JP4827897B2 - 印刷用塗工紙の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ドクターブレードの形状に特徴を有するブレードコーターを使用して、基紙上に塗工液を塗布する印刷用塗工紙の製造方法に関する。
紙を製造する方法としては、パルプ繊維を水に分散させた状態で基紙を抄き、抄いた基紙から余分な水を圧搾した後、熱を加えて水を蒸発させることによって乾燥させて製造する方法が一般的である。塗工紙の場合には、さらに、基紙に顔料及び接着剤からなる塗料を塗工し、熱風乾燥装置や赤外線乾燥装置(IRT)を用いて塗工層中の水分を蒸発させることによって乾燥させるため、乾燥のために使用する熱量が多く、近年の環境保護、省エネルギーの観点から、使用する熱量をできるだけ削減し、省エネルギー化することが求められている。
塗工紙の製造方法において、1200m/分以上の高速で塗工工程を行う場合には、乾燥能力を向上させるために熱風乾燥装置と赤外線乾燥装置(IRT)とを併用する場合が多い(特許文献1)。しかし、IRTは、消費する熱エネルギーが基紙の乾燥に効果的に用いられず、環境負荷も高い乾燥装置であるという問題がある。
単にIRTを使用しない場合、IRT由来の熱量分だけ、塗工層の乾燥に用いられる熱量が低下するため、乾燥不良が発生する。少ない熱量でも充分に塗工液を乾燥させる方法としては、塗料濃度を上げる方法と、塗工量を低減する方法とがある。
塗料濃度を上げた(換言すれば、水分率を低下させた)場合は、塗料が塗工後に不動化し易くなる(乾燥及び固化しやすくなる)ため、塗工前の塗料内部においても異物が発生し易い。このため、ブレードコーターを使用して基紙上の過剰な塗工液を除去する場合に、異物がドクターブレード先端に引っかかってストリークやブリーディング等の欠陥が発生し易くなる可能性がある。塗料濃度は、一般的に60〜68質量%であり、68質量%を超過すると、ストリークが発生し易くなることが知られている。
また、塗工量を低減させ、乾燥すべき塗料を低減した場合は、ブレードコーターを使用して塗工液を多く掻き取る際に、ドクターブレードの押付け圧を増加させる必要があり、過度の押付け圧となりやすく、ストリークが発生し易くなる傾向がある。
ブレードに2箇所以上の屈曲部を設け、光沢面感の向上やブリーディングの防止を図る技術も知られているが(特許文献2,3)、塗料の固形分が68質量%を越える高濃度の場合は、ストリークやブリーディング等の発生を充分に防止することは困難であった。
なお、高濃度塗料の例としては、重質炭酸カルシウム100%の塗料が挙げられる。この塗料を、フィルム転写方式で塗布する技術は既に公知であるが(特許文献4)、同技術を用いてブレードコーターを使用して塗工工程を行なった場合には、ドクターブレードの押付け圧が過大となり、ストリークやブリーディング等の欠陥が発生する一方で、ドクターブレードが充分に塗工液を掻き取れないため、塗工量が過大となる問題が発生する。
特開平7−34397号公報 特開2006−124863号公報 特開2006−124864号公報 特開2006−257590号公報
上述したとおり、塗料濃度を68質量%超の高濃度としながら、ドクターブレードの押付け圧を低減し、塗工量を低下させることで、ブリーディングやストリークを防止するブレード塗工方法は、未だ得られていなかった。
本発明は、ブレード塗工方式の印刷用塗工紙の製造方法であって、特に塗工速度が1200m/分以上の高速塗工において、ストリークやブリーディング等の発生を防止しつつ、高濃度塗料を低塗工量で塗工可能である、印刷用塗工紙の製造方法の提供を目的とする。
本発明者は、ブレードコーターを用いる印刷用塗工紙の製造方法について検討を重ねた結果、ドクターブレードを特定の形状とすることによって、高速塗工においても高濃度塗料を低塗工量で塗工することが可能となり、その結果、ストリーク等を防止しつつ、塗工層の乾燥も容易となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
具体的に、本発明は、
ブレードコーターを用いて、顔料と接着剤とを含む塗工液を紙基材表面に塗工する印刷用塗工紙の製造方法であって、
前記ブレードコーターのドクターブレードは、母材のすくい面側の先端部近傍を覆うように表面硬化部が設けられ、
前記すくい面側の表面硬化部には、2箇所以上の屈曲部が設けられ、
前記すくい面の先端部から、前記すくい面の先端部に最も近い第一屈曲部までのドクターブレードの幅方向に直交する方向の長さ(S1)が20μm以上250μm以下であり、
前記第一屈曲部から、前記すくい面先端部から最も遠い最終屈曲部までのドクターブレードの幅方向に直交する方向の長さの合計(S2)が300μm以上550μm以下であり、
前記(S1)よりも(S2)が短く、
前記塗工液の濃度が68%超であり、1200m/分以上の塗工速度で塗工することを特徴とする印刷用塗工紙の製造方法に関する。
ブレードコーターのドクターブレードは、通常は直線的な長いすくい面(傾斜面)上に表面硬化部を設けられた刃先を有しているが、本発明で使用するドクターブレードは、少なくともすくい面側(紙基材の移動方向に対向する表面)上の表面硬化部には屈曲部が複数箇所設けられているため、紙基材表面の塗工液と接する面積が通常のドクターブレードよりも小さい。
その結果、ドクターブレードの紙基材に対する押付け圧を低くすることが可能となり、ストリークやブリーディング等の発生を抑制することが可能である。また、高濃度塗料を低塗工量で紙基材上に塗工できるため、乾燥に必要な熱量が少なくて済み、IRTを使用しなくても、塗工速度1200m/分以上の高速塗工が可能である。
ここで、紙基材の移動方向に対向する表面とは、ドクターブレードの表面のうち、紙基材とは直接接触せず、紙基材の移動する方向に対向して、紙基材に面している表面をいう。また、表面硬化部のすくい面(傾斜面)とは、ドクターブレードの底面に対して平行でなく、ドクターブレード先端部に向かって厚みが薄くなるように傾斜している部分をいう。
前記塗工液は、顔料中に炭酸カルシウムを80質量%以上含み、接着剤としてラテックスを含むことが好ましい。また、接着剤としてさらにヒドロキシエチルデンプン(HES)も含むことがより好ましい。
本発明によれば、塗工速度が1200m/分以上の高速塗工においても、ストリークやブリーディング等の発生を防止しつつ、乾燥負荷を低減できる結果、補助乾燥装置であるIRT等を使用しなくても済み、環境負荷を小さくすることが可能となる。
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参酌しながら説明する。なお、本発明は以下の記載に限定されない。
<ドクターブレード>
図1及び図2は、本発明の印刷用塗工紙の製造方法で使用するドクターブレードの要部構成を示す図であり、図1は上面図、図2は図1のA−A断面図である。図1及び図2において、ドクターブレード1は、斜線部にて示される母材2と、この母材2上に設けられた表面硬化部3とを備えている。
表面硬化部3は、母材2のすくい面(紙基材と当接及び対向する面)の先端部近傍を覆うように形成されており、図1及び図2ではドクターブレード1が紙基材と当接する部分及び紙基材上の塗工液と接触する部分に設けられている。なお、図1及び図2と異なり、母材2のすくい面側の全体に表面硬化部3を設けても良い。
このドクターブレード1は、図の左端部(自由端部)側が変形するのを許容された状態で、図の右端部側(固定端部)がブレードコーターのクランプにて固定されている(図示せず)。
また、ドクターブレード1は、バッキングロール上で、当該バッキングロールの回転によって図中の二点鎖線の矢印方向に走行する紙基材(原紙)に対向して配置されるようになっている。そして、ドクターブレード1は、塗工液が塗工された紙基材に、表面硬化部3のすくい面4が接触することにより、塗工液の固形分の付着量が片面当たり3〜10g/m2となるよう基紙上の塗工量が調節され、平滑な塗工面が形成された印刷用塗工紙が製造される。
なお、ドクターブレード1は、表面硬化部3の紙基材への接触圧(ブレード線圧)を制御可能にブレードコーターに取り付けられており、このブレード線圧(押付け圧)を調節することで塗工量を容易に変更できるようになっている。
ブレードコーター内におけるドクターブレードと紙基材上の塗料との接触部分の拡大図を、図2に示す。図2では、バッキングロール11上に紙基材12が乗っており、基材12上には塗工液13が塗布されている。バッキングロール11は、図2の右側から左側へと移動するため、紙基材12及び塗工液13も同じ方向に移動する。ドクターブレード1は、第一傾斜部4dと紙基材12上の塗工液13とが当接するように固定されている。
第一傾斜部4dによって紙基材12上の過剰な塗工液13がすくい取られ、ドクターブレード1の下流には、厚みが減少した塗工液からなる塗工層14が形成される。過剰な塗工液13は、ドクターブレード1の第二傾斜部4eに当たって、表面硬化部3の上面3aに沿って掻き取られる。このとき、紙基材12と第二傾斜部4eと間に、塗工液13の液溜まりが発生する。
母材2は、適度な硬度(例えば、ロックウェル硬さCスケール22以上)を有するとともに、紙基材との接触圧の制御が容易となるように、ある程度の弾性を有する材質であることが好ましい。例えば、炭素工具鋼(SK材)、合金工具鋼、ステンレス鋼等であることが好ましい。また、この母材2には、平坦な下面2aと、この下面2aに直交するランド面2bと、このランド面2bに傾斜する母材すくい面2cと、下面2aに平行に形成された平坦な上面2dとが設けられており、互いに平行に構成された下面2a及び上面2dがクランプに接続されるようになっている。なお、母材2の硬度は、実用的及び経済的見地からビッカース硬度では240Hv〜940Hv程度とすることが好ましい。
表面硬化部3は、母材2よりも硬い材料から構成されており、ビッカース硬度が1000Hv以上1700Hvであることが好ましい。硬度を上記範囲にすることにより、1200m/分以上の高速塗工においても、適切な耐摩耗性を表面硬化部3に付与しつつ、塗工面感の向上効果を確実に発揮させることができる。ビッカース硬度が1000Hvよりも小さい場合には、表面硬化部3が摩耗しやすくなり、ドクターブレードの寿命低下を招くことがある。一方、ビッカース硬度が1700Hvよりも大きい場合には、屈曲部を形成し難くなって、表面硬化部ひいてはドクターブレードの形成に時間及び手間を要したり、コストアップを招いたりすることがある。
表面硬化部3は、例えば、タングステンを主成分とする材料等より構成されていることが好ましい。この表面硬化部3には、母材2の下面2aに平行に形成された上面3aと、母材下面2aに直交するように母材ランド面2bに連続的に設けられたランド面3bと、上面3aとランド面3bとの間に位置するすくい面(ベベル面)4とが形成されている。
この表面硬化部3は、例えば主成分であるタングステンに酸化アルミを添加した材料を、母材2の母材すくい面2c及び上面2d上に被覆するように、プラズマ溶射法によって蒸着することで形成することができる。酸化アルミの替わりに、少量のクロムやチタン等をタングステンに添加した材料を用いても良い。
タングステンを主成分とする材料を用いて表面硬化部3を形成することにより、耐摩耗性を十分に確保しつつ、その靱性を高めることができるとともに、屈曲部による塗工面感の向上効果を容易に得ることが可能となる。すなわち、タングステンは耐摩耗性に優れた素材であり、表面硬化部、ひいてはドクターブレードの長寿命化を容易に図ることができる。また、タングステンはその粒子が細かいことから、良好な塗工面感を容易に得ることができるとともに、表面硬化部に摩耗が生じたときでも、塗工面感が悪化するのを極力抑えることができる。
タングステンを主成分とする材料以外として、一種又はそれ以上の金属酸化物、金属炭化物若しくは金属窒化物、又はこれらの組み合わせたサーメット等のセラミックス材料、炭化タングステンや炭化クロムを含んだ超硬合金、クロムメッキ等のメッキ金属によって表面硬化部3を構成しても良い。
母材2上への表面硬化部3の形成方法としては、プラズマ溶射法以外に、他の溶射法、PVD、CVD等の蒸着法などを用いても良い。ただし、上記タングステンを主成分とする材料を用いた場合の方が、他の材料を用いた場合に比べて、表面硬化部3の耐摩耗性を十分に確保しつつ、その靱性を高めることができるとともに、第一屈曲部4b及び第二屈曲部4cによる塗工面感の向上効果を容易に得ることができる点で好ましい。
なお、金属窒化物系のセラミックス材料やクロムメッキなどの靱性の比較的低い材質を用いて、ビッカース硬度が1500Hvよりも大きい硬さの表面硬化部3を形成させた場合には、表面硬化部3が脆くなってドクターブレード1の寿命が短くなることがある。それ故、このような材質を使用して表面硬化部3を形成させた場合には、1200m/分以上の高速塗工を行うときでも、ドクターブレード1の寿命低下を十分に抑制できるように、ビッカース硬度を1200Hv以上とし、かつ屈曲部4c等の形成を比較的行い易く、塗工面感を高めることができるように、ビッカース硬度を1500Hv以下とすることがより好ましい。
なお、表面硬化部3は、母材2上で厚み0.2μm〜0.4μm程度となるように形成される。また、母材2の上面2d全部を被覆する必要はなく、少なくとも使用時に塗工液と接触する可能性のある部分に被覆されていれば足り、その場合、母材上面2dのみがクランプに接続されることになる。
すくい面4には、ドクターブレード1の自由端(図1及び図2の左端)側から固定端(図1及び図2の右端)側に向かって、すくい面先端部4a、第一屈曲部4b、第二屈曲部4cが順次設けられており、すくい面4は、第一傾斜部4d及び第二傾斜部4eを備えている。
なお、図1及び図2に示すドクターブレードでは、屈曲部は2箇所であるため、第二屈曲部4cが最終屈曲部となっているが、屈曲部は3箇所以上としても良い。屈曲部が3箇所の場合には、ドクターブレード1の自由端(図1及び図2の左端)側から固定端(図1及び図2の右端)側に向かって、すくい面先端部4a、第一屈曲部4b、第二屈曲部4c、第三屈曲部(図示せず)が順次設けられることになり、第三屈曲部が最終屈曲部となる。
複数個の屈曲部は、プラズマ溶射法によって母材2上に形成した表面硬化部3の傾斜部4に対して、研削加工等を実施することにより形成することが可能である。
複数個の屈曲部をすくい面4に設けることで、紙基材と、第二傾斜部4eとの間に適切な塗工液の液溜まりを形成でき、塗工しきれなかった余剰塗工液が戻りやすくなるため、塗工液に掛かる圧力が過度にならず、塗工面感を向上することができる。さらに、68質量%を越える高濃度塗料を塗布する場合に、すくい面先端部4aから、すくい面先端部4aに最も近い屈曲部である第一屈曲部4bまでの長さ(S1)を、第一屈曲部4bから、すくい面先端部4aから最も遠い屈曲部である最終屈曲部(図1及び図2では第二屈曲部4c)までの長さの合計(S2)よりも短くすることで、より液溜まり部分を多く取ることが可能となり、塗工面感が向上しやすい。
ここで、S1及びS2の長さとは、ドクターブレードのランド面に直交する方向(ドクターブレード幅方向に直交する方向)の長さをいい、図1及び図2においては、ドクターブレード1の自由端(図1及び図2の左端)側と固定端(図1及び図2の右端)側とを結ぶ方向の長さをいう。なお、図2では、第一屈曲部4b及び第二屈曲点4cから下面2aに垂線を引いた場合、点P−点Q間の距離がS1、点Q−点R間の距離がS2となる。
すくい面先端部4a、第一屈曲部4b及び第二屈曲部4cは、研削後にR加工部分を設けても良い。R加工を施すと、ブレードの初期なじみが良好となり、塗工プロファイルの早期安定化が図られるだけでなく、塗工液の引っかかりが低減できるために、ストリークが発生しにくくなるため好ましい。具体的なR加工の寸法は、0.1±0.02mmとすることが好ましい。
S1はS2よりも短くする必要がある。S1がS2より長い、又は同じ長さであると、ドクターブレード1の先端部分にかかる応力が大きく、塗工量を充分に低減できないために、押付け圧を過大にする必要があり、ブリーディングやストリーク等の発生を防止できないためである。また、塗工量を充分に低減できないと、乾燥負荷が高くなるためIRT等の補助乾燥装置を使用する必要が生じてしまうためである。
なお、特許文献2に開示されている屈曲部を設けたブレードは、S1、S2共に500μmであり、特許文献3に開示されているブレードは、S1が500μm、S2が400μmであるために、本発明の製造方法と異なり、ストリークやブリーディング等の発生を防止する効果は発揮されない。
S1は、30μm以上200μm以下であることが好ましく、50μm以上150μm以下であることがさらに好ましい。S1が30μmを下回ると、均一に塗工液を掻き取ることができず、ブリーディングや塗工ムラが発生し易くなり、得られる塗工紙の印刷適性が低下する。一方、200μmを超過すると、過度の押付け圧にしても設定塗工量まで下がらず、塗工面にブレードシェアがかかることでストリークが発生し易くなる。
S2は、300μm以上500μm以下であることが好ましく、350μm以上450μm以下であることがさらに好ましい。300μmを下回ると、第二傾斜部4eにおける塗工液の液溜まりが小さくなり、ブリーディングが発生する可能性があり、一方、500μmを上回ると、第二傾斜部4eにおける液溜まりが大きくなって塗工面感を向上できない可能性がある。
すくい面(ベベル面)4において、S1及びS2の長さを規定することにより、後述するように、固形分換算で68〜72質量%の高濃度塗工液を、塗工量3〜10g/m2の低塗工量で、ストリークやブリーディングの発生を防止しつつ塗工することが可能となる。その結果、塗工後の乾燥に必要な熱量が少なくて済み、IRT等の補助乾燥装置を必要としない、省エネルギーの印刷用塗工紙の製造方法となり得る。
なお、固定端側の母材2の厚み(S3)は、0.5μm以上0.7μm以下とすることが好ましい。また、固定端側の表面硬化部3の厚み(S4)は、0.2μm以上0.4μm以下とすることが好ましい。S3及びS4が上記範囲であれば、第一すくい面4d及び第二すくい面4eによって発生する塗工液の液溜まりに起因する塗工面感の向上効果が得られやすいためである。
<塗工液の成分1:顔料>
塗料の主成分である顔料には、一般に製紙用の顔料として用いられるものを使用することができる。例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリンクレー、デラミネーテッドカオリン、タルク、ホワイトカーボン、二酸化チタン、硫酸カルシウム、サチンホワイト、亜硫酸カルシウム、石膏、硫酸バリウム、珪藻土、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ベントナイト、セリサイト等の無機顔料や、ポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホルマリン樹脂微粒子、微小中空粒子、多孔質微粒子等の有機顔料等が使用可能であり、これらの中から1種又は2種以上を適宜選択して配合することもできる。
顔料の中でも、重質炭酸カルシウムは白色度が高く、得られる塗工紙の白色度が高くなる点で好ましい。炭酸カルシウムはカオリンクレーと比較して保水性が低いため、塗工液中に顔料として高濃度で配合すると、塗料が不動化し易くなって異物が発生し易く、ストリーク等が発生する問題があった。また、塗料濃度が高い場合には、ドクターブレードで塗工液を掻き落しにくく、ブレードの押付け圧を高くする必要が生じるために、ストリーク等の発生頻度が高くなるという問題があった。
しかし、本発明の印刷用塗工紙の製造方法では、特定の形状を有するドクターブレードを使用することで、押付け圧が低くても高濃度塗料を充分に掻き取れるため、炭酸カルシウム濃度の高い塗工液を使用しても、ストリーク等の発生を抑制することができる。
重質炭酸カルシウムとしては、例えば、白色結晶質石灰石を乾式粉砕又は湿式粉砕した、5μm程度以下の平均粒子径を有するものを使用しうるが、重量平均粒子径が0.3μm以上2.0μm以下であり、かつ粒子径2.0μmを超える粒子の重量割合が10%以下の湿式重質炭酸カルシウムを使用することが好ましい。重質炭酸カルシウムの重量平均粒子径を0.3μmよりも小さくした場合には、重質炭酸カルシウム粒子が塗工液中で再凝集し易くなり、異物が発生してストリークなどの欠陥が発生し易くなることがある。一方、平均粒子径を2.0μmよりも大きくした場合には、塗工面感が悪くなったり、表面硬化部の硬度を高くしたときでも、表面硬化部での摩耗が進行し易くなり、塗工速度等などを上げ難くなる。また、2.0μmよりも大きい粒子径の粒子の重量割合を10%よりも大きくした場合には、表面硬化部を比較的硬くしたときでも、その硬化部での摩耗が進行し易くなって塗工速度などを上げ難くなる場合がある。
重質炭酸カルシウムの替わりに、軽質炭酸カルシウムを用いることもできる。軽質炭酸カルシウムとしては、例えば、石灰石を焼成して化学的に製造した、数μm前後の平均粒子径を有するものや、0.02μm〜0.10μm程度の平均粒子径を有するものが使用できる。軽質炭酸カルシウムの形状としては、例えば柱状、針状、紡錘型の他、これらの形状を有する結晶構造が凝集及び結晶化した毬栗状等が挙げられる。
<塗工液の成分2:接着剤>
接着剤としては、一般的に製紙用途で使用できる接着剤を併用することができる。例えば、(1) カゼイン、大豆蛋白等の蛋白質類;(2) メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、スチレン−メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス等の共役ジエン系ラテックス、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの重合体ラテックスもしくは共重合体ラテックス等のアクリル系ラテックス、エチレン−酢酸ビニル重合体ラテックス等のビニル系ラテックス、あるいはこれらの各種共重合体ラテックスをカルボキシル基等の官能基含有単量体で変性したアルカリ部分溶解性又は非溶解性のラテックス等のラテックス類;(3) ポリビニルアルコール、オレフィン−無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂等の合成樹脂系接着剤;(4) 酸化澱粉、陽性化澱粉、エステル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;(5) カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体等、を用いることができ、これらの中から1種又は2種以上を適宜選択して用いることもできる。
本発明の印刷用塗工紙の製造方法においては、特定形状のドクターブレードを用いることで、ストリーク及びブリーディングを防止しつつ、高濃度塗工液を低塗工量で塗工することができるが、さらに、塗工液中に含まれる接着剤としてのラテックス及び水溶性高分子化合物の種類及び配合量を特定することで、より効果的にストリーク及びブリーディングの発生を防止することが可能となる。
接着剤である水溶性高分子としては、ヒドロキシエチルデンプン(HES)を用いると、塗料粘度の上昇を軽減できるため、高濃度塗料においても、ブレードの押付け圧が軽減でき、ストリークの発生が抑制できるため、特に好ましい。HESの配合部数は、全顔料を100質量部とした場合に、2質量部以上10質量部以下とすることが好ましく、3質量部以上5質量部以下とすることがより好ましい。2質量部を下回ると表面強度が低下するため印刷適性が低下し、10質量部を超過すると印刷適性が低下しやすくなるため好ましくない。なお、印刷適性の低下は、塗工量を増加させることで防止できるが、この場合には乾燥に必要な熱エネルギーを削減できない。
接着剤であるラテックスについては、スチレン−ブタジエンラテックス(SBR)が、熱安定性が良い点で好ましい。特に、ラテックス粒子の内部と外部とで組成が異なる傾斜型ラテックスを用いると、従来の単一構造のラテックスと比べて低配合部数で高い接着強度が得られるため、含有量を低減できる。接着剤であるラテックス単体の濃度は50質量%前後であり、顔料である重質炭酸カルシウム単体の濃度(74〜80質量%)よりも低いのが一般的であり、これらの混合物である塗料の濃度を向上させるためには、ラテックスの配合量(塗工液に占めるラテックスの割合)は少ない方が好ましい。そのため、より低配合量で高強度が実現できる傾斜型ラテックスを使用することが好ましい。
傾斜型ラテックスの場合、配合部数は、全顔料を100質量部とした場合に、3質量部以上10質量部以下とすることが好ましく、4質量部以上6質量部以下とすることがより好ましい。3質量部を下回ると表面強度が低下するため印刷適性が悪化し、10質量部を超過すると、塗工層表面にラテックスの被膜を形成しやすくなり印刷適性が低下するだけでなく、塗料濃度が低下しやすいため、ブリーディングが発生しやすくなる可能性がある。
本発明の印刷用塗工紙の製造方法においては、特定形状のブレードを用いることで、高濃度塗料を低塗工量で塗工できるため、IRTを使用しなくても塗工速度1200m/分以上の高速塗工が可能であるが、接着剤としてHES又は傾斜型ラテックスを使用する、さらに好ましくは両方を併用することで、塗料粘度の増加を最小限に抑制でき、ドクターブレードの押付け圧を低減できるため、ストリーク等の発生を少なくすることが可能である。
塗料における顔料と接着剤との割合は、顔料100質量部に対して接着剤が6質量部以上17質量部以下に調整することが好ましく、7質量部以上15質量部以下に調整することがより好ましく、8質量部以上10質量部以下となるように調整することがさらにより好ましい。接着剤の配合量が6質量部未満では、塗工紙の表面強度が低下して印刷時に白抜け等のトラブルが発生するため好ましくない。逆に接着剤の配合量が17質量部を超過すると、塗工層中で接着剤が成膜し、塗工層表面の平滑性が低下する結果、印刷時にインキが転移しにくくなり、印刷適性が低下するため好ましくない。
<その他助剤>
塗工剤を調製する方法には特に限定がなく、顔料、接着剤の他にも、ダスト防止剤、蛍光染料、消泡剤、離型剤、着色剤、保水剤等、製紙用途で一般に用いられる各種助剤を適宜配合することもできる。
<塗工量>
本発明の印刷用塗工紙の製造方法においては、塗工液は、紙基材片面あたり3g/m2以上10g/m2以下で紙基材の片面に塗工することが好ましく、5g/m2以上9g/m2以下で塗工することがより好ましい。塗工量が紙基材片面あたり3g/m2未満では、塗工層が充分に平坦化されず、塗工層表面の平坦性と印刷適性に劣る。一方、10g/m2を超過すると、ブリーディング等が発生するため好ましくない。
本発明の印刷用塗工紙の製造方法では、特定の形状のドクターブレードを用いることにより、紙基材の片面に対する塗工液の塗工量が3g/m2程度であっても、ストリーク及びブリーディングを防止しながら塗工することができる。従来、ブレード塗工においては、塗工量が最低でも6g/m2程度であり、この程度の塗工量では、塗料を掻き取る際にブレードの押付け圧を増加させる必要があるため、過度の押付け圧となりやすく、塗工面にブレードシェアがかかることでストリークが発生し易い問題があり、また、得られる塗工紙についても、塗工面が均一となっていないため印刷適性に劣る問題がある。しかしながら本発明においては、この問題を解決できるため、3g/m2程度の低塗工量でも、印刷適性が良好な塗工紙を得られるのである。
<平坦化処理>
塗工液を紙基材上に塗工した後、塗工層の光沢や平滑性、印刷適性をさらに向上させる目的で、スーパーカレンダーやソフトカレンダー等、弾性ロールと金属ロールとを組み合わせた平坦化設備によって、印刷用塗工紙に平坦化処理を施すことができる。このような平坦化設備は、従来のマシンカレンダーとは異なり、用紙表面を幅広の面で、高温で処理することで、基紙の密度や塗工層の密度を過度に高めることなく平坦化が可能であり、例えば、オフセット印刷、電子写真印刷等において好適な印刷面を形成させることができる。
中でも、マルチニップカレンダー(特に、6段、8段又は10段のマルチニップカレンダー)が、ニップ圧を調整しやすく、塗工面の光沢や平坦性を調整しやすいため最適である。また、カレンダーの設置場所としては、抄紙機及び塗工機と一体になったオンマシンタイプが好ましい。オンマシンタイプでは、塗工後すぐ、紙面温度が高い状態で平坦化処理できるため、印刷適性が向上しやすいだけでなく、目的の印刷用塗工紙を得るために必要な線圧が低く、紙力の低下が少ないため好ましい。
ソフトカレンダーによる平坦化処理の線圧や温度、速度は特に限定されないが、処理後の塗工層の平滑性を充分に向上させ、また最終的に得られる塗工紙の緊度が過度とならないようにするために、例えば、線圧は100〜300kN/m、金属ロール温度は100〜200℃、速度は1000~2000m/分となるように調整することが好ましい。
製造システムは上記以外にも、抄紙機とコーターパートとを分離したオフマシンコーターを用いても良く、抄紙機とソフトカレンダーを分離したオフマシンカレンダーを含むシステムを用いても良い。
かくして得られる印刷用塗工紙の坪量は、印刷適性、紙質強度の確保という点から、JIS P8124「坪量測定方法」に記載の方法に準拠して測定し、30g/m2以上200g/m2以下であることが好ましく、50g/m2以上170g/m2以下であることがより好ましい。坪量が30g/m2未満の場合、印刷適性を確保しながら、紙質強度を確保することが困難となり、印刷時の断紙等、操業トラブルが発生する可能性があるため好ましくない。一方、坪量が200g/m2を超える場合には、近年要求されてきている軽量化や省資源化を達成することが困難となる。
本発明の印刷用塗工紙の製造方法では、紙基材上に顔料及び接着剤からなる塗工層を1層のみ塗工しても良く、2層以上としても良い。塗工層が2層以上の場合には、少なくとも最表層の塗工層を本発明の方法で設けることが好ましい。また紙基材としては、未塗工紙又は澱粉やポリビニルアルコール等の水溶性高分子を塗布した基紙を使用しても良い。
[実施例]
(ドクターブレード)
ブレードコーターのドクターブレードは、図1及び図2に示した形状であり、図1における縦方向(ドクターブレードの幅方向)の長さは0.2m、横方向(幅方向に直交する方向)の長さは3〜10mであった。炭素工具鋼(SK材)からなる母材の上に、溶射によりタングステンを主成分とする表面硬化部を設けたものを使用した。表面硬化部のすくい面上には、先端部及び2箇所の屈曲部(第一屈曲部及び第二屈曲部)を設け、先端部及び第一屈曲部には0.1mmのR加工を施した。なお、表面硬化部のビッカース硬度は、1000Hvであった。また、S1及びS2は、後述する表1のとおりとし、S3は0.635μm、S4は0.300μmとした。
(塗工液)
表1に示す割合で調製した塗工液を、表1の塗工量となるよう塗工した。用いた顔料及び薬品は以下のとおりである。
(1)顔料
・重質炭酸カルシウム(品番:ハイドロカーブ90K、オミヤコーリア社製)
・微粒カオリンクレー(品番:カオファイン、イメリス社製)
(2)接着剤
・スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス
傾斜構造:(品番:PA-6082、日本エイアンドエル社製)
単一構造:(品番:PA-2070、日本エイアンドエル社製)
・水溶性高分子
HES:ヒドロキシエチルエーテル化澱粉(品番:K96F、GPC社製)
リン酸:リン酸エステル化澱粉(品番:MS4600、日本食品加工社製)
PVA:ポリビニルアルコール(品番:PVA-110、クラレ社製)
(製造手順)
原料パルプとしてLBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)とNBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)を80:20の質量割合で配合し、このパルプ(絶乾量)に対して、固形分で、内添サイズ剤(品番:AK-720H、ハリマ化成(株)製)0.02質量%、カチオン化澱粉(品番:アミロファックスT-2600、アベベジャパン(株)製)1.0質量%、及び歩留向上剤(品番:NP442、日産エカケミカルス(株)製)0.02質量%をそれぞれ添加してパルプスラリーを得た。
次に、ワイヤーパート、プレスパート、プレドライヤーパート、アンダーコーターパート、アフタードライヤーパート、トップコーターパート、スキャッフドライヤーパート、カレンダーパート、リールパートを含む製紙システムを用いワインダーパートにて印刷用塗工紙に仕上げた。
まず、パルプスラリーをワイヤーパートにて抄紙し、次いでプレスパート、プレドライヤーパートに供して、坪量37〜55g/m2の紙基材を製造した。次いでアンダーコーターパートにて、サイズ剤(ハーサイズAK-720H、ハリマ化成社製)を片面あたり0.5g/m2となるよう、紙基材の両面に下塗り塗工し、アフタードライヤーパートで乾燥させた。その後、トップコーターパートにて、後述する表1に示す形状のドクターブレードを用いて、表1に示す条件で上塗り塗工を行った。
塗工層は、片面あたり表1に示す塗工量(g/m2)となるよう、両面を塗工し、坪量60g/m2の印刷用塗工紙を製造した。乾燥設備は熱風乾燥(スキャッフドライヤー)を用いて行い、IRT等の補助乾燥装置は使用しなかった。
次に、カレンダーパートにて、線圧200kN/m、速度1500m/分で平坦化処理を施し、ワインダーパートに供して印刷用塗工紙を得た。
なお、ワイヤーパートではギャップフォーマーを用いて抄紙し、アンダーコーターパートではロッドメタリングサイズプレスコーターを用い、トップコーターパートではブレードコーターを用いた。またカレンダーパートでは、マルチニップカレンダーを用いた。実施例及び比較例では、上記ワイヤーパート〜カレンダーパートまでが一体となった、オンマシンシステムを用いた。
このようにして得られた実施例及び比較例の印刷用塗工紙について、ストリーク及びブリーディングの発生状態と、印刷適性とを、以下の方法によって調べた。その結果を、表1及び表2に示す。なお、実施例8は、本発明に含まれない。
(a)ストリーク
製造時のストリークの発生を、以下の評価基準に基づいて評価した。
◎:ストリークが発生せず、実使用可能
○:ストリークがわずかに発生したが、実使用可能
△:ストリークが多少発生したが、実使用可能
×:ストリークが発生し、実使用不可能。
(b)ブリーディング
製造時のブリーディングの発生を、以下の評価基準に基づいて評価した。
◎:ブリーディングが発生せず、実使用可能
○:ブリーディングがわずかに発生したが、実使用可能
△:ブリーディングが多少発生したが、実使用可能
×:ブリーディングが発生し、実使用不可能
(c)印刷適性
オフセット印刷機(型番:リソピアL-BT3-1100、三菱重工業(株)製)を使用し、カラーインク(品番:ADVAN、大日本インキ化学工業(株)製)で、印刷用塗工紙にカラー4色印刷を5000部行った。この5000部の印刷面について、目視及びルーペ(10倍)によって、印刷面の印刷ムラを観察し、その程度を以下の評価基準に基づいて評価した。
◎:印刷ムラがない
○:印刷ムラがわずかに発生したが、実使用可能
△:印刷ムラが多少発生し、印刷適性に多少劣るが、実使用可能
×:印刷ムラが多数発生したため、実使用不可能
Figure 0004827897
Figure 0004827897
表1及び表2において、顔料の質量%は、顔料全体に占める重質炭酸カルシウム及び微粒カオリンクレーの比率を示している。例えば、「炭酸カルシウム80、クレー20」とは「顔料が、重質炭酸カルシウム80質量%と微粒カオリン20質量%の混合物である」ことを意味している。
また、表2に示す比較例3及び比較例4で使用したドクターブレードは、表面硬化部のすくい面が単一平面であり、すくい面の中に屈曲部が存在しない。
表1及び表2より明らかなように、各実施例では、特定形状のブレードを使用しているため、高濃度塗料を、ストリークやブリーディングを防止しつつ、低塗工量で塗布することができ、得られた塗工紙の印刷適性も良好であった。しかしながら、比較例1〜4では、上記のような効果は得られなかった。
なお、S1を1とした場合、S2は2以上20以下であることが好ましく、2.7以上8以下であることがより好ましいことも確認された。
本発明の一実施形態に係る、印刷用塗工紙の製造方法で使用するドクターブレードの上面図である。 図1のA−A断面図である。 ブレードコーター内におけるドクターブレードと紙基材上の塗料との接触部分の拡大図である。
符号の説明
1 ドクターブレード
2 母材
2a 母材の下面
2b 母材のランド面
2c すくい面
3 表面硬化部
3a 表面硬化部の上面
3b 表面硬化部のランド面
4 ベベル面
4a 先端部
4b 第一屈曲部
4c 第二屈曲部
4d 第一傾斜部
4e 第二傾斜部
S1 先端部から第一屈曲部までの長さ
S2 第一屈曲部から最終屈曲部までの長さの合計
11 バッキングロール
12 紙基材
13 塗工液
14 塗工面
15 液溜まり

Claims (3)

  1. ブレードコーターを用いて、顔料と接着剤とを含む塗工液を紙基材表面に塗工する印刷用塗工紙の製造方法であって、
    前記ブレードコーターのドクターブレードは、母材のすくい面側の先端部近傍を覆うように表面硬化部が設けられ、
    前記すくい面側の表面硬化部には、2箇所以上の屈曲部が設けられ、
    前記すくい面の先端部から、前記すくい面の先端部に最も近い第一屈曲部までのドクターブレードの幅方向に直交する方向の長さ(S1)が20μm以上250μm以下であり、
    前記第一屈曲部から、前記すくい面先端部から最も遠い最終屈曲部までのドクターブレードの幅方向に直交する方向の長さの合計(S2)が300μm以上550μm以下であり、
    前記(S1)よりも(S2)が短く、
    前記塗工液の濃度が68%超であり、1200m/分以上の塗工速度で塗工することを特徴とする印刷用塗工紙の製造方法。
  2. 前記塗工液が、顔料中に炭酸カルシウムを80質量%以上含み、接着剤としてラテックスを含む、請求項1に記載の印刷用塗工紙の製造方法。
  3. 前記塗工液が、接着剤としてさらにヒドロキシエチルデンプンを含む、請求項に記載の印刷用塗工紙の製造方法。
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