JP4823117B2 - 液封入式防振装置 - Google Patents

液封入式防振装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4823117B2
JP4823117B2 JP2007085963A JP2007085963A JP4823117B2 JP 4823117 B2 JP4823117 B2 JP 4823117B2 JP 2007085963 A JP2007085963 A JP 2007085963A JP 2007085963 A JP2007085963 A JP 2007085963A JP 4823117 B2 JP4823117 B2 JP 4823117B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration
mounting member
liquid
base
circular
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007085963A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008240998A (ja
Inventor
喜之 瀬野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire and Rubber Co Ltd filed Critical Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority to JP2007085963A priority Critical patent/JP4823117B2/ja
Publication of JP2008240998A publication Critical patent/JP2008240998A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4823117B2 publication Critical patent/JP4823117B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Description

本発明は、液封入式防振装置に関し、特に、水平面に対して傾斜した状態で配置される場合でも、減衰特性と耐久性との両立を図ることができる液封入式防振装置に関するものである。
自動車のエンジンを支持固定しつつ、そのエンジン振動を車体フレームへ伝達させないようにする防振装置として、液封入式防振装置が知られている。
液封入式防振装置は、一般に、エンジン側に取り付けられる第1取付部材と、車体フレーム側に取り付けられる第2取付部材とを備え、第2取付部材に取り付けられた筒状部材と第1取付部材とがゴム状弾性材から構成される防振基体で連結され、筒状部材にダイヤフラムが取付けられることで、このダイヤフラムと防振基体との間に液体封入室が形成される。そして、この液体封入室は、仕切手段によって主液室及び副液室に仕切られ、これら主液室と副液室とは、オリフィスによって互いに連通されている。
この液封入式防振装置によれば、オリフィスによる両液室間の流体流動効果(液柱共振効果)や防振基体の制振効果によって、振動減衰機能と振動絶縁機能とを果すことができる(特許文献1)。
再公表2004/051113号公報
ところで、この種の液封入式防振装置は、振動の入力に伴って第1取付部材が筒状部材に対して近接離間する方向へ相対移動し、主液室の容積が減少増加することで、主液室(又は副液室)の液体がオリフィスを介して副液室(又は主液室)へ流動し、この流体流動効果により振動減衰機能が発揮される。
そのため、防振基体の首径(外周径)を大径として、ピストン面積を大きくすることで、液体の流動量を増加させ、流体流動効果による減衰特性の向上を図ることができる。しかしながら、防振基体の首径を大径に構成した場合には、防振基体の耐久性が低下するという問題点があった。
