JP4877383B2 - ハイブリッド車両のモード切り替え制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジン以外にモータ/ジェネレータからの動力によっても走行することができ、モータ/ジェネレータからの動力のみにより走行する電気走行(EV)モードと、エンジンおよびモータ/ジェネレータの双方からの動力により走行可能なハイブリッド走行(HEV)モードとを有するハイブリッド車両に関し、
特に、後者のHEVモードでの走行中にエンジン出力が不要になって前者のEVモードへ切り替えるに際して要求されるエンジンの停止をショックなく滑らかに行わせるためのモード切り替え制御装置に関するものである。
上記のようなハイブリッド車両に用いるハイブリッド駆動装置としては従来、様々な型式のものが提案されているが、そのうちの1つとして、特許文献1に記載のごときものが知られている。
このハイブリッド駆動装置は、エンジン回転を変速機に向かわせる軸に結合して、これらエンジンおよび変速機間にモータ/ジェネレータを具え、エンジンおよびモータ/ジェネレータ間を切り離し可能に結合する第1クラッチを有すると共に、モータ/ジェネレータおよび変速機出力軸間を切り離し可能に結合する第2クラッチをトルクコンバータの代わりに有した構成になるものである。
かかるハイブリッド駆動装置を具えたハイブリッド車両は、第1クラッチを解放すると共に第2クラッチを締結する場合、モータ/ジェネレータからの動力のみにより走行する電気走行(EV)モードとなり、第1クラッチおよび第2クラッチをともに締結する場合、エンジンおよびモータ/ジェネレータの双方からの動力により走行可能なハイブリッド走行(HEV)モードとなり得る。
かかるハイブリッド車両においては、後者のHEVモードでの走行中、踏み込んでいたアクセルペダルの戻し操作により要求駆動力が低下し、モータ/ジェネレータのみでこの要求駆動力を実現することができることとなったためエンジン出力が不要になった場合などでは、当該HEVモードから前者のEVモードへ切り替えることになる。
このモード切り替えに当たっては、第1クラッチを解放すると共にエンジンを停止させながら当該モード切り替えを行う必要がある。
しかし、当該モード切り替えに際して必要な上記第1クラッチの解放およびエンジンの停止を、モード切り替えが違和感なく滑らかに行われるよう遂行させる技術について従来、特許文献1も含めて好適な提案がなされていなかった。
特開平11−082260号公報
そのため、上記HEVモードからEVモードへのモード切り替えに際して必要な、第1クラッチの解放タイミング制御およびエンジンの停止タイミング制御に関し、以下の問題を生ずる。
つまり、HEV→EVモード切り替え時に行うべき第1クラッチの解放およびエンジンの停止のうち、第1クラッチの解放はクラッチ作動油の温度変化や経時劣化などにより解放タイミングにバラツキを生じ、またエンジンの停止も、温度変化や経時摩耗などによるフリクション変化でエンジン停止タイミングにバラツキを生じる。
その結果、第1クラッチの解放タイミングがエンジンの停止タイミングよりも遅れて、第1クラッチの伝達トルク容量がエンジントルクよりも大きい間に、エンジンを例えばフューエルカット(燃料供給停止)により停止させると、エンジン停止時のトルク変動が第1クラッチを経て後方の駆動車輪へ伝達され、エンジン停止ショックが発生するという問題を生ずる。
また逆に、第1クラッチの解放タイミングがエンジンの停止タイミングよりも早く、エンジンが上記のフューエルカット中であっても未だ停止に至らず正駆動トルクを発生している間に第1クラッチの伝達トルク容量が当該エンジントルクよりも小さくなると、エンジンが正駆動トルクにより空吹けを生じてしまい、運転者に違和感を与えるという問題を生ずる。
本発明は、上記の問題のうち特に後者の問題、つまり第1クラッチの解放タイミングがエンジンの停止タイミングよりも早くて、エンジンが未だ正駆動トルクを発生している間に第1クラッチの伝達トルク容量がエンジントルクよりも小さくなり、そのためエンジンが空吹けて運転者に違和感を与えるという問題を解消したハイブリッド車両のモード切り替え制御装置を提案することを目的とする。
この目的のため、本発明によるハイブリッド車両のモード切り替え制御装置は、これを以下のごとくに構成する。
先ず、前提となるハイブリッド車両を説明するに、これは、
動力源としてエンジンおよびモータ/ジェネレータを具え、これらエンジンおよびモータ/ジェネレータ間に伝達トルク容量を変更可能な第1クラッチを介在させ、モータ/ジェネレータおよび駆動車輪間に伝達トルク容量を変更可能な第2クラッチを介在させ、
エンジンを停止させ、第1クラッチを解放すると共に第2クラッチを締結することによりモータ/ジェネレータからの動力のみによる電気走行モードを選択可能で、第1クラッチおよび第2クラッチを共に締結することによりエンジンおよびモータ/ジェネレータの双方からの動力によるハイブリッド走行モードを選択可能にしたものである。
本発明は、かかるハイブリッド車両において、
前記ハイブリッド走行モードでの走行中、前記エンジンの停止および第1クラッチの解放による前記電気走行モードへのモード切り替えが指令されたとき、該モード切り替え指令時からの経過時間を計測してこの経過時間に基づき、前記エンジンの停止によりエンジン運転中のエンジントルクが消失した後に前記第1クラッチの解放を行わせるよう構成したことを特徴とするものである。
上記した本発明によるハイブリッド車両のモード切り替え制御装置によれば、以下の作用効果が奏し得られる。
つまり、ハイブリッド走行モードでの走行中、エンジンの停止および第1クラッチの解放による電気走行モードへのモード切り替えが指令されたとき、このモード切り替え指令時からの経過時間を計測してこの経過時間に基づき、上記エンジンの停止によりエンジン運転中のエンジントルクが消失した後に第1クラッチの解放を行わせるため、
停止操作中のエンジンが未だ正駆動トルクを発生している間に第1クラッチの解放が行われることはなく、かかる早すぎる第1クラッチの解放でエンジンが空吹けて運転者に違和感を与えるという前記の問題を解消することができる。
本発明の着想を適用可能なハイブリッド車両のパワートレーンを示す概略平面図である。 本発明の着想を適用可能な他のハイブリッド車両のパワートレーンを示す概略平面図である。 本発明の着想を適用可能な更に他のハイブリッド車両のパワートレーンを示す概略平面図である。 図1〜3に示したパワートレーンにおける自動変速機を示す骨子図である。 図4に示した自動変速機内における変速摩擦要素の締結の組み合わせと、自動変速機の選択変速段との関係を示す締結論理図である。 図3に示したパワートレーンの制御システムを示すブロック線図である。 同制御システムにおける統合コントローラが実行する基本的な駆動力制御のプログラムを示すフローチャートである。 図6に示した制御システムにおける統合コントローラが実行する、HEV→EVモード切り替え制御の動作タイムチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
<構成>
図1は、本発明のモード切り替え制御装置を適用可能なハイブリッド駆動装置を具えたフロントエンジン・リヤホイールドライブ式ハイブリッド車両のパワートレーンを示し、1はエンジン、2は駆動車輪(左右後輪)である。
図1に示すハイブリッド車両のパワートレーンにおいては、通常の後輪駆動車と同様にエンジン1の車両前後方向後方に自動変速機3をタンデムに配置し、エンジン1(クランクシャフト1a)からの回転を自動変速機3の入力軸3aへ伝達する軸4に結合してモータ/ジェネレータ5を設ける。
モータ/ジェネレータ5は、モータとして作用したり、ジェネレータ(発電機)として作用するもので、エンジン1および自動変速機3間に配置する。
このモータ/ジェネレータ5およびエンジン1間、より詳しくは、軸4とエンジンクランクシャフト1aとの間に第1クラッチ6を介挿し、この第1クラッチ6によりエンジン1およびモータ/ジェネレータ5間を切り離し可能に結合する。
ここで第1クラッチ6は、伝達トルク容量を連続的または段階的に変更可能なものとし、例えば、比例ソレノイドでクラッチ作動油流量およびクラッチ作動油圧を連続的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチで構成する。
モータ/ジェネレータ5および自動変速機3間、より詳しくは、軸4と変速機入力軸3aとの間に第2クラッチ7を介挿し、この第2クラッチ7によりモータ/ジェネレータ5および自動変速機3間を切り離し可能に結合する。
第2クラッチ7も第1クラッチ6と同様、伝達トルク容量を連続的または段階的に変更可能なものとし、例えば、比例ソレノイドでクラッチ作動油流量およびクラッチ作動油圧を連続的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチで構成する。
自動変速機3は、2003年1月、日産自動車(株)発行「スカイライン新型車(CV35型車)解説書」第C−9頁〜第C−22頁に記載されたと同じものとし、複数の変速摩擦要素(クラッチやブレーキ等)を選択的に締結したり解放することで、これら変速摩擦要素の締結・解放組み合わせにより伝動系路(変速段)を決定するものとする。
従って自動変速機3は、入力軸3aからの回転を選択変速段に応じたギヤ比で変速して出力軸3bに出力する。
この出力回転は、ディファレンシャルギヤ装置8により左右後輪2へ分配して伝達され、車両の走行に供される。
但し自動変速機3は、上記したような有段式のものに限られず、無段変速機であってもよいのは言うまでもない。
自動変速機3は、図4に示すごときもので、以下にその概略を説明する。
入出力軸3a,3bは同軸突き合わせ関係に配置し、これら入出力軸3a,3b 上にエンジン1(モータ/ジェネレータ5)の側から順次フロントプラネタリギヤ組Gf、センタープラネタリギヤ組Gm、およびリヤプラネタリギヤ組Grを載置して具え、これらを自動変速機3における遊星歯車変速機構の主たる構成要素とする。
エンジン1(モータ/ジェネレータ5)に最も近いフロントプラネタリギヤ組Gfは、フロントサンギヤSf 、フロントリングギヤRf 、これらに噛合するフロントピニオンPf 、および該フロントピニオンを回転自在に支持するフロントキャリアCf よりなる単純遊星歯車組とする。
次にエンジン1(モータ/ジェネレータ5)に近いセンタープラネタリギヤ組Gmは、センターサンギヤSm 、センターリングギヤRm 、これらに噛合するセンターピニオンPm 、および該センターピニオンを回転自在に支持するセンターキャリアCm よりなる単純遊星歯車組とする。
エンジン1(モータ/ジェネレータ5)から最も遠いリヤプラネタリギヤ組Grは、リヤサンギヤSr 、リヤリングギヤRr 、これらに噛合するリヤピニオンPr 、および該リヤピニオンを回転自在に支持するリヤキャリアCr よりなる単純遊星歯車組とする。
遊星歯車変速機構の伝動経路(変速段)を決定する変速摩擦要素としては、フロントブレーキFr/B、インプットクラッチI/C、ハイ・アンド・ローリバースクラッチH&LR/C、ダイレクトクラッチD/C、リバースブレーキR/B、ロー・コーストブレーキLC/B、およびフォワードブレーキFWD/Bを設け、
これらを3個のワンウェイクラッチ、つまり3速ワンウェイクラッチ3rd/OWC、1速ワンウェイクラッチ1st/OWCおよびフォワードワンウェイクラッチFWD/OWCとともに、以下のごとくプラネタリギヤ組Gf,Gm,Grの上記構成要素に相関させて自動変速機3の遊星歯車変速機構を構成する。
フロントリングギヤRfは入力軸3aに結合し、センターリングギヤRmは、インプットクラッチI/Cにより適宜入力軸3aに結合可能とする。
フロントサンギヤSfは、3速ワンウェイクラッチ3rd/OWCを介してエンジン1の回転方向と逆の方向へ回転しないようにすると共に、3速ワンウェイクラッチ3rd/OWCに対し並列的に配置したフロントブレーキFr/Bにより適宜固定可能にする。
フロントキャリアCfおよびリヤリングギヤRrを相互に結合し、センターリングギヤRmおよびリヤキャリアCrを相互に結合する。
センターキャリアCmは出力軸3bに結合し、センターサンギヤSmおよびリヤサンギヤSr間は、1速ワンウェイクラッチ1st/OWCを介してセンターサンギヤSmがリヤサンギヤSrに対しエンジン1の回転方向と逆の方向へ回転しないようにすると共に、ハイ・アンド・ローリバースクラッチH&LR/CによりセンターサンギヤSmおよびリヤサンギヤSrを相互に結合可能とする。
リヤサンギヤSrおよびリヤキャリアCr間をダイレクトクラッチD/Cにより結合可能とし、リヤキャリアCrをリバースブレーキR/Bにより適宜固定可能とする。
センターサンギヤSmは更に、フォワードブレーキFWD/BおよびフォワードワンウェイクラッチFWD/OWCにより、フォワードブレーキFWD/Bの締結状態でエンジン1の回転方向と逆の方向へ回転しないようにすると共に、ロー・コーストブレーキLC/Bにより適宜固定可能にし、これがためロー・コーストブレーキLC/BをフォワードブレーキFWD/BおよびフォワードワンウェイクラッチFWD/OWCに対し並列的に設ける。
上記遊星歯車変速機構の動力伝達列は、7個の変速摩擦要素Fr/B,I/C,H&LR/C,D/C,R/B,LC/B,FWD/B、および3個のワンウェイクラッチ3rd/OWC,1st/OWC,FWD/OWCの図5に〇印および●印(エンジンブレーキ時)で示す選択的係合により、前進第1速(1st)、前進第2速(2nd)、前進第3速(3rd)、前進第4速(4th)および前進第5速(5th)の前進変速段と、後退変速段(Rev )とを得ることができる。
上記した自動変速機3を具える図1のパワートレーンにおいては、停車状態からの発進時などを含む低負荷・低車速時に用いられる電気走行(EV)モードが要求される場合、第1クラッチ6を解放し、第2クラッチ7を締結し、自動変速機3を動力伝達状態にする。
この状態でモータ/ジェネレータ5を駆動すると、当該モータ/ジェネレータ5からの出力回転のみが変速機入力軸3aに達することとなり、自動変速機3が当該入力軸3aへの回転を、選択中の変速段に応じ変速して変速機出力軸3bより出力する。
変速機出力軸3bからの回転はその後、ディファレンシャルギヤ装置8を経て後輪2に至り、車両をモータ/ジェネレータ5のみによって電気走行(EV走行)させることができる。
高速走行時や、大負荷走行時や、バッテリの持ち出し可能電力が少ない時などで用いられるハイブリッド走行(HEV走行)モードが要求される場合、第1クラッチ6および第2クラッチ7をともに締結し、自動変速機3を動力伝達状態にする。
この状態では、エンジン1からの出力回転、または、エンジン1からの出力回転およびモータ/ジェネレータ5からの出力回転の双方が変速機入力軸3aに達することとなり、自動変速機3が当該入力軸3aへの回転を、選択中の変速段に応じ変速して、変速機出力軸3bより出力する。
変速機出力軸3bからの回転はその後、ディファレンシャルギヤ装置8を経て後輪2に至り、車両をエンジン1およびモータ/ジェネレータ5の双方によってハイブリッド走行(HEV走行)させることができる。
かかるHEV走行中において、エンジン1を最適燃費で運転させるとエネルギーが余剰となる場合、この余剰エネルギーによりモータ/ジェネレータ5を発電機として作動させることで余剰エネルギーを電力に変換し、この発電電力をモータ/ジェネレータ5のモータ駆動に用いるよう蓄電しておくことでエンジン1の燃費を向上させることができる。
なお図1では、モータ/ジェネレータ5および駆動車輪2を切り離し可能に結合する第2クラッチ7を、モータ/ジェネレータ5および自動変速機3間に介在させたが、
図2に示すように、第2クラッチ7を自動変速機3およびディファレンシャルギヤ装置8間に介在させても、同様に機能させることができる。
また、図1および図2では第2クラッチ7として専用のものを自動変速機3の前、若しくは、後に追加することとしたが、
この代わりに第2クラッチ7として、図3に示すごとく自動変速機3内に既存する前進変速段選択用の変速摩擦要素または後退変速段選択用の変速摩擦要素を流用するようにしてもよい。
第2クラッチ7として流用する自動変速機3の変速摩擦要素については後述する。
この場合、第2クラッチ7が前記したモード選択機能を果たすのに加えて、この機能を果たすよう締結される時に自動変速機を動力伝達状態にすることとなり、専用の第2クラッチが不要でコスト上大いに有利である。
<制御システム>
図1〜3に示すハイブリッド車両のパワートレーンを成すエンジン1、モータ/ジェネレータ5、第1クラッチ6、および第2クラッチ7は、図6に示すようなシステムにより制御する。
なお以下では、パワートレーンが図3に示すようなものである(第2クラッチ7として自動変速機3内に既存の変速摩擦要素を流用したもの)である場合につき説明を展開するものとする。
図6の制御システムは、パワートレーンの動作点を統合制御する統合コントローラ20を具え、パワートレーンの動作点を、目標エンジントルクtTeと、目標モータ/ジェネレータトルクtTm(目標モータ/ジェネレータ回転数tNmでもよい)と、第1クラッチ6の目標伝達トルク容量tTc1(第1クラッチ指令圧tPc1)と、第2クラッチ7の目標伝達トルク容量tTc2(第2クラッチ指令圧tPc2)とで規定する。
統合コントローラ20には、上記パワートレーンの動作点を決定するために、
エンジン回転数Neを検出するエンジン回転センサ11からの信号と、
モータ/ジェネレータ回転数Nmを検出するモータ/ジェネレータ回転センサ12からの信号と、
変速機入力回転数Niを検出する入力回転センサ13からの信号と、
変速機出力回転数Noを検出する出力回転センサ14からの信号と、
エンジン1の要求負荷状態を表すアクセルペダル踏み込み量(アクセル開度APO)を検出するアクセル開度センサ15からの信号と、
モータ/ジェネレータ5用の電力を蓄電しておくバッテリ9の蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)を検出する蓄電状態センサ16からの信号とを入力する。
なお、上記したセンサのうち、エンジン回転センサ11、モータ/ジェネレータ回転センサ12、入力回転センサ13、および出力回転センサ14はそれぞれ、図1〜3に示すように配置することができる。
統合コントローラ20は、上記入力情報のうちアクセル開度APO、バッテリ蓄電状態SOC、および変速機出力回転数No(車速VSP)から、運転者が希望している車両の駆動力を実現可能な運転モード(EVモード、HEVモード)を選択すると共に、目標エンジントルクtTe、目標モータ/ジェネレータトルクtTm(目標モータ/ジェネレータ回転数tNmでもよい)、目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1(第1クラッチ指令圧tPc1)、および目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2(第2クラッチ指令圧tPc2)をそれぞれ演算する。
目標エンジントルクtTeはエンジンコントローラ21に供給され、目標モータ/ジェネレータトルクtTm(目標モータ/ジェネレータ回転数tNmでもよい)はモータ/ジェネレータコントローラ22に供給される。
エンジンコントローラ21は、エンジントルクTeが目標エンジントルクtTeとなるようエンジン1を制御し、
モータ/ジェネレータコントローラ22はモータ/ジェネレータ5のトルクTm(または回転数Nm)が目標モータ/ジェネレータトルクtTm(または目標モータ/ジェネレータ回転数tNm)となるよう、バッテリ9およびインバータ10を介してモータ/ジェネレータ5を制御する。
統合コントローラ20は、目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1(第1クラッチ指令圧tPc1)および目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2(第2クラッチ指令圧tPc2)に対応したソレノイド電流を第1クラッチ6および第2クラッチ7の油圧制御ソレノイド(図示せず)に供給し、第1クラッチ6の伝達トルク容量Tc1(第1クラッチ圧Pc1)が目標伝達トルク容量tTc1(第1クラッチ指令圧tPc1)に一致するよう、また、第2クラッチ7の伝達トルク容量Tc2(第2クラッチ圧Pc2)が目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2(第2クラッチ指令圧tPc2)に一致するよう、第1クラッチ6および第2クラッチ7を個々に締結力制御する。
<ハイブリッド車両の一般的な駆動力制御>
統合コントローラ20は、上記した運転モード(EVモード、HEVモード)の選択、そして目標エンジントルクtTe、目標モータ/ジェネレータトルクtTm(目標モータ/ジェネレータ回転数tNmでもよい)、目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1(第1クラッチ指令圧tPc1)、および目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2(第2クラッチ指令圧tPc2)の演算を、図7に示すメインルーチンにより実行する。
先ずステップS1において、予定の到達目標駆動力マップを用い、アクセル開度APOおよび車速VSPから、定常的な到達目標駆動力tFo0を演算する。
次のステップS2においては、予定の変速マップをもとにアクセル開度APOおよび車速VSPから目標変速段SHIFTを決定し、これをステップS9で自動変速機3の変速制御部(図示せず)へ指令して自動変速機3を目標変速段SHIFTへと変速させる。
ステップS3においては、予定の目標運転モード領域マップを用いて、アクセル開度APOおよび車速VSPから、目標とする運転モード(EVモード、HEVモード)を決定する。
目標運転モードとして通常、高負荷(大アクセル開度)・高車速時はHEVモードをあてがい、低負荷・低車速時はEVモードをあてがうように上記の目標運転モード領域マップを定めるのが普通である。
次のステップS4においては、現在の運転モードと上記目標運転モードとの対比により、運転モード遷移演算を以下のごとくに行う。
現在の運転モードと目標運転モードとが一致していれば、現在の運転モードEVモードまたはHEVモードを保持するよう指令する。
現在の運転モードがEVモードで、目標運転モードがHEVモードであれば、EVモードからHEVモードへのモード切り替えを指令する。
現在の運転モードがHEVモードで、目標運転モードがEVモードであれば、HEVモードからEVモードへのモード切り替えを指令する。
そして、これらの指令をステップS9で出力することにより、指令通りにモード保持や、モード切り替えを行わせる。
