JP3954849B2 - アダプティブ受信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、MMSEアダプティブアレーを動作させて不要波を抑圧するアダプティブ受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
多量のデータを高速に伝送する無線通信方式としてマルチキャリア伝送方式が知られ、実用化に向けて研究開発が進められている。中でも、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数多重分割)方式の研究が盛んである。OFDMは多数のキャリア(サブキャリア)が互いに直交するようにすることにより、周波数利用効率が比較的高く、またFFT(Fast Fourier Transform)による変復調処理が可能などの多くの特徴を有する。
【0003】
また、所望波と当該所望波の反射波(遅延波)とが受信される環境において、遅延波の影響を軽減し正確にデータを再生するために、変調の最小単位であるシンボルに対応した単位信号区間(シンボル区間)の末尾の所定長区間と同一波形を繰り返すガード区間が先頭に設けられる。遅延波が所望波に対してこのガード区間の長さ以下で遅延している場合には、所望波の1シンボル区間の信号と、この1シンボル区間に同期して受信される遅延波の信号とは位相差を有するが同一のデータ内容を含んでいる。よって、ガード区間を設けることにより、所望波と遅延波とが混在していてもシンボルを正確に復調することが可能である。
【0004】
しかしながら、上述の方法はガード区間を越える遅延波による干渉には有効ではない。例えば、OFDM方式を用いて地上波ディジタルTV放送網をSFN(Single Frequency Network)で構築しようとした場合に、同一放送を同じキャリアで送信する複数の送信局が互いのサービスエリアの端部をオーバーラップさせるように配置される。この場合に、上述のガード区間を設けることにより、複数局から時間差を有して電波が届くオーバーラップ地域においても良好な放送受信を可能になる。しかし、特に固定受信では高利得のアンテナを設置することが可能であり、そのような場合、ガード区間を越える遅延を生じる遠地点の送信局の信号が受信され、シンボル間干渉を生じて受信品質が劣化する可能性がある。
【0005】
一方、アダプティブアレーアンテナは干渉波を抑圧することで、良好な通信品質を確保するシステムとして知られている。その動作原理の1つであるMMSE(Minimum Mean Square Error)アダプティブアレーは、所望のアレー応答である参照信号と実際のアレー出力信号との差(誤差信号)を最小にすることによって、アレー応答の最適なウエート(重み係数)を決定するシステムである。
【0006】
OFDMでは上述のようにガード区間(以下、先頭ガード区間と称する)の信号がシンボル区間の末尾区間(以下、末尾ガード区間と称する)の信号と同一であることを利用して、MMSEアダプティブアレーを動作させることが提案されている。すなわち、同期がとれている方の到来波を所望波とすると、所望波のみ受信され不要波が受信されていない状態では、先頭ガード区間及び末尾ガード区間の信号が完全に同一となる。そこで、所望波以外に不要波も受信されている場合でも、これら2つの区間の差が最小となるようにウエートを決定することにより、アレーの合成出力信号からの不要波の除去を図ることができる。
【0007】
OFDM方式におけるガード区間を利用したMMSEアダプティブアレーを用いた従来提案の受信原理を説明する前に、受信される無線信号を理解するために、OFDM送信機の構成を説明する。図10は、OFDM送信機の概略のブロック構成図である。OFDM変調部2は、S/P(Serial to Parallel)変換器4、変調器6、逆離散フーリエ変換器(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transformer)8を含んで構成される。
【0008】
S/P変換器4は、送信データ系列をサブキャリアの数に応じた長さを有するシンボル毎にS/P変換を施す。すなわちS/P変換器4は各シンボルをサブキャリア数に応じた多数のデータ系列に分割し、分割された各データ系列をパラレルに出力する。1シンボル分の分割されたデータ系列はそれぞれ変調器6により、例えば16QAM等の所定の変調を施された後、IDFT8を用いてOFDM変調される。IDFT8は、各キャリアの成分となる分割されたデータ系列を逆離散フーリエ変換することにより、時間領域での振幅を表すデータ系列を生成する。
【0009】
ガード区間挿入部12は、逆離散フーリエ変換後の1シンボル分のデータ系列(有効シンボル区間)の末尾区間をコピーして、当該有効シンボル区間の前に挿入し付加する。図11はOFDM信号の構成を示す模式図である。OFDM信号はシンボル区間20(長さTS)の繰り返しであり、シンボル区間20は、ガード区間挿入部12により挿入された先頭ガード区間22(長さTG)とこれに続く有効シンボル区間24(長さTE)とからなる。有効シンボル区間24の末尾には末尾ガード区間26(長さTG)が設定され、この内容が先頭ガード区間にコピーされる。
【0010】
ガード区間挿入部12の出力信号は、D/A(Digital to Analog)変換器30によりアナログ信号に変換され。そして、低域通過フィルタ32により帯域外成分を除去された後、局部発振器34から供給される局部発振信号とミキサー36にて混合され搬送波周波数にアップコンバートされ、さらにバンドパスフィルタ38を経て送信信号となり、アンテナ40から放射される。
【0011】
次に、OFDM方式におけるガード区間を利用したMMSEアダプティブアレーを用いた受信原理を説明する。アダプティブ受信機は、上述のように生成された送信信号を複数(K個とする)のアンテナ素子からなるアレーアンテナで受信する。各アンテナ素子で得られるベースバンド信号x'k(t)(k=1,2,…,K)は、ウエートwk(k=1,2,…,K)により重み付け合成される。この合成受信信号y'(t)から先頭ガード区間の信号を除去し、送信機のOFDM変調部2とは逆の処理を行うことにより、送信されたデータ系列が再生される。
