JP4829517B2 - レーダ信号処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は複数のアンテナ素子を持つ車載用アレイレーダ装置の信号処理装置に関する。
従来、車両前方に位置する車両などの物標の有無あるいは運動状態を推定して、衝突防止や追従走行を実現する車載用のアレイレーダ装置が知られている。
この車載用のアレイレーダ装置として、複数の観測手段、距離成分抽出手段、指数平滑型相関行列推定手段、物標有無/運動状態推定手段を持つものがある。
図2は、従来の車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図、図3は、観測手段の一例であるFM-CWレーダの構成図、図4は、観測手段の一例であるパルスレーダの構成図である。
図2に示す、従来の車載用アレイレーダ装置は、符号OBで示した観測手段1〜K、符号DSで示した距離成分抽出手段1〜K、符号RMで示した指数平滑型相関行列推定手段1〜N、符号OMで示した物標有無/運動状態推定手段を有している。
観測手段p(アレイ素子p=1,2,…K)では、レーダ波である送信信号とアンテナで受けた受信信号から物標の有無や物標の運動状態の情報を含む観測信号を取得する。物標の運動状態とは、位置(距離・方位)、速度、加速度などである。図2に示すように観測手段p(アレイ要素p=1,2,…K)からは時刻t1,t2,…,tMでサンプリングされた観測信号XTp(t1),XTp(t2),XTp(t3),…,XTp(tM)が出力される。この時刻t1,t2,…,tMでサンプリングされたM個の観測信号を1スナップショットと呼ぶ。尚、観測手段1〜Kはアレイレーダのアレイ素子1〜Kに対応する。アレイ素子の物理的な配置に関しては、線形アレイなどが知られている。
一例としてFMCWレーダの場合を述べる。観測手段OBとしてのFMCWレーダは、図3に示すように発振器1、送信用増幅器2、送信アンテナ3、受信アンテナ5、受信用増幅器6、分配器7、ミキサ9、フィルタ10、A/D変換器11を有している。発振器1からは、時間に対して周波数が三角波状に直線的に増加減少するように変調されたミリ波信号が発振され、送信用増幅器2、送信アンテナ3を通じて送信信号S1として放射される。同時に受信アンテナ5からは送信信号の反射波が受信信号S2として受信され、受信用増幅器6により増幅後、分配器7とミキサ9により、送信信号S1とミキシングされる。ミキシングされた信号S3はフィルタされ、A/D変換器11によってデジタル信号としてサンプリングされる。このサンプリング信号S3が観測手段OBの出力する観測信号となる。アレイレーダでは図2に示すように観測手段OBは複数あるが、各観測手段OBにおける送信信号S1は共通のものを用いる。
観測手段OBの別の一例としてパルスレーダの場合をあげる。パルスレーダの観測手段OBは図4に示すように発振器1、送信用増幅器2、送信アンテナ3、受信アンテナ5、受信用増幅器6、フィルタ10、A/D変換器11より構成される。発振器1からは高周波f0の信号がfr[Hz]の周期で等間隔ごとに区切ってパルス状に発振され、送信用増幅器2、送信アンテナ3を通じて送信信号S1として放射される(パルス送信)。同時に受信アンテナ5からは送信信号S1の反射波が受信信号S2として受信され、受信用増幅器6により増幅後、フィルタ10によりフィルタされて図示しない位相検波器を介してA/D変換器11に出力される。そして、パルス送信をトリガーにA/D変換器11によってデジタル信号S3としてサンプリングされる。このサンプリング信号S3が観測手段OBの出力する観測信号S3となる。FM-CWレーダと同様に各観測手段OBの送信信号S1は共通のものを用いる。
図2に示す、距離成分抽出手段p(アレイ素子p=1,2,…K)では、観測手段pから出力される1スナップショット分の観測信号XTp(t1),XTp(t2),XTp(t3),…,XTp(tM)から距離r1,…,rNに対応した距離成分XRp(r1),…,XRp(rN)を抽出する。
一例としてFMCWレーダの場合を述べる。受信アンテナ5から距離rの位置(正確には、「距離r」は、送信アンテナから物標を経由して受信アンテナに至るまでの距離の半分であるが、送信アンテナと受信アンテナは同一位置に設置されているものと仮定して受信アンテナ5からの距離rを「距離r」として採用する。本明細書において、物標までの距離rとした場合、全て本記述に基づいている)、に物標が速度Vで存在した場合、FMCWレーダの観測信号XTp(t1),XTp(t2),XTp(t3),…,XTp(tM)には、(1)式に示すfB[Hz]の周波数成分が含まれる。
Figure 0004829517
ただし、r:物標との距離,V:物標の相対速度,Vc:光速,ΔF:周波数変調の周波数偏移幅,Tm:周波数変調の繰り返し周期,Fo:中心送信周波数とする。
相対速度を無視すれば、距離rと周波数fBには(2)式に示す関係が成立する。
Figure 0004829517
したがって、時間信号系列である観測信号 XTp(t1),XTp(t2),XTp(t3),…,XTp(tM)から距離r1〜rNに対応するそれぞれの周波数fbの成分を求めれば、それが距離成分XRp(r1),…,XRp(rN)となる。例えば、距離成分XRp(rq)の絶対値が大きければ距離rqに物標があることがわかり、絶対値が小さければ距離rqに物標がないことがわかる。周波数成分の抽出方法としてはフーリエ変換やバンドパスフィルタによるフィルタリングを用いる。
また、別の一例としてパルスレーダの場合をあげる。距離rに物標が存在した場合、パルス発射時点から時刻
Figure 0004829517
の観測信号に物標からのエコーが観測される。ただし、r:物標との距離,Vc:光速とする。したがって、観測信号XTp(t1),XTp(t2),XTp(t3),…,XTp(tM)を距離r1〜rNにそれぞれ対応するエコー開始時刻teでサンプリングすれば、それが距離成分XRp(r1),…,XRp(rN)となる。サンプリングにあたっては、単純サンプリングや平均フィルタ後にサンプリングするなどの手法を用いる。
指数平滑型相関行列推定手段q (距離rq:q=1,2,…N)では、各アレイ素子から得られた距離rqに関する信号である距離成分抽出手段1〜Kの出力信号XR1(rq),XR2(rq),…,XRK(rq)から、アレイ素子間の信号の相関特性(コヒーレンス)を表す相関行列Rxxqを推定する。相関行列Rxxqは(4)式で定義される。尚、相関行列RxxqはK行K列の複素行列であり、そのi行j列要素をrxxqijで表すこととする。
Figure 0004829517
*は複素共役を表す。E[]は期待値を求める操作を表し、実際にはスナップショットを1単位とした時間平均により推定する。
相関行列の推定はスナップショット単位で行うため、第1スナップショット後の推定値をRxxq(1)、第2スナップショット後の相関行列推定値をRxxq(2)、…、第mスナップショット後の相関行列推定値をRxxq(m)、…と表記する。また、第何スナップショットにおける距離成分であるかを明記する場合、第mスナップショットにおける観測手段pの距離rq成分をXRp(rq,m)と表記し、観測信号に関しても同様の記法を用いることとする。
この記法を用いて、第mスナップショットによる相関行列観測値Rtmp_xxq(m)は(5)式で計算される。
Figure 0004829517
相関行列推定法としては、区間平均型と指数平滑型が知られている。