ステップS5においては、現在の駆動力から、ステップS1で求めた到達目標駆動力tFo0へ、所定の味付けをもった応答で移行するのに必要な時々刻々の過渡目標駆動力tFoを演算する。
この演算に当たっては例えば、到達目標駆動力tFo0を所定時定数のローパスフィルタに通過させて得られる出力を過渡目標駆動力tFoとすることができる。
ステップS6においては、運転モード(EVモード、HEVモード)や、モード切り替えに応じて、過渡目標駆動力tFoと、駆動車輪2のタイヤ有効半径Rtと、ファイナルギヤ比ifと、現在の選択変速段により決まる自動変速機3のギヤ比iGと、自動変速機3の入力回転数Niと、エンジン回転数Neと、バッテリ蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)に応じた目標放電電力tPとから、モータ/ジェネレータ5との共働により、若しくは単独で、過渡目標駆動力tFoを達成するのに必要な目標エンジントルクtTeを求める。
このようにして決定した目標エンジントルクtTeをステップS9において、図6のエンジンコントローラ21に指令し、エンジンコントローラ21はエンジン1を目標エンジントルクtTeが実現されるよう制御する。
ステップS7においては、運転モード(EVモード、HEVモード)や、モード切り替えに応じて、過渡目標駆動力tFoを達成するのに必要な、または、モード切り替えを遂行させるのに必要な第1クラッチ6および第2クラッチ7の目標伝達トルク容量tTc1,tTc2(クラッチ指令圧tPc1,tPc2)を求める。
このようにして決定した第1クラッチ6および第2クラッチ7の目標伝達トルク容量tTc1,tTc2(クラッチ指令圧tPc1,tPc2)をステップS9において、図6の第1クラッチ6および第2クラッチ7に指令し、第1クラッチ6および第2クラッチ7を目標伝達トルク容量tTc1,tTc2となるよう締結力制御する。
ステップS8においては、運転モード(EVモード、HEVモード)や、モード切り替えに応じて、過渡目標駆動力tFoと、駆動車輪2のタイヤ有効半径Rtと、ファイナルギヤ比ifと、現在の選択変速段により決まる自動変速機3のギヤ比iGと、自動変速機3の入力回転数Niと、エンジン回転数Neと、バッテリ蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)に応じた目標放電電力tPとから、エンジン1との共働により、若しくは単独で、過渡目標駆動力tFoを達成するのに必要な目標モータ/ジェネレータトルクtTmを求める。
このようにして決定した目標モータ/ジェネレータトルクtTmをステップS9において、図6のモータ/ジェネレータコントローラ22に指令し、モータ/ジェネレータコントローラ22はモータ/ジェネレータ5を目標モータ/ジェネレータトルクtTmが実現されるよう制御する。
<HEV→EVモード切り替え制御>
以上は一般的なハイブリッド車両のパワートレーン駆動力制御であるが、本発明が狙いとするHEV→EVモード切り替え制御を、図8に示すごとくアクセルペダルの釈放でアクセル開度APOが低下され、これに伴ってHEV→EVモード切り替え指令が発せられると共に自動変速機3が4速から5速へアップシフトされる場合につき、以下に説明する。
なお、HEV→EVモード切り替えは前記したとおり、第1クラッチ6および第2クラッチ7を締結してエンジン1およびモータ/ジェネレータ5からの動力により車輪2を駆動するハイブリッド走行(HEV)モードから、第1クラッチ6を解放すると共にエンジン1を停止してモータ/ジェネレータ5からの動力のみにより車輪2を駆動する電気走行(EV)モードへの切り替えであるため、第1クラッチ6を解放すると共にエンジン1を停止して当該HEV→EVモード切り替えが遂行される。
また、自動変速機3の上記4速から5速へのアップシフトは、図5の締結論理図に矢印を付して示すごとく、締結状態のダイレクトクラッチD/Cを解放させる(以下、これを解放要素と称する)と共に、解放状態のフロントブレーキFr/Bを締結させる(以下、これを締結要素と称する)ことにより達成されるため、
ここではダイレクトクラッチD/C(解放要素)を図3の第2クラッチ7として用い、図8では、その指令圧をtPc2により、また、その実圧をPc2によりそれぞれ示した。
図8では更に、フロントブレーキFr/B(締結要素)の指令圧をtPcにより、また、その実圧をPcにより、また、その伝達トルク容量をTcによりそれぞれ示した。
図8ではその他に、図5から明らかなごとく上記4速から5速へのアップシフト中も締結状態を保つハイ・アンド・ローリバースクラッチH&LR/Cの伝達トルク容量を、エンジン1のトルクTe、モータ/ジェネレータ5のトルクTm、エンジン回転数Ne、モータ/ジェネレータ回転数Nm、および変速機出力トルクToと共に併記し、
図3における第1クラッチ6の指令圧をtPc1により、また、その実圧をPc1により、また、その伝達トルク容量をTc1によりそれぞれ示した。
ただし第1クラッチ6は、常態では締結されてその伝達トルク容量Tc1を最大値にされており、その指令圧tPc1に向かうよう制御される実圧Pc1の上昇につれ伝達トルク容量Tc1を低下されるものとする。
図8に示すアクセル開度APO(要求駆動力)の低下で4→5アップシフト指令が発せられる瞬時t1に、今回第2クラッチ7として用いるダイレクトクラッチD/C(解放要素)の指令圧tPc2を、若干の応答遅れはあるものの理論上は即座に0にする。
これによりダイレクトクラッチD/C(解放要素)の実圧Pc2は、ハードウェア上の動作遅れををもって指令圧tPc2に追従するよう制御され、ダイレクトクラッチD/C(解放要素)は、4→5アップシフト指令が発せられる瞬時t1からできるだけ早期に解放させる。
一方で、フロントブレーキFr/B(締結要素)の締結を未だ実行させないことにより、自動変速機3を動力伝達不能な中立状態にしておく。
図8に示すアクセル開度APO(要求駆動力)の更なる低下で、瞬時t2にHEV→EVモード切り替え指令が発せられ、瞬時t3にアクセル開度APO=0の判定(アイドル判定)がなされるが、
HEV→EVモード切り替え指令瞬時t2から第1の所定時間TM1が経過する瞬時t4に、第1クラッチ6の指令圧tPc1を、若干の応答遅れはあるものの理論上は即座に最大値にする。
これにより第1クラッチ6の実圧Pc1は、ハードウェア上の動作遅れををもって指令圧tPc1に追従するよう制御され、第1クラッチ6は伝達トルク容量Tc1を図示のごとくに低下され、図示のスリップ開始点を経て遂には解放される。
HEV→EVモード切り替え指令瞬時t2から第2の所定時間TM2が経過する瞬時t5より、エンジントルクTeをそれまでのアクセル開度APOに応じた制御状態から、フューエルカット(燃料供給停止)によるエンジン停止操作で一気に低下させ、エンジン回転数Neの経時変化により示すごとくにエンジンを停止させる。
なお上記の所定時間TM1,TM2は、エンジン1の上記停止によりエンジン運転中のエンジントルクTeが消失した(図8の正側エンジントルクが消失した)後に第1クラッチ6の解放が行われるような相関関係を持った予定時間とする(図8に第1クラッチ6の解放判定瞬時t6、および第1クラッチ6の解放瞬時t7を示した)。
HEV→EVモード切り替え指令瞬時t2から第2の所定時間TM2が経過する瞬時t5より、つまりこの瞬時t5から上記のごとくに行われるエンジン停止操作と並行的に、自動変速機3の4→5アップシフトに伴う入力側回転数の低下をモータ/ジェネレータ5により前もって生起させる変速ショック防止用の回転合わせ制御を行う。
この回転合わせ制御は、その開始時t5から、変速ショック防止上予め定めた目標変速時間(図8参照)が経過する瞬時t8までの間に、モータ/ジェネレータ5の回転数Nmを変速前回転数(図8に4速回転数として示した)から変速後回転数(図8に5速回転数として示した)へと低下させる、モータ/ジェネレータ5の回転数(Nm)制御であり、この回転数Nmが変速後回転数(図8に5速回転数として示した)に対し余裕代をもって接近した瞬時t8に終了させる。
4→5アップシフト時の締結要素であるフロントブレーキFr/Bの指令圧tPcは、エンジン停止指令瞬時(モータ/ジェネレータ5の回転合わせ制御開始瞬時)t5より図示のごとくに上昇させるが、モータ/ジェネレータ5の回転合わせ制御終了瞬時t8までは、実圧PcがフロントブレーキFr/B(締結要素)をリターンスプリングに抗してロスストロークさせる程度の小さな値とし、これによりフロントブレーキFr/B(締結要素)を締結開始直前状態に保ってその締結動作遅れをできるだけ少なくする。
そしてモータ/ジェネレータ5の回転合わせ制御終了瞬時t8にフロントブレーキFr/B(締結要素)の指令圧tPcを最大値にし、ハードウェア上の動作遅れをもってこれに追従するよう制御される実圧Pcの上昇によりフロントブレーキFr/B(締結要素)の伝達トルク容量Tcを図示のごとくに増大させる。
これによるフロントブレーキFr/B(締結要素)の締結は、前記したダイレクトクラッチD/C(解放要素)の解放とにより、自動変速機3を4速から5速へとアップシフトさせる。
かかるフロントブレーキFr/B(締結要素)の締結進行、つまり4速から5速へのアップシフトの進行により、モータ/ジェネレータ5はモータトルクTmの経時変化から明らかなようにフリクショントルクを低下されるが、
モータ/ジェネレータ5の回転合わせ制御終了瞬時t8からの経過時間が第3の所定時間TM3となる瞬時t9より、モータ/ジェネレータ5のトルクTmをHEV→EVモード切り替え後の目標駆動トルクとなすためのモータトルク制御を行わせる。
ここで第3の所定時間TM3は、モータ/ジェネレータ5のフリクショントルクTmが、フロントブレーキFr/B(締結要素)の締結進行、つまり4速から5速へのアップシフトの進行により消失するのに要する時間として予め設定する予定時間である。
かかるモータトルク制御により、モータ/ジェネレータ5のトルクTmがHEV→EVモード切り替え後の目標駆動トルクとなる瞬時t10に、自動変速機3の4→5アップシフトを伴ったHEV→EVモード切り替えが終了するが、
アクセルペダルの釈放によるアクセル開度APO=0に起因して上記HEV→EVモード切り替え後の目標駆動トルクが負値(エンジンブレーキ要求)であることから、瞬時t9以後モータ/ジェネレータ5はエネルギーの回生により発電を行う発電機として機能する。
なお、自動変速機3の4→5アップシフト中も締結状態を保つハイ・アンド・ローリバースクラッチH&LR/Cの伝達トルク容量は図8に示すごとく、モータ/ジェネレータ5のトルクTmがHEV→EVモード切り替え後の目標駆動トルクとなるHEV→EVモード切り替え終了瞬時t10を境に、それよりも前ではHEVモードに呼応してエンジン1およびモータ/ジェネレータ5からのトルクを伝達可能なトルク容量に制御し、瞬時t10よりも後ではEVモードに呼応してモータ/ジェネレータ5からのトルクを伝達可能なトルク容量に制御する。
<作用効果>
上記した本実施例のHEV→EVモード切り替え制御によれば、以下の作用効果が得られる。
先ず、HEVモードから、エンジン1の停止および第1クラッチ6の解放により、EVモードへのモード切り替えを行うに際し、第2クラッチ7(ダイレクトクラッチD/C)の締結トルク容量(図8の実圧Pc2で決まる)を、この第2クラッチ7がエンジン停止時のショック(図8にハッチングを付して示したエンジントルクTeの変化)を吸収し得るよう低下させた状態で(図8では、第2クラッチであるダイレクトクラッチD/Cの締結トルク容量を0にした状態で)、上記モード切り替え時のエンジン1の停止および第1クラッチ6の解放を行わせるため、
第1クラッチ6の解放タイミングがバラツキによりエンジン1の停止タイミングより遅れて、第1クラッチ1の伝達トルク容量Tc1がエンジントルクTeよりも大きい間にエンジン1を停止させることとなった場合でも、エンジン停止時のトルク変動(図8にハッチングを付して示したエンジントルクTeの変化)が第1クラッチ6を経て後方の駆動車輪2へ向かう途中に存在する第2クラッチ7(ダイレクトクラッチD/C)のスリップにより吸収され、図8の0に保たれる出力トルクToの経時変化から明らかなようにエンジン停止ショックの発生を防止して、このショックに関する前記した従来の問題を回避することができる。
なお、この問題解決のためには上記した本実施例の対策に代えて、エンジン停止ショックをモータ/ジェネレータ5のトルク制御により相殺することも考えられるが、この手法では、前記した第1クラッチ6の解放タイミングのバラツキや、エンジン1の停止タイミングのバラツキに起因して、確実な問題解決は望み得ないし、この手法では更に、上記相殺のためのモータ/ジェネレータの困難なトルク補償タイミングおよびトルク補償量の制御が必要になって、益々問題解決が困難にすらなる。
ところで本実施例では上記した通り、HEV→EVモード切り替えを行うに際し、第2クラッチ7(ダイレクトクラッチD/C)の締結トルク容量(図8の実圧Pc2で決まる)を、この第2クラッチ7がエンジン停止時のショック(図8にハッチングを付して示したエンジントルクTeの変化)を吸収し得るよう低下させた状態で、当該モード切り替え用のエンジン1の停止および第1クラッチ6の解放を行わせるため、
HEV→EVモード切り替えショック防止用のモータ/ジェネレータ5の上記したトルク補償制御が不要であり、当該制御時に決定すべきトルク補償タイミングおよびトルク補償量の決定に煩わされることもなく、上記したエンジン停止ショック防止機能を確実に得ることができる。
なお、上記したHEV→EVモード切り替え時エンジン停止ショック防止用のモータ/ジェネレータ5のトルク補償制御が必要であると、上記のHEV→EVモード切り替えが自動変速機の変速を伴うものである場合において、つまり、変速ショック対策用のモータ/ジェネレータ5の回転合わせ制御が必要である場合において、モータ/ジェネレータ5をトルク補償制御しつつ回転合わせ制御しなければならなくなるが、
これら制御を同時に遂行することが不可能で、優先順位の高い方から順次に遂行することとなり、モード切り替え応答を著しく悪化させるという新たな問題を生ずる。
しかし本実施例においては上記の通り、モータ/ジェネレータ5の上記トルク補償制御なしにHEV→EVモード切り替え時エンジン停止ショック防止機能を達成し得ることから、
モータ/ジェネレータ5を変速ショック対策用に回転合わせ制御するだけでよく、上記の新たな問題を生ずることもないし、モータ/ジェネレータ5による変速ショック対策用回転合わせ制御の制御性を向上させることができる。
ところで、第1クラッチ6の解放タイミングがバラツキにより、上記したとは逆に、エンジン1の停止タイミングより早く、エンジン1がエンジン停止操作(本実施例ではフューエルカット)中であっても未だ停止に至らず正駆動トルクを発生している間に第1クラッチ6の伝達トルク容量がエンジントルクTeよりも小さくなる場合、エンジンが正駆動トルクにより空吹けを生じてしまい、運転者に違和感を与えるという問題を生ずる。
しかし本実施例においては前記したごとく、HEV→EVモード切り替え指令時(図8の瞬時t2)からの経過時間を計測して、この経過時間が第1の所定時間TM1になったとき(図8の瞬時t3)、第1クラッチ6の解放を指令し、上記計測したHEV→EVモード切り替え指令時t2からの経過時間が第2の所定時間TM2になったとき(図8の瞬時t5)、エンジン1の停止を指令するよう構成し、
これら第1の所定時間TM1および第2の所定時間TM2を、エンジン1の停止によりエンジン運転中のエンジントルクTeが消失した(Te=0になった)後に第1クラッチ6の解放が行われるよう設定したため、
HEV→EVモード切り替えに際し、第1クラッチ6の解放がエンジン1の停止完了(エンジントルクTeの消失)後に行われるのを保証し得ることとなる。
このため、エンジン1がエンジン停止操作(本実施例ではフューエルカット)中であっても未だ停止に至らず正駆動トルクを発生している間に第1クラッチ6の解放が行われることはなく(第1クラッチ6の伝達トルク容量がエンジントルクTeよりも小さくなることがなく)、かかる早すぎる第1クラッチ6の解放でエンジンが正駆動トルクにより空吹けを生じて運転者に違和感を与えるという上記の問題を確実に解消することができる。
また本実施例においては、第2クラッチ7(ダイレクトクラッチD/C)の締結トルク容量(図8の実圧Pc2で決まる)を、この第2クラッチ7がエンジン停止時のショック(図8にハッチングを付して示したエンジントルクTeの変化)を吸収し得るよう低下させた状態で(図8では、第2クラッチであるダイレクトクラッチD/Cの締結トルク容量を0にした状態で)、前記4→5アップシフト時のモータ/ジェネレータ5による変速ショック対策用回転合わせ制御を行うため、
このモータ/ジェネレータ5による回転合わせ制御を、出力トルクToに関係なく、また、モータ/ジェネレータトルクTmに関係なく行うことができ、従って、エンジン停止動作(モード切り替え)と、回転合わせ制御(変速制御)とを同時並行させ得て、自動変速機3の変速を伴うHEV→EVモード切り替えといえども、これを短時間で完遂させることができる。
なお上記では、自動変速機3の4→5アップシフトが図5の締結論理から明らかなようにワンウェイクラッチを介することのない変速であることから、
HEV→EVモード切り替え指令時t2からの経過時間(所定時間TM2,TM1)に基づき、エンジン1の停止によりエンジン運転中のエンジントルクTeが消失した後に第1クラッチ6の解放を行わせるようにしてエンジンの空吹けを防止したが、
変速に際し締結される変速摩擦要素の締結によって発生する伝動系に、駆動車輪2からエンジン1への逆駆動を空転により禁止するワンウェイクラッチ(逆駆動禁止要素)が存在していて、この要素が空転している場合は、エンジンの空吹けを生ずることがないため 、
前記エンジン1の停止および第1クラッチ6の解放を、HEV→EVモード切り替え指令時t2に直ちに開始させることとする。
かようにエンジン1の停止および第1クラッチ6の解放を、HEV→EVモード切り替え指令時t2に直ちに開始させる場合、その分だけモード切り替えの応答性と、エンジンの燃費向上とを実現する。
なお上記では、自動変速機3の4→5アップシフトがダイレクトクラッチD/Cを締結状態から解放させると共に、ハイ・アンド・ローリバースクラッチH&LR/Cを解放状態から締結させる摩擦要素の掛け替えにより行われることから、
解放側変速摩擦要素であるダイレクトクラッチD/Cを第2クラッチ7(図3参照)として用い、第2クラッチ7を図1および図2に示すように新設する必要がないようにしたため、コスト上およびスペース上大いに有利である。
ところで、摩擦要素の掛け替えに依らない自動変速機3の変速を伴うHEV→EVモード切り替え時や、変速を伴わないHEV→EVモード切り替え時においては、当該モード切り替え中に自動変速機を伝動状態に維持するための変速摩擦要素を図3における第2クラッチ7として用いることで、第2クラッチ7を図1および図2に示すように新設する必要がないようにして同様の作用効果を奏することができる。
一例としては、自動変速機3の締結論理を示す図5から明らかなように、ハイ・アンド・ローリバースクラッチH&LR/Cが2速以外の全ての変速段で締結状態にされることから、これを図3の第2クラッチとして用い、HEV→EVモード切り替え中にこれを解放、若しくは、その伝達トルク容量を低下させることで、前記した作用効果を達成することができる。
1 エンジン
2 駆動車輪(後輪)
3 自動変速機
Gf フロントプラネタリギヤ組
Gm センタープラネタリギヤ組
Gr リヤプラネタリギヤ組
Fr/B フロントブレーキ
I/C インプットクラッチ
H&LR/C ハイ・アンド・ローリバースクラッチ
D/C ダイレクトクラッチ(第2クラッチ)
R/B リバースブレーキ
LC/B ロー・コーストブレーキ
FWD/B フォワードブレーキ
3rd/OWC 3速ワンウェイクラッチ
1st/OWC 1速ワンウェイクラッチ
FWD/OWC フォワードワンウェイクラッチ
4 伝動軸
5 モータ/ジェネレータ
6 第1クラッチ
7 第2クラッチ
8 ディファレンシャルギヤ装置
9 バッテリ
10 インバータ
11 エンジン回転センサ
12 モータ/ジェネレータ回転センサ
13 変速機入力回転センサ
14 変速機出力回転センサ
15 アクセル開度センサ
16 バッテリ蓄電状態センサ
20 統合コントローラ
21 エンジンコントローラ
22 モータ/ジェネレータコントローラ

Claims (3)

  1. 動力源としてエンジンおよびモータ/ジェネレータを具え、これらエンジンおよびモータ/ジェネレータ間に伝達トルク容量を変更可能な第1クラッチを介在させ、モータ/ジェネレータおよび駆動車輪間に伝達トルク容量を変更可能な第2クラッチを介在させ、
    エンジンを停止させ、第1クラッチを解放すると共に第2クラッチを締結することによりモータ/ジェネレータからの動力のみによる電気走行モードを選択可能で、第1クラッチおよび第2クラッチを共に締結することによりエンジンおよびモータ/ジェネレータの双方からの動力によるハイブリッド走行モードを選択可能なハイブリッド車両において、
    前記ハイブリッド走行モードでの走行中、前記エンジンの停止および第1クラッチの解放による前記電気走行モードへのモード切り替えが指令されたとき、該モード切り替え指令時からの経過時間を計測してこの経過時間に基づき、前記エンジンの停止によりエンジン運転中のエンジントルクが消失した後に前記第1クラッチの解放を行わせるよう構成したことを特徴とする、ハイブリッド車両のモード切り替え制御装置。
  2. 請求項1に記載のモード切り替え制御装置において、
    前記計測したモード切り替え指令時からの経過時間が第1の所定時間になったとき、前記第1クラッチの解放を指令し、前記計測したモード切り替え指令時からの経過時間が第2の所定時間になったとき、前記エンジンの停止を指令するよう構成し、
    前記第1の所定時間および第2の所定時間を、前記エンジンの停止によりエンジン運転中のエンジントルクが消失した後に前記第1クラッチの解放が行われるよう設定したことを特徴とする、ハイブリッド車両のモード切り替え制御装置。
  3. 前記ハイブリッド車両が、前記モータ/ジェネレータおよび駆動車輪間に自動変速機を具えたものである、請求項1または2に記載のモード切り替え制御装置において、
    前記モード切り替えが前記自動変速機の変速を伴うものであり、且つ、該変速が解放状態の変速摩擦要素の締結により遂行され、この締結により発生する伝動系に、前記駆動車輪からエンジンへの逆駆動を空転により禁止する逆駆動禁止要素が存在していて、この要素が空転している場合、前記エンジンの停止および第1クラッチの解放を、前記ハイブリッド走行モードから電気走行モードへのモード切り替え指令時に直ちに行わせるよう構成したことを特徴とする、ハイブリッド車両のモード切り替え制御装置。
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