JP2007261395A - ハイブリッド車両のエンジン始動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気走行(EV)モードからハイブリッド(HEV)モードへの切り換え時におけるエンジン始動を滑らかに、且つ、駆動力の途切れなしに行い得るようにする。
【解決手段】EV走行中t1でのアクセル開度APOの増大に伴い、目標駆動力をモータ/ジェネレータからの動力のみでは実現し得ないことが判明したt2に、EVモードからHEVモードへの切り替え指令(エンジン始動要求)が発せられる。このモード切り替え中(エンジン始動中)も第2クラッチ7の伝達トルク容量tTc2を最大値に維持し、これによっても、エンジン始動を滑らかに行うために、第1クラッチの伝達トルク容量tTc1を、エンジンのクランキングに必要な最小限のトルク(エンジンのフリクショントルクと、回転上昇に必要なエンジン回転イナーシャ分のトルク)が伝達されるトルク容量とし、モータ/ジェネレータの出力トルクtTmを、エンジンのクランキングに必要な最小限の要求クランキングトルクと目標駆動力(tFo)発生トルクとの和値に相当するトルクとなす。
【選択図】図12

Description

本発明は、エンジン以外にモータ/ジェネレータからの動力によっても走行することができ、モータ/ジェネレータからの動力のみにより走行する電気走行(EV)モードと、エンジンおよびモータ/ジェネレータの双方からの動力により走行可能なハイブリッド走行(HEV)モードとを有するハイブリッド車両に関し、
特に、前者のEVモードでの走行中にエンジン出力が必要になって後者のHEVモードへ切り換えるに際し要求されるエンジン始動をショックなく滑らかに行わせるためのエンジン始動制御装置に関するものである。
上記のようなハイブリッド車両に用いるハイブリッド駆動装置としては従来、様々な型式のものが提案されているが、そのうちの1つとして、特許文献1に記載のごときものが知られている。
このハイブリッド駆動装置は、エンジン回転を変速機に向かわせる軸に結合して、これらエンジンおよび変速機間にモータ/ジェネレータを具え、エンジンおよびモータ/ジェネレータ間を切り離し可能に結合する第1クラッチを有すると共に、モータ/ジェネレータおよび変速機出力軸間を切り離し可能に結合する第2クラッチをトルクコンバータの代わりに有した構成になるものである。
かかるハイブリッド駆動装置を具えたハイブリッド車両は、第1クラッチを解放すると共に第2クラッチを締結する場合、モータ/ジェネレータからの動力のみにより走行する電気走行(EV)モードとなり、第1クラッチおよび第2クラッチをともに締結する場合、エンジンおよびモータ/ジェネレータの双方からの動力により走行可能なハイブリッド走行(HEV)モードとなり得る。
かかるハイブリッド車両においては、前者のEVモードでの走行中、アクセルペダルの踏み込みにより要求駆動力が増し、モータ/ジェネレータのみではこの要求駆動力を実現することができないためエンジン出力が必要になったことで、或いは、バッテリ蓄電状態が悪化してモータ/ジェネレータのみでは所定の出力が得られなくなったため、エンジン出力が必要になったことで、当該EVモードから後者のHEVモードへ切り換えるに際しては、エンジンを始動させながら当該モード切り替えを行う必要がある。
かかるエンジン始動を伴うモード切り替えに際しては従来、特許文献1にも記載されている通り、エンジンおよびモータ/ジェネレータ間にあって解放状態の第1クラッチを締結進行させ、該第1クラッチの引き摺りトルクにより停止状態のエンジンをクランキングしてエンジンを始動させることでEVモードからHEVモードへのモード切り換えを行う。
そして特許文献1には更に、上記エンジン始動時のエンジントルク変動や、第1クラッチを締結する時のトルク変動が駆動車輪に伝達されてショックとなるのを防止するため、モータ/ジェネレータおよび変速機間にあって締結状態の第2クラッチを一旦解放し、この状態で上記第1クラッチの締結進行によるエンジンの始動を行わせる技術も提案されている。
特開平11−082260号公報
しかし従来のように、エンジンおよびモータ/ジェネレータ間の第1クラッチを締結進行させてエンジンをクランキングさせる間、モータ/ジェネレータおよび変速機間の第2クラッチを解放状態にしておくのでは、
かかるエンジンのクランキング中に第2クラッチが動力源および駆動車輪間を切り離して駆動車輪へのトルク伝達を行わなくすることから、駆動車輪への出力トルクがゼロになってエンジンのクランキング中に出力トルクの抜けを感じさせ、運転者に違和感を与える虞がある。
そこで、第2クラッチを従来のように完全解放する代わりに、スリップ締結させておくことにより、第1クラッチの締結進行で行われるエンジン始動時の変動が駆動車輪に伝達されるのを防止しつつ、エンジンのクランキング中に駆動車輪への出力トルクがゼロになって出力トルクの抜け感が発生するという上記の問題を解消することも考えられる。
しかし、かように第2クラッチをスリップ締結させるのでは、第1クラッチの締結進行制御とも相まって制御が煩雑になると共に制御性も悪化して得策でない。
また、かように第2クラッチをスリップ締結させるだけでは、エンジンのクランキング中に駆動車輪への出力トルクがゼロにならないまでも、以下の理由から出力トルクの低下を免れず、出力トルクの引き感が発生するという問題は解消しきれない。
つまりエンジンの始動に当たっては、これをフリクションに抗してクランキングさせなければならないためフリクション分のトルクが消費されるのに加えて、クランキングによるエンジン回転数の上昇にも相応のトルクが消費され、これらをモータ/ジェネレータで賄う必要がある。
従って、その分モータ/ジェネレータからスリップ締結状態の第2クラッチを経て駆動車輪へ向かう駆動力が低下することとなり、かかるエンジンクランキング中における駆動力低下が出力トルクの引き感を発生させる。
