JP4819846B2 - 複合セラミック体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガスセンサ等に用いられる、アルミナ粒子のマトリクスにジルコニア粒子を分散させてなる複合セラミック体を製造する方法に関する。
車両のエンジン等の排気系には、排ガス中の酸素濃度等を測定するガスセンサが配設されている。該ガスセンサは、セラミックからなるガスセンサ素子を内蔵している。
かかるガスセンサ素子は、その外表面に排ガスが接触するように構成されているが、エンジン始動時等には、排ガスと共に水滴がガスセンサ素子に向かって飛来することがある。
一方、ガスセンサ素子は、例えば600℃以上という高温に加熱して、活性状態にして用いる。
それゆえ、上記の水滴がガスセンサ素子の表面に付着すると、付着部分が局所的に急激に冷却されるため、熱衝撃を受け、場合によってはガスセンサ素子に割れが生じるおそれがある。
そこで、かかる熱衝撃を避けるため、水滴が飛来する可能性の高いエンジン始動時においては、ガスセンサ素子の温度上昇を抑制する制御が提案されている(特許文献1)。
また、強度や破壊靱性を向上させることができるセラミック材料として、マトリクスにナノ粒子を分散させたナノコンポジット材料が開発されている(特許文献2)。
特開平8−15213号公報 特許第2703207号公報
しかしながら、上記特許文献1に示される技術のように、エンジン始動時におけるガスセンサ素子の温度上昇を抑制するということは、エンジン始動時のガスセンサ素子の活性を遅らせるということであり、エンジン始動時における検出が行えないということとなる。エンジン始動時には排ガス中に有害ガスが発生しやすいため、ガスセンサは、特にエンジン始動時における排ガス中の酸素濃度の検出を行い、空燃比を制御することが重要な役割の一つとなる。それゆえ、エンジン始動時におけるガスセンサ素子の温度上昇を抑制することは、その機能上不利である。
それゆえ、エンジン始動時からなるべく早くガスセンサ素子の温度を活性温度まで上げることが望まれるが、この場合には、上記のごとく、水滴によるガスセンサ素子の割れ(被水割れ)のおそれを考慮する必要が生じる。この被水割れを防ぐためには、ガスセンサ素子の表面を構成するセラミック材料に、熱衝撃に耐えうる強度を持たせることが必要である。
上記のごとく、強度の高いセラミック材料としては、特許文献2に開示されたナノコンポジット材料が提案されている。しかし、その強度を充分に持たせるためには、マトリックス中においてナノ粒子を充分に分散させる必要がある。そのための製造方法として、発明者らは、ナノ粒子の焼結時における焼成雰囲気の酸素濃度を制御することが有効であることを見出した。かかる製造方法については、引用文献2には何ら開示されていない。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、強度の高い複合セラミック体の製造方法を提供しようとするものである。
本発明は、アルミナ粉末と、粒径1μm未満のナノジルコニア粉末とを混合し、成形した未焼成形体を焼成することにより、アルミナ粒子のマトリクスにジルコニア粒子を分散させてなる複合セラミック体を製造するにあたり、
未焼成形体を焼成する際に、少なくともナノジルコニアが焼結を開始する温度以上においては、焼成雰囲気は窒素と酸素とからなり、かつ焼成雰囲気中の酸素濃度は0.01〜%とすることを特徴とする複合セラミック体の製造方法にある(請求項1)。
上記複合セラミック体の製造方法は、アルミナ粒子に分散させるジルコニアとして粒径1μm未満のナノジルコニア粉末を積極的に採用し、さらに、未焼成形体の焼成条件を制限することにより、以下に述べるごとく、アルミナ粒子内又は粒界に微細なジルコニア粒子を充分に分散させて複合化させた複合セラミック体を製造することができる。そのため、強度の高い複合セラミック体を得ることができる。
焼結及び粒成長は原子の移動により起こる。アルミナやナノジルコニアのような酸化物の場合には、その焼結速度は移動が最も遅い酸素原子によって律束される。
そのため、酸素が十分存在する雰囲気では、雰囲気から酸素を取り入れることでナノジルコニア及びアルミナの焼結が進行し、粒成長が起こる。
