JP2896528B2 - ポリウレタン系繊維製品の染色法 - Google Patents

ポリウレタン系繊維製品の染色法

Info

Publication number
JP2896528B2
JP2896528B2 JP2163748A JP16374890A JP2896528B2 JP 2896528 B2 JP2896528 B2 JP 2896528B2 JP 2163748 A JP2163748 A JP 2163748A JP 16374890 A JP16374890 A JP 16374890A JP 2896528 B2 JP2896528 B2 JP 2896528B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dyeing
dye
bath
polyurethane
owf
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2163748A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0457978A (ja
Inventor
荘一 村上
豊 田中
光一 森田
▲しょう▼ 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OOSAKA GOSEN KAKO KK
Kanebo Ltd
Original Assignee
OOSAKA GOSEN KAKO KK
Kanebo Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by OOSAKA GOSEN KAKO KK, Kanebo Ltd filed Critical OOSAKA GOSEN KAKO KK
Priority to JP2163748A priority Critical patent/JP2896528B2/ja
Publication of JPH0457978A publication Critical patent/JPH0457978A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2896528B2 publication Critical patent/JP2896528B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coloring (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、溶融紡糸されたポリウレタン弾性フィラメ
ントからなるウレタン系繊維製品の吸尽染色法に関す
る。
〔従来技術〕
従来からウレタン系繊維製品は多く知られているが、
ポリウレタン弾性フィラメントを外部に全面に露出して
使用されることはなく、ポリアミド繊維で被覆されたカ
バードヤーンなどとして使用されることが多く、ポリウ
レタン弾性フィラメントの染色法については、あまり積
極的に検討されていなかった。
しかし、本発明者等は、「ポリウレタン弾性繊維不織
布」、即ち、溶融紡糸されたポリウレタン弾性フィラメ
ントの積層体で、フィラメントの接触点が該フィラメン
ト自体より接合され、且つ、剛軟度(Y)が一般式
(I) Y<0.2X+20 (I) 〔Yは剛軟度(mm)、Xは目付(g/m2)を表す。〕 で、表わされる範囲で目付100g/m2当たりの破断強度
が、0.4Kg/cm以上あり、尚、100%伸長弾性率が、90%
以上である伸縮性、柔軟性、及び、通気性に優れたポリ
ウレタン弾性繊維からなる不織布を開発した(特公平1
−30945号公報参照)。
このようなポリウレタン弾性不織布は、ポリウレタン
弾性フィラメントを直接表面に露出する風合のよい繊維
製品として、ポリウレタン系繊維製品の商品価値を大き
く変化させたものであり、更に、その商品価値を高める
ために、該不織布を構成するポリウレタン弾性フィラメ
ントの、堅牢な着色が強く要望される。
従来、一般にポリウレタン弾性繊維、通称「スパンデ
ックス」の吸尽染色は、特公昭49−41509号公報に記載
される如く、困難であるとされていたため、このような
不織布の着色法としては、原液着色法が使用されてき
た。
しかし、かかる方法では、鮮明色が得難く、また、多
数の要求色ごとに生産ロットの切り替えを行わなくては
ならないため、実際に生産可能な色が極めて限られた色
に限定されるという欠点がある。
しかも、各分野において要求されている商品は、小ロ
ット、多品種という傾向にあるため、原液着色法では、
その要求を満たすことが、経済的にも作業的にも困難で