本発明は、上記クラッチ制御性の悪化に鑑み、エンジン始動中も第2クラッチを完全締結させたままにし、それにもかかわらず、適切な第1クラッチの伝達トルク容量制御およびモータ/ジェネレータの適切な駆動制御により、上記の問題、つまり、エンジン始動中に出力トルクがゼロになって出力トルクの抜け感が発生するという問題や、エンジン始動中に出力トルクがゼロにならないまでも低下して出力トルクの引き感が発生するという問題をともに解消し得るようにしたハイブリッド車両のエンジン始動制御装置を提案することを目的とする。
この目的のため、本発明によるハイブリッド車両のエンジン始動制御装置は、請求項1に記載した以下の構成とする。
先ず、前提となるハイブリッド車両を説明するに、これは、
動力源としてエンジンおよびモータ/ジェネレータを具え、これらエンジンおよびモータ/ジェネレータ間に伝達トルク容量を変更可能な第1クラッチを介在させ、モータ/ジェネレータおよび駆動車輪間に伝達トルク容量を変更可能な第2クラッチを介在させ、
エンジンを停止させ、第1クラッチを解放すると共に第2クラッチを締結することによりモータ/ジェネレータからの動力のみによる電気走行モードを選択可能で、第1クラッチおよび第2クラッチを共に締結することによりエンジンおよびモータ/ジェネレータの双方からの動力によるハイブリッド走行モードを選択可能で、走行中の電気走行モードからハイブリッド走行モードへのモード切り換え時に、第1クラッチを締結進行させてこの第1クラッチおよび駆動車輪間における駆動系の回転によりエンジンをクランキングさせて始動させるようにしたものである。
本発明は、かかるハイブリッド車両において、
上記のモード切り替えに際し、第2クラッチを締結状態に保ち、第1クラッチの伝達トルク容量をエンジンのクランキングに必要な最小限のトルクが伝達されるトルク容量とし、モータ/ジェネレータの出力トルクをエンジンのクランキングに必要な最小限の要求クランキングトルクと目標駆動力発生トルクとの和値に相当するトルクとなすよう構成したことを特徴とするものである。
上記した本発明によるハイブリッド車両のエンジン始動制御装置によれば、以下の作用効果が奏し得られる。
つまり、電気走行モードからハイブリッド走行モードへのモード切り替えに際しても、それまでの電気走行モードと同じく第2クラッチを締結状態に保つため、また、第2クラッチがハイブリッド走行モードへのモード切り替え後も締結状態でよいため、クラッチの制御性がよい。
また、かように第2クラッチを締結状態に保っていても、
上記モード切り替え時のエンジン始動に際し、第1クラッチの伝達トルク容量をエンジンのクランキングに必要な最小限のトルクが伝達されるトルク容量とし、モータ/ジェネレータの出力トルクをエンジンのクランキングに必要な最小限の要求クランキングトルクと目標駆動力発生トルクとの和値に相当するトルクとなすため、
モータ/ジェネレータ出力トルクのうち、要求クランキングトルク相当分のトルクが第1クラッチを経てエンジンの始動に供され、目標駆動力発生トルク相当分のトルクが第2クラッチを経て車輪の駆動に供されることとなり、
エンジン始動中に出力トルクがゼロになって出力トルクの抜け感が発生するという問題を生ずることがないのはもとより、エンジン始動中に駆動トルクがエンジン始動に要するトルク分だけ目標駆動力相当値より低下して出力トルクの引き感が発生するということもなく、これらに関する前記の問題をともに解消することができる。
更に上記した第1クラッチのトルク容量制御およびモータ/ジェネレータの出力トルク制御によれば、第1クラッチの前後回転の大小関係がエンジン側回転速度<モータ/ジェネレータ側回転速度の関係に保たれることから、この関係が逆転してショックを発生するという問題を生ずることもない。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明のエンジン始動制御装置を適用可能なハイブリッド駆動装置を具えたフロントエンジン・リヤホイールドライブ式ハイブリッド車両のパワートレーンを示し、1はエンジン、2は駆動車輪(後輪)である。
図1に示すハイブリッド車両のパワートレーンにおいては、通常の後輪駆動車と同様にエンジン1の車両前後方向後方に自動変速機3をタンデムに配置し、エンジン1(クランクシャフト1a)からの回転を自動変速機3の入力軸3aへ伝達する軸4に結合してモータ/ジェネレータ5を設ける。
モータ/ジェネレータ5は、モータとして作用したり、ジェネレータ(発電機)として作用するもので、エンジン1および自動変速機3間に配置する。
このモータ/ジェネレータ5およびエンジン1間に、より詳しくは、軸4とエンジンクランクシャフト1aとの間に第1クラッチ6を介挿し、この第1クラッチ6によりエンジン1およびモータ/ジェネレータ5間を切り離し可能に結合する。
ここで第1クラッチ6は、伝達トルク容量を連続的または段階的に変更可能なものとし、例えば、比例ソレノイドでクラッチ作動油流量およびクラッチ作動油圧を連続的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチで構成する。
モータ/ジェネレータ5および自動変速機3間に、より詳しくは、軸4と変速機入力軸3aとの間に第2クラッチ7を介挿し、この第2クラッチ7によりモータ/ジェネレータ5および自動変速機3間を切り離し可能に結合する。
第2クラッチ7も第1クラッチ6と同様、伝達トルク容量を連続的または段階的に変更可能なものとし、例えば、比例ソレノイドでクラッチ作動油流量およびクラッチ作動油圧を連続的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチで構成する。
自動変速機3は、2003年1月、日産自動車(株)発行「スカイライン新型車(CV35型車)解説書」第C−9頁〜第C−22頁に記載されたと同じものとし、複数の摩擦要素(クラッチやブレーキ等)を選択的に締結したり解放することで、これら摩擦要素の締結・解放組み合わせにより伝動系路(変速段)を決定するものとする。
従って自動変速機3は、入力軸3aからの回転を選択変速段に応じたギヤ比で変速して出力軸3bに出力する。
この出力回転は、ディファレンシャルギヤ装置8により左右後輪2へ分配して伝達され、車両の走行に供される。
但し自動変速機3は、上記したような有段式のものに限られず、無段変速機であってもよいのは言うまでもない。
上記した図1のパワートレーンにおいては、停車状態からの発進時などを含む低負荷・低車速時に用いられる電気走行(EV)モードが要求される場合、第1クラッチ6を解放し、第2クラッチ7を締結し、自動変速機3を動力伝達状態にする。
この状態でモータ/ジェネレータ5を駆動すると、当該モータ/ジェネレータ5からの出力回転のみが変速機入力軸3aに達することとなり、自動変速機3が当該入力軸3aへの回転を、選択中の変速段に応じ変速して変速機出力軸3bより出力する。
変速機出力軸3bからの回転はその後、ディファレンシャルギヤ装置8を経て後輪2に至り、車両をモータ/ジェネレータ5のみによって電気走行(EV走行)させることができる。
高速走行時や、大負荷走行時や、バッテリの持ち出し可能電力が少ない時などで用いられるハイブリッド走行(HEV走行)モードが要求される場合、第1クラッチ6および第2クラッチ7をともに締結し、自動変速機3を動力伝達状態にする。
この状態では、エンジン1からの出力回転、または、エンジン1からの出力回転およびモータ/ジェネレータ5からの出力回転の双方が変速機入力軸3aに達することとなり、自動変速機3が当該入力軸3aへの回転を、選択中の変速段に応じ変速して、変速機出力軸3bより出力する。
変速機出力軸3bからの回転はその後、ディファレンシャルギヤ装置8を経て後輪2に至り、車両をエンジン1およびモータ/ジェネレータ5の双方によってハイブリッド走行(HEV走行)させることができる。
かかるHEV走行中において、エンジン1を最適燃費で運転させるとエネルギーが余剰となる場合、この余剰エネルギーによりモータ/ジェネレータ5を発電機として作動させることで余剰エネルギーを電力に変換し、この発電電力をモータ/ジェネレータ5のモータ駆動に用いるよう蓄電しておくことでエンジン1の燃費を向上させることができる。
なお図1では、モータ/ジェネレータ5および駆動車輪2を切り離し可能に結合する第2クラッチ7を、モータ/ジェネレータ5および自動変速機3間に介在させたが、
図2に示すように、第2クラッチ7を自動変速機3およびディファレンシャルギヤ装置8間に介在させても、同様に機能させることができる。
また、図1および図2では第2クラッチ7として専用のものを自動変速機3の前、若しくは、後に追加することとしたが、
この代わりに第2クラッチ7として、図3に示すごとく自動変速機3内に既存する前進変速段選択用の摩擦要素または後退変速段選択用の摩擦要素を流用するようにしてもよい。
この場合、第2クラッチ7が前記したモード選択機能を果たすのに加えて、この機能を果たすよう締結される時に自動変速機を動力伝達状態にすることとなり、専用の第2クラッチが不要でコスト上大いに有利である。
図1〜3に示すハイブリッド車両のパワートレーンを成すエンジン1、モータ/ジェネレータ5、第1クラッチ6、および第2クラッチ7は、図4に示すようなシステムにより制御する。
なお以下では、パワートレーンが図3に示すようなものである(第2クラッチ7として自動変速機3内に既存の変速段選択クラッチを流用したものである)場合につき説明を展開するものとする。
図4の制御システムは、パワートレーンの動作点を統合制御する統合コントローラ20を具え、パワートレーンの動作点を、目標エンジントルクtTeと、目標モータ/ジェネレータトルクtTm(目標モータ/ジェネレータ回転数tNmでもよい)と、第1クラッチ6の目標伝達トルク容量tTc1と、第2クラッチ7の目標伝達トルク容量tTc2とで規定する。
統合コントローラ20には、上記パワートレーンの動作点を決定するために、
エンジン回転数Neを検出するエンジン回転センサ11からの信号と、
モータ/ジェネレータ回転数Nmを検出するモータ/ジェネレータ回転センサ12からの信号と、
変速機入力回転数Niを検出する入力回転センサ13からの信号と、
変速機出力回転数Noを検出する出力回転センサ14からの信号と、
エンジン1の要求負荷状態を表すアクセルペダル踏み込み量(アクセル開度APO)を検出するアクセル開度センサ15からの信号と、
モータ/ジェネレータ5用の電力を蓄電しておくバッテリ9の蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)を検出する蓄電状態センサ16からの信号とを入力する。
なお、上記したセンサのうち、エンジン回転センサ11、モータ/ジェネレータ回転センサ12、入力回転センサ13、および出力回転センサ14はそれぞれ、図1〜3に示すように配置することができる。
統合コントローラ20は、上記入力情報のうちアクセル開度APO、バッテリ蓄電状態SOC、および変速機出力回転数No(車速VSP)から、運転者が希望している車両の駆動力を実現可能な運転モード(EVモード、HEVモード)を選択すると共に、目標エンジントルクtTe、目標モータ/ジェネレータトルクtTm(目標モータ/ジェネレータ回転数tNmでもよい)、目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1、および目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2をそれぞれ演算する。
目標エンジントルクtTeはエンジンコントローラ21に供給され、目標モータ/ジェネレータトルクtTm(目標モータ/ジェネレータ回転数tNmでもよい)はモータ/ジェネレータコントローラ22に供給される。
エンジンコントローラ21は、エンジントルクTeが目標エンジントルクtTeとなるようエンジン1を制御し、
モータ/ジェネレータコントローラ22はモータ/ジェネレータ5のトルクTm(または回転数Nm)が目標モータ/ジェネレータトルクtTm(または目標モータ/ジェネレータ回転数tNm)となるよう、バッテリ9およびインバータ10を介してモータ/ジェネレータ5を制御する。
統合コントローラ20は、目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1および目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2に対応したソレノイド電流を第1クラッチ6および第2クラッチ7の締結制御ソレノイド(図示せず)に供給し、第1クラッチ6の伝達トルク容量Tc1が目標伝達トルク容量tTc1に一致するよう、また、第2クラッチ7の伝達トルク容量Tc2が目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2に一致するよう、第1クラッチ6および第2クラッチ7を個々に締結力制御する。
統合コントローラ20は、上記した運転モード(EVモード、HEVモード)の選択、そして目標エンジントルクtTe、目標モータ/ジェネレータトルクtTm(目標モータ/ジェネレータ回転数tNmでもよい)、目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1、および目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2の演算を、図5に示すメインルーチンにより実行する。
先ずステップS1において、予定の到達目標駆動力マップを用いて、アクセル開度APOおよび車速VSPから、定常的な到達目標駆動力tFo0を演算する。
次のステップS2においては、予定の変速マップをもとにアクセル開度APOおよび車速VSPから目標変速段SHIFTを決定し、これをステップS9で自動変速機3の変速制御部(図示せず)へ指令して自動変速機3を目標変速段SHIFTへと変速させる。
ステップS3においては、予定の目標運転モード領域マップを用いて、アクセル開度APOおよび車速VSPから目標とする運転モード(EVモード、HEVモード)を決定する。
目標運転モードとして通常、高負荷(大アクセル開度)・高車速時はHEVモードをあてがい、低負荷・低車速時はEVモードをあてがうように上記の目標運転モード領域マップを定めるのが普通である。
次のステップS4においては、現在の運転モードと上記目標運転モードとの対比により、運転モード遷移演算を以下のごとくに行う。
現在の運転モードと目標運転モードとが一致していれば、現在の運転モードEVモードまたはHEVモードを保持するよう指令し、
現在の運転モードがEVモードで、目標運転モードがHEVモードであれば、EVモードからHEVモードへのモード切り換えを指令し、
現在の運転モードがHEVモードで、目標運転モードがEVモードであれば、HEVモードからEVモードへのモード切り換えを指令する。
そして、これらの指令をステップS9で出力することにより、指令通りにモード保持や、モード切り換えを行わせる。
ステップS5においては、現在の駆動力から、ステップS1で求めた到達目標駆動力tFo0へ、所定の味付けをもった応答で移行するのに必要な時々刻々の過渡目標駆動力tFoを演算する。
この演算に当たっては例えば、到達目標駆動力tFo0を所定時定数のローパスフィルタに通過させて得られる出力を過渡目標駆動力tFoとすることができる。
ステップS6においては目標エンジントルクtTeを、図6の制御プログラムを実行して以下に説明するように求める。
先ず、図6のステップS11において、図5のステップS3で求めた目標運転モードがHEVモードか否(EVモード)かを判定し、その後、この判定結果がいずれであっても、ステップS12およびステップS13で現在の運転モードがHEVモードか否(EVモード)かをチェックする。
ステップS11で目標運転モードがHEVモードと判定し、ステップS12で現在の運転モードもHEVモードと判定する場合、つまり、HEVモードを保つべきである場合は、ステップS14において、HEVモード用目標エンジントルクtTeを以下のようにして求める。
先ず、図5のステップS5で求めた過渡目標駆動力tFoを得るのに必要な自動変速機3の目標入力トルクtTiを次式の演算により求める。
tTi=tFo×Rt/if/iG ・・・(1)
ここで、Rtは駆動車輪2のタイヤ有効半径、ifはファイナルギヤ比、iGは現在の選択変速段により決まる自動変速機3のギヤ比である。
次いで、この目標入力トルクtTiと、自動変速機3の入力回転数Niと、エンジン回転数Neと、バッテリ蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)に応じた目標放電電力tPとから、次式を用いて目標エンジントルクtTeを演算する。
tTe=(tTi× Ni−tP)/Ne ・・・(2)
ステップS11で目標運転モードがHEVモードと判定し、ステップS12で現在の運転モードがEVモードと判定する場合、つまり、EVモードからHEVモードへモード切り換えする場合は、ステップS15において、当該モード切り替えに際して必要なエンジン始動のためにエンジン始動用の目標エンジントルクtTeを、図7に基づき以下のようにして求める。
図7のステップS21では、エンジン1が始動済みか、未始動かを判定し、未始動であれば、これから上記モード切り替えのためにエンジンをクランキングさせて始動を行うことから、ステップS22において、エンジン始動用の目標エンジントルクtTeに0を代入する。