これに対し、酸素が不十分な雰囲気では、ナノジルコニア及びアルミナの焼結、粒成長に必要な酸素の移動は、ほとんど結晶内の酸素の移動だけとなるため、焼結速度は遅くなる。それにより、アルミナ及びナノジルコニアの焼結、及びアルミナ粒子、及びナノジルコニア粒子の粒成長が抑制される。
そこで、本発明の製造方法においては、未焼成形体を焼成する際に、少なくともナノジルコニアが焼結を開始する温度以上においては、窒素と酸素とからなり、かつ酸素濃度が0.01〜%の焼成雰囲気で焼成を行う。そのため、アルミナの焼結、及びアルミナ粒子のマトリクスに分散したナノジルコニア粒子の焼結速度を遅くでき、アルミナ粒子及びナノジルコニア粒子の粒成長を抑制することができる。
さらに、上記製造方法においては、アルミナ粉末と、粒径1μm未満のナノジルコニア粉末とを混合し、成形した未焼成形体を上述の条件で焼成する。ナノジルコニア粉末は、粒径1μm未満と微細であり、アルミナ粉末中に良好に分散させることができる。また上記のごとく、ナノジルコニア粒子の粒成長を抑制するため、充分な分散状態を保つこともできる。それ故、焼結時には、アルミナの周りに分散しているナノジルコニアが立体障害となりアルミナの焼結を阻害する。
そのため、上述の低酸素濃度雰囲気(焼成雰囲気は窒素と酸素とからなり、酸素濃度が0.01〜1%)における焼成によるアルミナ及びナノジルコニアの粒成長の抑制効果のみならず、さらにナノジルコニアの立体障害によるアルミナの粒成長の抑制効果も得られる。
つまり、本発明の製造方法は、もともと微細であるナノジルコニア粉末を用い、かつ、その粒成長、及びアルミナの粒成長を抑制することにより、ジルコニア粒子が充分に分散し、アルミナ粒子の粒径が微細である複合セラミック体を作製することができる。そのため、得られる複合セラミック体の強度や破壊靭性を向上させることができる。
このように、本発明によれば、強度の高い複合セラミック体を製造することができる。
本発明の複合セラミック体の製造方法は、上述したように、アルミナ粉末と、粒径1μm未満のナノジルコニア粉末とを混合し、成形した未焼成形体を焼成することにより、アルミナ粒子のマトリクスにジルコニア粒子を分散させてなる複合セラミック体を製造する方法である。
粒径が1μm以上のジルコニア粉末を用いる場合には、アルミナ粒子の周りに微細なジルコニア粒子を良好に分散させることが困難であり、また、アルミナの粒成長を抑制することが困難であり、得られる複合セラミック体の酸化物の粒径を微細にすることが困難である。そのため、強度の高い複合セラミック体を得ることが困難である。
また、上記アルミナ粉末と上記ナノジルコニア粉末は、99:1〜70:30の重量割合とすることが好ましい。
また、上記製造方法は、未焼成形体を焼成する際に、少なくともナノジルコニアが焼結を開始する温度以上においては、窒素と酸素とからなる焼成雰囲気の酸素濃度を0.01〜%とする。
上記焼成雰囲気の酸素濃度が1%を超える場合には、焼結速度が速くなり、アルミナやナノジルコニアの粒成長を抑制し難く、十分な強度を得ることが困難になるという問題がある。
また、上記焼成は、1500℃〜1600℃の温度範囲で行うことが好ましい。
上記複合セラミック体の製造方法において、少なくともナノジルコニアが焼結を開始する温度以上における上記焼成雰囲気の酸素濃度を0.01%以上とする。
また、上記製造方法において、上記複合セラミック体は、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するためのガスセンサ素子の一部を構成することが好ましい(請求項)。
上記製造方法により得られる複合セラミック体は高強度である。そのため、ガスセンサ素子の表面を構成するセラミック材料として適用した場合に、熱衝撃に耐えることができ、上述の被水割れを防ぐことができる。
(実施例1)
本例は、本発明の実施例にかかる複合セラミック体の製造方法について説明する。
本例では、実施例として、表1に示す4種類の複合セラミック体(試料E1〜試料E4)を作製した。
以下、これを詳説する。
まず、平均粒径0.3μmのアルミナ粉末と、平均粒径20nmのナノジルコニア粉末を用意した。
そして、上記アルミナ粉末と上記ナノジルコニア粉末とを、重量割合9:1で配合し、エタノールを主成分とする有機溶剤に、バインダ、可塑剤、分散剤、消泡剤と一緒にボールミルを用いて混合した。
その後、異物除去のためのろ過を行い、脱泡、粘度調整を行って、スラリーを作製した。
次に、上記スラリーを用いて、ドクターブレードでシート成形を行った。得られたシートを乾燥、積層して圧着した後、所定の寸法にカットした。その後、500℃、25時間の脱脂処理を施し、焼成用サンプル(未焼成形体)を作製した。
次に、上記焼成用サンプルを、酸素濃度1%雰囲気において焼成した。具体的には、ガス導入可能な雰囲気焼成用電気炉(容積300mm×300mm×400mm)で、窒素を20L/分にて流しながら焼成した。このとき雰囲気焼成用電気炉の酸素濃度を測定し、1%であることを確認した。後述する表1に示す設定温度(1600℃)まで150℃/時間で昇温し、設定温度で1時間保持した後、室温で炉冷で冷却する焼成パターンで焼成した。これにより、複合セラミック体(試料E1〜試料E4)を得た。
なお、アルミナ、ジルコニアが焼結を開始する温度については、以下のような方法で確認した。すなわち、上記と同様の焼成用サンプルを複数作製し、焼成するにあたり、それぞれの焼成温度を1000℃、1050℃、1100℃、1150℃、1200℃、1250℃と変化させる。そして、これらのサンプルにおけるアルミナ及びジルコニアの粒径の比較を行い、粒子が大きくなり始めるサンプルの焼成温度を、アルミナ、ナノジルコニアが焼結を開始する温度として判断した。その結果、ナノジルコニアは、1200℃から焼結を開始し、アルミナは1400℃から焼結を開始することが分かった。
(実施例2)
本例は、上記実施例1における焼成の条件を、酸素濃度0.01%雰囲気での焼成に変更し、後述する表2に示す12種類の複合セラミック体(試料E5〜試料E16)を作製した例である。その他は、上述の実施例1と同様にして行った。上記焼成は、具体的には、真空引き可能な真空焼成炉を用い、初めに真空度が0.1Pa以下になるまで真空引きした後、窒素を大気圧まで導入した。このとき、真空焼成炉の酸素濃度を測定し、0.01%であることを確認した。約1時間で表2に示す設定温度まで昇温し、設定温度で1時間保持した後、室温で炉冷で冷却する焼成パターンで焼成した。これにより複合セラミック体(試料E5〜試料E16)を得た。本例においては、上記設定温度(焼成温度)を、1500℃、1550℃、1600℃の3種類とした。
(比較例1)
本例は、本発明の比較例として、上記実施例1の焼成条件を、大気(酸素濃度21%)雰囲気での焼成に変更し、後述する表3に示す12種類の複合セラミック体(試料C1〜試料C12)を作製した例である。その他は上述の実施例1と同様にして行った。上記焼成は、具体的には、電気炉(ガス導入なし)で、設定温度まで150℃/時間で昇温し、設定温度で1時間保持した後、室温まで炉冷で冷却する焼成パターンで焼成した。これにより、複合セラミック体(試料C1〜試料C12)を得た。本例においても、上記設定温度(焼成温度)を、1500℃、1550℃、1600℃の3種類とした。
(比較例2)
本例は、本発明の比較例として、上記実施例1の焼成条件を、酸素濃度2%雰囲気での焼成に変更し、後述する表4に示す4種類の複合セラミック体を作製した例である。その他は上述の実施例1と同様にして行った。これにより、複合セラミック体(試料C13〜試料C16)を得た。
(実験例1)
上記実施例1、実施例2、比較例1、及び比較例2において作製した複合セラミック体(試料E1〜試料E16、及び試料C1〜試料C16)について、曲げ強度の評価を行った。また、試料E4、試料E8、試料E12、試料E16、試料C4、試料C8、試料C12、試料C16について、分散状態の評価を行った。
<曲げ強度>
JIS R 1601の曲げ強さ試験方法の3点曲げ試験方法に従って、焼成したサンプルを加工し、曲げ強度を評価した。結果を表1〜表4に示す。なお、表1〜表4には、試料E1〜試料E16、試料C1〜試料C16について、それぞれの焼成時における雰囲気酸素濃度(%)及び焼成の設定温度(℃)を併せて示す。
また、図1には、焼成温度が1600℃である試料E1〜試料E4(実施例1)、試料E13〜試料E16(実施例2)、試料C9〜試料C12(比較例1)、及び試料C13〜試料C16(比較例2)についての、曲げ強度と酸素濃度の関係を示す。図1は、縦軸に曲げ強度(MPa)、横軸に酸素濃度(%)をとった。図1におけるE1〜E4、E13〜E16、C9〜C12、C13〜C16は、それぞれ、試料E1〜試料E4、試料E13〜試料E16、試料C9〜試料C12、試料C13〜試料C16の結果を示す。
図2には、試料E5〜試料E16(実施例2)、及び試料C1〜試料C12(比較例1)について、曲げ強度と焼成温度との関係を示す。図2は、縦軸に曲げ強度(MPa)、横軸に焼成温度(℃)をとった。図2中のE5〜E16、C1〜C12は、それぞれ、試料E5〜試料E16、試料C1〜試料C12の結果を示す。
そして、曲げ強度の評価は、同一の酸素濃度かつ同一の焼成温度で焼成した試料の曲げ強度の平均値、及び下限値を求め、それらを比較することによって行った。平均値についても、表1〜4に併せて示す。
表1〜表4、及び図1よりわかるように、焼成雰囲気の酸素濃度以外の条件が同じ場合には、比較例1、2の試料に比べて、実施例1、2の試料は、4サンプルの曲げ強度の平均値、及び下限値のいずれも大きいことが分かる。特に、実施例2の試料の曲げ強度の平均値、及び下限値が大きい。
この様に、焼成時の酸素濃度を低くすることで曲げ強度が向上することがわかり、その効果を発揮する酸素濃度は1%以下であることも分かる。
また、表2、3及び図2から分かるように、実施例2の試料と比較例1の試料とを、焼成温度1500℃、1550℃、1600℃の3種類について比較すると、焼成温度に関わらず、実施例2の試料の方が比較例1の試料よりも曲げ強度の平均及び下限値が大きいことが分かる。
<分散状態>
試料E4、試料E8、試料E12、試料E16、試料C4、試料C8、試料C12、試料C16について、ナノジルコニアの分散状態とアルミナ粒径をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察した。試料を切断し、その断面を研磨し、粒界が明確になるように熱エッチングを施した。
図3には、試料E4(酸素濃度0.01%雰囲気、焼成温度1500℃)、試料E8(酸素濃度0.01%雰囲気、焼成温度1550℃)、試料E12(酸素濃度0.01%雰囲気、焼成温度1600℃)、試料C8(酸素濃度21%雰囲気、焼成温度1500℃)、試料C12(酸素濃度21%雰囲気、焼成温度1550℃)、試料C16(酸素濃度21%雰囲気、焼成温度1600℃)のジルコニア粒子3の分散状態と、アルミナ粒子2の粒径の観察結果を図3に示す。
また、アルミナ粒子の粒径の結果を表5に示す。
表5、及び図3より、焼成温度が1500℃、1550℃、1600℃のいずれの場合も、酸素濃度21%の場合に対して酸素濃度0.01%の場合はアルミナ粒子2の粒径が小さいこと、ジルコニア粒子3も微細かつ均一に分散されていることが分かる。このように、焼成時の酸素濃度を低くすることでアルミナ粒子3の粒径が小さくなり、また、ジルコニア粒子3も良好に分散することが分かる。
また、焼成温度が1600℃の場合において、酸素濃度21%の場合と酸素濃度2%の場合ではアルミナ粒子の粒径に差は見られないが、酸素濃度1%ではアルミナ粒子2の粒径は小さくなり、さらに酸素濃度0.01%とすると、アルミナ粒子2の粒径はより小さくなる。
以上のように、本発明によれば、強度の高い複合セラミック体を提供することができることがわかる。
(実施例3)
本例では、図4、5に示すガスセンサ素子5について説明する。本発明の複合セラミック体をガスセンサ素子5の一部に用いて作製した。
本例のガスセンサ素子5は、自動車エンジンの排気系に設置したガスセンサに内蔵して使用する。このガスセンサが排気ガス中の酸素濃度を測定し、測定値からエンジンの空燃比を検出し、エンジンの焼成制御に利用する。
図4、5に示すように、本例のガスセンサ素子5は、基準ガス室形成板55、固体電解質板51、拡散層541、遮蔽層542を積層して構成する。
基準ガス室形成板55は、断面がコ字状で基準ガスを導入する基準ガス室となる溝部550を備える。
固体電解質板51は、被測定ガス側電極521と基準電極531とを有する。
また、上記被測定ガス測定電極521を覆うように拡散層541が、該拡散層541を覆うように遮蔽層542が積層される。
また、本例のガスセンサ素子5は、基準ガス室形成板55の固体電解質板51と対面する側の反対面に、セラミックヒータ59を一体的に備える。
セラミックヒータ59は、ヒータシート591と該ヒータシート591に設けた発熱体581、発熱体581を覆うように積層されるヒータ絶縁板597よりなる。
上記ヒータ絶縁板597と上記基準ガス室形成板55との間、基準ガス室形成板55と固体電解質板51との間、拡散層541と遮蔽層542との間は接着層561、562、565が介在する。また、固体電解質51と拡散層541との間は絶縁層563と接着層564とが介在する。
上記固体電解質板51はイットリアをジルコニアに対して6mol%添加した部分安定化ジルコニアよりなる。
そして、上記基準ガス室形成板55、上記拡散層541、上位ヒータシート591、ヒータ絶縁板595、597、そして絶縁層563、接着層561、562、564、565、及び遮蔽層542が、本発明の複合セラミック体よりなる。
したがって、これらの層は、アルミナ粒子2のマトリクスにジルコニア粒子3が分散配置している(図3参照)。
上記固体電解質板51には基準ガス室となる溝部550と対面する基準電極531を有し、その反対側面に被測定ガス側電極521を有する。
上記絶縁層563、接着層564は、被測定ガス側電極521と対面する位置に窓528、529を有する。
また、図5に示すごとく絶縁層563と接着層564に設けた窓528、529は積層により被測定ガス側電極521を格納する小室527となる。
また、この小室は、拡散層541を通じて被測定ガスが導入される。
次に、本例にかかるガスセンサ素子5の製造方法を簡単に説明する。
固体電解質板51用のグリーンシートをドクターブレード法、または押し出し成形法から作製する。次いで、このグリーンシートに被測定ガス側電極521用、基準電極用531等の印刷部を設ける。
基準ガス室形成板55用の未焼成形体は射出成形、切削成形、プレス成形、張り合わせ成形等により作製する。
また、ヒータシート591、遮蔽層542、拡散層541等用のグリーンシートはドクターブレード法、押し出し成形法により作製する。
また、ヒータシート591用のグリーンシートには発熱体581等用の印刷部を設ける。
各種接着層561、562、564、565、絶縁層563は、接着層用、絶縁層用のペーストを作製し、これをグリーンシートに対し印刷する。窓529、539、528を持つものについては、ペーストを用いたスクリーン印刷で、ヒータ絶縁板595、597も同様にペーストを用いたスクリーン印刷で形成する。
以上のように、作製された各種グリーンシートを図4に示すような順序で積層し、プレスすると、接着層561、562、564、565の接着性(粘着性)によって相互に接着し、500℃、25時間の脱脂処理を施した未焼積層体を1500℃まで加熱して焼成する。
その後、1500℃から室温まで冷却し、本例のガスセンサ素子5を得る。
そして、本発明の製造方法により得られた複合セラミック体は、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するためのガスセンサ素子の一部を構成する場合に、熱衝撃に耐えることができ、上述の被水割れを防ぐことができる。
実験例1における、曲げ強度と焼成温度との関係を示す説明図。 実験例1における、曲げ強度と酸素濃度との関係を示す説明図。 実験例1における、アルミナ粒径の観察結果を示す図面代用写真。 実施例3における、ガスセンサ素子を示す説明図。 実施例3における、ガスセンサ素子を示す断面図。
符号の説明
2 アルミナ粒子
3 ジルコニア粒子

Claims (2)

  1. アルミナ粉末と、粒径1μm未満のナノジルコニア粉末とを混合し、成形した未焼成形体を焼成することにより、アルミナ粒子のマトリクスにジルコニア粒子を分散させてなる複合セラミック体を製造するにあたり、
    未焼成形体を焼成する際に、少なくともナノジルコニアが焼結を開始する温度以上においては、焼成雰囲気は窒素と酸素とからなり、かつ焼成雰囲気中の酸素濃度は0.01〜%とすることを特徴とする複合セラミック体の製造方法。
  2. 請求項1において、上記複合セラミック体は、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するためのガスセンサ素子の一部を構成することを特徴とする複合セラミック体の製造方法。
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