JP2003037539A - アダプティブ受信装置 - Google Patents
アダプティブ受信装置Info
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- JP2003037539A JP2003037539A JP2001222742A JP2001222742A JP2003037539A JP 2003037539 A JP2003037539 A JP 2003037539A JP 2001222742 A JP2001222742 A JP 2001222742A JP 2001222742 A JP2001222742 A JP 2001222742A JP 2003037539 A JP2003037539 A JP 2003037539A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 OFDM通信方式におけるガード区間を利用
したMMSEアダプティブアレーを用いた受信装置にお
いてSMI方式による最適ウエートの推定を迅速かつ精
度良く行う。 【解決手段】 平均処理区間設定部102はOFDM信
号のガード区間に、複数のサンプリングタイミングを含
む平均処理区間を設定する。MMSE処理部104はこ
の各タイミングでの各アンテナ素子50の受信信号のサ
ンプリング値を成分とする入力ベクトルXを取得する。
有効シンボル区間の末尾にてガード区間と同一波形を有
する区間にも、平均処理区間を設定し、それが含む各タ
イミングでの合成部64の出力信号を参照信号r(t)と
する。SMI方式での推定相関行列、推定相関ベクトル
の計算において、X及びrを用いて計算される項を、平
均処理区間での平均演算により求める。
したMMSEアダプティブアレーを用いた受信装置にお
いてSMI方式による最適ウエートの推定を迅速かつ精
度良く行う。 【解決手段】 平均処理区間設定部102はOFDM信
号のガード区間に、複数のサンプリングタイミングを含
む平均処理区間を設定する。MMSE処理部104はこ
の各タイミングでの各アンテナ素子50の受信信号のサ
ンプリング値を成分とする入力ベクトルXを取得する。
有効シンボル区間の末尾にてガード区間と同一波形を有
する区間にも、平均処理区間を設定し、それが含む各タ
イミングでの合成部64の出力信号を参照信号r(t)と
する。SMI方式での推定相関行列、推定相関ベクトル
の計算において、X及びrを用いて計算される項を、平
均処理区間での平均演算により求める。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MMSEアダプテ
ィブアレーを動作させて不要波を抑圧するアダプティブ
受信装置に関する。
ィブアレーを動作させて不要波を抑圧するアダプティブ
受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】多量のデータを高速に伝送する無線通信
方式としてマルチキャリア伝送方式が知られ、実用化に
向けて研究開発が進められている。中でも、OFDM
(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交
周波数多重分割)方式の研究が盛んである。OFDMは
多数のキャリア(サブキャリア)が互いに直交するよう
にすることにより、周波数利用効率が比較的高く、また
FFT(Fast Fourier Transform)による変復調処理が
可能などの多くの特徴を有する。
方式としてマルチキャリア伝送方式が知られ、実用化に
向けて研究開発が進められている。中でも、OFDM
(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交
周波数多重分割)方式の研究が盛んである。OFDMは
多数のキャリア(サブキャリア)が互いに直交するよう
にすることにより、周波数利用効率が比較的高く、また
FFT(Fast Fourier Transform)による変復調処理が
可能などの多くの特徴を有する。
【0003】マルチキャリア伝送方式では、所望波と当
該所望波の反射波(遅延波)とが受信される環境におい
て、正確にデータを再生するために、変調の最小単位で
あるシンボルに対応した単位信号区間(シンボル区間)
の末尾の所定長区間と同一波形を繰り返すガード区間が
先頭に設けられる。遅延波が所望波に対してこのガード
区間の長さ以下で遅延している場合には、所望波の1シ
ンボル区間の信号と、この1シンボル区間に同期して受
信される遅延波の信号とは、位相差を有するが、同一の
データ内容を含んでいる。よって、ガード区間を設ける
ことにより、所望波と遅延波とが混在していてもシンボ
ルを正確に復調することが可能である。
該所望波の反射波(遅延波)とが受信される環境におい
て、正確にデータを再生するために、変調の最小単位で
あるシンボルに対応した単位信号区間(シンボル区間)
の末尾の所定長区間と同一波形を繰り返すガード区間が
先頭に設けられる。遅延波が所望波に対してこのガード
区間の長さ以下で遅延している場合には、所望波の1シ
ンボル区間の信号と、この1シンボル区間に同期して受
信される遅延波の信号とは、位相差を有するが、同一の
データ内容を含んでいる。よって、ガード区間を設ける
ことにより、所望波と遅延波とが混在していてもシンボ
ルを正確に復調することが可能である。
【0004】しかしながら、上述の方法はガード区間を
越える遅延波による干渉には有効ではない。例えば、O
FDM方式を用いて地上波ディジタルTV放送網をSF
N(Single Frequency Network)で構築しようとした場
合に、同一放送を同じキャリアで送信する複数の送信局
が互いのサービスエリアの端部をオーバーラップさせる
ように配置される。この場合に、上述のガード区間を設
けることにより、複数局から時間差を有して電波が届く
オーバーラップ地域においても良好な放送受信が可能に
なる。しかし、特に固定受信では高利得のアンテナを設
置することが可能であり、そのような場合、ガード区間
を越える遅延を生じる遠地点の送信局の信号が受信さ
れ、シンボル間干渉を生じて受信品質が劣化する可能性
がある。
越える遅延波による干渉には有効ではない。例えば、O
FDM方式を用いて地上波ディジタルTV放送網をSF
N(Single Frequency Network)で構築しようとした場
合に、同一放送を同じキャリアで送信する複数の送信局
が互いのサービスエリアの端部をオーバーラップさせる
ように配置される。この場合に、上述のガード区間を設
けることにより、複数局から時間差を有して電波が届く
オーバーラップ地域においても良好な放送受信が可能に
なる。しかし、特に固定受信では高利得のアンテナを設
置することが可能であり、そのような場合、ガード区間
を越える遅延を生じる遠地点の送信局の信号が受信さ
れ、シンボル間干渉を生じて受信品質が劣化する可能性
がある。
【0005】一方、アダプティブアレーアンテナは干渉
波を抑圧することで、良好な通信品質を確保するシステ
ムとして知られている。その動作原理の1つであるMM
SE(Minimum Mean Square Error)アダプティブアレ
ーは、所望のアレー応答である参照信号と実際のアレー
出力信号との差(誤差信号)を最小にすることによっ
て、アレー応答の最適なウエート(重み係数)を決定す
るシステムである。
波を抑圧することで、良好な通信品質を確保するシステ
ムとして知られている。その動作原理の1つであるMM
SE(Minimum Mean Square Error)アダプティブアレ
ーは、所望のアレー応答である参照信号と実際のアレー
出力信号との差(誤差信号)を最小にすることによっ
て、アレー応答の最適なウエート(重み係数)を決定す
るシステムである。
【0006】OFDMでは上述のようにガード区間(以
下、先頭ガード区間と称する)の信号がシンボル区間の
末尾区間(以下、末尾ガード区間と称する)の信号と同
一であることを利用して、MMSEアダプティブアレー
を動作させることが提案されている。すなわち、同期が
とれている方の到来波を所望波とすると、所望波のみ受
信され不要波が受信されていない状態では、先頭ガード
区間及び末尾ガード区間の信号が完全に同一となる。そ
こで、所望波以外に不要波も受信されている場合でも、
これら2つの区間の差が最小となるようにウエートを決
定することにより、アレーの合成出力信号からの不要波
の除去を図ることができる。
下、先頭ガード区間と称する)の信号がシンボル区間の
末尾区間(以下、末尾ガード区間と称する)の信号と同
一であることを利用して、MMSEアダプティブアレー
を動作させることが提案されている。すなわち、同期が
とれている方の到来波を所望波とすると、所望波のみ受
信され不要波が受信されていない状態では、先頭ガード
区間及び末尾ガード区間の信号が完全に同一となる。そ
こで、所望波以外に不要波も受信されている場合でも、
これら2つの区間の差が最小となるようにウエートを決
定することにより、アレーの合成出力信号からの不要波
の除去を図ることができる。
【0007】OFDM方式におけるガード区間を利用し
たMMSEアダプティブアレーを用いた受信原理を説明
する前に、受信される無線信号を理解するために、OF
DM送信機の構成を説明する。図4は、OFDM送信機
の概略のブロック構成図である。OFDM変調部2は、
S/P(Serial to Parallel)変換器4、変調器6、逆
離散フーリエ変換器(IDFT:Inverse Discrete Fou
rier Transformer)8を含んで構成される。
たMMSEアダプティブアレーを用いた受信原理を説明
する前に、受信される無線信号を理解するために、OF
DM送信機の構成を説明する。図4は、OFDM送信機
の概略のブロック構成図である。OFDM変調部2は、
S/P(Serial to Parallel)変換器4、変調器6、逆
離散フーリエ変換器(IDFT:Inverse Discrete Fou
rier Transformer)8を含んで構成される。
【0008】S/P変換器4は、送信データ系列をサブ
キャリアの数に応じた長さを有するシンボル毎にS/P
変換を施す。すなわちS/P変換器4は各シンボルをサ
ブキャリア数に応じた多数のデータ系列に分割し、分割
された各データ系列をパラレルに出力する。1シンボル
分の分割されたデータ系列はそれぞれ変調器6により、
例えば16QAM等の所定の変調を施された後、IDF
T8を用いてOFDM変調される。IDFT8は、各キ
ャリアの成分となる分割されたデータ系列を逆離散フー
リエ変換することにより、時間領域での振幅を表すデー
タ系列を生成する。
キャリアの数に応じた長さを有するシンボル毎にS/P
変換を施す。すなわちS/P変換器4は各シンボルをサ
ブキャリア数に応じた多数のデータ系列に分割し、分割
された各データ系列をパラレルに出力する。1シンボル
分の分割されたデータ系列はそれぞれ変調器6により、
例えば16QAM等の所定の変調を施された後、IDF
T8を用いてOFDM変調される。IDFT8は、各キ
ャリアの成分となる分割されたデータ系列を逆離散フー
リエ変換することにより、時間領域での振幅を表すデー
タ系列を生成する。
【0009】ガード区間挿入部12は、逆離散フーリエ
変換後の1シンボル分のデータ系列(有効シンボル区
間)の末尾区間をコピーして、当該有効シンボル区間の
前に挿入し付加する。図5はOFDM信号の構成を示す
模式図である。OFDM信号はシンボル区間20(長さ
TS)の繰り返しであり、シンボル区間20は、ガード
区間挿入部12により挿入された先頭ガード区間22
(長さTG)とこれに続く有効シンボル区間24(長さ
TE)とからなる。有効シンボル区間24の末尾には末
尾ガード区間26(長さTG)が設定され、この内容が
先頭ガード区間にコピーされる。
変換後の1シンボル分のデータ系列(有効シンボル区
間)の末尾区間をコピーして、当該有効シンボル区間の
前に挿入し付加する。図5はOFDM信号の構成を示す
模式図である。OFDM信号はシンボル区間20(長さ
TS)の繰り返しであり、シンボル区間20は、ガード
区間挿入部12により挿入された先頭ガード区間22
(長さTG)とこれに続く有効シンボル区間24(長さ
TE)とからなる。有効シンボル区間24の末尾には末
尾ガード区間26(長さTG)が設定され、この内容が
先頭ガード区間にコピーされる。
【0010】ガード区間挿入部12の出力信号は、D/
A(Digital to Analog)変換器30によりアナログ信
号に変換される。そして、低域通過フィルタ32により
帯域外成分を除去された後、局部発振器34から供給さ
れる局部発振信号とミキサー36にて混合され搬送波周
波数にアップコンバートされ、さらにバンドパスフィル
タ38を経て送信信号となり、アンテナ40から放射さ
れる。
A(Digital to Analog)変換器30によりアナログ信
号に変換される。そして、低域通過フィルタ32により
帯域外成分を除去された後、局部発振器34から供給さ
れる局部発振信号とミキサー36にて混合され搬送波周
波数にアップコンバートされ、さらにバンドパスフィル
タ38を経て送信信号となり、アンテナ40から放射さ
れる。
【0011】次に、OFDM方式におけるガード区間を
利用したMMSEアダプティブアレーを用いた受信原理
を説明する。アダプティブ受信機は、上述のように生成
された送信信号を複数(K個とする)のアンテナ素子か
らなるアレーアンテナで受信する。各アンテナ素子で得
られるベースバンド信号x'k(t)(k=1,2,…,
K)は、ウエートwk(k=1,2,…,K)により重
み付け合成される。この合成受信信号y'(t)から先頭ガ
ード区間の信号を除去し、送信機のOFDM変調部2と
は逆の処理を行うことにより、送信されたデータ系列が
再生される。
利用したMMSEアダプティブアレーを用いた受信原理
を説明する。アダプティブ受信機は、上述のように生成
された送信信号を複数(K個とする)のアンテナ素子か
らなるアレーアンテナで受信する。各アンテナ素子で得
られるベースバンド信号x'k(t)(k=1,2,…,
K)は、ウエートwk(k=1,2,…,K)により重
み付け合成される。この合成受信信号y'(t)から先頭ガ
ード区間の信号を除去し、送信機のOFDM変調部2と
は逆の処理を行うことにより、送信されたデータ系列が
再生される。
【0012】ここで、互いに同一信号となるはずである
2つのガード区間の一方にて得られるベースバンド信号
を入力信号とし、他方にて得られる合成受信信号を参照
信号として、先頭ガード区間と末尾ガード区間との信号
の差異が最小となるようにウェートを決定する。この最
適ウエートを決定するためにMMSE規範が用いられ
る。
2つのガード区間の一方にて得られるベースバンド信号
を入力信号とし、他方にて得られる合成受信信号を参照
信号として、先頭ガード区間と末尾ガード区間との信号
の差異が最小となるようにウェートを決定する。この最
適ウエートを決定するためにMMSE規範が用いられ
る。
【0013】具体的には、上述の2つの区間の誤差信号
をe(t)として、最小化すべき評価関数は次式で表され
る。
をe(t)として、最小化すべき評価関数は次式で表され
る。
【0014】
【数3】
ここで、r(t)が参照信号であり、例えば末尾ガード区
間の合成受信信号である。一方、ベクトルXは次式で表
される入力信号ベクトルであり、xk(t)は例えばベース
バンド信号x'k(t)のうち先頭ガード区間における信号
である。
間の合成受信信号である。一方、ベクトルXは次式で表
される入力信号ベクトルであり、xk(t)は例えばベース
バンド信号x'k(t)のうち先頭ガード区間における信号
である。
【0015】
【数4】
またベクトルWは次式で表されるウエートベクトルであ
る。
る。
【0016】
【数5】
なお、E[・]は期待値演算を意味し、また上添字T,
Hはそれぞれ行列(又はベクトル)の転置、共役転置を
表す。またaは参照信号の大きさをコントロールする定
数である。
Hはそれぞれ行列(又はベクトル)の転置、共役転置を
表す。またaは参照信号の大きさをコントロールする定
数である。
【0017】この評価関数に対する最適ウエートWopt
は次式で与えられる。
は次式で与えられる。
【0018】
【数6】
ここで、Rxxは相関行列、rxrは相関ベクトルと呼ば
れ、それぞれ次式で表される。
れ、それぞれ次式で表される。
【0019】
【数7】
なお、上添字*は複素共役を表す。
【0020】この式の解法としてはいくつかの方式が存
在する。例えば、SMI(Sample Matrix Inversion)
方式、LMS(Least Mean Square)方式、RLS(Rec
ursive Least Square)方式が知られている。ここで、
SMI方式は、以下の反復演算により最適ウエートを推
定するものである。
在する。例えば、SMI(Sample Matrix Inversion)
方式、LMS(Least Mean Square)方式、RLS(Rec
ursive Least Square)方式が知られている。ここで、
SMI方式は、以下の反復演算により最適ウエートを推
定するものである。
【0021】
【数8】
ここで、βは0<β<1を満たす実数パラメータ(忘却
係数)であり、推定の時定数をコントロールする。
係数)であり、推定の時定数をコントロールする。
【0022】従来のOFDM方式でのMMSEアダプテ
ィブアレーを用いた受信におけるSMI方式の解法で
は、上記(7)〜(10)式を用いて推定された相関行
列Rxx(m)、相関ベクトルrxr(m)を用いて、次式で表さ
れる最適ウエートの推定ベクトルWopt(m)が求められ
る。
ィブアレーを用いた受信におけるSMI方式の解法で
は、上記(7)〜(10)式を用いて推定された相関行
列Rxx(m)、相関ベクトルrxr(m)を用いて、次式で表さ
れる最適ウエートの推定ベクトルWopt(m)が求められ
る。
【0023】
【数9】
そして、このWopt(m)を用いて、各チャネルの受信信号
に対して重み付けを行うことにより、ガード区間の長さ
を越える遅延を生じた干渉波の除去が図られていた。
に対して重み付けを行うことにより、ガード区間の長さ
を越える遅延を生じた干渉波の除去が図られていた。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の従来の
SMI方式では、最適ウエートへ速やかに収束しない場
合があり、その場合、干渉波の除去が不十分となり、通
信品質が劣化するという問題があった。
SMI方式では、最適ウエートへ速やかに収束しない場
合があり、その場合、干渉波の除去が不十分となり、通
信品質が劣化するという問題があった。
【0025】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたもので、MMSEアダプティブアレーにおいてSM
I方式による最適ウエートの推定が速やかに精度良く行
われ、良好な通信品質が得られるアダプティブ受信装置
を提供することを目的とする。
れたもので、MMSEアダプティブアレーにおいてSM
I方式による最適ウエートの推定が速やかに精度良く行
われ、良好な通信品質が得られるアダプティブ受信装置
を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明に係るアダプティ
ブ受信装置は、重みベクトルを求める制御部が、反復演
算の各ステップそれぞれに対応して、入力信号を取得す
る第1部分区間内に包含され複数のサンプリングタイミ
ングを設定される平均処理区間を定める処理区間設定手
段と、前記反復演算の第mステップ(mは自然数)に対
応する第m平均処理区間内の前記各サンプリングタイミ
ングにおける入力信号の複数チャネルそれぞれのサンプ
リング値を成分とする入力ベクトルXと、当該入力ベク
トルXに関するサンプリングタイミングに相当する第2
部分区間内のタイミングにおける参照信号のサンプリン
グ値の複素共役値r*とを互いに乗じて得られるベクト
ル[X・r*]を、前記第m平均処理区間内の前記複数
のサンプリングタイミングに関して平均して修正ベクト
ルV(m)を算出する修正ベクトル演算手段と、前記第m
平均処理区間内の前記各サンプリングタイミングにて得
られた前記入力ベクトルXと当該入力ベクトルXの共役
転置ベクトルXHとを互いに乗じて得られる行列[X
XH]を、前記第m平均処理区間内の前記複数のサンプ
リングタイミングに関して平均して修正行列M(m)を算
出する修正行列演算手段と、第mステップの推定相関行
列であるRxx(m)及び推定相関ベクトルであるrxr(m)を
次式
ブ受信装置は、重みベクトルを求める制御部が、反復演
算の各ステップそれぞれに対応して、入力信号を取得す
る第1部分区間内に包含され複数のサンプリングタイミ
ングを設定される平均処理区間を定める処理区間設定手
段と、前記反復演算の第mステップ(mは自然数)に対
応する第m平均処理区間内の前記各サンプリングタイミ
ングにおける入力信号の複数チャネルそれぞれのサンプ
リング値を成分とする入力ベクトルXと、当該入力ベク
トルXに関するサンプリングタイミングに相当する第2
部分区間内のタイミングにおける参照信号のサンプリン
グ値の複素共役値r*とを互いに乗じて得られるベクト
ル[X・r*]を、前記第m平均処理区間内の前記複数
のサンプリングタイミングに関して平均して修正ベクト
ルV(m)を算出する修正ベクトル演算手段と、前記第m
平均処理区間内の前記各サンプリングタイミングにて得
られた前記入力ベクトルXと当該入力ベクトルXの共役
転置ベクトルXHとを互いに乗じて得られる行列[X
XH]を、前記第m平均処理区間内の前記複数のサンプ
リングタイミングに関して平均して修正行列M(m)を算
出する修正行列演算手段と、第mステップの推定相関行
列であるRxx(m)及び推定相関ベクトルであるrxr(m)を
次式
【数10】
Rxx(m)=βRxx(m-1)+(1−β)M(m)
rxr(m)=βrxr(m-1)+(1−β)V(m)
(ここでβは0<β<1を満たす所定の実数パラメータ
である)により求める更新演算手段とを含む。
である)により求める更新演算手段とを含む。
【0027】本発明の好適な態様は、無線信号がOFD
M変調された信号であり、単位信号区間が、有効シンボ
ル区間と、当該有効シンボル区間の前に配置され当該有
効シンボル区間の末尾区間と同一の波形を格納されたガ
ード区間とからなり、前記第1部分区間は、前記ガード
区間と前記末尾区間とのいずれか一方であり、前記第2
部分区間は、前記ガード区間と前記末尾区間とのいずれ
か他方であるアダプティブ受信装置である。
M変調された信号であり、単位信号区間が、有効シンボ
ル区間と、当該有効シンボル区間の前に配置され当該有
効シンボル区間の末尾区間と同一の波形を格納されたガ
ード区間とからなり、前記第1部分区間は、前記ガード
区間と前記末尾区間とのいずれか一方であり、前記第2
部分区間は、前記ガード区間と前記末尾区間とのいずれ
か他方であるアダプティブ受信装置である。
【0028】本発明の他の好適な態様は、前記平均処理
区間が、前記無線信号にて伝送されるデータを複数内包
し、前記修正ベクトル演算手段及び前記修正行列演算手
段は、前記平均処理区間に内包される複数データについ
てそれぞれの平均処理を行うアダプティブ受信装置であ
る。
区間が、前記無線信号にて伝送されるデータを複数内包
し、前記修正ベクトル演算手段及び前記修正行列演算手
段は、前記平均処理区間に内包される複数データについ
てそれぞれの平均処理を行うアダプティブ受信装置であ
る。
【0029】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
図面を参照して説明する。
【0030】図1は、本発明の実施形態であるOFDM
アダプティブ受信機の概略のブロック構成図である。こ
の受信機は、図4に示すOFDM送信機から放射された
無線信号を受信する。マルチパス伝搬路を通り到来した
信号はK個のアンテナ素子50からなるアレーアンテナ
で受信される。K個のアンテナ素子50により受信され
たKチャネルの原受信信号はそれぞれバンドパスフィル
タ52を通過した後、局部発振器54からの局部発振信
号とミキサー56にて混合され、周波数をダウンコンバ
ートされる。さらに低域通過フィルタ58により帯域制
限を行うことでベースバンド信号x'k(t)(k=1,
2,…,K)が得られる。このベースバンド信号はA/
D(Analog to Digital)変換器60によりデジタル信
号に変換される。デジタル信号に変換された各チャネル
のベースバンド信号x'k(t)は、重み付け部62にてそ
れぞれウエートwk(k=1,2,…,K)により重み
付けされ、しかる後、合成部64にて互いに加算合成さ
れ、合成受信信号y'(t)が生成される。
アダプティブ受信機の概略のブロック構成図である。こ
の受信機は、図4に示すOFDM送信機から放射された
無線信号を受信する。マルチパス伝搬路を通り到来した
信号はK個のアンテナ素子50からなるアレーアンテナ
で受信される。K個のアンテナ素子50により受信され
たKチャネルの原受信信号はそれぞれバンドパスフィル
タ52を通過した後、局部発振器54からの局部発振信
号とミキサー56にて混合され、周波数をダウンコンバ
ートされる。さらに低域通過フィルタ58により帯域制
限を行うことでベースバンド信号x'k(t)(k=1,
2,…,K)が得られる。このベースバンド信号はA/
D(Analog to Digital)変換器60によりデジタル信
号に変換される。デジタル信号に変換された各チャネル
のベースバンド信号x'k(t)は、重み付け部62にてそ
れぞれウエートwk(k=1,2,…,K)により重み
付けされ、しかる後、合成部64にて互いに加算合成さ
れ、合成受信信号y'(t)が生成される。
【0031】ガード区間除去部66は、同期がとれてい
るチャネルの信号を基準として、合成受信信号y'(t)か
ら先頭ガード区間部分を取り除き、有効シンボル区間を
出力する。
るチャネルの信号を基準として、合成受信信号y'(t)か
ら先頭ガード区間部分を取り除き、有効シンボル区間を
出力する。
【0032】離散フーリエ変換器(DFT:Discrete F
ourier Transformer)68は、ガード区間除去部66か
ら出力された有効シンボル区間の信号y'(t)を離散フー
リエ変換する。これにより、y'(t)に周波数多重化され
ていた各サブキャリアの成分信号が弁別される。
ourier Transformer)68は、ガード区間除去部66か
ら出力された有効シンボル区間の信号y'(t)を離散フー
リエ変換する。これにより、y'(t)に周波数多重化され
ていた各サブキャリアの成分信号が弁別される。
【0033】各サブキャリアに対応する成分信号はそれ
ぞれ復調器70により、送信機での例えば16QAM等
の変調方式に対応した復調を施された後、P/S(Seri
al to Parallel)変換器72に入力される。
ぞれ復調器70により、送信機での例えば16QAM等
の変調方式に対応した復調を施された後、P/S(Seri
al to Parallel)変換器72に入力される。
【0034】各復調器70から同時並列に出力されるデ
ータは、送信機のS/P変換器4にてサブキャリア数に
応じて分割された1シンボル分のデータ系列であり、P
/S変換器72は、これら複数の復調器70から同時並
列に出力される各データ系列をP/S変換して連続した
1シンボルのデータ系列を再生し出力する。
ータは、送信機のS/P変換器4にてサブキャリア数に
応じて分割された1シンボル分のデータ系列であり、P
/S変換器72は、これら複数の復調器70から同時並
列に出力される各データ系列をP/S変換して連続した
1シンボルのデータ系列を再生し出力する。
【0035】本受信機の上述した部分の構成は基本的に
従来のものと同様であり、本受信機の特徴は主として、
ウエートを決定する制御部にある。これについて以下説
明する。
従来のものと同様であり、本受信機の特徴は主として、
ウエートを決定する制御部にある。これについて以下説
明する。
【0036】各チャネル毎に設けられベースバンド信号
x'k(t)を入力されるガード区間抽出部76は、同期が
とれているチャネルの先頭ガード区間の開始時刻からガ
ード区間の長さTG分のx'k(t)を切り出す。この切り出
された信号をxk(t)(k=1,2,…,K)と表す。
x'k(t)を入力されるガード区間抽出部76は、同期が
とれているチャネルの先頭ガード区間の開始時刻からガ
ード区間の長さTG分のx'k(t)を切り出す。この切り出
された信号をxk(t)(k=1,2,…,K)と表す。
【0037】一方、合成部64から出力される合成受信
信号y'(t)を入力されるガード区間抽出部78は、同期
がとれているチャネルの末尾ガード区間の開始時刻から
ガード区間の長さTG分のy'(t)を切り出す。この切り
出された信号をy(t)と表す。
信号y'(t)を入力されるガード区間抽出部78は、同期
がとれているチャネルの末尾ガード区間の開始時刻から
ガード区間の長さTG分のy'(t)を切り出す。この切り
出された信号をy(t)と表す。
【0038】一般にガード区間には複数の信号値が含ま
れる。例えば、サブキャリア数を1024とした場合、
1シンボルは1024個の信号値で表される。有効シン
ボル区間TEには、その数の信号値が配列され形成され
る波形が格納される。ここで例えば、ガード区間TGを
TEの1/8に設定すると、ガード区間の信号波形は1
28個の信号値の配列で表される。
れる。例えば、サブキャリア数を1024とした場合、
1シンボルは1024個の信号値で表される。有効シン
ボル区間TEには、その数の信号値が配列され形成され
る波形が格納される。ここで例えば、ガード区間TGを
TEの1/8に設定すると、ガード区間の信号波形は1
28個の信号値の配列で表される。
【0039】制御部100は平均処理区間設定部102
とMMSE処理部104とを含んで構成される。
とMMSE処理部104とを含んで構成される。
【0040】平均処理区間設定部102は、ガード区間
全体、又はガード区間を分割して得られる部分区間を平
均処理区間として設定する。この平均処理区間は、ガー
ド区間の信号波形を構成するnG個の時系列の信号のう
ちの複数個が含まれるように設定される。例えば、上に
例示したnG=128である場合に、ガード区間全体を
平均処理区間として設定すれば、当該平均処理区間には
128個の信号が含まれ、またガード区間を4等分して
得られる1つの部分区間を平均処理区間として設定すれ
ば、当該平均処理区間には32個の信号が含まれる。
全体、又はガード区間を分割して得られる部分区間を平
均処理区間として設定する。この平均処理区間は、ガー
ド区間の信号波形を構成するnG個の時系列の信号のう
ちの複数個が含まれるように設定される。例えば、上に
例示したnG=128である場合に、ガード区間全体を
平均処理区間として設定すれば、当該平均処理区間には
128個の信号が含まれ、またガード区間を4等分して
得られる1つの部分区間を平均処理区間として設定すれ
ば、当該平均処理区間には32個の信号が含まれる。
【0041】平均処理区間は、各xk(t)及びy(t)に対
して共通に設定される。すなわち、各xk(t)及びy(t)
のそれぞれ時間TGだけの長さを有する区間内の互いに
同じ位置に同一の時間長を有する平均処理区間が設定さ
れる。また、平均処理区間は、後述するSMI方式の反
復演算の各ステップ毎に変更される。
して共通に設定される。すなわち、各xk(t)及びy(t)
のそれぞれ時間TGだけの長さを有する区間内の互いに
同じ位置に同一の時間長を有する平均処理区間が設定さ
れる。また、平均処理区間は、後述するSMI方式の反
復演算の各ステップ毎に変更される。
【0042】MMSE処理部104は、互いに同一信号
となるはずである先頭ガード区間のベースバンド信号x
k(t)と末尾ガード区間の合成受信信号y(t)との差異が
最小となるように、MMSE規範に基づいて最適ウエー
トを決定する。すなわち、y(t)を参照信号r(t)とし、
この参照信号r(t)と(2)式で表される入力ベクトル
Xとを用いて、(5),(6)式でそれぞれ表される相
関行列Rxx、相関ベクトルrxrを求め、これらRxx,r
xrを用いた(4)式で表される最適ウエートベクトルW
optを推定する。
となるはずである先頭ガード区間のベースバンド信号x
k(t)と末尾ガード区間の合成受信信号y(t)との差異が
最小となるように、MMSE規範に基づいて最適ウエー
トを決定する。すなわち、y(t)を参照信号r(t)とし、
この参照信号r(t)と(2)式で表される入力ベクトル
Xとを用いて、(5),(6)式でそれぞれ表される相
関行列Rxx、相関ベクトルrxrを求め、これらRxx,r
xrを用いた(4)式で表される最適ウエートベクトルW
optを推定する。
【0043】MMSE処理部104は、以下に示すSM
I方式でRxx,rxrを推定する。
I方式でRxx,rxrを推定する。
【0044】
【数11】
なお、βは従来技術と同様の忘却係数である。
【0045】さて、ave[・]はSMIの反復演算のス
テップに対応して設定された平均処理区間に含まれる複
数信号についての平均演算を表す。この点で本アダプテ
ィブ受信機は従来技術のアダプティブ受信機と基本的に
相違する。すなわち、本受信機では、平均処理区間内の
複数信号に対応した各タイミングでそれぞれサンプリン
グされる複数の入力ベクトルX、参照信号rを用いて平
均演算がなされる。例えば、第kステップに対応して設
定された平均処理区間がN個の信号を含み、それに対応
したサンプリングタイミングtkn(n=1,2,…,
N)での入力ベクトルをX(tkn)、参照信号をr(tkn)
と表すと、ave[X(k)r*(k)]及び、ave[X(k)X
H(k)]は、次式で定義される。
テップに対応して設定された平均処理区間に含まれる複
数信号についての平均演算を表す。この点で本アダプテ
ィブ受信機は従来技術のアダプティブ受信機と基本的に
相違する。すなわち、本受信機では、平均処理区間内の
複数信号に対応した各タイミングでそれぞれサンプリン
グされる複数の入力ベクトルX、参照信号rを用いて平
均演算がなされる。例えば、第kステップに対応して設
定された平均処理区間がN個の信号を含み、それに対応
したサンプリングタイミングtkn(n=1,2,…,
N)での入力ベクトルをX(tkn)、参照信号をr(tkn)
と表すと、ave[X(k)r*(k)]及び、ave[X(k)X
H(k)]は、次式で定義される。
【0046】
【数12】
ave[X(k)r*(k)]=ΣX(tkn)r*(tkn)/N ………(16)
ave[X(k)XH(k)]=ΣX(tkn)XH(tkn)/N ………(17)
なお、ここで記号Σはn=1〜Nについての総和を意味
する。
する。
【0047】上述のようにMMSE処理部104は、平
均処理区間内での平均演算を行って、推定相関行列Rxx
(m)及び推定相関ベクトルrxr(m)を求め、これらR
xx(m),rxr(m)を用いて、(11)式で表される最適ウ
エートの推定ベクトルWopt(m)を求める。そして、この
Wopt(m)の各成分が各チャネルの重み付け部62に与え
られ、各チャネルの信号x'k(t)に対して重み付けが行
われる。
均処理区間内での平均演算を行って、推定相関行列Rxx
(m)及び推定相関ベクトルrxr(m)を求め、これらR
xx(m),rxr(m)を用いて、(11)式で表される最適ウ
エートの推定ベクトルWopt(m)を求める。そして、この
Wopt(m)の各成分が各チャネルの重み付け部62に与え
られ、各チャネルの信号x'k(t)に対して重み付けが行
われる。
【0048】次に本アダプティブ受信機の基本特性の計
算機シミュレーションによる解析結果例を示す。表1は
シミュレーション条件を示す。なお、アレーのブロード
サイド方向を0°とし、周波数オフセット補償及びシン
ボル同期は完全であるとした。
算機シミュレーションによる解析結果例を示す。表1は
シミュレーション条件を示す。なお、アレーのブロード
サイド方向を0°とし、周波数オフセット補償及びシン
ボル同期は完全であるとした。
【0049】
【表1】
図2は第1のシミュレーション結果を示すグラフであ
り、SMIの反復演算に対する収束特性を示す。グラフ
の横軸は反復演算により処理されたシンボル数を表し、
縦軸は二乗誤差の平均値、すなわちave[|e(t)|2]を
表す。ここでは、1組の先頭ガード区間及び末尾ガード
区間について平均処理区間を1つだけ設定する。すなわ
ち、この場合にはSMIの反復ステップは1シンボルに
つき1ステップだけ増加し、グラフの横軸目盛りは1だ
け増加する。
り、SMIの反復演算に対する収束特性を示す。グラフ
の横軸は反復演算により処理されたシンボル数を表し、
縦軸は二乗誤差の平均値、すなわちave[|e(t)|2]を
表す。ここでは、1組の先頭ガード区間及び末尾ガード
区間について平均処理区間を1つだけ設定する。すなわ
ち、この場合にはSMIの反復ステップは1シンボルに
つき1ステップだけ増加し、グラフの横軸目盛りは1だ
け増加する。
【0050】図2において特性120Aは、平均処理区
間が含む信号数N=2の場合の誤差の推移、特性120
BはN=32の場合の誤差の推移を示す。また、特性1
20CはN=128、すなわちガード区間全体を平均処
理区間とした場合である。N=2の場合の特性120A
は反復ステップが20回以降にて二乗誤差平均は10 -4
前後で安定している。またN=32の場合の特性120
B及びN=128の場合の特性120Cは反復ステップ
が20回で十分に収束し、二乗誤差平均の収束レベルは
10-5前後の低い値となる。
間が含む信号数N=2の場合の誤差の推移、特性120
BはN=32の場合の誤差の推移を示す。また、特性1
20CはN=128、すなわちガード区間全体を平均処
理区間とした場合である。N=2の場合の特性120A
は反復ステップが20回以降にて二乗誤差平均は10 -4
前後で安定している。またN=32の場合の特性120
B及びN=128の場合の特性120Cは反復ステップ
が20回で十分に収束し、二乗誤差平均の収束レベルは
10-5前後の低い値となる。
【0051】なお、特性120Dは、N=1、すなわち
平均演算を行わない場合であり、従来技術での処理に相
当する。この特性120Dと本受信機の特性120A〜
120Cとを対比すると、N=2,32,128いずれ
の場合も平均演算を行わない場合よりも良好な収束特性
となっている。
平均演算を行わない場合であり、従来技術での処理に相
当する。この特性120Dと本受信機の特性120A〜
120Cとを対比すると、N=2,32,128いずれ
の場合も平均演算を行わない場合よりも良好な収束特性
となっている。
【0052】図3は第2のシミュレーション結果を示す
グラフであり、やはりSMIの反復演算に対する収束特
性を示す。グラフの横軸、縦軸は図2と同じである。こ
こでは、1組の先頭ガード区間及び末尾ガード区間を複
数に分割して、その分割区間それぞれを平均処理区間と
して設定する。すなわち、この場合には1シンボルにつ
きSMIの反復ステップは分割数だけ繰り返される。
グラフであり、やはりSMIの反復演算に対する収束特
性を示す。グラフの横軸、縦軸は図2と同じである。こ
こでは、1組の先頭ガード区間及び末尾ガード区間を複
数に分割して、その分割区間それぞれを平均処理区間と
して設定する。すなわち、この場合には1シンボルにつ
きSMIの反復ステップは分割数だけ繰り返される。
【0053】図3において特性130Aは、ガード区間
を64分割した場合の誤差の推移を示す。この場合に
は、各ガード区間に信号数N=2の平均処理区間が64
個設定され、そのそれぞれについて最適ウエートが更新
される。特性130Bはガード区間を4分割した場合の
誤差の推移を示す。この場合には、各ガード区間に信号
数N=32の平均処理区間が4個設定され、そのそれぞ
れについて最適ウエートが更新される。また特性130
Cはガード区間を分割せずに、各ガード区間に信号数N
=128の平均処理区間を1個設定した場合の誤差の推
移を示すものであり、図2の特性120Cに等しい。特
性130Aは反復ステップが50回以前にて二乗誤差平
均は10-4のレベルに達し、特性130B及び130C
は反復ステップが20回で十分に収束し、二乗誤差平均
の収束レベルは10-5前後の低い値となる。
を64分割した場合の誤差の推移を示す。この場合に
は、各ガード区間に信号数N=2の平均処理区間が64
個設定され、そのそれぞれについて最適ウエートが更新
される。特性130Bはガード区間を4分割した場合の
誤差の推移を示す。この場合には、各ガード区間に信号
数N=32の平均処理区間が4個設定され、そのそれぞ
れについて最適ウエートが更新される。また特性130
Cはガード区間を分割せずに、各ガード区間に信号数N
=128の平均処理区間を1個設定した場合の誤差の推
移を示すものであり、図2の特性120Cに等しい。特
性130Aは反復ステップが50回以前にて二乗誤差平
均は10-4のレベルに達し、特性130B及び130C
は反復ステップが20回で十分に収束し、二乗誤差平均
の収束レベルは10-5前後の低い値となる。
【0054】なお、特性130Dは、ガード区間を12
8分割した場合、すなわち平均演算を行わない場合であ
り、従来技術での処理に相当する。この特性130Dと
本受信機の特性130A〜130Cとを対比すると、平
均演算を行う場合はいずれも平均演算を行わない場合よ
りも良好な収束特性となっている。
8分割した場合、すなわち平均演算を行わない場合であ
り、従来技術での処理に相当する。この特性130Dと
本受信機の特性130A〜130Cとを対比すると、平
均演算を行う場合はいずれも平均演算を行わない場合よ
りも良好な収束特性となっている。
【0055】なお、上述の構成では、先頭ガード区間か
ら入力ベクトルXを採取し、末尾ガード区間から参照信
号rを採取することとしたが、これを逆にすることもで
きる。すなわち、入力ベクトルXは末尾ガード区間から
採取し、参照信号rは先頭ガード区間から採取すること
もできる。
ら入力ベクトルXを採取し、末尾ガード区間から参照信
号rを採取することとしたが、これを逆にすることもで
きる。すなわち、入力ベクトルXは末尾ガード区間から
採取し、参照信号rは先頭ガード区間から採取すること
もできる。
【0056】また、先頭ガード区間と末尾ガード区間と
の差が最小となるようにウエートを定める上述の処理で
は、数学的にはWopt=0という自明な解が存在する
が、これは全く受信していない状態となり物理的には意
味がない解である。この解を排除するために、本受信機
の制御部100では定数aを導入して処理を行う。この
aを先頭ガード区間と末尾ガード区間とから得られる所
定の関数により定めたり、a・Wopt 2=1が成立すると
いった制約条件を課すことにより、Wopt≠0、かつ誤
差を最小とする解が得られるようになる。
の差が最小となるようにウエートを定める上述の処理で
は、数学的にはWopt=0という自明な解が存在する
が、これは全く受信していない状態となり物理的には意
味がない解である。この解を排除するために、本受信機
の制御部100では定数aを導入して処理を行う。この
aを先頭ガード区間と末尾ガード区間とから得られる所
定の関数により定めたり、a・Wopt 2=1が成立すると
いった制約条件を課すことにより、Wopt≠0、かつ誤
差を最小とする解が得られるようになる。
【0057】
【発明の効果】本発明のアダプティブ受信装置によれ
ば、MMSEアダプティブアレーにおいてSMI方式に
よる最適ウエートの推定が速やかに精度良く行われ、良
好な通信品質が得られる効果がある。
ば、MMSEアダプティブアレーにおいてSMI方式に
よる最適ウエートの推定が速やかに精度良く行われ、良
好な通信品質が得られる効果がある。
【図1】 本発明の実施形態であるOFDMアダプティ
ブ受信機の概略のブロック構成図である。
ブ受信機の概略のブロック構成図である。
【図2】 SMIの反復演算に対する収束特性を示す第
1のシミュレーション結果を示すグラフである。
1のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図3】 SMIの反復演算に対する収束特性を示す第
2のシミュレーション結果を示すグラフである。
2のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図4】 OFDM送信機の概略のブロック構成図であ
る。
る。
【図5】 OFDM信号の構成を示す模式図である。
50 アンテナ素子、52 バンドパスフィルタ、54
局部発振器、56ミキサー、58 低域通過フィル
タ、60 A/D変換器、62 重み付け部、64 合
成部、66 ガード区間除去部、68 離散フーリエ変
換器、70 復調器、72 P/S変換器、76,78
ガード区間抽出部、100 制御部、102 平均処
理区間設定部、104 MMSE処理部。
局部発振器、56ミキサー、58 低域通過フィル
タ、60 A/D変換器、62 重み付け部、64 合
成部、66 ガード区間除去部、68 離散フーリエ変
換器、70 復調器、72 P/S変換器、76,78
ガード区間抽出部、100 制御部、102 平均処
理区間設定部、104 MMSE処理部。
Claims (3)
- 【請求項1】 互いに同一波形の信号を含む第1部分区
間及び第2部分区間を無線信号の単位信号区間に内包す
る無線伝送方式にて使用され、前記無線信号を受信する
複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、複数の
前記アンテナ素子により受信された複数チャネルの原受
信信号に対してチャネル毎に重み付けを行い複数チャネ
ルの加重受信信号を出力する重み付け部と、前記複数チ
ャネルの前記加重受信信号を互いに加算合成して合成受
信信号を生成する合成部と、前記第1部分区間の前記複
数チャネルの前記原受信信号を入力信号とし、前記第2
部分区間の前記合成受信信号を参照信号とし、これら入
力信号と参照信号とに対しMMSE規範を適用すること
により、前記複数チャネルそれぞれの前記重み付けの最
適重み係数を成分とする重みベクトルWoptを、相関行
列Rxx及び相関ベクトルrxrを用いた次式、 【数1】Wopt=Rxx -1rxr に基づいて定める制御部とを有し、前記制御部は、前記
相関行列Rxx及び前記相関ベクトルrxrを反復法により
推定し、反復演算を所定ステップ行って得られた推定相
関行列及び推定相関ベクトルを用いて前記重みベクトル
Woptを決定するアダプティブ受信装置において、 前記制御部は、 前記反復演算の各ステップそれぞれに対応して、前記第
1部分区間内に包含され複数のサンプリングタイミング
を設定される平均処理区間を定める処理区間設定手段
と、 前記反復演算の第mステップ(mは自然数)に対応する
第m平均処理区間内の前記各サンプリングタイミングに
おける前記入力信号の前記複数チャネルそれぞれのサン
プリング値を成分とする入力ベクトルXと、当該入力ベ
クトルXに関するサンプリングタイミングに相当する前
記第2部分区間内のタイミングにおける前記参照信号の
サンプリング値の複素共役値r*とを互いに乗じて得ら
れるベクトル[X・r*]を、前記第m平均処理区間内
の前記複数のサンプリングタイミングに関して平均して
修正ベクトルV(m)を算出する修正ベクトル演算手段
と、 前記第m平均処理区間内の前記各サンプリングタイミン
グにて得られた前記入力ベクトルXと当該入力ベクトル
Xの共役転置ベクトルXHとを互いに乗じて得られる行
列[XXH]を、前記第m平均処理区間内の前記複数の
サンプリングタイミングに関して平均して修正行列M
(m)を算出する修正行列演算手段と、第mステップの前
記推定相関行列であるRxx(m)及び前記推定相関ベクト
ルであるrxr(m)を次式 【数2】 Rxx(m)=βRxx(m-1)+(1−β)M(m) rxr(m)=βrxr(m-1)+(1−β)V(m) (ここでβは0<β<1を満たす所定の実数パラメータ
である)により求める更新演算手段と、 を含むことを特徴とするアダプティブ受信装置。 - 【請求項2】 請求項1記載のアダプティブ受信装置に
おいて、 前記無線信号は、OFDM変調された信号であり、 前記単位信号区間は、有効シンボル区間と、当該有効シ
ンボル区間の前に配置され当該有効シンボル区間の末尾
区間と同一の波形を格納されたガード区間とからなり、 前記第1部分区間は、前記ガード区間と前記末尾区間と
のいずれか一方であり、 前記第2部分区間は、前記ガード区間と前記末尾区間と
のいずれか他方であること、 を特徴とするアダプティブ受信装置。 - 【請求項3】 請求項1記載のアダプティブ受信装置に
おいて、 前記平均処理区間は、前記無線信号にて伝送されるデー
タを複数内包し、 前記修正ベクトル演算手段及び前記修正行列演算手段
は、前記平均処理区間に内包される複数データについて
それぞれの平均処理を行うこと、 を特徴とするアダプティブ受信装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001222742A JP2003037539A (ja) | 2001-07-24 | 2001-07-24 | アダプティブ受信装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001222742A JP2003037539A (ja) | 2001-07-24 | 2001-07-24 | アダプティブ受信装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003037539A true JP2003037539A (ja) | 2003-02-07 |
Family
ID=19056177
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001222742A Pending JP2003037539A (ja) | 2001-07-24 | 2001-07-24 | アダプティブ受信装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003037539A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007028152A (ja) * | 2005-07-15 | 2007-02-01 | Mitsubishi Electric Corp | Gps用干渉除去装置 |
JP2008066948A (ja) * | 2006-09-06 | 2008-03-21 | Advanced Telecommunication Research Institute International | アダプティブアレーアンテナ受信装置 |
US7525478B2 (en) | 2005-03-31 | 2009-04-28 | Denso It Laboratory, Inc. | Radar signal processor |
CN102598561A (zh) * | 2009-10-26 | 2012-07-18 | 住友电气工业株式会社 | 无线通信装置 |
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-
2001
- 2001-07-24 JP JP2001222742A patent/JP2003037539A/ja active Pending
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