ステップS21でエンジン始動済みと判定する場合は、ステップS23において、目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1が目標駆動力tFoに対応した目標駆動力分トルクよりも小さい(未満)か否かをチェックする。
ステップS23で目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1が目標駆動力tFoに対応した目標駆動力分トルク未満と判定する場合は、ステップS24において、エンジン始動用の目標エンジントルクtTeに目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1を代入して、エンジン始動用の目標エンジントルクtTeが目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1を越えることのないように、つまり、エンジン始動用の目標エンジントルクtTeが目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1以下になるよう抑制する。
ステップS23で目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1が目標駆動力tFoに対応した目標駆動力分トルク以上と判定する場合は、ステップS25において、エンジン始動用の目標エンジントルクtTeに目標駆動力tFo分トルクを代入して、エンジン出力トルクが目標駆動力tFoを実現し得るようになす。
図6のステップS11で目標運転モードがEVモードと判定し、ステップS13で現在の運転モードがHEVモードと判定する場合、つまり、HEVモードからEVモードへ運転モードを切り換える場合は、EVモードでエンジントルクが不要になることからステップS16において、EVモード移行時用の目標エンジントルクtTeに0を代入する。
なお、ステップS11で目標運転モードがEVモードと判定し、ステップS13で現在の運転モードがEVモードと判定する場合、つまり、EVモードを保つ場合も、EVモードでエンジントルクが不要であることからステップS17において、EVモード用の目標エンジントルクtTeに0を代入する。
以上のようにして決定した目標エンジントルクtTeは図5のステップS9において、図4のエンジンコントローラ21に指令し、エンジンコントローラ21はエンジン1を目標エンジントルクtTeが実現されるよう制御する。
図5のステップS7においては、第1クラッチ6および第2クラッチ7の目標伝達トルク容量tTc1,tTc2を、図8および図9の制御プログラムにより以下のように求める。
先ず、図8のステップS31において、図6のステップS11におけると同様に、目標運転モードがHEVモードか否(EVモード)かを判定し、その後、この判定結果がいずれであっても、ステップS32およびステップS33で、図6のステップS12およびステップS13におけると同様に、現在の運転モードがHEVモードか否(EVモード)かをチェックする。
ステップS31で目標運転モードがHEVモードと判定し、ステップS32で現在の運転モードもHEVモードと判定する場合、つまり、HEVモードを保つべきである場合は、ステップS34において、第1クラッチ6および第2クラッチ7の目標伝達トルク容量tTc1,tTc2をHEVモード用の目標値に設定し、
これらを図5のステップS9において、図4に示すごとく第1クラッチ6および第2クラッチ7に指令することで、これらクラッチ6,7をそれぞれ、目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1および目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2が実現されるよう締結制御する。
ステップS31で目標運転モードがHEVモードと判定し、ステップS32で現在の運転モードがEVモードと判定する場合、つまり、EVモードからHEVモードへモード切り換えする場合は、ステップS35において、当該モード切り替えに際して必要なエンジン始動用に目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1および目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2を演算する。
これらエンジン始動用目標クラッチ伝達トルク容量tTc1, tTc2は、図9の制御プログラムを実行して以下のように演算する。
図9のステップS41においては、目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1を、その前回値tTc1(前回値)と、所定量ΔtTc1との和値とし、ステップS42においては、第1クラッチ6がスリップしているか否かをチェックする。
第1クラッチ6がスリップしていなければ、ステップS43において、エンジン始動用の目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1に最大値を代入する。
ステップS42で第1クラッチ6がスリップしていると判定する場合、ステップS44において第1クラッチ6のスリップ量が設定値未満か否かをチェックし、第1クラッチ6のスリップ量が設定値以上であれば、ステップS45において、エンジン始動用の目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1を、その前回値tTc1(前回値)と、モータトルク最大値から現在のモータトルクを差し引いた差値を設定時間で除して求めた値とし、
ステップS42で第1クラッチ6のスリップ量が設定値未満であると判定すれば、ステップS46において、エンジン始動用の目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1を、第1クラッチのスリップ締結トルクとスリップ手前締結トルクとの和値とする。
ステップS43、または、ステップS45、或いはステップS46で上記のようにエンジン始動用の目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1を求めた後のステップS47においては、目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2に最大値を代入する。
図8のステップS35では、図9につき上述したごとくにエンジン始動用の目標第1、第2クラッチ伝達トルク容量tTc1,tTc2を求めるが、
図8のステップS31で目標運転モードがEVモードと判定し、ステップS33で現在の運転モードがHEVモードと判定する場合、つまり、HEVモードからEVモードへ運転モードを切り換える場合は、ステップS36において、第1クラッチ6および第2クラッチ7の目標伝達トルク容量tTc1,tTc2をEVモードへの移行時用の目標値に設定する。
また、ステップS31で目標運転モードがEVモードと判定し、ステップS33で現在の運転モードがEVモードと判定する場合、つまり、EVモードを保つ場合、第1クラッチ6および第2クラッチ7の目標伝達トルク容量tTc1,tTc2をEVモード用の目標値に設定する。
なおステップS36およびステップS37で用いる目標値については、本発明の要旨に関係ないため詳細な説明を省略する。
図8および図9につき前述したごとくに求めた第1クラッチ6および第2クラッチ7の目標伝達トルク容量tTc1,tTc2は、図5のステップS9において、図4に示すごとく第1クラッチ6および第2クラッチ7に指令することで、これらクラッチ6,7をそれぞれ、目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1および目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2が実現されるよう締結制御する。
図5のステップS7で前記したごとくに目標第1および第2クラッチ伝達トルク容量tTc1,tTc2を定めた後のステップS8においては、目標モータ/ジェネレータトルクtTmを図10および図11に示す制御プログラムにより求める。
図10のステップS51においては、図6のステップS11におけると同様に、目標運転モードがHEVモードか否(EVモード)かを判定し、その後、この判定結果がいずれであっても、ステップS52およびステップS53で、図6のステップS12およびステップS13におけると同様に、現在の運転モードがHEVモードか否(EVモード)かをチェックする。
ステップS51で目標運転モードがHEVモードと判定し、ステップS52で現在の運転モードもHEVモードと判定する場合、つまり、HEVモードを保つべきである場合は、ステップS54において、モータ/ジェネレータ5の目標トルクtTmをHEVモード用の目標値(発明と関係ないため詳細な説明を省略する)に設定し、
ステップS51で目標運転モードがHEVモードと判定し、ステップS52で現在の運転モードがEVモードと判定する場合、つまり、EVモードからHEVモードへモード切り換えする場合は、ステップS55において、当該モード切り替えに際して必要なエンジン始動用に目標モータ/ジェネレータトルクtTmを、図11につき後述するごとくに演算し、
ステップS51で目標運転モードがEVモードと判定し、ステップS53で現在の運転モードがHEVモードと判定する場合、つまり、HEVモードからEVモードへ運転モードを切り換える場合、ステップS56において、目標モータ/ジェネレータトルクtTmをEVモードへの移行時用の目標値(発明と関係ないため詳細な説明を省略する)に設定し、
ステップS51で目標運転モードがEVモードと判定し、ステップS53で現在の運転モードがEVモードと判定する場合、つまり、EVモードを保つ場合、目標モータ/ジェネレータトルクtTmをEVモード用の目標値(発明と関係ないため詳細な説明を省略する)に設定する。
このように設定した目標モータ/ジェネレータトルクtTmを図5のステップS9において、図4に示すごとくモータ/ジェネレータコントローラ22に指令することで、これらモータ/ジェネレータ5を目標トルクtTmが実現されるよう駆動制御する。
以下、EVモードからHEVモードへのモード切り換えに際しステップS55で求めるべきエンジン始動用目標モータ/ジェネレータトルクtTmの演算要領を、図11につき詳細に説明する。
図11のステップS61においては、第1クラッチ6のスリップ量が存在するか否かにより第1クラッチ6がスリップしているか否かをチェックする。
第1クラッチ6が非スリップ状態であれば、ステップS62において、バッテリ蓄電状態SOCから判るバッテリ出力可能電力を目標モータ/ジェネレータ回転数で除算した値にモータ効率を掛けてモータ/ジェネレータ5のバッテリ出力可能トルクを求め、
次いでステップS63において、モータ/ジェネレータ5を以下の回転数制御に切り替える。
つまりステップS64において、車速の今回検出値および前回検出値間における車速変化分に車両重量を乗算して得られる現在の駆動力を過渡目標駆動力tFoから差し引いて走行抵抗を推定する。
次のステップS65においては、前記したモータ/ジェネレータ5のバッテリ出力可能トルクと、過渡目標駆動力tFo対応トルクおよび前記した目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1の和値とを比較する。
ステップS65でバッテリ出力可能トルクが過渡目標駆動力tFo対応トルクおよび目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1の和値よりも小さいと判定するときは、つまり、モータ/ジェネレータ5で過渡目標駆動力tFoを達成しつつ目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1によるエンジンのクランキングを行うことができないバッテリ状態であれば、ステップS66において、目標モータ/ジェネレータ回転数tNmに現在のモータ/ジェネレータ5の回転数Nmと同じ値を代入する。
ステップS65でバッテリ出力可能トルクが過渡目標駆動力tFo対応トルクおよび目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1の和値よりも大きいと判定するときは、つまり、モータ/ジェネレータ5で過渡目標駆動力tFoを達成しつつ目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1によるエンジンのクランキングを行うことができるバッテリ状態であれば、ステップS67において、目標モータ/ジェネレータ回転数tNmを、
tNm={(目標駆動力tFo−走行抵抗推定値)/(車両重量×9.80665)}×9.80665÷(2π×タイヤ動半径)ディファレンシャルギヤ比×変速機ギヤ比
の演算により求める。
ステップS66またはステップS67で上記のごとくに目標モータ/ジェネレータ回転数tNmを求めた後は、それぞれステップS68およびステップS69において、現在のモータ/ジェネレータ回転数Nmを目標モータ/ジェネレータ回転数tNmにするためのモータトルクをPI演算(P:比例制御、I:積分制御)により求め、これをエンジン始動用目標モータ/ジェネレータトルクtTmに代入する。
ステップS61において第1クラッチ6がスリップ状態であると判定する場合、ステップS71において、前記した目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1が第1クラッチ6の最大伝達トルク容量に満たないか否かをチェックする。
ステップS71でtTc1<第1クラッチ最大伝達トルク容量と判定する場合、ステップS72において、目標駆動力tFo対応トルクから目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1を差し引いた差値をエンジン始動用目標モータ/ジェネレータトルクtTmに代入する。
ステップS71でtTc1≧第1クラッチ最大伝達トルク容量と判定する場合、ステップS73でモータ/ジェネレータ5をトルク制御に切り替え、ステップS74において、通常のHEVモード時用の目標モータ/ジェネレータトルクtTmを求める。
上記した実施例によれば、第1クラッチ6を解放すると共にエンジン1を停止した状態で、モータ/ジェネレータ5からの動力のみにより第2クラッチ7を介して車両を走行させるEVモードから、第1クラッチ6を締結してエンジン1からの動力によっても車両を走行させるHEVモードへのモード切り替えに際し、エンジン1を、図12につき以下に説明するようにクランキングさせて滑らかに始動させることができる。
図12は、上記のEVモードでの走行中瞬時t1にアクセル開度APOが図示のごとく増大するようアクセルペダルを踏み込んで車両を加速させる場合の動作タイムチャートである。
瞬時t1におけるアクセル開度APOの増大に伴う前記した到達目標駆動力tFo0(従って、過渡目標駆動力tFo)の増大で、この目標駆動力をモータ/ジェネレータ5からの動力のみでは実現し得ないことが判明した瞬時t2に、EVモードからHEVモードへの切り替え指令、および、このモード切り替え時に行うべきエンジン1の始動要求が発せられる。
本実施例においては、かかるEVモードからHEVモードへのモード切り替え中(エンジン始動中)も、図9のステップS47において、第2クラッチ7の伝達トルク容量tTc2を図12に波線で示すごとく最大値に維持することにより、第2クラッチ7を今までのEVモードと同じ完全締結状態に保つようになし、これにより、エンジン始動中に駆動トルクがゼロになってトルクの抜け感が発生するという前記の問題を解消すると共に、クラッチの制御性に関する前記の懸念も払拭する。
そして、上記EV→HEVモード切り替え時のエンジン始動に際し、かように第2クラッチ7を完全締結状態に保っていても、
第1クラッチ6の伝達トルク容量tTc1を図9のステップS45で、図12の瞬時t2以後において実線で示すごとく、エンジンのクランキングに必要な最小限のトルク(エンジンのフリクショントルクと、回転上昇に必要なエンジン回転イナーシャ分のトルク)が伝達されるトルク容量とし、図11のステップS67およびステップS69で、モータ/ジェネレータ5の出力トルクtTmを、図12の瞬時t2以後において波線で示すごとく、エンジンのクランキングに必要な最小限の要求クランキングトルクと目標駆動力(tFo)発生トルクとの和値に相当するトルクとなすため、
モータ/ジェネレータ出力トルクのうち、要求クランキングトルク相当分のトルクが第1クラッチ6を経てエンジン1の始動に供され、目標駆動力(tFo)発生トルク相当分のトルクが第2クラッチ7を経て車輪の駆動に供されることとなり、
エンジン始動中に駆動トルクがエンジン始動に要するトルク分だけ目標駆動力相当値より低下して出力トルクの引き感が発生するという問題を解消することができると共に、エンジンの始動時におけるトルク変動が駆動車輪に伝わるのを第1クラッチ6のスリップにより回避することができる。
更に上記した第1クラッチ6のトルク容量制御およびモータ/ジェネレータ5の出力トルク制御によれば、第1クラッチの前後回転の大小関係がエンジン側回転速度<モータ/ジェネレータ側回転速度の関係に保たれることから、この関係が逆転してショックを発生するという問題を生ずることもない。
また、モータ/ジェネレータ5の出力トルクtTmをエンジンのクランキングに必要な最小限の要求クランキングトルクと目標駆動力(tFo)発生トルクとの和値に相当するトルクとなす制御に際し、
図11のステップS67およびステップS69におけるような回転数制御により、つまり、要求駆動力tFoおよび走行抵抗推定値から1周期ごとの予想される車速変化をモータ/ジェネレータ回転数変化に置き換えて、この回転数変化をもたらすのに必要なモータ/ジェネレータ回転数を目標回転数tNmとし、第1クラッチ6の締結による変速機入力回転数の目標回転数tNmからの低下をモータ/ジェネレータトルクの上乗せにより防止することにより、目的を達成するため、
エンジンの始動後、エンジン始動トルクがオーバーシュートし、第1クラッチ6の伝達トルクおよび変速機入力トルクが急変するとき、これに伴う回転変化に応答したモータ/ジェネレータ5の上記傾転数制御がモータ/ジェネレータトルクを絞ってショックを確実に防止することができる。
そして、第1クラッチ6の伝達トルク容量の増大に応じエンジントルクも増大され(図7のステップS24)、これにより第1クラッチ6のスリップがなくなる時に回転イナーシャ分のトルクがなくなるため、変速機入力トルクの変化によりショックを生ずるところながら、
上記モータ/ジェネレータ5の回転数制御によれば、イナーシャ分のトルクを瞬時に補うことができて上記のショックを緩和することができる。
更に、第1クラッチ6がスリップしなくなった後図7のステップS24で、エンジン始動後のエンジン出力トルクを第1クラッチ6の伝達トルク容量以下に抑制するよう構成したため、
エンジン出力トルクが第1クラッチ6のスリップを助長させることがなく、助長されたスリップの解消にともなうショックの発生を回避することができる。
本発明の着想を適用可能なハイブリッド車両のパワートレーンを示す概略平面図である。 本発明の着想を適用可能な他のハイブリッド車両のパワートレーンを示す概略平面図である。 本発明の着想を適用可能な更に他のハイブリッド車両のパワートレーンを示す概略平面図である。 図3に示したパワートレーンの制御システムを示すブロック線図である。 同制御システムにおける統合コントローラが実行する駆動力制御プログラムのメインルーチンを示すフローチャートである。 同制御プログラムにおける目標エンジントルクの演算処理に関したサブルーチンを示すフローチャートである。 同目標エンジントルクの演算処理のうち、特にエンジン始動用目標エンジントルクの演算処理に関したサブルーチンを示すフローチャートである。 図5に示した制御プログラムにおける第1、第2クラッチ伝達トルク容量の演算処理に関したサブルーチンを示すフローチャートである。 図8に示したクラッチ伝達トルク容量の演算処理のうち、特にエンジン始動用目標第1および第2クラッチ伝達トルク容量の演算処理に関したサブルーチンを示すフローチャートである。 図5に示した制御プログラムにおける目標モータ/ジェネレータトルクの演算処理に関したサブルーチンを示すフローチャートである。 図10に示した目標モータ/ジェネレータトルクの演算処理のうち、特にエンジン始動用目モータ/ジェネレータトルクの演算処理に関したサブルーチンを示すフローチャートである。 図5〜11の制御プログラムによる動作タイムチャートである。
符号の説明
1 エンジン
2 駆動車輪(後輪)
3 自動変速機
4 伝動軸
5 モータ/ジェネレータ
6 第1クラッチ
7 第2クラッチ
8 ディファレンシャルギヤ装置
9 バッテリ
10 インバータ
11 エンジン回転センサ
12 モータ/ジェネレータ回転センサ
13 変速機入力回転センサ
14 変速機出力回転センサ
15 アクセル開度センサ
16 バッテリ蓄電状態センサ
20 統合コントローラ
21 エンジンコントローラ
22 モータ/ジェネレータコントローラ

Claims (3)

  1. 動力源としてエンジンおよびモータ/ジェネレータを具え、これらエンジンおよびモータ/ジェネレータ間に伝達トルク容量を変更可能な第1クラッチを介在させ、モータ/ジェネレータおよび駆動車輪間に伝達トルク容量を変更可能な第2クラッチを介在させ、
    エンジンを停止させ、第1クラッチを解放すると共に第2クラッチを締結することによりモータ/ジェネレータからの動力のみによる電気走行モードを選択可能で、第1クラッチおよび第2クラッチを共に締結することによりエンジンおよびモータ/ジェネレータの双方からの動力によるハイブリッド走行モードを選択可能で、走行中の電気走行モードからハイブリッド走行モードへのモード切り換え時に、第1クラッチを締結進行させてこの第1クラッチおよび駆動車輪間における駆動系の回転によりエンジンをクランキングさせて始動させるようにしたハイブリッド車両において、
    前記モード切り替えに際し、第2クラッチを締結状態に保ち、第1クラッチの伝達トルク容量をエンジンのクランキングに必要な最小限のトルクが伝達されるトルク容量とし、モータ/ジェネレータの出力トルクをエンジンのクランキングに必要な最小限の要求クランキングトルクと目標駆動力発生トルクとの和値に相当するトルクとなすよう構成したことを特徴とする、ハイブリッド車両のエンジン始動制御装置。
  2. 請求項1に記載のエンジン始動制御装置において、
    前記モータ/ジェネレータの出力トルク制御は、目標駆動力と車速とから求めた目標モータ/ジェネレータ回転数を実現するのに必要な目標駆動力実現モータ/ジェネレータトルクとなるようモータ/ジェネレータの出力トルクを制御するものであることを特徴とする、ハイブリッド車両のエンジン始動制御装置。
  3. 請求項1または2に記載のエンジン始動制御装置において、
    第1クラッチがスリップしなくなった後は、エンジン始動後のエンジン出力トルクを第1クラッチの伝達トルク容量以下に抑制するよう構成したことを特徴とする、ハイブリッド車両のエンジン始動制御装置。
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