JP4817464B2 - 熱音響発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば固体の温度変調によって音波を発生させる熱音響発生装置の技術分野に関する。
このような熱音響発生装置として、例えば特許文献1及び特許文献2には、抵抗発熱体に電圧の印加を繰り返し行うことで、ジュール熱を利用することにより発熱層を温度変調する構成が開示されている。
特開平3−140100号公報 特開平11−300274号公報 特開2005−150797号公報
このような温度変調にジュール熱を用いる構成では、温度変調の結果出力される音波信号は、温度変調を制御するために入力される入力信号の二乗のオーダーになってしまう。このため、入力信号とは異なる音波信号が出力されてしまうという技術的な問題点が生ずる。そこで、特許文献3に記載されているように、交流信号に直流信号を重畳することで入力信号を生成し、入力信号の周波数と同じ周波数の音波信号成分を出力する技術が提案されている。
しかしながら、かかる技術では、入力信号と異なる周波数成分(つまり、歪み成分)を完全に除去することができない。交流信号に重畳される直流信号を大きくすれば、歪み成分を小さくすることはできるものの、音波の発生効率が大幅に低下してしまう。
他方で、特許文献2には、温度変調にジュール熱を用いる構成に加えて、ペルチェ素子を発熱体薄膜として用いる構成も開示されている。しかしながら、特許文献2に記載の構成では、ペルチェ素子からなる発熱体薄膜の下は熱絶縁層が接する構成となっており、この部分に電流を流して駆動するような構成となっていない。この構成では電流が、発熱体薄膜の膜厚方向に直交する方向に(言い換えれば、膜厚方向に対して水平に又は平面的に)流れることから、電流に対する発熱体薄膜の抵抗が大きくなり、結果として、ジュール熱の発生が増加してしまうという技術的な問題点を有している。このため、ペルチェ素子を発熱体として使用しながらも、ジュール熱が大きいことから、上述した各種問題が生じてしまう。更に、発熱体薄膜と信号端子との接点部分が小さいことから、熱電効果による大きな温度変化を得ることができない。
本発明は、例えば上述した従来の問題点に鑑みなされたものであり、例えばジュール熱の発生を抑制しつつ、効率的に、温度変調によって音波を発生することができる熱音響発生装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、請求の範囲第1項に記載の熱音響発生装置は、固体の温度変調により音波を発生させる熱音響発生装置であって、熱電素子層と、前記熱電素子層の一方の面上に積層される第1電極層と、前記熱電素子層の前記一方の面とは逆側に位置する他方の面上に積層される第2電極層とを備え、前記第1電極層の熱容量は、前記第2電極層の熱容量よりも小さい
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされよう。
本実施例に係る熱音響発生装置の第1の基本構成を概念的に示す断面図である。 本実施例に係る熱音響発生装置の第2の基本構成を概念的に示す断面図である。 本実施例に係る他の熱音響発生装置の第3の基本構成を概念的に示す断面図である。 本実施例に係る他の熱音響発生装置の第4の基本構成を概念的に示す断面図である。 上部電極と雰囲気気体とが接する面積を大きくした熱音響発生装置の構成を概念的に示す断面図である。 第1変形例に係る熱音響発生装置の第1の基本構成を概念的に示す斜視図である。 第1変形例に係る熱音響発生装置の第2の構成を概念的に示す斜視図である。 第2変形例に係る熱音響発生装置の第1の基本構成を概念的に示す斜視図である。 第2変形例に係る熱音響発生装置の第2の構成を概念的に示す斜視図である。 第3変形例に係る熱音響発生装置の第1の基本構成を概念的に示す斜視図である。 第3変形例に係る熱音響発生装置の第2の基本構成を概念的に示す斜視図である。 第3変形例に係る熱音響発生装置の第3の構成を概念的に示す斜視図である。 第3変形例に係る熱音響発生装置の第4の構成を概念的に示す斜視図である。
符号の説明
1、100、101、102、103、104、105 熱音響発生装置
10 熱音響発生ユニット
11 上部電極
12 熱電素子
13 下部電極
14 充填材
15 支持基体
以下、発明を実施するための最良の形態として、本発明の熱音響発生装置に係る実施形態の説明を進める。
本発明の熱音響発生装置に係る実施形態は、固体の温度変調により音波を発生させる熱音響発生装置であって、熱電素子層と、前記熱電素子層の一方の面上に積層される第1電極層と、前記熱電素子層の前記一方の面とは逆側に位置する他方の面上に積層される第2電極層とを備える。
本発明の熱音響発生装置に係る実施形態によれば、第1電極層と第2電極層とが熱電素子層を挟み込むように、第1電極層、熱電素子層及び第2電極層が、この順に積層された構造を有している。
第1電極層と第2電極層との間に電圧を印加することで、熱電素子層には電流が流れる。その結果、第1電極層と熱電素子層との境界において、熱電効果による発熱又は吸熱が生ずる。同様に、第2電極層と熱電素子層との境界において、熱電効果による発熱又は吸熱が生ずる。この場合、熱電素子の性質上、第1電極層と熱電素子層との境界において発熱が生じた場合は、第2電極層と熱電素子層との境界において吸熱が生ずる。他方、第1電極層と熱電素子層との境界において吸熱が生じた場合は、第2電極層と熱電素子層との境界において発熱が生ずる。これにより、第1電極層や第2電極層が加熱又は冷却され、その結果、第1電極層や第2電極層と接する雰囲気気体が加熱又は冷却される。このとき、第1電極層と第2電極層との間に印加する電圧を制御する(例えば、電圧の大きさや符号等を制御する)、つまり熱電素子層に流れる電流を制御する(例えば、電流の大きさや流れる向き等を制御する)ことで、雰囲気気体の加熱及び冷却を制御することができる。この結果、音波を発生させることができる。
特に本実施形態においては、第1電極層と熱電素子層と第2電極層とが積層構造を有し、熱電素子層の膜厚方向に電流を流すことで熱音響発生装置を駆動する。このため、電気抵抗が小さくなり、ジュール熱の発生を抑えることができる。更には、第1電極層及び第2電極層の夫々が熱電素子層と平面的に接することから、より広い面積において発熱及び吸熱を生じさせることができる。その結果、発熱及び吸熱を効率的に生じさせることができる。つまり、効率的に、温度変調によって音波を発生させることができる。
更には、本実施形態によれば、後述するように、第1電極層や第2電極層の厚み等を調整することで、より効率的に発熱及び吸熱を生じさせることができる。
尚、本実施形態においては、第1電極層における発熱及び吸熱と、第2電極層における発熱及び吸熱のいずれを利用して音波を発生させてもよい。但し、第1電極層又は第2電極層のいずれか一方における発熱及び吸熱を利用して音波を発生させることが好ましい。第1電極層のみにおける発熱及び吸熱を利用して音波を発生させる場合には、第2電極層における発熱及び吸熱が第1電極層における発熱及び吸熱による温度変調に影響を与えないように構成することが好ましい。同様に、第2電極層のみにおける発熱及び吸熱を利用して音波を発生させる場合には、第1電極層における発熱及び吸熱が第2電極層における発熱及び吸熱による温度変調に影響を与えないように構成することが好ましい。
以下の実施形態では、第1電極層における発熱及び吸熱を利用して音波を効率的に発生させる構成について説明する。但し、第2電極層における発熱及び吸熱を利用して音波を効率的に発生させる場合にも、後述する第1電極層における発熱及び吸熱を利用して音波を効率的に発生させる際の態様を適宜適用してもよいことは言うまでもない。
本発明の熱音響発生装置に係る実施形態の一の態様は、前記第1電極層の熱容量は、前記第2電極層の熱容量よりも小さい。
この態様によれば、第1電極層の熱容量が小さくなるために、第1電極層における発熱及び吸熱による温度変化を大きくすることができる。一方で第2電極層の熱容量が大きくなるために、第2電極層における発熱及び吸熱による温度変化が抑制され、第1電極層の温度変化に与える影響を小さくすることができる。
尚、より好ましくは、前記第1電極層の熱容量は、前記第2電極層の熱容量の1/10以下であることが好ましい。
上述の如く第1電極層の熱容量が第2電極層の熱容量よりも小さい熱音響発生装置の態様では、前記第1電極層の膜厚は、前記第2電極層の膜厚よりも薄いように構成してもよい。
このように構成すれば、第1電極層及び第2電極層の夫々の膜厚を適宜調整することで、比較的容易に、第1電極層の熱容量を、第2電極層の熱容量よりも小さくすることができる。
上述の如く第1電極層の熱容量が第2電極層の熱容量よりも小さい熱音響発生装置の態様では、前記第1電極層を構成する材料の比熱容量は、前記第2電極層を構成する材料の比熱容量よりも小さいように構成してもよい。
このように構成すれば、第1電極層を構成する材料及び第2電極層を構成する材料を夫々適宜調整することで、比較的容易に、第1電極層の熱容量を、第2電極層の熱容量よりも小さくすることができる。
上述の如く第1電極層の熱容量が第2電極層の熱容量よりも小さい熱音響発生装置の態様では、前記第1電極層には、一又は複数の孔が形成されているように構成してもよい。
このように構成すれば、一又は複数の孔が形成されている第1電極層(つまり、多孔質の第1電極層)を用いることで、比較的容易に、第1電極層の熱容量を、第2電極層の熱容量よりも小さくすることができる。
尚、本発明における「孔」とは、第1電極層を貫通している孔や、第1電極層の表面におけるくぼみや、第1電極層の内部において形成された閉じた空隙又は空間を含む広い趣旨である。
本発明の熱音響発生装置に係る実施形態の他の態様は、前記第2電極層における前記熱電素子層と接する側の面とは逆の面に、支持基体が備え付けられる。
この態様によれば、第1電極層と第2電極層とを略同一の構成とすることができるため、第1電極層における電気抵抗と第2電極層における電気抵抗とを略同一にすることができる。これにより、熱電素子層中を流れる電流の面内分布が均一となり、第1電極層の温度の面内分布を均一にすることができる。従って、第1電極層で発生する音圧の面内分布を均一にすることができるという点で、実践上大変有利な構成を実現することができる。
尚、この態様では、第1電極層の熱容量は、第2電極層と支持基体とを合わせた熱容量より小さくなっていることが好ましい。
本発明の熱音響発生装置に係る実施形態の他の態様は、前記第1電極層と前記熱電素子層と前記第2電極層とを夫々備える複数の熱音響発生ユニットを備えており、前記第1電極層と前記第2電極層とを介して前記熱電素子層に流れる電流によって生ずる熱流の方向が前記複数の全ての熱音響発生ユニットで一致するように、前記複数の熱音響発生ユニットの夫々が電気的に接続されている。
この態様によれば、熱電素子層を流れる電流に対して、1つあたりの熱音響発生ユニットに生ずる発熱量又は吸熱量が小さくとも、複数の熱音響発生ユニットが接続されているため、熱音響発生装置全体として生ずる発熱量又は吸熱量を大きくすることができる。更に、複数の熱音響発生ユニットは、生ずる熱流の方向が複数の全ての熱音響発生ユニットで一致するように配列されている。より具体的には、電気的に接続された複数の熱音響発生ユニットに流される所定方向の電流に対して、例えば第1電極層の側が発熱するように、複数の熱音響発生ユニットが配列されている。このため、熱音響発生装置は、より好適に音波を発生させることができる。
上述の如く複数の熱音響発生ユニットを備える熱音響発生装置の態様では、前記複数の熱音響発生ユニットの夫々が備える前記熱電素子層は、同一の導伝型の熱電素子(例えば、全てp型の熱電素子又は全てn型の熱電素子)から構成されており、前記複数の熱音響発生ユニットのうちの一の熱音響発生ユニットが備える前記第1電極層は、前記複数の熱音響発生ユニットのうちの前記一の熱音響発生ユニットに隣接する他の熱音響発生ユニットが備える前記第2電極層と接続されているように構成してもよい。
このように、複数の熱音響発生ユニットを電気的に直列に接続するように構成すれば、比較的容易に、同一の導伝型の熱電素子からなる複数の熱音響発生ユニット全てで、生ずる熱流の方向を一致させることができる。
上述の如く複数の熱音響発生ユニットを備える熱音響発生装置の態様では、前記複数の熱音響発生ユニットには、p型の熱電素子から構成される前記熱電素子層を備える第1熱音響発生ユニットと、n型の熱電素子から構成される前記熱電素子層を備える第2熱音響発生ユニットとが含まれており、前記第1熱音響発生ユニットと前記第2熱音響発生ユニットとは、交互に配列されており、前記複数の第1熱音響発生ユニットのうちの一の第1熱音響発生ユニットが備える前記第1電極層は、前記複数の第2熱音響発生ユニットのうちの前記一の第1熱音響発生ユニットに隣接する一の第2熱音響発生ユニットが備える前記第1電極層と接続されており、前記一の第2熱音響発生ユニットが備える前記第2電極層は、前記複数の第1熱音響発生ユニットのうちの前記一の第2熱音響発生ユニットに隣接する他の第1熱音響発生ユニットが備える前記第2電極層と接続されているように構成してもよい。
このように、複数の熱音響発生ユニットを電気的に直列に接続するように構成すれば、比較的容易に、異なる導伝型の熱電素子からなる複数の熱音響発生ユニット全てで、生ずる熱流の方向を一致させることができる。
上述の如く複数の熱音響発生ユニットを備える熱音響発生装置の態様では、前記複数の熱音響発生ユニットにおける、前記第1電極層又は前記第2電極層と略平行な断面が、長辺及び短辺を有しており、前記第1電極層は、前記長辺と隣接する他の熱音響発生ユニットが備える第1電極層または第2電極層と接続されるように構成しても良い。
このように構成すれば、熱音響発生装置の電気抵抗が低減され、より効率的に、第1電極層における発熱及び吸熱を利用して音波を発生させることができる。
上述の如く複数の熱音響発生ユニットを備える熱音響発生装置の態様では、前記複数の熱音響発生ユニットの夫々の間の少なくとも一部(例えば、複数の熱音響発生ユニットの間の空間の全体や、複数の熱音響発生ユニットの間の空間のうち第1電極層の下方に位置する一部の空間等)に、電気絶縁性を有する充填材が充填されているように構成してもよい。
このように構成すれば、充填材により、隣接した熱音響発生ユニットを電気的に接続する第1電極層を、空中に浮かせることなく支持することができ、第1電極層を更に薄くすることが可能となる。これにより、より効率的に第1電極層における発熱及び吸熱を利用して音波を発生させることができる。そして、充填材が充填されていても、充填材が電気絶縁性を有しているため、複数の熱音響発生ユニットを第1電極層又は第2電極層以外で電気的に短絡してしまう不都合を好適に防ぐことができる。
上述の如く充填材が充填される熱音響発生装置の態様では、前記充填材は、熱絶縁性を更に有する方が好ましい。
このように構成すれば、第1電極層における発熱又は吸熱が、第2電極層に拡散してしまうのを好適に防ぐことができる。
本発明の熱音響発生装置の他の態様は、前記第1電極層における前記熱電素子層と接する側の面とは逆の面は、粗面処理が施されている。
このように構成すれば、雰囲気気体に接する第1電極層の表面積を増加させることができる。これにより、雰囲気気体の加熱及び冷却をより効率的に行うことができる。
尚、本発明における「粗面処理」とは、第1電極層の表面に何らかの凹凸を形成する処理であって、第1電極層の表面に凹凸が全くない場合の第1電極層の表面積と比較して、表面積を増加させることができる処理であればよい。
本実施形態のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から更に明らかにされよう。
以上説明したように、本発明の熱音響発生装置に係る実施形態によれば、第1電極層と、熱電素子層と、第2電極層とを備えている。従って、ジュール熱の発生を抑制しつつ、効率的に、温度変調によって音波を発生させることができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
(1)基本構成
初めに、図1を参照して、本発明の熱音響発生装置に係る実施例について説明する。ここに、図1は、本実施例に係る熱音響発生装置1の第1の基本構成を概念的に示す断面図である。
図1に示すように、本実施例に係る熱音響発生装置1は、本発明における「第1電極層」の一具体例を構成する上部電極11と、本発明における「熱電素子層」の一具体例を構成する熱電素子12と、本発明における「第2電極層」の一具体例を構成する下部電極13とを備える。
上部電極11は、例えばd1の膜厚を有する金属等により構成される電極である。より具体的には、例えば概ね200nmの膜厚を有する金と、概ね20nmの膜厚を有するニッケルとが、ニッケルが熱電素子12に隣接し且つ金が雰囲気気体と接するように積層されることで、上部電極11が構成される。
熱電素子12は、熱電効果(例えば、ペルチェ効果やゼーベック効果等)を有する半導体により構成される。より具体的には、熱電素子12は、例えばBiSbTeや、BiSbTeSe等により構成される。例えばp型Bi0.5Sb1.5Teや、n型Bi1.8Sb0.2Te2.85Se0.15により構成される。熱電素子12を構成する材料はこれに限ったものではなく、熱電効果の得られる他の半導体や金属、酸化物等であっても良い。
下部電極13は、例えばd2(但し、d2>d1)の膜厚を有する金属等により構成される電極である。より具体的には、例えば概ね20nmの膜厚を有するニッケルと、概ね200nmの膜厚を有する金と、概ね50μmの膜厚を有する銅とが、熱電素子12に近い方からこの順序で積層されることで、下部電極13が構成される。上部電極11、下部電極13を構成する材料はこれに限ったものではなく、熱電素子12とオーミック接触が得られる他の金属であっても良い。
本実施例に係る熱音響発生装置1は、発生させたい音波信号に応じた交流からなる入力電圧を上部電極11と下部電極13との間に印加することにより駆動する。
このような構成を有する熱音響発生装置1によれば、上部電極11と下部電極13との間に入力電圧が印加されることで、熱電素子12には入力電圧に応じた電流が流れる。その結果、上部電極11と熱電素子12との境界において、熱電効果による発熱又は吸熱が生ずる。同様に、下部電極13と熱電素子12との境界において、熱電効果による発熱又は吸熱が生ずる。
これにより、上部電極11が加熱又は冷却され、その結果、上部電極11と接する雰囲気気体が加熱又は冷却される。この結果、上部電極11の加熱及び冷却に応じた(言い換えれば、上部電極11と下部電極13の間に印加される入力電圧に応じた)音波を発生させることができる。つまり、上部電極11と下部電極13の間に印加される入力電圧に応じて熱電素子12を温度変調させることにより、音波を発生させることができる。
ここで、熱電素子12の性質上、上部電極11と熱電素子12との境界において発熱が生じた場合は、下部電極13と熱電素子12との境界においては、上部電極11と熱電素子12との境界において生ずる発熱とほぼ同量の吸熱が生ずる。他方、上部電極11と熱電素子12との境界において吸熱が生じた場合は、下部電極13と熱電素子12との境界において、上部電極11と熱電素子12との境界において生ずる吸熱とほぼ同量の発熱が生ずる。このため、上部電極11の加熱及び冷却が、下部電極13の加熱及び冷却によって打ち消されてしまいかねない。その結果、上部電極11において、入力電圧に応じた音波を好適に発生させることができなくなりかねない。或いは、下部電極13の温度変化によって生じる音波は、上部電極側とは逆位相になるため、上部電極11において発生した音波が、下部電極13において発生した逆位相の音波によって打ち消されてしまいかねない。
このような不都合を防ぐために、本実施例によれば、上部電極11の膜厚d1を下部電極13の膜厚d2よりも薄くしている。これにより、上部電極11の熱容量が下部電極13の熱容量よりも小さくなる。ここでは、上部電極11の熱容量が、下部電極13の熱容量の概ね1/10以下になることが好ましい。その結果、上部電極11の加熱及び冷却の程度(具体的には、温度上昇量及び温度降下量や、温度上昇速度及び温度降下速度等)に対して、下部電極13の加熱及び冷却の程度を小さくすることができる。つまり、上部電極11の温度変化に対して、下部電極13の温度変化を抑制することができる。これにより、上部電極11の温度変化が、下部電極13の温度変化によって打ち消されるという不都合を好適に防ぐことができる。このため、入力電圧に応じた音波を、上部電極11において好適に発生させることができる。
加えて、本実施例においては、上部電極11と熱電素子12と下部電極13とが積層構造を有しているため、熱電素子12の膜厚方向に沿った方向(具体的には、図1における上下の方向)に電流が流れる。このため、熱電素子12における電気抵抗を小さくすることができる。よってジュール損が小さくなるために効率良く音波を発生させることができる。また、入力信号の二乗のオーダーとなるジュール熱の影響を抑えることができるため、入力信号に忠実な音波を好適に発生させることができる。
更には、上部電極11及び下部電極13の夫々が熱電素子層12と平面的に広い面積で接することから、より広い面積において発熱及び吸熱を生じさせることができる。その結果、熱電効果による発熱及び吸熱を効率的に生じさせることができる。つまり、上部電極11を効率良く温度変調することができ、音波のより効率的な発生を実現することができる。
尚、図1に示す熱音響発生装置1においては、上部電極11の熱容量が下部電極13の熱容量の概ね1/10以下となっている。しかしながら、上部電極11の熱容量が下部電極13の熱容量の概ね1/10より大きい場合であっても、上部電極11と下部電極13の間に印加される入力電圧に応じた音波を、上部電極11において好適に発生させることができるという効果を相応に享受することができる。
また、図1に示す熱音響発生装置1においては、上部電極11の加熱及び又は冷却を利用して音波を発生させている。しかしながら、上部電極11の加熱及び又は冷却に代えて、下部電極13の加熱及び又は冷却を利用して音波を発生させてもよい。但し、この場合、下部電極13の熱容量を、上部電極11の熱容量よりも小さくすることが好ましい。例えば、下部電極13の膜厚d2を、上部電極11の膜厚d1よりも薄くすることが好ましい。
また、図1に示す熱音響発生装置1においては、上部電極11の膜厚d1を下部電極13の膜厚d2よりも薄くすることで、上部電極11の熱容量を下部電極13の熱容量よりも小さくしている。しかしながら、上部電極11の膜厚d1を下部電極13の膜厚d2よりも薄くすることに加えて又は代えて、図2及び図3に示す構成により、上部電極11の熱容量を下部電極13の熱容量よりも小さくしてもよい。ここに、図2は、本実施例に係る熱音響発生装置の第2の基本構成を概念的に示す断面図であり、図3は、本実施例に係る熱音響発生装置の第3の基本構成を概念的に示す断面図であり、図4は、本実施例に係る熱音響発生装置の第4の基本構成を概念的に示す断面図である。
図2に示すように、熱音響発生装置1aにおいては、上部電極11aが多孔質構造を有している。より具体的には、上部電極11aは、その内部に所定の空隙又は空間が形成されていたり、その表面にくぼみが形成されていたり、或いはその断面を貫通する貫通孔が形成されている。
これにより、上部電極11aの熱容量が下部電極13aの熱容量よりも小さくなる。このため、上部電極11aの温度変化に対して、下部電極13aの温度変化を抑制することができる。これにより、上部電極11aの温度変化が、下部電極13aの温度変化によって打ち消されるという不都合を好適に防ぐことができる。このため、入力電圧に応じた音波を、上部電極11aにおいて好適に発生させることができる。
尚、図1に示す熱音響発生装置1と図2に示す熱音響発生装置1aは、いずれも上部電極11の体積が、下部電極13の体積よりも小さくなる構成を有している。つまり、図1及び図2に示す構成をまとめると、上部電極11の熱容量を下部電極13の熱容量よりも小さくするためには、上部電極11の体積を下部電極13の体積よりも小さくすることが好ましい。
図3に示すように、熱音響発生装置1bにおいては、上部電極11bを構成する材料の比熱容量X1が、下部電極11bを構成する材料の比熱容量X2よりも小さい。
これにより、上部電極11bの熱容量が下部電極13bの熱容量よりも小さくなる。このため、上部電極11bの温度変化に対して、下部電極13bの温度変化を抑制することができる。これにより、上部電極11bの温度変化が、下部電極13bの温度変化によって打ち消されるという不都合を好適に防ぐことができる。このため、入力電圧に応じた音波を、上部電極11bにおいて好適に発生させることができる。
図4に示すように、熱音響発生装置1cにおいては、下部電極11cにおける熱電素子12と接する側の面とは逆側の面に、支持基体15が積層されている。そして、上部電極11cの熱容量が、下部電極11c及び支持基体15の全体の熱容量よりも小さい。
これにより、上部電極11cの温度変化に対して、下部電極13cの温度変化を抑制することができる。これにより、上部電極11cの温度変化が、下部電極13cの温度変化によって打ち消されるという不都合を好適に防ぐことができる。このため、入力電圧に応じた音波を、上部電極11cにおいて好適に発生させることができる。
加えて、上部電極11cと下部電極13cとを略同一の構成とすることができるため、上部電極11cにおける電気抵抗と下部電極13cにおける電気抵抗とを略同一にすることができる。これにより、熱電素子12cを流れる電流の面内分布が均一となり、上部電極11cの温度の面内分布を均一にすることができる。従って、上部電極11cで発生する音圧の面内分布を均一にすることができるという点で、実践上大変有利な構成を実現することができる。
尚、図1から図4に示す熱音響発生装置1においては、上部電極11の加熱及び又は冷却による上部電極11に接する雰囲気気体の加熱及び又は冷却を利用して音波を発生させている。このため、上部電極11と雰囲気気体とが接する面積を大きくすれば、上部電極11と接する雰囲気気体の加熱及び冷却をより促進させることができる。
上部電極11と雰囲気気体とが接する面積を大きくするための一つの例として、例えば図5に示す構成が挙げられる。ここに、図5は、上部電極11と雰囲気気体とが接する面積を大きくした熱音響発生装置の構成を概念的に示す断面図である。
図5に示すように、熱音響発生装置1dの上部電極11dの表面には、粗面処理が施されることで凹凸が形成されている。これにより、上部電極11dの表面積を増加させることができる。従って、上部電極11dと雰囲気気体とが接する面積を大きくすることができ、その結果、上部電極11dと接する雰囲気気体の加熱及び冷却をより促進させることができる。このため、入力電圧に応じた音波を、上部電極11dにおいて効率良くに発生させることができる
尚、上部電極11dの表面が凹凸のない滑らかな面であると仮定した場合の表面積と比較して、上部電極11dの表面積(より具体的には、上部電極11dと雰囲気気体とが接する面積)を増加させることができれば、図5に示す凹凸以外の構造を上部電極11cの表面に形成するように構成してもよい。例えば、上部電極11dを多孔質構造にすることによっても、同様な効果を得ることができる。
(2)第1変形例
続いて、図6及び図7を参照して、本実施例に係る熱音響発生装置の第1変形例について説明を進める。ここに、図6は、第1変形例に係る熱音響発生装置の第1の基本構成を概念的に示す斜視図であり、図7は、第1変形例に係る熱音響発生装置の第2の構成を概念的に示す斜視図である。
図5に示すように、第1変形例に係る熱音響発生装置100は、複数の熱音響発生ユニット10を備えている。熱音響発生ユニット10の夫々は、図1から図4に示した熱音響発生装置1と概ね同様の構造を有しており、上部電極11と、熱電素子12と、下部電極13とを備えている。
第1変形例に係る熱音響発生装置100においては特に、熱電素子12として、p型熱電素子12−1とn型熱電素子12−2とを用いている。そして、p型熱電素子12−1を備える熱音響発生ユニット10(以降、適宜“p型熱音響発生ユニット10−1”と称する)と、n型熱電素子12−2を備える熱音響発生ユニット10(以降、適宜“n型熱音響発生ユニット10−2”と称する)とが、入力電圧の印加に対して複数の熱音響発生ユニット10の夫々における発熱及び吸熱の方向が一致するように配列される。より具体的には、p型熱音響発生ユニット10−1の上部電極11が加熱される場合には、n型熱音響発生ユニット10−2の上部電極11も加熱されるように複数の熱音響発生ユニット10が配列される。同様に、p型熱音響発生ユニット10−1の上部電極11が冷却される場合には、n型熱音響発生ユニット10−2の上部電極11も冷却されるように複数の熱音響発生ユニット10が配列される。
ここで、p型熱音響発生ユニット10−1が備える上部電極11と、隣接するn型熱音響発生ユニット10−2が備える上部電極11とが一体化されている。同様に、p型熱音響発生ユニット10−1が備える下部電極13と、隣接する他のn型熱音響発生ユニット10−2が備える下部電極13とが一体化されている。つまり、複数のp型熱音響発生ユニット10−1と複数のn型熱音響発生ユニット10−2が、交互に、電気的に直列に接続される。
ここで、ペルチェ係数がπである上部電極11及び下部電極13と、ペルチェ係数がπであるp型熱電素子12−1とから構成されるp型熱音響発生ユニット10−1は、電流Iが上部電極11から下部電極13に向かって注入されたときに、Q=(π−π)×Iの吸熱量が生ずる。同様に、電流Iが下部電極13から上部電極11に向かって注入されたときに、Q=(π−π)×Iの発熱量が生ずる。他方、ペルチェ係数がπである上部電極11及び下部電極13と、ペルチェ係数がπであるn型熱電素子12−2とから構成されるn型熱音響発生ユニット10−2は、電流Iが下部電極13から上部電極11に向かって注入されたときに、Q=(π+π)×Iの吸熱量が生ずる。同様に、電流Iが上部電極11から下部電極13に向かって注入されたときに、Q=(π+π)×Iの発熱量が生ずる。
従って、一対のp型熱音響発生ユニット10−1とn型熱音響発生ユニット10−2による吸発熱量は、Q=Q+Q=(π+π)×Iとなる。このため、m(但し、mは1以上の整数)対のp型熱音響発生ユニット10−1とn型熱音響発生ユニット10−2とを接続した場合には、熱音響発生装置100全体として吸発熱量は、Qtotal=m×Q=m×(π+π)×Iとなる。
このように、複数の熱音響発生ユニット10を直列に接続することにより、熱音響発生装置100全体として生ずる発熱の量又は吸熱の量を増加させることができる。このため、熱音響発生装置100は、より好適に入力信号に忠実な音波を発生させることができる。
尚、図6に示す例では、上部電極11は、その一部においては何の支持も受けることなくp型熱電素子12−1とn型熱電素子12−2とを接続している。つまり、上部電極11は、その始端部と終端部はp型熱電素子12−1とn型熱電素子12−2によって指示されているものの、その中間部においては何の支持も受けていない。この場合には図1等において述べたような上部電極11の薄膜化が困難となってしまう。
このため、図7に示す熱音響発生装置101のように、p型熱電素子12−1とn型熱電素子12−2との間の空間であって且つ上部電極11の下側に位置する空間に、電気絶縁性を有する充填材14を充填することが好ましい。
これにより、上部電極11の膜厚を薄くした場合においても、これを好適に支持することができる。そして、充填材14が充填されていても、充填材14が電気絶縁性を有しているため、p型熱音響発生ユニット10−1とn型熱音響発生ユニット10−2とが上部電極11又は下部電極13以外で電気的に短絡してしまう不都合を好適に防ぐことができる。
また、熱音響発生装置100全体の機械的強度を高めるために、全ての熱電素子間を電気絶縁性を有する充填材14で充填しても良い。
尚、充填材14は、電気絶縁性に加えて熱絶縁性を備えている方がより好ましい。これにより、上部電極11における発熱又は吸熱が、下部電極13に拡散してしまうのを好適に防ぐことができる。
(3)第2変形例
続いて、図8及び図9を参照して、本実施例に係る熱音響発生装置の第2変形例について説明を進める。ここに、図8は、第2変形例に係る熱音響発生装置の第1の基本構成を概念的に示す斜視図であり、図9は、第2変形例に係る熱音響発生装置の第2の構成を概念的に示す斜視図である。
図8に示すように、第2変形例に係る熱音響発生装置102は、第1変形例に係る熱音響発生装置100と同様に、複数の熱音響発生ユニット10を備えている。
第2変形例に係る熱音響発生装置102においては、熱電素子12として、p型熱電素子12−1のみを用いている。そして、複数のp型熱音響発生ユニット10が、電流注入によって生じる熱流の方向が一致するように、電気的に直列に接続されている。具体的には、図8のように複数のp型熱音響発生ユニット10がマトリックス状に配列され、p型熱音響発生ユニット10−1が備える上部電極11は、隣接するp型熱音響発生ユニット10−1が備える下部電極13と接続されている。
これにより、第2変形例に係る熱音響発生装置102においても、第1変形例に係る熱音響発生装置100が享受する効果と同様の効果を享受することができる。より具体的には、複数のp型熱音響発生ユニット10−1を直列に接続することにより、熱音響発生装置102全体として生ずる発熱の量及び吸熱の量を増加させることができる。このため、熱音響発生装置102は、より好適に入力信号に忠実な音波を発生させることができる。
尚、図8では、複数のp型熱音響発生ユニット10−1が電気的に直列に接続された例について説明したが、複数のp型熱音響発生ユニット10−1に代えて、複数のn型熱音響発生ユニット10−2を用いてもよいことは言うまでもない。
加えて、第2変形例においても、図9に示す熱音響発生装置103のように、複数のp型熱電素子12−1のうちの隣接する2つのp型熱電素子12−1の間の空間であって且つ上部電極11の下側に位置する空間に、電気絶縁性を有する充填材14を充填することが好ましい。
(4)第3変形例
続いて、図10から図13を参照して、本実施例に係る熱音響発生装置の第3変形例について説明を進める。ここに、図10は、第3変形例に係る熱音響発生装置の第1の基本構成を概念的に示す斜視図であり、図11は、第3変形例に係る熱音響発生装置の第2の基本構成を概念的に示す斜視図であり、図12は、第3変形例に係る熱音響発生装置の第3の基本構成を概念的に示す斜視図であり、図13は、第3変形例に係る熱音響発生装置の第4の構成を概念的に示す斜視図である。
図10に示すように、第3変形例に係る熱音響発生装置104では、第1変形例に係る熱音響発生装置100と同様に、p型熱音響発生ユニット10−1とn型熱音響発生ユニット10−2とが、電流注入によって生じる、複数の熱音響発生ユニット10の夫々における熱流の方向が一致するように配列されている。
第3変形例に係る熱音響発生装置104では特に、熱電素子12における上部電極11又は下部電極13と略平行な断面の形状が、長辺と短辺を有する矩形となっている。そして、全ての上部電極11は、長辺において隣接するp型熱電素子12−1とn型熱電素子12−2とを接続している。そして、短辺において隣接するp型熱電素子12−1とn型熱電素子12−2との電気的接続は、下部電極13により行う。
これにより、第3変形例に係る熱音響発生装置104においても、第1変形例に係る熱音響発生装置100が享受する効果と同様の効果を享受することができる。より具体的には、複数の熱音響発生ユニット10を直列に接続することにより、熱音響発生装置104全体として生ずる発熱の量及び吸熱の量を増加させることができる。このため、熱音響発生装置104は、より好適に入力信号に忠実な音波を発生させることができる。
更に、上部電極11や下部電極13におけるジュール損の発生をより抑えることができる。加えて、夫々の熱電素子12内を流れる電流の分布を相対的に小さくすることができるため、上部電極11において発生する音波の面内分布の均一化を図ることができる。
図11に示すように、第3変形例に係る熱音響発生装置105では、第2変形例に係る熱音響発生装置102と同様に、p型熱音響発生ユニット10−1が、電流注入によって生じる、複数の熱音響発生ユニット10の夫々における熱流の方向が一致するように配列されている。
第3変形例に係る熱音響発生装置105では特に、熱音響発生装置104と同様に、熱電素子12における上部電極11又は下部電極13と略平行な断面の形状が、長辺と短辺を有する矩形となっている。そして、図のように長辺において隣接するp型熱音響発生ユニット10−1の電気的接続を、一方の上部電極11と他方の下部電極13を接続することにより行い、全てのp型熱音響発生ユニット10−1が電気的に直列になるように接続している。
これにより、第3変形例に係る熱音響発生装置105においても、第2変形例に係る熱音響発生装置102が享受する効果と同様の効果を享受することができる。より具体的には、複数の熱音響発生ユニット10を直列に接続することにより、熱音響発生装置105全体として生ずる発熱の量及び吸熱の量を増加させることができる。このため、熱音響発生装置105は、より好適に入力信号に忠実な音波を発生させることができる。
更に、上部電極11や下部電極13におけるジュール損の発生をより抑えることができる。加えて、夫々の熱電素子12内を流れる電流の分布を相対的に小さくすることができるため、上部電極11において発生する音波の面内分布の均一化を図ることができる。
尚、第3変形例に係る熱音響発生装置104においても、図12に示す熱音響発生装置106のように、p型熱電素子12−1とn型熱電素子12−2との間の空間であって且つ上部電極11の下側に位置する空間に、電気絶縁性を有する充填材14を充填することが好ましい。同様に、第3変形例に係る熱音響発生装置105においても、図13に示す熱音響発生装置107のように、複数のp型熱電素子12−1のうちの隣接する2つのp型熱電素子12−1の間の空間であって且つ上部電極11の下側に位置する空間に、電気絶縁性を有する充填材14を充填することが好ましい。
また、熱音響発生装置106又は熱音響発生装置107全体の機械的強度を高めるために、全ての熱電素子間を電気絶縁性を有する充填材14で充填しても良い。
また、図1から図13を参照して説明した熱音響発生装置1等は、例えばスピーカに適用することで音楽を再生したり、或いは超音波発生器に適用することで超音波を発生することができる。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なう熱音響発生装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。

Claims (13)

  1. 固体の温度変調により音波を発生させる熱音響発生装置であって、
    熱電素子層と、
    前記熱電素子層の一方の面上に積層される第1電極層と、
    前記熱電素子層の前記一方の面とは逆側に位置する他方の面上に積層される第2電極層と
    を備え
    前記第1電極層の熱容量は、前記第2電極層の熱容量よりも小さいことを特徴とする熱音響発生装置。
  2. 前記第1電極層の熱容量は、前記第2電極層の熱容量の1/10以下であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の熱音響発生装置。
  3. 前記第1電極層の膜厚は、前記第2電極層の膜厚よりも薄いことを特徴とする請求の範囲第項に記載の熱音響発生装置。
  4. 前記第1電極層を構成する材料の比熱容量は、前記第2電極層を構成する材料の比熱容量よりも小さいことを特徴とする請求の範囲第項に記載の熱音響発生装置。
  5. 前記第1電極層には、一又は複数の孔が形成されていることを特徴とする請求の範囲第項に記載の熱音響発生装置。
  6. 前記第2電極層における前記熱電素子層と接する側の面とは逆の面に、支持基体が備え付けられ
    前記第1電極層の熱容量は、前記支持基体と前記第2電極層とを合わせた熱容量よりも小さいことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の熱音響発生装置。
  7. 前記第1電極層と前記熱電素子層と前記第2電極層とを夫々備える複数の熱音響発生ユニットを備えており、
    前記第1電極層と前記第2電極層とを介して前記熱電素子層に流れる電流によって生ずる熱流の方向が全ての前記複数の熱音響発生ユニットで一致するように、前記複数の熱音響発生ユニットの夫々が電気的に接続されていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の熱音響発生装置。
  8. 前記複数の熱音響発生ユニットにおける、前記第1電極層又は前記第2電極層と略平行な断面が、長辺及び短辺を有しており、
    前記第1電極層は、前記長辺と隣接する他の熱音響発生ユニットが備える第1電極層または第2電極層と接続されていることを特徴とする請求の範囲第7項に記載の熱音響発生装置。
  9. 前記複数の熱音響発生ユニットの夫々が備える前記熱電素子層は、同一導伝型の熱電素子から構成されており、
    前記複数の熱音響発生ユニットのうちの一の熱音響発生ユニットが備える前記第1電極層は、前記複数の熱音響発生ユニットのうちの前記一の熱音響発生ユニットに隣接する他の熱音響発生ユニットが備える前記第2電極層と接続されていることを特徴とする請求の範囲第7項に記載の熱音響発生装置。
  10. 前記複数の熱音響発生ユニットには、p型の熱電素子から構成される前記熱電素子層を備える第1熱音響発生ユニットと、n型の熱電素子から構成される前記熱電素子層を備える第2熱音響発生ユニットとが含まれており、
    前記第1熱音響発生ユニットと前記第2熱音響発生ユニットとは、交互に配列されており、
    前記複数の第1熱音響発生ユニットのうちの一の第1熱音響発生ユニットが備える前記第1電極層は、前記複数の第2熱音響発生ユニットのうちの前記一の第1熱音響発生ユニットに隣接する一の第2熱音響発生ユニットが備える前記第1電極層と接続されており、前記一の第2熱音響発生ユニットが備える前記第2電極層は、前記複数の第1熱音響発生ユニットのうちの前記一の第2熱音響発生ユニットに隣接する他の第1熱音響発生ユニットが備える前記第2電極層と接続されていることを特徴とする請求の範囲第7項に記載の熱音響発生装置。
  11. 前記複数の熱音響発生ユニットの夫々の間の少なくとも一部には、電気絶縁性を有する充填材が充填されていることを特徴とする請求の範囲第7項に記載の熱音響発生装置。
  12. 前記充填材は、熱絶縁性を更に有することを特徴とする請求の範囲第11項に記載の熱音響発生装置。
  13. 前記第1電極層における前記熱電素子層と接する側の面とは逆の面には、粗面処理が施されていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の熱音響発生装置。
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