特に、液封入式防振装置が水平面に対して傾斜した状態で配置される場合には、傾斜に起因して、防振基体に均一に荷重が作用せず、その一部に変形が偏る。そのため、この場合には、減衰特性を確保するべく防振基体の首径を大径に設定すると、防振基体の変形の偏りが更に顕著となり、耐久性の低下を招くこととなるため、減衰特性と耐久性との両立が一層困難になるという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、水平面に対して傾斜した状態で配置される場合でも、減衰特性と耐久性との両立を図ることができる液封入式防振装置を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の液封入式防振装置は、第1取付部材と、筒状の筒状部材と、前記筒状部材と第1取付部材とを連結しゴム状弾性材から構成される防振基体と、前記筒状部材に取り付けられて前記防振基体との間に液体封入室を形成するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムにより形成された前記液体封入室を前記防振基体側の主液室と前記ダイヤフラム側の副液室とに仕切る仕切手段と、前記仕切手段により仕切られた前記主液室と副液室とを互いに連通させるオリフィスと、前記筒状部材に取り付けられ前記ダイヤフラムとの間に空気室を形成する第2取付部材とを備え、前記第1取付部材が振動発生体側に連結されると共に、前記第2取付部材が車体フレーム側に連結され、前記筒状部材の軸心が水平面に対して傾斜した傾斜状態で前記振動発生体を前記車体フレームに対して支持するように構成されたものであり、前記防振基体は、前記第1取付部材側が筒状部材側と比較して小径に形成される円錐台形状に形成されると共に、前記円錐台形状の底面に前記第1取付部材側へ向けて窪む凹設部が凹設され、前記防振基体の外周面は、前記第1取付部材側に位置し前記筒状部材の軸心に垂直な仮想平面を含む断面形状が円形に形成される第1円形部と、前記筒状部材側に位置し前記仮想平面を含む断面形状が前記第1円形部よりも大径の円形に形成される第2円形部と、前記第2円形部と第1円形部との間に位置し前記仮想平面を含む断面形状が楕円形又は長円形に形成される中間部とを備えて構成され、前記中間部の前記断面形状は、前記傾斜状態において、最も下方に位置する下方点及び最も上方に位置する上方点を結ぶ第1方向が短軸半径となり、前記第1方向に直交する第2方向が長軸半径となる楕円形又は長円形に形成されている。
請求項2記載の液封入式防振装置は、請求項1記載の液封入式防振装置において、前記第1取付部材は、前記筒状部材へ向けて突出され前記防振基体に埋設される突出部を備え、前記防振基体は、前記筒状部材の軸心を含む断面形状が、前記第1取付部材の突出部における側面から前記筒状部材へ向けて延設される一対の脚部となるように構成され、前記第1円形部及び前記凹設部が前記第1方向であって前記上方点側へ偏心して位置することで、前記下方点に近い側に位置する脚部ほど脚部長さが長く、前記上方点に近い側に位置する脚部ほど脚部長さが短くなるように構成されている。
請求項1記載の液封入式防振装置によれば、振動の入力により、第1取付部材が筒状部材へ近接する方向へ相対移動されると、その相対移動量と防振基体の有効ピストン面積との積により算出される容積分だけ、主液室の容積が減少され、その結果、主液室の液体がオリフィスを介して副液室へ向けて流動される。
一方、振動の入力により、第1取付部材が筒状部材から離間する方向へ相対移動されると、その相対移動量と防振基体の有効ピストン面積との積により算出される容積分だけ、主液室の容積が増加され、その結果、副液室の液体がオリフィスを介して主液室へ向けて流動される。
この場合、上述したように、減衰特性の向上には防振基体の首径(外周径)の大径化が必要であるが、首径の大径化は耐久性の低下を招く。特に、液封入式防振装置を水平面に対して傾斜した状態で配置する場合には、傾斜に起因して、首径の大径化が耐久性の低下を引き起こし易くなるため、これら減衰特性と耐久性との両立が一層困難であった。
これに対し、本発明の液封入式防振装置によれば、筒状部材の軸心に垂直な仮想平面を含む断面形状が楕円形又は長円形に形成される中間部を第1円形部と第2円形部との間に備えると共に、その中間部の楕円形又は長円形を、傾斜状態において、最も下方に位置する下方点及び最も上方に位置する上方点を結ぶ第1方向が短軸半径となり、第1方向に直交する第2方向が長軸半径となるように構成したので、減衰特性及び耐久性の両立を図ることができるという効果がある。
即ち、本発明によれば、中間部の断面形状を、加振方向(振動入力に伴う変形方向)に対して狭くして、耐久性に影響を与える部分の首径を小径とすることができるので、その分、耐久性の向上を図ることができる一方、中間部の断面形状を、加振方向と直交する方向に対して広くして、耐久性への影響が少ない部分の首径は大径とすることで、ピストン面積を確保することができるので、減衰特性の向上を図ることができる。その結果、減衰特性と耐久性との両立を図ることができる。
更に、本発明によれば、断面形状が円形に形成される第1円形部を第1取付部材側に配置すると共に、その第1円形部よりも大径の円形に形成される第2円形部を筒状部材側に配置し、これら第1円形部及び第2円形部の間に中間部を位置させる構成であるので、耐久性に影響する部分の首径を小径とすることによる耐久性向上効果と、耐久性の影響が少ない部分の首径のみを大径としてピストン面積を確保することによる減衰特性向上効果とを効果的に発揮させて、減衰特性と耐久性とのより一層の両立を達成することができるという効果がある。
請求項2記載の液封入式防振装置によれば、請求項1記載の液封入式防振装置の奏する効果に加え、筒状部材の軸心を含む断面形状が、第1取付部材の突出部における側面から筒状部材へ向けて延設される一対の脚部となるように防振基体を構成し、第1円形部及び凹設部を上方点側へ偏心して位置させることで、下方点に近い側に位置する脚部ほど脚部長さが長く、上方点に近い側に位置する脚部ほど脚部長さが短くなるように構成したので、本発明のように、下方点側の脚部の圧縮代が大きくなる場合であっても、その耐久性の向上を図ることができるという効果がある。
また、振動発生体を車体フレームに支持した状態(1W状態)では、下方点側の脚部の脚部長さを上方点側の脚部の脚部長さに近づけることができるので、防振基体全体としての形状を筒状部材の軸心回りに均一化することができる。よって、振動入力に伴う変形が一部に偏ることを抑制すると共に、ピストン面積を効率的に確保することができるので、その分、耐久性と減衰特性との両立を図ることができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態における液封入式防振装置100の断面図である。
この液封入式防振装置100は、自動車のエンジンを支持固定しつつ、そのエンジン振動を車体フレームへ伝達させないようにするための防振装置であり、図1に示すように、エンジン側のブラケットBKに取り付けられる上金具1と、エンジン下方の車体フレーム側のメンバMBに取付けられる本体金具2と、これらを連結すると共にゴム状弾性材から構成される防振基体3とを備える。
上金具1は、アルミニウム合金などの金属材料から上面視長円形の筒状体に形成され(図2参照)、図1に示すように、その上端面には、取付ボルト1aと位置決めピン1bとが突設されている。また、上金具1の外周面には、上面視円形のフランジ部1cがフランジ状に張り出して形成されており、このフランジ部1cがスタビライザー金具13と当接することで、大変位時のストッパ作用が得られる。
上金具1には、ゴム状弾性材から構成されるカバー部材18が取着されており、カバー部材18によりスタビライザー金具13の上面が被覆されている。また、上金具1の底面には、図1に示すように、第2取付金具2へ向けて突出される突出部1dが凸設されている。
この突出部1dは、防振基体3に埋設される部位であり、第2取付金具2(底面1d2)側が小径に形成されると共に軸心Oを有する円錐台形状に形成されている。また、突出部1dは、側面1d1が円弧状に湾曲されており、その湾曲により基部側がフランジ部1cの底面に滑らかに接続されている。
第2取付金具2は、図1に示すように、防振基体3が上方(図1上側)開口部に加硫接着される筒状金具4と、その筒状金具4の下方(図1下側)開口部に取着される底金具5とを備えて構成されている。筒状金具4は筒状に、底金具5は底部を有するカップ状に、それぞれ鉄鋼材料などから形成されている。
筒状金具4は、図1に示すように、上方(図1上側)開口部が上広がりの開口として形成されると共に、その開口縁がフランジ状に張り出して形成され、この張り出し部にスタビライザー金具13が取着(かしめ固定)されている。また、底金具5の底部(図1下方部)には、図1に示すように、取付ボルト6と位置決めピン5aとが突設されている。
ここで、底金具5は、底面部が筒状金具4の軸心Oに対して傾斜(本実施の形態ではθ=15°)して形成されており、これにより、液封入式防振装置100は、筒状金具4の軸心Oを水平面(即ち、重力方向に垂直な面であって、本実施の形態では車体フレーム側のメンバMBの上面)に対して傾斜させた傾斜状態(θ=15°)となり、この傾斜状態でエンジンを車体フレーム(メンバMB)に支持するように構成されている。
防振基体3は、図1に示すように、ゴム状弾性材から円錐台形状に形成され、上金具1の下面側と筒状金具4の上方開口部との間に加硫接着されている。具体的には、防振基体3は、筒状金具2の軸心Oを含む断面形(即ち、図1)において、上端側が上金具1の突出部1bにおける側面に、下端側が筒状金具4の上方開口部において傾斜して拡径する傾斜部の内周面に、それぞれ接続されている。
また、防振基体3の下端部には、筒状金具4の内周面を覆うゴム膜7が連なっており、このゴム膜7には、後述する仕切手段12のオリフィス形成壁22,23が密着され、オリフィス25が形成される。
ダイヤフラム9は、ゴム状弾性材から部分球状を有するゴム膜状に形成され上面視ドーナツ状の取付板10に加硫接着されている。このダイヤフラム9は、図1に示すように、取付板10が嵩上げ板14と共に筒状金具4と底金具5との間でかしめ固定されることで、第2取付金具2に取着されている。その結果、このダイヤフラム9と防振基体3の下面との間には、液体封入室8が形成されている。
この液体封入室8には、エチレングリコールなどの不凍性の液体(図示せず)が封入される。また、液体封入室8は、図1に示すように、後述する仕切手段12によって、防振基体3側に位置する主液室11Aと、ダイヤフラム9側に位置する副液室11Bとの2室に仕切られている。
仕切手段12は、図1に示すように、オリフィス形成壁22,23が外周部に張り出して形成されると共に複数の開口を有する本体部16と、その本体部16に内嵌保持されると共に複数の開口を有する内嵌板17と、ゴム状弾性材から膜状に構成され前記本体部16と内嵌板17との間で挟圧保持される弾性膜15とを主に備えて構成されている。
なお、仕切手段12は、図1に示すように、嵩上げ板14と防振基体3の段部57との間に保持される。即ち、仕切手段12は、防振基体3の段部57を軸芯O方向(図1上下方向)に圧縮変形させた状態で第2取付金具2(筒状金具4)内に挿入され、防振基体3(段部57)の弾性復元力により液体封入室8内で保持されている。
本体部17(オリフィス形成壁22,23)の外周面と第2取付金具2の内周面を覆うゴム膜7との間には、図1に示すように、オリフィス25が形成されている。このオリフィス25は、主液室11Aと副液室11Bとを連通させ、これら両液室11A,11B間で液体を流動させるためのオリフィス流路であり、オリフィス形成壁22,23のそれぞれに形成された切欠きを介して両液室11A,11Bに連通されると共に、仕切手段12(本体部17)の軸芯O周りに略1周して形成されている。
次いで、図2から図5を参照して、防振基体3の詳細構成について説明する。図2は、液封入式防振装置100の上面図である。なお、図2では、スタビライザー金具13及びカバー部材18を取り外した状態が図示されている。
図3は、図2のIII−III線における液封入式防振装置100の断面図であり、図4は、図2のIV−IV線における液封入式防振装置100の断面図である。図2及び図3では、液封入式防振装置100を構成する部材の一部のみを図示している。
また、図5(a)、図5(b)及び図5(c)は、図3のVa−Va線、Vb−Vb線及びVc−Vc線における防振基体3の断面図である。図5では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、断面におけるハッチングの図示を省略している。
上金具1は、上述したように、上面視長円形に形成されており、その長円の長軸半径方向(図2左右方向)が液封入式防振装置100の傾斜方向に対応されている。即ち、車両への組み付け状態では、長円の短軸半径方向(図2上下方向)が上述した水平面に対して平行に維持されつつ、位置決めピン1b側よりも取付ボルト1a側が低い位置となるように、上金具1の上面が下降傾斜される(図1参照)。
上金具1のフランジ部1cは、図2に示すように、ストッパゴム3aに覆われており、このストッパゴム3aは、防振基体3の上端部に連なっている(図1参照)。なお、ストッパゴム部3aの上面には、断面半円状の凹溝3a1が複数本凹設されている。これにより、排水性を確保して、水抜き機能を得ることができると共に、スタビライザー金具13に当接される際の衝撃を緩やかとして、異音の発生を抑制することができる。
防振基体3は、上述したように、上部材1側が筒状金具4側と比較して小径に形成される円錐台形状に形成されると共に、この円錐台形状の底面(図3下側面)に上金具1側へ向けて窪む凹設部3bが凹設されている。なお、凹設部3bは、正面視円形の天井面3b1と、その天井面3b1をゴム膜7に接続する内周面3b2とを備え、円錐台形状に形成されている。
これにより、筒状金具4の軸心Oを含む断面形状は、図2及び図3に示すように、上金具1の突出部1dにおける側面1d1及び底面1d2から筒状金具4へ向けて延設される一対の脚部となるように構成されている。
ここで、防振基体3の外周面は、図3及び図4に示すように、第1円形部31及び第2円形部33と、それら第1円形部31及び第2円形部33の間に位置する中間部33とを備えて構成されている。第1円形部31は、上金具1側に位置する部位であり、ストッパゴム3aの下面(図3下側面)に接続されると共に、図5(a)に示すように、筒状金具4の軸心Oに垂直な仮想平面を含む断面形状が円形に形成されている。
また、第2円形部33は、筒状金具4側に位置する部位であり、フランジ状に張り出して形成される筒状金具4の開口縁に接続されると共に、図5(c)に示すように、筒状金具4の軸心Oに垂直な仮想平面を含む断面形状が円形に形成されると共に、その円形の半径r3が第1円形部32の半径r1よりも大径とされている(r1<r3)。
一方、中間部33は、第1円形部31と第2円形部33との間に位置する部位であり、図5(b)に示すように、筒状金具4の軸心Oに垂直な仮想平面を含む断面形状が、2つの半円(半径r2)を直線で接続した長円形に形成されている。
なお、図5(b)に示す2つの半円の半径r2は、第1円形部31の半径r1よりも大きく、かつ、第2円形部33の半径r3よりも小さい(r1<r2<r3)。また、この2つの半円の半径r2は、第1円形部31との接続部で半径r1に一致される(即ち、2つの半円が直接接続された円形となる)と共に(r1=r2)、第2円形部33側へ向かうに従って漸増し、第2円形部33との接続部で半径r2に一致される(r2=r3)。その結果、減衰特性及び耐久性の向上を図ることができる。
ここで、中間部32の断面形状は、上述した傾斜状態(図1参照)となった場合に、その断面形状上において、最も下方(即ち、メンバMBに近い側)に位置する下方点Pdと、最も上方(メンバMBから遠い側)に位置する上方点Puとを結ぶ第1方向D1(例えば、図2、図3及び図5(b)左右方向)が短軸半径となり、かつ、その第1方向D1に直交する第2方向D2(例えば、図2及び図5(b)上下方向、図4左右方向)が長軸半径となるように構成されている。なお、下方点Pd及び上方点Puは、2つの半円を結ぶ直線の中間点に位置する。
このように、本実施の形態における液封入式防振装置100によれば、第1円形部31と第2円形部33との間に中間部32を配置し、その中間部32を長円形に形成すると共に、長円形の短軸半径方向を第1方向D1に、短軸半径方向を第2方向D2に、それぞれ配置する構成としたので、減衰特性及び耐久性の両立を図ることができる。
即ち、本実施の形態における液封入式防振装置100によれば、中間部32の断面形状(長円形状)を、加振方向(振動入力に伴う変形方向、例えば、図1上下方向)に対して狭くして、耐久性に影響を与える部分の首径(外周径、例えば、図3及び図5(b)左右方向寸法)を小径とすることができるので、外周面にしわ等が発生することを抑制して、耐久性の向上を図ることができる。
一方で、上述のように構成することで、中間部32の断面形状(長円形状)を、加振方向と直交する方向(例えば、図3紙面垂直方向、図5(b)上下方向)に対して広くして、耐久性への影響が少ない部分の首径(外周径、例えば、図3紙面垂直方向寸法、図5(b)上下方向寸法)は大径とすることで、ピストン面積を確保して、減衰特性の向上を図ることができる。
以上のように、中間部32を長円形状に構成し、その長軸及び短軸半径方向を傾斜方向に対応づけて配置することで、しわ等が発生し易く耐久性に影響を与える部位では幅寸法(首径)を狭くして、耐久性の向上を図りつつ、他の部位では幅寸法(首径)を広くして、ピストン面積を確保して、減衰特性の向上を図ることができ、その結果、減衰特性と耐久性との両立を効果的に図ることができる。
また、本発実施の形態における液封入式防振装置100によれば、図3及び図5に示すように、中間部32が第1円形部31及び第2円形部33との間に配置される構成、即ち、上部材1との接続部には断面形状が円形の第1円形部31が配置されると共に、筒状金具4との接続部には断面形状が円形の第2円形部33が配置される構成である。
これにより、上述した耐久性に影響する部分の首径を小径とすることによる耐久性向上効果と、耐久性の影響が少ない部分の首径のみを大径としてピストン面積を確保することによる減衰特性向上効果とを効果的に発揮させて、減衰特性と耐久性とのより一層の両立を達成することができる。
ここで、図3及び図5(a)に示すように、第1円形部31は、その軸心a1が、筒状金具4の軸心Oに対して、第1方向D1であって上方点Pu側(図5(a)左側)へ距離t1だけ偏心して位置している。なお、第1円形部31の軸心a1は、第2方向D2方向には偏心しておらず、筒状金具4の軸心Oを通り第1方向D1に延びる仮想線上に位置している。
一方、図3及び図5(c)に示すように、第2円形部33の軸心a3は、筒状金具4の軸心Oに一致されており、第2円形部33が筒状金具4の開口部と同心の円形とされている。よって、中間部32の2つの半円の中心a2が筒状金具4の軸心Oに対して偏心する距離t2は、第1円形部31との接続部で距離t1に一致し、第2円形部33に近づくに従い漸減し、第2円形部33との接続部で0となる。
なお、凹設部3bは、図3及び図5(c)に示すように、天井面3b1(半径r4)の軸心a4が、筒状金具4の軸心Oに対して、第1方向D1であって上方点Pu側(図5(c)左側)へ距離t4だけ偏心して位置している。この天井面3b1の軸心a4は、第2方向D2方向には偏心しておらず、筒状金具4の軸心Oを通り第1方向D1に延びる仮想線上に位置している。
このように、第1円形部31及び凹設部3b(天井面3b1)が第1方向D1であって上方点Pu側へ偏心して位置することで、防振基体3は、図3に示すように、下方点Pdに近い側(図3右側)に位置する脚部ほど脚部長さが長く、上方点Puに近い側(図3左側)に位置する脚部ほど脚部長さが短くなるように構成されている。
これにより、本実施の形態における液封入式防振装置100によれば、防振基体3の耐久性の向上を図ることができる。即ち、所定の傾斜状態(θ=15°、図1参照)でエンジンを車体フレーム(メンバMB)に支持する場合には、下方点Pdに近い側に位置する脚部ほど圧縮代が大きくなるため、かかる側に近い脚部でしわ等が発生して、ひずみが集中することで、亀裂等による耐久性の低下を招くところ、上述のように構成し、脚部長さを長くすることで、しわ等の発生を抑制して、耐久性の向上を図ることができる。
また、この場合、エンジンを車体フレーム(メンバMB)に支持した状態(いわゆる1W状態)では、下方点Pd側の脚部の脚部長さを上方点Pu側の脚部の脚部長さに近づけることで、防振基体3全体としての形状を筒状金具4の軸心O回りに均一化することができる。よって、振動入力に伴う変形が防振基体3(脚部)の一部に偏ることを抑制すると共に、ピストン面積を効率的に確保することができるので、その分、耐久性と減衰特性との両立を図ることができる。
なお、防振基体3は、筒状金具4の軸心Oを含み、かつ、上方点Pu及び下方点Pdを含む仮想平面(例えば、図4の軸心Oを含み紙面に垂直な平面)を対称面とする面対称の形状に構成されている。
また、防振基体3の外周面は、筒状金具4の軸心Oを含む断面形状において、内方へ向けて窪む円弧状に形成されており、図3に示すように、その半径は上方点Puを含む部位で最大半径(ru)となり、下方点Pdへ向かうに従い漸減し、下方点Pdを含む部位で最小半径(rd)となる。
なお、防振基体3の外周面は、上方点Pu又は下方点Pdから周方向へ90°位相がずれた部位(即ち、図4に示す部位)において、その半径rvが半径ru,rdの平均値となるように構成されている(rv=(ru+rd)/2)。
このように、本実施の形態における液封入式防振装置100によれば、防振基体3の外周面形状を上述のように構成したので、耐久性と減衰特性との両立を図ることができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施の形態では、中間部32の断面形状が長円形状となる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の形状とすることは当然可能である。他の形状としては、例えば、2つの中心a2からの距離が等しい楕円形状が例示される。
上記実施の形態では、底金具5の底面を傾斜させることで、筒状金具4の軸心Oが水平面に対して傾斜した状態でエンジンを支持する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、底金具5の底面を傾斜させずに(即ち、軸心Oに垂直な面として)構成することは当然可能である。この場合には、メンバMBが水平面に対して傾斜(例えば、15°)する構成であれば良い。
上記実施の形態では、凹設部3bの天井面3b1を正面視円形に構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の形状とすることは当然可能である。他の形状としては、例えば、長円形状や楕円形状が例示される。この場合、長円形状および楕円形状は、中間部32の配置と同じ向きの配置(即ち、長軸半径が第2方向D2となり、短軸半径が第1方向D1となる配置)とすることが好ましい。これにより、上述した減衰特性と耐久性との両立をより確実に達成することができる。
上記実施の形態では、第1円形部31及び第2円形部33の高さ寸法(軸心O方向寸法)が実質的に0である場合(即ち、中間部32の半径r2の大きさが徐々に変化し、ストッパゴム3aの下面との接続部で半径r2が半径r1に一致すると共に、筒状金具4との接続部で半径r2が半径r3に一致する構成)を説明した。これにより、中間部32の領域を最大限確保して、上述した減衰特性と耐久性との両立をより効果的に達成することができる。
但し、必ずしもこれに限られるものではなく、第1円形部31及び第2円形部33の高さ寸法(軸心O方向寸法)を0以上(例えば、それぞれの高さ寸法を、ストッパゴム3aの下面と筒状金具4の開口縁との間における軸心O方向の距離の5%〜10%)とすることは当然可能である。
本発明の一実施の形態における液封入式防振装置の断面図である。 液封入式防振装置の上面図である。 図2のIII−III線における液封入式防振装置の断面図である。 図2のIV−IV線における液封入式防振装置の断面図である。 (a)、(b)及び(c)は、図3のVa−Va線、Vb−Vb線及びVc−Vc線における防振基体の断面図である。
符号の説明
100 液封入式防振装置
1 上金具(第1取付部材)
1d 突出部
1d1 側面
2 本体金具
4 筒状金具(筒状部材)
5 底金具(第2取付部材)
3 防振基体
3b 凹設部
31 第1円形部
32 中間部
33 第2円形部
8 液体封入室
11A 主液室
11B 副液室
9 ダイヤフラム
12 仕切手段
25 オリフィス
BK ブラケット(振動発生体側の一部)
MB メンバ(車体フレーム側の一部、水平面)
O 軸心(筒状部材の軸心)
θ 傾斜角
Pu 上方点
Pd 下方点
D1 第1方向
D2 第2方向

Claims (2)

  1. 第1取付部材と、筒状の筒状部材と、前記筒状部材と第1取付部材とを連結しゴム状弾性材から構成される防振基体と、前記筒状部材に取り付けられて前記防振基体との間に液体封入室を形成するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムにより形成された前記液体封入室を前記防振基体側の主液室と前記ダイヤフラム側の副液室とに仕切る仕切手段と、前記仕切手段により仕切られた前記主液室と副液室とを互いに連通させるオリフィスと、前記筒状部材に取り付けられ前記ダイヤフラムとの間に空気室を形成する第2取付部材とを備え、前記第1取付部材が振動発生体側に連結されると共に、前記第2取付部材が車体フレーム側に連結され、前記筒状部材の軸心が水平面に対して傾斜した傾斜状態で前記振動発生体を前記車体フレームに対して支持するように構成された液封入式防振装置において、
    前記防振基体は、前記第1取付部材側が筒状部材側と比較して小径に形成される円錐台形状に形成されると共に、前記円錐台形状の底面に前記第1取付部材側へ向けて窪む凹設部が凹設され、
    前記防振基体の外周面は、前記第1取付部材側に位置し前記筒状部材の軸心に垂直な仮想平面を含む断面形状が円形に形成される第1円形部と、前記筒状部材側に位置し前記仮想平面を含む断面形状が前記第1円形部よりも大径の円形に形成される第2円形部と、前記第2円形部と第1円形部との間に位置し前記仮想平面を含む断面形状が楕円形又は長円形に形成される中間部とを備えて構成され、
    前記中間部の前記断面形状は、前記傾斜状態において、最も下方に位置する下方点及び最も上方に位置する上方点を結ぶ第1方向が短軸半径となり、前記第1方向に直交する第2方向が長軸半径となる楕円形又は長円形に形成されていることを特徴とする液封入式防振装置。
  2. 前記第1取付部材は、前記筒状部材へ向けて突出され前記防振基体に埋設される突出部を備え、
    前記防振基体は、前記筒状部材の軸心を含む断面形状が、前記第1取付部材の突出部における側面から前記筒状部材へ向けて延設される一対の脚部となるように構成され、
    前記第1円形部及び前記凹設部が前記第1方向であって前記上方点側へ偏心して位置することで、前記下方点に近い側に位置する脚部ほど脚部長さが長く、前記上方点に近い側に位置する脚部ほど脚部長さが短くなるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の液封入式防振装置。
JP2007085963A 2007-03-28 2007-03-28 液封入式防振装置 Expired - Fee Related JP4823117B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007085963A JP4823117B2 (ja) 2007-03-28 2007-03-28 液封入式防振装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007085963A JP4823117B2 (ja) 2007-03-28 2007-03-28 液封入式防振装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008240998A JP2008240998A (ja) 2008-10-09
JP4823117B2 true JP4823117B2 (ja) 2011-11-24

Family

ID=39912581

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007085963A Expired - Fee Related JP4823117B2 (ja) 2007-03-28 2007-03-28 液封入式防振装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4823117B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010071865A (ja) 2008-09-19 2010-04-02 Fujitsu Ten Ltd 信号処理装置、及びレーダ装置。
JP6513354B2 (ja) * 2014-09-02 2019-05-15 Toyo Tire株式会社 防振装置
JP7460572B2 (ja) 2021-03-25 2024-04-02 住友理工株式会社 防振装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2558716B2 (ja) * 1987-07-10 1996-11-27 東洋合成工業株式会社 ポジ型ホトレジスト組成物
JP3648575B2 (ja) * 1995-07-25 2005-05-18 東洋ゴム工業株式会社 液封入式防振装置
JP4053037B2 (ja) * 2004-10-18 2008-02-27 東洋ゴム工業株式会社 液封入式防振装置
JP2006029591A (ja) * 2005-08-31 2006-02-02 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 液体封入式防振装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008240998A (ja) 2008-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101303562B1 (ko) 에어 댐핑 마운트
US7328888B2 (en) Hydraulic antivibration device and hydraulic antivibration assembly containing the same
JP5535958B2 (ja) 液封入式防振装置
WO2006040809A1 (ja) 液封入式防振装置
JP4176129B2 (ja) 液封入式防振装置ユニット、及び、液封入式防振装置、車体側ブラケット
WO2011108035A1 (ja) 液封入式防振装置
WO2015068730A1 (ja) マウント装置
JP4945162B2 (ja) 防振装置
JP2018204675A (ja) 防振装置
JP5210558B2 (ja) 防振装置
JP4823117B2 (ja) 液封入式防振装置
JP4824423B2 (ja) 防振装置
JP2008002565A (ja) 防振装置
JP4989620B2 (ja) 液封入式防振装置
JP4181163B2 (ja) 液封入式防振装置
JP4657120B2 (ja) 液封入式防振装置
JP5702250B2 (ja) 液封入式防振装置
JP5108349B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP5118454B2 (ja) 液封入式防振装置
JP2019215052A (ja) 防振装置
JP6329870B2 (ja) 防振装置
JP4328589B2 (ja) 防振装置
JP2009097612A (ja) 液体封入式防振装置
JP4001230B2 (ja) 液封入式防振装置
JP2009092174A (ja) 液体封入式防振装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091029

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110310

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110906

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110906

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4823117

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140916

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees