JP5636872B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents
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Description
そして、このようなトルク制御に伴い、モータジェネレータと駆動輪との間の締結要素の締結状態を制御しており、車速に応じ、相対的に高車速域では締結要素を締結(非スリップ状態)とし、相対的に低車速域では、スリップ状態としている。
図1は、実施例1の制御装置が適用された後輪駆動によるハイブリッド車両を示す全体システム図である。
実施例1におけるFRハイブリッド車両の制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、第1クラッチコントローラ5と、第1クラッチ油圧ユニット6と、ATコントローラ7と、第2クラッチ油圧ユニット8と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10と、を有して構成されている。なお、各コントローラ1,2,5,7,9と、統合コントローラ10とは、情報交換が互いに可能なCAN通信線11を介して接続されている。
この変速制御に加えて、統合コントローラ10から目標CL2トルク指令を入力した場合、第2クラッチCL2のスリップ締結を制御する指令を油圧コントロールバルブユニットCVU内の第2クラッチ油圧ユニット8に出力する第2クラッチ制御を行う。
そして、統合コントローラ10は、アクセル開度APOとドライバ目標トルクと目標走行モードと車速VSPと要求発電出力とから、これらを動作点到達目標として、過渡的な目標エンジントルクと目標MGトルクと目標CL2トルク容量と目標変速比(目標ATシフト)とCL1ソレノイド電流指令を演算し出力する。
前述したように、統合コントローラ10は、走行モードをEVモード、HEVモード、WSCモードに切り替える。そして、統合コントローラ10は、この走行モードの切替に伴い、第2クラッチCL2をスリップ制御状態と非スリップ制御状態(ロックアップ)とに切り替える。なお、非スリップ制御状態(ロックアップ)にあっても、応答性向上やトルク変動の吸収のために微小にスリップさせる微小スリップ制御を行うことがあるが、このような微小スリップ制御は、非スリップ制御状態に含むものとする。
この図において、実線で示すL/U:ON閾値線LSupは、スリップ制御状態から非スリップ制御状態に切り替えるのに用いる閾値である。一方、点線で示すL/U:OFF閾値線LSdnは、非スリップ制御状態からスリップ制御状態に切り替えるのに用いる閾値である。この図に示すように、第2クラッチCL2のスリップ状態と非スリップ状態との切り替えは、ドライバ目標トルクTRdと車速VSPとに基づいて行なう。
また、L/U:ON閾値線LSupとL/U:OFF閾値線LSdnとは、ドライバ目標トルクTRdがあらかじめ設定された設定値Tset以下の領域では高速側にシフトされてスリップ制御領域が広げられて設定されている。
さらに、本実施例1では、これらL/U:ON閾値線LSupとL/U:OFF閾値線LSdnを高速側に広げる設定値Tsetは、自動変速機ATの油温Toilに応じ、油温Toilが低下するほど矢印Sに示すように上昇側され設定となっている。
図7に示すように、目標スリップ回転数MSrpmは、ドライバ目標トルクTRdがプラスの場合はプラス(プラススリップ)、ドライバ目標トルクTRdがマイナスの場合はマイナス(マイナススリップ)を行うように設定されている。
なお、プラススリップ状態とは、モータジェネレータMG側を駆動輪(RL,RR)側よりも高回転としたスリップ状態であり、一方、マイナススリップ状態とは、その逆にモータジェネレータMG側を駆動輪(RL,RR)側よりも低回転としたスリップ状態である。
そして、目標スリップ回転数MSrpmのプラス側の上限値SLmaxは、車速VSPとドライバ目標トルクTRdとに基づいて設定されている。一方、目標スリップ回転数MSrpmのマイナス側の下限値SLminは、各ワンウェイクラッチF1,F2への干渉や、エンジン出力回転数の急変などを考慮した値に設定されている。
ステップS1およびS2は、本制御を適用する状態か適用外であるかを判定する。すなわち、ステップS1では、エンジン動作中か否か判定し、動作中(YES)であればステップS2に進み、非動作中(NO)であればステップS8に進んで本制御の対象外であると判定する。
ステップS2では、非変速中であるか否か判定し、非変速中(YES)であればステップS3に進み、変速中(NO)であればステップS8に進んで本制御の対象外であると判定する。
すなわち、第2クラッチCL2のスリップ・非スリップ切替制御は、エンジンEngが動作中で、かつ、非変速中に適用され、それ以外は適用されない。
また、このステップS4の判定に用いる両閾値線LSup,LSdnは、自動変速機ATの油温Toilに応じ、油温Toilが低いほど、図7において右方向にシフトされるようになっている。したがって、油温Toilが低いほどステップS4においてYES判定されやすくなる。
ステップS6ではスリップ制御と判定し、ステップS7では、非スリップ制御と判定する。
(ワンウェイクラッチ係合時)
ワンウェイクラッチF1,F2のいずれかを係合する変速段(本実施例では、前進1速および2速)の場合、ドライバ目標トルクTRdが閾値線(LSup,LSdn)以下となった場合、スリップ制御と判定される(ステップS3→S4→S6の処理の流れによる)。
したがって、この第2クラッチCL2のスリップ状態では、自動変速機ATのフリクションによる回転数低下や、エンジントルクのばらつきにより回転数変化が生じても、第2クラッチCL2のスリップでこれを逃がすことができる。よって、このような回転数低下や変動を原因とする音・振動の発生や、この回転低下に対応するアクセルペダルの踏み込みに伴うラグの発生を抑制することができる。
したがって、スリップ制御領域と非スリップ制御領域の駆動トルク変化を防止することができ、かつ、自動変速機ATの油温低下に伴うフリクション増加による出力回転数低下を抑制できる。
ワンウェイクラッチF1,F2を係合しない変速段(本実施例では、前進1速および2速以外)の場合、コースト時などドライバ目標トルクTRdがマイナスの場合、スリップ制御と判定される(ステップS3→S5→S6の処理の流れによる)。
この場合、ドライバの要求に応じ、マイナス側へのトルク出力が可能である。
実施例1のハイブリッド車両の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1)実施例1のハイブリッド車両の制御装置は、
エンジンEngと、
エンジンEngから駆動輪(RL,RR)への駆動系において、駆動輪(RL,RR)との間で駆動力を伝達可能に設けられたモータジェネレータMGと、
モータジェネレータMGと駆動輪(RL,RR)との間に介装され、変速比が異なる複数の変速段を有するとともに、ワンウェイクラッチF1,F2を係合する変速段を有する自動変速機ATと、
モータジェネレータMGと駆動輪(RL,RR)との間に介装され、スリップ状態と非スリップ状態とを形成する第2クラッチCL2と、
第2クラッチCL2を、車速VSPに応じてスリップ状態と非スリップ状態とに切り替える統合コントローラ10と、
を備え、
統合コントローラ10は、自動変速機ATがワンウェイクラッチF1,F2を係合する変速段であるときには、ドライバ目標トルクTRdがあらかじめ設定された設定値(LSup,LSdn)を下回ったときには、第2クラッチCL2をスリップ状態に制御するようにしたことを特徴とする。
このようにドライバ目標トルクTRdが小さい場合は、自動変速機ATのフリクションの影響で、出力回転数が低下したり、エンジンEngの出力ばらつきによる回転数変動が生じたりするおそれがある。しかし、このように、ドライバ目標トルクTRdが低い領域では、第2クラッチCL2をスリップ状態に制御しているため、上述の回転数低下や回転数変動が駆動輪(RL,RR)に伝達されるのを抑制できる。
よって、このような回転数低下や回転数変動を原因とする音・振動の発生や、この出力回転数低下に対応するアクセルペダルの踏み込みに伴うラグの発生を抑制することができる。
統合コントローラ10は、ドライバ目標トルクTRdが設定値(LSup,LSdn)以下でスリップ状態とする際に、ドライバ目標トルクTRdがプラスの場合は、第2クラッチCL2をプラススリップ状態とし、一方、ドライバ目標トルクTRdがマイナスの場合は、第2クラッチCL2をマイナススリップ状態とするようにした。
したがって、ワンウェイクラッチF1,F2を係合しない変速段の場合、ドライバ目標トルクTRdがマイナスの場合、マイナススリップ状態に制御され、ドライバの要求に応じ、マイナス側へのトルク出力が可能である。
設定値(LSup,LSdn)は、自動変速機ATの油温Toilに応じ、この油温Toilが低くなるほど設定値(LSup,LSdn)を高くしてスリップ制御領域を広げるようにした。
したがって、スリップ制御領域と非スリップ制御領域の駆動トルク変化を防止することができ、かつ、自動変速機ATの油温低下に伴うフリクション増加による出力回転数低下を抑制できる。
また、目標スリップ回転数MSrpmのマイナス側の下限値SLminは、各ワンウェイクラッチF1,F2への干渉や、エンジン出力回転数の急変などを考慮した値に設定した。したがって、ワンウェイクラッチF1,F2への干渉や、エンジン出力回転数の急変に伴う音・振動の抑制を、より確実に抑制できる。
CL2 第2クラッチ(締結要素)
Eng エンジン
F1 ワンウェイクラッチ
F2 ワンウェイクラッチ
LSdn L/U:OFF閾値線
LSup L/U:ON閾値線
1 エンジンコントローラ
2 モータコントローラ
3 インバータ
4 バッテリ
5 クラッチコントローラ
6 クラッチ油圧ユニット
7 ATコントローラ
8 クラッチ油圧ユニット
9 ブレーキコントローラ
10 統合コントローラ(スリップ制御部)
Claims (2)
- エンジンと、
前記エンジンから駆動輪への駆動系において、前記駆動輪との間で駆動力を伝達可能に設けられたモータジェネレータと、
前記モータジェネレータと前記駆動輪との間に介装され、変速比が異なる複数の変速段を有するとともに、ワンウェイクラッチを係合する変速段を有する自動変速機と、
前記モータジェネレータと前記駆動輪との間に介装され、スリップ状態と非スリップ状態とを形成する締結要素と、
この締結要素を、車速に応じてスリップ状態と非スリップ状態とに切り替えるスリップ制御部と、
を備え、
前記スリップ制御部は、前記自動変速機が前記ワンウェイクラッチを係合する変速段であるときには、前記駆動輪への目標トルクがあらかじめ設定された設定値以下では、前記締結要素をスリップ状態に制御するとともに、前記自動変速機の油温に応じ、この油温が低くなるほど前記設定値を高くしてスリップ制御領域を広げるようにしたことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記スリップ制御部は、前記目標トルクが前記設定値以下でスリップ状態に制御する際に、前記目標トルクがプラスの場合は、前記モータ側を前記駆動輪側よりも高回転とするプラススリップ状態とし、一方、前記目標トルクがマイナスの場合は、前記モータ側を前記駆動輪側よりも低回転とするマイナススリップ状態とするようにしたことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010238148A JP5636872B2 (ja) | 2010-10-25 | 2010-10-25 | ハイブリッド車両の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010238148A JP5636872B2 (ja) | 2010-10-25 | 2010-10-25 | ハイブリッド車両の制御装置 |
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JP2012091550A JP2012091550A (ja) | 2012-05-17 |
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JP2010238148A Active JP5636872B2 (ja) | 2010-10-25 | 2010-10-25 | ハイブリッド車両の制御装置 |
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JP (1) | JP5636872B2 (ja) |
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2010
- 2010-10-25 JP JP2010238148A patent/JP5636872B2/ja active Active
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