JP4820479B2 - 熱圧着タイプのマーク用生地 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、日常生活で着用する衣服、スポーツ着、袋物等にアクセサリーとして貼着するよう図柄、文字状に形どりされた熱圧着タイプのマークを作る熱圧着タイプのマーク用生地は勿論のこと主として野球、サッカー等の団体競技を行うときに着用するユニホームに、チーム名、背番号を表示する手段として耐摩擦性、耐洗濯性に優れた貼着力をもつ図柄、文字状に形どりされた熱圧着タイプのマークを作るための熱圧着タイプのマーク用生地に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまで、日常生活で着用する衣服、スポーツ着、袋物等にアクセサリーとして貼着する熱圧着タイプのステッカー、ゼッケン、ワッペン等のマーク(以下マークと言う)を作る熱圧着タイプのマーク用生地(以下マーク用生地という)については、特開昭61−89361号、実開昭64−27231号公報等に示すようにいろいろ開発研究が行われていた。
上記発明、考案の構成の概要を説明すると、織物、編物、不織布或はこれらを加工した布地を選んでマーク地とし、そのマーク地の片面に、熱圧着層形成材として熱圧着作業に容易な熱可塑性のホットメルト樹脂フィルム選んでをラミネートしたり、或は、熱可塑性のホットメルト樹脂から成るウエブを積層接合たり、或は熱可塑性のホットメルト樹脂から成るドット状、パウダ状のものを用いて熱圧着タイプのマーク用生地を形成すると言うものである。
上記の発明、考案は、このマーク用生地を所望の図柄、文字状に打ち抜き或は切り抜いて形どりし、これを日常着用する衣服、スポーツ着、袋物等に貼着するマークとすること、これらのマークの貼着手段はいずれも手軽に家庭用のアイロンで加熱加圧して貼着できるようにしたと言うことに特徴をもたせたものである。即ち、上記発明、考案にかかるマーク用生地から形どりして作ったマークは、主として日常着用する衣服、スポーツ着、袋物等にアクセサリーとして手軽に貼着するのに便利なマークとして開発されたものであり、正式の野球、サッカー等の団体競技の練習、試合を行うときに着用するユニホームにチーム名、背番号を表示する手段として耐摩擦性、耐洗濯性を考慮して貼着するマークとしては特に考えの範疇に入れているものではなかったことは明らかである。
【0003】
ところで、正式の野球、サッカー等の団体競技の練習、試合を行うとき着用するユニホームは、日常着用する衣服、スポーツ着とは比較にならない過激な運動が行われる状態の下で着用される。
すなわち、サッカー、野球などの競技は、着用するユニホームは勿論のこと、これにチーム名、背番号の表示手段として形どりされて貼着されるマークも競技中に無理に引張られたり、無理にこすられたり、予想しない強い打撃をうけたり、無理な皺寄せがされたりする。この運動中にマークがユニホームから剥れるようなことがないようしっかりと貼着しなければならない。
また、サッカー、野球などの競技に着用する上記マークを貼着したユニホームは、日常着用する衣服、スポーツ着とは比較にならない程の汗まみれになったり、泥まみれになったりする。その汚れをおとすには日常着用する衣服、スポーツ着とは比較にならない時間をかけた洗濯をしなければならない。この洗濯中にマークがユニホームからむしり取られるようなことがないようしっかりと貼着しなければならない。
前記発明、考案にかかるマーク用生地なり、これから形どるマークについては、家庭用アイロンで貼着できるとしているところからこの点の配慮は払われていないことは明らかである。
【0004】
上記ユニホームにチーム名、背番号等の表示手段として貼着されているこれまでのマークは、これまでのユニホームとして代表的な野球のユニホームに貼着すると言う目的の下で開発されて来た。
【0005】
これまでの上記ユニホームに貼着するマークの素材は、これまでの野球のユニホームの素材が、腰の強い布帛と言う生地で作られていたところから、上記ユニホームに貼着するマークはその素材であるマーク地を、上記ユニホームに馴染むような素材を使っていた。また、上記マークを構成するもう一つの素材であるマーク地の片面にラミネートする熱圧着層形成材は、ユニホームとマークのマーク地とを強力に接着すると言う要請を満足させるために熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルム中でも接着力の点において優れていると言われる腰の強いナイロンフィルムを用いていた。
【0006】
上記ユニホームにチーム名、背番号の表示手段として貼着する形どりされたマークをユニホームからむしり取られないようにしっかりと貼着する手段は単に強力な接着力を発揮する接着剤を用いると言うだけでなく、その接着剤に強力な接着力を発揮させるため、上記ユニホームと重ね合わせたマーク面の全面にわたり、均一な條件下での加熱加圧を行わなければならない。むらのあるような條件下での加熱加圧を行っては、接着強度にむらができてしっかりと貼着することはできない。従って、ユニホームに対するマークの貼着は、前記公報に記載されたような手軽に家庭用のアイロンで貼着できるようにするというのではなく、専門業者により特殊の加熱加圧機でプレス加工して、耐摩擦性、耐洗濯性を強化して容易に剥がれないようにしっかりと全面を均一に貼着するのである。
【0007】
即ち、日常着用する衣服、スポーツ着に貼着するマークと、上記ユニホームに貼着するマークとでは、マークの素材であるマーク地、熱圧着層形成材は勿論のこと貼着手段も貼着態様も異にする。
【0008】
ところで、マーク地である布地に熱圧着層形成材としての熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルムをラミネートして成る熱圧着タイプのマークを以てスポーツ着やユニホームに貼着する操作による貼着は、各種材料、織方、編方をした布地から成るマーク地に熱圧着層形成材としてラミネートした熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルムを、各種材料、織方、編方をした布地から成るスポーツ着やユニホーム地に重ね、加熱加圧機でプレス操作を行うことによってマーク地に熱圧着層形成材としてラミネートした熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルムを、スポーツ着やユニホーム地の面で溶融し、溶融した樹脂をマーク地とスポーツ着やユニホーム地に、それぞれマーク地とスポーツ着やユニホーム地を貼着するのに必要にして且つ十分な程度に滲透させ、その状態でプレス操作を止め、冷却を待って、該溶融樹脂をマーク地とスポーツ着やユニホーム地に滲透させた状態のままの熱可塑反応状態を維持させ、マーク地とスポーツ着やユニホーム地に対して、いわゆるアンカー効果を発揮させてマーク地とスポーツ着やユニホーム地を貼着すると言う操作を行って貼着すると言うものである。
【0009】
この操作を行ったとき、溶融した樹脂がマーク地やスポーツ着やユニホーム地に必要にして十分の滲透状態を呈しないときは両者の貼着は不完全となる。反対に溶融した樹脂が過剰な状態でマーク地やスポーツ着やユニホーム地に滲透したときはマーク地の表面やスポーツ着やユニホーム地の裏面から滲み出る状態となり、この状態となったときは、マーク地とスポーツ着やユニホームの両者を必要以上なアンカー効果を発揮して硬着状態で貼着するばかりでなく、マーク地の表面は滲透樹脂による皮膜が形成され、スポーツ着やユニホームに貼着したマークの風合いを減殺してしまうと言う不都合がおこる。従って、マーク地に貼着する熱圧着層形成材であるホットメルト樹脂フィルムには上記した現象がおきないような配慮をしなければならない。
即ち、マーク地、並にスポーツ着やユニホーム地にどのような布地を使うか或は熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルムにどのようなものを使うかによってそれぞれどのようなアンカー機能を呈するかが異ってくる。
【0010】
尚、このことは、マーク地にラミネートする熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルムは、マーク地とスポーツ着やユニホーム地を理想的な状態で貼着するには、マーク地として選択する布地やスポーツ着やユニホーム地の材料、織り方、編み方等を考慮して、それにそぐうものを選ばなければならないと言うことである。
【0011】
ところで、サッカーのユニホームが現在普及されているレオタード、スイムスーツのように極めて縦横に伸縮性の富む布地を利用して作られているところから、野球のユニホームも、前記布地に倣って改良された布帛を使って作るようになった。
【0012】
これらの現在普及されるようになった極めて縦横に伸縮性の富む布地を利用して作るサッカーや野球のユニホームに、これまでのマークを貼着すると、これまでのマークのマーク地は、前記したように腰の強い布帛で作られた野球のユニホームに馴染む素材を使い、且つ、その熱圧着層形成材に前記ナイロンフィルムを使って作られていたところから、これまでのマークを上記ユニホームに加熱押圧して貼着した部分は、マーク地が前記素材で作られ、これを前記ナイロンフィルムの溶着樹脂が熱可塑反応を呈して貼着することによってこわばった状態となる。即ち、ユニホームのマーク貼着部分は貼着したマークによって伸縮性、柔軟性を阻害されることになる。従って、上記状態でマークを貼着したユニホームを着用して競技をする着用者には競技中に該部分が違和感を感じさせ、更に、マークの輪郭によっては角部ができるようなときがあり、そのようなときは、その角部は前記ナイロンフィルムによる溶着樹脂の熱可塑反応を呈した貼着によってこわばった個所となり、このこわばった角部が競技をする着用者の身体に突き当ったときは、瞬間的に押圧感を感じさせ、その押圧感によって反射的に運動を鈍らせることがあると言う不都合を生じさせることもあった。
そこで、マーク地として上記ユニホームに馴染む布地を用いたとしても、熱圧着層形成材に前記ナイロンフィルムを用いたときは、前記ナイロンフィルムの性格からして、マーク貼着個所は前記したと同じ貼着状態を示すことになる。
【0013】
これらの不都合を解消させるため、現在普及されるようになった極めて縦横に伸縮性の富む布地を利用して作られている野球や、サッカー等のユニホームに馴染むマークを提供するため、本出願人はマーク地に現在普及されているユニホームを作る布地に馴染む伸縮性の布地を選定し、このマーク地にラミネートする熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルムを上記マーク地に同調して伸縮する機能を発揮する伸縮性、柔軟性に富むウレタンフィルムを用いたマーク用生地を開発し、これが既に特許第2675326号として登録になった。
【0014】
更に、マークは、マークをユニホームに貼着したとき、スポーツ着やユニホームを着色した色彩がマーク地を通して透視できるようなものであっては、その透視できる色彩によって、マーク地本来の持ち味、マーク地本来の鮮明さを阻害してしまうと言う不都合がおこる。従って、マーク地に貼着する熱圧着層形成材である熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルムには、上記透視を阻止する加工を施さなければならない。これまでのマークを形成するため、マーク地に貼着する熱圧着層形成材である熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルムであるナイロンフィルムには白色の染料、顔料を混入し、着色したフィルムとして使用し、上記不都合の生じるのを阻止するものとして使用していた。ところが、熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルムであるウレタンフィルムを使用しようとしたとき、該フィルムに前記機能を発揮させるため染料、顔料を混入したときは、極端に貼着力を減殺することになる。従って、ウレタンフィルムにはユニホームの着色の透視を阻止する機能を発揮する着色加工ができないとされていた。そこで該フィルムを使用するときは、該フィルムに前記透視現象がおきないよう配慮しなければならない。
【0015】
前記した現在普及されるようになったレオタード、スイムスーツのように極めて縦横に伸縮性の富む布地を利用して作られているユニホームに貼着するのに馴染むマークを作るためのマーク用生地として開発した特許第2675326号の特許発明はマーク地にラミネートする熱圧着層形成材である熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルムをウレタンフィルムとしたが、この熱圧着層形成材については前記配慮が払われていない。従って、前記特許発明にかかるマークでは、上記〔0014〕の項に記載した不都合の生ずるのを解消するには不十分である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、日常生活で着用する衣服、スポーツ着等や、これまでに普及されていた腰の強い布帛で作られていたユニホームには勿論であるが、そればかりでなく現在普及しているレオタード、スイムスーツのように極めて縦横に伸縮性の富む布地を利用して作るユニホーム等の貼着対象物に貼着するのにも適する構成とされる熱圧着タイプのマークを作るとき、そのマークを作るための熱圧着タイプのマーク用生地のマーク地にラミネートする熱圧着層形成材である熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルムを、これまで接着力が弱いとされていたウレタンフィルムのようなフィルムとする構成としたときでも、そのマーク用生地から形どりしたマークを上記貼着対象物に貼着する際、上記マークを構成するフィルムの溶融樹脂をマーク地と貼着対象物とを貼着するのに必要にして且つ十分なだけのアンカー機能をマーク地と貼着対象物の布に発揮するものとし、しかも、ユニホーム等の貼着対象物に着色した色彩がマークを透過して透視できないよう透視遮断機能を発揮する熱圧着タイプのマークとして切り抜きができる熱圧着タイプのマーク用生地を提供しようとするものである。
【0017】
織物、編物、不織布から成る布地をマーク地とし、該マーク地の片面に熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルムから成る熱圧着層形成材を貼着して成る熱圧着タイプのマークのマーク用生地において、前記マーク地の片面に貼着する熱圧着層形成材を、熱圧着タイプのマーク用生地から作った熱圧着タイプのマークをユニホームその他の所望の貼着対象物に熱圧着するときに行う加熱加圧操作による加熱温度では、溶融したり変形しない耐熱温度に調整された材料を以て作られた合成樹脂フィルムを介在層としてはさんで、その介在層の一方面には、熱圧着タイプのマークのマーク用生地の構成材であるマーク地に対して、その介在層の他方面には、熱圧着タイプのマークを貼着するユニホームその他の所望の貼着対象物を構成する生地に対して、それぞれ前記マーク地、或いは、ユニホームその他の所望の貼着対象物を構成する生地に馴染み、且つ、前記加熱加圧操作を行うときの加熱温度で溶融し、その温度で溶融した溶融樹脂が前記マーク地、並びに貼着対象物の構成材である生地に対して過剰滲みこみを生ぜず、耐摩擦性、耐洗濯性を発揮して貼着するのに過不足なく必要にして十分に滲透するようにして理想的なアンカー効果を発揮するように成分調整した熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルムから成る層を熱圧着層形成材として配した三層の構成とし、該三層の構成から成る熱圧着層形成材を、マーク地の片面に貼着して成る構成とした。
【0018】
【実施例】
本発明を図面に従って説明する。
これまでの熱圧着タイプのマーク用生地は、従来の技術の項で説明したとおり、貼着対象物である日常生活に着用する衣服、スポーツ着、袋物、更に、サッカー、野球のユニホーム等がどのような布地で作られているか、また、前記貼着対象物に貼着するマークのマーク地が、前記貼着対象物の布地に馴染むかどうかを考慮することなく織物、編物、不織布等の布地、或はこれを加工した布地の中から選んだ布地をマーク地とし、このマーク地の片面に熱圧着層形成材として所望の加熱温度條件下で、所望の状態の溶融反応を示す熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルムを熱圧着によりラミネートして形成していた。しかし、本発明は、現在普及されるようになったユニホームに馴染むマークを提供すると言うことを念頭において、理想どうりの貼着ができるよう前記熱圧着層形成材を、下記の通りの三層構造のフィルムとするものである。
【0019】
即ち、本発明を構成するマーク用生地のマーク地にラミネートする熱圧着層形成材の製法にはラミネート法、射出形成法等で作ることができるが、理解しやすいように図1を示してラミネート法で作る場合を例にとって説明する。
【0020】
熱圧着層形成材1は、熱圧着層形材を形成時並にマーク地にラミネートしてマーク用生地とする時、マーク用生地から形取ったマークをシャツ、ユニホーム等の貼着対象物に貼着する時の加圧加熱温度では溶融したり、変形したりしない介在層2をはさんで、その両面に、それぞれの一方面にはマーク地を、他方面にはシャツ、ユニホーム地等の貼着対象物を、それぞれ好適な状態で貼着するのに必要にして且つ十分の機能を発揮するよう溶融温度を調整され、且つその溶融温度下で所望の状態の溶融反応を呈してアンカー機能を発揮するよう調整された熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルム3、4を重ね合わせる。これを図1に示すように剥離材5、6間に挟んで所定の温度、圧力下で加熱加圧して剥離材5、6に挟まれてラミネートされた三層構造の積層フィルムとする熱圧着層形成材1とする。
前記介在層2が合成樹脂フィルムであるときは、その両面に配する、ホットメルト合成樹脂フィルム3、4は、介在層2と親和性のある合成樹脂であることは勿論である。
【0021】
上記図1に示す構造の熱圧着層形成材を以て図2に示す熱圧着タイプのマーク用生地8を作るのには、まず、熱圧着層形成材1を構成する介在層2の一方面にラミネートした前記熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルム3の面から剥離材5を取り除いて、該フィルム5面に、織物、編物、不織布等の布地、或はこれを加工した布地から選定されたマーク地7に重ね合わせる。次に、マーク地7と前記フィルム3をラミネートするための加熱加圧を行う。この操作により、介在層2の両面側にラミネートされた前記フィルム3、4は溶融する。この溶融により、前記フィルム3はマーク地7に或る程度浸透してこれが冷却後はラミネートされた状態で図2に示す構成の熱圧着タイプのマーク用生地8となる。いわば、仮着状態でラミネートされる。この操作を行うのには、普通、介在層2の他方面にラミネートした前記熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルム4には剥離材6をあてがったままの状態で行う。従って、介在層2と剥離紙6面で溶融した前記フィルムは、加熱加圧操作後の冷却により元の状態に復元して剥離紙6に裏打ちされた熱圧着タイプのマーク用生地8となる。
【0022】
この熱圧着タイプのマーク用生地8を図3に示すように所望の図柄、文字状に打ち抜き、或は切り抜いて剥離紙6に裏打ちされた状態で形どりされたマーク9とする。
【0023】
前記図3に示すマーク9を以てシャツ、ユニホーム等の貼着対象物10に貼着するには、前記マーク9が剥離紙6で裏打ちされたものであるときは、その剥離紙6を取り除いて、図3に示すように介在層2の他方面にラミネートした熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルム4をシャツ、ユニホーム等の貼着対象物10の所望の個所に置いて、従来どおり所望の圧力、温度條件下で且つ所望の時間をかけた加熱加圧操作を行う。
【0024】
この操作によって、介在層2の両面に貼着された熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルム3、4はともに再び溶融する。
【0025】
この際、介在層2の一方面にラミネートされた熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルム3の溶融樹脂はマーク9を構成するマーク地7を構成する布地の性状、材質を考慮し、それに見合う加熱加圧条件を考慮して過不足なく必要にして、且つ十分な程度に滲透させる。また、介在層2の他方面にラミネートされた熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルム4の溶融樹脂はシャツ、ユニホーム等の貼着対象物10の生地を構成する布地の性状、材質を考慮し、それに見合う加熱加圧条件を考慮して過不足なく必要にして、且つ十分な程度に滲透させる。
【0026】
介在層2の両面にラミネートされたそれぞれの熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルム3、4は前記操作によって溶融しても、それぞれの熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルム3、4の間には介在層2があるので、介在層2の両側で溶融したそれぞれの前記熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルム3、4の溶融樹脂は、混合してマーク地7側に或はシャツ、ユニホーム等の貼着対象物10側の生地に必要以上の状態で滲透することを防止できる。
【0027】
この介在層2の形成材は、マーク9をシャツ、ユニホーム等の貼着対象物10に貼着する際の加熱加圧による加熱温度では溶融したり変形しない素材を用いる。即ち、この介在層2の素材に合成樹脂フィルムを用いるときは、介在層2の両側にラミネートされる熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルム3、4と親和性のある合成樹脂であって、且つ前記フィルム3、4より溶融温度を高く調整された熱可塑性の合成樹脂フィルムとするものであることがあり、或は、介在層2の両側にラミネートされる熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルム3、4と親和性のある合成樹脂であって、且つ架橋反応を呈して熱圧着層形成材の形成過程でも、マークを貼着対象物に貼着する過程でもフィルムとなった状態をくずさないよう調合された合成樹脂を以て合成樹脂フィルムとしたものであることがあり、或は、溶融樹脂の滲透を阻止する工夫を施すか、織方、編方に工夫を施こすかした合成繊維、天然繊維から成る布地、不織布であることがある。
【0028】
尚、前記介在層2を形成する合成樹脂フィルムを作る合成樹脂に顔料、染料等を混合した合成樹脂とするときは、着色された合成樹脂フィルムとすることができる。
【0029】
熱圧着層形成材の介在層を着色の合成樹脂フィルムとするとき、或は介在層に前記布地、不織布等を用いたときは、その介在層2によってシャツ、ユニホーム等の貼着対象物に着色された色彩は、介在層2で透視が遮断されてマーク9から透き通って見えることを阻止することができる。
【0030】
更に、本発明にかかるマーク用生地を構成するについて用いる熱圧着層形成材は、上記の通りに構成されるものであるから、マーク用生地8を構成するマーク地7或はシャツ、ユニホーム等の貼着対象物10の布地の性状即ち材料、織方、編方如何によって次の通りに構成することができる。
【0031】
即ち、従来タイプの布帛を用いて作ったユニホームに貼着するマークを作るのに、そのマークのマーク地に布帛を用いるものと仮定した場合は、そのマークを作るマーク用生地に用いる熱圧着層形成材は、介在層の両側に、所定の温度条件下で所定の溶融状態を呈してユニホームの構成材である布帛、マークの構成材とするマーク地に使う布帛に、必要にて且つ十分滲透する溶融樹脂となる厚みの熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルム3、4を選んでラミネートした三層構造の積層フィルムとすることによって、両者に過不足なく滲透する溶融樹脂となる前記フィルム3、4を貼着した従来タイプのユニホームに貼着するのに理想的なマーク用生地を作ることができることになる。
【0032】
これに対して、現在普及しているレオタード、スイムスーツのように、極めて縦横に伸縮性に富む布地を以て作るユニホームに貼着するマークを、上記ユニホームの布地に馴染む布地で作ろうとした場合は、マーク用生地を作るのに用いる熱圧着層形成材は、介在層の両側に所定の温度條件下で所定の溶融状態を呈してユニホーム構成材である前記布地、マークの構成材とするマーク地に使う前記布地に、それぞれ必要にして且つ十分滲透する溶融樹脂となる厚みの熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルム3、4を選んでラミネートした三層構造の積層フィルムとすることによって、両者に過不足なく滲透する溶融樹脂となる前記フィルム3、4を貼着した上記タイプのユニホームに貼着するのに理想的なマーク用生地を作ることができる。
【0033】
更に、厚手の布地を以て作られたタイプの貼着対象物に貼着するマークを、薄手の布地をマーク地として作ろうとした場合、或は、薄手の布地を以て作られたタイプの貼着対象物に貼着するマークを、厚手の布地として作ろうとした場合は、マーク地を作るのに、介在層の両側に所定の温度條件下で所定の溶融状態を示してユニホーム構成材である布地、マークを構成するマーク地である布地に、それぞれ必要にして且つ十分滲透する溶融樹脂となる厚みを調整した熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルムを選んでラミネートした三層構造の積層フィルムとすることによって、上記それぞれのタイプのユニホームに貼着するのに理想的なマーク用生地を作ることができる。
【0034】
このマーク用生地から所望の図柄、文字状に打ち抜き或は切り取り等、従来法による形どりをしたマークを作る。
即ち、本件発明にかかるマーク用生地を構成するについて用いる熱圧着層形成材は、前記考え方に基づいてマーク用生地を構成するマーク地である布地、或はシャツ、ユニホーム等の貼着対象物を構成する布地の厚み、性状如何により、介在層の両側にラミネートする熱可塑性の合成樹脂フィルムに、どのような性質の合成樹脂を、どのような厚みのフィルムとして使うかを適宜選択して熱圧着層形成材を構成することができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明にかかる熱圧着タイプのマーク用生地は、前記構造の熱圧着層形成材を用いたものであるから、本件発明にかかる熱圧着タイプのマーク用生地から作った熱圧着タイプのマークを以て、シャツ、ユニホームに貼着する際、マークの素材である布地にもシャツ、ユニホームの素材である布地にも必要にして且つ十分な溶融樹脂によるアンカー機能を発揮させてマークをシャツ、ユニホームに貼着することができ、更にシャツ、ユニホームに着色された色彩がマークから透視されることを阻止することができマーク本来の風合い、持ち味を発揮するマークとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 剥離紙にはさまれて形成された熱圧着層形成材の斜視断面図。
【図2】 剥離紙に裏打ちされたマーク用生地の斜視断面図。
【図3】 マーク用生地から形どりされたマークの斜視図。
【図4】 貼着対象物にマークを貼着した状態を示す斜視図。
【符号の説明】
1 熱圧着層形成材
2 介在層
3 熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルム
4 熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルム
5 剥離材
6 剥離材
7 マーク地
8 マーク用生地
9 マーク
10 シャツ、ユニホーム等の貼着対象部物
Claims (1)
- 織物、編物、不織布から成る布地をマーク地とし、該マーク地の片面に熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルムから成る熱圧着層形成材を貼着して成る熱圧着タイプのマークのマーク用生地において、前記マーク地の片面に貼着する熱圧着層形成材を、熱圧着タイプのマーク用生地から作った熱圧着タイプのマークをユニホームその他の所望の貼着対象物に熱圧着するときに行う加熱加圧操作による加熱温度では、溶融したり変形しない耐熱温度に調整された材料を以て作られた合成樹脂フィルムを介在層としてはさんで、その介在層の一方面には、熱圧着タイプのマークのマーク用生地の構成材であるマーク地に対して、その介在層の他方面には、熱圧着タイプのマークを貼着するユニホームその他の所望の貼着対象物を構成する生地に対して、それぞれ前記マーク地、或いは、ユニホームその他の所望の貼着対象物を構成する生地に馴染み、且つ、前記加熱加圧操作を行うときの加熱温度で溶融し、その温度で溶融した溶融樹脂が前記マーク地、並びに貼着対象物の構成材である生地に対して過剰滲みこみを生ぜず、耐摩擦性、耐洗濯性を発揮して貼着するのに過不足なく必要にして十分に滲透するようにして理想的なアンカー効果を発揮するように成分調整した熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルムから成る層を熱圧着層形成材として配した三層の構成とし、該三層の構成から成る熱圧着層形成材を、マーク地の片面に貼着して成ることを特徴とする熱圧着タイプのマークに用いるマーク用生地。
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