【0012】
ここで、互いに同一信号となるはずである2つのガード区間の一方にて得られるベースバンド信号を入力信号とし、他方にて得られる合成受信信号を参照信号として、先頭ガード区間と末尾ガード区間と信号の差異が最小となるようにウェートを決定する。この最適ウエートを決定するためにMMSE規範が用いられる。
【0013】
具体的には、上述の2つの区間の誤差信号をe(t)として、最小化すべき評価関数は次式で表される。
【0014】
【数5】
Figure 0003954849
ここで、r(t)が参照信号であり、例えば末尾ガード区間の合成受信信号である。一方、ベクトルXは次式で表される入力信号ベクトルであり、xk(t)は例えばベースバンド信号x'k(t)のうち先頭ガード区間における信号である。
【0015】
【数6】
Figure 0003954849
またベクトルWは次式で表されるウエートベクトルである。
【0016】
【数7】
Figure 0003954849
なお、E[・]は期待値演算を意味し、また上添字T,Hはそれぞれ行列(又はベクトル)の転置、共役転置を表す。またaは参照信号の大きさをコントロールする定数である。
【0017】
この評価関数に対する最適ウエートWoptは次式で与えられる。
【0018】
【数8】
Figure 0003954849
ここで、Rxxは相関行列、rxrは相関ベクトルと呼ばれ、それぞれ次式で表される。
【0019】
【数9】
Figure 0003954849
なお、上添字*は複素共役を表す。
【0020】
この式の解法としてはいくつかの方式が存在する。例えば、SMI(Sample Matrix Inversion)方式、LMS(Least Mean Square)方式、RLS(Recursive Least Square)方式が知られている。ここで、SMI方式は反復演算により最適ウエートを推定するものである。SMI方式による推定を迅速かつ精度良く行う反復演算として、従来、下記(7)〜(10)式で表されるものが提案されている(「OFDM用におけるガード区間を利用したMMSEアダプティブアレー」,堀智ほか,信学技報,A・P2001-50,Jul.2001)。この方式がオーソドックスな従来のSMI方式と異なる点は、ガード区間に包含される平均処理区間が設定され、この平均処理区間に含まれる信号波形を構成する複数(n個とする)の時系列の信号についての平均演算aven[・]を伴う点にある。平均処理区間は、先頭ガード区間及び末尾ガード区間に対して共通に設定される。すなわち、先頭ガード区間及び末尾ガード区間の互いに同じ位置に同一の時間長を有する平均処理区間が設定される。
【0021】
【数10】
Figure 0003954849
ここで、βは0<β<1を満たす実数パラメータ(忘却係数)であり、推定の時定数をコントロールする。
【0022】
さて、aven[・]は上述のように平均演算を表し、平均処理区間内の複数信号に対応した各タイミングでそれぞれサンプリングされる複数の入力ベクトルX、参照信号rを用いて平均演算が行われる。例えば、第mステップの平均処理区間に含まれるn個の信号に対応したサンプリングタイミングtmj(j=1,2,…,n)での入力ベクトルをX(tmj)、参照信号をr(tmj)と表すと、aven[X(t)r*(t)]及び、aven[X(t)XH(t)]は、次式で定義される。
【0023】
【数11】
aven[X(t)r*(t)]=ΣX(tmj)r*(tmj)/n ………(11)
aven[X(t)XH(t)]=ΣX(tmj)XH(tmj)/n ………(12)
なお、ここで記号Σはj=1〜nについての総和を意味する。
【0024】
従来のOFDM方式でのMMSEアダプティブアレーを用いた受信におけるSMI方式の解法では、上記(7)〜(10)式を用いて推定された相関行列Rxx(m)、相関ベクトルrxr(m)を用いて、次式で表される最適ウエートの推定ベクトルWopt(m)が求められる。
【0025】
【数12】
Figure 0003954849
そして、このWopt(m)を用いて、各チャネルの受信信号に対して重み付けを行うことにより、ガード区間の長さを越える遅延を生じた干渉波の除去が図られていた。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
MMSEアダプティブアレーにおける、上述の平均処理区間での平均演算を伴うSMI方式は、当該平均演算を伴わないオーソドックスなSMI方式に比べて反復演算の収束速度が向上し最適ウエートの推定が迅速となる。しかし、従来の方式においては平均処理区間は、収束性の向上の観点からの好適に設定されているとは限らないという問題点があった。
【0027】
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、MMSEアダプティブアレーにおいてSMI方式による最適ウエートの推定が一層速やかに精度良く行われ、良好な通信品質が得られるアダプティブ受信装置を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本願発明者の研究により、平均処理区間での平均演算を、第1部分区間の先頭から遅延時間に応じた長さを有する区間に対して行った場合に収束性が高く、反対にそれより長い区間に対して平均演算を行うと収束性が低下するという知見が得られた。本発明に係るアダプティブ受信装置はこの知見に基づくものである。
【0029】
本発明に係るアダプティブ受信装置の第1の構成は、重みベクトルを求める制御部が、反復演算の各ステップそれぞれに対応して、入力信号を取得する第1部分区間内に包含され複数のサンプリングタイミングを設定される平均処理区間を定める処理区間設定手段と、前記反復演算の第mステップ(mは自然数)に対応する第m平均処理区間内の前記各サンプリングタイミングにおける入力信号の複数チャネルそれぞれのサンプリング値を成分とする入力ベクトルXと、当該入力ベクトルXに関するサンプリングタイミングに相当する第2部分区間内のタイミングにおける参照信号のサンプリング値の複素共役値r*とを互いに乗じて得られるベクトル[X・r*]を、当該第m平均処理区間内にて定義される重み関数を用いて当該第m平均処理区間内の前記複数のサンプリングタイミングに関して重み付け平均して修正ベクトルV(m)を算出する修正ベクトル演算手段と、前記第m平均処理区間内の前記各サンプリングタイミングにて得られた前記入力ベクトルXと当該入力ベクトルXの共役転置ベクトルXHとを互いに乗じて得られる行列[XXH]を、前記重み関数を用いて当該第m平均処理区間内の前記複数のサンプリングタイミングに関して重み付け平均して修正行列M(m)を算出する修正行列演算手段と、第mステップの推定相関行列であるRxx(m)及び推定相関ベクトルであるrxr(m)を次式
【数13】
xx(m)=βRxx(m-1)+(1−β)M(m)
xr(m)=βrxr(m-1)+(1−β)V(m)
(ここでβは0<β<1を満たす所定の実数パラメータである)により求める更新演算手段とを含み、前記重み関数が、前記各平均処理区間の先頭から始まる区間であって受信される所望波と遅延波との間の遅延時間に応じた時間長を有する先行部分区間での当該重み関数の積算値が、当該先行部分区間の終端から当該平均処理区間の終端までの後続部分区間での積算値よりも大きい関数であるものである。
【0030】
本発明によれば、平均処理区間内について一様な平均演算ではなく、平均処理区間の先頭から遅延時間に応じた時間長を有する先行部分区間の重みを高くし、後続部分区間の重みを相対的に低くする。すなわち、実質的に平均演算が、第1部分区間の先頭から遅延時間に応じた長さを有する区間に対して行われ、高い収束性が得られる。
【0031】
上記第1の構成に関する他の本発明においては、前記制御部が、前記重み付け部及び前記合成部により前記入力信号から生成される合成受信信号と、前記参照信号との差に応じた信号である誤差信号の大きさを示す値が所定の閾値を超える時間に基づいて、前記遅延時間を算出する遅延時間算出手段を有する。本発明では、平均処理区間での誤差信号は、平均処理区間の先頭から遅延時間が経過するまでにおいて大きな振幅を生じやすいことに基づいて、誤差信号から遅延時間が算出される。得られた遅延時間に応じて、遅延時間より先行する部分で大きな関数値を有し、遅延時間より後の部分で小さな関数値を有する重み関数が選択される。
【0032】
上記第1の構成に関する他の本発明においては、前記制御部が、前記単位信号区間に内包される所定長の基準部分区間にて取得される受信信号と、当該単位信号区間内の各時間位置での前記所定長の受信信号との間の相関値を算出し、当該相関値が所定の閾値を超える当該単位信号区間内の第1の時間位置と、当該第1の時間位置とは異なる、当該相関値が所定の閾値を超える当該単位信号区間内の第2の時間位置と、の差異に基づいて、前記遅延時間を算出する遅延時間算出手段を有する。本発明では、基準部分区間の受信信号(相関基準信号と称する)と、当該基準部分区間と同じ単位信号区間に内包され当該基準部分区間と同じ長さを有する受信信号(相関対象信号と称する)との相関が調べられる。相関対象信号は単位信号区間の各位置から取り出され、それら相関対象信号それぞれについて相関基準信号との相関が調べられる。相関基準信号と相関対象信号との時間軸上での位置の差が遅延時間であるとき、相関基準信号及び相関対象信号の一方に含まれる所望波の成分と、他方に含まれる遅延波の成分とが同じものとなり、相関が強くなる。また、当然ながら、相関対象信号が相関基準信号と同じ位置から取得された場合も相関が強くなる。そして、相関対象信号がその他の位置から取得された場合、相関は弱くなる。よって、強い相関を与える相関対象信号の時間間隔に基づいて遅延時間を求めることができる。特に受信信号が所望波と1つの遅延波しか含まない場合には、強い相関を与える相関対象信号の時間間隔が遅延時間を表す。
【0033】
上記第1の構成に関するさらに他の本発明においては、前記重み関数が、前記重み付け部及び前記合成部により前記入力信号から生成される合成受信信号と、前記参照信号との差に応じた誤差信号関数である。本発明によれば、誤差信号関数は遅延時間より先行する部分で大きな関数値を有し、遅延時間より後の部分で小さな関数値を有するので、これを重み関数として用いることができる。この場合、遅延時間は特に算出せずに、平均処理区間での重み平均処理が実現される。
【0034】
本発明に係るアダプティブ受信装置の第2の構成は、重みベクトルを求める制御部が、反復演算の各ステップそれぞれに対応して、第1部分区間の先頭から始まり当該第1部分区間に包含され複数のサンプリングタイミングを設定される平均処理区間を定める処理区間設定手段と、前記反復演算の第mステップ(mは自然数)に対応する第m平均処理区間内の前記各サンプリングタイミングにおける入力信号の複数チャネルそれぞれのサンプリング値を成分とする入力ベクトルXと、当該入力ベクトルXに関するサンプリングタイミングに相当する第2部分区間内のタイミングにおける前記参照信号のサンプリング値の複素共役値rとを互いに乗じて得られるベクトル[X・r]を、前記第m平均処理区間内の前記複数のサンプリングタイミングに関して平均して修正ベクトルV(m)を算出する修正ベクトル演算手段と、前記第m平均処理区間内の前記各サンプリングタイミングにて得られた前記入力ベクトルXと当該入力ベクトルXの共役転置ベクトルXとを互いに乗じて得られる行列[XX]を、前記第m平均処理区間内の前記複数のサンプリングタイミングに関して平均して修正行列M(m)を算出する修正行列演算手段と、第mステップの前記推定相関行列であるRxx(m)及び前記推定相関ベクトルであるrxr(m)を次式
【数14】
xx(m)=βRxx(m-1)+(1−β)M(m)
xr(m)=βrxr(m-1)+(1−β)V(m)
(ここでβは0<β<1を満たす所定の実数パラメータである)により求める更新演算手段とを含み、前記処理区間設定手段が、受信される所望波と遅延波との間の遅延時間よりも長くなるよう前記平均処理区間の時間長を定める。
【0035】
本発明によれば、平均処理区間内での平均演算は一様なものであるが、平均処理区間の幅自体が遅延時間に応じて可変されるので、高い収束性が得られる。
【0036】
上記第2の構成に関する他の本発明においては、前記処理区間設定手段が、前記重み付け部及び前記合成部により前記入力信号から生成される合成受信信号と、前記参照信号との差に応じた信号である誤差信号の大きさを示す値が所定の閾値を超える時間に基づいて、前記遅延時間を算出する遅延時間算出手段を有する。
【0037】
上記第2の構成に関する他の本発明においては、前記制御部が、前記単位信号区間に内包される所定長の基準部分区間にて取得される受信信号と、当該単位信号区間内の各時間位置での前記所定長の受信信号との間の相関値を算出し、当該相関値が所定の閾値を超える当該単位信号区間内の第1の時間位置と、当該第1の時間位置とは異なる、当該相関値が所定の閾値を超える当該単位信号区間内の第2の時間位置と、の差異に基づいて、前記遅延時間を算出する遅延時間算出手段を有する。
【0038】
上記第1及び第2の構成の本発明に用いられる前記遅延時間算出手段の好適な態様は、前記誤差信号が所定の閾値より大きな値を取る範囲に応じて前記遅延時間を算出するものである。
【0039】
上記第1及び第2の構成の本発明の好適な態様は、無線信号がOFDM変調された信号であり、単位信号区間が、有効シンボル区間と、当該有効シンボル区間の前に配置され当該有効シンボル区間の末尾区間と同一の波形を格納されたガード区間とからなり、前記第1部分区間は、前記ガード区間と前記末尾区間とのいずれか一方であり、前記第2部分区間は、前記ガード区間と前記末尾区間とのいずれか他方であるアダプティブ受信装置である。
【0040】
上記第1及び第2の構成の本発明の他の好適な態様は、前記平均処理区間が、前記無線信号にて伝送されるデータを複数内包し、前記修正ベクトル演算手段及び前記修正行列演算手段は、前記平均処理区間に内包される複数データについてそれぞれの平均処理を行うアダプティブ受信装置である。
【0041】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0042】
図1は、本発明の実施形態であるOFDMアダプティブ受信機の概略のブロック構成図である。この受信機は、図10に示すOFDM送信機から放射された無線信号を受信する。マルチパス伝搬路を通り到来した信号はK個のアンテナ素子50からなるアレーアンテナで受信される。K個のアンテナ素子50により受信されたKチャネルの原受信信号はそれぞれバンドパスフィルタ52を通過した後、局部発振器54からの局部発振信号とミキサー56にて混合され、周波数をダウンコンバートされる。さらに低域通過フィルタ58により帯域制限を行うことでベースバンド信号x'k(t)(k=1,2,…,K)が得られる。このベースバンド信号はA/D(Analog to Digital)変換器60によりデジタル信号に変換される。デジタル信号に変換された各チャネルのベースバンド信号x'k(t)は、重み付け部62にてそれぞれウエートwk(k=1,2,…,K)により重み付けされ、しかる後、合成部64にて互いに加算合成され、合成受信信号y'(t)が生成される。
【0043】
ガード区間除去部66は、同期がとれているチャネルの信号を基準として、合成受信信号y'(t)から先頭ガード区間部分を取り除き、有効シンボル区間を出力する。
【0044】
離散フーリエ変換器(DFT:Discrete Fourier Transformer)68は、ガード区間除去部66から出力された有効シンボル区間の信号y'(t)を離散フーリエ変換する。これにより、y'(t)に周波数多重化されていた各サブキャリアの成分信号が弁別される。
【0045】
各サブキャリアに対応する成分信号はそれぞれ復調器70により、送信機での例えば16QAM等の変調方式に対応した復調を施された後、P/S(Serial to Parallel)変換器72に入力される。
【0046】
各復調器70から同時並列に出力されるデータは、送信機のS/P変換器4にてサブキャリア数に応じて分割された1シンボル分のデータ系列であり、P/S変換器72は、これら複数の復調器70から同時並列に出力される各データ系列をP/S変換して連続した1シンボルのデータ系列を再生し出力する。
【0047】
本受信機の上述した部分の構成は基本的に従来のものと同様であり、本受信機の特徴は主として、ウエートを決定する制御部にある。これについて以下説明する。
【0048】
各チャネル毎に設けられベースバンド信号x'k(t)を入力されるガード区間抽出部76は、同期がとれているチャネルの先頭ガード区間の開始時刻からガード区間の長さTG分のx'k(t)を切り出す。この切り出された信号をxk(t)(k=1,2,…,K)と表す。
【0049】
一方、合成部64から出力される合成受信信号y'(t)を入力されるガード区間抽出部78は、同期がとれているチャネルの末尾ガード区間の開始時刻からガード区間の長さTG分のy'(t)を切り出す。この切り出された信号をy(t)と表す。
【0050】
一般にガード区間には複数の信号値が含まれる。例えば、サブキャリア数を1024とした場合、1シンボルは1024個の信号値で表される。有効シンボル区間TEには、その数の信号値が配列され形成される波形が格納される。ここで例えば、ガード区間TGをTEの1/8に設定すると、ガード区間の信号波形は128個の信号値の配列で表される。
【0051】
制御部100は、ベースバンド信号xk(t)及び合成受信信号y(t)から最適ウエートの推定ベクトルWopt(m)を求める。制御部100はMMSE処理部104と、MMSE処理部104にて必要となる条件等を決定する前処理部102とを含んで構成される。
【0052】
前処理部102の一つの機能は、平均処理区間を設定することである。前処理部102にて、ガード区間全体、又はガード区間の先頭からの一部分が平均処理区間として設定される。この平均処理区間の時間長は、所望波に対する遅延波の遅延時間よりも基本的に大きく設定される。例えば、上の例示するガード区間の信号波形を構成する時系列の信号数が128個である場合には、ガード区間全体を平均処理区間として設定すれば、128個の信号が平均処理区間に含まれ、またガード区間を4等分して得られる1つの部分区間を平均処理区間として設定すれば、平均処理区間には32個の信号が含まれる。
【0053】
平均処理区間は、各xk(t)及びy(t)に対して共通に設定される。すなわち、各xk(t)及びy(t)のそれぞれ時間TGだけの長さを有する区間内の互いに同じ位置に同一の時間長を有する平均処理区間が設定される。また、平均処理区間は、後述するSMI方式の反復演算の各ステップ毎に設定される。
【0054】
また前処理部102は、遅延時間を算出する機能と、得られた遅延時間を用いて重み関数の関数値ρ(t)を算出する機能とを有し得る。例えば、遅延時間は誤差信号e(t)に基づいて求められる。図2は、遅延時間が誤差信号に基づいて求められることを説明する図である。本受信装置は所望波110と遅延波112とを同時に受信する。すなわち受信信号には所望波110及び遅延波112の双方が合成されている。ここで所望波110の或るシンボル区間114の先頭ガード区間116と末尾ガード区間118とに含まれる信号成分を比較すると、遅延波112の先頭ガード区間116の先頭から遅延時間分は先行するシンボル区間の末尾ガード区間の信号であり、一方、遅延波112の末尾ガード区間118の先頭から遅延時間分は当該シンボル区間114の信号である点で相違するが、残りの信号成分は先頭ガード区間116と末尾ガード区間118とで共通である。よって、誤差信号はガード区間の先頭から遅延時間分の部分にて大きな振幅を有し、ガード区間の残りの部分では基本的に振幅が0になることが期待される。つまり、例えば二乗誤差|e(t)|2が比較的大きい部分(シミュレーションによる一例では、1シンボル毎の二乗誤差が10-2程度となる部分)の時間長が遅延時間に対応し、これにより遅延時間を求めることができる。具体的には、所定の閾値を設定して、二乗誤差がその閾値より大きくなる区間の幅を遅延時間と定めることができる。
【0055】
前処理部102は、求められた遅延時間TDに基づいて重み関数を設定する。図3は、重み関数の一例を示すグラフであり、横軸がガード区間の先頭からの時間t、縦軸が重み関数ρ(t)の値を表す。例えば、平均処理区間をガード区間全体とした場合に、ガード区間の先頭(t=0)から遅延時間に対応する時刻(t=TD)まではρ(t)=1、それ以降の平均処理区間(TD<t≦TG)ではρ(t)=0となる重み関数が設定される。
【0056】
なお、重み関数は図3に示す以外のものとすることができる。例えば、t=TDの前後でなだらかにρ(t)=1から0へ遷移するものとしてもよい。また0≦t≦TDにてρ(t)<1であってもよく、TD<t≦TGにてρ(t)>0であってもよい。但し、平均処理区間内での平均処理を0≦t≦TDにて重み付けを大きくし、TD<t≦TGにて重み付けを小さくすることが最適ウエートの推定ベクトルWopt(m)を求めるためのSMI方式の反復演算の収束速度を向上させるので、0≦t≦TDでのρ(t)の積分値が、TD<t≦TGでのρ(t)の積分値よりも大きくなるという条件の下で重み関数ρ(t)が選択される。
【0057】
ここで、誤差信号関数|e(t)|2が重み関数としての上述の要求される性質を有していることが理解され、これを重み関数ρ(t)として用いることができる。この場合、誤差信号関数自身が遅延時間に応じた変化を示すので、遅延時間を改めて算出する必要はない。よって、この場合には前処理部102には、遅延時間算出手段を設ける必要はない。
【0058】
また、遅延時間算出手段の他の構成では、1つの有効シンボル区間内から取り出した所定長(例えばガード区間長)の2つの受信信号(相関基準信号と相関対象信号)同士の相関に基づいて定められる。相関基準信号と相関対象信号とが同一の部分区間から取り出されたものである場合には、当然ながら両者の相関は強い。また、相関基準信号と相関対象信号との相互間の時間ずれが遅延時間に一致するとき、相関基準信号及び相関対象信号の一方に含まれる所望波の成分と、他方に含まれる遅延波の成分とが同じものとなり、この場合にも相関が強くなる。すなわち、相関基準信号と相関対象信号との相互間の時間ずれΔtが、0の場合とTDの場合とで相関が強くなり、その他の場合には相対的に相関は弱くなる。そこで、遅延時間算出手段は、例えば、或る相関基準信号に対して、相関対象信号の取得位置を変化させ、各相関対象信号の位置に対応した相関を算出する。そして、強い相関を与える相関対象信号の時間位置の差から遅延時間TDが決定される。なお、遅延波が複数存在する場合には、相関対象信号は、相関基準信号の位置(Δt=0)以外に2箇所以上の位置(Δt>0)で強い相関を与え得る。この場合には0より大きな複数のΔtから平均処理等により実効的な遅延時間に相当する1つの値を定めることができる。
【0059】
以下、重み関数ρ(t)として誤差信号関数|e(t)|2を採用した場合を例にとって説明を進める。
【0060】
MMSE処理部104は、互いに同一信号となるはずである先頭ガード区間のベースバンド信号xk(t)と末尾ガード区間の合成受信信号y(t)との差異が最小となるように、MMSE規範に基づいて最適ウエートを決定する。すなわち、y(t)を参照信号r(t)とし、この参照信号r(t)と(2)式で表される入力ベクトルXとを用いて、(5),(6)式でそれぞれ表される相関行列Rxx、相関ベクトルrxrを求め、これらRxx,rxrを用いた(4)式で表される最適ウエートベクトルWoptを推定する。
【0061】
MMSE処理部104は、以下に示すSMI方式でRxx,rxrを推定する。
【0062】
【数15】
Figure 0003954849
なお、βは従来技術と同様の忘却係数である。また、ave[・]はSMIの反復演算のステップに対応して設定された平均処理区間(例えば、ここではガード区間全体とする)に含まれる複数信号についての平均演算を表し、そして、ave[|e(t)|2・]は重み関数として誤差信号関数|e(t)|2を用いた重み付け平均演算を意味する。すなわち、本受信機では、平均処理区間内の複数信号に対応した各タイミングでそれぞれサンプリングされる複数の入力ベクトルX、参照信号rを用いつつ、重み関数を導入して重み付け平均演算がなされる。例えば、第mステップにおいて、平均処理区間であるガード区間がng個の信号を含み、それに対応したサンプリングタイミングtmj(j=1,2,…,ng)での入力ベクトルをX(tmj)、参照信号をr(tmj)と表すと、ave[|e(t)|2X(k)r*(k)]及び、ave[|e(t)|2X(k)XH(k)]は、次式で定義される。
【0063】
【数16】
ave[|e(t)|2X(k)r*(k)]
= Σ|e(tmj)|2X(tmj)r*(tmj)/ng ………(18)
ave[|e(t)|2X(k)XH(k)]
= Σ|e(tmj)|2X(tmj)XH(tmj)/ng ………(19)
なお、ここで記号Σはj=1〜ngについての総和を意味する。
【0064】
上述のようにMMSE処理部104は、平均処理区間内での重み付け平均演算を行って、推定相関行列Rxx(m)及び推定相関ベクトルrxr(m)を求め、これらRxx(m),rxr(m)を用いて、(13)式で表される最適ウエートの推定ベクトルWopt(m)を求める。そして、このWopt(m)の各成分が各チャネルの重み付け部62に与えられ、各チャネルの信号x'k(t)に対して重み付けが行われる。
【0065】
次に本アダプティブ受信機の基本特性の計算機シミュレーションによる解析結果例を示す。表1はシミュレーション条件を示す。最適ウエートは1シンボル毎に更新し、30回の更新を行った。なお、アレーのブロードサイド方向を0°とし、周波数オフセット補償及びシンボル同期は完全であるとした。また、全ての到来波フェージング変動のない単一波とし、所望波(第1波)に対するCNRは30dBとした。比較される従来の特性は、(7)〜(10)式を用いてSMI方式の反復演算を行った結果である。
【0066】
【表1】
Figure 0003954849
まず、到来波が2波、つまり所望波(第1波)と1つの遅延波(第2波)とが本受信装置に到来した場合を示す。表2は、この場合の電波環境を示す。fdは0としている。
【0067】
【表2】
Figure 0003954849
図4は、この場合の収束特性を示すグラフであり、横軸はウエート更新回数、縦軸は1シンボル毎の二乗誤差の平均値ave[|e(t)|2]を表す。実線120が本受信装置で採用する手法による収束特性曲線であり、点線122が従来方法による収束特性曲線である。従来方法は収束に7回程度の反復を要しているのに対し、本受信装置の手法は1回の反復で十分収束している。
【0068】
図5は、上記2波到来の場合での2回更新後のビームパターンを示すグラフであり、横軸は方位、縦軸は信号強度を表す。実線130が本受信装置の手法によるビームパターンであり、点線132が従来方法によるビームパターンである。2回更新後において、本手法は従来方法に比べて良好に所望波(第1波)を受信し、また遅延波(第2波)を50dB程度抑圧している。
【0069】
次に到来波が4波、つまり所望波(第1波)と3種類の遅延波(第2〜4波)とが本受信装置に到来した場合を示す。第2波及び第3波はガード区間長Tg以内の遅延波であり、第4波はガード区間長を越える遅延波である。fdは0としている。表3は、この場合の電波環境を示す。
【0070】
【表3】
Figure 0003954849
図6は、この場合の収束特性を示すグラフであり、横軸、縦軸は図4と同様である。実線140が本受信装置で採用する手法による収束特性曲線であり、点線142が従来方法による収束特性曲線である。従来方法は収束に8回程度の反復を要しているのに対し、本手法は4回の反復で十分収束している。
【0071】
図7は、上記4波到来の場合での4回更新後のビームパターンを示すグラフであり、横軸、縦軸は図5と同様である。実線150が本受信装置の手法によるビームパターンであり、点線152が従来方法によるビームパターンである。4回更新後において、本手法は従来方法に比べて良好に所望波(第1波)を受信し、また遅延波を30dB程度以上抑圧している。このように本手法は到来波が2波より多い場合においても有効であると言える。
【0072】
次に到来波が4波でドップラーシフトがある場合を示す。表4は、この場合の電波環境を示す。到来波は、同期が完全である所望波(第1波)、ガード区間長以内の2つの遅延波(第2波、第3波)、ガード区間長を越える遅延波(第4波)である。本受信装置の進行方向は0°の方向であり、fdは0.025/TEとしている。
【0073】
【表4】
Figure 0003954849
図8は、この場合の収束特性を示すグラフであり、横軸、縦軸は図4と同様である。実線160が本受信装置で採用する手法による収束特性曲線であり、点線162が従来方法による収束特性曲線である。従来方法は収束に10回程度の反復を要しているのに対し、本手法は5回の反復で十分収束している。
【0074】
図9は、上記4波到来かつドップラーシフト有りの場合での5回更新後のビームパターンを示すグラフであり、横軸、縦軸は図5と同様である。実線170が本受信装置の手法によるビームパターンであり、点線172が従来方法によるビームパターンである。5回更新後において、本手法は従来方法に比べて良好に所望波(第1波)を受信し、また遅延波を30dB程度以上抑圧している。このように本手法はドップラーシフト環境においても、収束速度の向上に有効であると言える。
【0075】
さて、本受信装置の制御部100の構成として、推定相関行列Rxx(m)及び推定相関ベクトルrxr(m)を求める際に、平均処理区間内において遅延時間に応じた部分に相対的に大きな重みをかける重み付け平均演算を行うものを以上説明した。ここで、図3に示すような重み関数を設定するということと、0≦t≦TDにて単純な、つまり一様な重みでの平均処理を行い、TD<t≦TGは平均処理の対象外とするということは同一の結果をもたらす。よって、制御部100の構成を、例えば誤差信号等に基づいて遅延時間を算出し、ガード区間の先頭から遅延時間に応じた時間長を有する平均処理区間を設定し、この平均処理区間内で単純な平均処理を行うものとすることもできる。
【0076】
【発明の効果】
本発明のアダプティブ受信装置によれば、MMSEアダプティブアレーにおいてSMI方式による最適ウエートの推定が速やかに精度良く行われ、良好な通信品質が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態であるOFDMアダプティブ受信機の概略のブロック構成図である。
【図2】 遅延時間が誤差信号に基づいて求められることを説明する図である。
【図3】 重み関数の一例を示すグラフである。
【図4】 所望波及び1つの遅延波が到来する場合の収束特性のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図5】 所望波及び1つの遅延波が到来する場合に得られるビームパターンのシミュレーション結果を示すグラフである。
【図6】 所望波及び3つの遅延波が到来する場合の収束特性のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図7】 所望波及び3つの遅延波が到来する場合に得られるビームパターンのシミュレーション結果を示すグラフである。
【図8】 ドップラーシフトがある場合の収束特性のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図9】 ドップラーシフトがある場合に得られるビームパターンのシミュレーション結果を示すグラフである。
【図10】 OFDM送信機の概略のブロック構成図である。
【図11】 OFDM信号の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 アンテナ素子、52 バンドパスフィルタ、54 局部発振器、56 ミキサー、58 低域通過フィルタ、60 A/D変換器、62 重み付け部、64 合成部、66 ガード区間除去部、68 離散フーリエ変換器、70 復調器、72 P/S変換器、76,78 ガード区間抽出部、100 制御部、102 前処理部、104 MMSE処理部。

Claims (10)

  1. 互いに同一波形の信号を含む第1部分区間及び第2部分区間を無線信号の単位信号区間に内包する無線伝送方式にて使用され、前記無線信号を受信する複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、複数の前記アンテナ素子により受信された複数チャネルの原受信信号に対してチャネル毎に重み付けを行い複数チャネルの加重受信信号を出力する重み付け部と、前記複数チャネルの前記加重受信信号を互いに加算合成して合成受信信号を生成する合成部と、前記第1部分区間の前記複数チャネルの前記原受信信号を入力信号とし、前記第2部分区間の前記合成受信信号を参照信号とし、これら入力信号と参照信号とに対しMMSE規範を適用することにより、前記複数チャネルそれぞれの前記重み付けの最適重み係数を成分とする重みベクトルWoptを、相関行列Rxx及び相関ベクトルrxrを用いた次式、
    Figure 0003954849
    に基づいて定める制御部とを有し、前記制御部は、前記相関行列Rxx及び前記相関ベクトルrxrを反復法により推定し、反復演算を所定ステップ行って得られた推定相関行列及び推定相関ベクトルを用いて前記重みベクトルWoptを決定するアダプティブ受信装置において、
    前記制御部は、
    前記反復演算の各ステップそれぞれに対応して、前記第1部分区間内に包含され複数のサンプリングタイミングを設定される平均処理区間を定める処理区間設定手段と、
    前記反復演算の第mステップ(mは自然数)に対応する第m平均処理区間内の前記各サンプリングタイミングにおける前記入力信号の前記複数チャネルそれぞれのサンプリング値を成分とする入力ベクトルXと、当該入力ベクトルXに関するサンプリングタイミングに相当する前記第2部分区間内のタイミングにおける前記参照信号のサンプリング値の複素共役値rとを互いに乗じて得られるベクトル[X・r]を、当該第m平均処理区間内にて定義される重み関数を用いて当該第m平均処理区間内の前記複数のサンプリングタイミングに関して重み付け平均して修正ベクトルV(m)を算出する修正ベクトル演算手段と、
    前記第m平均処理区間内の前記各サンプリングタイミングにて得られた前記入力ベクトルXと当該入力ベクトルXの共役転置ベクトルXとを互いに乗じて得られる行列[XX]を、前記重み関数を用いて当該第m平均処理区間内の前記複数のサンプリングタイミングに関して重み付け平均して修正行列M(m)を算出する修正行列演算手段と、
    第mステップの前記推定相関行列であるRxx(m)及び前記推定相関ベクトルであるrxr(m)を次式
    Figure 0003954849
    (ここでβは0<β<1を満たす所定の実数パラメータである)により求める更新演算手段と、
    を含み、
    前記重み関数は、前記各平均処理区間の先頭から始まる区間であって受信される所望波と遅延波との間の遅延時間に応じた時間長を有する先行部分区間での当該重み関数の積算値が、当該先行部分区間の終端から当該平均処理区間の終端までの後続部分区間での積算値よりも大きい関数であること、
    を特徴とするアダプティブ受信装置。
  2. 請求項1記載のアダプティブ受信装置において、
    前記制御部は、前記重み付け部及び前記合成部により前記入力信号から生成される合成受信信号と、前記参照信号との差に応じた信号である誤差信号の大きさを示す値が所定の閾値を超える時間に基づいて、前記遅延時間を算出する遅延時間算出手段を有することを特徴とするアダプティブ受信装置。
  3. 請求項1記載のアダプティブ受信装置において、
    前記制御部は、前記単位信号区間に内包される所定長の基準部分区間にて取得される受信信号と、当該単位信号区間内の各時間位置での前記所定長の受信信号との間の相関値を算出し、当該相関値が所定の閾値を超える当該単位信号区間内の第1の時間位置と、当該第1の時間位置とは異なる、当該相関値が所定の閾値を超える当該単位信号区間内の第2の時間位置と、の差異に基づいて、前記遅延時間を算出する遅延時間算出手段を有することを特徴とするアダプティブ受信装置。
  4. 請求項1記載のアダプティブ受信装置において、
    前記重み関数は、前記重み付け部及び前記合成部により前記入力信号から生成される合成受信信号と、前記参照信号との差に応じた誤差信号関数であることを特徴とするアダプティブ受信装置。
  5. 互いに同一波形の信号を含む第1部分区間及び第2部分区間を無線信号の単位信号区間に内包する無線伝送方式にて使用され、前記無線信号を受信する複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、複数の前記アンテナ素子により受信された複数チャネルの原受信信号に対してチャネル毎に重み付けを行い複数チャネルの加重受信信号を出力する重み付け部と、前記複数チャネルの前記加重受信信号を互いに加算合成して合成受信信号を生成する合成部と、前記第1部分区間の前記複数チャネルの前記原受信信号を入力信号とし、前記第2部分区間の前記合成受信信号を参照信号とし、これら入力信号と参照信号とに対しMMSE規範を適用することにより、前記複数チャネルそれぞれの前記重み付けの最適重み係数を成分とする重みベクトルWoptを、相関行列Rxx及び相関ベクトルrxrを用いた次式、
    Figure 0003954849
    に基づいて定める制御部とを有し、前記制御部は、前記相関行列Rxx及び前記相関ベクトルrxrを反復法により推定し、反復演算を所定ステップ行って得られた推定相関行列及び推定相関ベクトルを用いて前記重みベクトルWoptを決定するアダプティブ受信装置において、
    前記制御部は、
    前記反復演算の各ステップそれぞれに対応して、前記第1部分区間の先頭から始まり当該第1部分区間に包含され複数のサンプリングタイミングを設定される平均処理区間を定める処理区間設定手段と、
    前記反復演算の第mステップ(mは自然数)に対応する第m平均処理区間内の前記各サンプリングタイミングにおける前記入力信号の前記複数チャネルそれぞれのサンプリング値を成分とする入力ベクトルXと、当該入力ベクトルXに関するサンプリングタイミングに相当する前記第2部分区間内のタイミングにおける前記参照信号のサンプリング値の複素共役値rとを互いに乗じて得られるベクトル[X・r]を、前記第m平均処理区間内の前記複数のサンプリングタイミングに関して平均して修正ベクトルV(m)を算出する修正ベクトル演算手段と、
    前記第m平均処理区間内の前記各サンプリングタイミングにて得られた前記入力ベクトルXと当該入力ベクトルXの共役転置ベクトルXとを互いに乗じて得られる行列[XX]を、前記第m平均処理区間内の前記複数のサンプリングタイミングに関して平均して修正行列M(m)を算出する修正行列演算手段と、
    第mステップの前記推定相関行列であるRxx(m)及び前記推定相関ベクトルであるrxr(m)を次式
    Figure 0003954849
    (ここでβは0<β<1を満たす所定の実数パラメータである)により求める更新演算手段と、
    を含み、
    前記処理区間設定手段は、受信される所望波と遅延波との間の遅延時間よりも長くなるよう前記平均処理区間の時間長を定めること、
    を特徴とするアダプティブ受信装置。
  6. 請求項5記載のアダプティブ受信装置において、
    前記処理区間設定手段は、前記重み付け部及び前記合成部により前記入力信号から生成される合成受信信号と、前記参照信号との差に応じた信号である誤差信号の大きさを示す値が所定の閾値を超える時間に基づいて、前記遅延時間を算出する遅延時間算出手段を有することを特徴とするアダプティブ受信装置。
  7. 請求項5記載のアダプティブ受信装置において、
    前記制御部は、前記単位信号区間に内包される所定長の基準部分区間にて取得される受信信号と、当該単位信号区間内の各時間位置での前記所定長の受信信号との間の相関値を算出し、当該相関値が所定の閾値を超える当該単位信号区間内の第1の時間位置と、当該第1の時間位置とは異なる、当該相関値が所定の閾値を超える当該単位信号区間内の第2の時間位置と、の差異に基づいて、前記遅延時間を算出する遅延時間算出手段を有することを特徴とするアダプティブ受信装置。
  8. 請求項2又は請求項6に記載のアダプティブ受信装置において、
    前記遅延時間算出手段は、前記誤差信号が所定の閾値より大きな値を取る範囲に応じて前記遅延時間を算出することを特徴とするアダプティブ受信装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載のアダプティブ受信装置において、
    前記無線信号は、OFDM変調された信号であり、
    前記単位信号区間は、有効シンボル区間と、当該有効シンボル区間の前に配置され当該有効シンボル区間の末尾区間と同一の波形を格納されたガード区間とからなり、
    前記第1部分区間は、前記ガード区間と前記末尾区間とのいずれか一方であり、
    前記第2部分区間は、前記ガード区間と前記末尾区間とのいずれか他方であること、
    を特徴とするアダプティブ受信装置。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかに記載のアダプティブ受信装置において、
    前記平均処理区間は、前記無線信号にて伝送されるデータを複数内包し、
    前記修正ベクトル演算手段及び前記修正行列演算手段は、前記平均処理区間に内包される複数データについてそれぞれの平均処理を行うこと、
    を特徴とするアダプティブ受信装置。
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