JP4827914B2 - モニタースタンド - Google Patents
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Description
また、液晶モニターの設置については画面の位置や角度を可能な限り自在に変えることができる構造を備えたモニタースタンドを介在させて行われ、モニタースタンド自体の固定方式としては、その基台をダッシュボード等に貼着させる方式や吸盤で吸着させる方式が採用されている。
即ち、貼着方式では、被貼着面の平坦度はあまり問題にならないが、モニタースタンドが半永久的な固定設置条件となり、モニタースタンドを取り外す場合には引き剥がし後に付着している接着剤の除去などの面倒な作業が必要になるのに対し、吸着方式では、被吸着面に一定の平坦度が要求されるものの、その平坦度の条件が満たされていれば自由に着脱することができ、ダッシュボード等の被吸着面を汚さないという利点がある。
したがって、総じてみると、貼着方式よりも吸着方式のモニタースタンドの方が優位性を備えているように思える。
そして、車載用のモニタースタンドでは、自動車の走行中の振動がモニターに伝わるとモニタースタンドに対して比較的大きな剥離トルクが作用し、固着力の弱い吸着方式ではモニタースタンドが被吸着面から剥がれてしまう。
そのため、吸着方式のモニタースタンドでは、単に吸盤の弾性復元力による吸着力だけでは足りず、吸盤を押圧した状態で被吸着面と吸盤の間に構成されている空間を更に減圧するために、吸盤の周縁領域を押圧しながら中央領域を強制的に引き上げることにより、更に強力な吸着力が得られるようにした機構を備えていることが多い。
また、吸着方式のモニタースタンドでは、どのようにしても継続的な振動に基づく剥離トルクによってモニタースタンドが剥がれてしまう場合もあり、そのような場合には、モニターの下側面を被吸着面に当接させて、モニタースタンドに大きなトルクが作用しないようにせざるを得ず、その際の調整操作も前記のように3つの操作を別々に行うことになると、かなり面倒な作業となる。
即ち、モニター画面を所望の水平旋回方向の角度に、モニターを所望の高さにそれぞれ設定した状態で、モニタースタンドの吸着・固定を前記ロック操作レバーに対するワンタッチ操作で行える。
また、前記ロック操作レバー自体は傾倒した位置でロックされなければならないが、前記ロック操作レバーが長腕部と短腕部とがL字状乃至V字状に連結した形態をなしていることと、前記吸盤の中央部と前記支持基体のフランジ部との圧接による弾発力を利用すれば前記作動桿を前記吸盤側へ付勢させておくことができ、それによって前記ロック操作レバーが一定角度以上に傾くとその傾倒方向の回転トルクが作用し、逆方向に回転して戻ってしまうことを防止できる。
また、Oリングは吸盤と共に、その弾性によってモニタースタンドの被吸着面から支持基体に伝わる振動を減衰させるという機能も有している。
吸盤による吸着方式のモニタースタンドにおいて、被吸着面と吸盤の隙間を強制的に減圧させて強力な吸着力でモニタースタンドを被吸着面に固定させる作業(モニターの水平旋回方向の角度設定作業も兼ねている)と、モニターの高さを設定する回動アームの角度を固定する作業とをロック操作レバーに対するワンタッチ操作で行えるようにし、モニターの設置作業を簡単にする。
また、簡単な機構によってロック操作レバーの逆戻りを合理的に防止し、モニタースタンドの安定した固定・ロック状態の維持を可能にする。
先ず、図1は実施形態に係るモニタースタンドの(A):平面図と(B):側面図と(C):底面図であり、また図2は同モニタースタンドの部品分解斜視図である。
また、吸着面側の周縁領域は環状の平坦部12になっており、その内側に相当する中央領域には円錐台状の窪みである凹部13が形成されている。
更に、この吸盤10の吸着面側には、被吸着面との接合性を向上させるために吸着面側にゲル層10aが被着されている。このゲル層10aは、親水性の樹脂マトリックスの中に、水と必要に応じて保湿剤や電解質等を安定に保持させて一定の粘着性を具有させたハイドロゲルであり、例えば、積水化成品工業株式会社のテクノゲル(登録商標)等を適用することができる。
また、作動桿20についてみると、前記フランジ部以外は板棒状部として形成されており、その先端面には円弧状凹部に沿って鋸歯状の凹凸21が形成されていると共に、中間部には係合孔22が穿設されている。
筒部32については、その外周壁の対称位置に前記作動桿20の摺動距離に相当する長孔34a,34bが形成されていると共に、その内部には、フランジ部31側の円形陥凹部31bの底に相当し、作動桿20が貫通する孔35が穿設されている仕切壁36と、前記孔35を貫通した作動桿20の両側面を拘束するように軸方向へガイド板37a,37bが設けられている。尚、ガイド板37a,37bには、前記長孔34a,34bとの対向位置にそれぞれスリット38a,38bが形成されている。
そして、フランジ部31と筒部32との連結部で筒部32の長孔34a,34bの下側にはそれぞれブロックが形成されており、その上側面が後記のロック操作レバー80の摺動突起部84a,84bが移動する平坦な摺動面39a,39bとされている。
また、軸受部33a,33bについては、筒部32の各長孔34a,34bと軸方向について対応する位置に、それぞれ筒部32を延長させて構成されており、各軸受部33a,33bの間に後記の回動アーム50の一端が回動自在に挟持されるようになっている。
そのため、各軸受部33a,33bには締付用ねじ40が貫通する孔40a,40bが形成されていると共に、意匠的観点から締付用ねじ40の頭部42とワッシャー類43及びナット44とワッシャー類45を内側に囲んで目立たなくするための環壁部46a,46bが形成されている。
尚、図1(B)に示されるように、回動アーム50は一方側にだけ大きく回動できるようになっており、図4(B),(D),(E)からも明らかなように、筒部32の外周壁は前記回動側が低く形成されている。
各割型50a,50bは支持基体30と同様にABS樹脂(又はポリカーボネート配合ABS樹脂)で成形されており、割型50aについては図5(C)の面を、割型50bついては図6(C)の面を接合面として回動アーム50が組み立てられるが、各割型50a,50bは接合面で左右に開くと、基本的形態は左右対称な関係にあり、唯一異なるのは、割型50aには位置決め用のピン孔51aが、割型50bにはピン51bが形成されている点で異なるだけである。
ここに、軸受60は金属製円筒体61の中間区間の外周がABS樹脂(又はポリカーボネート配合ABS樹脂)からなる正六角形筒体62で覆われたものであり、金属製円筒体61の中間区間では外周面の一部が平坦に切り欠かれていることで金属製円筒体61と正六角形筒体62は相互に回動できないようになっており、各割型50a,50bに形成されている正六角形の凹部53a,53bに軸受60の正六角形筒体62の部分が嵌着せしめられて軸受60が固定される。
尚、各割型50a,50bにおける鋸歯状の凹凸55a,55bの形成範囲は、それぞれ割型50a,50bの接合面を正面から見て片側の側面にだけ、中心角で約120°(θ1=82.5°,θ2=37.5°)の範囲に形成されている。
したがって、各割型50a,50bを接合させることにより、それぞれの鋸歯状の凹凸55a,55bが幅方向に連結し、2倍の幅となって作動桿20側に対する歯合面が構成されることになる。
そして、その軸受部56a,56bには、後記の締付用ねじ65が貫通する孔57a,57bが穿設されていると共に、内側面における孔57a,57bの周囲には環状凸部58a,58bが形成されており、その環状凸部58a,58bの表面には放射状に鋸歯状の凹凸59a,59bが形成されている。
したがって、図2に示すように、モニター取付用アダプタ70の軸受部71を回動アーム50の軸受部56a,56bの間に回動アーム50側の環状凸部58a,58bがモニター取付用アダプタ70側の円形陥凹部73a,73bに内嵌するように取り付けて、締付用ねじ65とワッシャー66とナット67で締め付けると、環状凸部58a,58bの鋸歯状の凹凸59a,59bと円形陥凹部73a,73bの鋸歯状の凹凸74a,74bが強く歯合して、回動アーム50に対するモニター取付用アダプタ70の回動を完全に拘束でき、逆に締付用ねじ65を緩めるとモニターを回動させることができる。
尚、モニター取付用アダプタ70のモニター当着部75には孔76が穿設されており、図2に示すように、その孔76を用いてモニター掛止板78を固定用ねじ77でモニター当着部75側へ引き込むことによりモニターを固定するようになっている。
ここで、ロック操作レバー80はABS樹脂(又はポリカーボネート配合ABS樹脂)で成形されており、図9[(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は底面図]に示すように、長腕部81a,81bと先端側に孔82a,82bが穿設された短腕部83a,83bとがL字状に連結し、且つその連結部分に摺動突起84a,84bを設けた形態の一対のレバー部と、各レバー部を支持基体30の筒部32の外径に相当する距離だけ平行な関係で離隔させて各長腕部81a,81bを連結する連結板部85とからなる。
尚、シャフト90は前記のように支持基体30の筒部32と作動桿20を貫通して横架せしめられるが、その両端部がロック操作レバー80の各短腕部83a,83bの孔82a,82bに接着固定されている。
先ず、図10に示すように、モニター取付用アダプタ70には予めモニター100が固定されており、ロック操作レバー80は支持基体30の筒部32の側部で斜め上方に立った状態(非ロック状態)にある。
この仮止め状態では、吸盤10はゲル層10aを被吸着面110に密着させてモニタースタンドを固定させているが、ゲル層10aと被吸着面110の間の空間は吸盤10の弾性復元力で減圧されている程度でそれほど大きな吸着力はなく、一旦吸着させてもタブ11を用いて簡単に引き剥がすことができ、モニター100の水平旋回方向の角度は自由に調整できる。
但し、回動アーム50に嵌着・固定されている軸受60が締付用ねじ40とナット44による締付け力によって支持基体30側の軸受部33a,33bの間で強く挟持されているため(図2を参照)、支持基体30に対する回動アーム50の回動摩擦が大きくなっており、モニター100の自重によるトルクでは回動せず、手で強制的に回動させるとその位置で静止するようになっている。
尚、回動アーム50とモニター取付用アダプタ70の関係は締付用ねじ65とナット67による締付け/解除によって回動可能状態/固定状態を選択できるが、この場合は固定状態としておく。
そして、更にロック操作レバー80を回転させると、ロック操作レバー80の摺動突起84a,84bは摺動面39a,39b上を左側へ移動しながらシャフト90を中心にして回転するようになり、それによってシャフト90が支持基体30の長孔34a,34bで案内されながら上側へ移動する。
即ち、ロック操作レバー80の傾倒により、回動アーム50のロック動作と吸盤10の仮止め状態から強力な吸着状態へ移行動作とを同時に行わせることができる。
その段階では、ロック操作レバー80が作動桿20を上方前進限に移動させた状態から更に僅かに回転しており、作動桿20により引き上げられた吸盤10の短円柱部14が支持基体30の筒部32に形成された仕切壁36と圧接していると共に、吸盤10の短円柱部14の周囲に嵌着させたOリング15が吸盤10と支持基体30のフランジ部31との間で挟圧状態になっている。
即ち、吸盤10の短円柱部14とOリング15の弾発力を利用してロック操作レバー80自体に対するロック機構をも実現しており、ロック操作レバー80に対する回動操作について図11の(A)と(B)の各状態を安定的に保持させることができる。
この実施形態のモニタースタンドの場合には、吸盤10とOリング15の弾性によって被吸着面110から支持基体30に伝わる振動をある程度減衰させることができるが、大きな振幅での激しい振動に対してはあまり有効でない。
即ち、本実施形態のモニタースタンドにおける作動桿20と回動アーム50の各鋸歯状の凹凸21,(55a,55b)は、回動アーム50の回動角度が水平より上側へ75°、下側へ15°の範囲内であれば歯合関係が得られるように構成されており、各種サイズのモニター100を図12に示す状態で固定設置することができる。
(1) 本実施形態のロック操作レバー80は、図9に示したように、長腕部81a,81bと短腕部83a,83bとからなる一対のレバー部が連結板部85で連結された形態からなり、各レバー部が支持基体30の筒部32の両側部を挟むように取り付けられているが、このような形態に限らず、単板のレバーとして構成し、支持基体30の筒部32に形成した軸方向のスリットを通じて短腕部と作動桿20とが係合せしめられるようにしてもよい。但し、その場合には、本実施形態での摺動面39a,39bに対応する面は支持基体30の筒部32の内部に構成される。
また、その場合の係合手段としては、本実施形態のようにシャフト30による方式ではなく、ロック操作レバーの傾倒に伴って短腕部が回転した際に、作動桿の側部に形成した係合部と係合して、作動桿を上方へ移動させるような構成にしてもよい。
(2) 本実施形態のロック操作レバー80では、長腕部81a,81bと短腕部83a,83bとがL字状に連結せしめられているが、その連結角度を小さくしてV字状の連結形態とし、その連結部の側端面を摺動突起84a,84bとすることも可能である。
(3) 本実施形態では、吸盤10の短円柱部14の周囲にOリング15を嵌着させておき、吸盤10の短円柱部14とOリング15の弾発力によりロック操作レバー80のロック機構を構成しているが、吸盤10の短円柱部14の弾発力で十分な場合には、あえてOリング15を用いる必要はない。
(4) 本実施形態では、支持基体30、回動アームの割型50a,50b、ロック操作レバー80等の主要機素の材料にABS樹脂(又はポリカーボネート配合ABS樹脂)が適用されているが、それらに限らず、軽量で機械的強度が大きく、成形性に優れた材料であれば適用可能である。
Claims (5)
- 弾性材料からなり、吸着面側の周縁領域が被吸着面に対する当接面として、中央領域が凹面として構成されている吸盤と、
一端が前記吸盤の吸着面とは反対側の面の中央部に立設固定されており、他端側の端面が鋸歯状の凹凸面として形成されていると共に、中間に係合孔が形成されている作動桿と、
前記吸盤の吸着面とは反対側の面の周縁領域に当接し、中央領域には隙間を介して対向するように凹面が形成されているフランジ部、前記作動桿を摺動自在に貫挿させる筒部、及び後記回動アームの一端を回動自在に挟持する軸受部が一体的に構成されており、前記筒部の外周壁の対称位置に筒軸と平行な方向へ前記作動桿の摺動距離に相当する長さの長孔が一対形成されていると共に、前記フランジ部における前記筒部との連結部には、前記各長孔に対応する各周方向位置にそれぞれ摺動面が形成されている支持基体と、
一端が前記支持基体の軸受部で回動自在に挟持されていると共に、その端部の回動周方向に沿って前記作動桿の鋸歯状の凹凸面と歯合する鋸歯状の凹凸面が形成されており、他端側にはモニターの取付部が設けられている回動アームと、
長腕部と先端側に孔が穿設された短腕部とがL字状乃至V字状に連結した形態の一対のレバー部と、前記一対のレバー部を前記支持基体の筒部の外径に相当する距離だけ平行な関係で離隔させて各長腕部を連結する連結板部とが一体的に形成されており、各短腕部の孔と前記支持基体の各長孔と前記作動桿の係合孔を貫通したシャフトを横架装着させることにより前記支持基体に取り付けられるロック操作レバーと
からなり、
前記ロック操作レバーの各長腕部と連結板部を前記支持基体のフランジ部側へ傾倒させると、前記ロック操作レバーの長腕部と短腕部の各連結部分が前記支持基体の各摺動面に沿って移動し、前記ロック操作レバーの傾倒操作が完了する段階では、前記ロック操作レバーの長腕部と短腕部の各連結部分が前記支持基体の各摺動面上を前記各長孔に対応する周方向位置を超えた位置まで移動し、その状態では、前記作動桿を前記支持基体の軸受部側へ移動させて前記吸盤の中央領域を後退させると共に、前記作動桿の端面の鋸歯状の凹凸面が前記回動アームの鋸歯状の凹凸面と歯合し、且つ前記吸盤の中央部と前記支持基体のフランジ部との圧接による弾発力で前記作動桿を前記吸盤側へ付勢させたロック状態となることを特徴とするモニタースタンド。 - 前記ロック操作レバーが、長腕部と短腕部の各連結部分に摺動突起部を設けたものである請求項1に記載のモニタースタンド。
- 前記吸盤における前記作動桿が立設固定されている中央部の周囲にOリングを嵌着させた請求項1又は請求項2に記載のモニタースタンド。
- 前記回動アームが長手方向に沿って分割された一対の割型を接合させて構成される中空筐体であり、前記支持基体の軸受部で挟持される前記回動アームの筐体部分に締付用ねじが貫通する金属製軸受を嵌着・固定させ、前記締付用ねじにより前記支持基体の軸受部で前記回動アームにおける金属製軸受の嵌着・固定部分を挟圧するようにした請求項1、請求項2又は請求項3に記載のモニタースタンド。
- 前記回動アームにおけるモニターの取付部が、前記回動アームの先端に軸受部が構成されており、その軸受部にモニター取付用アダプタを回動/固定自在な機構により取り付けたものである請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載のモニタースタンド。
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