あった。
なお、特公昭60−26876号公報には、ポリウレタンと
ポリエステル繊維とからなる複合材シートを染色する方
法が開示されるが、ここでは、染色性に問題があるポリ
ウレタン膜により表面が覆われるのを防止するために、
染浴のpHを特定の範囲に制御すると同時に、該シートを
機械的に揉布しながら染色するという方法をとってい
る。
〔発明の解決しようとする課題〕
そこで、本発明は、ポリウレタン系繊維製品を、小ロ
ット、多品種であっても、経済的に作用性よく、染色で
きる方法を提供することを課題とするものであり、特
に、前記の如きポリウレタン弾性不織布を、その特性を
損なわず、しかも染め斑やイラツキ等を生ずることな
く、淡色から中濃色に堅牢な染色をする方法を提供する
ことを課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の方法は、溶融紡糸されたポリウレタン弾性フ
ィラメントからなるポリウレタン系繊維製品を、分散染
料群、酸性染料群、1:2型金属錯塩染料群及び酸性反応
染料群から選ばれる少なくとも一種の染料を含む染浴
で、吸尽染色するものであって、染浴のpHが3〜6に調
整されており、染色温度が90〜100℃であり、かつ染浴
に浴中精錬剤、脱気剤及び浸透剤を含ませることに特徴
を有するものである。
前述の如く、スパンデックスは一般に難染であるが、
本発明者等は、同じスパンデックスであっても、その製
造方法によって、染色性に難易が存在し、溶融紡糸法に
よって作られたスパンデックスは比較的良好な染色性を
有すことを見出し、本発明を達成したのである。
本発明で染色されるウレタン系繊維製品を製造するた
めの溶融紡糸可能なポリウレタン樹脂としては、公知の
ものが使用でき、多くのポリエステル系又はポリエーテ
ル系ポリウレタン樹脂が存在する。例えば、長鎖ジオー
ル(分子量500〜3000のポリエステル又はポリエーテ
ル)、ジイソシアネート、及び低分子量の鎖伸長剤(グ
リコール、ジアミンなど)の反応で得られるものが一般
的である。
ポリウレタン弾性体のソフトセグメントを構成する長
鎖ジオールとしては、ポリエステル系のポリエチレンア
ジペイトグリコール(PEA)、ポリエチレンプロピレン
アジペイトグリコール(PEPA)、ポリブチレンアジペイ
トグリコール(PBA)、ポリヘキサメチレンアジペイト
グリコール(PHA)、ポリカプロラクトングリコール(P
CL)等、ポリエーテル系のポリエチレンエーテルグリコ
ール(PEG)、ポリプロピレンエーテルグリコール(PP
G)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTG)、
ポリヘキサメチレンエーテルグリコール(PHG)等であ
る。
ジイソシアネートとしては、4,4′−ジフェニルメタ
ンイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート
(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,5−
ナフチレンジイソシアネート(NDI)、p−フェニレン
ジイソシアネート(p−PDI)、ヘキサメチレンジイソ
シアネート(HDI)等がある。
鎖伸長剤としては、グリコールのエチレングリコール
(EG)、ブチレングリコール(BG)、ヘキサメチレング
リコール(HG)等、ジアミンのエチレンジアミン(ED
A)、ヘキサメチレンジアミン(HDA)、4,4′−メチレ
ンビスアニリン(MBA)等がある。
ポリウレタンの組成に関しては、前述のようにソフト
セグメントを基準にして、ポリエステル系とポリエーテ
ル系に区別できるが、染色性に関しては、ポリエステル
系が有利である。その理由は明らかでないが、染料の染
着挙動が双方で何等かの差異があるためと思われる。
本発明において、ポリウレタン系繊維製品とはポリウ
レタン弾性フィラメントを主体とする糸、編物、織物、
不織布などを意味するものであるが、特に本発明で効果
的なポリウレタン弾性フィラメントは、ポリマー構造に
実質的に化学架橋を有していない線状構造のものであ
る。ポリマー構造に架橋構造が存在すると、染着が妨げ
られ、染色性が低下することがわかっている。
なお、ポリマー構造における架橋構造の存在は、ポリ
マーの溶媒、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド等に対する溶解挙動から確認することができ
る。即ち、非架橋物は上記溶媒に容易に溶解するのに対
し、架橋構造を有するものは、不溶又は膨潤性を示す。
次に、本発明の方法を、特公平1−30945号公報のポ
リウレタン不織布(以下、単に不織布と述べる)の染色
方法として簡単に説明する。
この不織布は、極めて疎水性であり、繊維間に多量の
空気を保持している。また、吸水性測定法、吸水速度沈
降法試験によれば、室温でば吸水性が極めて不良と言う
結果になった。即ち、この不織布に対して染料溶液の湿
潤、浸透は著しく劣る。従って、かかる染色過程では、
染め斑、イラツキ、エアーポット等の事故が発生しやす
い。そこで、吸尽染色を良好に行う方法として、染料溶
液の湿潤、浸透が十分に得られるように、本発明では、
染浴に、浴中精錬剤、脱気剤及び浸透剤を添加するもの
であるが、脱気剤及び浸透剤として、いわゆる脱気・浸
透剤と称される化合物を使用してもよい。
染色助剤としては、例えばポリエチレングリコールの
エーテル型化合物(第一工業製薬(株)製のイノゲンHC
−浴中精錬剤−)、イソデカノールに酸化エチレンを付
加重合した化合物(東海製油(株)製のペネステロール
N160−浸透剤−)、ジメチルポリシロキサン(旭化学工
業(株)製のアサヒAFP170−脱気・浸透剤−)等が使用
でき、これら染色助剤の染浴への添加によって、不織布
は常温で染料溶液の良好なる湿潤性、浸透性を示した。
また、不織布は、染め斑、イラツキ、エアースポット等
のトラブルがなく非常に良好な染上がりで染色された。
不織布は、前述の如く、常温では吸水性が極めて不良
であるが、70℃〜100℃の浴温度では、吸水性が急激に
上昇する。従って、不織布の吸尽染色における常温での
染料溶液の湿潤性、浸透性は著しく劣るが、染浴温度を
70℃〜100℃に昇温すると染料溶液が不織布に急激に吸
収され、染着が始まる。
不織布を染色するに当たり、不織布の性状で更に注意
すべきことは、110℃以上では不織布同士が膠着を起こ
す恐れがあることである。先に述べた湿潤性、浸透性の
問題点に加えて、この膠着の問題点、更に着色不織布の
色相の安定性及び染色堅牢度の向上等を検討した結果、
不織布の染色温度は、90℃〜100℃の領域、特に100℃で
染色するのが望ましいことが分かった。
不織布は、分散染料群、酸性染料群、1:2型錯塩染料
群、酸性反応染料群から選ばれる染料によって染色でき
るが、これらの染料は単独で使用されても、2種以上混
合使用されてもよい。
いずれにしても、これらの染料で、不織布を吸尽染色
するに当たり、前記染料群を含む染浴のpHは3〜5、特
に3.5〜4.5に調整されるのが好ましい(但し、分散染料
の場合はpH4〜6に染浴を調整するのが好ましい)。こ
れにより、不織布の染着状態が安定し、濃色に染着され
た製品を得ることができる。
pH調整には、一般的なpH調整剤、例えば、酢酸、酢酸
−酢酸曹達、酢酸−酢酸アンモニュウム等の使用が可能
である。
本発明では、不織布の吸尽染色に関して、耐光堅牢度
等を向上するために、次のような方法を実施することも
できる。
まず、耐光堅牢度の向上のためには、染浴に、公知の
紫外線吸収剤であるベンゾトリアゾール系誘導体、例え
ば、2−(3T−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフ
ェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(5=
メチル=2=ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール
−市販品としてはチバガイギー社製のチバテックスLEN
new等−、又は、ヒドロキシベンゾフェノン系誘導体、
例えば、2.4−ジヒドロキシベンゾフェノン−市販品と
してはBASF社製のウルトラファースト 830 FD Liquid等
−の分散水溶液を1.0g/〜2.0g/の割合で染浴に添加
するのがよい。かかる染浴で染色された製品は、紫外線
吸収剤を使用しない場合に比して顕著な耐光堅牢度の向
上を示すが、この場合、紫外線吸収剤が不織布に吸着さ
れ耐光堅牢度向上に十分な効果を示すには、90℃〜100
℃以上の染色温度で染色するのが望ましい。
なお、紫外線吸収剤の添加による、耐光堅牢度向上効
果は、分散染料群で染色した製品に著しい。
次に、湿潤堅牢度については、分散染料群の、中濃色
染めで洗濯堅牢度の変退色が若干劣るが、タンニン酸固
着することにより改善されることがわかっている。他の
染料群も、必要に応じてタンニン凝固着することにより
湿潤堅牢度は改良される。
なお、本発明で染色した不織布は、その後、撥水加工
や帯電防止加工を施すことができ、これらの加工によっ
ても、染色性は良好に保たれる。
撥水加工には、弗素系撥水剤が効果的に使用でき、ま
た、帯電防止加工には、制電剤として日華化学社製のデ
ートロンV500(2%ows)などが効果的に使用できる。
次に、実施例に従って、本発明を更に詳しく説明する
が、本発明はこれらの実施例によって限定されるもので
はない。
実施例1 4,4′−ジフェニルメタジイソシアネート(MDI)、分
子量2,000のポリエチレンブチレンアジペート(PEB
A)、及び1,4−ブタンジオールの3成分からなるポリウ
レタン弾性体(JIS硬度85)を原料に用いて、特公平1
−30945号公報に記載された方法に従って、目付75g/m2
の不織布Aを得た。この不織布Aの物性値を表1に示
す。
次いで、不織布Aを下記の染色条件で染色した。
酸性染料(Erionyl Brilliant Blue RL 200%) 1.6%owf 酢酸(pH調整剤) 1.0g/l ノイゲンHC(浴中精錬剤) 1.5g/l アサヒAFP170(脱気・浸透剤) 0.3g/l 100℃×40分 浴比1:20 まず、不織布Aを、サーキュラー(日阪製作所製)に
室温にて投入し、次いで上記染色助剤及び染料を投入
後、100℃まで昇温し、同温度で40分間処理した後、約7
0℃に冷却し、吸尽染色工程を完了した。
この結果、青色に着色された製品を得た。この製品の
K/S値及び目視判定の結果を表2に示す。
なお、K/S値は分光光度計測色器(データーカラー社
製 DC3890 C 光源2度視野CIE 1976 規定色差式)で
測色し、算出した値である。
実施例2及び3 下記の不織布B及びCについて、実施例1と同様の方
法で染色した。それぞれ製品の染色性について、実施例
1と同様に試験した結果を表2に示す。
〔不織布B〕
4,4′−ジフェニルメタジイソシアネート(MDI)、分
子量1,000のポリテトラメチレングリコール(PTG)及び
ヘキサメチレングリコール(HG)の3成分らなるポリウ
レタン弾性体(JISA硬度90)を原料に用いて、特公平1
−30945号公報に記載された方法に従って、目付80g/m2
の不織布Bを得た。
〔不織布C〕
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、
分子量2,000のポリカプロラクトンジオール(PCL1)及
び1,4−ブタンジオールの3成分からなるポリウレタン
弾性体(JISA硬度85)を溶融紡糸するに際し、溶融ポリ
ウレタン弾性体にポリウレタンプレポリマー(日本ポリ
ウレタン工業(株)製の「コロネートEH」、NCO含有率2
1%)を押出機先端部の圧入装置より6wt%添加した後、
静止型混練装置にて両者を均一に混合して、特公平1−
30945号公報に記載された方法に従って、目付75g/cm2
不織布Cを得た。
不織布Cは、自然放置もしくは熱処理によって添加プ
レポリマーによる分子間架橋が進行し、DMF等の通常の
ポリウレタン溶媒に不溶又は難溶となる。
表2に示される通り、実施例1〜3いずれの製品も、
良好に染色された。中でも、特に、架橋構造のないポリ
エステル系のポリウレタンからなる不織布A(実施例
1)は、非常に染色性がよいことわかる。
実施例4 本発明で対象とするポリウレタン繊維製品が、市販さ
れる乾式スパンデックスに比較して、染色性に優れるこ
とを示すために、下記の比較試験を実施した。なお、ス
パンデックスのソフトセグメント化学組成については、
赤外線スペクトル分析(IR)と核磁気共鳴分析(NMR)
により確認した。
1)供試験料 A)実施例1の不織布A B)市販ポリウレタン繊維(O)−乾式紡糸されたポリ
ウレタン弾性フィラメント(40デニール/4フィラメン
ト、ソフトセグメントはポリエーテル系)−を小型筒編
機にて目付75g/m2で筒編に作成した試料 C)市販ポリウレタン繊維(R)−乾式紡糸されたポリ
ウレタン弾性フィラメント(40デニール/4フィラメン
ト、ソフトセグメントはポリエステル系)−を小型筒編
機にて目付75g/m2で筒編に作成した試料 2)染色条件 1)項記載の供試試料A)B)C)を下記の染色条件で
染色した。
イ)分散染料による染色 ミケトン ポリエスター ネービー ブルー PRSFco
nc(三井東圧化学(株)製 C.I.Disprese Biue 186) 4.0%owf 酢酸 pH4.0〜5.0 0.3g/ カラゾール ACE−81(分散剤 第一工業製薬(株)
製) 1.0g/ イノゲン HC(浴中精錬剤 第一工業製薬(株)製) 1.5g/ アサヒ AFP 170(脱気・浸透剤 旭化学工業(株)
製) 0.3g/ チバテックス LFN new(紫外線吸収剤チバガイガー
社製) 1.5g/ 浴比1:20 温度、時間100℃×40分 ロ)1:2型金属錯塩染料による染色 ラナシン ネービー S−BL conc(サンド社製、C.
I.Acid Blue 296) 5.0%owf 酢酸pH3.8〜4.2 1.0g/ イノゲンHC 1.5g/ アサヒAFP 170 0.3g/ チバテックスLFN new 1.5g/ 浴比1:20温度、時間100℃×40分 3)染色条件イ)及びロ)で染色した製品のK/S測定値
及び目視判定結果を表3に示す。
実施例5 pHの違いによる染着性の比較を、下記の染料及び染色
条件を使用して、不織布Aを吸尽染色することによって
実施した。
1)使用した染料 A)酸性染料 a)アミニイル イエロー E−3GL(住友化学工業
(株)製)(C.I.Acid Yellow 49) 0.8%owf b)エリオニイル ブリリアント ブルーRL 200%
(チバガイギー社製)(C.I.Acid Blue 260) 1.6%owf c)アミニイル ブルー E−2GL(住友化学工業
(株)製)(C.I.Acid Blue 40) 1.2%owf d)ナイロサン レッド F−RS conc(サンド社
製)(C.I.Acid Red 114) 0.8%owf B)1:2型金属錯塩染料 a)ラニイル イエロー G e/c(住友化学工業
(株)製)(C.I.Acid Yellow 116) 1.4%owf b)ライニル ブリリアント ブルーG e/c(住友化
学工業(株)製)(C.I.Acid Blue 127) 1.6%owf c)イルガラン レッド ブラウン RL 200% kwl
(チバガイギー社製)(C.I.Acid Brown 226) 1.5%owf C)酸性反応染料 a)ラナセット イエロー 4GL(チバガイギー社
製) 1.3%owf b)ラナセット ブルー 5GL(チバガイギー社製)
1.8%owf c)ラナセット ボルドー B(チバガイギー社製) 1.2%owf 2)染色条件 前記各染料と、イノゲンHC(浴中精錬剤)1.5g/及
びアサヒAFP 170(脱気・浸透剤)0.3g/を含む染浴
を、それぞれpH4とpH6に調整して、浴比1:20、温度、時
間100℃×40分の条件で吸尽染色を実施した。
このようにして得た製品の染色状態を、分光光度計測
色機(データーカラー社製 DC3890)で測色し、K/S値
にて濃度を判定した。それらの結果を表4に示す。
表4の結果より、いずれの染料を使用した場合にも、
pH4の染浴で染色した製品が、pH6の染浴で染色した製品
より、濃く染着されていることがわかる。
なお、中性の染浴(pH調整剤・無添加)では、染着性
が悪く、実用性ある染色品を得ることはできなかった。
実施例6 分散染料、酸性染料、1:2型金属錯塩染料、酸性反応
染料で吸尽染色するに際して、紫外線吸収剤による耐光
堅牢度向上の効果、及びタンニン酸固着処理による、湿
潤堅牢度向上の効果について、不織布Aを用いて、下記
の染色試験を実施した。その結果を表5に示す。
1)分散染料での吸尽染色 下記の3種の基本的な処方(A)〜(C)を利用し
て、それぞれ (a)処方(A)〜(C)の染浴での吸尽染色 (b)処方(A)〜(C)に、更にチバガイギー社製の
紫外線吸収剤チバテックス LFN newを1.5g/添加し
た染浴で吸尽染色、及び (c)(b)の吸尽染色後、更に別浴にてタンニン酸固
着処理(湿潤堅牢度向上剤) という3条件の染色試験を実施した。ただし、いずれの
染色も浴比1:20、100℃×40分の条件で実施した。
処方(A) ラテシル ブリリアント ピンク 3G(チバガイギー
社製)(C.I.Disperse Red 302) 0.05%owf 酢酸pH4.0〜5.0 0.3g/ カラゾール ACE−81(分散剤 第一工業製薬(株)
製) 1.0g/ イノゲン HC(浴中精錬剤 第一工業製薬(株)製) 1.5g/ アサヒ AFP 170(脱気・浸透剤 旭化学工業(株)
製) 0.3g/ 処方(B) 染料として下記の3種の染料の配合物を使用した以外
は処方(A)と同様の処方である。
スカミロン イエロー SE−RPD(住友化学工業
(株)製)(C.I.Disperse Yellow 192) 0.24%owf スカミロン ブルー SE−RPD(住友化学工業(株)
製)(C.I.Disperse Blue) 0.18%owf スカミロン レッド SE−RPD(住友化学工業(株)
製)(C.I.Disperse Red) 0.18%owf 処方(C) 染料として下記の3種の染料の配合物を使用した以外
は処方(A)と同様の処方である。
スカミロン イエロー SE−RPD 0.54%owf スカミロン ブルー SE−RPD 0.24%owf スカミロン レッド SE−RPD 0.52%owf 染色結果 処方(A)で得られた色相は、淡いピンク色で染色性
は良好であった(残浴は無し)。尚、耐光堅牢度は紫外
線吸収剤により著しく向上したが、タンニン酸固着処理
により、若干劣性になった。また、湿潤堅牢度は、
b)、c)処理共に良好であった。
次に、処方(B)で得られた色相は中色程度のウッド
ブラウン色で染着性は良好であった(残浴は殆ど無
し)。尚、耐光堅牢度は紫外線吸収剤により著しく向上
した。また、洗濯堅牢度の変退色(色落ち)は、タンニ
ン酸固着処理により改善され、良好となった。尚、湿潤
堅牢度は、b)、c)共に良好であった。
また、処方(C)で得られた色相は焦茶色で染着性は
良好であった(残浴は殆ど無し)。尚、耐光堅牢度は紫
外線吸収剤により著しく向上した。また、洗濯堅牢度の
変退色(色落ち)は、タンニン酸固着処理により改善さ
れ、良好となった。尚、湿潤堅牢度は、b)、c)共に
良好であった。
2)酸性染料での吸尽染色 下記の2種の基本的な処方(D)〜(E)を利用し
て、それぞれ前記1)の分散染料での吸尽染色と同様
(a)〜(c)3条件の染色試験を実施した(浴比及び
温度条件も同様)。
処方(D) エリオニイル イエロー RXL(チバガイギー社製)
(C.I.Acid Orange 67) 0.26%owf エリオニイル ブリリアント ブルー RL200%(チ
バガイギー社製)(C.I.Acid Blue 260) 0.15%owf ナイロサン レッド F−RS conc.(サンド社製)
(C.I.Acid Red 114) 0.015%owf 酢酸 pH3.8〜4.2 1.0g/ イノゲンHC(浴中精錬剤 第一工業製薬(株)製) 1.5g/ アサヒ AFP 170(脱気・浸透剤 旭化学工業(株)
製) 0.3g/ 処方(E) 染料として下記の染料1種類を使用した以外は処方
(D)と同様の処方。
エリオニイル ブリリアント ブルー RL200% 1.6%owf 染色結果 処方(D)で得られた色相は、黄緑色で染色性は良好
であった(残浴は無し)。尚、耐光堅牢度は紫外線吸収
剤により著しく向上した。また、湿潤堅牢度は、タンニ
ン酸固着処理により改善され良好となった。
処方(E)で得られた色相は、濃い鮮明なブルー色で
染色性は良好であった(残浴は有り)。尚、耐光堅牢度
は紫外線吸収剤により著しく向上した。また、湿潤堅牢
度は、タンニン酸固着処理により改善され良好となっ
た。
3)1:2型金属錯塩染料での吸尽染色 下記の2種の基本的な処方(F)〜(G)を利用し
て、それぞれ前記1)の分散染料での吸尽染色と同様
(a)〜(c)3条件の染色試験を実施した(浴比及び
温度条件も同様)。
処方(F) 染料として下記の3種の染料配合物を使用する以外
は、処方(D)と同様の処方。
ライニル イエロー e/c (住友化学工業(株)
製)(C.I.Acid Yellow 116) 0.13%owf ラニイル オレンジ R 200%(住友化学工業
(株)製)(C.I.Acid Orange 88) 0.014%owf ラニイル ブリリアント ブルー G e/c(住友化
学工業(株)製)(C.I.Acid Blue 127) 0.35%owf 処方(G) 染料として下記の染料1種を使用する以外は、処方
(D)と同様の処方。
イルガラン レッド ブラウン BL 190%〔チバガ
イギー社〕(C.I.Acid Brown 226) 1.5%owf 染色結果 処方(F)で得られた色相は、中色程度の緑味のブル
ー色で染色性は良好であった(残浴はやや有り)。尚、
耐光堅牢度は紫外線吸収剤により著しく向上した。ま
た、湿潤堅牢度は、タンニン酸固着処理により改善され
良好となった。
また、処方(G)で得られた色相は、濃い赤茶色で染
色性は良好であった(残浴は有り)。尚、耐光堅牢度は
紫外線吸収剤により著しく向上した。また、湿潤堅牢度
は、タンニン酸固着処理により改善され良好となった。
4)酸性反応染料(ラナセット染料)での吸尽染色 下記の3種の基本的な処方(H)〜(J)を利用し
て、それぞれ前記1)の分散染料での吸尽染色と同様
(a)〜(c)3条件の染色試験を実施した(浴比及び
温度条件も同様)。
処方(H) 染料として下記の3種の染料配合物を使用する以外
は、処方(D)と同様の処方。
a)ラナセット イエロー 2R(チバガイギー社製) 0.08%owf b)ラナセット ブラウン B(チバガイギー社製) 0.045%owf c)ラナセット レッド G(チバガイギー社製) 0.037%owf 処方(I) 染料として下記の染料1種を使用する以外は、処方
(D)と同様の処方。
ラナセット ブルー 2R〔チバガイギー社〕 処方(J) 染料として下記の3種の染料配合物を使用する以外
は、処方(D)と同様の処方。
a)ラナセット レッド 2B(チバガイギー社製) 0.3%owf b)ラナセット ブルー 2R(チバガイギー社製) 0.34%owf c)ラナセット バンオレット B(チバガイギー社
製) 0.5%owf 染色結果 処方(H)で得られた色相は、肌色で染色性は良好で
あった(残浴は殆ど無し)。尚、耐光堅牢度は紫外線吸
収剤により著しく向上した。尚、湿潤堅牢度は、b)、
c)共に良好であった。
処方(I)で得られた色相は、淡いブルー色で染色性
は良好であった(残浴は無し)。尚、耐光堅牢度は紫外
線吸収剤により著しく向上したが、タンニン酸固着処理
により、若干劣性になった。また、湿潤堅牢度は、
b)、c)処理共に良好であった。
処方(J)で得られた色相は、濃染色で染色性は良好
であった(残浴は有り)。尚、耐光堅牢度は紫外線吸収
剤により著しく向上した。また、湿潤堅牢度は、タンニ
ン酸固着処理により改善され良好となった。
実施例7 実施例6で処方(H)を使用して紫外線吸収剤を添加
した(b)の方法で染色した製品に、 アサヒガード AG 730〔弗素系樹脂撥水剤 旭硝子
社製〕 5.0% イソプロピルアルコール 0.5% をパディングし、110℃でテンター乾燥するという方法
で撥水剤処理した。
このようにして得た製品は、表5のNo.23の結果と同
様に耐光堅牢度、湿潤堅牢度共に良好な染色品であり、
また、撥水性も下記の如く、優れたものであった。
実施例8 不織布Aを、実施例6の処方(C)(D)(F)
(H)を、紫外線吸収剤を添加した(b)の方法で使用
し、温度80℃、90℃、100℃、110℃と変化させ、それぞ
れ40分間の吸尽染色をした。その結果を表6に示す 発明の効果 本発明によれば、例えば、ポリアミド布帛を酸性染料
で中濃色に吸尽染色する如く、あるいはポリエステル布
帛を分散染料にて、中濃色に高温吸尽染色するのと同時
に、ポリウレタン繊維製品を分散染料、酸性染料、1:2
型金属錯塩染料、酸性反応染料によって、容易に中濃色
に吸尽染色できる。
特に、本発明で得られるポリウレタン不織布染色品
は、堅牢な染色性を保持し、しかも、柔軟な風合いで、
高伸長性、高回復性、良好な通気透水性、塵捕集性の効
果を有しているため、スポーツ衣料、面状インナー材
料、ファウンデーション、収縮性背番号、ひざ当て、ひ
じ当てなどや、無塵手袋、マスクなどのクリーンエンジ
ニアリング用、サージカルドレッシング、伸縮性救急絆
創膏などや、各種メディカルテープ基材として、また、
歯科用マスクなどの産業資材用に美麗で優雅な雰囲気を
作り出すことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 ▲しょう▼ 大阪府寝屋川市豊里町35番20号 大阪合 繊加工株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−113864(JP,A) 特開 昭62−45792(JP,A) 特開 昭47−745(JP,A) 特開 昭60−252785(JP,A) 特開 昭62−223383(JP,A) 特開 平1−124694(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06P 3/24 - 3/28

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融紡糸されたポリウレタン弾性フィラメ
    ントからなるポリウレタン系繊維製品を、分散染料群、
    酸性染料群、1:2型金属錯塩染料群及び酸性反応染料群
    から選ばれる少なくとも一種の染料を含む染浴で、吸尽
    染色するものであって、染浴のpHが3〜6に調整されて
    おり、染色温度が90〜100℃であり、かつ染浴に浴中精
    錬剤、脱気剤及び浸透剤が含まれることを特徴とするポ
    リウレタン系繊維製品の染色法。
  2. 【請求項2】上記ポリウレタ弾性フィラメントがポリエ
    ステル系ポリウレタンからなることを特徴とする請求項
    1記載の染色法。
  3. 【請求項3】上記ポリウレタ弾性フィラメントが実質的
    に化学的架橋を有していない線状構造のポリウレタンか
    らなることを特徴とする請求項1又は2記載の染色法。
  4. 【請求項4】上記染浴に、紫外線吸収剤であるベンゾト
    リアゾール系誘導体、またはヒドロキシベンゾフェノン
    系誘導体の分散水溶液が添加されていることを特徴とす
    る請求項1〜3いずれか1項記載の染色法。
JP2163748A 1990-06-20 1990-06-20 ポリウレタン系繊維製品の染色法 Expired - Fee Related JP2896528B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2163748A JP2896528B2 (ja) 1990-06-20 1990-06-20 ポリウレタン系繊維製品の染色法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2163748A JP2896528B2 (ja) 1990-06-20 1990-06-20 ポリウレタン系繊維製品の染色法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0457978A JPH0457978A (ja) 1992-02-25
JP2896528B2 true JP2896528B2 (ja) 1999-05-31

Family

ID=15779945

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2163748A Expired - Fee Related JP2896528B2 (ja) 1990-06-20 1990-06-20 ポリウレタン系繊維製品の染色法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2896528B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4820479B2 (ja) * 2000-05-15 2011-11-24 株式会社宝來社 熱圧着タイプのマーク用生地
JP2008274512A (ja) 2007-04-03 2008-11-13 Nisshinbo Ind Inc 抗菌性ナノファイバー
CN110392753B (zh) * 2017-05-31 2022-04-12 株式会社可乐丽 皮革状片及纤维结构体

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0457978A (ja) 1992-02-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE60024801T2 (de) Polyurethanharnstofffasern und verfahren zu ihrer herstellung
DE112017008368B4 (de) Verfahren zum Herstellen von elastischer Polyurethanfaser
TWI471464B (zh) 聚胺基甲酸酯彈性絲及其製法與含該彈性絲之布匹
KR101582042B1 (ko) 폴리에스테르/스판덱스 혼합섬유용 흑색 분산염료 조성물
JP2896528B2 (ja) ポリウレタン系繊維製品の染色法
KR950010589B1 (ko) 미세다공성 피복층
CN106687631A (zh) 除臭织物
EP1523590A1 (en) Fibers, tapes and films prepared from olefinic and segmented elastomers
JP2973846B2 (ja) 耐候性の改善されたポリエステル系繊維およびその製造方法ならびにその繊維を用いてなる繊維製品
KR20030004364A (ko) 폴리페닐렌술피드 부재 및 그 제조방법
JP2000144583A (ja) シート状物
EP0557734B1 (en) Method of dyeing a wholly aromatic polyamide fiber material
JP4363718B2 (ja) ポリウレタンポリウレア含有交編織物
JPH05295673A (ja) 常圧可染型ポリエステル繊維とポリウレタン繊維との混用布帛染色製品
JP4941410B2 (ja) ポリウレタン系弾性糸およびそれを用いてなる伸縮性布帛
JP2009084728A (ja) ストッキング
JP2001200471A (ja) 耐光堅牢性の改良された全芳香族ポリアミド繊維構造物
JP2005281907A (ja) 原着繊維と吸放湿性ポリエーテルエステル原着弾性繊維とを含む繊維製品
JP4338862B2 (ja) 染色性に優れた伸縮布帛
JP2005120538A (ja) ポリウレタン加工布帛
US20090104426A1 (en) Fibers, Tapes and Films Prepared from Olefinic and Segmented Elastomers
JPH0299612A (ja) 吸湿性繊維
JP2005179827A (ja) 染料の混成染色方法
JPH11229272A (ja) 交編編地及びその製造方法
JP2002327379A (ja) ポリアミド系吸放湿性複合繊維含有織編物及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees