JP4823643B2 - 玉縁縫いミシン - Google Patents

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Description

本発明は、玉縁縫いミシンに関し、特に、布地にV字の切れ目を形成するコーナーメス装置を具備する玉縁縫いミシンに関する。
従来から、互いのメス(刃)の背を合わせて略V字状に配置された一対のコーナーメスを前後に有し、各コーナーメスを上下に移動させることで、センターメスによって形成された直線状の切れ目の両端に略V字状の切れ目(コーナー切れ目)を形成するコーナーメス装置を具備する玉縁縫いミシンが知られている。
上記コーナーメス装置においては、上方に向かって鋭角に傾斜した刃部を有するコーナーメスが上下に移動され、布地の下方から上方にメスが突き上げられてコーナー切れ目が形成される。そして、かかるコーナーメスの上昇量を調節することで、コーナー切れ目の切断長さを調節する構成としたコーナーメス装置を具備する玉縁縫いミシンが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、上記コーナー切れ目の切断長さを調節するために、切断方向に対するメスの保持角度(倒れ角度)を調節し、布地に対するメスの刃部の進入角度を適宜調節可能とすることで切断長さを調節する玉縁縫いミシンも知られている(例えば、特許文献2参照)。
特公2871207号公報 特開2000−254370号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されるコーナーメス装置を具備する玉縁縫いミシンの場合、設定されたコーナー切れ目の切断長さによっては当該メスの先端側のみが切断に使用されることとなる。すなわちコーナーメスの部分使用により該コーナーメスに偏磨耗が生じ、切断長さの精度が悪化する恐れがあるという問題があった。
また、上記特許文献2に開示されるコーナーメスを具備する玉縁縫いミシンでは、コーナー切れ目の切断長さの変更に伴い布地に対するコーナーメス先端の突入角度が鈍化するため、切断長さが長い場合には、切れ味が悪いという問題があった。
本発明は、コーナー切れ目の切断長さを良好に調節することができる玉縁縫いミシンを提供することをその目的とする。
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、身生地及び玉布に形成された直線切れ目の端部に、上昇方向に対して鋭角に傾斜する一対の片刃メスからなるコーナーメスによりコーナー切れ目を形成するコーナーメス装置を具備する玉縁縫いミシンにおいて、前記コーナーメス装置は、前記コーナー切れ目の長さを設定する長さ設定手段と、前記コーナーメスが上昇する際に、前記設定された長さのコーナー切れ目が形成されるように前記片刃メスを上昇移動させながら前記コーナー切れ目の形成方向に水平移動させるコーナーメス移動手段とを有する切れ目長さ調節機構を備えることを特徴とする玉縁縫いミシンである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の玉縁縫いミシンにおいて、前記長さ設定手段は、設定される切れ目の長さに応じて位置調節されるカム部材であり、前記コーナーメス移動手段は、前記カム部材に対して下方から当接するカム従節部を有し、上部に前記コーナーメスを保持する上下動部材と、前記上下動部材に連結され前記コーナーメスを上昇させるアクチュエータと、前記上下動部材を上下動方向及び前記水平方向に移動するように案内する案内部材とを備え、前記カム従節部は、前記コーナーメスが上昇する際に前記コーナーメスの切れ目形成方向に反力を受ける傾斜部を有することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の玉縁縫いミシンにおいて、前記コーナー切れ目の長さを入力する長さ入力手段と、前記長さ入力手段の入力に基づいて前記カム部材を移動する駆動手段を備えることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の玉縁縫いミシンにおいて、前記コーナーメスの先端が少なくとも前記身生地及び玉布を貫通するまで、所定距離上昇してから前記コーナーメスが前記水平方向に移動するように、前記カム部材と前記傾斜部との当接開始位置が設定されていることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、玉縁縫いミシンは、切れ目長さ調節機構を備えているため、コーナー切れ目形成の際にはコーナーメスがコーナーメス移動手段によって上昇移動されながらコーナー切れ目の形成方向に向かって水平移動される。そして、長さ設定手段により設定された長さのコーナー切れ目が形成される。すなわち、上昇方向に対して鋭角に傾斜する刃部を有するコーナーメスは、長さ設定手段により設定されるコーナー切れ目の長さによらず、上昇移動の際に身生地及び玉布に対する刃部の傾斜角が変更されることなく移動されて切れ目が形成される。従って、身生地及び玉布への突入時において、切れ目長さに応じてコーナーメスを傾斜させる従来の玉縁縫いミシンに比べ、当該突入時における切れ味を切れ目長さにかかわらず一定に保つことができる。
また、コーナーメスは、コーナーメス移動手段によって上昇移動されながら、長さ設定手段で設定されたコーナー切れ目の長さに応じてそのコーナー切れ目の形成方向に水平移動される。従って、コーナー切れ目の形成方向に対するコーナーメスの切れ目形成速度を向上することができ、切れ味を向上することができる。
さらに、上述したように、コーナー切れ目の形成方向すなわち水平方向に対してコーナーメスを移動可能とし、該コーナーメスの水平方向への移動量を調節することでコーナー切れ目の長さを設定可能な構成としたことにより、コーナーメスの上昇移動量を考慮することなくコーナー切れ目の長さを調節することができる。従って、コーナー切れ目の長さによらず、コーナーメスの刃部の全体を使っても切断を行うことが可能となる。これにより、コーナーメスの先端部のみで切断を行っていた従来の玉縁縫いミシンに比べ、当該コーナーメスの部分使用による偏磨耗を防止することができ、コーナー切れ目形成動作の正確性(精度)を維持することができる。
請求項2記載の発明によれば、アクチュエータの駆動により上下動部材及び該上下動部材の上部に保持されたコーナーメスが上昇される。また、上下動部材は、案内部材により上下動方向及び水平方向に対して移動するように案内される。そして、上下動部材に設けられたカム従節部の傾斜部がカム部材に対して下方から当接されると、該カム従節部を有する上下動部材にはコーナー切れ目の形成方向に向かう反力が作用して、上下動部材及びコーナーメスがその切断方向に移動して切断することが可能となる。
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明と同様の効果を得ることができる他、さらに、玉縁縫いミシンは、長さ設定手段と駆動手段とを備えており、長さ入力手段の入力に基づき長さ設定手段としてのカム部材が移動される。これにより、カム部材と該カム部材に対して下方から当接されるカム従節部との当接位置が変更されるため、カム従節部を有する上下動部材の水平方向に対する移動量が変更される。従って、上下動部材の上部に保持されたコーナーメスの水平方向に対する移動量が変更されることとなる。つまり、長さ入力手段からの入力により、所望のコーナー切れ目長さを設定することが可能となる。
請求項4記載の発明によれば、コーナーメスの先端は、少なくとも身生地及び玉布を貫通するまで所定距離上昇してから水平方向に移動される。従って、例えば、身生地及び玉布が厚い場合であっても、当該身生地及び玉布の上面及び下面における切断長さが異なるすなわち正確な長さのコーナー切れ目が形成されないという不具合を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を図1から図13に基づき詳しく説明する。
本実施形態では、ミシンとして身生地に玉布(玉縁布)を縫着する玉縁縫いミシンを例に説明する。
ここで、以下の説明において、布送り方向をX軸方向(前後方向)とし、X軸方向と直交する上下動方向をZ軸方向(上下方向)とし、X軸方向及びZ軸方向の両方に直交する方向をY軸方向(左右方向)と定義する。
(ミシンの全体構成)
本実施形態たる玉縁縫いミシン(以下、単にミシンとする)は、二本針(図示省略)を備え、略平行な二本の縫い目を形成しながら布送り方向の下流側に搬送される被縫製物である身生地及び玉布(以下、両者を併せて単に布地という)に、例えば、被服のポケットなどを形成するための直線状の切れ目(図13参照)を形成する図示しないセンターメス装置と、その直線状の切れ目の両端部に略V字状のコーナー切れ目V(図13参照)を形成するコーナーメス装置1とを備えている。また、ミシンは、無線又は有線により所定の指令信号の送受信を行う図示しない操作パネルを備えている。
なお、ミシンは、上記構成以外にも、例えば、針を上下に駆動する針上下動機構や、送り方向の下流側に向かって布地を搬送する送り機構、玉縁布を所定の形状に折り返した状態に維持するためのバインダー等、玉縁縫いを行うための一般的な種々の機構を備えているが、これら各機構及び上記センターメス装置については従来周知の構成と同様であるため、本実施形態では図示及び説明を省略する。
(コーナーメス装置)
コーナーメス装置1は、直線切れ目の端部に略V字状のコーナー切れ目を形成する一対の片刃メス51A,51Bからなるコーナーメス51を有するコーナーメスユニット20と、そのコーナーメスユニット20全体を布送り方向(前後方向)に沿って前後に移動する前後移動機構10とを備えている。
(前後移動機構)
まず、前後移動機構10は、図示しないミシンベッドの下方であって、二本針の針落ち位置よりも布送り方向下流側に配置されている。
かかる前後移動機構10は、図1に示すように、後述するコーナーメスユニット20の土台30を前後移動可能に支持する2軸シャフト12と、該2軸シャフト12の前後両端を支持するフレーム11と、該フレーム11に取り付けられ、2軸シャフト12の長手方向に沿って土台30を前後に駆動する駆動源としての前後移動モータ13と、該前後移動モータ13の駆動力を土台30に伝達するベルト14と、を備えている。
フレーム11は、図1に示すように、その概略形状が略コ字状に形成された保持枠体であり、その長手方向が当該ミシンに設けられた図示しない送り機構による布地の搬送方向(以下、布送り方向とする)すなわちX軸方向に沿って配置されている。
2軸シャフト12は、上記フレーム11同様、その長手方向が共にX軸方向に沿うように上下に並んで平行に配置されており、前後両端がいずれもフレーム11に固定されている。この2軸シャフト12は、後述するコーナーメスユニット20の土台30に設けられた上下二つの貫通穴30d,30e(図4参照)にそれぞれ摺動自在に挿通されている。
前後移動モータ13は、その回転量が制御可能なパルスモータであって、上記フレーム11の一端(前端)側において出力軸がY軸方向と平行となるように取り付けられている。そして、後述するベルト14を介して駆動力を伝達することで、前後方向に沿う所定の位置に土台30を移動又は停止することが可能となっている。
ベルト14は、前後移動モータ13の出力軸に固定された駆動側スプロケット15と、フレーム11の他端(後端)側に設けられた従動側スプロケット16とに掛け渡されるとともに、連結部材を介して土台30と連結されている。
