JP4827897B2 - 印刷用塗工紙の製造方法 - Google Patents
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Description
ブレードコーターを用いて、顔料と接着剤とを含む塗工液を紙基材表面に塗工する印刷用塗工紙の製造方法であって、
前記ブレードコーターのドクターブレードは、母材のすくい面側の先端部近傍を覆うように表面硬化部が設けられ、
前記すくい面側の表面硬化部には、2箇所以上の屈曲部が設けられ、
前記すくい面の先端部から、前記すくい面の先端部に最も近い第一屈曲部までのドクターブレードの幅方向に直交する方向の長さ(S1)が20μm以上250μm以下であり、
前記第一屈曲部から、前記すくい面先端部から最も遠い最終屈曲部までのドクターブレードの幅方向に直交する方向の長さの合計(S2)が300μm以上550μm以下であり、
前記(S1)よりも(S2)が短く、
前記塗工液の濃度が68%超であり、1200m/分以上の塗工速度で塗工することを特徴とする印刷用塗工紙の製造方法に関する。
図1及び図2は、本発明の印刷用塗工紙の製造方法で使用するドクターブレードの要部構成を示す図であり、図1は上面図、図2は図1のA−A断面図である。図1及び図2において、ドクターブレード1は、斜線部にて示される母材2と、この母材2上に設けられた表面硬化部3とを備えている。
塗料の主成分である顔料には、一般に製紙用の顔料として用いられるものを使用することができる。例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリンクレー、デラミネーテッドカオリン、タルク、ホワイトカーボン、二酸化チタン、硫酸カルシウム、サチンホワイト、亜硫酸カルシウム、石膏、硫酸バリウム、珪藻土、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ベントナイト、セリサイト等の無機顔料や、ポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホルマリン樹脂微粒子、微小中空粒子、多孔質微粒子等の有機顔料等が使用可能であり、これらの中から1種又は2種以上を適宜選択して配合することもできる。
接着剤としては、一般的に製紙用途で使用できる接着剤を併用することができる。例えば、(1) カゼイン、大豆蛋白等の蛋白質類;(2) メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、スチレン−メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス等の共役ジエン系ラテックス、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの重合体ラテックスもしくは共重合体ラテックス等のアクリル系ラテックス、エチレン−酢酸ビニル重合体ラテックス等のビニル系ラテックス、あるいはこれらの各種共重合体ラテックスをカルボキシル基等の官能基含有単量体で変性したアルカリ部分溶解性又は非溶解性のラテックス等のラテックス類;(3) ポリビニルアルコール、オレフィン−無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂等の合成樹脂系接着剤;(4) 酸化澱粉、陽性化澱粉、エステル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;(5) カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体等、を用いることができ、これらの中から1種又は2種以上を適宜選択して用いることもできる。
塗工剤を調製する方法には特に限定がなく、顔料、接着剤の他にも、ダスト防止剤、蛍光染料、消泡剤、離型剤、着色剤、保水剤等、製紙用途で一般に用いられる各種助剤を適宜配合することもできる。
本発明の印刷用塗工紙の製造方法においては、塗工液は、紙基材片面あたり3g/m2以上10g/m2以下で紙基材の片面に塗工することが好ましく、5g/m2以上9g/m2以下で塗工することがより好ましい。塗工量が紙基材片面あたり3g/m2未満では、塗工層が充分に平坦化されず、塗工層表面の平坦性と印刷適性に劣る。一方、10g/m2を超過すると、ブリーディング等が発生するため好ましくない。
塗工液を紙基材上に塗工した後、塗工層の光沢や平滑性、印刷適性をさらに向上させる目的で、スーパーカレンダーやソフトカレンダー等、弾性ロールと金属ロールとを組み合わせた平坦化設備によって、印刷用塗工紙に平坦化処理を施すことができる。このような平坦化設備は、従来のマシンカレンダーとは異なり、用紙表面を幅広の面で、高温で処理することで、基紙の密度や塗工層の密度を過度に高めることなく平坦化が可能であり、例えば、オフセット印刷、電子写真印刷等において好適な印刷面を形成させることができる。
(ドクターブレード)
ブレードコーターのドクターブレードは、図1及び図2に示した形状であり、図1における縦方向(ドクターブレードの幅方向)の長さは0.2m、横方向(幅方向に直交する方向)の長さは3〜10mであった。炭素工具鋼(SK材)からなる母材の上に、溶射によりタングステンを主成分とする表面硬化部を設けたものを使用した。表面硬化部のすくい面上には、先端部及び2箇所の屈曲部(第一屈曲部及び第二屈曲部)を設け、先端部及び第一屈曲部には0.1mmのR加工を施した。なお、表面硬化部のビッカース硬度は、1000Hvであった。また、S1及びS2は、後述する表1のとおりとし、S3は0.635μm、S4は0.300μmとした。
表1に示す割合で調製した塗工液を、表1の塗工量となるよう塗工した。用いた顔料及び薬品は以下のとおりである。
・重質炭酸カルシウム(品番:ハイドロカーブ90K、オミヤコーリア社製)
・微粒カオリンクレー(品番:カオファイン、イメリス社製)
(2)接着剤
・スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス
傾斜構造:(品番:PA-6082、日本エイアンドエル社製)
単一構造:(品番:PA-2070、日本エイアンドエル社製)
・水溶性高分子
HES:ヒドロキシエチルエーテル化澱粉(品番:K96F、GPC社製)
リン酸:リン酸エステル化澱粉(品番:MS4600、日本食品加工社製)
PVA:ポリビニルアルコール(品番:PVA-110、クラレ社製)
原料パルプとしてLBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)とNBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)を80:20の質量割合で配合し、このパルプ(絶乾量)に対して、固形分で、内添サイズ剤(品番:AK-720H、ハリマ化成(株)製)0.02質量%、カチオン化澱粉(品番:アミロファックスT-2600、アベベジャパン(株)製)1.0質量%、及び歩留向上剤(品番:NP442、日産エカケミカルス(株)製)0.02質量%をそれぞれ添加してパルプスラリーを得た。
製造時のストリークの発生を、以下の評価基準に基づいて評価した。
◎:ストリークが発生せず、実使用可能
○:ストリークがわずかに発生したが、実使用可能
△:ストリークが多少発生したが、実使用可能
×:ストリークが発生し、実使用不可能。
製造時のブリーディングの発生を、以下の評価基準に基づいて評価した。
◎:ブリーディングが発生せず、実使用可能
○:ブリーディングがわずかに発生したが、実使用可能
△:ブリーディングが多少発生したが、実使用可能
×:ブリーディングが発生し、実使用不可能
オフセット印刷機(型番:リソピアL-BT3-1100、三菱重工業(株)製)を使用し、カラーインク(品番:ADVAN、大日本インキ化学工業(株)製)で、印刷用塗工紙にカラー4色印刷を5000部行った。この5000部の印刷面について、目視及びルーペ(10倍)によって、印刷面の印刷ムラを観察し、その程度を以下の評価基準に基づいて評価した。
◎:印刷ムラがない
○:印刷ムラがわずかに発生したが、実使用可能
△:印刷ムラが多少発生し、印刷適性に多少劣るが、実使用可能
×:印刷ムラが多数発生したため、実使用不可能
2 母材
2a 母材の下面
2b 母材のランド面
2c すくい面
3 表面硬化部
3a 表面硬化部の上面
3b 表面硬化部のランド面
4 ベベル面
4a 先端部
4b 第一屈曲部
4c 第二屈曲部
4d 第一傾斜部
4e 第二傾斜部
S1 先端部から第一屈曲部までの長さ
S2 第一屈曲部から最終屈曲部までの長さの合計
11 バッキングロール
12 紙基材
13 塗工液
14 塗工面
15 液溜まり
Claims (3)
- ブレードコーターを用いて、顔料と接着剤とを含む塗工液を紙基材表面に塗工する印刷用塗工紙の製造方法であって、
前記ブレードコーターのドクターブレードは、母材のすくい面側の先端部近傍を覆うように表面硬化部が設けられ、
前記すくい面側の表面硬化部には、2箇所以上の屈曲部が設けられ、
前記すくい面の先端部から、前記すくい面の先端部に最も近い第一屈曲部までのドクターブレードの幅方向に直交する方向の長さ(S1)が20μm以上250μm以下であり、
前記第一屈曲部から、前記すくい面先端部から最も遠い最終屈曲部までのドクターブレードの幅方向に直交する方向の長さの合計(S2)が300μm以上550μm以下であり、
前記(S1)よりも(S2)が短く、
前記塗工液の濃度が68%超であり、1200m/分以上の塗工速度で塗工することを特徴とする印刷用塗工紙の製造方法。 - 前記塗工液が、顔料中に炭酸カルシウムを80質量%以上含み、接着剤としてラテックスを含む、請求項1に記載の印刷用塗工紙の製造方法。
- 前記塗工液が、接着剤としてさらにヒドロキシエチルデンプンを含む、請求項2に記載の印刷用塗工紙の製造方法。
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