区間平均型相関行列推定法は、予め定められたSSN[回]の連続するスナップショットの相関行列観測値の平均値を相関行列の推定値とするものである。平均化のサンプル数SSN[回]はS/N改善性に関連し、SSNが大きくなると観測信号中のノイズの影響が除去され、S/Nが改善する。(6)式に推定値計算方法の一例を示す。
Figure 0004829517
上記はスナップショットと同期して相関行列推定値が更新される場合であるが、相関行列の推定値の更新周期をSSN回スナップショットに1回とする場合もある。この場合の相関行列の推定値の更新は(7)式で示すように行う。
Figure 0004829517
ただし、Rxxq(m')はm'回目を相関行列の推定値更新を意味する。
指数平滑型相関行列推定法は、1スナップショット前の相関行列推定値と現スナップショットで得られた相関行列観測値とを重み付けして加算し、相関行列推定値を求める手法である。1スナップショット前の相関行列推定値に対する重みを忘却係数と呼び、ここではαで表す。このとき、現スナップショットで得られた相関行列観測値に対する重み1-αとする。指数平滑型相関行列推定法での推定値計算方法を(8)式に示す。
Figure 0004829517
また、先に述べた区間平均法の平均化サンプル数SSN[回]と忘却係数αは推定値の分散の観点から(9)式で示す関係がある。
Figure 0004829517
(9)式は相関行列観測値の各要素が自由度2のカイ2乗分布に従う場合、区間平均法と指数平滑法の推定値の分散が等しくなるという条件から導かれるが詳述しない。したがって、αが1に近づくとSSNが大きくなることに相当し、S/N改善の効果が大きくなるため、忘却係数αはS/N改善性を調整するパラメータとなる。
また、(8)式をIIRフィルタとみなすと、αが0に近づくと相関行列観測値の変化に対する過渡応答性が良くなるため、忘却係数αは過渡応答性を調整するパラメータとなる。
図2に示したアレイレーダ装置では(8)式の推定法を指数平滑型相関行列推定手段q (距離成分rq:q=1,2,…N)で実行し、各距離成分rqに応じた相関行列推定値Rxxqを物標有無/運動状態推定手段OMに出力する。
物標有無/運動状態推定手段OMでは、距離r1〜rNに応じた相関行列推定値Rxx1〜RxxNより、物標の有無や、物標の運動状態を推定する。図5に概略構成の一例を示す。
図5の物標有無/運動状態推定手段OMは、距離r1〜rNに対応する、符号ASで示す角度スペクトラム算出手段1〜Nと、符号DAで示すデータアソシエーション手段により構成される。
角度スペクトラム算出手段q(距離rq:q=1,2,…N)は、相関行列推定値より、角度スペクトラムPq(θ)を算出する。角度スペクトラムは電力角度分布を表し、Pq(θ1)は方位θ1から到来する電力を表す。算出方法には、ビームフォーマ法、Capon法、線形予測法、MUSIC、ESPRITなどがある(例えば、非特許文献1参照)。MUSICとESPRITでは、直接的に電力が得られないため、擬似スペクトラムと呼ぶこともあるが、ここでは一括して角度スペクトラムとして取り扱う。角度スペクトラムにおいてスペクトラム強度が強い角度からは、強い反射波がきていると考えられるため、物標がこの方位にあることが推定される。例えば、角度スペクトラムPq(θ)が図6のようになると、スペクトラム強度の強いθ1,θ2,θ3[°]に物標があることが推定される。
データアソシエーション手段DAでは、距離r1〜rNに対応する角度スペクトラムP1(θ)〜PN(θ)を入力として、物標の有無や物標の運動状態を推定する。例えば、図6の角度スペクトラムが距離rq角度スペクトラムとして入力された場合、データアソシエーション手段DAは3つの物標が(距離,方位)=(rq,θ1)、(距離,方位)=(rq,θ2)、(距離,方位)=(rq,θ3)に有ると推定する。また、図7の角度スペクトラムが距離rq角度スペクトラムとして入力された場合、データアソシエーション手段DAは距離rqには物標がないと推定する。上記は非常に単純化された場合の推定例であるが、複数スナップショットでの角度スペクトラムP1(θ)〜PN(θ)を組み合わせ推定することで位置推定精度を増したり、角度スペクトラムから得られた位置情報にスナップショット軸方向のトラッキング処理を行い、物標の速度、加速度といった運動状態を推定したりする場合もある。
また、FM-CWレーダの場合、周波数増加変調時のスナップショットと、周波数減少変調時のスナップショットの、2種類の角度スペクトラム1〜Nを比較することで、ドップラー効果により物標の速度を検出する場合もある。
また、角度スペクトラム1〜Nを重ね、2次元の距離−角度スペクトラムを作成し、これを画像として取り扱い、パターン認識を行って物標の運動状態を知る場合もある(非特許文献2参照)。
菊間信良著「アダプティブアンテナ技術」オーム社,2003年10月10日 関根松夫著「レーダ信号処理技術」電子情報通信学会,1991年9月20日,第10章「レーダ信号処理におけるパターン認識」
以上が物標の有無/運動状態を推定するアレイレーダ信号処理装置の構成であるが、物標の有無/運動状態を精度良く推定するには、その中間データである相関行列を適切に推定する必要がある。
しかし、車載レーダにおいては、物標からの反射波の距離減衰、旋廻や自車速変化など自車運動状態の変化による物標からの反射波の変化、周囲の自動車の車速変化など自車周囲状況の変化による物標からの反射波の変化、干渉波の影響など電波状況の変化、により相関行列を適切に推定することが難しい場合があった。
本発明は、物標からの反射波の距離減衰、自車運動状態や自車周囲状況の変化による反射波の変化、電波状況に応じて相関行列を適切に推定することの出来るレーダ信号処理装置を提供することを目的とするものである。
請求項1の発明は、物標からの反射波を受信信号(S2)として受信アンテナ(5)を介して受信して、所定の観測信号(S3)をそれぞれ出力する複数の観測手段(OB)
前記各観測信号から、前記受信アンテナからのの物標を検出すべき距離(r1,…,rn)に対応した距離成分(XRp(r1),…,XRp(rN))をそれぞれ抽出する、複数の距離成分抽出手段(DS)、
前記抽出された各距離成分について、それら各距離成分に対応した相関行列推定値(Rxxq)を、指数平滑型相関行列推定法を用いて前記各距離成分に対応した忘却係数(α)をパラメータとする形でそれぞれ演算推定する、複数の相関行列推定手段(RM)、
前記各相関行列推定手段で推定された、前記各距離成分に対応した複数の相関行列推定値に基づいて物標の有無又は運動状態を推定する物標有無/運動状態推定手段(OM)及び、
前記反射波の距離による減衰に応じて、前記受信アンテナ(5)からの物標を検出すべき距離に対応した前記忘却係数をそれぞれ演算決定し、前記各相関行列推定手段に、前記各距離成分に対応した忘却係数としてそれぞれ出力する距離依存型忘却係数決定手段(FF)を有し、
前記距離依存型忘却係数決定手段は、前記相関行列推定手段で得られる相関行列推定値の適切さの指標としての、物標の推定方位と実際の物標方位との誤差である、方位推定誤差の2乗平均である方位RMSEと、前記観測信号の入力S/Nと前記忘却係数との関係を予めメモリに格納しており、前記検出すべき距離に対応した前記観測信号の距離減衰を、該観測信号の入力S/Nとして求め、該求められた観測信号の入力S/Nと前記方位RMSEの目標値から、前記メモリに格納された、方位RMSEと観測信号の入力S/Nと忘却係数との関係を参照して、前記各距離成分に対応した忘却係数を演算決定する、
ことで構成される。
請求項の発明は、前記距離成分抽出手段は、前記観測信号から、前記受信アンテナからの距離に対応した周波数毎の成分を離散フーリエ変換により前記距離成分としてそれぞれ演算し抽出する距離離散フーリエ変換手段を有することを特徴とする、
ことで構成される。
請求項の発明は、前記相関行列推定手段は、区間平均型相関行列推定手段及び指数平滑型相関行列推定手段を有し、
前記区間平均型相関行列推定手段は、前記距離成分抽出手段で抽出された各距離成分を集め、それら各距離成分に対応した第1の相関行列推定値を、区間平均型相関行列推定法を用いてそれぞれ演算推定し、
前記指数平滑型相関行列推定手段は、前記演算推定された第1の相関行列推定値から、各距離成分に対応した第2の相関行列推定値を、指数平滑型相関行列推定法を用いて前記各距離成分に対応した忘却係数をパラメータとする形でそれぞれ演算推定し、
前記物標有無/運動状態推定手段は、前記推定された第2の相関行列推定値に基づいて物標の有無又は運動状態を推定する、
ことを特徴とする、
ことで構成される。
請求項1の発明によれば、相関行列推定のS/N改善性と過渡応答性のパラメータである忘却係数αを距離毎に設定することが可能となる。これにより、例えば、予めある距離(rq)の物標が激しく運動することがわかっている場合には、当該距離における忘却係数(αq)を他の忘却係数より小さく設定することで、相関行列推定の過渡応答性を高め、物標の運動に追従させることができる、適切な相関行列の推定が可能となる。
また、反射波の距離減衰に応じて相関行列推定のS/N改善性のパラメータである忘却係数αを大きくすることが可能となり、遠方物標反射波の距離減衰による入力S/N低下の影響を改善し、適切な相関行列を推定することが可能となる。
請求項の発明によれば、FM-CWレーダにおいて、相関行列推定のS/N改善性と過渡応答性のパラメータである忘却係数αを距離毎に設定することが可能となり、適切な相関行列の推定が可能となる。

請求項の発明によれば、相関行列推定手段に区間平均と指数平滑による推定を順に用いるアレイレーダ装置において、相関行列推定のS/N改善性と過渡応答性のパラメータである忘却係数αを距離毎に設定することが可能となる。
なお、括弧内の番号等は、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
以下に本発明の実施例を説明する。
図1は、第1の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図、図2は、従来の車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図、図3は、観測手段の一例であるFM-CWレーダの構成図、図4は、観測手段の一例であるパルスレーダの構成図、図5は、物標有無/運動状態推定手段の一例の概略構成を表すブロック図、図6は、物標がある場合の角度スペクトラムの一例、図7は、物標がない場合の角度スペクトラムの一例、図8は、第2の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図、図9は、物標距離−入力S/Nグラフの一例、図10は、忘却係数α−方位RMSEグラフ算出の手順を示す図、図11は、忘却係数α−方位RMSEグラフの一例、図12は、距離減衰にあわせた忘却係数αの決定法を説明する図、図13は、第3の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図、図14は、第4の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図、図15は、第5の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図、図16は、第6の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図、図17は、第7の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図、図18は、第9の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図、図19は、第10の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図、図20は、第11の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図、図21は、第13の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図、図22は、第14の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図、図23は、第15の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図、図24は、第17の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図、図25は、第18の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図、図26は、第19の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図、図27は、第20の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図、図28は、第22の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図である。
本発明によるレーダ信号処理装置12は、図1に示すように、符号OBで示す観測手段1〜K、符号DSで示す距離成分抽出手段1〜K、符号RMでしめす指数平滑型相関行列推定手段1〜N、符号OMで示す物標有無/運動状態推定手段及び、符号FFで示す距離依存型忘却係数決定手段を有する。
観測手段p(アレイ素子p=1,2,…K)、距離成分抽出手段p(アレイ素子 p=1,2,…K)、物標有無/運動状態推定手段OMは、図2の従来のアレイレーダ装置と同様なため、説明を省略する。
距離依存型忘却係数決定手段FFでは、距離r1,…,rNに対応し、忘却係数α1,…,αNが独立に決定される。例えば、距離依存型忘却係数決定手段FFは1〜Nのインデックスを持つテーブルを図示しないメモリ手段に格納している。距離rqに対応する忘却係数αNはテーブル中のインデックスqに予め格納され、距離rqに対応する指数平滑型相関行列推定手段qに、当該距離rqに対応する忘却係数αqをメモリ手段から読み出して、出力する。
指数平滑型相関行列推定手段q(距離rq:q=1,2,…N)では、各アレイ素子から得られた距離rqに関する信号である距離成分抽出手段1〜Kの出力信号XR1(rq),XR2(rq),…,XRK(rq)から、アレイ素子間の信号の相関特性(コヒーレンス)を表す相関行列Rxxqを指数平滑法により推定する。この推定は(10)式を計算することにより行われる。
Figure 0004829517
ただし、Rxxq(m):第mスナップショット後の相関行列推定値、Rxxq(m-1):第m-1スナップショット後の相関行列推定値、Rtmp_xxq(m):第mスナップショットによる相関行列観測値、αq:距離rq用の忘却係数αとする。
本発明により、距離に応じて独立に忘却係数αを設定することが可能となる。これにより、例えば、予めある距離rqの物標が激しく運動することがわかっている場合には、当該距離に対応する忘却係数αqを他の忘却係数より小さく設定することで、相関行列推定の過渡応答性を高め、物標の運動に追従させることができるといった効果がある。
以下に別の発明の実施例を説明する。図8のレーダ信号処理装置12は、符号OBで示す観測手段1〜K、符号DSで示す距離成分抽出手段1〜K、符号RMで示す指数平滑型相関行列推定手段1〜N、符号OMで示す物標有無/運動状態推定手段及び、符号FF1で示す距離減衰依存型忘却係数決定手段を有している。
観測手段p(アレイ素子p=1,2,…K)、距離成分抽出手段p(アレイ素子p=1,2,…K)、指数平滑型相関行列推定手段q(距離rq: q=1,…,N)、物標有無/運動状態推定手段は図1の実施例と同様なため、説明を省略する。
距離減衰依存型忘却係数決定手段FF1では、反射波の距離減衰に合わせ、距離r1,…,rNに対応する忘却係数α1,…,αNを独立に決定する。例えば、距離減衰依存型忘却係数決定手段FF1には1〜Nのインデックスを持つテーブルが図示しないメモリ手段に格納されている。距離rqに対応する忘却係数αNはテーブル中のインデックスqに予め格納され、距離rqに対応する忘却係数αqは、当該メモリ中のテーブルより適宜読み出されて、指数平滑型相関行列推定手段qに出力される。
反射波の距離減衰に合わせ、忘却係数α1〜αNを決定する方法の一例を以下に示す。
レーダにおける反射波の受信電力はレーダ方程式により(11)式のようにモデル化される。
Figure 0004829517
ただし、Ps:受信電力,Pt:送信電力,G:アンテナ利得,λ:送信波の波長,σ:物標の有効反射面積,r:物標との相対距離とする。(11)式からわかるように受信電力は距離依存し、単調に減衰する。これが受信電力の距離減衰である。
このとき、アンテナへの入力S/Nは(12)式のようにモデル化される。
Figure 0004829517
ただし、PN:熱雑音によるノイズ電力とする。
ノイズとなる熱雑音は物標距離にかかわらず一定であるため、アンテナへの入力S/N(入力SN比)も距離に依存し、単調に減衰する。これを入力S/Nの距離減衰と呼ぶ。(12)式より距離減衰の入力S/Nへの影響を表す図9の物標距離-入力S/Nグラフが得られる。上記は(11)式のモデルに基づいて物標距離−入力S/Nグラフを求める場合であるが、大地反射波などを考慮した精度の高いモデルに基づき求める方法や、実測により求める方法もある。
相関行列推定値の適切さは、その相関行列推定値を用いて角度スペクトラムを算出し、得られた物標の推定方位と実際の物標方位との誤差である方位推定誤差により評価できる。ノイズの影響は確率的であるため、ここでは方位推定誤差の2乗平均である方位RMSE(Root Mean Square Error)を相関行列推定値の適切さの指標として用いる。
この方位RMSEは図10に示す手順で求められる。簡単に図10の手順を説明する。擬似信号発生手段GSでは、受信電力Ps,ノイズ電力PN,物標方位θtをパラメータとし、角度スペクトラムP(θ)の角度θtにおけるスペクトラム強度がPs、それ以外の角度でのスペクトラム強度がPNとなる、距離成分抽出手段DSの出力信号と同形式の擬似信号XR1〜XRKを発生する。指数平滑型相関行列推定手段RMでは、擬似信号XR1〜XRKを入力として、パラメータである忘却係数αを使って相関行列を指数平滑法により相関行列推定値Rxxを推定し出力する。角度スペクトラム算出手段ASは、相関行列推定値Rxxを用いてMUSIC法などの角度スペクトラム算出法により角度スペクトラムP(θ)を求め出力する。方位RMSE算出手段HCでは角度スペクトラムP(θ)のピークを探査し、物標の推定方位θteを求め、物標との方位誤差である|θte-θt|を計算する。この方位誤差の算出を複数回を行い、方位誤差の平均を取り、方位RMSEとして出力する。図10の手順を用いると、忘却係数αと入力S/N(=Ps/PN)を2つの変数とした場合の方位RMSEを求めることができる。これをグラフ化した忘却係数α-方位RMSEグラフの模式図を図11に示す。
物標距離-入力S/Nグラフと忘却係数α-方位RMSEグラフより、反射波の距離減衰に合わせた距離rqに対応する忘却係数αを以下のように決定する。
・相関行列推定値の適切さの指標である方位RMSEの目標値(目標方位RMSE)を設定する。
・物標距離-入力S/Nグラフより物標距離rqに対応する入力S/N=(S/N)qを得る(図12左図参照)。
・忘却係数α-方位RMSEグラフより入力S/N=(S/N)qに対応するカーブを選択し、目標方位RMSEに対応する忘却係数αをαqとして決定する(図12右図参照)。
以上の忘却係数決定法をすべての距離r1,…,rNにわたって行い、距離減衰に応じた忘却係数α1,…,αNを決定する。
上記は、反射波の距離減衰に合わせ、忘却係数α1〜αNを決定する方法の一例であったが、この忘却係数α1〜αNを用いて推定された相関行列推定値Rxx1〜Rxxqを用いれば、物標有無/運動状態推定手段OMにおいて、距離減衰の影響を抑え、距離にかかわらず一定の方位RMSEが保証される効果がある。
以下に、本発明の別の実施例を説明する。本実施例のレーダ信号処理装置12は、図13に示すように、符号OBで示す観測手段1〜K、符号KDで示す距離DFT(離散フーリエ変換)手段1〜K、符号RMで示す指数平滑型相関行列推定手段1〜N、符号OMで示す物標有無/運動状態推定手段及び、符号FFで示す距離依存型忘却係数決定手段を有する。
指数平滑型相関行列推定手段q(距離rq:q=1,…,N)、物標有無/運動状態推定手段OM、距離依存型忘却係数決定手段FFは図1の装置と同様なため、説明を省略する。
この実施例における観測手段p(アレイ素子p=1,2,…K)は、観測手段により得られる観測信号の周波数成分が距離成分に対応するレーダ、例えばFM-CWレーダを観測手段として用いる。FM-CWレーダの場合の例に説明すると、物標の相対速度を無視した場合、観測信号XTp(t1),XTp(t2),XTp(t3),…,XTp(tM)には(13)式に示すfB[Hz]の周波数成分が含まれる。
Figure 0004829517
ただし、r:物標との距離,V:物標の相対速度,Vc:光速,ΔF:周波数変調の周波数偏移幅,Tm:周波数変調の繰り返し周期,Fo:中心送信周波数とする。
距離DFT(離散フーリエ変換)手段p(アレイ素子P=1,2,…,K)は、観測信号S3から離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transformation)により周波数f1,…,fNに対応する周波数成分XRp(f1),…,XRp(fN)を算出し出力する。例えば、周波数fq成分XRp(fq)は(14)式で計算する。
Figure 0004829517
ただし、周波数fqは観測信号のサンプリング周期とTsとすると、
Figure 0004829517
(15)式で定義され、周波数fqは(16)式の距離に対応するため、周波数fq成分XRp(fq)は(16)式で定義される距離rqにおける距離成分となる。
Figure 0004829517
この距離DFT変換手段qにより(16)式で定義される距離rqの距離成分が周波数成分XRp(fq)として出力されるため、図1の実施例と同様にこれ以降の処理を行うことができ、図1の実施例と同様な効果を持つ。
また、(14)式の計算では、計算を高速化するため高速フーリエ変換(Fast Fourier Transformation)を用いることもできる。
以下、図14に基づき、本発明の更に別の実施例を説明する。図14のレーダ信号処理装置12は、符号OBで示す観測手段1〜K、符号KDで示す距離DFT手段1〜K、符号RMで示す指数平滑型相関行列推定手段1〜N、符号OMで示す物標有無/運動状態推定手段及び、符号FF1で示す距離減衰依存型忘却係数決定手段を有する。
指数平滑型相関行列推定手段q(距離rq:q=1,…,N)、物標有無/運動状態推定手段、距離減衰依存型忘却係数決定手段は図8の発明と同様なため、説明を省略する。
観測手段p(アレイ素子P=1,2,…,K)、距離DFT手段p(アレイ素子p=1,2,…,K)は図13の実施例と同様なため、説明を省略する。
この発明により、観測手段OBにより得られる観測信号S3の周波数成分が距離成分に対応するレーダ、例えばFM-CWレーダを観測手段として用いるアレイレーダ装置において、距離減衰の影響を抑え、物標有無/運動状態推定手段OMにおいて距離にかかわらず一定の方位RMSEが保証される効果がある。
以下、図15に基づき、本発明の更に別の実施例を説明する。図15のレーダ信号処理装置12は、符号OBで示す観測手段1〜K、符号DSで示す距離成分抽出手段1〜K、符号KSで示す区間平均型相関行列推定手段1〜N、符号RMで示す指数平滑型相関行列推定手段1〜N、符号OMで示す物標有無/運動状態推定手段及び、符号FFで示す距離減衰依存型忘却係数決定手段により構成される。
観測手段p(アレイ素子P=1,2,…,K)、距離成分抽出手段p(アレイ素子P=1,2,…,K)、物標有無/運動状態推定手段OM、距離依存型忘却係数決定手段FFは図1の実施例と同様なため、説明を省略する。
区間平均型相関行列推定手段q(距離rq q=1,2,…,N)では(5)式の相関行列観測値Rtmp_xxq(m)を距離rq成分XR1(rq),…,XRK(rq)から計算し、(6)式あるいは(7)式の区間平均型相関推定演算を行い、これを第1の相関行列推定値
Rxxq_1(m)として出力する。
指数平滑型相関行列推定手段q(距離rq q=1,2,…,N)では第1の相関行列推定値Rxxq_1(m)を相関行列観測値のかわりに用い、指数平滑法により第2の相関行列推定値Rxxq_ 2(m)を推定し出力する。(17)式にこの際の計算式を示す。
Figure 0004829517
これにより、区間平均型相関行列推定手段KSと指数平滑型相関行列推定手段RMを直列に用いて相関行列を推定するアレイレーダ装置において、距離に応じて独立に忘却係数αを設定することが可能となる。
以下、図16に基づき、本発明の更に別の実施例を説明する。図16のレーダ信号処理装置12は、符号OBで示す観測手段1〜K、符号DSで示す距離成分抽出手段1〜K、符号RMで示す指数平滑型相関行列推定手段1〜N、符号OMで示す物標有無/運動状態推定手段、符号SNで示す自車運動状態センサ及び、符号FXで示す忘却係数決定手段により構成される。
観測手段p(アレイ素子p=1,2,…K)、距離成分抽出手段p(アレイ素子p=1,2,…K)、指数平滑型相関行列推定手段q(距離rq:q=1,…,N)、物標有無/運動状態推定手段OMは図1の実施例と同様なため、説明を省略する。
自車運動状態センサSNは、自車の運動状態をセンシングし、これにより得られた情報を自車運動状態情報AIとして出力する。自車運動状態情報AIとは例えば、自車速度Vm、自車加速度am、旋回角速度γ、旋回半径ρなどである。自車運動状態センサSNの一例としては、GPSなど位置情報取得センサから得られる位置情報からトラッキング処理によって自車軌道を取得し、上記の自車運動状態情報AIを得る方法などがある。
忘却係数決定手段FXでは自車運動状態情報AIに基づき、指数平滑型相関行列推定手段1〜Nに供給する忘却係数αを決定する。例えば、自車加速度amをインデックスとするテーブルを図示しないメモリに格納しておき、自車運動状態情報AIとして得られる自車加速度am応じて、このテーブルを参照して対応する忘却係数αをメモリより読み出すことで忘却係数αを決定する。
これにより、自車運動状態に応じて任意に忘却係数αを設定することが可能となる。
以下、図17に基づき、本発明の更に別の実施例を説明する。図17のレーダ信号処理装置12は、符号OBで示す観測手段1〜K、符号DSで示す距離成分抽出手段1〜K、符号RMで示す指数平滑型相関行列推定手段1〜N、符号OMで示す物標有無/運動状態推定手段、符号SNで示す自車運動状態センサ及び、符号FXで示す忘却係数決定手段を有している。
観測手段p(アレイ素子p=1,2,…K)、距離成分抽出手段p(アレイ素子p=1,2,…K)、指数平滑型相関行列推定手段q(距離rq:q=1,…,N)、物標有無/運動状態推定手段OMは図1の実施例と同様なため、説明を省略する。
自車運動状態センサSNは、自車の旋回状態をセンシングし、これにより得られた情報を自車旋回状態情報AI1として出力する。自車旋回状態情報AI1とは例えば、旋回角速度γ、旋回半径ρである。自車運動状態センサSNとしては、図16の実施例と同様のものを用いる。
忘却係数決定手段FXでは、自車旋回状態情報AI1に基づき、指数平滑型相関行列推定手段1〜Nに供給する忘却係数αを決定する。例えば、旋回角速度γをインデックスとするテーブルを図示しないメモリ手段に格納しておき、自車運動状態情報AIとして得られる旋回角速度γに応じて、このテーブルを参照し、対応する忘却係数αを読み出し、決定する。
これにより、自車旋回状態に応じて任意に忘却係数αを設定することが可能となる。
また、図17において、忘却係数決定手段FXで、自車旋回状態情報AI1に基づき自車の旋回非旋回を判断し、その結果に応じて、指数平滑型相関行列推定手段1〜Nに供給する忘却係数αを決定するように構成することも出来る。旋回非旋回の判定は、例えば、旋回角速度γにより行う。旋回角速度γが予め定めた閾値γ0より小さいときは非旋回(直進も含む)、閾値γ0以上のときは旋回と判定する。この旋回非旋回判定に基づき、旋回時は予め定めた忘却係数αの候補のうち小さいものを、非旋回時は予め定めた忘却係数αの候補のうち大きいものをメモリ手段から読み出すことにより選択し、忘却係数αとして出力する。
これにより、旋回時に生じる物標信号の変化のため要求される相関行列推定の高い過渡応答性と、非旋回時に要求される高いS/N改善性を適応的に実現することが可能となる。
以下、図18に基づき、本発明の更に別の実施例を説明する。図18に示したレーダ信号処理装置12は、図17の発明の自車運動状態センサSNをステアリングセンサSN1に変更したものであり、ステアリングセンサSN1以外の構成要素に関しては説明を省略する。
ステアリングセンサSN1では、自車の実蛇角δが観測される。実蛇角δと旋回角速度γには(18)式で示す関係がある。
Figure 0004829517
ただし、Vm自車速度、l:ホイールベースとする。
このため、Vm一定とみなせれば、旋回角速度γは実蛇角δに比例する。そこで、ステアリングセンサでは自車旋回状態情報AI1として、旋回角速度γのかわりに実蛇角δを出力する。
忘却係数決定手段FXでは自車旋回状態情報AI1として出力された実蛇角δに基づき、指数平滑型相関行列推定手段1〜Nに供給する忘却係数αを決定する。
これにより、実装の容易なステアリングセンサを用い、図17の実施例と同様な効果を得ることができる。
以下、図19に基づき、本発明の更に別の実施例を説明する。図19に示すレーダ信号処理装置12は、図17の発明の自車運動状態センサSNをヨーレートセンサSN2に変更したものであり、ヨーレートセンサSN2以外の構成要素に関しては説明を省略する。
ヨーレートセンサSN2では、ジャイロ機構などにより旋回角速度γが直接的に観測され、この旋回角速度γを自車旋回状態情報AI1として出力する。
忘却係数決定手段FXでは自車旋回状態情報AI1として出力された旋回角速度γに基づき、指数平滑型相関行列推定手段1〜Nに供給する忘却係数αを決定する。
これにより、実装の容易なヨーレートセンサを用い、図17の発明と同様な効果を得ることができる。
以下、図20に基づき、本発明の更に別の実施例を説明する。図20に示したレーダ信号処理装置12は、符号OBで示す観測手段1〜K、符号DSで示す距離成分抽出手段1〜K、符号RMで示す指数平滑型相関行列推定手段1〜N、符号OMで示す物標有無/運動状態推定手段、符号SN3で示す車速センサ及び、符号FXで示す忘却係数決定手段を有する。
観測手段p(アレイ素子p=1,2,…K)、距離成分抽出手段p(アレイ素子p=1,2,…K)、指数平滑型相関行列推定手段q(距離rq:q=1,…,N)、物標有無/運動状態推定手段OMは図1の実施例と同様なため、説明を省略する。
車速センサSN3は、自車の車速Vmをセンシングし、これを車速情報AI2として出力する。
忘却係数決定手段FXでは、車速情報AI2に応じて指数平滑型相関行列推定手段1〜Nに供給する忘却係数αを決定する。例えば、車速Vmをインデックスとするテーブルをメモリ手段に格納しておき、車速情報AI2として得られる車速Vmに応じて、このテーブルを参照することで忘却係数αをメモリ手段より読み出して決定する。
これにより、車速に応じて任意に忘却係数αを設定することが可能となる。
また、忘却係数決定手段FXにおいて、高低速の判定を、例えば、予め定めた閾値V0より自車の速度が大きいときは高速、閾値V0以下のときは低速と判定することも出来る。この高低速判定に基づき、高速時は予め定めた忘却係数αの候補のうち小さいものを、低速時は予め定めた忘却係数αの候補のうち大きいものを選択し、忘却係数αとして出力する。
これにより、高速走行時の静止/低速物標との相対速度増加により要求される相関行列推定の高い過渡応答性と、低速時に要求される高いS/N改善性を適応的に実現することが可能となる。
以下、図21に基づき、本発明の更に別の実施例を説明する。図21に示すレーダ信号処理装置12は、符号OBで示す観測手段1〜K、符号DSで示す距離成分抽出手段1〜K、符号KSで示す区間平均型相関行列推定手段1〜N、符号RMで示す指数平滑型相関行列推定手段1〜N、符号OMで示す物標有無/運動状態推定手段、符号SNで示す自車運動状態センサ及び、符号FXで示す忘却係数決定手段を有している。
観測手段p(アレイ素子p=1,2,…K)、距離成分抽出手段p(アレイ素子p=1,2,…K)、区間平均型相関行列推定手段q(距離rq:q=1,…,N)、指数平滑型相関行列推定手段q(距離rq:q=1,…,N)、物標有無/運動状態推定手段OMは図15の実施例と同様なため、説明を省略する。
自車運動状態センサSN、忘却係数決定手段FXは図16の発明と同様なため、説明を省略する。
これにより、区間平均型相関行列推定手段KSと指数平滑型相関行列推定手段KMを直列に用いて相関行列を推定するアレイレーダ装置において、自車運動状態に応じて任意に忘却係数αを設定することが可能となる。
以下、図22に基づき、本発明の更に別の実施例を説明する。図22に示したレーダ信号処理装置12は、符号OBで示す観測手段1〜K、符号DSで示す距離成分抽出手段1〜K、符号RMで示す指数平滑型相関行列推定手段1〜N、符号OMで示す物標有無/運動状態推定手段、符号SN4で示す自車周囲状況取得手段及び、符号FXで示す忘却係数決定手段を有している。
観測手段p(アレイ素子p=1,2,…K)、距離成分抽出手段p(アレイ素子p=1,2,…K)、指数平滑型相関行列推定手段q(距離rq:q=1,…,N)、物標有無/運動状態推定手段OMは図1の実施例と同様なため、説明を省略する。
自車周囲状況取得手段SN4は、自車の周囲状況を取得し、これを自車周囲状況情報AI3として出力する。自車周囲状況とは例えば、周囲の物標有無、道路の形状、制限速度、高速道路/一般道などの道路の区分などである。自車の周囲状況の取得例として、CCDセンサにより周囲画像を得て、これを画像処理/認識することで、周囲の物標有無、道路の形状、制限速度、道路区分を得る方法がある。
忘却係数決定手段FXでは自車周囲状況情報AI3に基づき、指数平滑型相関行列推定手段1〜Nに供給する忘却係数αを決定する。例えば、周囲の物標有無に応じて、物標無しの場合は新規の物標の発現に備え過渡応答性を高めるため小さな忘却係数αを、物標有りの場合は物標を継続して捉えるため大きな忘却係数αを忘却係数αとして決定する。これにより、自車周囲状況に応じて任意に忘却係数αを設定することが可能となる。
また、レーダ信号処理装置1で探査すべき物標に応じて、例えば歩行者であるとか、脇道などから突然出てくる車両や自転車などの場合と、先行する車両の場合とで、忘却係数決定手段FXで決定する忘却係数αを変化させることも当然考えられる。
この場合、忘却係数決定手段FXは、自車に対する相対移動速度が高い物標、たとえば突然前方に飛び出してくる歩行者、自転車、車両などについては、過渡応答性を高めるため小さな忘却係数αを、自車に対する相対移動速度が低い物標、例えば車間距離に変化の少ない先行車両などについては、過渡応答性を高めるため小さな忘却係数αを決定する。
具体的には、探査すべき物標の種類を入力するスイッチなどの探査物標設定手段(図示せず)を設けておき、運転者が自車の走行状態に応じて当該入力手段を操作して、探査すべき物標の種類を適宜設定するように構成することも出来る。例えば、自車が市街地を走行中で、細い裏道などにおいて運転者が探査物標設定手段を操作して、レーダ信号処理装置1で探査すべき物標を歩行者に設定すると、探査物標設定手段は、歩行者等探査信号を忘却係数決定手段FXに出力し、これを受けて忘却係数決定手段FXは、突然前方に飛び出してくる歩行者、自転車、車両に備えて、過渡応答性の高い小さな忘却係数αを設定する。
また、自車が郊外や高速道路上を走行中で先行車両の状態に大きな変化が生じないことが予想される場合などには、運転者が探査物標設定手段を操作して、レーダ信号処理装置1で探査すべき物標を先行車両に設定する。すると、探査物標設定手段は、先行車探査信号を忘却係数決定手段FXに出力し、これを受けて忘却係数決定手段FXは、先行する車両の探査に備えて、高いS/N改善性を実現するために大きな忘却係数αを設定する。このように、歩行者、先行車など探査すべき物標の種類に応じて適宜忘却係数を変化させることが出来る。
以下、図23に基づき、本発明の更に別の実施例を説明する。図23に示したレーダ信号処理装置12は、符号OBで示す観測手段1〜K、符号DSで示す距離成分抽出手段1〜K、符号RMで示す指数平滑型相関行列推定手段1〜N、符号OMで示す物標有無/運動状態推定手段、符号SN4で示す自車周囲状況取得手段及び、符号FXで示す忘却係数決定手段を有している。
観測手段p(アレイ素子p=1,2,…K)、距離成分抽出手段p(アレイ素子p=1,2,…K)、指数平滑型相関行列推定手段q(距離rq:q=1,…,N)、物標有無/運動状態推定手段OMは図1の実施例と同様なため、説明を省略する。
自車周囲状況取得手段SN4は、走行中の道路の制限速度を取得し、これを制限速度情報AI4として出力する。自車の周囲状況の取得例として、CCDセンサにより周囲画像を得て、交通標識を画像処理/認識することで、制限速度を得る方法がある。また、こうして得られた制限速度情報から、自車が走行している道路が、高速道路であるのか一般道路であるのかを判定して、道路区分情報として出力することも可能である。
忘却係数決定手段では制限速度情報AI4又は道路区分情報に基づき、指数平滑型相関行列推定手段1〜Nに供給する忘却係数αを決定する。これにより、制限速度又は道路区分情報に応じて任意に忘却係数αを設定することが可能となる。
なお、忘却係数決定手段FXにおいて、制限速度情報AI4から得られる制限速度の高低に応じて、指数平滑型相関行列推定手段1〜Nに供給する忘却係数αを決定するように構成することも出来る。制限速度の高低の判定は、制限速度が予め定めた閾値より小さいときは低制限速度、閾値以上のときは高制限速度と判定する。この制限速度判定に基づき、高制限速度時は予め定めた忘却係数αの候補のうち小さいものを、低制限速度時は予め定めた忘却係数αの候補のうち大きいものを選択し、忘却係数αとして出力する。
また、忘却係数決定手段FXにおいて、道路区分情報から得られる自車の走行している道路の種別、即ち高速道路か一般道かに応じて、指数平滑型相関行列推定手段1〜Nに供給する忘却係数αを決定するように構成することも出来る。高速道路/一般道路の判定は、制限速度が予め定めた閾値より小さいときは一般道、閾値以上のときは高速道路と判定する。この道路種別判定に基づき、高制道路の場合は予め定めた忘却係数αの候補のうち小さいものを、一般道路の場合は予め定めた忘却係数αの候補のうち大きいものを選択し、忘却係数αとして出力する。
これにより、高速度道路など高制限速度時に予想される物標信号の変化で要求される相関行列推定の高い過渡応答性と、一般道路など低制限速度時に要求される高いS/N改善性を適応的に実現することが可能となる。
以下、図24に基づき、本発明の更に別の実施例を説明する。図24に示したレーダ信号処理装置12は、図23のレーダ信号処理装置12における自車周囲状況取得手段SN4をカーナビゲーションSN5に変更したものであり、カーナビゲーション以外の構成要素に関しては説明を省略する。
カーナビゲーションSN5では、GPSなどにより自車の現在地点を取得し、予め記憶された地図情報中の現在地点の制限速度情報を出力する。
忘却係数決定手段FXでは制限速度情報に基づき、指数平滑型相関行列推定手段1〜Nに供給する忘却係数αを決定する。
これにより、実装の容易なカーナビゲーションを用い、図23の発明と同様な効果を得ることができる。
以下、図25に基づき、本発明の更に別の実施例を説明する。図25に示したレーダ信号処理装置12は、符号OBで示す観測手段1〜K、符号DSで示す距離成分抽出手段1〜K、符号KSで示す区間平均型相関行列推定手段1〜N、符号RMで示す指数平滑型相関行列推定手段1〜N、符号OMで示す物標有無/運動状態推定手段、符号SN4で示す自車周囲状況取得手段、符号FXで示す忘却係数決定手段を有している。
観測手段p(アレイ素子p=1,2,…K)、距離成分抽出手段p(アレイ素子p=1,2,…K)、区間平均型相関行列推定手段q(距離rq:q=1,…,N)、指数平滑型相関行列推定手段q(距離rq:q=1,…,N)、物標有無/運動状態推定手段OMは図15の実施例と同様なため、説明を省略する。
自車周囲状況取得手段SN4、忘却係数決定手段FXは図22の実施例と同様なため、説明を省略する。
これにより、区間平均型相関行列推定手段KSと指数平滑型相関行列推定手段RMを直列に用いて相関行列を推定するアレイレーダ装置において、自車周囲状況に応じて任意に忘却係数αを設定することが可能となる。
以下、図26に基づき、本発明の更に別の実施例を説明する。図26に示すレーダ信号処理装置12は、符号OBで示す観測手段1〜K、符号DSで示す距離成分抽出手段1〜K、符号RMで示す指数平滑型相関行列推定手段1〜N、符号OMで示す物標有無/運動状態推定手段、符号SN5で示す電波状況取得手段及び、符号FXで示す忘却係数決定手段を有している。
観測手段p(アレイ素子p=1,2,…K)、距離成分抽出手段p(アレイ素子p=1,2,…K)、指数平滑型相関行列推定手段q(距離rq:q=1,…,N)、物標有無/運動状態推定手段OMは図1の実施例と同様なため、説明を省略する。
電波状況取得手段SN5は、電波受信装置により電波を受信し、これを解析することで、自車周囲の電波状況情報AI5を取得する。電波状況情報AI5は例えば、受信電波のパワー、観測手段の電波非送信時の受信電波の有無やパワーである。取得した電波状況情報AI5を忘却係数決定手段FXに出力する。
忘却係数決定手段FXでは電波状況情報AI5に基づき、指数平滑型相関行列推定手段1〜Nに供給する忘却係数αを決定する。例えば、受信電波のパワーが予め定められた閾値より大きいときは予め定めた忘却係数αの候補のうち小さいものを、閾値以下の時は忘却係数αの候補のうち大きいものを選択し、忘却係数αとして出力する。受信電波のパワーが小さくノイズの影響が大きくなる電波状況悪化時に忘却係数αが適応的に大きくなるので、こういった電波状況時に要求される高S/N改善性が実現される。
これにより、電波状況に応じて任意に忘却係数αを設定することが可能となる。
以下、図27に基づき、本発明の更に別の実施例を説明する。図27に示したレーダ信号処理装置12は、符号OBで示す観測手段1〜K、符号DSで示す距離成分抽出手段1〜K、符号RMで示す指数平滑型相関行列推定手段1〜N、符号OMで示す物標有無/運動状態推定手段、符号SN5で示す電波状況取得手段及び、符号FXで示す忘却係数決定手段を有している。
観測手段p(アレイ素子p=1,2,…K)、距離成分抽出手段p(アレイ素子p=1,2,…K)、指数平滑型相関行列推定手段q(距離rq:q=1,…,N)、物標有無/運動状態推定手段OMは図1の実施例と同様なため、説明を省略する。
電波状況取得手段SN5は、電波受信装置により電波を受信し、これを解析することで、他のレーダ信号処理装置などからの干渉影響度AI6を取得する。干渉影響度AI6は例えば、観測手段の電波非送信時の受信電波のパワーの大きさより決定し、パワーの増加に応じて干渉影響度も増加するように干渉影響度AI6を決定する。取得した干渉影響度AI6を忘却係数決定手段FXに出力する。ここで、「他のレーダ信号処理装置からの干渉」とは、例えば、対向車の車載レーダ信号処理装置からの送信波による干渉などが考えられる。
忘却係数決定手段FXでは干渉影響度AI6に基づき、指数平滑型相関行列推定手段1〜Nに供給する忘却係数αを決定する。例えば、干渉影響度AI6が予め定められた閾値より大きいときは予め定めた忘却係数αの候補のうち小さいものを、閾値以下の時は忘却係数αの候補のうち大きいものを選択し、忘却係数αとして出力する。これにより、干渉影響AI6が大きくなる場合に忘却係数αが適応的に小さくなるので、干渉の影響を受けた過去の相関行列推定値の推定への影響が抑えられる。
これにより、干渉影響度に応じて任意に忘却係数αを設定することが可能となる。
また、この際、干渉影響度が予め定められた閾値より大きいときは忘却係数αを0に決定し、出力することも出来る。
これにより、干渉影響度AI6が非常に大きくなる場合に、忘却係数αが0となるので、干渉の影響の入った過去の相関行列推定値の影響を完全に消去することができる。
以下、図28に基づき、本発明の更に別の実施例を説明する。図28に示すレーダ信号処理装置12は、符号OBで示す観測手段1〜K、符号DSで示す距離成分抽出手段1〜K、符号KSで示す区間平均型相関行列推定手段1〜N、符号RMで示す指数平滑型相関行列推定手段1〜N、符号OMで示す物標有無/運動状態推定手段、符号SN5で示す電波状況取得手段及び、符号FXで示す忘却係数決定手段を有する。
観測手段p(アレイ素子p=1,2,…K)、距離成分抽出手段p(アレイ素子p=1,2,…K)、区間平均型相関行列推定手段q(距離rq:q=1,…,N)、指数平滑型相関行列推定手段q(距離rq:q=1,…,N)、物標有無/運動状態推定手段OMは図15の実施例と同様なため、説明を省略する。
電波状況取得手段SN5、忘却係数決定手段FXは図26の実施例と同様なため、説明を省略する。
これにより、区間平均型相関行列推定手段KSと指数平滑型相関行列推定手段RMを直列に用いて相関行列を推定するアレイレーダ装置において、電波状況に応じて任意に忘却係数αを設定することが可能となる。
本発明は、車両に搭載して前方の車両の存在を検出するための車載用レーダ装置のレーダ信号処理装置として、利用することが出来る。
第1の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図。 従来の車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図。 観測手段の一例であるFM-CWレーダの構成図。 観測手段の一例であるパルスレーダの構成図。 物標有無/運動状態推定手段の一例の概略構成を表すブロック図。 物標がある場合の角度スペクトラムの一例。 物標がない場合の角度スペクトラムの一例。 第2の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図。 物標距離ー入力S/Nグラフの一例。 忘却係数α−方位RMSEグラフ算出の手順を示す図。 忘却係数α−方位RMSEグラフの一例。 距離減衰にあわせた忘却係数αの決定法を説明する図。 第3の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図。 第4の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図。 第5の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図。 第6の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図。 第7の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図。 第9の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図。 第10の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図。 第11の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図。 第13の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図。 第14の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図。 第15の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図。 第17の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図。 第18の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図。 第19の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図。 第20の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図。 第22の実施例である車載用アレイレーダ装置の概略構成を表すブロック図。
符号の説明
5……受信アンテナ
AI……自車運動状態情報
AI1……自車旋回状態情報
AI2……車速情報
AI3……自車周囲状況情報
AI4……自車周囲状況情報(制限速度情報)
AI5……電波状況情報
AI6……干渉影響度
S2……受信信号
S3……観測信号
DS……距離成分抽出手段
FF、FX、FF1、……忘却係数決定手段
KD……距離離散フーリエ変換手段
KS……区間平均型相関行列推定手段
OB……観測手段
OM……物標有無/運動状態推定手段
RM……指数平滑型相関行列推定手段
SN……自車運動状態センサ
SN1……ステアリングセンサ
SN2……ヨーレートセンサ
SN3……車速センサ
SN4……自車周囲状況取得手段
SN5……電波状況取得手段
α……忘却係数

Claims (3)

  1. 物標からの反射波を受信信号として受信アンテナを介して受信して、所定の観測信号をそれぞれ出力する複数の観測手段、
    前記各観測信号から、前記受信アンテナからの物標を検出すべき距離に対応した距離成分をそれぞれ抽出する、複数の距離成分抽出手段、
    前記抽出された各距離成分について、それら各距離成分に対応した相関行列推定値を、指数平滑型相関行列推定法を用いて前記各距離成分に対応した忘却係数をパラメータとする形でそれぞれ演算推定する、複数の相関行列推定手段
    前記各相関行列推定手段で推定された、前記各距離成分に対応した複数の相関行列推定値に基づいて物標の有無又は運動状態を推定する物標有無/運動状態推定手段及び、
    前記反射波の距離による減衰に応じて、前記受信アンテナからの物標を検出すべき距離に対応した前記忘却係数をそれぞれ演算決定し、前記各相関行列推定手段に、前記各距離成分に対応した忘却係数としてそれぞれ出力する距離依存型忘却係数決定手段を有し、
    前記距離依存型忘却係数決定手段は、前記相関行列推定手段で得られる相関行列推定値の適切さの指標としての、物標の推定方位と実際の物標方位との誤差である、方位推定誤差の2乗平均である方位RMSEと、前記観測信号の入力S/Nと前記忘却係数との関係を予めメモリに格納しており、前記検出すべき距離に対応した前記観測信号の距離減衰を、該観測信号の入力S/Nとして求め、該求められた観測信号の入力S/Nと前記方位RMSEの目標値から、前記メモリに格納された、方位RMSEと観測信号の入力S/Nと忘却係数との関係を参照して、前記各距離成分に対応した忘却係数を演算決定する、
    こと特徴として構成されるレーダ信号処理装置。
  2. 前記距離成分抽出手段は、前記観測信号から、前記受信アンテナからの距離に対応した周波数毎の成分を離散フーリエ変換により前記距離成分としてそれぞれ演算し抽出する距離離散フーリエ変換手段を有することを特徴とする、請求項1記載のレーダ信号処理装置。
  3. 前記相関行列推定手段は、区間平均型相関行列推定手段及び指数平滑型相関行列推定手段を有し、
    前記区間平均型相関行列推定手段は、前記距離成分抽出手段で抽出された各距離成分を集め、それら各距離成分に対応した第1の相関行列推定値を、区間平均型相関行列推定法を用いてそれぞれ演算推定し、
    前記指数平滑型相関行列推定手段は、前記演算推定された第1の相関行列推定値から、各距離成分に対応した第2の相関行列推定値を、指数平滑型相関行列推定法を用いて前記各距離成分に対応した忘却係数をパラメータとする形でそれぞれ演算推定し、
    前記物標有無/運動状態推定手段は、前記推定された第2の相関行列推定値に基づいて物標の有無又は運動状態を推定する、
    ことを特徴とする、請求項1記載のレーダ信号処理装置。
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