JP4820523B2 - 微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子および該微粒子を含む水性エマルジョン塗料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子および該微粒子を含む水性エマルジョン塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】
工業製品には、その微生物劣化を防止するために、抗菌剤、防黴剤または防藻剤などの様々な微生物生育抑制剤が使用されており、その多くは、長期間に渡って、その微生物抑制効果が持続することが求められている。そのためには、微生物生育抑制剤を樹脂等に担持させ、徐々に該樹脂等から抑制剤が放出されることにより抑制効果が持続する、いわゆる徐放製剤の利用が好ましい。徐放製剤は、主に医薬品の製剤技術として開発され、例えば、水溶性薬物を含む溶液を内水相とし、高分子重合物を含む溶液を油相としたW/O型乳化物を水中乾燥させて作られるマイクロカプセルが報告されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、マイクロカプセル化は複雑な工程を要し生産コストがかかるため、製造費が厳しく制限される用途には利用されにくい問題があった。
【0003】
一方、農薬成分に樹脂成分をコーテイングすることにより徐放製剤化する方法、例えば、農薬成分とエマルジョン状態にした融点60℃以上のワックスおよび撥水性粉末を芯材にコーテイングする徐放性農薬の製造方法がある(例えば、特許文献2参照)。しかし、この製造方法も煩雑であり、大幅なコストの低減には繋がっていない。
【0004】
また、熱可塑性有機高分子に有機系抗菌剤を溶融混練して成る抗菌性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この樹脂組成物は、徐放性の抗菌剤を含むカテーテルなどの医療用具や包装材料などの樹脂成形品の製造に用いられる。
【0005】
【特許文献1】
特開昭62−201816号公報
【特許文献2】
特開2000−239105号公報
【特許文献3】
特開平8−199002号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、水性エマルジョン塗料などの原料として有用な徐放性の微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子及び該微粒子を含む長期に渡り優れた微生物生育抑制作用を有する水性エマルジョン塗料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決する為に、鋭意検討した結果、微生物生育抑制剤を樹脂と溶融混練して、そのまま成型品とするのではなく、さらに粉砕することにより徐放性の微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子が簡便かつ安価に製造可能であること、また該微粒子を用いて、長期に渡り優れた微生物生育抑制作用を有する水性エマルジョン塗料が得られることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0008】
すなわち、本発明は、抗菌剤、防黴剤および防藻剤からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の微生物生育抑制剤と熱可塑性樹脂とを溶融混練し、次いで微粒子化して得られ、前記微生物生育抑制剤が、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1−メトキシ−1−メチルウレア、3−(3,3−ジメチルウレイド)フェニル−t−ブチルカルバマート、2−メチルチオ−4−エチルアミノ−6−(1,2−ジメチルプロピオアミノ)−S−トリアジン、2−クロロ−4,6−ビス(エチルアミノ)−S−トリアジン、2−クロロ−4−エチルアミノ−6−イソプロピルアミノ−S−トリアジン、2−(4−クロロ−6−エチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2−メチルプロピオノニトリル、4−アミノ−6−t−ブチル−3−(メチルチオ)−1,2,4−トリアジン−5(4H)−オン、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−S−トリアジン、5−ブロモ−3−sec−ブチル−6−メチルウラシル、α−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、α−(4−クロロフェニル)−α−(1−シクロプロピルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、1−((2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−プロピル1,3−ジオキソラン−2−イル)−メチル)−1H−1,2,4−トリアゾール、α−ブチル−α−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、2,3,5,6−テトラクロロ−4−メチルスルホニル−ピリジン、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N−n−ブチル−1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、2−メトキシカルボニルアミノベンゾイミダゾール、2−(4’−チアゾリル)−ベンゾイミダゾール、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミド、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、3−アセチル−6−メチル−2H−ピラン−2,4(3H)−ジオン、2,4−ヘキサジエノイック酸、及び1,1’−ヘキサメチレンビス[5−(4−クロロフェニル)ビグアニド]ジヒドロクロリドからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、前記熱可塑性樹脂がポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、平均粒径が500μm以下であることを特徴とする微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子を提供する。また、本発明は、前記微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子を含むことを特徴とする水性エマルジョン塗料を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子の製造に用いる熱可塑性樹脂は、特に制限はなく、通常の射出成形や押し出し成形に原料として用いられる熱可塑性樹脂が使用できる。微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子を水性エマルジョン塗料の作製原料にするためには、用いる熱可塑性樹脂は疎水性で水不溶性の熱可塑性樹脂であることが好ましい。また、用いる熱可塑性樹脂は、混合する微生物生育抑制剤の分解温度未満の融解温度で溶融する必要があることから、用いる熱可塑性樹脂は、融解温度が300℃以下、好ましくは200℃以下である熱可塑性樹脂が好ましい。
【0010】
これらの好ましい熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。
【0011】
ポリオレフィン系樹脂としては、一般の成形用樹脂として使用される低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリエチレンワックス、エチレン−αオレイン共重合体エラストマー等のポリエチレン樹脂;エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、エチレン・プロピレン共重合体、ポリブテン、エチレン・プロピレン・ブタジエン共重合体などを挙げることが出来る。
【0012】
ポリ(メタ)アクリル系樹脂としては、例えばメチルメタクリレート単独重合体の他、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルに、エチレン、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリルなどをそれぞれ共重合させた(メタ)アクリル系共重合体、(メタ)アクリル酸エステルにブタジエン、スチレン、アクリロニトリルを共重合させた対衝撃性(メタ)アクリル樹脂などが挙げられる。
【0013】
ポリスチレン系樹脂としては、一般に成形用樹脂として使用される、例えば、スチレンの単一重合体のほか、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、スチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン・アクリロニトリル共重合体などを挙げることが出来る。
【0014】
ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの芳香族ポリエステル、さらに塗料用樹脂などで使用されるジオールとジカルボン酸との縮合により得られるポリエステル、なかでも脂肪族系のジオールとジカルボン酸との重縮合により得られる脂肪族ポリエステルを挙げることが出来る。
【0015】
また、得られる微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子を生分解性のある樹脂で構成したい場合には、脂肪族ポリエステル系樹脂が好ましく、なかでも、3−ヒドロキシブチレート・3−ヒドロキシバリレート共重合体を代表とするポリヒドロキシアルカノエート共重合体、またはポリ乳酸に代表される単一ヒドロキシアルカノエートによる単独重合体、ポリカプロラクトン、またはポリ乳酸とポリエステルの共重合体など、これらの共重合体を挙げることができる。
【0016】
ポリ塩化ビニル系樹脂としては、例えば塩化ビニル単独重合体のほか、塩化ビニルとエチレン、プロピレン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル等とのそれぞれの共重合体を挙げることができる。
【0017】
これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂、特にポリエチレンワックスは融解温度が低いものが選択でき、熱分解しやすい微生物生育抑制剤を用いる場合に特に好適である。
【0018】
上記の熱可塑性樹脂は単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて混合して用いても良い。用いる微生物生育抑制剤と熱可塑性樹脂との相溶性によって、得られる微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子に含まれる微生物生育抑制剤の放出速度が異なって来るため、複数の熱可塑性樹脂を用いて数種の微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子を作製し、例えば、それらの2つ以上を水性エマルジョンに混合分散することにより、得られる水性エマルジョン塗料の微生物生育抑制剤の残効性を調整することが可能である。
【0019】
上記の熱可塑性樹脂の好ましい質量平均分子量は、用いる樹脂の種類と調製する微粒子の目的及び用途によって異なり、特に限定されないが、通常、2500〜50万が好ましく、より好ましくは5000〜30万である。質量平均分子量が2500を下回ると、得られる微粒子の耐水性が不十分になりやすく、残効性が低下しやすい。また50万を超えると粘度が増して均一な混練が難しくなる。
【0020】
本発明に用いる微生物生育抑制剤は、抗菌剤、防黴剤および防藻剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の薬剤であり、室温で液体または固体のいずれであっても良い。水性エマルジョン塗料用に用いる微生物生育抑制剤微粒子の場合は、該微粒子に含有される微生物生育抑制剤の作用を持続させるために、用いる微生物生育抑制剤は疎水性であることが好ましく、より具体的には、20℃での水に対する溶解度が0.2質量部%以下であることが好ましい。
【0021】
防藻剤としては、表1と表2に記載の一般名DCMUなどの尿素系防藻剤、ジメタメトリンなどのトリアジン系防藻剤、ブロマシルなどのダイアジン系防藻剤が挙げられる。
【0022】
また、防黴剤としては、表3と表4に記載の一般名テブコナゾールなどのアゾール系防黴剤、2,3,5,6−テトラクロロ−4−メチルスルホニル−ピリジン等のピリジン系防黴剤、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート等の有機ヨード系防黴剤、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン等のチアゾール系防黴剤、2−メトキシカルボニルアミノベンゾイミダゾール等のベンゾイミダゾール系化合物、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミド等のハロアルキルチオ系防黴剤が挙げられる。
【0023】
また、抗菌剤は水に対する溶解度の高いものが多いが、表5に記載の抗菌剤が好ましく、中でも1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンが特に好ましい。
これらの微生物生育抑制剤は、作用の異なる薬剤または同種の薬剤を単独または複数組み合わせて使用することができる。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】
本発明の微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子は、上記の熱可塑性樹脂100質量部に対して、微生物生育抑制剤0.5〜70質量部、より好ましくは5〜50質量部を溶融混練し、次いで得られた溶融混合物を微粒子化することにより得られる。
【0030】
本発明の微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子の製造方法は、上記の熱可塑性樹脂を加熱溶融した後、もしくはその加熱溶融過程において微生物生育抑制剤を添加して溶融混練することにより、両者を均一に混合する。また、熱可塑性樹脂のペレットまたは粉末と微生物生育抑制剤の粉末を固形物のまま混合し、加熱して溶融混練することも可能である。溶融混練は、加熱装置付のニーダー、ミキシングロール、一軸または多軸の押し出し機などの慣用の混練装置によって行うことが出来る。
【0031】
次いで、得られた溶融混練物を微粒子化する。得られた溶融混練物の微粒子化は、溶融混練物の冷後、粉砕により行ってよく、ハンマーミル、ジェットミル等の一般的な乾式粉砕機あるいは剛体ビーズを使用したビーズミル等の湿式粉砕機などにより粉砕できる。粉砕効率を上げるために、粉砕前に解砕機を使用することも可能である。
【0032】
また、上記の熱可塑性樹脂のうち、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂等のように溶剤に溶解する樹脂の場合は、溶融混練した混合物を一度、有機溶媒に溶解させ、それを高速撹拌下の水中に滴下するか、または、逆に溶融混練した混合物を溶解した高速撹拌下の有機溶媒に水を滴下して微粒子化することも可能である。このとき、液の滴下速度と撹拌速度を調整することにより、得られる微生物生育抑制剤含有樹微粒子の平均粒径を変えることが可能である。
【0033】
微生物生育抑制剤含有樹脂粒子の平均粒径は、使用目的に応じて異なるため、一概に規定できないが、一般に500μm以下のものが好ましい。例えば、水性エマルジョン塗料などの塗料組成物に添加して用いる場合は、平均粒径が100μm以下のものが平滑性に優れた塗膜表面を得られることから好ましい。一方、コンクリート目地の充填剤に添加して用いる場合は、平均粒径500μm程度のものが十分使用できる。なお、本発明において、微生物生育抑制剤含有樹脂粒子の平均粒径は、ベックマン・コールター株式会社のコールターカウンターにより測定した質量平均粒径を言う。
【0034】
微生物生育抑制剤含有樹脂粒子は、その平均粒径が小さい方が比表面積が大きくなるため、含有する微生物生育抑制剤の放出速度が大きい。このため、異なる粒径の微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子を2種以上、組み合わせて用いることにより、混合した微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子からの微生物生育抑制剤の放出速度を調整することができる。従って、2種以上の微生物生育抑制剤微粒子を水性エマルジョン塗料に含有させることにより、該水性エマルジョン塗料で形成される塗膜の微生物生育抑制剤の効果持続期間を調節することや、活性発現時期を調節することも可能である。
【0035】
本発明の微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子には、必要に応じて、アルミナ粉、シリカゲル、ゼオライト、ヒドロキシアパタイト、リン酸ジルコニウム、リン酸チタン、酸化チタン、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、タルク、クレー、ホワイトカーボンなどの無機添加剤、酸化防止剤、着色剤、滑剤、紫外線吸収剤、耐電防止剤などが添加されていても良い。
【0036】
本発明の微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子を市販の水性エマルジョン塗料100質量部に対して、0.01〜15質量部、好ましくは0.1〜6質量部を添加することにより、持続性のある微生物生育抑制作用を有する水性エマルジョン塗料が容易に得られる。
【0037】
市販の水性エマルジョン塗料は、通常、顔料等を20〜40質量%、水性樹脂を15〜40質量%、塗料の物性保持、品質改良に必要な機能性添加剤を5〜20質量%、界面活性剤を0.1〜20質量%、増粘剤を0.1〜10質量%、有機溶媒を0〜5質量%程度含有する。
【0038】
微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子を添加する水性エマルジョンあるいは水性エマルジョン塗料には、上記の市販の水性エマルジョン塗料に必要に応じて、さらに、アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アルキッド樹脂、SBRラテックスなどの樹脂成分;エチレングリコールやプロピレングリコール等の多価アルコール;ノニオン系、アニオン系、シリコン系等の界面活性剤;キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、グアーガム等の増粘剤;チタン白やフタロシアニン等の着色剤を添加しても良い。
これらの中でも、界面活性剤や増粘剤は、得られる水性エマルジョンあるいは水性エマルジョン塗料への分散性と得られるエマルジョンの安定性が向上するので、好ましい。
【0039】
本発明の微生物生育抑制剤微粒子は、この他、例えば、他の熱可塑性樹脂ペレットと任意の量で混合して、加熱成形することにより、微生物生育抑制作用を有する樹脂成形品を製造することもできる。
【0040】
本発明の微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子及び該微粒子を含む水性エマルジョン塗料は、長期に渡って優れた微生物生育抑制作用を有し、ドア、壁、窓枠、瓦材などの外部建材、ユニットバス、便座、床材、壁紙などの内装材、家具、家電製品のケーシング材などの極めて広い分野で有用である。
【0041】
【実施例】
以下に実施例を用いて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0042】
(実施例1)微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子の製造
熱可塑性樹脂として、ポリエチレンワックス(クラリアント ジャパン株式会社製、商品名リコワックスPE520)を使用し、熱可塑性樹脂と微生物生育抑制剤との配合比率は熱可塑性樹脂70質量%、微生物生育抑制剤30質量%とした。使用した微生物生育抑制剤を以下に示す。
【0043】
(防藻剤)
No.1:3,4−ジクロロフェニル−1,1−ジメチルウレア(一般名;DCMU、保土ヶ谷化学工業株式会社製)
No.2:2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−S−トリアジン(日本チバガイギー株式会社製、商品名;イルガロール1071)
【0044】
(防黴剤)
No.3:α[2−(4−クロロフェニル)−エチル]−α(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(一般名;テブコナゾール、バイエル株式会社製)
No.4:2,3,5,6−テトラクロロ−4−メチルスルホニル−ピリジン(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名;バイオカットSP−100)
No.5:3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート(三井東圧株式会社製、商品名;ヨ−トルIP)
No.6:4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(ジクロロ−OIT)(ロームアンドハース株式会社製):
を使用した。
【0045】
ポリエチレンワックスをニーダー(株式会社森山製作所製、DS−3−7.5MHB−E型)に入れて加熱溶解させた後、上記の微生物生育抑制剤をそれぞれ添加して溶融混練し、その後、単軸押出機(田辺プラスチック機械株式会社、VS−40)により押出し、ペレタイザー(大阪精機工作株式会社、P−40)によりペレット化した。得られたペレットは、解砕後、粉砕機(増幸産業株式会社、セレンミラー、型式:MKCL8-10)にかけ微粒子化し、試験に供した。得られた微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子をベックマン・コールター株式会社のコールターLS230により測定した結果、この微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子の質量平均粒径は各々80μmであった。
【0046】
(実施例2)水性エマルジョン塗料の作製
水性エマルジョン塗料の配合は下記の通りとした。
チタン白:22質量%、
マイカ:3質量%、
タルク:8質量%、
アクリルエマルジョン(大日本インキ化学工業株式会社製、ボンコートEC−818)33質量%、
増粘剤(カルボキシメチルセルロース):10質量%、
トリポリリン酸カリ:0.1質量%、
分散剤(ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル):0.7質量%、
シリコン系消泡剤(東レシリコンSM5512):0.2質量%、
エチレングリコール:2質量%、
ブチルセロソルブ:1質量%、
純水:20質量%
この水性エマルジョン塗料に実施例1で作製した樹脂粒子を所定量添加して試験を行った。
【0047】
<防藻試験>
(試験藻類種菌の培養)
シリコン栓をした100ml容三角フラスコにマイヤーズ(Myers)藻類用培地50mlを入れ、クロレラ ブルガリス(Chlorella vulgaris)、アナベナ エスピー(Anabena sp.)、ホルミジウム エスピー(Hormidium sp.)の3種の藻類を25℃で約2000ルックスの光を照射しながら14日間培養した。
【0048】
(試験片の作製)
4cm×4cmに切断した濾紙(東洋濾紙製、アドバンテックNo.26)に、一定量の微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子を添加した水性エマルジョン塗料を塗布し、1週間室温で風乾後、試験片とした。
【0049】
(試験片の耐候処理)
塗膜からの薬剤の残効性の試験に、ウェザーメ−ター1000時間相当(外壁用塗料の抗微生物活性維持3年)に該当する加速試験を実施した。すなわち、作製した試験片を50mlの水道水に浸漬し、40℃で20日間放置した。浸漬に使用した水は、1日ごとに新しい水と置き換えた。耐候期間が終了した試験片は水切りし、室温で1週間風乾後、防藻試験に供した。
【0050】
耐候処理した試験片を1.5質量%の寒天を添加したマイヤーズ(Myers)藻類用培地上に置き、試験菌の混合溶液を25ml添加し、25℃で約2000ルックスの光を照射しながら30日間培養した。試験菌の混合溶液は、培養した各試験菌液を水道水で10倍希釈後、それぞれを等量混合したものを使用した。試験に使用したマイヤーズ藻類用培地の組成は、以下の通りである。
【0051】
(マイヤーズ藻類用培地の組成)
KNO3;5g、MgSO4・7H2O;2.5g、KH2PO4;1.25g、FeSO4・7H2O;2.8mg、H3BO3;2.85mg、MnCl2・4H2O;1.81mg、ZnSO4・7H2O;0.22mg、CuSO4・5H2O;0.078mg、(NH4)6・Mo7O24・4H2O;0.171mgを蒸留水1リットル中に含む。pHは、6.0に調整した。
【0052】
<防黴試験>
(使用黴)
試験には下記の5種の黴を使用した。
アスペルゲルス ニゲル(Aspergillus niger)IFO6342、ペニシリウム フニクロスム(Penicillium funiculosum)IFO6345、クラドスポリウム クラドスポリオイデス(Cladosporium cladosporioides)IFO6348、オーレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)IFO6353、グリオクラジウム ビレンス(Gliocladium virens)IFO6355。
【0053】
(混合胞子懸濁液の調製)
上記試験黴毎の単一胞子懸濁液を調製後、等量ずつ採取混合して混合胞子懸濁液とした。詳細はJISZ2911黴抵抗性試験方法に準じて行った。
【0054】
(試験片の作製)
防藻試験で行った条件に準じた。
【0055】
(耐候処理)
防藻試験で行った条件に準じた。
耐候処理した試験片を栄研化学株式会社製パールコアポテトデキストロース(以下PDAと略す)寒天培地上に置き、試験菌の混合溶液1mlを試験片上に振りかけ、28℃で7日間培養した。試験菌の混合溶液は、培養した各試験菌斜面培地から一白金耳ずつ掻き取った菌叢を50mlの滅菌水中で分散させ、それをさらに滅菌水で10倍希釈したものを使用した。なお、PDA培地の組成は、培地1リットルあたり、バレイショ浸出液200g、ブドウ糖20g、カンテン15gを含み、pHは5.6±0.2とした。
【0056】
(評価基準)
防藻試験、防黴試験の結果は、目視観察で行い、評価基準は以下の通りとした。−:試験片上に微生物は発生しなかった。
±:試験片上に僅かに微生物が発生した。
+:試験片上に1/3以下の微生物が発生した。
++:試験片上に2/3以下の微生物が発生した。
+++:試験片上に2/3以上の微生物が発生した。
【0057】
得られた微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子の防藻、防かび性試験の結果を表7〜表12に示す。なお、表中のNo.は用いた微生物生育抑制剤の番号を、塗料塗布量は1m2当たりの塗布量(g)を示す。対照区は微生物生育抑制剤を添加しなかった結果を、比較例は実施例の微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子を添加したのと同じ薬剤の薬剤換算で同量を、そのまま塗料に添加した結果である。薬剤原体に換算した数値を表6に示す。
【0058】
【表6】
【0059】
【表7】
【0060】
【表8】
【0061】
【表9】
【0062】
【表10】
【0063】
【表11】
【0064】
【表12】
【0065】
表7〜12に示したように、本発明の微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子を含む水性エマルジョン塗料は、防藻剤や防黴剤を直接、水性エマルジョン塗料に添加する従来の防藻剤や防黴剤含有の水性エマルジョン塗料に比べて、遥かに優れた薬剤の残効性を示すことが明らかである。
【0066】
<抗菌試験>
抗菌試験は、抗菌製品技術協議会、抗菌製品の抗菌力評価試験法Iフィルム密着法(1998)(JIS Z2801)に準じて行った。
【0067】
(試験片の作製)
使用薬剤を1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンとし、熱可塑性樹脂80質量%に対して1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン20質量%の混合比で作製した微生物抑制剤含有微粒子を、水性エマルジョン塗料に0.5質量%添加(有効成分最終濃度1000ppm)した以外は、防藻試験と防黴試験に使用したものと同様の操作で試験片(A)を作製した。また、比較例として、上記抗菌剤を有効成分最終濃度1000ppmになるように添加した水性エマルジョン塗料を用いて、試験片(B)を、抗菌剤を含まない水性エマルジョン塗料のみを塗布した試験片(C)をそれぞれ作製した。
【0068】
(試験操作)
NA培地で前培養した下記2種の試験菌を、それぞれNB培地50倍希釈液で希釈して接種用菌液とした。
エシェリキア コリ(Escherichia coli IFO3972、大腸菌)
スタフィロコッカス アウレウス(Staphylococcus aureus IFO12732、黄色ブドウ球菌)
【0069】
(耐候性加速試験としての前処理)
試験片(A)、試験片(B)及び試験片(C)を50±5℃の温水に16時間浸漬した後、室温で風乾し、耐候性の加速試験の前処理とした。
【0070】
(接種方法)
前処理した各々3個の試験片(A)、試験片(B)および試験片(C)をそれぞれ滅菌シャーレに入れ、その試験面に接種用菌液0.4ml(1.0〜5.0×105/mlの菌を含む)を接種した。被覆フィルムを被せ、温度35±1℃、相対湿度90%以上の条件下、24時間保存した。
【0071】
使用した培地組成は以下の通りである。
(NB培地)
肉エキス:5.0g
ペプトン:10.0g
塩化ナトリウム:5.0g
精製水:1000ml
pH:7.1±0.1
【0072】
(NA培地)
NB培地に寒天を1.5%添加したもの
【0073】
(SA培地)
酵母エキス:2.5g
トリプトン:5.0g
グルコース:1.0g
寒天:15.0g
精製水:1000ml
pH:7.1±0.1
【0074】
(SCDLP培地)
カゼイン製ペプトン:17.0g
大豆製ペプトン:3.0g
塩化ナトリウム:5.0g
リン酸1水素カリウム:2.5g
グルコース:2.5g
レシチン:1.0g
ポリソルベート80:7.0g
精製水:1000ml
pH:6.8〜7.2
【0075】
(生菌数測定)
被覆フィルムに付着している菌を10mlのSCDLP培地でシャーレ中に洗い出し、この液1ml中の生菌数をSA培地を使用した寒天平板希釈法により測定した。生菌数測定時の希釈は、滅菌リン酸緩衝生理食塩水にて行い、生菌数の平均値を求めた。抗菌試験の結果を表13に示す。表中の試料Aは抗菌薬剤含有微粒子含有水性エマルジョン塗料を塗布したもの、試料Bは抗菌薬剤を水性エマルジョン塗料に直接添加した塗料を塗布したもの、試料Cは抗菌薬剤無添加のものを表す。
【0076】
【表13】
【0077】
表13に示す通り、本発明の微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子を含む水性エマルジョン塗料を用いた試料は、単に水性エマルジョン塗料に抗菌剤を添加したものに比べて対数値の増減値差が2以上あり、本試験においても、本発明の微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子を含む水性エマルジョン塗料の優れた抗菌活性の残効性が明らかである。
【0078】
【発明の効果】
本発明の微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子は徐放性を有し、市販の水性エマルジョン塗料に混合することにより、長期に渡って優れた微生物生育抑制活性を水性エマルジョン塗料に容易に付与することができる。
Claims (5)
- 抗菌剤、防黴剤および防藻剤からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の微生物生育抑制剤と熱可塑性樹脂とを溶融混練し、次いで微粒子化して得られ、前記微生物生育抑制剤が、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1−メトキシ−1−メチルウレア、3−(3,3−ジメチルウレイド)フェニル−t−ブチルカルバマート、2−メチルチオ−4−エチルアミノ−6−(1,2−ジメチルプロピオアミノ)−S−トリアジン、2−クロロ−4,6−ビス(エチルアミノ)−S−トリアジン、2−クロロ−4−エチルアミノ−6−イソプロピルアミノ−S−トリアジン、2−(4−クロロ−6−エチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2−メチルプロピオノニトリル、4−アミノ−6−t−ブチル−3−(メチルチオ)−1,2,4−トリアジン−5(4H)−オン、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−S−トリアジン、5−ブロモ−3−sec−ブチル−6−メチルウラシル、α−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、α−(4−クロロフェニル)−α−(1−シクロプロピルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、1−((2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−プロピル1,3−ジオキソラン−2−イル)−メチル)−1H−1,2,4−トリアゾール、α−ブチル−α−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、2,3,5,6−テトラクロロ−4−メチルスルホニル−ピリジン、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N−n−ブチル−1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、2−メトキシカルボニルアミノベンゾイミダゾール、2−(4’−チアゾリル)−ベンゾイミダゾール、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミド、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、3−アセチル−6−メチル−2H−ピラン−2,4(3H)−ジオン、2,4−ヘキサジエノイック酸、及び1,1’−ヘキサメチレンビス[5−(4−クロロフェニル)ビグアニド]ジヒドロクロリドからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、前記熱可塑性樹脂がポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、平均粒径が500μm以下であることを特徴とする微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子。
- 前記熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂であり、前記微生物生育抑制剤が3,4−ジクロロフェニル−1,1−ジメチルウレア、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−S−トリアジン、α[2−(4−クロロフェニル)−エチル]−α(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、2,3,5,6−テトラクロロ−4−メチルスルホニル−ピリジン、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート、及び4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子。
- 前記微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子の平均粒径が100μm以下である請求項1に記載の微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子。
- 前記熱可塑性樹脂がポリエチレンワックスであり、前記微生物生育抑制剤が防黴剤と防藻剤の少なくとも1種である請求項1に記載の微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子。
- 請求項1〜4のいずれか1つに記載の微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子を含むことを特徴とする水性エマルジョン塗料。
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