JP4823121B2 - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

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本発明は、固体電解コンデンサの製造方法に関し、特に漏れ電流特性及び耐熱性に優れた固体電解コンデンサの製造方法に関する。
近年、電子機器の小型・高性能化に伴い、製品体積あたりの静電容量が大きく、かつESRの低い固体電解コンデンサが求められるようになってきた。このようなことを考慮して、固体電解質としてTCNQ錯塩やポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリン等の導電性高分子を用いた固体電解コンデンサが開発されている。これらの導電性高分子は、従来の固体電解コンデンサに用いられてきた電解質である二酸化マンガン等に比べて高い導電率を有することから、固体電解コンデンサの低ESR化に大きく寄与することができる。
前記導電性高分子の形成法には化学酸化重合法や電解酸化重合法があるが、一般に化学酸化重合法の方が設備投資が少なく、経済的である。
化学酸化重合を用いて固体電解質を作製する方法は、導電性高分子を形成するモノマーを含む溶液に浸漬または前記溶液をコンデンサ素子に塗布し、さらに酸化剤及びドーパント材を含む溶液に浸漬または塗布する方法や、モノマー及び酸化剤、ドーパント材を含む溶液に浸漬または塗布する方法がある。
しかし、上記の化学酸化重合法では、生成した固体電解質に不純物(残留ドーパント成分や、未反応の酸化剤やモノマー及びオリゴマー等)が含まれるため、コンデンサとしての信頼性、特に耐熱性が著しく劣るという問題がある。
このような問題を考慮して、上記の化学酸化重合法で形成した固体電解質を有機溶媒または純水等で洗浄する方法が提案されている。(例えば特許文献1)また、化学酸化重合法として、モノマーを含む溶液にコンデンサ素子を浸漬したあと、ドーパント及び酸化剤を含む溶液にコンデンサ素子を浸漬して化学酸化重合し、酸性の水溶液で洗浄する方法が提案されている。(例えば特許文献2)
特開2002−158144号公報 特開2005−159154号公報
しかしながら、上記特許文献1の方法では、洗浄によって不純物が除去されるが、不純物が酸化皮膜まで入り込んでいた場合、該不純物の除去によって酸化皮膜が損傷してしまうがこれを修復することができず、漏れ電流の増大を引き起こすという問題がある。
また、特許文献2の方法では、コンデンサ素子に付着している未反応の酸化剤等の不純物が多く、上記のような洗浄では不純物が十分に取り除かれず、十分な洗浄が行われないという問題がある。
上述の問題を鑑みて本発明は、固体電解質を形成する工程を有する固体電解コンデンサの製造方法において、前記固体電解質を形成する工程は、少なくともモノマーと酸化剤及びドーパント材とを含む重合液にコンデンサ素子を浸漬するステップと、溶質としてシラン化合物を用いた洗浄液にコンデンサ素子を浸漬するステップを備えていることを特徴とする。前記洗浄液の溶媒は有機溶媒であることが好ましい。
さらに、洗浄液の溶質は洗浄液に対して1〜10wt%の割合で含まれており、前記洗浄液の温度は10〜50℃であることが好ましい。
本発明によれば、漏れ電流特性に優れ且つ耐熱性に優れた固体電解コンデンサを提供することができる。
以下、本発明実施のための最良の形態について図を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態のコンデンサ素子の断面図である。すなわち、アルミニウム等の弁作用金属からなり表面に酸化皮膜層が形成された陽極箔2及び弁作用金属からなる陰極箔3とをセパレータ4を介して巻回し巻き止めテープ5で止めて、コンデンサ素子1を形成する。尚、陽極箔2には陽極リード7が、陰極箔3には陰極リード8が夫々リードタブ端子を介して接続されている。ここで、セパレータ4は、従来周知の材料の中から任意で選ぶことができる。その後切り口化成を行い、さらに加熱してセパレータの炭化処理を行う。
次に、少なくともモノマーと酸化剤及びドーパント材を含む溶液にコンデンサ素子1を浸漬する。ここでモノマーは、エチレンジオキシチオフェンやポリピロールまたはそれらの誘導体等の複素環化合物やアニリンまたはその誘導体等の化合物のことをいう。化学酸化重合法を用いて導電性高分子を形成するには、重合反応の速度や高い収率性等の面から3,4−エチレンジオキシチオフェンであることが好ましい。また酸化剤及びドーパント材は従来公知のものを用いることができ、酸化剤兼ドーパント材となる材料を用いることもできる。
次いで洗浄液にコンデンサ素子1を浸漬して、コンデンサ素子1の洗浄を行う。前記洗浄液の溶質は、スルホン酸化合物またはシラン化合物である。前記スルホン酸化合物は特に限定されないが、酸化剤及び/またはドーパント材として機能しうる材料であることが好ましい。前記スルホン酸化合物が酸化剤及び/またはドーパント材であると、未反応の前記モノマーが前記洗浄液中の酸化剤で反応したり、コンデンサ素子1に付着していた不純物を取り除いてできる空隙部にドーパント材が入りこむことができる。しかし、スルホン酸化合物が酸化剤及び/またはドーパント材として機能しない材料であると、該スルホン酸化合物がコンデンサ素子に付着するのみで上記のようなことがおこらず、このコンデンサ素子を用いて作製された固体電解コンデンサの特性が悪化してしまう恐れがある。溶質にスルホン酸化合物を用いた場合、溶媒は純水であることが好ましい。スルホン酸化合物は純水への溶解性が高いので、溶媒が純水、溶質がスルホン酸化合物である洗浄液を用いると、洗浄効果をより向上させることができる。
前記シラン化合物は、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ―(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ―(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ―メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ―クロロプロピルトリメトキシシラン、γ―アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ―クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ―メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン等の化合物の中から任意で用いることができる。溶質にシラン化合物を用いる場合、溶媒は有機溶媒であることが好ましい。有機溶媒に対するシラン化合物の溶解度が高いので、溶媒が有機溶媒、溶質がシラン化合物であるである洗浄液を用いてコンデンサ素子の洗浄を行うと、洗浄効果が高く、固体電解コンデンサの特性を著しく向上することができる。
前記洗浄液に対して1〜10wt%の溶質を含んでいることが好ましい。前記洗浄液の濃度が1wt%未満だと、コンデンサ素子に付着している不純物を取り除いた箇所に溶質が付着せず誘電体皮膜の欠損部が修復されないので、陽極箔と固体電解質が接してしまい、漏れ電流の増大を引き起こす恐れがある。また、前記洗浄液の濃度が10wt%以上であると、コンデンサ素子にさらに不純物が付着してしまい、リフロー処理をした際に封口ゴムが膨れてしまう恐れがある。
前記洗浄液の温度は10〜50℃であることが好ましい。前記洗浄液の温度が10度以下であると洗浄効果が十分に得られず、リフロー処理をした際に封口ゴムが膨れてしまう恐れがある。また、洗浄液の温度が50度以上であると、溶媒の蒸発が進み洗浄液の濃度が高くなるので溶質が不純物として付着し、リフロー処理の際に封口ゴムが膨れてしまうという問題がある。
上述のようにコンデンサ素子1を洗浄した後、該コンデンサ素子に熱を加えて熱化学重合を行い、固体電解質層が形成される。
次に、前記コンデンサ素子1に封止用ゴムパッキング10を挿入し、アルミケース9に収納固定後、前記アルミケース9の開口部を横絞り、カールすることで封止し、エージング処理を行う。その後、前記カール面にプラスチック製の座版11を挿入し、陽極リード線7及び陰極リード線8を電極端子としてプレス加工、折りまげを行い、図2の断面図に示されるような固体電解コンデンサが完成する。
(実施例1)
酸化皮膜が形成されたアルミニウム箔からなる陽極箔と、アルミニウム箔からなる陰極箔をセパレータを介して巻回し、コンデンサ素子を作製した。尚、陽極箔には陽極リード線が、陰極箔には陰極リード線が夫々リードタブ端子を介して接続されている。
前記コンデンサ素子の切り口化成を行い、次いで加熱して炭化処理をおこなった。その後、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンと、酸化剤兼ドーパント材としてp−トルエンスルホン酸第二鉄を含むブタノール溶液に前記コンデンサ素子を浸漬し、次いで洗浄液として10℃に調製した1wt%p−トルエンスルホン酸水溶液を用い、該洗浄液ににコンデンサ素子を浸漬し、素子の洗浄を行った。次に熱化学重合を行い、固体電解質層を形成した。
その後は、本発明の最良の実施形態と同様にしてコンデンサ素子に封止用ゴムパッキングを挿入した後アルミケースにコンデンサ素子を収納し、エージング処理等を行って固体電解コンデンサを完成させた。
(実施例2)
洗浄液の濃度を10wt%にしたこと以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(実施例3)
洗浄液の温度を50℃にしたこと以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(実施例4)
洗浄液の温度を50℃にしたこと以外は実施例2と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(実施例5)
洗浄液として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのブタノール溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(実施例6)
洗浄液の濃度を10wt%としたこと以外は実施例5と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(実施例7)
洗浄液の温度を50℃にしたこと以外は実施例5と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(実施例8)
洗浄液の濃度を10wt%にしたこと以外は実施例7と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(比較例1)
洗浄液として純水をもちいたこと以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(比較例2)
コンデンサ素子の切り口化成、加熱による炭化処理を行ったあと、モノマーとしてチオフェンを含む溶液に前記コンデンサ素子を浸漬し、その後酸化剤兼ドーパント材としてp−トルエンスルホン酸を含む溶液に前記コンデンサ素子を浸漬した。洗浄液やその他の工程は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(比較例3)
洗浄液として50℃の10wt%p−トルエンスルホン酸水溶液とすること以外は比較例2と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(比較例4)
洗浄液をブタノール溶液にすること以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(比較例5)
洗浄液として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのブタノール溶液を用いること以外は比較例2と同様にして、固体電解コンデンサを作製した。
(比較例6)
洗浄液として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのブタノール溶液を用いること以外は比較例3と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(比較例7)
コンデンサ素子の洗浄を行わないこと以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
上記実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例3、比較例7の固体電解コンデンサを夫々30個作製し、夫々230℃で75秒リフロー処理を6回行い、リフロー前後での静電容量損失率、封口ゴムの膨れ及びリフロー後の漏れ電流を測定した。結果を表1に示す。尚、表1は、30個測定した値の平均値である。
Figure 0004823121
表1より、純水のみで素子の洗浄を行った場合、p−トルエンスルホン酸水溶液で洗浄を行った本実施例と比べて静電容量損失率及び封口ゴムの膨れが大きくなっているが、とりわけ漏れ電流が著しく増大している。これは、洗浄で素子に付着している不純物は除去されるが、この際酸化皮膜も損傷してしまい、漏れ電流の増大を引き起こしているからであると考えられる。それに対し、p−トルエンスルホン酸水溶液で洗浄をおこなった場合は、不純物が付着していた箇所にドーパントであるp−トルエンスルホン酸イオンが付着するので、漏れ電流を増大させることがない。また、洗浄を行わなかった場合、p−トルエンスルホン酸水溶液で洗浄を行った実施例に比べて静電容量損失や、リフロー後の封口ゴムの膨れが大きい。これは、洗浄を行わないとコンデンサ素子に含まれる未反応のモノマーやドーパントの対イオンを除去することができず、従ってリフロー処理を行った際に固体電解質層を損傷し、静電容量を大きく損失させてしまうと考えられる。また、コンデンサ素子にドーパントの対イオンである鉄イオンが残っていると、リフロー処理の際にセパレータ紙の分解により発生する水分量が増加し、従って封口ゴムの膨れを大きくすると考えられる。それに対し本発明は、コンデンサ素子の洗浄によって不純物を除去しているので、リフロー処理に発生する水分量も少なく、従って封口ゴムの膨れを小さくできる。
さらに、化学酸化重合をモノマーと酸化剤兼ドーパント材を含む溶液を用いて行った固体電解コンデンサの方が、モノマーを含む溶液に浸漬し、その後酸化剤兼ドーパント材を含む溶液に浸漬して化学酸化重合を行った固体電解コンデンサより


、耐熱性(静電容量損失率及び封口ゴムの膨れ)、漏れ電流共に良好な性質を示している。これは、モノマーを含む溶液と酸化剤兼ドーパントを含む溶液に順次コンデンサ素子を浸漬した場合、モノマーと酸化剤兼ドーパントの混合溶液にコンデンサ素子を浸漬した場合に比べ、コンデンサ素子に付着している未反応の酸化剤の量が多く、不純物を洗浄しきれずリフローの際にセパレータ紙の分解による水分量が増大して封口ゴムが膨れてしまうと考えられる。また、酸化剤兼ドーパント材溶液に浸漬したとき、先に浸漬して付着していたモノマーがコンデンサ素子から除去され、モノマーが除去された箇所に未反応の酸化剤等の不純物が入り込むので、酸化皮膜と接触する不純物の数が著しく増大する。よって洗浄を行った際に発生する酸化皮膜の損傷も大きくなり、漏れ電流の著しい増加を招来したものと考えられる。本発明のような化学酸化重合法では、上述のようなことは起きないので、漏れ電流を小さく抑えられると共に、封口ゴムの膨れを抑え、静電容量損失の小さい、すなわち耐熱性に優れた固体電解コンデンサを提供できる。
上記実施例5〜実施例8及び比較例4〜比較例6の固体電解コンデンサを夫々30個作製し、230℃で75秒リフロー処理を6回行い、リフロー前後での静電容量損失率、封口ゴムの膨れ、リフロー後の漏れ電流を夫々測定し、30個の平均値を出した。結果を表2に示す。
Figure 0004823121

表2より、洗浄液が3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのブタノール溶液である本実施例は、洗浄液がブタノールのみである比較例に比べて漏れ電流特性に優れている。これは、コンデンサ素子に付着していた不純物が取り除かれ空隙となった箇所に3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが付着し、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランは無機体である酸化皮膜と有機体である固体電解質層との密着性を向上させるので、誘電体皮膜の損傷を抑えられ、従って漏れ電流が小さく抑えられると考えられる。また、化学酸化重合をモノマー溶液と酸化剤兼ドーパント材溶液の2つの液にコンデンサ素子を浸漬する方法で行ったときに比べ、モノマーと酸化剤兼ドーパントの混合溶液にコンデンサ素子を浸漬する本実施例の方が静電容量変化率、封口ゴムの膨れ、漏れ電流特性ともに優れていることがわかる。これは、モノマーを含む溶液と酸化剤兼ドーパントを含む溶液に順次コンデンサ素子を浸漬した場合、モノマーと酸化剤兼ドーパントの混合溶液にコンデンサ素子を浸漬した場合に比べ、コンデンサ素子に付着している未反応の酸化剤の量が多く、不純物を洗浄しきれずコンデンサ素子に付着しているドーパント対イオンである鉄イオン存在下でリフローの際にセパレータ紙の分解による水分量が増大して封口ゴムが膨れてしまうと考えられる。また、酸化剤兼ドーパント材溶液に浸漬したとき、先に浸漬して付着していたモノマーがコンデンサ素子から除去され、モノマーが除去された箇所に未反応の酸化剤等の不純物が入り込むので、酸化皮膜と接触する不純物の数が著しく増大する。よって洗浄を行った際に発生する酸化皮膜の損傷も大きくなり、漏れ電流の著しい増加を招来したものと考えられる。それに対し本発明は、モノマーと酸化剤兼ドーパントの混合溶液を重合液として用いているので、前述のようなコンデンサ素子に付着したモノマーが除去されることがなく、誘電体皮膜の損傷を抑えられる。また、未反応の酸化剤の量も少ないので、洗浄効果が十分発揮できる。
次に、洗浄液の適切な濃度を調べるため洗浄液として20℃のp−トルエンスルホン酸水溶液を用い、洗浄液の濃度を種々変化させて固体電解コンデンサを作製し、夫々リフロー処理を行い、封口ゴムの膨れを調べた。尚、リフロー処理の条件は上記に記載のものと同様である。結果を表3及び図3に示す。
Figure 0004823121
Figure 0004823121
表3及び図3より、洗浄液の濃度が1〜10wt%の範囲であれば、洗浄効果が良好であることがわかる。
また、洗浄液の適切な温度を調べるために、2wt%のp−トルエンスルホン酸水溶液を洗浄液として用い、洗浄液の温度を種々に変化させて固体電解コンデンサを作製し、上記と同様のリフロー処理を行って封口ゴムの膨れを調べた。結果を表4及び図4に示す。
Figure 0004823121

表4及び図4より、洗浄液の温度が10〜50℃であるとき、洗浄効果が良好で、封口ゴムの膨れが抑制されていることがわかる。
上記実施例は、本発明を説明するためのものに過ぎず、特許請求の範囲に記載の発明を限定する様に解すべきでない。本発明は、特許請求の範囲内及び均等の意味の範囲内で自由に変更することができる。例えば、本発明の一実施形態は巻回型固体電解コンデンサであるが、チップ型の固体電解コンデンサでもよいし、また、コンデンサ素子を複数積層させた積層型固体電解コンデンサであってもよい。
本発明の一実施形態のコンデンサ素子の断面図である。 本発明の一実施形態の固体電解コンデンサの断面図である。 本発明の洗浄液の濃度と封口ゴムの膨れとの関係図である。 本発明の洗浄液の温度と封口ゴムの膨れとの関係図である。
符号の説明
・ コンデンサ素子
・ 陽極箔
・ 陰極箔
・ セパレータ紙
・ 巻き止めテープ
・ リードタブ端子
・ 陽極リード線
・ 陰極リード線
・ アルミケース
10.封止用ゴムパッキング
11.座版

Claims (4)

  1. 固体電解質を形成する工程を有する固体電解コンデンサの製造方法において、
    前記固体電解質を形成する工程は、少なくともモノマーと酸化剤及びドーパント材とを含む重合液にコンデンサ素子を浸漬するステップと、溶質としてシラン化合物を用いた洗浄液にコンデンサ素子を浸漬するステップを備えていることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 前記洗浄液の溶媒が有機溶媒であることを特徴とする請求項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 前記溶質は、前記洗浄液に対して1〜10wt%の量で含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  4. 前記洗浄液の温度が10〜50℃であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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