JPH08199002A - 抗菌性樹脂組成物 - Google Patents
抗菌性樹脂組成物Info
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- JPH08199002A JPH08199002A JP7012286A JP1228695A JPH08199002A JP H08199002 A JPH08199002 A JP H08199002A JP 7012286 A JP7012286 A JP 7012286A JP 1228695 A JP1228695 A JP 1228695A JP H08199002 A JPH08199002 A JP H08199002A
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- Japan
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- antibacterial
- antibacterial agent
- resin composition
- organic polymer
- polymer compound
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 熱可塑性有機高分子化合物と抗菌剤とを、溶
融して混合してなることを特徴とする透明な抗菌性樹脂
組成物。 【効果】 透明性に優れる。
融して混合してなることを特徴とする透明な抗菌性樹脂
組成物。 【効果】 透明性に優れる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明な抗菌性樹脂組成
物に関するものであり、さらに詳しくは持続的な抗菌活
性を有する医療用具、衛生用品、食品包装材料などの樹
脂成形品を製造するのに好適な透明な抗菌性樹脂組成物
に関するものである。
物に関するものであり、さらに詳しくは持続的な抗菌活
性を有する医療用具、衛生用品、食品包装材料などの樹
脂成形品を製造するのに好適な透明な抗菌性樹脂組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】皮膚に損傷がある場合や、カテーテルを
体内に留置する場合などは、微生物がその傷口から体内
に侵入し、感染症を起こすことがある。特に、血管カテ
ーテルを留置する場合には、カテーテル刺入部から侵入
した微生物は容易に血管内に到達するため、敗血症など
の重篤な全身症状を招来することがあり、大きな問題と
なっている。このような問題を解決するために、医療用
具に抗菌剤を含有させることが行われている。例えば、
特開平2−299665号公報には、抗菌剤を含有する
有機高分子エラストマーから形成されたカテーテル保持
具が開示されている。
体内に留置する場合などは、微生物がその傷口から体内
に侵入し、感染症を起こすことがある。特に、血管カテ
ーテルを留置する場合には、カテーテル刺入部から侵入
した微生物は容易に血管内に到達するため、敗血症など
の重篤な全身症状を招来することがあり、大きな問題と
なっている。このような問題を解決するために、医療用
具に抗菌剤を含有させることが行われている。例えば、
特開平2−299665号公報には、抗菌剤を含有する
有機高分子エラストマーから形成されたカテーテル保持
具が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のこれら
抗菌性材料は、抗菌剤粒子が高分子材料中に分散したも
のであるため、不透明であった。抗菌性樹脂組成物を創
傷被覆材などとして用いた場合、出血や局所の炎症等を
確認するために、被覆材の上から創面が見えることが望
ましいが、不透明な抗菌性材料からなる被覆材で創傷を
被覆すると、被覆材の上から創面を見ることができない
という問題があった。また、皮膚に貼付ける場合、外見
上目立たない方が好ましいので、この点からも透明な抗
菌性材料が望まれていた。本発明は、透明性に優れた抗
菌性樹脂組成物を提供することを目的とする。
抗菌性材料は、抗菌剤粒子が高分子材料中に分散したも
のであるため、不透明であった。抗菌性樹脂組成物を創
傷被覆材などとして用いた場合、出血や局所の炎症等を
確認するために、被覆材の上から創面が見えることが望
ましいが、不透明な抗菌性材料からなる被覆材で創傷を
被覆すると、被覆材の上から創面を見ることができない
という問題があった。また、皮膚に貼付ける場合、外見
上目立たない方が好ましいので、この点からも透明な抗
菌性材料が望まれていた。本発明は、透明性に優れた抗
菌性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、熱可塑性有機高分
子化合物と抗菌剤を、共に溶融して混合することによ
り、透明な抗菌性樹脂組成物が得られることを見いだ
し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、熱可塑性
有機高分子化合物と抗菌剤とを、溶融して混合してなる
ことを特徴とする透明な抗菌性樹脂組成物を要旨とする
ものである。
を解決するために鋭意検討した結果、熱可塑性有機高分
子化合物と抗菌剤を、共に溶融して混合することによ
り、透明な抗菌性樹脂組成物が得られることを見いだ
し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、熱可塑性
有機高分子化合物と抗菌剤とを、溶融して混合してなる
ことを特徴とする透明な抗菌性樹脂組成物を要旨とする
ものである。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
熱可塑性有機高分子化合物としては、例えば、エチレ
ン、プロピレン、ブタジエン、ペンタジエン、ヘキサジ
エン、ヘプタジエン等のジエン系のモノマーの重合体あ
るいは共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン、ス
チレン−イソプレン−スチレン、スチレン−エチレンブ
チレン−スチレン等のスチレン系熱可塑性エラストマ
ー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、
ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル等が挙げられ
る。これらの中でも、融点が低い熱可塑性有機高分子化
合物は、溶融時に抗菌剤が分解しにくいので好ましい。
また、持続的な抗菌性を発現させるためには、疎水性の
熱可塑性有機高分子化合物が好ましい。ここで、疎水性
の熱可塑性有機高分子化合物とは、気温20℃、相対湿
度65%の雰囲気下における吸水能が約1.0重量%以
下の熱可塑性有機高分子化合物を指す。
熱可塑性有機高分子化合物としては、例えば、エチレ
ン、プロピレン、ブタジエン、ペンタジエン、ヘキサジ
エン、ヘプタジエン等のジエン系のモノマーの重合体あ
るいは共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン、ス
チレン−イソプレン−スチレン、スチレン−エチレンブ
チレン−スチレン等のスチレン系熱可塑性エラストマ
ー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、
ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル等が挙げられ
る。これらの中でも、融点が低い熱可塑性有機高分子化
合物は、溶融時に抗菌剤が分解しにくいので好ましい。
また、持続的な抗菌性を発現させるためには、疎水性の
熱可塑性有機高分子化合物が好ましい。ここで、疎水性
の熱可塑性有機高分子化合物とは、気温20℃、相対湿
度65%の雰囲気下における吸水能が約1.0重量%以
下の熱可塑性有機高分子化合物を指す。
【0006】本発明の抗菌剤は、抗菌スペクトルが広い
ものであればいかなるものも使用でき、例えば、クロル
ヘキシジンの酢酸塩、チモール、ウンデシレン酸、ウン
デシレン酸亜鉛、塩化セチルピリジニウム、塩化トリフ
ェニル錫、サリチル酸、ソルビン酸、ジヨードメチル−
p−トリルスルホン、ハロプロジン、トリクロロカルバ
ニリド、フルトラニル、パラオキシ安息香酸エステル、
ヒノキチオール等が挙げられるが、溶融、混合時の高分
子化合物の劣化を防ぐためには、融点が熱可塑性有機高
分子化合物よりも低いものが好ましく、また、長期的な
抗菌性を発現させるためには難水溶性の抗菌剤が好まし
い。難水溶性の抗菌剤としては、例えば、ビグアニド化
合物などが挙げられる。また、ビグアニド化合物として
は、例えば、多種類の菌に抗菌性を示し、かつ、殺・制
菌効果の高いクロルヘキシジン酢酸塩などが挙げられ
る。
ものであればいかなるものも使用でき、例えば、クロル
ヘキシジンの酢酸塩、チモール、ウンデシレン酸、ウン
デシレン酸亜鉛、塩化セチルピリジニウム、塩化トリフ
ェニル錫、サリチル酸、ソルビン酸、ジヨードメチル−
p−トリルスルホン、ハロプロジン、トリクロロカルバ
ニリド、フルトラニル、パラオキシ安息香酸エステル、
ヒノキチオール等が挙げられるが、溶融、混合時の高分
子化合物の劣化を防ぐためには、融点が熱可塑性有機高
分子化合物よりも低いものが好ましく、また、長期的な
抗菌性を発現させるためには難水溶性の抗菌剤が好まし
い。難水溶性の抗菌剤としては、例えば、ビグアニド化
合物などが挙げられる。また、ビグアニド化合物として
は、例えば、多種類の菌に抗菌性を示し、かつ、殺・制
菌効果の高いクロルヘキシジン酢酸塩などが挙げられ
る。
【0007】ここで、難水溶性とは20℃の蒸留水10
0gに対する溶解量(以下、溶解度という)が3.0g
以下のものである。好ましくは0.001〜2.0gで
ある。水に対する溶解度が3.0gを越えると抗菌剤の
溶出が増加するために抗菌力の持続性において好ましく
ないことがある。
0gに対する溶解量(以下、溶解度という)が3.0g
以下のものである。好ましくは0.001〜2.0gで
ある。水に対する溶解度が3.0gを越えると抗菌剤の
溶出が増加するために抗菌力の持続性において好ましく
ないことがある。
【0008】上記熱可塑性有機高分子化合物に含有する
抗菌剤の量は、熱可塑性有機高分子化合物と抗菌剤の組
合せにより異なるが、通常0.01〜10.0重量%が
好ましく、さらに好ましくは0.1〜3.0重量%であ
る。含有量が0.01重量%未満では十分な抗菌力が発
揮されないことがあり、一方、10.0重量%を越える
場合は、十分な強度の抗菌性樹脂組成物が得られないこ
とがある。
抗菌剤の量は、熱可塑性有機高分子化合物と抗菌剤の組
合せにより異なるが、通常0.01〜10.0重量%が
好ましく、さらに好ましくは0.1〜3.0重量%であ
る。含有量が0.01重量%未満では十分な抗菌力が発
揮されないことがあり、一方、10.0重量%を越える
場合は、十分な強度の抗菌性樹脂組成物が得られないこ
とがある。
【0009】本発明では、上記抗菌剤と熱可塑性有機高
分子化合物を共に溶融して混合することにより、透明な
抗菌性樹脂組成物を得ることができる。抗菌剤と熱可塑
性有機高分子化合物を共に溶融して混合する方法として
は、抗菌剤と熱可塑性有機高分子化合物を別々に溶融し
てから混合してもよく、また抗菌剤と熱可塑性有機高分
子化合物を混合した後、両者を溶融してもよい。抗菌剤
と熱可塑性有機高分子化合物を共に溶融して混合するに
は、押し出し混練機などが使用される。押し出し混練機
としては、連続的に高分子材料と抗菌剤を供給し、溶融
混練された抗菌性材料を連続的に取り出す形式のものが
生産性の点から好ましく用いられる。また、混練性の点
から二軸溶融混練押し出し機が好ましい。さらに、射出
成形機によって成形を同時に行うことも可能である。
分子化合物を共に溶融して混合することにより、透明な
抗菌性樹脂組成物を得ることができる。抗菌剤と熱可塑
性有機高分子化合物を共に溶融して混合する方法として
は、抗菌剤と熱可塑性有機高分子化合物を別々に溶融し
てから混合してもよく、また抗菌剤と熱可塑性有機高分
子化合物を混合した後、両者を溶融してもよい。抗菌剤
と熱可塑性有機高分子化合物を共に溶融して混合するに
は、押し出し混練機などが使用される。押し出し混練機
としては、連続的に高分子材料と抗菌剤を供給し、溶融
混練された抗菌性材料を連続的に取り出す形式のものが
生産性の点から好ましく用いられる。また、混練性の点
から二軸溶融混練押し出し機が好ましい。さらに、射出
成形機によって成形を同時に行うことも可能である。
【0010】両者を溶融し、混合して抗菌性樹脂組成物
を得る際、有機高分子化合物の融点の方が抗菌剤の融点
より高ければ、熱可塑性有機高分子化合物の熱劣化を防
ぎ、かつ不必要な加熱を避けることができる。このよう
な熱可塑性有機高分子化合物と抗菌剤との組合わせとし
ては、例えば、ポリ塩化ビニルとクロルヘキシジン酢酸
塩、ポリウレタンとクロルヘキシジン酢酸塩等の組合せ
が挙げられる。
を得る際、有機高分子化合物の融点の方が抗菌剤の融点
より高ければ、熱可塑性有機高分子化合物の熱劣化を防
ぎ、かつ不必要な加熱を避けることができる。このよう
な熱可塑性有機高分子化合物と抗菌剤との組合わせとし
ては、例えば、ポリ塩化ビニルとクロルヘキシジン酢酸
塩、ポリウレタンとクロルヘキシジン酢酸塩等の組合せ
が挙げられる。
【0011】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 実施例1 軟質ポリ塩化ビニル樹脂〔エスメディカ(積水化学工業
社製)〕とクロルヘキシジン酢酸塩〔アルドリッチケミ
カル社(Aldrich Chemical Company, Inc.)製:溶解度
0.01g〕を、練り込み後の最終濃度が約1.0重量
%になるように、混練押出機PCM−30(池貝鉄工株
式会社製)〔混練温度:190℃〕により両者が溶融し
た状態で混練し、クロルヘキシジンが均一に分散した抗
菌性材料を得た。得られた抗菌性材料を用い、射出成形
機J−100(株式会社日本製鋼所製)により厚さ3mm
の板状に射出成形した。得られた板状成形体は透明であ
った。
する。 実施例1 軟質ポリ塩化ビニル樹脂〔エスメディカ(積水化学工業
社製)〕とクロルヘキシジン酢酸塩〔アルドリッチケミ
カル社(Aldrich Chemical Company, Inc.)製:溶解度
0.01g〕を、練り込み後の最終濃度が約1.0重量
%になるように、混練押出機PCM−30(池貝鉄工株
式会社製)〔混練温度:190℃〕により両者が溶融し
た状態で混練し、クロルヘキシジンが均一に分散した抗
菌性材料を得た。得られた抗菌性材料を用い、射出成形
機J−100(株式会社日本製鋼所製)により厚さ3mm
の板状に射出成形した。得られた板状成形体は透明であ
った。
【0012】得られた板状成形体の表面の抗菌活性を測
定した。測定方法は、得られた板状成形体を1cm×1cm
に切断してサンプルとし、バイアル瓶に入れ、その表面
上に約107 個/ml のスタフィロコッカス・アウレウス
(Staphylococcus aureus ;ATCC6538P )を含むブレイ
ン・ハート・インフュージョン培地(Brain Heart Infu
sion broth)〔ベクトン・ディッキンソン社(Becton D
ickinson& Company)製〕を10μl 接種した。さらに別
のサンプルを菌液を接種したサンプルの上に重ね、2枚
のサンプルで菌液を挟み込んだ状態で、4時間、37℃
で培養した。4時間培養後の菌数をコロニーカウント法
にて計数した。
定した。測定方法は、得られた板状成形体を1cm×1cm
に切断してサンプルとし、バイアル瓶に入れ、その表面
上に約107 個/ml のスタフィロコッカス・アウレウス
(Staphylococcus aureus ;ATCC6538P )を含むブレイ
ン・ハート・インフュージョン培地(Brain Heart Infu
sion broth)〔ベクトン・ディッキンソン社(Becton D
ickinson& Company)製〕を10μl 接種した。さらに別
のサンプルを菌液を接種したサンプルの上に重ね、2枚
のサンプルで菌液を挟み込んだ状態で、4時間、37℃
で培養した。4時間培養後の菌数をコロニーカウント法
にて計数した。
【0013】比較のために、抗菌剤を含まないエスメデ
ィカにて板状成形体を射出成形し、上記と同様の試験方
法に供し、コントロールとして4時間培養し、培養後の
菌数を計数した。
ィカにて板状成形体を射出成形し、上記と同様の試験方
法に供し、コントロールとして4時間培養し、培養後の
菌数を計数した。
【0014】それぞれの検体による菌数の計数結果を表
1に示す。抗菌剤を含まないサンプルでは菌数の増加が
見られた。それに対して、クロルヘキシジン酢酸塩を含
有するサンプルでは、菌数の著しい減少が認められ、包
埋されたクロルヘキシジン酢酸塩が表面上の細菌に対し
ても有効に作用したことが確認された。
1に示す。抗菌剤を含まないサンプルでは菌数の増加が
見られた。それに対して、クロルヘキシジン酢酸塩を含
有するサンプルでは、菌数の著しい減少が認められ、包
埋されたクロルヘキシジン酢酸塩が表面上の細菌に対し
ても有効に作用したことが確認された。
【0015】
【表1】
【0016】次に、抗菌力の持続性を確認するために、
上記の測定で使用したサンプルのうちクロルヘキシジン
酢酸塩を含有するサンプルを70%エタノール水溶液で
消毒し、さらに界面活性剤Tween80 (ベクトン・ディッ
キンソン社製のソルビタン脂肪酸エステルに酸化エチレ
ンを付加した非イオン界面活性剤)の0.1 %生理食塩水
溶液中で十分に撹拌洗浄した後、再度上記の培養実験に
供し、菌数の増減を測定した。ここで、4時間培養後の
菌数の対数値を取り、初発菌数の対数値との差をもと
め、この値のコントロールとサンプルの差を増減値差と
して求めた。この増減値差は、数値の大きいほど被験材
料の抗菌活性が高いことを示すパラメーターとして扱え
る。
上記の測定で使用したサンプルのうちクロルヘキシジン
酢酸塩を含有するサンプルを70%エタノール水溶液で
消毒し、さらに界面活性剤Tween80 (ベクトン・ディッ
キンソン社製のソルビタン脂肪酸エステルに酸化エチレ
ンを付加した非イオン界面活性剤)の0.1 %生理食塩水
溶液中で十分に撹拌洗浄した後、再度上記の培養実験に
供し、菌数の増減を測定した。ここで、4時間培養後の
菌数の対数値を取り、初発菌数の対数値との差をもと
め、この値のコントロールとサンプルの差を増減値差と
して求めた。この増減値差は、数値の大きいほど被験材
料の抗菌活性が高いことを示すパラメーターとして扱え
る。
【0017】洗浄,再計測を6回まで繰り返した時の増
減値差の推移を図1のグラフに示す。この結果から、苛
酷な条件による洗浄試験の、6回目の計測時において
も、成形品は十分な抗菌活性を維持しており、実際の使
用条件では十分な期間抗菌性を維持できることが示され
た。
減値差の推移を図1のグラフに示す。この結果から、苛
酷な条件による洗浄試験の、6回目の計測時において
も、成形品は十分な抗菌活性を維持しており、実際の使
用条件では十分な期間抗菌性を維持できることが示され
た。
【0018】実施例2 エチレン−酢酸ビニル共重合体〔エバフレックス(EV
AFLEX)P−3307(三井・デュポン・ポリケミ
カル社製)〕40gとチモール(石津製薬製)2gを二
軸混練機(東洋精機製作所製)により、120℃で両者
が溶融した状態で混練し、抗菌剤が均一に分散した抗菌
性材料を得た。得られた抗菌性材料をプレス機(林製作
所製)でプレスして透明な抗菌性シートを得た。得られ
たシートを用いて実施例1の方法により抗菌性試験を行
ったところ、初発菌数1×105 個に対し、4時間培養
後は抗菌剤含有シートでは菌が検出されなかった。しか
し、抗菌剤を含有していないシートでは、菌は8×10
6 個に増加していた。
AFLEX)P−3307(三井・デュポン・ポリケミ
カル社製)〕40gとチモール(石津製薬製)2gを二
軸混練機(東洋精機製作所製)により、120℃で両者
が溶融した状態で混練し、抗菌剤が均一に分散した抗菌
性材料を得た。得られた抗菌性材料をプレス機(林製作
所製)でプレスして透明な抗菌性シートを得た。得られ
たシートを用いて実施例1の方法により抗菌性試験を行
ったところ、初発菌数1×105 個に対し、4時間培養
後は抗菌剤含有シートでは菌が検出されなかった。しか
し、抗菌剤を含有していないシートでは、菌は8×10
6 個に増加していた。
【0019】実施例3 エチレン−酢酸ビニル共重合体〔エバフレックス(EV
AFLEX)P−3307(三井・デュポン・ポリケミ
カル社製)〕40gとヒノキチオール(和光純薬工業社
製)2gを二軸混練機(東洋精機製作所製)により、1
20℃で両者が溶融した状態で混練し、抗菌剤が均一に
分散した抗菌性材料を得た。得られた抗菌性材料をプレ
ス機(林製作所製)でプレスして透明な抗菌性シートを
得た。得られたシートを用いて実施例1の方法により抗
菌性試験を行ったところ、初発菌数1×105 個に対
し、4時間培養後は抗菌剤含有シートでは菌が検出され
なかった。しかし、抗菌剤を含有していないシートで
は、菌は2×106 個に増加していた。
AFLEX)P−3307(三井・デュポン・ポリケミ
カル社製)〕40gとヒノキチオール(和光純薬工業社
製)2gを二軸混練機(東洋精機製作所製)により、1
20℃で両者が溶融した状態で混練し、抗菌剤が均一に
分散した抗菌性材料を得た。得られた抗菌性材料をプレ
ス機(林製作所製)でプレスして透明な抗菌性シートを
得た。得られたシートを用いて実施例1の方法により抗
菌性試験を行ったところ、初発菌数1×105 個に対
し、4時間培養後は抗菌剤含有シートでは菌が検出され
なかった。しかし、抗菌剤を含有していないシートで
は、菌は2×106 個に増加していた。
【0020】実施例4 エチレン−酢酸ビニル共重合体〔エバフレックス(EV
AFLEX)P−3307(三井・デュポン・ポリケミ
カル社製)〕40gとソルビン酸(和光純薬工業社製)
2gを二軸混練機(東洋精機製作所製)により、140
℃で両者が溶融した状態で混練し、抗菌剤が均一に分散
した抗菌性材料を得た。得られた抗菌性材料をプレス機
(林製作所製)でプレスして透明な抗菌性シートを得
た。得られたシートを用いて実施例1の方法により抗菌
性試験を行ったところ、初発菌数1×105 個に対し、
4時間培養後は抗菌剤を含有していないシートでは、菌
は5×106 個に増加していたが、抗菌剤含有シートで
は菌は9×103 個に減少していた。
AFLEX)P−3307(三井・デュポン・ポリケミ
カル社製)〕40gとソルビン酸(和光純薬工業社製)
2gを二軸混練機(東洋精機製作所製)により、140
℃で両者が溶融した状態で混練し、抗菌剤が均一に分散
した抗菌性材料を得た。得られた抗菌性材料をプレス機
(林製作所製)でプレスして透明な抗菌性シートを得
た。得られたシートを用いて実施例1の方法により抗菌
性試験を行ったところ、初発菌数1×105 個に対し、
4時間培養後は抗菌剤を含有していないシートでは、菌
は5×106 個に増加していたが、抗菌剤含有シートで
は菌は9×103 個に減少していた。
【0021】実施例5 スチレン−エチレンブチレン−スチレン共重合体〔MJ
4300(三菱化学社製)〕40gと塩化ベンゼトニウ
ム(和光純薬工業社製)2gを二軸混練機(東洋精機製
作所製)により、180℃で両者が溶融した状態で混練
し、抗菌剤が均一に分散した抗菌性材料を得た。得られ
た抗菌性材料をプレス機(林製作所製)でプレスして透
明な抗菌性シートを得た。得られたシートを用いて実施
例1の方法により抗菌性試験を行ったところ、初発菌数
1×105 個に対し、4時間培養後は抗菌剤を含有して
いないシートでは、菌は4×104 個に減少していた
が、抗菌剤含有シートでは菌は1×103 個に減少して
おり、本発明の抗菌剤含有シートの方が細菌に対してよ
り有効に作用したことが確認された。
4300(三菱化学社製)〕40gと塩化ベンゼトニウ
ム(和光純薬工業社製)2gを二軸混練機(東洋精機製
作所製)により、180℃で両者が溶融した状態で混練
し、抗菌剤が均一に分散した抗菌性材料を得た。得られ
た抗菌性材料をプレス機(林製作所製)でプレスして透
明な抗菌性シートを得た。得られたシートを用いて実施
例1の方法により抗菌性試験を行ったところ、初発菌数
1×105 個に対し、4時間培養後は抗菌剤を含有して
いないシートでは、菌は4×104 個に減少していた
が、抗菌剤含有シートでは菌は1×103 個に減少して
おり、本発明の抗菌剤含有シートの方が細菌に対してよ
り有効に作用したことが確認された。
【0022】
【発明の効果】本発明の抗菌性樹脂組成物は透明性に優
れる。また、疎水性の熱可塑性有機高分子化合物と難水
溶性の抗菌剤からなる樹脂組成物は、長期間安定した抗
菌性を有する。本発明の透明な抗菌性樹脂組成物は、た
とえば創傷被覆材、体内留置用のカテーテルやチュー
ブ、それらを接続するコネクターなどの医療用具などに
用いることができる。
れる。また、疎水性の熱可塑性有機高分子化合物と難水
溶性の抗菌剤からなる樹脂組成物は、長期間安定した抗
菌性を有する。本発明の透明な抗菌性樹脂組成物は、た
とえば創傷被覆材、体内留置用のカテーテルやチュー
ブ、それらを接続するコネクターなどの医療用具などに
用いることができる。
【図1】本発明の透明な抗菌性樹脂組成物の抗菌性の持
続を示すグラフである。
続を示すグラフである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/31 KBD C08L 101/00 (72)発明者 糸谷 秀三 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 糸井 栄一 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 熱可塑性有機高分子化合物と抗菌剤と
を、溶融して混合してなることを特徴とする透明な抗菌
性樹脂組成物。 - 【請求項2】 熱可塑性有機高分子化合物が疎水性であ
り、抗菌剤が難水溶性であることを特徴とする請求項1
記載の透明な抗菌性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7012286A JPH08199002A (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | 抗菌性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP7012286A JPH08199002A (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | 抗菌性樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08199002A true JPH08199002A (ja) | 1996-08-06 |
Family
ID=11801119
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7012286A Pending JPH08199002A (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | 抗菌性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08199002A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004099557A (ja) * | 2002-09-11 | 2004-04-02 | Dainippon Ink & Chem Inc | 微生物生育抑制剤含有樹脂微粒子および該微粒子を含む水性エマルジョン塗料 |
US7993390B2 (en) | 2002-02-08 | 2011-08-09 | Boston Scientific Scimed, Inc. | Implantable or insertable medical device resistant to microbial growth and biofilm formation |
JP4846980B2 (ja) * | 2002-02-08 | 2011-12-28 | ボストン サイエンティフィック リミテッド | 微生物増殖及びバイオフィルム形成を抑制する移植又は挿入可能な医療器具の製造方法 |
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KR20160096166A (ko) | 2014-03-13 | 2016-08-12 | 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 | 항균성 부재 |
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1995
- 1995-01-30 JP JP7012286A patent/JPH08199002A/ja active Pending
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A02 | Decision of refusal |
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