そして、前後移動モータ13の駆動により駆動側スプロケット15が回転すると、ベルト14が回転し、当該ベルト14に連結された土台30が前後に移動する。これにより、上記土台30に支持されている各メスユニットA、Bが、所定のタイミング、所定の移動距離で前後自在に移動される構成となっている。
また、当該前後移動機構10は、上記構成によりフレーム11及び2軸シャフト12を介して当該ミシンに対する後述するコーナーメスユニット20全体の前後方向の位置決めを行う。
(コーナーメスユニット)
次に、本実施形態におけるコーナーメスユニット20について詳しく説明する。
図2及び図3に示すように、コーナーメスユニット20は、略V字状のコーナー切れ目Vの長さを調節する切れ目長さ調節機構40と、該V字状の切れ目の開き量を調節する開き量調節機構50と、これら切れ目長さ調節機構40及び開き量調節機構50全体を支持する土台30とを備えている。
(土台)
土台30は、図1及び図2に示すように、Z軸方向に沿って配置され、上下の貫通穴30d,30eを介して上述した前後移動機構10の2軸シャフト12に摺動自在に挿通されたスライド部30aと、該スライド部30aの上端近傍及び下端近傍からそれぞれ同じY軸方向に向かって水平に延出された上アーム部30b及び下アーム部30cとを有する。
スライド部30aは、X軸方向に沿って形成された上下二つの貫通穴30d,30eが、上述した2軸シャフト12にそれぞれ摺動自在に挿通されることで、該2軸シャフト12の前端から後端に渡って前後に移動自在となっている。
ここで、本実施形態におけるコーナーメスユニット20は、当該土台30を介して上述した前後移動機構10により前後に移動され、図示しないセンターメス装置によって形成されたX軸方向に沿う直線状の切れ目(以下、センター切れ目という)の端部に対して正確に位置合わせを行うことが可能となっている。つまり、例えば、縫製条件によって異なる種々のポケット巾に対応して、センター切れ目の端部に合わせて正確に略V字状のコーナー切れ目Vを形成するものである。
上アーム部30b及び下アーム部30cの先端には、それぞれZ軸方向に沿う同軸上の貫通穴が形成されている。
(開き量調節機構)
次に、図2乃至図6に基づき、開き量調節機構50について説明する。
ここで、まず片刃メス51A、51Bについて説明する。
片刃メス51A,51Bは、上端が先鋭に形成され、当該先端から下向きに形成された切刃部SA(SB)と、先端からZ軸方向に沿って形成された、研がれていない背部とを有している(図6参照)。
開き量調節機構50は、互いの刃の背部を合わせて配置された二つの片刃メス51A,51Bの互いの開き量、すなわちコーナー切れ目Vの角度を所望の角度に調節する機能を有する。
かかる開き量調節機構50は、その長手方向が上下方向に沿うように上記土台30に支持された支点軸58と、その支点軸58を中心に旋回可能に支持されると共に、各片刃メス51A,51Bをそれぞれ保持する旋回板52A,52Bと、各旋回板52A,52Bをそれぞれ上記支点軸58を中心に旋回させる駆動源となる二つの旋回モータ53A,53Bと、を備えている。
支点軸58は、その上下において上記土台30の上アーム部30b及び下アーム部30cの貫通穴に設けられた図示しないメタルにより回動自在に支持されている。
支点軸58の下端には従プーリ56Bがねじ止め固定されている。従プーリ56Bは、ベルト55Bを介して主プーリ54Bと連結されており、主プーリ54Bには旋回モータ53Bの出力軸が連結されている。
支点軸58の上端には従プーリ56Aが回動自在に嵌合されている(図5参照)。従プーリ56Aは、ベルト55A、主プーリ54Aを介して旋回モータ53Aの出力軸に連結されている。また、上アーム部30bの上方であって、前述した従プーリ56Aの下方側となる支点軸58の上端近傍には、旋回モータ53Aを支持するモータ土台57Aが固定されている。
また、支点軸58の略中央部すなわち土台30の上アーム部30bと下アーム部30cとの間に露出されている支点軸58には、旋回板52Bの下端が固定連結されると共に、旋回板52Aの下端が回動自在に連結されている。
旋回モータ53Aは、モータ土台57Aを介して支点軸58に固定されている。そして、旋回モータ53Aが駆動されると、支点軸58の上端に回動自在に隙間嵌合された従プーリ56A及び旋回板52Aが当該支点軸58に対してその軸中心を中心に回動されるようになっている。
旋回モータ53Bは、その出力軸がZ軸方向に沿うようにモータ土台57Bを介して上記土台30の下部に固定されている。そして、旋回モータ53Bが駆動されると、主プーリ54B,ベルト55B及び従プーリ56Bを介して支点軸58が回動されるようになっている。
上記旋回モータ53A、旋回モータ53Bは、何れもパルスモータであり、その正逆方向の回動量が自在に制御可能となっている。
旋回板52Aは、図4、図7及び図9に示すように、Z軸方向に長尺な略長方形状の板材であって、その一側の端縁の上端近傍及び下端近傍には、当該旋回板52Aの端縁から延出されると共にZ軸方向に貫通された貫通穴を有する筒状部G1,G2がそれぞれ形成されている。また、該旋回板52Aの下端近傍であって上記筒状部とは逆側の端縁には後述する上下モータ64Aを取り付けるための取り付け部60Aが形成されている。そして、当該旋回板52Aは、下端側の筒状部G2において支点軸58の略中央部に回動自在に連結されると共に、上端側の筒状部G1において従プーリ56Aの凸部Tに締結固定されている。これにより、旋回モータ53Aが駆動された際には従プーリ56Aとともに当該旋回板52Aが支点軸58を中心に回動される。
さらに、旋回板52Aの一側面の上部には、上下に延設された縦レール61Aを介して後述するコーナーメス上下動機構41のLMガイド62Aが上下にスライド移動自在に設けられている。
また、旋回板52Aのほぼ中央部には、上下方向に長尺な長穴部65Aが形成されており、該長穴部65Aの上下方向に沿う端縁であって、上記LMガイド62Aと逆側の面には後述する切れ巾調節機構42のカムコロギアプレート67Aを上下に案内するガイド部66Aが形成されている(図3及び図10参照)。
旋回板52Bは、上記旋回板52Aと同様に構成されており、支点軸58を中心に配置される旋回板52Aとは面対称に構成されている(図2、図3、及び図8参照)。かかる旋回板52Bは、その下端側の筒状部において支点軸58に固定されると共に、その上端側の筒状部が従プーリ56Aの凸部Tに回動自在に嵌合されている。このため、旋回モータ53Bが駆動されると、従プーリ56B及び支点軸58とともに旋回板52Bが当該支点軸58を中心に回動されることとなる。
つまり、本実施形態におけるコーナーメス装置1の開き量調節機構50では、旋回モータ53Aを駆動することで旋回板52Bを基準にして旋回板52Aが支点軸58を中心に回動され、旋回板52A,52B間の角度が自在に変更される。また、旋回モータ53Bを駆動することで旋回板52Bが支点軸58を中心に当該支点軸58と共に旋回される。
従って、旋回モータ53Bの出力軸を所定の回転角度に保持しておき、旋回モータ53Aのみを駆動した場合には、支点軸58及び旋回板52Bは旋回せずに旋回板52Aのみが支点軸58を中心に回動される。また、旋回モータ53Aの出力軸を所定の回転角度に保持しておき、旋回モータ53Bのみを駆動した場合には旋回板52A及び旋回板52Bは、両者間の角度が変更されることなく支点軸58を中心に一体的に水平旋回される。さらに、旋回モータ53Aと旋回モータ53Bとを共に駆動した場合には旋回板52A,52Bが共に旋回されつつ両者間の相対的な角度が変更される。
これにより、各旋回板52A,52Bに支持されている片刃メス51A,51Bのなす角度すなわちコーナー切れ目Vの角度及びコーナー切れ目Vの形成位置を自在に調節することができるようになっている。
また、上記構成により、本実施形態における開き量調節機構50では旋回モータ53Bを駆動して旋回板52A,52Bを(布送り方向に沿って)少なくとも180度以上旋回することが可能となっている。
(切れ目長さ調節機構:全体)
次に、各片刃メス51A,51Bによって形成されるコーナー切れ目Vの長さを調節するための切れ目長さ調節機構40について詳しく説明する。かかる切れ目長さ調節機構40は、各片刃メス51A,51Bをそれぞれ支持及び駆動するメスユニット70A及びメスユニット70Bが互いに面対称に配置された構成を採っているため、片刃メス51Aを有するメスユニット70Aについて説明を行うこととする。従って、特に説明する場合を除き、メスユニット70Bについても同様の構成である。
切れ目長さ調節機構40は、片刃メス51A(51B)を上下方向に移動するコーナーメス上下動機構41と、同じく水平方向すなわちコーナー切れ目の形成方向に片刃メス51A(51B)移動させて切れ目の長さを決定する切れ巾調節機構42とを備えている(図9参照)。
(切れ目長さ調節機構:コーナーメス上下動機構)
コーナーメス上下動機構41は、片刃メス51A(51B)を支持する上下動部材としてのメス台70A(70B)と、旋回板52A(52B)の平面に沿って上下方向及びこれと直交する方向に沿ってメス台70A(70B)を滑動可能とするLMガイド62A(62B)と、メス台70A(70B)を駆動するアクチュエータとしてのシリンダ72A(72B)とを備えている。
LMガイド62A(62B)は、旋回板52A(52B)の上部に取り付けられた縦レール61A(61B)と、該縦レール61A(61B)に沿って上下にスライド移動自在なスライダ62a(62b)と、スライダ62a(62b)に対して旋回板52A(52Bの平面に沿って縦レール61A(61B)と垂直な方向に移動可能な横レール63A(63B)とを備えている。
メス台70A(70B)には、メス台70A(70B)のネジ穴73A(73B)を貫通して横レール63A(63B)のネジ穴63a(63b)に挿通される複数のネジ(図示省略)を介して、上述した横レール63A(63B)が取り付けられており、当該メス台70A(70B)は、この横レール63A(63B)を介して上記LMガイド62A(62B)のスライダ62a(62b)に対し水平方向にスライド移動自在に支持されている。すなわち、当該メス台70A(70B)は、上記旋回板52A(52B)に対し、縦レール61A(61B)、スライダ62a(62b)及び横レール63A(63B)を介して上下方向及び水平方向にスライド移動自在に支持されているものである。
なお、横レール63A(63B)は、上述のように、メス台70A(70B)に保持されているが、図4、図7及び図8においては、理解を容易にするためメス台70A(70B)を省略している。
シリンダ72A(72B)は、その下端が旋回板52A(52B)の下端に設けられたシリンダ台76A(76B)に軸を介して回動自在に支持されており、その軸を中心にして揺動自在に設けられている(図3,図9参照)。
また、シリンダ72A(72B)から突出される駆動部の先端は、球面ジョイント77A(77B)及びジョイントピン78A(78B)を介してメス台70A(70B)と回動自在に連結されている。
そして、シリンダ72A及び72Bの駆動によりメス台70A,70Bが上下に移動されると、メス台70A,70Bに取り付けられた片刃メス51A,51Bが上下に移動され、ミシンテーブル上を搬送されて来る布地にコーナー切れ目Vが形成される。
本実施形態におけるコーナーメス上下動機構41では、シリンダ72A,72Bの駆動により、該シリンダ72A,72Bの可動範囲の全域にわたって片刃メス51A,51Bが移動される。つまり、コーナーメス52は、切断時には、常にほぼ一定のストロークで上下動を行うことになる。すなわち、上記片刃メス51A,51Bは、その刃部の先端から基端部までの全域を使ってコーナー切れ目Vを形成する構成となっている。
