JP4823193B2 - 浮遊選鉱排水の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、浮遊選鉱排水の処理方法に関し、特に、塩素バイパスダストを含むスラリーを浮遊選鉱した際に発生する浮遊選鉱排水を無害化する方法に関する。
従来、セメント製造設備におけるプレヒータの閉塞等の問題を引き起こす原因となる塩素、硫黄、アルカリ等の中で、塩素が特に問題となることに着目し、セメントキルンの窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より、燃焼ガスの一部を抽気して塩素を除去する塩素バイパスシステムが用いられている。
この塩素バイパスシステムでは、抽気した燃焼ガスを冷却して生成したダストの微粉側に塩素が偏在しているため、分級機によってダストを粗粉と微粉とに分離し、粗粉をセメントキルン系に戻すとともに、分離された塩化カリウム等を含む微粉(塩素バイパスダスト)を回収していた。
しかし、抽気した燃焼ガスには、塩素等以外にも、鉛やカドミウムなどの重金属類が含まれており、回収した塩素バイパスダストを廃棄する場合及び原料系に戻す場合のいずれにおいても、適切に処理する必要がある。
そこで、特許文献1には、塩素バイパスダストから鉛を除去するため、塩素バイパスダストに水と硫酸を混合して液性をpH1〜4に調整し、硫酸カルシウムを含むスラリーを生成した後に、該スラリーに硫化剤を加えて硫化鉛を生成し、その後、スラリーに捕収剤等を加えて浮遊選鉱し、硫化鉛を浮鉱させて回収する方法が提案されている。
また、特許文献2には、上記と同様の目的で、塩素バイパスダストに水と硫酸を混合して液性をpH4以下に調整し、硫酸カルシウム及び硫酸鉛を含むスラリーを生成した後に、該スラリーにアルカリ剤を加えて液性をpH5以上に調整し、その後、スラリーに捕収剤等を加えて浮遊選鉱し、硫酸鉛を沈鉱させて回収する方法が提案されている。
特開2006−346512号公報 特開2006−299394号公報
上記特許文献1及び2に記載の処理方法によれば、塩素バイパスダストに含まれる鉛を効果的に除去することができるものの、除去し切れなかった重金属類の一部は、浮遊選鉱の際に排出される排水中に残留する。その一方で、近年、廃棄物のセメント原料化又は燃料化によるリサイクルが推進され、廃棄物の処理量が増加するに従い、セメントキルンに持ち込まれる鉛等の重金属類の量も増加している。
また、上記処理方法においては、浮遊選鉱の前処理として、捕収剤としての疎水化剤(例えば、ザンセート)等をスラリーに添加するが、該疎水化剤等の有機化合物は、浮遊選鉱の際に除去されず、浮遊選鉱排水中に残留するため、該排水を放流するにあたっては、それらの成分の除去も求められる。
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、塩素バイパスダストを含むスラリーを浮遊選鉱した際の浮遊選鉱排水に含まれる重金属類や有機化合物を除去し、該排水を放流可能な状態にまで無害化することが可能な浮遊選鉱排水の処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、浮遊選鉱排水の処理方法であって、セメントキルンの窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より抽気した燃焼ガスに含まれるダストをスラリー化し、該スラリーを浮遊選鉱した際に発生したフロスを固液分離して得られたろ液、及び/又はテールを固液分離して得られたろ液からなる浮遊選鉱排水に対し、該排水中に残留する重金属類を除去するための重金属除去処理及び/又は該排水中の有機物を酸化するための有機物処理を行うことを特徴とする。
本発明によれば、浮遊選鉱の際に発生したフロスを固液分離して得られたろ液、及び/又はテールを固液分離して得られたろ液からなる浮遊選鉱排水に対し、重金属除去処理及び有機物処理の少なくとも1つを行うため、前記浮遊選鉱排水に含まれる重金属類や有機化合物を除去し、該排水を放流可能な状態にまで無害化することが可能になる。
上記浮遊選鉱排水の処理方法において、前記重金属除去処理で、前記浮遊選鉱排水にアルカリ剤を添加して該排水のpHを10以上12以下に調整した後に、液性が調整された該排水を固液分離することにより、前記重金属類を除去することができ、これによれば、浮遊選鉱排水に含まれる重金属類を効果的に除去することが可能になる。
上記浮遊選鉱排水の処理方法において、前記重金属除去処理で、前記固液分離にて排出されるろ液の砂ろ過による二次ろ過及び/又は前記固液分離にて排出されるろ液中の重金属類のキレート樹脂による吸着除去を行うことができる。これによれば、固液分離で除去し切れなかった重金属類を除去することができ、浮遊選鉱排水の一層の浄化を図ることが可能になる。
上記浮遊選鉱排水の処理方法において、前記重金属除去処理で、前記浮遊選鉱排水に対し、塩化第一鉄(FeCl2)、硫酸第一鉄(FeSO4)及び水硫化ソーダ(NaHS)からなる群より選ばれる少なくとも1種の還元剤をさらに添加することができる。これによれば、浮遊選鉱排水中のセレン化合物を還元して難溶性のセレン化合物を生成することができ、生成された難溶性のセレン化合物は、固液分離によって該排水から分離することができるため、該排水中のセレン含有量を低減することが可能になる。
上記浮遊選鉱排水の処理方法において、前記有機物処理で、前記浮遊選鉱排水に対し、過酸化水素水(H22)、次亜塩素酸ソーダ(NaClO)、オゾン(O3)及び酸素(O2)からなる群より選ばれる少なくとも1種を酸化剤として添加することができる。
以上のように、本発明によれば、塩素バイパスダストを含むスラリーを浮遊選鉱した際の浮遊選鉱排水に含まれる重金属類や有機化合物を除去し、該排水を放流可能な状態にまで無害化することが可能となる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明にかかる浮遊選鉱排水の処理方法を適用したシステムの第1の実施形態を示し、この排水処理システム1は、大別して、鉛回収設備2と、排水処理設備3とで構成される。
鉛回収設備2は、セメントキルンの窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より抽気した燃焼ガスに含まれるダスト(塩素バイパスダスト)中の鉛を回収するための設備であり、スラリー化した塩素バイパスダストに対し、pH調整、硫化、補収剤の添加等を行うための前処理設備4と、前処理設備4より供給されるスラリーS1を浮遊選鉱し、スラリーS1から硫化鉛を分離するための浮遊選鉱設備5と、浮遊選鉱設備5で回収されたフロスF及びテールTを各々固液分離するための固液分離機6、7とで構成される。
前処理設備4は、スラリー化した塩素バイパスダストに対し、硫化剤を添加して硫化鉛を生成するとともに、硫酸を添加し、スラリー中のカルシウムと反応させて硫酸カルシウムを生成した後、捕収剤及び起泡剤を添加するために備えられる。硫化剤としては、水硫化ソーダ(NaSH)、硫化ソーダ(Na2S)、硫化水素ガス(H2S)等を用いることができる。
また、捕収剤としては、ザンセート、酸性ジチオリン酸エステル類(商品名:エロフロート)、n−ドデシル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、オレイン酸ナトリウム等の不飽和脂肪族カルボン酸塩等を用いることができる。
さらに、起泡剤としては、メチルイソブチルカルビノール(MIBC;4−メチル−2−ペンタノール)、メチルイソブチルケトン、パイン油、エチレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、クレゾール酸等を用いることができる。
浮遊選鉱設備5は、前処理設備4より供給されるスラリーS1を浮遊選鉱し、スラリーS1から硫化鉛を分離するために備えられる。浮遊選鉱設備5では、スラリーS1中の硫化鉛を、内部で生成する気泡に付着させて浮上させ、フロスFとして回収する。尚、スラリーS1中の硫酸カルシウムは、浮遊選鉱設備5内の液中底部に沈降し、テールTとともに排出される。
固液分離機6は、浮遊選鉱設備5で回収されたフロスFを固液分離するために備えられ、フロスFをケークC1とろ液W1に分離する。また、固液分離機7は、浮遊選鉱設備5から供給されるテールTを固液分離するために備えられ、テールTをケークC2とろ液W2とに分離する。
排水処理設備3は、鉛回収設備2で発生した工業排水を無害化処理するための設備であり、スラリータンク11と、フィルタープレス12と、調整槽13と、砂ろ過器14と、キレート樹脂塔15と、有機物処理槽16とで構成される。
スラリータンク11は、固液分離機6、7から排出されるろ液(浮遊選鉱排水)W3(W1+W2)にアルカリ剤を添加し、ろ液W3のpHを調整するために備えられる。尚、アルカリ剤としては、消石灰スラリー、苛性ソーダ、炭酸ソーダ等を用いることができ、これらの1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
フィルタープレス12は、スラリータンク11で生成されたスラリーS2を固液分離し、スラリーS2中に残留する重金属類を回収するために備えられる。フィルタープレス12で生成されたケークC3は、セメント原料等として再利用される。
調整槽13は、フィルタープレス12から排出されるろ液W4に塩酸を添加し、ろ液W4のpHを4〜6に調整するために備えられる。pHが調整されたろ液W4を砂ろ過器14によって二次ろ過した後、キレート樹脂塔15においてキレート樹脂によって重金属類を吸着除去し、ろ液W4を浄化する。
有機物処理槽16は、砂ろ過器14及びキレート樹脂塔15によって浄化されたろ液W5に酸化剤を添加し、ろ液W5中に溶解する有機化合物を酸化するために備えられる。酸化剤としては、過酸化水素水(H22)、次亜塩素酸ソーダ(NaClO)、オゾン(O3)、酸素(O2)等を用いることができ、これらの1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
次に、本発明にかかる浮遊選鉱排水の処理方法について、図1を参照しながら説明する。
前処理設備4に、塩素バイパスダストを供給し、水と混合してスラリーを生成した後、硫化剤及び硫酸を添加し、硫化鉛及び硫酸カルシウムを生成する。次いで、捕収剤としての疎水化剤と、起泡剤とをスラリーに添加する。
次に、前処理設備4からのスラリーS1を浮遊選鉱設備5に供給し、浮遊選鉱設備5において、気泡を発生させ、その気泡にスラリーS1中の硫化鉛を付着させる。その後、硫化鉛とともに浮上した気泡を回収し、回収したフロスFを固液分離機6に供給する。尚、スラリーS1に含有される硫酸カルシウムは、気泡に付着せずに沈降し、テールTとともに固液分離機7に供給される。
次いで、固液分離機6によって浮遊選鉱設備5からのフロスFを固液分離し、硫化鉛を回収する。脱水処理された硫化鉛は、硫化鉛以外の成分の含有率が低いため、山元還元による非鉄精錬原料等として再利用される。
それと併行して、固液分離機7によって浮遊選鉱設備5からのテールTを固液分離し、硫酸カルシウムを石膏として回収する。回収された石膏は、セメントミル等に添加するなどして再利用される。
次に、固液分離機6、7のろ液W3をスラリータンク11に供給し、スラリータンク11において、消石灰スラリー等のアルカリ剤をろ液W3に添加して、ろ液W3のpHを調整する。このときのろ液W3のpHは、10〜12に調整することが好ましい。
次いで、pH調整したスラリーS2をフィルタープレス12に供給し、フィルタープレス12によって固液分離する。そして、スラリーS2をろ液W4とケークC3に分離し、分離したケークC3を回収する。これにより、スラリーS2中の重金属類、すなわち、浮遊選鉱設備5の浮遊選鉱排水W3中に残留する重金属類が回収される。
次に、フィルタープレス12のろ液W4を調整槽13に供給し、調整槽13において、中和剤としての塩酸をろ液W4に添加して、ろ液W4のpHを4〜6に調整する。その後、pH調整したろ液W4を砂ろ過器14に供給して二次ろ過し、さらに、キレート樹脂塔15によってろ液W4中に残留する重金属類を吸着除去する。
次いで、重金属類を除去したろ液W5を有機物処理槽16に供給し、有機物処理槽16において、ろ液W5に塩酸を添加してろ液W5のpHを2〜4に調整する。その後、pH調整したろ液W5に、過酸化水素水等の酸化剤を添加し、ろ液W5中に溶解する有機化合物を酸化して分解する。このとき、酸化剤として例えば35%過酸化水素水を用いた場合のその添加量は、薬剤コスト等を考慮すると、1リットルのろ液W5に対して、0.5〜2ml/lとすることが好ましい。
最後に、有機化合物が分解されたろ液W5に苛性ソーダ(NaOH)を添加し、ろ液W5のpHを6〜8の中性域に調整する。pH調整したろ液W6は、下水道に放流可能な性状である。
以上のように、本実施の形態によれば、鉛回収設備2から排出されるろ液W3に対し、重金属除去処理を行って重金属類を除去し、その後、重金属類を除去したろ液W5に酸化剤を添加して、ろ液W5中の有機化合物を分解するため、塩素バイパスダストを処理した際の浮遊選鉱排水W3に含まれる重金属類や有機化合物を除去することができ、該排水W3を放流可能な状態にまで無害化することが可能となる。
尚、上記実施の形態においては、ろ液W3にアルカリ剤を添加した後、沈殿した重金属類を除去したが、ろ液W3中の重金属類の濃度が低い場合には、これらの操作に代えて、キレート樹脂によって重金属類を吸着除去することができる。
また、ろ液W3を処理するにあたって、排水処理において一般的に用いられる、塩化第二鉄(FeCl3)、硫酸バンド(硫酸アルミニウム、Al2(SO43)等の凝集剤や、液体キレート剤を用いることもできる。
次に、本発明にかかる浮遊選鉱排水の処理方法を適用したシステムの第2の実施形態について、図2を参照しながら説明する。尚、同図において、図1に示す排水処理システム1と同一の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。また、鉛回収設備は、図1の鉛回収設備2と同一であるため、図示を省略する。
図2に示す排水処理システム20は、図1に示す排水処理システム1と略々同様の基本構成を有し、排水処理設備3において、調整槽21を備える点で相違する。
調整槽21は、スラリータンク11の上流側に配置され、固液分離機6、7(図1参照)からのろ液W3に含まれるセレンを除去するために備えられる。調整槽21では、まず、ろ液W3に塩酸を添加してろ液W3のpHを4以下に調整し、その後、液性を調整したろ液W3に還元剤を添加し、還元作用によりろ液W3中のセレン化合物を還元して、難溶性のセレン化合物を生成する。ここで、還元剤には、塩化第一鉄(FeCl2)、硫酸第一鉄(FeSO4)、水硫化ソーダ(NaHS)等を用いることができる。
生成された難溶性のセレン化合物は、フィルタープレス12での固液分離によってスラリーS2から分離され、これにより、浮遊選鉱排水W3に含まれるセレンが除去される。尚、スラリータンク11のスラリーS2のpHは、8〜12好ましくは8〜10に調整することが好ましい。
上記排水処理システム20によれば、塩素バイパスダストを処理した際の浮遊選鉱排水W3に含まれるセレンを除去することができ、該排水W3中にセレンが多く含まれている場合でも、セレン含有量を放流基準値以下にまで低減することが可能になる。
以下、実施例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。
図1の排水処理システム1を用いて、スラリータンク11内のスラリーS2のpHを8〜12の範囲で変更しながら塩素バイパスダストを処理し、そのときのフィルタープレス12のろ液W4を分析した。また、それと併せて、スラリータンク11の上流のろ液W3も分析した。
分析結果を表1に示す。ここで、表1における各数値は、溶液1リットルあたりの重金属類の量を示し、単位は、mg/lである。また、表1中「ND」とは、検出対象の重金属類が検出されなかったことを示す。
Figure 0004823193
表1に示されるように、スラリーS2のpHを10〜11に調整した場合には、いずれの重金属類も検出されず、スラリータンク11に供給されるろ液W3中の重金属類を確実に除去できることが判明した。また、スラリーS2のpHを12に調整した場合には、鉄(Fe)及び亜鉛(Zn)が検出されたが、いずれも、放流基準値を大きく下回っており、ろ液W3を十分に浄化できることが分かった。これに対し、pHを8〜9に調整した場合には、カドミウム(Cd)の含有量が放流基準値を上回り、ろ液W3を放流可能な状態にまで無害化することはできなかった。
次に、セレン含有量が高い塩素バイパスダストを、図2の排水処理システム20を用いて処理し、スラリータンク11の上流のろ液W3と、有機物処理槽16から排出されるろ液W6とを各々分析した。また、有機物処理槽16において、酸化剤を添加して有機化合物を酸化し、ろ液W6中のヨウ素消費量を測定した。
ここで、スラリータンク11中のスラリーS2のpHを9に調整し、有機物処理槽16内のろ液W5のpHを3に調整した。また、有機物処理槽16での酸化剤には、過酸化水素水を使用した。ろ液W3、W6の分析結果を表2に、ヨウ素消費量の測定結果を表3に示す。尚、両表における分析値等の単位は、mg/lである。
Figure 0004823193
Figure 0004823193
表2に示されるように、酸化処理後のろ液W6においては、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)及びセレン(Se)が検出されたが、いずれも、放流基準値の1/10以下と微量であり、鉛回収設備2からの排水W3を無害化し得ることが確認された。
また、表3に示されるように、酸化処理後のろ液W6中のヨウ素消費量は、法令基準値を大きく下回り、環境面からも何ら問題のないことが確認された。
次に、図2の排水処理システム20を用い、酸化剤の量を調整しながら、ろ液W5中の有機化合物を処理した。ここで、酸化剤には35%過酸化水素水を使用した。35%過酸化水素水の添加量と排水W6中のヨウ素消費量との関係を図3に示す。
図3に示すように、35%過酸化水素水を使用しない場合には、ヨウ素消費量が約1100mg/lとなるのに対し、ヨウ素消費量を0mg/lにするには、約1.3ml/lの35%過酸化水素水が必要となることが分かった。ヨウ素消費量の放流基準値を勘案すると、0.7ml/l以上の35%過酸化水素水の添加量が好ましいことが分かった。尚、処理対象の塩素バイパスダスト及び浮選処理の条件等により図3の各値は変化し、同図は、ある塩素バイパスダストから、鉛を効率的に回収するのに最適な補収剤、起泡剤の添加量とした場合の排水についての試験例である。
本発明にかかる浮遊選鉱排水の処理方法を適用したシステムの第1の実施形態を示すフローチャートである。 本発明にかかる浮遊選鉱排水の処理方法を適用したシステムの第2の実施形態を示すフローチャートである。 有機物処理における35%過酸化水素水の添加量とヨウ素消費量との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 排水処理システム
2 鉛回収設備
3 排水処理設備
4 前処理設備
5 浮遊選鉱設備
6 固液分離機
7 固液分離機
11 スラリータンク
12 フィルタープレス
13 調整槽
14 砂ろ過器
15 キレート樹脂塔
16 有機物処理槽
20 排水処理システム
21 調整槽

Claims (5)

  1. セメントキルンの窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より抽気した燃焼ガスに含まれるダストをスラリー化し、該スラリーを浮遊選鉱した際に発生したフロスを固液分離して得られたろ液、及び/又はテールを固液分離して得られたろ液からなる浮遊選鉱排水に対し、該排水中に残留する重金属類を除去するための重金属除去処理及び/又は該排水中の有機物を酸化するための有機物処理を行うことを特徴とする浮遊選鉱排水の処理方法。
  2. 前記重金属除去処理において、前記浮遊選鉱排水にアルカリ剤を添加して該排水のpHを10以上12以下に調整した後に、液性が調整された該排水を固液分離することにより、前記重金属類を除去することを特徴とする請求項1に記載の浮遊選鉱排水の処理方法。
  3. 前記重金属除去処理において、前記固液分離にて排出されるろ液の砂ろ過による二次ろ過及び/又は前記固液分離にて排出されるろ液中の重金属類のキレート樹脂による吸着除去を行うことを特徴とする請求項2に記載の浮遊選鉱排水の処理方法。
  4. 前記重金属除去処理において、前記浮遊選鉱排水に対し、塩化第一鉄(FeCl2)、硫酸第一鉄(FeSO4)及び水硫化ソーダ(NaHS)からなる群より選ばれる少なくとも1種の還元剤をさらに添加することを特徴とする請求項2又は3に記載の浮遊選鉱排水の処理方法。
  5. 前記有機物処理において、前記浮遊選鉱排水に対し、過酸化水素水(H22)、次亜塩素酸ソーダ(NaClO)、オゾン(O3)及び酸素(O2)からなる群より選ばれる少なくとも1種を酸化剤として添加することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の浮遊選鉱排水の処理方法。
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