御などにより、
エンジントルクが目標エンジントルクtTeとなるようエンジン1を制御する。
目標モータ/ジェネレータトルクtTmはモータ/ジェネレータコントローラ22に供給され、
このモータ/ジェネレータコントローラ22は、バッテリの電力をインバータ(図示せず)により直流−交流変換して、また当該インバータによる制御下でモータ/ジェネレータ3のステータ3aに供給し、
モータ/ジェネレータトルクが目標モータ/ジェネレータトルクtTmに一致するようモータ/ジェネレータを制御する。
なお目標モータ/ジェネレータトルクtTmが、モータ/ジェネレータ3に回生ブレーキ作用を要求するようなものである場合、
モータ/ジェネレータコントローラ22はインバータを介し、センサ17で検出したバッテリ蓄電状態SOCとの関連においてバッテリが過充電とならないような発電負荷をモータ/ジェネレータ3に与え、
モータ/ジェネレータ3が回生ブレーキ作用により発電した電力を交流−直流変換してバッテリに充電する。
第1クラッチ目標伝達トルク容量tTc1は第1クラッチコントローラ23に供給され、
この第1クラッチコントローラ23は、第1クラッチ目標伝達トルク容量tTc1に対応した第1クラッチ締結圧指令値と、第1クラッチ6の実締結圧との対比により、第1クラッチ6の実締結圧が第1クラッチ締結圧指令値となるよう第1クラッチ6の締結圧を制御して、第1クラッチ3の伝達トルク容量を目標値tTc1となす制御を実行する。
第2クラッチ目標伝達トルク容量tTc2は変速機コントローラ24に供給され、
この変速機コントローラ24は、第2クラッチ目標伝達トルク容量tTc2に対応した第2クラッチ締結圧指令値と、第2クラッチ(IC,H&LR/C,D/Cなど)の実締結圧との対比により、第2クラッチ(IC,H&LR/C,D/Cなど)の実締結圧Pc2が第2クラッチ締結圧指令値となるよう第2クラッチ(IC,H&LR/C,D/Cなど)の締結圧を制御して、第2クラッチ(IC,H&LR/C,D/Cなど)の伝達トルク容量を目標値tTc2となす制御を実行する。
なお変速機コントローラ24は基本的には、センサ15で検出した変速機出力回転数No(車速)およびセンサ16で検出したアクセル開度APOから予定の変速マップをもとに、現在の運転状態に好適な変速段を求め、
この好適変速段が選択されるよう変速機2を自動変速させることを旨とするものである。
[エンジン始動制御]
以上は、図1の制御システムが実行する通常制御の概要であるが、
本実施例においては、第1クラッチ6を解放した電気走行(EV)モードでの走行中、アクセルペダルの踏み込みなどに起因してハイブリッド走行(HEV)モードへモード切り替えする要求が発生した場合のエンジン始動を、図1の制御システムが図3に示す制御プログラムに沿って以下のように行うものとする。
従って図3の制御プログラムは、上記のEV→HEVモード切り替え(エンジン始動)要求が発生した時に開始させる。
先ずステップS11およびステップS12においてそれぞれ、当該EV→HEVモード切り替え(エンジン始動)要求時に、自動変速機2が既に変速中(ダウンシフト中、またはアップシフト中)であったか否かをチェックする。
ステップS11でEV→HEVモード切り替え(エンジン始動)要求時に自動変速機2が既にダウンシフト中であったと判定するときは、
ステップS13において、当該ダウンシフト中に締結状態から解放されるダウンシフト時解放側変速摩擦要素(4→3ダウンシフトであれば、図2から明らかなようにインプットクラッチI/C)を第2クラッチとして用いた、図4のタイムチャートに示すようなエンジン始動制御を実行する。
EV→HEVモード切り替え(エンジン始動)要求瞬時t1に先ず、第2クラッチとしてのダウンシフト時解放側変速摩擦要素の伝達トルク容量tTc2をエンジン始動時目標駆動トルクに対応した値となす。
これにより第2クラッチ(ダウンシフト時解放側変速摩擦要素)がスリップして、モータ/ジェネレータ回転数Nmが図示のごとくに上昇する。
第2クラッチ(ダウンシフト時解放側変速摩擦要素)の伝達トルク容量tTc2がエンジン始動時目標駆動トルクに対応した値となる瞬時t2に、第1クラッチ6の伝達トルク容量tTc1を、第1クラッチ6が締結開始されるような値にすると共に、モータ/ジェネレータ3をトルク制御から回転速度制御に切り替えて、モータ/ジェネレータ回転数Nmがエンジン始動用目標Nmとなるようモータ/ジェネレータトルクtTmを図示のごとくに増大させる。
従って、第2クラッチ(ダウンシフト時解放側変速摩擦要素)の伝達トルク容量tTc2に係わる上記のエンジン始動時目標駆動トルクは、モータ/ジェネレータ回転数Nmがエンジン始動用目標Nmとなるようにするモータ/ジェネレータ3の回転速度制御中(図4のt2〜t4)におけるモータ/ジェネレータトルクに相当する。
第1クラッチ6の締結開始と、モータ/ジェネレータ3の回転速度制御とにより、エンジン1は、エンジン回転数NeおよびエンジントルクtTeの経時変化から明らかなようにクランキングされ、
瞬時t3にエンジン3は自立運転可能となって(エンジン始動が終了して)、エンジン回転数Neがモータ/ジェネレータ回転数Nmに一致する。
この瞬時t3に第1クラッチ6を完全締結させるべく、その伝達トルク容量tTc1を最大値となし、
第2クラッチ(ダウンシフト時解放側変速摩擦要素)の伝達トルク容量tTc2を一旦、運転者が要求する駆動トルクに対応する値にする。
そして所定時間経過後の瞬時t4に、第2クラッチ(ダウンシフト時解放側変速摩擦要素)の伝達トルク容量tTc2を最大値に増大させ、第2クラッチ(ダウンシフト時解放側変速摩擦要素)を完全締結させる。
ステップS12でEV→HEVモード切り替え(エンジン始動)要求時に、自動変速機2が既にアップシフト中であったと判定するときは、
ステップS14において、当該アップシフト中に解放状態から締結されるアップシフト時締結側変速摩擦要素(3→4アップシフトであれば、図2から明らかなようにインプットクラッチI/C)を第2クラッチとして用いた、図5のタイムチャートに示すようなエンジン始動制御を実行する。
上記アップシフト中に締結状態から解放されるアップシフト時解放側変速摩擦要素(3→4アップシフトであれば、図2から明らかなようにフロントブレーキFr/B)の解放進行(伝達トルク容量tToffの低下)と、アップシフト時締結側変速摩擦要素(第2クラッチ)の締結進行(伝達トルク容量tTc2の上昇)とで行われているアップシフト(トルクフェーズ)中、EV→HEVモード切り替え(エンジン始動)要求があった瞬時t1に先ず、第2クラッチとしてのアップシフト時締結側変速摩擦要素の伝達トルク容量tTc2を、図4につき前述したと同様なエンジン始動時目標駆動トルクに対応した値となす。
これにより第2クラッチ(アップシフト時締結側変速摩擦要素)がスリップして、モータ/ジェネレータ回転数Nmが図示のごとくに上昇する。
上記アップシフトのトルクフェーズが終了する瞬時t2に、第1クラッチ6の伝達トルク容量tTc1を、第1クラッチ6が締結開始されるような値にすると共に、モータ/ジェネレータ3をトルク制御から回転速度制御に切り替えて、モータ/ジェネレータ回転数Nmがエンジン始動用目標Nmとなるようモータ/ジェネレータトルクtTmを図示のごとくに制御する。
第1クラッチ6の締結開始と、モータ/ジェネレータ3の回転速度制御とにより、エンジン1は、エンジン回転数NeおよびエンジントルクtTeの経時変化から明らかなようにクランキングされ、
瞬時t3にエンジン3は自立運転可能となって(エンジン始動が終了して)、エンジン回転数Neがモータ/ジェネレータ回転数Nmに一致する。
この瞬時t3に第1クラッチ6を完全締結させるべく、その伝達トルク容量tTc1を最大値となし、
第2クラッチ(アップシフト時締結側変速摩擦要素)の伝達トルク容量tTc2を一旦、運転者が要求する駆動トルクに対応する値にする。
そして所定時間経過後の瞬時t4に、第2クラッチ(アップシフト時締結側変速摩擦要素)の伝達トルク容量tTc2を最大値に増大させ、第2クラッチ(アップシフト時締結側変速摩擦要素)を完全締結させる。
ステップS11およびステップS12で、EV→HEVモード切り替え(エンジン始動)要求が変速中のものでないと判定するときは、
ステップS15において、EV→HEVモード切り替え(エンジン始動)要求時におけるアクセル開度APOの開度増大速度(アクセル開速度)が設定開速度以上であるか否かをチェックする。
この設定開速度は、アクセルペダル踏み込み量が大きくなるのを予測するための設定値で、ステップS15は、アクセル開度APOの開度増大速度(アクセル開速度)が設定開速度以上であることをもって、アクセルペダル踏み込み量が大きくなる(アップシフト要求が発生しない)と予測する。
ステップS16においては、EV→HEVモード切り替え(エンジン始動)要求時におけるアクセル開度APOの開度増大加速度(アクセル開加速度)が設定開加速度以上であるか否かをチェックする。
この設定開加速度は、アクセルペダル操作が落ち着きそうか否かを予測するための設定値で、ステップS16は、アクセル開度APOの開度増大加速度(アクセル開加速度)が設定開加速度以上であることをもって、アクセルペダル操作が落ち着きそうでなく、(アップシフト要求が発生しない)と予測する。
ステップS15でEV→HEVモード切り替え(エンジン始動)要求時のアクセル開速度が設定開速度未満と判定し、且つ、ステップS16でEV→HEVモード切り替え(エンジン始動)要求時のアクセル開加速度が設定開加速度未満と判定するとき、つまり、アップシフト要求が発生する可能性がある場合、
ステップS17において、アクセル開度APOおよび車速VSPから、EV→HEVモード切り替え(エンジン始動)制御期間中における車両の加速程度を推定し、EV→HEVモード切り替え(エンジン始動)制御期間中にアップシフトを生ずる車速変化が有るか否かによりアップシフトを予測する。
ステップS18においては、ステップS17での予測結果が「アップシフト予測有り」、「アップシフト予測無し」のいずれかをチェックする。
従ってステップS18は、本発明におけるアップシフト予測手段に相当する。
「アップシフト予測無し」であれば、ステップS19において、EV→HEVモード切り替え(エンジン始動)要求から設定時間が経過したか否かを判定する。
ステップS19でEV→HEVモード切り替え(エンジン始動)要求から設定時間が経過するまでの間であると判定する間は、
ステップS20において、ダウンシフト時解放側変速摩擦要素を第2クラッチとして用いた、図4に示すエンジン始動制御を実行し、これによりEV→HEVモード切り替え(エンジン始動)を遅滞なく進行させる。
ステップS20の実行後は制御をステップS15に戻し、ステップS19でEV→HEVモード切り替え(エンジン始動)要求から設定時間が経過したと判定するとき、ステップS21において、ダウンシフト時解放側変速摩擦要素を第2クラッチとして用いた、図4に示すエンジン始動制御を実行し、これによりEV→HEVモード切り替え(エンジン始動)を更に進行させる。
なおステップS20およびステップS21は同様な処理であるが、ステップS19でEV→HEVモード切り替え(エンジン始動)要求から設定時間が経過したと判定する前はステップS20で当該処理を行い、ステップS19でEV→HEVモード切り替え(エンジン始動)要求から設定時間が経過したと判定した後はステップS21で当該処理を行うこととした理由は、
ダウンシフト時解放側変速摩擦要素がスリップを開始する前は、第2クラッチとして使用する変速摩擦要素を変更可能にするためであり、
従ってステップS19における設定時間は、ダウンシフト時解放側変速摩擦要素がスリップを開始するまでの時間に余裕分を加算した時間とする。
なお、上記の変更により第2クラッチとなった変速摩擦要素は、スリップさせるために解放し、上記の変更により第2クラッチでなくなった変速摩擦要素は、ショック防止用に所定の時間変化割合で締結させる。
ステップS15でEV→HEVモード切り替え(エンジン始動)要求時のアクセル開速度が設定開速度以上と判定したり、ステップS16でEV→HEVモード切り替え(エンジン始動)要求時のアクセル開加速度が設定開加速度以上であると判定するとき、つまり、アップシフト要求が発生する可能性がない場合は、
ステップS17およびステップS18をスキップして、これらステップでのアップシフトの予測を行うことなく、制御をステップS19に進める。
ステップS18において、ステップS17での予測結果が「アップシフト予測有り」と判定する場合は(前回までステップS18が「アップシフト予測無し」と判定し、ステップS20またはステップS21でダウンシフト時解放側変速摩擦要素を第2クラッチとしたエンジン始動制御が行われていたが、今回ステップS18で「アップシフト予測有り」の判定に切り替わった場合を含む)
ステップS22において、当該アップシフト中に締結状態から解放されるアップシフト時解放側変速摩擦要素(4→5アップシフトであれば、図2から明らかなようにダイレクトクラッチD/C)を第2クラッチとして用いた、図6のタイムチャートに示すようなエンジン始動制御を実行する。
図6は、アクセル開度APOを図示のごとくに増大させるアクセルペダルの踏み込みに起因して、瞬時t1にEV→HEVモード切り替え(エンジン始動)要求が発生し、その後アップシフトが予測される場合の動作タイムチャートである。
エンジン始動要求瞬時t1に先ず、第2クラッチとしてのアップシフト時解放側変速摩擦要素の伝達トルク容量tTc2を、図4につき前述したと同様なエンジン始動時目標駆動トルク(図6のt2〜t4で行うモータ/ジェネレータ3の回転速度制御中におけるモータ/ジェネレータトルクに相当)に対応した値となす(アップシフト時解放側変速摩擦要素制御手段)。
これにより第2クラッチ(アップシフト時解放側変速摩擦要素)がスリップして、モータ/ジェネレータ回転数Nmが図示のごとくに上昇する。
第2クラッチ(アップシフト時解放側変速摩擦要素)の伝達トルク容量tTc2がエンジン始動時目標駆動トルクに対応した値となる瞬時t2に、第1クラッチ6の伝達トルク容量tTc1を、第1クラッチ6が締結開始されるような値にすると共に、モータ/ジェネレータ3をトルク制御から回転速度制御に切り替えて、モータ/ジェネレータ回転数Nmがエンジン始動用目標Nmとなるようモータ/ジェネレータトルクtTmを図示のごとくに増大させる。
第1クラッチ6の締結開始と、モータ/ジェネレータ3の回転速度制御とにより、エンジン1は、エンジン回転数NeおよびエンジントルクtTeの経時変化から明らかなようにクランキングされ、
瞬時t3にエンジン3は自立運転可能となって(エンジン始動が終了して)、エンジン回転数Neがモータ/ジェネレータ回転数Nmに一致する。
この瞬時t3に第1クラッチ6を完全締結させるべく、その伝達トルク容量tTc1を最大値となし、
第2クラッチ(アップシフト時解放側変速摩擦要素)の伝達トルク容量tTc2を低下させる。
かかる伝達トルク容量tTc2の低下により伝達トルク容量tTc2が0となる直前の瞬時t4に、第2クラッチ(アップシフト時解放側変速摩擦要素)は完全に解放される。
一方で、ダウンシフト時解放側変速摩擦要素の伝達トルク容量tToffは、ステップS18でアップシフト予測がなされた時の値に保つ(ダウンシフト時解放側変速摩擦要素制御手段)。
これがため、アップシフト要求に呼応して締結されているアップシフト時締結側変速摩擦要素の締結進行(図6では図示を省略した)と、上記第2クラッチ(アップシフト時解放側変速摩擦要素)の解放とで、アップシフトを遂行することができる。
[作用効果]
ところで本実施例によれば、
エンジン始動中にアップシフトが予測されるとき(ステップS18)
第2クラッチとしてアップシフト時解放側変速摩擦要素を流用し、その伝達トルク容量tTc2をエンジン始動時目標駆動トルク相当値にするた(ステップS22)
エンジン始動中にアップシフト要求があっても、当該自動変速機のアップシフトをエンジンの始動と同時並行的に遂行させることができ、
アップシフト要求に対しアップシフトの遂行が大きく遅れて、その間、変速機入力側回転数が、アップシフト要求により目標としている回転数よりも高めに推移し、燃費が悪化したり、運転性が悪化するという前記の問題を解消することができる。
また本実施例では、エンジン始動中にアップシフトが予測されない間は(ステップS18)、ダウンシフト時解放側変速摩擦要素を第2クラッチとして該変速摩擦要素の伝達トルク容量tTc2をエンジン始動時目標駆動力相当値にしてエンジン始動を行わせるが(ステップS20またはステップS21)、エンジン始動中にアップシフトが予測されたことで(ステップS18)アップシフト時解放側変速摩擦要素の伝達トルク容量制御によるエンジン始動が行われるようになった(ステップS22)後は、ダウンシフト時解放側変速摩擦要素の伝達トルク容量tToffをアップシフト予測(ステップS18)時の値に保つため、以下の効果が得られる。
つまり、エンジン始動中にアップシフトが予測されない間はダウンシフト時解放側変速摩擦要素を第2クラッチとして伝達トルク容量制御下にスリップさせることでエンジン始動を可能にするが、このエンジン始動中にアップシフトが予測される状態に切り替わると、通常はアップシフト時解放側変速摩擦要素もエンジン始動用に伝達トルク容量制御されるようになることから、
ダウンシフト時解放側変速摩擦要素のエンジン始動用伝達トルク容量制御およびアップシフト時解放側変速摩擦要素のエンジン始動用伝達トルク容量制御が共に遂行されることとなり、アップシフト予測に呼応して行うべきアップシフト時解放側変速摩擦要素のエンジン始動用伝達トルク容量制御がダウンシフト時解放側変速摩擦要素のエンジン始動用伝達トルク容量制御により進行を妨げられ、アップシフトの応答遅れを生ずる。
しかして本実施例では、エンジン始動中のアップシフトが予測されない間(ステップS18)においてダウンシフト時解放側変速摩擦要素の伝達トルク容量制御(ステップS20またはステップS21)によるスリップ状態下に行われるエンジン始動中にアップシフトが予測された場合(ステップS18)、ダウンシフト時解放側変速摩擦要素の伝達トルク容量tToffを、当該アップシフトが予測された時の値に保持して(ステップS22)ダウンシフト時解放側変速摩擦要素をアップシフト予測時の状態に保ったまま、アップシフト時解放側変速摩擦要素をエンジン始動用に伝達トルク容量制御するため(ステップS22および図6)、
アップシフト予測に呼応して行うべきアップシフト時解放側変速摩擦要素のエンジン始動用伝達トルク容量制御(ステップS22)がダウンシフト時解放側変速摩擦要素の伝達トルク容量制御(ステップS20またはステップS21)により進行を妨げられることがなく、アップシフトの応答遅れに関する上記の問題を解消することができる。

本発明の一実施例になるエンジン始動制御装置を内蔵するハイブリッド駆動装置を具えたフロントエンジン・リヤホイールドライブ式ハイブリッド車両のパワートレーンを、その制御系とともに示す略線図である。 図1における自動変速機の選択変速段と、変速摩擦要素の締結の組み合わせとの関係を示す締結論理図である。 図1におけるパワートレーンの制御系が実行するエンジン始動制御のプログラムを示すフローチャートである。 図3のエンジン始動制御プログラムが実行する、ダウンシフト時エンジン始動制御の動作タイムチャートである。 図3のエンジン始動制御プログラムが実行する、アップシフト時エンジン始動制御の動作タイムチャートである。 図3のエンジン始動制御プログラムが実行する、エンジン始動要求後にアップシフトが予測される場合のエンジン始動制御を動作タイムチャートである。
符号の説明
1 エンジン(動力源)
2 自動変速機
3 モータ/ジェネレータ(動力源)
4 変速機入力軸
6 第1クラッチ
7 変速機出力軸
I/C インプットクラッチ(変速摩擦要素)
H&LR/C ハイ・アンド・ローリバースクラッチ(変速摩擦要素)
D/C ダイレクトクラッチ(変速摩擦要素)
11 統合コントローラ
12 エンジン回転センサ
13 モータ/ジェネレータ回転センサ
14 変速機入力回転センサ
15 変速機出力回転センサ
16 アクセル開度センサ
17 蓄電状態センサ
21 エンジンコントローラ
22 モータ/ジェネレータコントローラ
23 第1クラッチコントローラ
24 変速機コントローラ

Claims (1)

  1. 動力源としてエンジンおよびモータ/ジェネレータを具え、
    これらエンジンおよびモータ/ジェネレータ間に第1クラッチを介在され、モータ/ジェネレータおよび駆動車輪間に第2クラッチを介在され、この第2クラッチとして、モータ/ジェネレータおよび駆動車輪間に介挿した自動変速機内の動力伝達を担っている変速摩擦要素を流用し、
    第1クラッチを解放すると共に第2クラッチを締結することによりモータ/ジェネレータからの動力のみによる電気走行モードを選択可能で、第1クラッチおよび第2クラッチを共に締結することによりエンジンおよびモータ/ジェネレータの双方からの動力によるハイブリッド走行モードを選択可能であり、
    電気走行モードの選択中、モータ/ジェネレータからの動力で第2クラッチを伝達トルク容量制御下にスリップさせつつ第1クラッチを締結進行させることによりエンジンをクランキングし、該エンジンクランキングの回転数が始動用目標回転数となるよう前記モータ/ジェネレータからの動力を回転速度制御することにより、該モータ/ジェネレータからの動力でエンジンを始動させ、電気走行モードからハイブリッド走行モードへのモード切り替えが可能なハイブリッド車両において、
    前記エンジン始動を伴う電気走行モードからハイブリッド走行モードへのモード切り替え中に、前記自動変速機がアップシフトされるのを予測するアップシフト予測手段と、
    アップシフト予測手段により自動変速機のアップシフトが予測されるとき、該アップシフトに際し締結状態から解放状態へと切り替わるアップシフト時解放側変速摩擦要素を前記第2クラッチとして該変速摩擦要素の前記伝達トルク容量制御に際し、該伝達トルク容量を、前記モータ/ジェネレータによるエンジン始動に必要な駆動力に対応したエンジン始動時目標駆動力相当値にし、エンジン始動後0にするアップシフト時解放側変速摩擦要素制御手段と、
    前記アップシフト予測手段により自動変速機のアップシフトが予測されない間は、前記自動変速機のダウンシフトに際し締結状態から解放状態へと切り替わるダウンシフト時解放側変速摩擦要素を前記第2クラッチとして該変速摩擦要素の前記伝達トルク容量制御に際し、該伝達トルク容量を前記エンジン始動時目標駆動力相当値にするが、前記アップシフト予測手段により自動変速機のアップシフトが予測されたことで前記アップシフト時解放側変速摩擦要素制御手段による前記アップシフト時解放側変速摩擦要素の伝達トルク容量制御が行われるようになった後は前記ダウンシフト時解放側変速摩擦要素の伝達トルク容量を前記アップシフト予測された時の値に保つダウンシフト時解放側変速摩擦要素制御手段とを具備してなることを特徴とするハイブリッド車両のエンジン始動制御装置。
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