(切れ巾調節機構)
切れ巾調節機構42は、上記メス台70A(70B)の水平方向への移動量を決定する案内部材としてのカムコロ80A(80B)と、メス台70A(70B)に一体的に設けられカムコロ80A(80B)に係合するカム従節部としての案内部81A(81B)と、案内部をカムコロ80A(80B)に当接させた状態を維持させる板ばね82A(82B)と、そのカムコロ80A(80B)の高さすなわち上下位置を調節する駆動手段としての上下モータ64A(64B)と、該上下モータ64A(64B)の駆動力をカムコロ80A(80B)に伝達するカムコロギアプレート67A(67B)とを備えている。
カムコロ80A(80B)は、本発明におけるカム部材であり、上記長穴部65A(65B)のメス台70A(70B)側の開口部近傍に配置されている(図9参照)。かかるカムコロ80A(80B)は、長穴部65A(65B)を介して後述するカムコロギアプレート67A(67B)の上端部と回動自在に連結されており、該長穴部65A(65B)に沿って上下に移動自在に設けられている。
案内部81A(81B)は、カムコロ80Aと係合する係合面Pa(Pb)を有する係合部K(L)と、当該係合部K(L)に重ねて形成される補強部C(D)とが一体形成されており、係合部K(L)は、形成されるメス台70A(70B)の垂直移動を案内する直線部74A(74B)と、この直線部74A(74B)の下方に設けられメス台70A(70B)の水平移動を案内する傾斜部75A(75B)とから形成されている。
このカムコロ80A(80B)には、上記板ばね82A(82B)の付勢力により支点軸58側に付勢されている上述したメス台70A(70B)の下部をなす案内部81A(81B)の支持軸58側の端縁が当接されている。すなわち、カムコロ80A(80B)は、案内部81A(81B)の水平方向移動(特に、支持軸58側に向かう移動)を規制しており、上記メス台70A(70B)の案内部81A(81B)は当該カムコロ80A(80B)に沿って上下に移動するようになっている。
カムコロギアプレート67A(67B)は、旋回板52A(52B)を挟んでカムコロ80A(80B)とは反対側の面に沿って配置されている(図10参照)。かかるカムコロギアプレート67A(67B)の下部には上下方向に沿って長穴が形成されており、該長穴に挿通されたねじにより旋回板52A(52B)に対して上下スライド移動自在に設けられている。また、該カムコロギアプレート67A(67B)の中央部は上述したガイド部66A(66B)に嵌合されており、その移動方向が上下方向に規制されている。また、カムコロギアプレート67A(67B)の一端縁には、後述する上下ギア64a(64b)と歯合するギア部が形成されている。
上下モータ64A(64B)は、その出力軸がカムコロギアプレート67A(67B)側に突出する向きで、上述した旋回板52A(52B)の取り付け部60A(60B)に取り付けられている。かかる上下モータ64A(64B)としてもパルスモータが採用されており、その回動量及び駆動のタイミングが制御可能となっている。
また、この上下モータ64A(64B)の出力軸には上下ギア64a(64b)が取り付られており、上述したカムコロギアプレート67A(67B)のギア部と歯合されている。従って、当該上下モータ64A(B)を駆動することで上記カムコロギアプレート67A(67B)に連結されたカムコロ80A(80B)の高さを所望の高さに設定調節可能な構成となっている。
そして、シリンダ72A(72B)の駆動によりカムコロ80A(80B)に沿って上方に移動したメス台70A(70B)は、その案内部81A(81B)の下端の傾斜部75A(75B)が当該上昇移動中にカムコロ80A(80B)に当接されると、支点軸58から遠ざかる方向、すなわち、片刃メス51A(51B)の刃部が向けられている切れ目形成方向に向かって押し出される構成となっている。
かかる上下モータ64A(64B)の駆動量と、対応するカムコロ80A(80B)の高さ或いは対応するメス台70A(70B)の水平方向への移動量すなわち切れ目形成方向への移動量は、予め試験的に求められ、これらのテーブルが図示しない制御部の記憶手段に格納されている。
本実施形態では、上述した片刃メス51A(51B)の先端が、少なくとも布地を貫通するまでの所定距離を垂直に上昇した後に、上記傾斜部75A(75B)とカムコロ80A(80B)とが当接を開始するように、上記長穴部65A(65B)の形成位置が設定されている。所定距離とは、本玉縁縫いミシンで縫製される布地に対し、片刃メス51A(51B)が布地の上面まで貫通するのに十分な距離をいう。
なお、上述の通り、メスユニットBについてもメスユニットAと同様の構成が採られている。
(操作パネル)
図示しない操作パネルは、液晶表示器とその表示画面上に設けられたタッチパネルとを備えて構成されており、液晶表示器に表示される操作キー群をタッチ操作することにより、例えば、電磁誘導式、磁気歪式、感圧式等の位置読み取り原理で、タッチパネルがタッチ指示された位置を検出し、検出した位置に応じて、液晶表示器の表示エリアに各種データ(縫製データ、針落ち点データ)や縫い目形状等を表示したり、ミシンに所定の動作を実行させたりするようになっている。また、操作パネルに対し所定の操作入力を行うことにより、操作パネルの液晶表示器における表示が様々に切り替わり、各種設定操作や各種入力操作、各種ミシン動作に応じた様々な操作キー群や様々な表示画面が表示されるようになっている。
さらに、本実施形態における操作パネルには、上述したコーナー切れ目Vの角度、形成位置及びその長さを設定入力する設定入力キーが設けられている。
