JP4822021B2 - ファンモータ - Google Patents

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Description

本発明は、ファンモータに関する。
ファンモータは、例えばショーケースの換気や、工作機械の制御部の冷却、食品冷蔵庫の空気循環、水の撹拌など、水滴や油適などの液滴や粉塵等が発生しやすい環境で使用されることが多々ある。このようなファンモータは、周囲からの液滴等がファンモータの内部に進入するとコイルが腐食したり、コイルが断線したりすることがあるため、高い防水性、防塵性が要求される。よって、従来のファンモータでは、コイルを耐水性の樹脂で覆う構造にしたものがある。しかしながら、この構造のファンモータでは、コイル形状に応じた金型を必要とするため、コストがかさむ。また、樹脂で覆ったコイルの品質を均一にするのが難しく、歩留りが悪くモールド加工に時間がかかってしまう。
そこで、周囲からの液滴等がファンモータ内部に進入しないように、液滴等が進入しやすい部分に防水構造を採用したものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
この特許文献1のファンモータの構造を図2に示す。
図2に示すように、ファンモータ100は、ブラケット120と、ブラケット120の上方に配置される固定子122および回転子121とを備えている。ブラケット120の外周側には、周壁124,125が形成されており、これらの周壁124,125の間に環状凹部126が形成されている。環状凹部126よりも内周側には、環状の止水壁159が形成されている。
固定子122は、コアプレート積層体137と、コアプレート積層体137に巻き回されたコイル141とを備えている。固定子122の中央には、軸受132,133を介して、固定子122に対して回転可能に設けられた回転軸154が配置されている。
回転子121は、逆椀状のロータケース145と、ロータケース145の側壁に固定された羽根146と、ロータケース145の内壁に固定され固定子122の外周側に配置されるコアプレート積層体149を備えている。ロータケース145の中央部は、回転軸154に固着されている。ロータケース145の端部は、ブラケット120の環状凹部126内に配置されている。
このようなファンモータ100では、固定子122に対して回転子121が回転すると、ロータケース145自体も回転する構造となっているので、ロータケース145の下端とブラケット120との間が必然的に離間した構造となっており、そこから外部からの液滴が流入するおそれがある。その流入を、特許文献1に記載された発明においては、ロータケース145の端部を環状凹部126内に配置することによって、防止している。また、液滴がロータケース145とブラケット120との間隙を通ってロータケース145内に進入しても、止水壁159によってさらなる進入が阻止される。したがって、コイル141が水や油などの液体に濡れることがなく、コイル141の断線、ショート等の不具合を解消できる。
しかしながら、前述のようなファンモータ100では、構造上ロータケース145の下端とブラケット120とを離間させなければならないため、良好な防水性能を確保するために、環状凹部126や止水壁159などを設けなければならず、ブラケット120の形状が複雑になってしまう。また、液滴や粉塵等が多量に発生したり液滴等が頻繁にファンモータにかかるようなより過酷な使用環境や、ファンモータ100が上下逆に設置されるような使用条件の下においても良好な防水性、防塵性を確保すべく、より確実に液滴等の進入を防止できるファンモータが望まれている。
また、モータは、ステータに設けられた巻線が発熱する。このため、モータの温度上昇を防止するため、巻線を冷却するためのファンが取り付けられた自冷ファン付モータがある(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2の自冷ファン付モータは、ステータと、ステータの外周に設けられたロータとを有し、ロータを保持するロータフレームの上面に、モータ自体を冷却するためのファンを設けている。ロータが回転すると、その回転とともにファンも回転し、ファンが空気を吸引してロータフレームに向けて送風することにより、ロータフレームを強制的に冷却し、それによってモータの温度上昇を防止している。
ところで、例えば、ショーケースの換気や食品冷蔵庫内の温度を均一にするために設置された空間内の空気を循環させるためや、ある装置の発熱部分に送風して冷却するために用いられるファンを有する、所謂ファンモータが知られている。より詳細には、このようなファンモータは、設置された空間内の空気の循環等や発熱部分の冷却のためのものであるので、外方に向かって送風するファンを有している。ファンモータのファンを回転させるモータも発熱するため、ファンモータはそれぞれ、冷却性能との関係で、使用可能な温度範囲、すなわち、使用可能な環境が限定されている。
特許第3072413号 特開2000−50575号公報
そこで、本発明の第1の目的は、設置向きや使用条件にかかわらずより確実に液滴、粉塵等の異物の進入を防止できるファンモータを提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、特に、上記のようなファンモータにおいて、特に、部品点数を増やすことなく、内部の熱を良好に放熱でき、使用可能な温度の範囲を広げることによって、様々な環境で使用できるファンモータを提供することにある。
本発明のファンモータは、固定子と、回転軸を有する回転子と、回転軸の上端部を除いて、固定子および回転子の全体を液密に取り囲む包囲体とを有し、包囲体の上部には、回転軸の上端部を挿通して包囲体外に突出させる挿通孔が形成されており、更に、回転軸の上端部に固定されたファン部材を有し、該ファン部材は包囲体の上部を覆うように全体的に逆椀形状をなし、且つ、外周面に羽根を有し、包囲体とファン部材との接触を防止するため、包囲体の外面とファン部材の内面とは互いに離間しており、これらの間に外部から挿通孔に向けて延びる異物の進入経路が形成され、進入経路は、回転軸の回転軸線を含む横断面において、異物が挿通孔に到達するのを防止するため、挿通孔の上流側において屈曲しており、ファン部材には、屈曲部の上流側に滞留する異物を、ファン部材の回転による遠心力によって外部に排出するための排出孔が形成されている、ことを特徴とする。
この発明によれば、固定子および回転子が包囲体によって回転軸の上端部を除いて液密に取り囲まれているので、固定子および回転子が、包囲体内にほぼ密封される。したがって、包囲体外部から内部の固定子および回転子への異物の進入が阻止される。また、ファンモータの使用に際しては、異物の進入経路から挿通孔に向かって異物が進入するが、挿通孔の上流側に屈曲部が形成されているので、当該屈曲部において進入した異物が堰き止められる。そして溜まった異物は、ファン部材の遠心力によって排出孔から排出される。
なお、ここで、本発明の異物とは、水滴や油適などの液滴を含む液体や、粉塵などの粉状体などを含み、ファンモータの内部に多量に進入すると回転子やその他の部品に不具合を生じる可能性のある微小な物質を含む。
回転子および固定子が、包囲体で液密に取り囲まれる領域に収容されているので、従来とは異なり、ブラケットとカバーとの間に間隙が形成されず、回転子および固定子がより確実に防水される。また、包囲体が回転子および固定子を液密に取り囲むので、ファンモータがどの向きに設置されても、またファンモータに多量の液滴や粉塵がかかってもなお、包囲体内部への異物の進入が防止されるから、ファンモータの設置位置や使用条件にかかわらず、簡単な構造で、防水性、防塵性が良好かつ確実となる。
進入経路において挿通孔の上流側に屈曲部が形成されているので、進入経路を通って進入した異物が堰き止められ、挿通孔から包囲体内部への異物の進入が阻止される。したがって、ファンモータの防水性、防塵性がより一層確実となる。また、例えばファンモータの設置向きが下向き(ファン部材が包囲体より上方に位置し、ファン部材が正椀形状となるような向き)である場合であっても、良好な防水性、防塵性が確保される。
さらに、ファン部材に排出孔が形成されているので、屈曲部の上流に滞留した異物は、遠心力によって排出孔から排出される。つまり、屈曲部で堰き止められた異物が進入経路内部に溜まることがないため、溜まった異物が挿通孔まで到達することがない。したがって、例えば多量の異物がファンモータにかかるような使用条件においても進入経路の異物が排出孔から随時排出されるので、これによっても、ファンモータの設置向きや使用条件にかかわらず、防水効果、防塵効果が確実となる。これにより、本発明の第1の目的を達成することができる。
本発明では、進入経路の屈曲部は、ファン部材の内面および包囲体の外面のいずれか一方に形成された凹部と、他方に形成された、凹部内に延びる凸部とで構成される、ことが好ましい。
この発明によれば、進入経路の屈曲部が凹部と凸部とで構成されているので、屈曲部が迷路状となり、挿通孔への異物の進入阻止がより確実となる。また、屈曲部が凹部と凸部とで構成されているので、屈曲部の構造が簡単となり、屈曲部の形成が容易となる。
本発明では、進入経路には、排出孔から進入する異物が下流側に流入するのを阻止するため、排出孔近傍に、包囲体の外面から進入経路を横切る方向に延びる堰部が形成されている、ことが好ましい。
この発明によれば、排出孔近傍に堰部が形成されているので、排出孔から進入する異物が堰部で堰き止められ、再び排出孔から排出される。排出孔からの異物が屈曲部に到達するよりも前に一次的に阻止するので、ファンモータの防水、防塵機能がより確実となる。
また、特にファンモータが下向き、つまり包囲体がファン部材より上方に位置するように配置された場合には、進入経路から進入した異物が包囲体を伝って屈曲部まで到達することが考えられるが、包囲体に堰部が形成されているので、異物は堰部を伝ってファン部材側に落ちる。その後、ファン部材上に落ちた異物は、遠心力によって排出孔から排出される。このように、堰部が形成されていることは、ファンモータが下向きに設置されているときに特に有用である。
また、本発明は、第2の目的を達成するために、ファンモータがもともと回転するファンを備えていることに着目し、それを利用してモータの冷却に利用したことを特徴とする。
本発明では、ファン部材は、外方に向かって送風するように構成され、包囲体とファン部材との間には、固定子から発生する熱を放出するための放熱空間が形成されている、ことが好ましい。
この発明によれば、回転子および固定子から発生した熱は、包囲体に伝達され、上記放熱空間に放熱される。放熱空間内の暖められた空気は、ファン部材の回転によって連れまわられ、包囲体の周囲で螺旋状の気流となって、ファン部材の外へと排気され、これによって、モータが冷却される。
包囲体が、回転子および固定子の全体を取り囲んでいるので、回転子および固定子から発生した熱が良好に包囲体に伝達される。したがって、固定子の放熱が良好となり、回転子および固定子の温度が高温となることがないから、ファンモータの使用可能な温度範囲が広がり、より様々な環境において使用することができる。また、ファンモータに元々必要とされるファン部材を用いて回転子および固定子の冷却を行うので、外方に向かって送風するというファンモータの本来の機能を果たしながら、部品点数を増やすことなく良好な冷却が行われる。
包囲体とファン部材との間には、放熱空間が形成されているので、包囲体に伝達された熱が、包囲体に滞留することなく、放熱空間から良好に放熱される。したがって、これによっても、ファンモータの放熱性がより良好になる。
また、包囲体は回転しないため、ファン部材が回転すると、ファン部材は包囲体の上部で包囲体に対して回転する。したがって放熱空間内の空気がファン部材の回転によって撹拌され、包囲体からの放熱がより一層促進される。
さらに、ファン部材が包囲体の上部を覆うように逆椀状をなしているので、ファン部材と包囲体との間で形成される放熱空間の面積を大きく取ることが可能となる。したがって、ファン部材の空気の撹拌によって放熱が促進される包囲体の表面積が大きくなるから、これによっても包囲体の放熱が促進される。これにより、本発明の第2の目的を達成することができる。
本発明では、包囲体の外周面に放熱用のフィンが設けられている、ことが好ましい。
この発明によれば、包囲体の外周面にフィンが設けられているので、包囲体の全体の表面積が大きくなる。したがって、包囲体からの放熱量が大きくなるので、ファンモータの放熱がより効率的に行われる。
本発明では、包囲体はベース部を有し、固定子と回転子はベース部の上に配置されており、逆椀状のファン部材の下端縁は、ベース部から上方に所定距離のところで終端しており、フィンは、ベース部とファン部材との間の空間において半径方向外方に突出している、ことが好ましい。
この発明によれば、フィンがベース部とファン部材との間の空間に配置されているので、ファン部材に干渉することなく必要な表面積を確保することが可能となる。これにより、包囲体の放熱効率が良好となる。
また、フィンがファン部材の下端縁よりも下方で半径方向に突出しているので、フィンとの干渉を避けるためにファン部材をフィン外周よりも外周側に配置する必要がないから、ファン部材の半径方向の寸法が小さくなり、ファンモータの小型化が促進される。
本発明では、発光部にLEDを有し、ファン部材の回転の有無を検知するLEDセンサを更に備えている、ことが好ましい。
この発明によれば、ファンモータがLEDセンサを更に備えているので、ファン部材が正常に回転しているかどうかを確認することができる。
本発明のファンモータによれば、回転子および固定子が包囲体によってほぼ密閉され、異物の進入経路から進入する異物は屈曲部および排出孔によって確実に外部に排出できるので、ファンモータの設置向きや使用条件にかかわらず、異物が内部に進入するのをより確実に防止できる。これにより、本発明の第1の目的を達成することができる。
また、本発明のファンモータによれば、包囲体とファン部材との間に放熱空間が形成されているので、回転子および固定子から発生する熱が包囲体に伝達され、放熱空間を通って放熱されるから、ファンモータ内部の熱を良好に放熱でき、使用可能な環境温度の範囲を広げることができる。これにより、本発明の第2の目的を達成することができる。
本発明の一実施形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るファンモータ1の側断面図である。図1において、ファンモータ1は、ファンモータ1を設置するための取付部分となるベース部としてのブラケット20と、ブラケット20上に配置された回転子30および固定子40と、回転子30および固定子40を取り囲むカバー部50と、カバー部50の上側および周囲を覆うように配置されたファン部材70とを備えている。なお、本実施形態において、図1の上方をファンモータ1の上方、図1の下方をファンモータ1の下方として説明する。また、ブラケット20とカバー部50とを備えて、本発明の包囲体が構成される。
ブラケット20は、円盤状に形成された底面部21と、底面部21の外周に一体的に形成され、底面部21に対して垂直に立設された円筒状の壁部22とで構成されている。底面部21は、中央部に円形の凹部23を有し、この凹部23の外縁には、底面部21の表面から垂直に突出する円筒形の壁部24が形成されている。底面部21の外周側には、環状の凹部25が形成されており、凹部23と凹部25との間には、固定子40に接続されるリード線80が貫通するための貫通孔26が設けられている。
回転子30は、逆椀状のロータケース31と、ロータケース31の内壁に設けられたコアプレート積層体32と、コアプレート積層体32の上下面にそれぞれ設けられる短絡リング33,34とを備えている。また、回転子30は、回転軸60を有する。
ロータケース31は、円筒状の側壁の上面を円盤状部材で塞いだ有底円筒形状に形成されており、その中央部が、ブシュ35を介して回転軸60に固定されている。コアプレート積層体32は、ケイ素鋼板等からなる環状のコアプレートを複数枚積層して形成されている。短絡リング33は環状に形成され、短絡リング33の上面には、回転子30のアンバランス量を調整するために鉛を挿入可能な凹状溝36が複数箇所形成されている。また、ロータケース31において凹状溝36に対応する位置には、孔37が形成されている。短絡リング34は環状に形成され、短絡リング34の下面には、短絡リング33と同様に鉛を挿入するための凹状溝38が複数箇所形成されている。これらの短絡リング33,34は、コアプレート積層体32に形成された複数個の孔(図示せず)を通して籠形状にアルミダイキャストで短絡されている。
回転軸60は、底面部21中央の凹部23上に配置され、軸受61,62によって固定子40に対して回転可能に支持されている。回転軸60の上端部は、カバー部50を貫通してカバー部50の外部に突出している。
固定子40は、コアプレート積層体41と、コアプレート積層体41に巻き回されるコイル42とを備えている。
コアプレート積層体41は、絶縁性プラスチックからなる下ボビンケース43上にケイ素鋼板等からなるコアプレートを複数枚積層して形成されている。コアプレート積層体41の上方には、上ボビンケース44が設けられている。コイル42は、コアプレート積層体41の周囲に上下ボビンケース43,44を介して連続的に巻き回されている。コイル42の上下面には下絶縁キャップ45および上絶縁キャップ46が設けられている。
コアプレート積層体41の内周は、金属製円筒47の外周に嵌着されており、この金属製円筒47の下端は、ブラケット20の壁部24の外周に配置されている。これにより、金属製円筒47は、ブラケット20の中央部に立設されている。金属製円筒47の内周には、前述の軸受61,62を介して回転軸60が支持されており、これにより回転軸60は、回転子30とともに固定子40に対して回転可能となっている。
カバー部50は、円筒状の側壁51と側壁51の上方を覆った上面52とが一体的に形成された逆椀状とされ、側壁51の下端面には、環状の凹部53が形成されている。この凹部53は、ブラケット20の凹部25に対応する位置に配置され、これらの凹部53,25にOリング81が嵌め込まれることで、カバー部50の下端面とブラケット20の底面部21とが封止されている。これにより、カバー部50と底面部21とで囲まれた領域は、ほぼ密閉された液密な空間82となり、この空間82に回転軸60の一部、回転子30、および固定子40が収容されている。したがって、カバー部50およびブラケット20からなる包囲体は、回転子30および固定子40の上方(上面側)、周囲(外周側)、および下方(下面側)を取り囲んでいる。
カバー部50の側壁51外周面には、空間82内の熱を外部に放熱する冷却手段として、ヒートシンク54が設けられている。ヒートシンク54は、側壁51の外周面から径方向外方に向かって延びる多数の縦(上下)方向のフィン54Aで構成されている。これらのフィン54Aは、ファン部材70と干渉しないように、側壁51の下方側がより外方に張り出すように形成されている。つまり、フィン54Aの上方側は、径方向の寸法が小さく形成され、フィン部材70よりも内側に配置されている。一方、フィン54Aの下方側は、ファン部材70の下端縁とブラケット20との間の空間に配置されて径方向の寸法が大きく形成され、フィン部材70の内周面よりも半径方向外方に突出している。なお、カバー部50は、良好に放熱できるように、例えばアルミニウム等の放熱性に優れた材料で構成されていることが望ましい。
カバー部50には、上面52の中央部に挿通孔55が形成され、挿通孔55には回転軸60の上端部が挿通される。挿通孔55は上方に向かって延出しており、その上部は、上面52から上方に突出する環状の壁部56Aとなっている。また、壁部56Aよりも外周側には、壁部56Aと所定間隔を有して環状の壁部56Bが形成されており、これらの壁部56Aおよび壁部56Bとの間に凹部56が形成される。
凹部56よりも外周側には、上面52の径方向中点近傍に環状の凸部57が形成されている。この凸部57は、射出成形などによって成形されており、上面(外面)側が突出していると同時に下面(内面)側が凹んでいる。また、この凸部57の断面形状は、頂点が丸みを帯びた略三角形状の波状であるが、これに限らず例えば略矩形や台形であってもよく、その断面形状は任意に設定できる。
上面52の外縁には、ファン部材70に向かって上方に突出する環状の堰部58が形成されている。堰部58の外周面は、側壁51の外周面と同一円柱面となっており、壁部51の外周面が上方に連続的に延伸して壁部58の外周面となっている。また、壁部58の内周面は、断面円弧状に上面51に連続している。
ファン部材70は、カバー部50の上面71(上側)および側壁51(周囲)の上方を覆うように配置され、円盤状の上面71と、上面71の外周に一体的に形成された円筒形の側壁72とを有した有底円筒形状に形成され、全体的に逆椀形状をなしている。側壁72の外周面には複数の羽根73が形成されている。ファン部材70の下端縁は、ブラケット20の底面部21の上面から所定距離のところで終端しており、ファン部材70の下端縁とブラケット20の底面部21との間には、前述のフィン54Aの下方側が配置される空間が形成されている。
ここで、ファン部材70は、カバー部50に対して回転するのでカバー部50との接触を避けるためファン部材70の内面とカバー部50の外面とは所定間隔を有して互いに離間している。このため、ファン部材70内面とカバー部50外面との間は、固定子40のコイル42から発生した熱がカバー部50を介して放出される放熱空間86となっている。
また、この放熱空間86は同時に、外部からカバー部50の挿通孔55に向かって水滴や油適などの液滴や粉塵などの異物が進入可能となるため、外部からカバー部50の挿通孔55に向けて延びる異物の進入経路83となっている。
ここで、放熱空間86、進入経路83は、ファン部材70の下端部とカバー部50との間の開口を入り口とし、ファン部材70の側壁72とカバー部50の側壁51との間に上下方向に形成され、その後ファン部材70の上面71とカバー部50の上面52との間に横方向に形成される。したがって、放熱空間86、進入経路83は、全体として逆椀状の有底円筒形状に形成されており、ファン部材70の回転軸線を含む横断面においてカバー部50の側壁51に沿って上下方向に延び、且つ、カバー部50の上面52に沿って横方向に延びるL字形となっている。
ファン部材70の回転を検知するためのLEDセンサ(図示せず)が設けられていてもよい。LEDセンサは、発光部としてLEDと、LEDからの光を受光する受光部とを有する。なお、LEDセンサは、反射型のものであっても、透過型のものであってもよい。発光部及び受光部は、カバー部50や、ブラケット20等の適宜の位置に取り付けられ、ファン部材70の通過を検知する。LEDセンサは、LEDセンサからの検知信号に基づいて、ファン部材70の回転の有無を判断するファン回転検出装置(図示せず)に接続される。
上面71の中央部は、回転軸60の上端部に固着されている。また、上面71の内面側(下面側)においてカバー部50の凹部56に対応する位置には、カバー部50に向かって突出する環状の凸部74が形成されている。凸部74は、凹部56内に延びており、凸部74と凹部56とによってラビリンス構造が形成されている。このラビリンス構造によって、進入経路83の上下方向の寸法が狭くなり、異物が進入しにくくなっている。
上面71において凸部74よりも外周側には、カバー部50の凸部57に対応する位置にカバー部材50に向かって突出する環状の二つの凸部75A,75Bが形成されている。これらの凸部75A,75Bは、カバー部50の凸部57の内側と外側にそれぞれ位置している。つまり、これらの凸部75A,75Bとによって凹部75が形成され、この凹部75内に凸部58が延びている。よって、これらの凸部57と凹部75とによってラビリンス構造が形成されている。
この凹部75は、射出成形などによって成形されており、上面(外面)側が凹んでいると同時に下面(内面)側が突出している。また、この凹部75の断面形状は、頂点が丸みを帯びた略三角形状となる波状であるが、これに限らず例えば略矩形や台形であってもよく、その断面形状は任意に設定できる。
ここで、これらの凸部57および凹部75は、異物が進入経路83を通って下流側の挿通孔55に到達するのを防止するために設けられており、凸部57および凹部75によって、回転軸60の回転軸線を含む横断面において進入経路83が上下に波状に屈曲する本発明の屈曲部84が構成されている。この屈曲部84は、進入経路83の他の部分よりもその上下方向の寸法が狭くなっており、異物が侵入しにくくなっている。また、屈曲部84における進入経路83の上下方向の寸法は、一定である。さらに、凹部57および凸部75が波状の断面形状をなしているので、進入経路83が狭くなる距離が、凹部56および凸部74において進入経路83が狭くなる距離よりも長くなっている。
進入経路83において屈曲部84よりも上流側、つまり、凸部75Bよりも外周側のファン部材70とカバー部50との間の領域は、進入経路83を進入した異物が屈曲部84によって堰き止められて溜められる環状の貯留部85となっている。
上面71においてカバー部50の堰部58よりも内周側の堰部58近傍には、カバー部50に向かって突出する環状の凸部76が形成されている。この凸部76は、堰部58とともに、凸部57および凹部75の外周側にさらなるラビリンス構造を形成している。ここで、ファン部材70の内面と堰部58の上端面との間の距離は、進入経路83の他の部分よりも小さくなっている。また、凸部76の先端とカバー部50の外面との間の距離も、進入経路83の他の部分よりも小さくなっているが、ファン部材70と堰部58との間の距離よりは大きく設定されている。また、堰部58とファン部材70との間の距離、および凸部76とカバー部50との間の距離は、屈曲部84における凸部57と凹部75との間の距離より大きく設定されている。
側壁72の上端部には、互いに所定間隔を有して等間隔に、進入経路83から進入した異物を排出するための排出孔78が配置されている。排出孔78は側壁72の上端部に配置されているので、上面71の内面と排出孔78の外縁上端とが連続することとなる。また、これらの排出孔78は、進入経路83に対して、上下方向の進入経路83と横方向の進入経路83との境目に配置されることとなる。
このような配置により、カバー部50の堰部58は、排出孔78の近傍で、進入経路83に関して排出孔78の下流側で、且つ、屈曲部84の上流側に配置される。
次に、本発明のファンモータ1の動作について説明する。
コイル42に電流を流して回転子30を回転させると、回転子30とともに回転軸60が回転し、ファン部材70が回転する。回転子30の回転で生じた空間82内の熱は、カバー部50外周面のヒートシンク54によって外部に放出される。
液滴や粉塵が発生しやすい環境においてファンモータ1を使用する場合には、ファン部材70やカバー部50に液滴等がかかる。このとき、ブラケット20とカバー部50とは、Oリング81によって封止されているため、これらの間からは液滴等の異物が進入することがない。
一方、進入経路83は、羽根73と側壁52との間が開口しているので、当該間から挿通孔55に向かって異物が進入する場合がある。このとき、進入経路83に進入した異物は、まず、堰部58および凸部76で構成されたラビリンス構造で堰き止められる。そしてファン部材70の回転による遠心力によって外周側に移動させられ、堰部58の外周近傍に配置された排出孔78から排出される。
堰部58および凸部76を通過して、異物が進入経路83をさらに進入した場合には、異物は次に屈曲部84によってその進入が妨げられる。異物は、屈曲部84の上流側の貯留部85に滞留し、ファン部材70の遠心力によって排出孔78から排出される。
進入経路83に進入した異物は通常屈曲部84によってほとんどが除去されるが、ファンモータ1の使用条件等がより厳しく少量の異物が屈曲部84を通過した場合には、凹部56および凸部74が異物の進入を防止する。
また、排出孔78から進入経路84に異物が進入した場合には、異物は、排出孔78のすぐ下流側に配置された堰部58によってそれ以上の進入が妨げられ、ファン部材70の遠心力によって再び排出孔78から排出される。
また、例えばファンモータ1が下向き、すなわちブラケット20が上方に配置され、ファン部材70の上面71がカバー部50の上面51より下側に設置される場合には、ファン部材70は全体的に上側開口の椀形となるように配置される。この設置状態において、ファンモータ1に液滴等の異物がかかった場合、ブラケット20とカバー部50との間はOリング81によって封止されているので、やはりこれらの間から異物が空間82に進入することはない。
一方、進入経路83に進入した異物は、堰部58および凸部76によって堰き止められ、ファン部材70の遠心力によって排出孔78から排出される。このとき、堰部58は下方に向かって突出しているので、進入した異物がファン部材70の上面71の内面に落ちやすく、上面71に落ちた異物はファン部材70の遠心力によって排出されやすい。またこのとき、排出孔78はファン部材70の側壁72の最下端に配置され、その外縁の最下端が上面71の内面と連続しているので、上面71の内面に落ちた異物が当該内面を伝って排出孔78に導かれやすい。
堰部58および凸部76を越えて進入経路83を進入した異物は、屈曲部84によって堰き止められる。屈曲部84の上流側の貯留部85に堰き止められた異物は、ファン部材70の遠心力によって排出孔78から排出される。また、前述のように、ファンモータ1の使用条件が特に過酷で、少量の異物が屈曲部84を越えた場合でも、凹部56および凸部74が挿通孔55への進入を防止する。
排出孔78から進入経路84内に異物が進入した場合には、堰部58が進入経路84の下流側への進入を妨げる。異物は、再び排出孔78を通って外部に排出される。
ファンモータ1の回転にともなって、コイル42は発熱するので、空間82内の温度が上昇する。空間82内の熱は、カバー部50に伝達され、カバー部50に貯えられた熱は、カバー部50外周の放熱空間86に伝達される。このとき、ファン部材70はカバー部50の上面52および側壁51上方を覆った状態で回転するので、放熱空間86内の暖められた空気は、カバー部50の側壁51の周囲で螺旋状の気流となってファン部材70の下端縁から外部に排気される。これにより、ファンモータ1が冷却される。また、カバー部50内の熱は、外周のフィン54Aからも外部に放熱される。
ファン部材70の回転は、LEDセンサによって監視される。LEDセンサは、ファン部材70の通過を検知すると、その検知信号をファン回転検出装置に出力する。ファン回転検出装置は、LEDセンサからの検知信号を監視する。具体的には、ファン回転検出装置は、ファン部材70の定期的な通過の検知信号がないと、ファン部材70の回転がないと判断し、例えばランプの点灯やブザーによる警報等の通知や、場合によってはファンモータ1が取り付けられている装置の運転停止等の処理を行う。
このような実施形態によれば、次のような効果が得られる。
(1)回転子30および固定子40をカバー部50およびブラケット20で取り囲み、ブラケット20とカバー部50とをOリング81で封止したので、回転子30および固定子40をほぼ密閉された空間82に収容できる。したがって、従来のような、回転子の端部とブラケットとの間にラビリンス構造を採用していた構造と比較して、回転子30および固定子40の防水がより確実にできる。また、より液滴等がかかりやすい等より過酷な使用条件においてもファンモータ1の良好な防水性、防塵性を確保できる。
(2)進入経路83に屈曲部84を設け、ファン部材70に排出孔78を設けたので、進入経路83に進入した異物を屈曲部84の上流の貯留部85で溜め、排出孔78から排出することができる。したがって、空間82内に異物が進入する可能性がある唯一の場所である挿通孔55への異物の進入を確実に防ぐことができるから、ファンモータ1の防水性、防塵性をより一層高めることができる。これにより、例えばファンモータ1を下向きに設置した場合でも、挿通孔55から異物が進入することがないので、ファンモータ1の設置向きにかかわらず、良好な防水性、防塵性を確保できる
また、屈曲部84を凸部57と凹部75とで構成したので、簡単な構造で屈曲部84を形成でき、例えばプレス成形など簡単な手法により屈曲部84を容易に形成できる。
さらに、屈曲部84は、堰部56および凸部76によるラビリンス構造よりも進入経路83が狭くなっているので、堰部58および凸部76を越えて進入した異物をより確実に堰き止めることができる。
(3)排出孔78の近傍で下流側に進入経路83を横切るように堰部58を設けたので、排出孔78から進入経路83に進入した異物を堰き止めることができる。したがって、排出孔78からの異物を早い段階で再び排出孔78に戻して排出することができるので、ファンモータ1の防水性、防塵性を高めることができる。また、進入経路83に進入した異物を、屈曲部84の上流側の貯留部85で一次的に堰き止める役割も果たす。これによっても、屈曲部84で堰き止めるべき異物の量を減少させることができるので、より確実にファンモータ1を防水、防塵できる。
さらに、堰部58の下流側に凸部76を設けたので、堰部58とともにラビリンス構造をとることができ、堰部58において異物の進入をより確実に阻止できる。
(4)回転軸60の外周近傍に凹部56および凸部74によるラビリンス構造を設けたので、万が一屈曲部84を少量の異物が通過しても、この凹部56および凸部74によって堰き止めることができる。したがって、ファンモータ1の防水機能、防塵機能をより一層確実にできる。
(5)ファン部材70内面とカバー部50外面との間に放熱空間86が形成されているので、カバー部50内部の空間82に発生した熱を、放熱空間86から外部に放熱できる。したがって、空間82内部を良好に冷却でき、ファンモータ1の使用可能温度範囲を広げることができるから、ファンモータ1をより多様な環境において使用することができる。
また、カバー部50が回転子30および固定子40の上面および側面を覆っているので、回転子30および固定子40から発生した熱を良好にカバー部50に伝達できる。したがって、これによってもファンモータ1の放熱性を良好にできる。
(6)ファン部材70がカバー部50に対して回転するので、放熱空間86内の空気がファン部材70の回転によってかき混ぜられ、螺旋状の気流となるから、放熱空間86内の空気を冷却できるとともに、放熱空間86に貯えられた熱を外部に効率的に排出できる。これにより、放熱空間86からの放熱を促進できる。
ここで、ファン部材70は、ファンモータ1のファンとして、ショーケースの換気や食品冷蔵庫内の空気循環や、ある装置の発熱部分に送風して冷却する等に用いられるために設けられているものであり、ファンモータ1にもともと設けられている部品である。したがって、ファン部材70によって外方に向けて送風するという、ファンモータ1の本来の目的を達しながら、そのファン部材70の回転によってファンモータ1自身を冷却することができるので、簡単な構造で、部品点数を増やすことなくファンモータ1の冷却構造を実現できる。
(7)カバー部50の側壁51外周にフィン54Aが設けられているので、カバー部50に貯えられた熱をフィン54Aの表面から外部に放出できる。したがって、放熱空間86からの放熱に加えて、フィン54Aからの放熱によって、ファンモータ1の冷却を促進できる。
また、フィン54Aの下方側が、ファン部材70の下端縁とブラケット20との間の空間に配置され、当該下方側が半径方向外方に突出しているので、フィン54Aがファン部材70と干渉することなく、フィン54Aの表面積を大きくすることができる。したがって、フィン54Aからの放熱量を大きくでき、ファンモータ1の冷却をより効率的に行える。また、フィン54Aがファン部材70の下方側で半径方向外方に突出しているので、フィン54Aの表面積を確保しつつファン部材70をより内周側に配置できるから、ファンモータ1の小型化を促進できる。
(8)カバー部50の外周面にヒートシンク54を設けたので、カバー部50内部に発生する熱を外部に放出することができる。したがって、ほぼ密閉された空間82によって防水、防塵を確実にしながら、カバー部50内部を効果的に冷却することができる。
(9)LEDセンサが設けられているので、ファン部材70の回転の有無を検出することができる。したがって、例えば、コイル42の断線、軸受61,62の摩耗、異物の混入などによってファンモータ1の動作に不具合が生じた場合に、使用者に通知したり、ファンモータ1の冷却(放熱)対象の運転を停止したりすることができる。したがって、ファンモータ1の放熱対象の過熱を防止することができ、装置の運転安全性を高めることができる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
屈曲部は、前述の実施形態では、ファン部材70に形成された凹部75と、カバー部50に形成された凸部57とで構成されていたが、これに限らず、例えばファン部材70に凸部を形成し、カバー部50に凹部を形成してもよい。要するに、屈曲部は、ファン部材およびカバー部のいずれか一方に形成された凹部と、他方に形成された、凹部内に延びる凸部とで構成されていればよい。
屈曲部は、凸部および凹部で構成されるものに限らず異物の進入が妨げられるものであればその構成は任意であり、例えばカバー部およびファン部材に複数の折り曲げ部を形成することによって進入経路が屈曲されるように構成してもよい。したがって、屈曲部は、回転軸線を含む横断面において進入経路83を波状に屈曲させるものに限らず、例えばU字形、L字形など、任意の形状に形成される。
さらに、屈曲部は、進入経路83の途中に複数個設けられていてもよい。なお、前述の実施形態では、凹部56および凸部74によるラビリンス構造、並びに堰部58および凸部76によるラビリンス構造が、屈曲部84の他に追加的に設けられた屈曲部の役割を果たしているともいえる。
屈曲部および排出孔は、必ずしも設けられていなくてもよい。屈曲部および排出孔が設けられていないファンモータにおいても、ファン部材と包囲体の間の放熱空間によって内部の熱を良好に放熱できる。
また、排出孔の寸法、形状、形成位置、形成数等は、ファンモータの使用条件、寸法などを勘案して任意に設定できる。なお、排出孔は、前述の実施形態のように進入経路が上下方向および横方向の断面L字形に形成されている場合には、上下方向と横方向との経路の境目に設けられるのが好ましい。また、排出孔は、例えば進入経路が上下方向から横方向になだらかに湾曲していて境目が明らかでないような場合でも、横断面において最も外周側に設けられていることが望ましく、排出孔は、ファンモータの回転数や、進入経路の形状、回転によって生じる遠心力などを勘案し、ファン部材の回転による遠心力によって異物が移動でき、進入経路に沿って排出孔から外部に異物を排出できる位置に配置されることが望ましい。
堰部58の近傍に形成された凸部76は、必ずしも設けなくてもよく、例えば堰部58のみが形成されていても、排出孔78から進入した異物を堰き止めることができるので、堰部の役割を十分果たすことができる。
また、堰部は、必ずしも設けられていなくてもよい。例えば堰部が設けられていないファンモータであっても、屈曲部および排出孔によって進入経路に進入した異物を排出して挿通孔への進入を防止できる。
カバー部とブラケットとの封止は、Oリングによるものに限らず、例えば接着、溶接など、任意の方法を採用できる。
カバー部およびブラケットの形状は任意に設定できる。つまり、カバー部は、前述の実施形態では有底円筒形状の逆椀状に形成されていたが、これに限らず例えば半球状などであってもよい。あるいは、ブラケットが、板状の部材上に筒状の壁が立設された形状をなし、カバー部がブラケットの筒状の壁の上端開口を塞ぐような板状の形状や逆椀状の形状をなしていてもよい。この場合には、進入経路の一部は、ファン部材の内面とブラケットの外面との間に形成されることとなる。要するに、カバー部およびブラケットは、これらによって取り囲まれた空間に回転子および固定子を収容できる形状であれば本発明に含まれる。
また、前述の実施形態ではカバー部とブラケットによって本発明の包囲体が構成されていたが、放熱の観点からすれば、包囲体は、回転子および固定子の少なくとも上方および周囲を取り囲む構成であれば、その形状等は任意である。したがって、カバー部とブラケットとは、封止されていなくてもよい。また、部品点数を増やすことなく、内部の熱を良好に放熱できるという本発明の第2の目的を達成するという観点からすれば、包囲体は、回転子および固定子の少なくとも上方および周囲を取り囲む構成であればよいので、例えばブラケットが設けられず、回転子および固定子の下方が囲まれていない構造であってもよい。
ヒートシンクは、前述の実施形態では、側壁51にフィン54Aが上下方向(縦方向)に形成されていたが、これに限らず例えば周方向に沿ってフィンが形成されていてもよい。この場合には、フィンによって進入経路への水の進入を効果的に防止できることが考えられる。
また、ヒートシンクのフィンの形状は任意に決定でき、前述の実施形態のように羽根73の内側に配置される部分は短く、羽根73の下方の部分は外周側に張り出すように形成された形状に限らない。したがって、フィンの形状は、例えば断面矩形の板状や、棒状であってもよく、その場合には、羽根の内側に配置されたフィンの部分が羽根と干渉しないように羽根とヒートシンクあるいは側壁との距離を設定する必要がある。
さらに、カバー部外周に設けられる冷却手段は、前述の実施形態のフィンを有するヒートシンクに限らず、例えばペルチェ素子を利用したものや水冷によるものなど、任意の方式のものを選択できる。そして、フィン、またはその他の冷却手段は、本発明に必須な構成ではなく、本発明では冷却手段が設けられていなくてもよい。
前述の実施形態では、回転子30は、固定子40の外側に配置されていたが、これに限らず、固定子が回転子の外側に配置されていてもよい。
本発明のファンモータは、工作機械の制御部の冷却、食品冷蔵庫の空気循環、水の撹拌など、様々な用途に利用できる。
本発明の一実施形態に係るファンモータの側断面図。 従来のファンモータの側断面図。
符号の説明
1…ファンモータ
20…ブラケット
30…回転子
40…固定子
50…カバー部
54…ヒートシンク
54A…フィン
57…凸部
58…堰部
60…回転軸
70…ファン部材
73…羽根
75…凹部
78…排出孔
83…進入経路
84…屈曲部
86…放熱空間

Claims (7)

  1. 固定子と、
    回転軸を有する回転子と、
    前記回転軸の上端部を除いて、前記固定子および前記回転子の全体を液密に取り囲む包囲体とを有し、
    前記包囲体の上部には、前記回転軸の上端部を挿通して前記包囲体外に突出させる挿通孔が形成されており、
    更に、前記回転軸の上端部に固定されたファン部材を有し、該ファン部材は前記包囲体の上部を覆うように全体的に逆椀形状をなし、且つ、外周面に羽根を有し、前記包囲体と前記ファン部材との接触を防止するため、前記包囲体の外面と前記ファン部材の内面とは互いに離間しており、これらの間に外部から前記挿通孔に向けて延びる異物の進入経路が形成され、
    前記進入経路は、前記回転軸の回転軸線を含む横断面において、異物が前記挿通孔に到達するのを防止するため、前記挿通孔の上流側において屈曲しており、
    前記ファン部材には、前記屈曲部の上流側に滞留する異物を、前記ファン部材の回転による遠心力によって外部に排出するための排出孔が形成されている、
    ことを特徴とするファンモータ。
  2. 前記進入経路の前記屈曲部は、前記ファン部材の内面および前記包囲体の外面のいずれか一方に形成された凹部と、他方に形成された、前記凹部内に延びる凸部とで構成される、
    ことを特徴とする請求項1記載のファンモータ。
  3. 前記進入経路には、前記排出孔から進入する異物が下流側に流入するのを阻止するため、前記排出孔近傍に、前記包囲体の外面から前記進入経路を横切る方向に延びる堰部が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のファンモータ。
  4. 前記ファン部材は、外方に向かって送風するように構成され、前記包囲体と前記ファン部材との間には、前記固定子から発生する熱を放出するための放熱空間が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のファンモータ。
  5. 前記包囲体の外周面に放熱用のフィンが設けられている、
    ことを特徴とする請求項4記載のファンモータ。
  6. 前記包囲体はベース部を有し、前記固定子と前記回転子は前記ベース部の上に配置されており、
    前記逆椀状のファン部材の下端縁は、前記ベース部から上方に所定距離のところで終端しており、
    前記フィンは、前記ベース部と前記ファン部材との間の空間において半径方向外方に突出している、
    ことを特徴とする請求項5記載のファンモータ。
  7. 発光部にLEDを有し、前記ファン部材の回転の有無を検知するLEDセンサを更に備えている、
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のファンモータ。
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