すなわち、この設定入力キーからの入力によって設定されたコーナー切れ目長さ、コーナー切れ目Vの角度及び該コーナー切れ目Vの形成位置(図13参照)と、予め記憶手段に記憶されている上述した種々のテーブルとに基づき、その設定値にそれぞれ対応する前後移動モータ13、旋回モータ53A,53B及び上下モータ64A,Bの駆動量が算出され、当該各モータを駆動する制御が実行される。
このように、本実施形態における操作パネルは、当該ミシンにおける入力部や表示部としての機能を有すると共に、片刃メス51A,51Bによる切れ目長さの設定を行う長さ設定手段としての機能を備えている。
(回転系の動作説明)
次に、本実施形態たるミシンにおいて、各片刃メス51A,51Bの開き量すなわちコーナー切れ目Vの角度を調節する動作について詳しく説明する。
まず、旋回モータ53Bのみが駆動された場合、主プーリ54B、ベルト55B、従プーリ56Bを介して支点軸58に回動力が伝達される。これにより、支点軸58及び当該支点軸58に固定された旋回板52Bが当該支点軸58を中心に水平旋回される。すなわち、旋回モータ53Bのみが駆動された場合には、旋回板52A,52Bは、両者間の角度が変更されることなく支点軸58を中心に一体的に旋回される。またその際、モータ土台57Aを介して当該支点軸58に固定されている旋回モータ53Aは、制御部の制御により出力軸の回転角度が保持されつつ、これら旋回板52A,52B及び支点軸58と共に旋回される。
次に、旋回モータ53Aのみが駆動された場合、主プーリ54A、ベルト55A及び従プーリ56Aを介して旋回板52Aに回動力が伝達される。ここで、当該旋回モータ53Aは、モータ土台57A及び支点軸58を介して旋回板52Bと一体回転する構成であるため、当該旋回モータ53Aの駆動によっては旋回板52Bには旋回力が生じない。つまり、この場合、旋回モータ53Bは、その出力軸の角度が制御部の制御により保持されており、旋回板52Bを基準として旋回板52Aのみが旋回されるととなり、旋回板52A,52B間のなす角度が変更される。すなわち、当該旋回板52A,52Bにそれぞれ保持される片刃メス51A,51B間の角度が変更されることとなる。従って、旋回モータ53Aのみを駆動することで、片刃メス51Bの位置は変更することなくコーナー切れ目Vの角度を所望の角度に調節することが可能となる。
そして、旋回モータ53A,53Bが共に駆動された場合、上記の動作が連動することで、支点軸58を中心として旋回モータ53A(53B)の配置により許容される範囲で、あらゆる方向に任意の角度のコーナー切れ目Vが形成される。
本実施形態におけるコーナーメス装置1では、支点軸58を中心に旋回板52A,52B(メスユニットA,B)が180度以上旋回される。このため、当該コーナーメスユニット20を一基備えるのみであるにもかかわらず、図示しないセンターメスによって形成された直線状のセンター切れ目の布送り方向上流側の端部には、当該上流側に広がるV字状のコーナー切れ目Vが、また、下流側の端部には当該下流側に広がるV字状のコーナー切れ目Vがそれぞれ形成される。
つまり、上述したメスユニットA,Bが有する旋回機能により、従来であれば二組のコーナーメスユニット20を用いて行われていたコーナー切れ目Vの形成動作が、一組のコーナーメスユニット20のみで実現される。
また、旋回モータ53Bにより、旋回板52A(52B)を一体的に且つ同一方向に180度以上旋回可能な構成としたことにより、良好なV字を形成することが可能となる。すなわち、例えば、2組のコーナー切れ目Vを形成する場合に、旋回板52Aを時計周り方向、旋回板52Bを反時計周り方向に旋回させてそれぞれのコーナー切れ目Vを形成すると、片刃メス51A(51B)の切刃部SA(SB)の断面が片刃の場合には何れか一方のコーナー切れ目Vを形成する際に切刃部SAとSBとの接点に隙間が生じることとなるが、本実施形態によるコーナーメス装置1によれば、逆V字状のコーナー切れ目Vを形成する場合であってもその接点を合致させることができる。
(上下及び水平方向の動作説明)
次に、各片刃メス51A,51Bの上下方向の移動動作について詳しく説明する。
図示しない操作パネルから設定入力キーが操作されると、当該操作パネルから入力した各片刃メス51A,51Bによるコーナー切れ目長さの設定入力値と記憶手段に記憶されているテーブルとに基づき、その設定入力値に対応する適切な上下モータ64A(64B)の駆動量が演算される。すなわち、本実施形態において、操作パネルはコーナー切れ目Vの長さを設定する長さ設定手段として機能する。
次に、上下モータ64A(64B)が駆動され、上下ギアA(B)からカムコロギアプレート67A(67B)に動力が伝達され、所定の高さにカムコロ80A(80B)が配置される。
そして、図示しない制御部からシリンダ72A(72B)を駆動する信号が電磁弁に送信され、シリンダ72A(72B)が伸縮動作を行う。かかるシリンダ72A(72B)の伸縮により、該シリンダ72A(72B)の駆動部と連結されたメス台70A(70B)が昇降移動される。
ここで、メス台70A(70B)は、LMガイド62A(62B)により、旋回板52A(52B)に対して上昇又は下降する方向にスライド移動される。
本実施形態では、メス台70A(70B)の上下動の駆動源としてシリンダ(エアシリンダ)72A(72B)を採用しており、当該シリンダ72A(72B)の可動範囲の全範囲すなわち全ストロークがメス台70A(70B)の上下動に作用する。換言すれば、本実施形態における片刃メス51A(51B)は、その刃部の全域で布地の切断を行うものである。
また、メス台70A(70B)は、板ばね82A(82B)の付勢力により、当該メス台70A(70B)の下部をなす案内部81A(81B)が常時、支点軸58側に付勢された状態となっている。このため、当該メス台70A(70B)は、案内部81A(81B)の一端がカムコロ80A(80B)に沿うように上昇移動される。
従って、メス台70A(70B)は、案内部81A(81B)の直線部74A(74B)がカムコロ80A(80B)に当接されている間は、ほぼ垂直に上昇移動される。
ここで、本実施形態では、かかる垂直上昇の際に片刃メス51A(51B)の先端が布地に突入するため、布地に対する片刃メス51A(51B)の突入角度は常に最適な角度に維持されることとなる(図11及び図12参照)。
次に、各片刃メス51A,51Bを水平方向に移動するカム系の動作について詳しく説明する。
本実施形態における傾斜部75A(75B)は、その下端が支点軸58側すなわちカムコロ80A(80B)側に折曲されているため、メス台70A(70B)が所定の高さまで上昇すると案内部81A(81B)の下端すなわち傾斜部75A(75B)がカムコロ80A(80B)に当接される。さらにメス台70A(70B)が上昇すると、カムコロ80A(80B)に当接された傾斜部75A(75B)は、当該カムコロ80A(80B)によって支点軸58から離隔する方向に反力を受けて押し出される。そして、かかる反力により、シリンダ72A(72B)がシリンダ台76A(76B)の軸を中心に揺動し、メス台70A(70B)は横レール63A(63B)に沿って略水平方向に移動される。従って、該メス台70A(70B)に固定されている片刃メス51A(51B)は、上昇移動しつつその切刃部SA(SB)が向けられている切れ目形成方向に水平移動されることとなる。
つまり、本実施形態におけるコーナーメス装置1によれば、片刃メス51A(51B)は、垂直に上昇された後に水平方向の移動成分が加わって切れ目形成方向に移動される。そして、カムコロ80A(80B)は、上述したコーナー切れ目長さの設定入力値に基づいて上下動モータ64A(64B)の駆動によるカムコロ80A(80B)の上下位置が設定変更され、メス台70A(70B)の上昇過程における傾斜部75Aに対するカムコロ80A(80B)の当接位置が変更される。そのため、メス台70A(70B)、すなわち、片刃メス51A(51B)の上昇過程における水平移動の開始位置が変更されることになり、その結果として、コーナー切れ目Vの長さを所望の値に変更することができる。すなわち、当該片刃メス51A(51B)は、布地に突入する際には常に垂直の姿勢を維持した状態で突入され、その後水平方向に移動されることで操作パネルから設定入力された所望の長さのコーナー切れ目Vを形成するものである。このため、形成するコーナー切れ目Vの長さによらず、布地に対して常に垂直に突入して切断するため、良好な切れ味が確保される。
また、本実施形態では、片刃メス51A(51B)のメス巾自体が最小切断長さとなり、その最小切断長さと、設定されたコーナー切れ目長さとの差がカムコロ80A(80B)及び傾斜部75A(75B)による片刃メス51A(51B)の水平移動距離となる。
以上のように、本実施形態たるミシンによれば、コーナー切れ目Vの角度及び切れ目の長さを自在に調節することが可能となる。
また、片刃メス51A,51Bの刃長全体を切れ目Vの形成に使用することができることにより、該片刃メス51A,51Bの部分使用による部分磨耗(部分劣化)を防止することができる。これにより当該コーナーメス装置1の精度を良好に維持することができる。
また、片刃メス51A,51Bの布への突入角度を一定に保つことができるため、布地に突入する際の当該片刃メス51A,51Bの切れ味を良好に維持することができる。
さらに、片刃メス51A、51Bを切れ目形成方向に移動可能な構成としたことにより、切れ目形成方向への速度を増加させることができ、サイクルタイムの短縮及び、切れ味の向上を図ることができる。
また、各片刃メス51A,51Bの先端が少なくとも身生地及び玉布の両者を貫通するまで所定距離だけ垂直に上昇させた後に水平方向へ移動可能な構成としたことにより、例えば、布地(身生地及び玉布)が厚い場合であっても、当該布地の上面と下面とで切断長さが異なり、正確な長さのコーナー切れ目Vが形成されないという不具合を防止することができる。
また、コーナー切れ目Vの長さを設定する長さ設定手段を備えることにより、切れ目長さを変更する場合であっても、巾の異なる片刃メス51A,51Bと交換する必要がなく、作業効率を向上することができる。
また、上下モータ64A,64Bをそれぞれ備えていることにより、略V字状に形成されるコーナー切れ目Vのうち、左右いずれの切れ目の長さもそれぞれ別々に、且つ、容易に設定することが可能となる。
また、旋回板52A,52Bは、旋回モータ53A,53Bにより、土台30に対する取り付け位置が支点軸58を中心に180度旋回することができるため、布送り方向に対してV字が形成される向きを180度転換することができる。これにより、一つのコーナーメスユニット20で、センター切れ目の前後両端に略V字、或いは逆V字状のコーナー切れ目Vを形成することができ、互いに逆向きのV字切れ目を形成する二つのコーナーメスユニット20を備えていた従来のコーナーメス装置1に比べて部品点数を減少することができる。
(その他)
なお、本実施形態では、上下モータ64A(64B)を上下に駆動してカムコロ80A(80B)とメス台70A(70B)の案内部81A(81B)の下端すなわち傾斜部75A(75B)との当接位置(高さ)を変更するとともに、シリンダ72A(72B)で各片刃メス51A,51Bを上下に駆動する構成としているが、片刃メス51A,51Bを縦方向に移動するパルスモータと水平方向に移動するパルスモータとを具備することにより片刃メス51A(51B)を上下及び水平方向に移動する構成としても良い。
また、コーナー切れ目Vの長さを調節する方法として、カムコロ80A,80Bを水平方向すなわち支点軸58に対して離隔する方向に移動する構成としてもよい。
また、カムコロ80A,80Bは、手動でその高さを調節する構成としてもよい。この場合、カムコロ80A(80B)は、設定される切れ目長さに応じて位置調整されるカム部材であり、長さ設定手段として作用する。
また、メス台70A,70Bと連結されているカム従節部としての傾斜部75A,75Bの高さを調節する構成としてもよい。
また、片刃メス51A(51B)は、本実施形態では巾7.5mm、すなわち最小切断長さが7.5mmの片刃メスを用いることとしているが、縫製条件により適宜異なる巾の片刃メスを用いると共に、傾斜部75A(75B)の角度或いは該傾斜部75A(75B)の長さを適宜異なるものとすることで、水平方向の移動距離、すなわち、コーナー切れ目Vの長さ調節範囲を調節することができる。また、本実施形態では、一つのコーナーメス装置1を移動して直線切れ目の各端部にコーナー切れ目Vを形成しているが、同様構成のコーナーメス装置を二つ設けてそれぞれのコーナーメス装置により各端部のコーナー切れ目を形成するようにしてもよい。
また、本実施形態におけるコーナーメス装置1では、布地とコーナーメス51との接点の移動軌跡が外カーブとなり、切断上好ましい。
本実施形態におけるコーナーメス装置の全体構成を示す概略構成図である。 本実施形態に係る玉縁縫いミシンのコーナーメスユニットの概略構成を示す斜視図である。 図2の状態からコーナーメスユニットを180度反転させた状態を示す斜視図である。 本実施形態における開き量調節機構の要部構成を示す正面図である。 本実施形態における支点軸と従プーリとの嵌合状態を示す断面図である。 本実施形態における片刃メスの概略構成を示す正面図である。 本実施形態に係るミシンの要部構成を示す概略図である。 本実施形態に係るミシンの要部構成を示す斜視図である。 本実施形態における切れ幅調節機構の図3に示すF2方向から見た斜視図である。 本実施形態における切れ幅調節機構の図2に示すF1方向から見た斜視図である。 本実施形態におけるコーナーメス装置の動作説明図である。 本実施形態におけるコーナーメス装置の動作説明図である。 本実施形態における玉縁縫いミシンによるコーナー切れ目を示す説明図である。
符号の説明
1 コーナーメス装置
10 前後移動機構
11 フレーム
12 2軸シャフト
13 前後移動モータ
14 ベルト
15 駆動側スプロケット
16 従動側スプロケット
20 コーナーメスユニット
30 土台
30a スライド部
30b 上アーム部
30c 下アーム部
40 切れ目長さ調節機構
41 コーナーメス上下動機構
42 切れ巾調節機構
50 開き量調節機構
51 コーナーメス
51A、51B 片刃メス
52A,52B 旋回板
53A,53B 旋回モータ
54A,54B 主プーリ
55A,55B ベルト
56A,55B 従プーリ
57A,57B モータ土台
58 支点軸
60A,60B 取り付け部
61A,61B 縦レール
62A,62B LMガイド
63A,63B 横レール
63a,63b ネジ穴
64A,64B 上下モータ(駆動手段)
64a,64b 上下ギア
65A,65B 長穴部
66A,66B ガイド
67A,67B カムコロギアプレート(案内部材)
70A,70B メス台(上下動部材)
71A,71B メス保持体
72A,72B シリンダ(アクチュエータ)
73A,73B ネジ穴
74A,74B 直線部
75A,75B 傾斜部(カム従節部)
76A,76B シリンダ台
77A,77B 球面ジョイント
78A,78B ジョイントピン
79A,79B 軸
80A,80B カムコロ
81A,81B 案内部
82A,82B ばね
A,B メスユニット
SA,SB 切刃部
T 凸部
V コーナー切れ目

Claims (4)

  1. 身生地及び玉布に形成された直線切れ目の端部に、上昇方向に対して鋭角に傾斜する一対の片刃メスからなるコーナーメスによりコーナー切れ目を形成するコーナーメス装置を具備する玉縁縫いミシンにおいて、
    前記コーナーメス装置は、前記コーナー切れ目の長さを設定する長さ設定手段と、前記コーナーメスが上昇する際に、前記設定された長さのコーナー切れ目が形成されるように前記片刃メスを上昇移動させながら前記コーナー切れ目の形成方向に水平移動させるコーナーメス移動手段とを有する切れ目長さ調節機構を備えることを特徴とする玉縁縫いミシン。
  2. 前記長さ設定手段は、設定される切れ目の長さに応じて位置調節されるカム部材であり、
    前記コーナーメス移動手段は、
    前記カム部材に対して下方から当接するカム従節部を有し、上部に前記コーナーメスを保持する上下動部材と、
    前記上下動部材に連結され前記コーナーメスを上昇させるアクチュエータと、
    前記上下動部材を上下動方向及び前記水平方向に移動するように案内する案内部材とを備え、
    前記カム従節部は、前記コーナーメスが上昇する際に、前記カム部材の当接により前記コーナー切れ目の形成方向に反力を受ける傾斜部を有することを特徴とする請求項1記載の玉縁縫いミシン。
  3. 前記コーナー切れ目の長さを入力する長さ入力手段と、前記長さ入力手段の入力に基づいて前記カム部材を移動する駆動手段を備えることを特徴とする請求項2記載の玉縁縫いミシン。
  4. 前記コーナーメスの先端が少なくとも前記身生地及び玉布を貫通するまで、所定距離上昇してから前記コーナーメスが前記水平方向に移動するように、前記カム部材と前記傾斜部との当接開始位置が設定されていることを特徴とする請求項2又は3記載の玉縁縫いミシン。
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