JP2004193209A - 熱電変換モジュール及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】信頼性及び変換効率が高く、且つ大型化が容易な熱電変換モジュールを提供すること。
【解決手段】複数の貫通孔及び該貫通孔間を連結する複数の電極用溝が設けられた電気的且つ熱的絶縁性型枠と、該型枠の上記貫通孔に交互に配列されたp型熱電素子及びn型熱電素子と、上記型枠の上記電極用溝に上記p型熱電素子と上記n型熱電素子とが交互に電気的に直列に接続するように埋設された溶射電極とからなり、上記型枠、上記p型及びn型熱電素子、並びに上記溶射電極が一体的に固着されている熱電変換モジュールにおいて、上記p型熱電素子と上記n型熱電素子との間を隔てる壁の厚さが2.5mm以下となるようにする、或いは、上記電極用溝の電極形成表面と、上記p型及びn型熱電素子の電極形成表面との段差が0.2mm以下、且つ、上記p型熱電素子と上記n型熱電素子との間を隔てる壁と、該熱電素子との間の間隙が0.6mm以下となるようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の貫通孔及び該貫通孔間を連結する複数の電極用溝が設けられた電気的且つ熱的絶縁性型枠と、該型枠の上記貫通孔に交互に配列されたp型熱電素子及びn型熱電素子と、上記型枠の上記電極用溝に上記p型熱電素子と上記n型熱電素子とが交互に電気的に直列に接続するように埋設された溶射電極とからなり、上記型枠、上記p型及びn型熱電素子、並びに上記溶射電極が一体的に固着されている熱電変換モジュールにおいて、上記p型熱電素子と上記n型熱電素子との間を隔てる壁の厚さが2.5mm以下となるようにする、或いは、上記電極用溝の電極形成表面と、上記p型及びn型熱電素子の電極形成表面との段差が0.2mm以下、且つ、上記p型熱電素子と上記n型熱電素子との間を隔てる壁と、該熱電素子との間の間隙が0.6mm以下となるようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱を直接電気に変換する熱電変換モジュール及びその製造方法に関するものであって、特に発電プラントやゴミ焼却施設などの大規模な排熱を熱源とする熱電発電装置において有用なものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
熱電変換モジュールは、通常複数個のp型熱電素子とn型熱電素子とを交互に配置し、これらの熱電素子を金属などの導電性材料を介して電気的に直列に接続することによって作製される。この熱電変換モジュールは、熱電素子に温度差を与えることによりゼーベック効果による熱起電力を発生し、電気的な負荷を接続することにより熱の一部を電力に変換して取り出すことができる。この熱電変換モジュールを用いた発電装置は、構造が簡単で、振動、騒音、摩耗などを生じる可動部がなく、熱源の規模を選ばないなどの特徴があるため、携帯型電源や、各種の排熱を電力として回収し有効利用する手段として注目されている。
【0003】
一般に、このような熱電変換モジュールは、例えば、次のような方法で作製される。まず、p型及びn型熱電材料を焼結し、得られた焼結体を、電極との接合面にはんだ付けをするためのニッケルめっきなどの表面処理を施した後、所望の大きさに切断し、p型及びn型熱電素子を作製する。次に、p型及びn型熱電素子を交互に配置し、所定の電気的接続となるように金属電極にはんだ付けして、熱電変換モジュールを得る。また、熱電変換モジュールの電極面を電気的に絶縁する必要があることと、機械的強度の向上のため、熱電変換モジュールの電極面を、熱伝導性の良いアルミナセラミックスなどの電気的な絶縁板とはんだ接合することが行われている。また、この他にも、電極面が絶縁板と固定されていないスケルトンタイプといわれるものが一般的に知られている。このような熱電変換モジュールに係わる全般的な技術は、例えば、非特許文献1や非特許文献2に詳述されている。
【0004】
また、信頼性を向上させた熱電変換モジュールとして、各接合部での熱膨張率の差によって生ずる破損を解決するために、各熱電素子を金属ペーストを介して金属セグメントで挟み込みネジ止めによって固定する方法(例えば、特許文献1及び2を参照)や、小型の素子を用いた熱電変換モジュールの機械的強度の向上のため、熱電素子が樹脂、セラミックス、ガラスなどの絶縁性の物質に埋め込まれた構造を有する熱電変換モジュール(例えば、特許文献3及び4を参照)も提案されている。また、樹脂の型枠に熱電素子が埋め込まれ、電極としてアルミニウム溶射層を用いた熱電変換モジュール(例えば、特許文献5を参照)が発明されている。
【0005】
しかしながら、熱電変換モジュールは、大きい温度差を印加するほど発電性能が向上することが知られているが、熱電素子と電極などの接合にはんだなどのろう材を使用すると、上限温度がろう材に支配されるとともに、ろう材の成分が熱電素子中へ拡散することによる発電性能の低下が懸念される。
【0006】
また、機械的強度を向上させるために、電極面が絶縁板とはんだ接合された熱電変換モジュールでは、各部材の熱膨張率の差によって素子破壊が生じやすく、信頼性が劣るといった問題点があった。この点を解決するために、スケルトンタイプの熱電変換モジュールも提案されているが、機械的強度が低く、取扱いが不便であるといった問題点が指摘されている。
【0007】
また、熱電素子がセラミックス、樹脂又はガラスなどに埋め込まれた構造を有する熱電変換モジュールは、熱伝導率、比重、及び加工性などの観点から、さらに好適な材質が要求されている。
【0008】
また、大規模な排熱を熱源とした場合には、設計施工上やメンテナンス上の観点から大型の熱電変換モジュールが望まれているが、従来の熱電変換モジュールは、構造が複雑で大型化には不向きであった。
【0009】
上述の現状に鑑み、本願出願人は、先に、素子断面積が113mm2 程度の大断面積をもつ熱電素子を使用し、1基で59W程度の大電力を発生する熱電変換モジュールを提案した(特許文献6を参照)。さらに、当該熱電変換モジュールの耐久性を向上させるため、複数の貫通孔及び該貫通孔間を連結する複数の電極用溝が設けられた電気的且つ熱的絶縁性型枠と、該型枠の上記貫通孔に交互に配列されたp型熱電素子及びn型熱電素子と、上記型枠の上記電極用溝に上記p型熱電素子と上記n型熱電素子とが交互に電気的に直列に接続するように埋設された溶射電極とからなる熱電変換モジュールにおいて、上記型枠の上記電極用溝の底面に金属製マスクを固定することにより、良質の溶射電極を形成する方法を提案した(特許文献7を参照)。しかしながら、この方法は、上記金属製マスクを小さなピンで上記電極用溝に固定するため、煩雑であり、製造コストに問題があった。
【0010】
従って、本発明の目的は、このような従来の課題が解消された熱電変換モジュール、即ち信頼性及び変換効率が高く、且つ大型化が容易な熱電変換モジュール及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
【非特許文献1】
西田勲夫、上村欣一著「熱電半導体とその応用」日刊工業新聞社、昭和63年12月20日発行、第113〜144頁
【非特許文献2】
梶川武信他編「熱電変換システム技術総覧」リアライズ社、平成7年6月30日発行、第24〜28頁
【特許文献1】
特開平8−255935号公報
【特許文献2】
特開平8−306965号公報
【特許文献3】
特開平8−18109号公報
【特許文献4】
特開平8−153899号公報
【特許文献5】
米国特許第5,856,210 号明細書
【特許文献6】
特開平11−340526号公報
【特許文献7】
特開2001−230458号公報
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を、下記▲1▼の熱電変換モジュール、下記▲2▼の熱電変換モジュール、及びそれらの製造方法を提供することにより達成したものである。
【0013】
▲1▼「複数の貫通孔及び該貫通孔間を連結する複数の電極用溝が設けられた電気的且つ熱的絶縁性型枠と、該型枠の上記貫通孔に交互に配列されたp型熱電素子及びn型熱電素子と、上記型枠の上記電極用溝に上記p型熱電素子と上記n型熱電素子とが交互に電気的に直列に接続するように埋設された溶射電極とからなり、上記型枠、上記p型及びn型熱電素子、並びに上記溶射電極が一体的に固着されている熱電変換モジュールであって、上記p型熱電素子と上記n型熱電素子との間を隔てる壁の厚さが2.5mm以下であることを特徴とする熱電変換モジュール。」
【0014】
▲2▼「複数の貫通孔及び該貫通孔間を連結する複数の電極用溝が設けられた電気的且つ熱的絶縁性型枠と、該型枠の上記貫通孔に交互に配列されたp型熱電素子及びn型熱電素子と、上記型枠の上記電極用溝に上記p型熱電素子と上記n型熱電素子とが交互に電気的に直列に接続するように埋設された溶射電極とからなり、上記型枠、上記p型及びn型熱電素子、並びに上記溶射電極が一体的に固着されている熱電変換モジュールであって、上記電極用溝の電極形成表面と、上記p型及びn型熱電素子の電極形成表面との段差が0.2mm以下であり、且つ、上記p型熱電素子と上記n型熱電素子との間を隔てる壁と、該熱電素子との間の間隙が0.6mm以下であることを特徴とする熱電変換モジュール。」
【0015】
「電気的且つ熱的絶縁性材料を用いて、複数の貫通孔及び該貫通孔間を連絡する複数の電極用溝が設けられた電気的且つ熱的絶縁性型枠を作製する工程と、上記型枠の上記貫通孔にp型熱電素子とn型熱電素子とを交互に配列する工程と、導電性材料を用いて、上記熱電素子を配列した型枠の両面に溶射電極を形成する工程と、上記型枠の上記電極用溝以外に形成された不要な溶射電極を除去する工程とを含む、上記▲1▼又は▲2▼の本発明の熱電変換モジュールを製造する方法。」
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、まず上記▲1▼の本発明の熱電変換モジュールを図1に示す好ましい実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態の熱電変換モジュール10は、複数の貫通孔12及び複数の電極用溝13が設けられた電気的且つ熱的絶縁性枠11と、該型枠11の上記貫通孔12に交互に配列されたp型熱電素子14及びn型熱電素子15と、上記型枠11の上記電極用溝13に埋設された溶射電極17と、該溶射電極17と上記p型及びn型熱電素子14及び15との間に形成された金属下地層16とから構成されている。
【0017】
そして、上記p型熱電素子14と上記n型熱電素子15とは、上記溶射電極17を介して交互に電気的に直列に接続されている。また、上記p型及びn型熱電素子14及び15、上記金属下地層16並びに上記溶射電極17は、上記型枠11に一体的に固着してある。
上記▲1▼の本発明の熱電変換モジュールは、上記p型熱電素子14と上記n型熱電素子15との間を隔てる壁(隔壁)18の厚さが、2.5mm以下であり、好ましくは2mm以下、より好ましくは1.5〜1.8mmである。
【0018】
上記電気的且つ熱的絶縁性型枠11としては、珪酸カルシウムを主成分とする材料から形成された成型体からなる型枠を使用することができる。珪酸カルシウムはゾノトライト及びトバモライトと言われる結晶相があり、これらに有機バインダーを混入し成型したものは人造木材と言われる。この人造木材は、不燃、低熱伝導率、軽量、さらには加工性が良いなどの特徴を有するため、熱電変換モジュールの絶縁性型枠として好適である。例えば、熱伝導率においては、一般的な鉛ガラスが1.2W/mKであるのに比べ、珪酸カルシウムの成型体は0.08W/mKであり1/15程度と小さく、また、一般的な耐熱性樹脂であるポリイミドの0.4W/mKと比較しても1/5程度と小さい。また、比重においては、鉛ガラス及びポリイミドがそれぞれ3.0及び1.4であるのに比べ、0.5程度と小さく、熱電変換モジュールの絶縁性型枠材料として望ましい。
【0019】
また、上記p型熱電素子14及び上記n型熱電素子15として使用される熱電材料は、公知であるBi2Te3系、BiSb系、FeSi2 系、PbTe系、SiGe系、ZnSb系などの熱電半導体の単結晶や焼結体などを使用することが可能であるが、絶縁性型枠11として上記の珪酸カルシウムの成型体からなる型枠を使用する場合は、該型枠の使用可能な温度領域からBi2Te3系が望ましい。上記p型熱電素子14及び上記n型熱電素子15の形状は、特に制限されないが、円柱状より、素子充填密度を高めることができる角柱状が好ましい。
【0020】
また、上記溶射電極17は、一般的なプラズマ溶射、ガス溶射、アーク溶射、高速フレーム溶射などの方法により形成可能であるが、緻密で均一な電極を得るためには、プラズマ溶射及びガス溶射の方法により形成することが望ましい。また、上記溶射電極17の材質としては、アルミニウムや銅などの導電性の高い金属が適するが、これらに限定されるものではない。また、上記溶射電極17は、熱電素子との剥離強度の向上や、接触電気抵抗の低減のため、熱電素子と電極との界面に他の導電性物質の溶射層(上記実施形態における上記金属下地層16)を介在させることもできる。
【0021】
上述の構成からなる上記▲1▼の本発明の熱電変換モジュールは、発電所などの排熱、ゴミ焼却設備の排熱、自動車の排熱、太陽光などを利用した熱電発電システムに適用することが可能である。
【0022】
次に、上記▲1▼の本発明の熱電変換モジュールの製造方法を、上述した図1に示す実施形態の熱電変換モジュールを製造する場合を例にとり、図2を参照しながら説明する。
まず、電気的且つ熱的絶縁材料を用いて、図2(a)に示すような、複数の貫通孔12及び該貫通孔12間を連絡する複数の電極用溝13が設けられた電気的且つ熱的絶縁性型枠11を作製する。この際、p型熱電素子14とn型熱電素子15との間を隔てる壁(隔壁)18の厚さが2.5mm以下となるように、上記貫通孔12を設ける。
【0023】
上記絶縁性材料として珪酸カルシウムを用いる場合は、まず珪酸カルシウムの成型体を、例えば特開昭62−123058号公報や特開平3−3635号公報に記載されている製造方法により製造し、得られた成型体を機械加工することにより上記絶縁性型枠11を作製すると良い。
【0024】
次に、図2(b)に示すように、上記絶縁性型枠11の上記貫通孔12に、p型熱電素子14とn型熱電素子15とを、素子スペーサー19及び20を用いて交互に配列する。
【0025】
次いで、素子スペーサー19及び20を取り外し、図2(c)に示すように、金属下地層16をプラスマ溶射などにより上記p型熱電素子14及び上記n型熱電素子15の両面に形成した後、アルミニウムや銅などの導電性材料を用いて、上記絶縁性型枠11の両面を被覆するように、溶射電極17を形成する。
【0026】
次いで、図2(d)に示すように、上記絶縁性型枠11の上記電極用溝13以外に形成された不要な溶射電極を平面研削盤などを用いて研削除去して、図1に示す実施形態の熱電変換モジュールを得る。
この不要な溶射電極を研削除去する際、絶縁性型枠11の表面も僅かに削り込むことによって、電極面の平面性が確保できる。
【0027】
次に、上記▲2▼の本発明の熱電変換モジュールの好ましい実施形態について説明する。
上記▲2▼の本発明の熱電変換モジュールの好ましい実施形態は、図1に示す熱電変換モジュールにおいて、電極用溝13の電極形成表面Aと、熱電素子14及び15の電極形成表面Bとの段差が0.2mm以下で、且つ、隔壁18と、熱電素子14及び15との間の間隙dが0.6mm以下のものであり、その基本構造は上述した上記▲1▼の本発明の熱電変換モジュールと同一である。
【0028】
上記▲2▼の本発明の熱電変換モジュールにおいて、上記段差は0.1mm以下であることが好ましく、また上記間隙dは0.3mm以下であることが好ましい。
【0029】
上記▲2▼の本発明の熱電変換モジュールは、上記▲1▼の本発明の熱電変換モジュールと同様、発電所などの排熱、ゴミ焼却設備の排熱、自動車の排熱、太陽光などを利用した熱電発電システムに好適に適用でき、また、その製造方法も、上記段差が0.2mm以下で、上記間隙dが0.6mm以下となるように設計する以外は、上述した上記▲1▼の本発明の熱電変換モジュールと同様の方法により製造することができる。
【0030】
【作用】
上記▲1▼の本発明(請求項1に係る発明)の熱電変換モジュールは、絶縁性型枠に設けられた複数の貫通孔及び電極用溝に熱電素子と電極を埋め込み、熱電素子間を隔てる壁(隔壁18)の厚さを2.5mm以下とすることにより、熱電素子と電極との間の密着強度を確保することができ、また素子充填密度を高め、出力を高めることもできる。熱電素子と電極との間の密着強度は、前記の特許文献7に記載されている「金属製マスクを使用する方法」によっても確保することができるが、本発明では、このようなマスクを不要にできる。上記金属製マスクの作用は、溶射電極の形成工程において、絶縁性型枠の材料である熱的絶縁性材料が、溶射粒子により削られ、熱電素子表面に飛散して汚染することを防止して、熱電素子と電極との間の密着力の低下を防止することにある。本発明では、上記隔壁18の厚さを小さくすることにより、上記飛散が抑制され、その結果として同様の作用を及ぼしたものと推定される。
【0031】
上記▲2▼の本発明(請求項2に係る発明)の熱電変換モジュールは、絶縁性型枠に設けられた複数の貫通孔及び電極用溝に熱電素子と電極を埋め込み、上記電極用溝の電極形成表面と、上記熱電素子の電極形成表面との段差を0.2mm以下とし、且つ、上記熱電素子間を隔てる壁と、該熱電素子との間の間隙を0.6mm以下とすることにより、電極部分の破損による性能低下を防止し、高い耐久性を得ることができる。
【0032】
請求項3に係る発明の熱電変換モジュールの製造方法によれば、比較的簡単な工程で、大面積の熱電変換モジュールを安価に作製でき、大規模な熱源に適応した熱電変換モジュールを得ることができる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明の効果を具体的に説明する。
【0034】
実施例1
本実施例では、内燃力発電所の400℃程度の排ガスを熱源とし、熱電素子材料としてBi2Te3系を、絶縁性型枠として珪酸カルシウムの成型体からなる型枠を、溶射電極としてアルミニウム溶射電極を、金属下地層としてモリブデン溶射層を、それぞれ使用した。
まず、珪酸カルシウムの成型体〔宇部興産(株)製、登録商標;ウッディセラム〕を用いて、図2(a)に示すような絶縁性型枠11を機械加工(NCルーター)によって作製した。その際、p型熱電素子14とn型熱電素子15との間を隔てる壁(隔壁)18の厚さが2.5mmとなるように設計し、加工を行った。珪酸カルシウムの成型体は上述したように不燃、低熱伝導率、軽量、さらには加工性が良いなどの特徴を有するため、熱電変換モジュールの絶縁性型枠として好適である。ここで示す珪酸カルシウムの成型体の製造方法は、例えば、特開昭62−123053号公報や特開平3−3635号公報に詳しく記述されている。
【0035】
次に、Bi2Te3系熱電素子を次のようにして作製した。まず、原子比でBi0.3 Sb1.7 Te3 (p型)、Bi2 Te2.4 Se0.6 (n型)となるように各原料を秤量した。n型には、SbI3を0.1重量%添加し、キャリア密度の調整を行った。次に、これらの原料をガラス管に真空封入し、650℃で1時間溶融攪拌し、Bi2Te3系熱電材料を作製した。これらの熱電材料をスタンプミル及びボールミルで平均粒径10μm程度まで粉砕した後、390℃で12時間の還元処理を行った。得られた熱電材料粉末をホットプレスを用いて490℃で15分の焼結により熱電材料の焼結体を得た。得られた焼結体を薄切り盤、超音波加工機などを用いて角柱状の熱電素子(12mm×12mm×7mmh)を作製した。
【0036】
次に、p型熱電素子14とn型熱電素子15をサンドブラスト処理し表面を粗面化した後、図2(b)に示すように素子スペーサー19及び20を用いて絶縁性型枠に交互に配列した。次いで、図2(c)に示すように、熱電素子とアルミニウム溶射電極の密着強度を向上させるためプラズマ溶射によりモリブデンの下地層16を100μm程度の厚みで形成した後、その上にアルミニウム溶射電極17を2mm程度の厚みで形成した。裏面のモリブデンの下地層とアルミニウム溶射電極の形成も同様にして行った。但し、素子スペーサーは裏面の溶射時には必要ない。
【0037】
次に、図2(d)に示すように、絶縁性型枠11の両面に形成されたアルミニウム溶射電極17を平面研削盤を用いて不要な部分を研削除去し、熱電変換モジュール10を10基作製した。この時、電極面の平面性を確保するために、絶縁性型枠も僅かに削り込んだ。
【0038】
以上のようにして作製した熱電変換モジュール(素子数31対、モジュール寸法150×80×10mm)を電気ヒーターと水冷板で挟み込み、低温面を30℃、高温面を230℃に設定することにより200℃温度差を印加し、発電特性の評価を行った。
測定には電子負荷装置を使用し、負荷抵抗は0.13Ωで測定を行った。その結果、内部抵抗は平均で0.135Ωと低減しており、1つの熱電変換モジュールで平均12.05Wの最大電気出力を発生することができた。また、上述の条件で3ヵ月間の連続試験を行ったところ、発電性能の低下は認められず、信頼性においても優れたものであることが確認された。
【0039】
比較例1
珪酸カルシウムの成型体を作製する際、p型熱電素子14とn型熱電素子15との間を隔てる壁(隔壁)18の厚さが3mmとなるように設計し、加工を行った以外は、実施例1と同一の工程により10基の熱電変換モジュールを作製し、実施例1と同様の試験を実施した。
その結果、全ての熱電変換モジュールは、その内部抵抗が0.5Ω以上と実施例1の熱電変換モジュールに比べて大きく、所定の性能を発揮できなかった。
熱電変換モジュールを分解して内部を観察したところ、アルミニウム溶射電極と熱電素子との接合部分が剥離しているものや、埋め込んだ熱電素子間を結合するアルミニウム溶射電極に、電極用溝と接する面に凹凸があり、一部変色が観察され、そのような部分を持つ電極について、電気抵抗を測定すると、所定の抵抗を大きく超える値を示した。
この不具合の原因は、以下のように解釈されるが、この解釈は本発明を何等制限するものではない。プラズマ溶射の際に、条件の微妙な変動によって、隔壁の電極形成表面の一部がブラスト効果により飛散し、それが隣接する熱電素子表面に堆積あるいは溶射電極そのものに混入し、熱電素子と電極との間の密着強度の低下や、電極の剥離が生じたものと推定される。
【0040】
参考例1
熱電素子の形状を円柱状(12mmφ×7mmh)とし、その形状に合わせて図3に示すような型枠を利用する以外は、実施例1と同一の工程により多数の熱電変換モジュールを作製したところ、その一つに、熱電変換モジュールのインピーダンスが異常に高いものがあった。その原因を調べるため、この熱電変換モジュールを分解して内部を観察した。熱電変換モジュールの分解は、図3に示すように、切断線a〜dの通りに電極の並びに平行に且つ切断線1〜8の通りに電極の並びに垂直に切断した。
これらの切断面を観察したところ、電極が剥離している箇所はなかったが、電極の周辺部に一部亀裂が発生している箇所があり、この亀裂箇所が性能低下の原因となっていた。これらの切断面における「電極用溝の電極形成表面と熱電素子の電極形成表面との段差」及び「隔壁と熱電素子との間の間隙」を測定した結果は、下記の表1、表2及び表3に示す通りであった。上記の亀裂箇所は、上記段差が0.25mmである表・低温面側の(d,1)、上記段差が0.21mmである裏・高温面側の(d,7)及び上記間隙が0.62mmである(b,3)の3箇所であり、何れも、上記段差が0.2mm超であるか又は上記間隙が0.6mm超である箇所であった。
この亀裂の発生の原因は、以下のように推定されるが、この推定は本発明を何等制限するものではない。上記切断面の亀裂箇所を詳細に観察したところ、亀裂箇所付近は何れも、溶射金属層が他の箇所に比べて空隙が多く見られた。該空隙は、恰も熱電素子と型枠との間の空隙箇所や段差箇所から成長しているように見受けられ、上記亀裂は、このような空隙が多く且つそのため強度が低いと推測される箇所から発生するものと考えられる。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
実施例2
電極用溝13の電極形成表面Aと熱電素子14及び15の電極形成表面Bとの段差が0.2mm以下、且つ、隔壁18と熱電素子14及び15との間の間隙dが0.3mm以下となるように設計し、加工を行った以外は、実施例1と同一の工程により多数の熱電変換モジュールを作製した。何れの熱電変換モジュールにも異常は認められなかった。
【0045】
【発明の効果】
本発明の熱電変換モジュールは、製造上歩留りが高く、信頼性及び変換効率が高く、且つ素子充填密度が高いため、高い出力を発生できる高性能の熱電変換モジュールであり、また大型化が容易なものである。
また、本発明の熱電変換モジュールの製造方法によれば、上記の本発明の熱電変換モジュールを効率的に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の熱電変換モジュールの一実施形態を示す断面図である。
【図2】図2(a)、(b)、(c)及び(d)は、本発明の熱電変換モジュールの製造方法の一例を示す工程図である。
【図3】図3は、参考例1における熱電変換モジュールの切断態様を示す図である。
【符号の説明】
10 熱電変換モジュール
11 絶縁性型枠
12 貫通孔
13 電極用溝
14 p型熱電素子
15 n型熱電素子
16 金属下地層
17 溶射電極
18 隔壁
A 電極用溝の電極形成表面
B 熱電素子の電極形成表面
d 間隙
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱を直接電気に変換する熱電変換モジュール及びその製造方法に関するものであって、特に発電プラントやゴミ焼却施設などの大規模な排熱を熱源とする熱電発電装置において有用なものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
熱電変換モジュールは、通常複数個のp型熱電素子とn型熱電素子とを交互に配置し、これらの熱電素子を金属などの導電性材料を介して電気的に直列に接続することによって作製される。この熱電変換モジュールは、熱電素子に温度差を与えることによりゼーベック効果による熱起電力を発生し、電気的な負荷を接続することにより熱の一部を電力に変換して取り出すことができる。この熱電変換モジュールを用いた発電装置は、構造が簡単で、振動、騒音、摩耗などを生じる可動部がなく、熱源の規模を選ばないなどの特徴があるため、携帯型電源や、各種の排熱を電力として回収し有効利用する手段として注目されている。
【0003】
一般に、このような熱電変換モジュールは、例えば、次のような方法で作製される。まず、p型及びn型熱電材料を焼結し、得られた焼結体を、電極との接合面にはんだ付けをするためのニッケルめっきなどの表面処理を施した後、所望の大きさに切断し、p型及びn型熱電素子を作製する。次に、p型及びn型熱電素子を交互に配置し、所定の電気的接続となるように金属電極にはんだ付けして、熱電変換モジュールを得る。また、熱電変換モジュールの電極面を電気的に絶縁する必要があることと、機械的強度の向上のため、熱電変換モジュールの電極面を、熱伝導性の良いアルミナセラミックスなどの電気的な絶縁板とはんだ接合することが行われている。また、この他にも、電極面が絶縁板と固定されていないスケルトンタイプといわれるものが一般的に知られている。このような熱電変換モジュールに係わる全般的な技術は、例えば、非特許文献1や非特許文献2に詳述されている。
【0004】
また、信頼性を向上させた熱電変換モジュールとして、各接合部での熱膨張率の差によって生ずる破損を解決するために、各熱電素子を金属ペーストを介して金属セグメントで挟み込みネジ止めによって固定する方法(例えば、特許文献1及び2を参照)や、小型の素子を用いた熱電変換モジュールの機械的強度の向上のため、熱電素子が樹脂、セラミックス、ガラスなどの絶縁性の物質に埋め込まれた構造を有する熱電変換モジュール(例えば、特許文献3及び4を参照)も提案されている。また、樹脂の型枠に熱電素子が埋め込まれ、電極としてアルミニウム溶射層を用いた熱電変換モジュール(例えば、特許文献5を参照)が発明されている。
【0005】
しかしながら、熱電変換モジュールは、大きい温度差を印加するほど発電性能が向上することが知られているが、熱電素子と電極などの接合にはんだなどのろう材を使用すると、上限温度がろう材に支配されるとともに、ろう材の成分が熱電素子中へ拡散することによる発電性能の低下が懸念される。
【0006】
また、機械的強度を向上させるために、電極面が絶縁板とはんだ接合された熱電変換モジュールでは、各部材の熱膨張率の差によって素子破壊が生じやすく、信頼性が劣るといった問題点があった。この点を解決するために、スケルトンタイプの熱電変換モジュールも提案されているが、機械的強度が低く、取扱いが不便であるといった問題点が指摘されている。
【0007】
また、熱電素子がセラミックス、樹脂又はガラスなどに埋め込まれた構造を有する熱電変換モジュールは、熱伝導率、比重、及び加工性などの観点から、さらに好適な材質が要求されている。
【0008】
また、大規模な排熱を熱源とした場合には、設計施工上やメンテナンス上の観点から大型の熱電変換モジュールが望まれているが、従来の熱電変換モジュールは、構造が複雑で大型化には不向きであった。
【0009】
上述の現状に鑑み、本願出願人は、先に、素子断面積が113mm2 程度の大断面積をもつ熱電素子を使用し、1基で59W程度の大電力を発生する熱電変換モジュールを提案した(特許文献6を参照)。さらに、当該熱電変換モジュールの耐久性を向上させるため、複数の貫通孔及び該貫通孔間を連結する複数の電極用溝が設けられた電気的且つ熱的絶縁性型枠と、該型枠の上記貫通孔に交互に配列されたp型熱電素子及びn型熱電素子と、上記型枠の上記電極用溝に上記p型熱電素子と上記n型熱電素子とが交互に電気的に直列に接続するように埋設された溶射電極とからなる熱電変換モジュールにおいて、上記型枠の上記電極用溝の底面に金属製マスクを固定することにより、良質の溶射電極を形成する方法を提案した(特許文献7を参照)。しかしながら、この方法は、上記金属製マスクを小さなピンで上記電極用溝に固定するため、煩雑であり、製造コストに問題があった。
【0010】
従って、本発明の目的は、このような従来の課題が解消された熱電変換モジュール、即ち信頼性及び変換効率が高く、且つ大型化が容易な熱電変換モジュール及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
【非特許文献1】
西田勲夫、上村欣一著「熱電半導体とその応用」日刊工業新聞社、昭和63年12月20日発行、第113〜144頁
【非特許文献2】
梶川武信他編「熱電変換システム技術総覧」リアライズ社、平成7年6月30日発行、第24〜28頁
【特許文献1】
特開平8−255935号公報
【特許文献2】
特開平8−306965号公報
【特許文献3】
特開平8−18109号公報
【特許文献4】
特開平8−153899号公報
【特許文献5】
米国特許第5,856,210 号明細書
【特許文献6】
特開平11−340526号公報
【特許文献7】
特開2001−230458号公報
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を、下記▲1▼の熱電変換モジュール、下記▲2▼の熱電変換モジュール、及びそれらの製造方法を提供することにより達成したものである。
【0013】
▲1▼「複数の貫通孔及び該貫通孔間を連結する複数の電極用溝が設けられた電気的且つ熱的絶縁性型枠と、該型枠の上記貫通孔に交互に配列されたp型熱電素子及びn型熱電素子と、上記型枠の上記電極用溝に上記p型熱電素子と上記n型熱電素子とが交互に電気的に直列に接続するように埋設された溶射電極とからなり、上記型枠、上記p型及びn型熱電素子、並びに上記溶射電極が一体的に固着されている熱電変換モジュールであって、上記p型熱電素子と上記n型熱電素子との間を隔てる壁の厚さが2.5mm以下であることを特徴とする熱電変換モジュール。」
【0014】
▲2▼「複数の貫通孔及び該貫通孔間を連結する複数の電極用溝が設けられた電気的且つ熱的絶縁性型枠と、該型枠の上記貫通孔に交互に配列されたp型熱電素子及びn型熱電素子と、上記型枠の上記電極用溝に上記p型熱電素子と上記n型熱電素子とが交互に電気的に直列に接続するように埋設された溶射電極とからなり、上記型枠、上記p型及びn型熱電素子、並びに上記溶射電極が一体的に固着されている熱電変換モジュールであって、上記電極用溝の電極形成表面と、上記p型及びn型熱電素子の電極形成表面との段差が0.2mm以下であり、且つ、上記p型熱電素子と上記n型熱電素子との間を隔てる壁と、該熱電素子との間の間隙が0.6mm以下であることを特徴とする熱電変換モジュール。」
【0015】
「電気的且つ熱的絶縁性材料を用いて、複数の貫通孔及び該貫通孔間を連絡する複数の電極用溝が設けられた電気的且つ熱的絶縁性型枠を作製する工程と、上記型枠の上記貫通孔にp型熱電素子とn型熱電素子とを交互に配列する工程と、導電性材料を用いて、上記熱電素子を配列した型枠の両面に溶射電極を形成する工程と、上記型枠の上記電極用溝以外に形成された不要な溶射電極を除去する工程とを含む、上記▲1▼又は▲2▼の本発明の熱電変換モジュールを製造する方法。」
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、まず上記▲1▼の本発明の熱電変換モジュールを図1に示す好ましい実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態の熱電変換モジュール10は、複数の貫通孔12及び複数の電極用溝13が設けられた電気的且つ熱的絶縁性枠11と、該型枠11の上記貫通孔12に交互に配列されたp型熱電素子14及びn型熱電素子15と、上記型枠11の上記電極用溝13に埋設された溶射電極17と、該溶射電極17と上記p型及びn型熱電素子14及び15との間に形成された金属下地層16とから構成されている。
【0017】
そして、上記p型熱電素子14と上記n型熱電素子15とは、上記溶射電極17を介して交互に電気的に直列に接続されている。また、上記p型及びn型熱電素子14及び15、上記金属下地層16並びに上記溶射電極17は、上記型枠11に一体的に固着してある。
上記▲1▼の本発明の熱電変換モジュールは、上記p型熱電素子14と上記n型熱電素子15との間を隔てる壁(隔壁)18の厚さが、2.5mm以下であり、好ましくは2mm以下、より好ましくは1.5〜1.8mmである。
【0018】
上記電気的且つ熱的絶縁性型枠11としては、珪酸カルシウムを主成分とする材料から形成された成型体からなる型枠を使用することができる。珪酸カルシウムはゾノトライト及びトバモライトと言われる結晶相があり、これらに有機バインダーを混入し成型したものは人造木材と言われる。この人造木材は、不燃、低熱伝導率、軽量、さらには加工性が良いなどの特徴を有するため、熱電変換モジュールの絶縁性型枠として好適である。例えば、熱伝導率においては、一般的な鉛ガラスが1.2W/mKであるのに比べ、珪酸カルシウムの成型体は0.08W/mKであり1/15程度と小さく、また、一般的な耐熱性樹脂であるポリイミドの0.4W/mKと比較しても1/5程度と小さい。また、比重においては、鉛ガラス及びポリイミドがそれぞれ3.0及び1.4であるのに比べ、0.5程度と小さく、熱電変換モジュールの絶縁性型枠材料として望ましい。
【0019】
また、上記p型熱電素子14及び上記n型熱電素子15として使用される熱電材料は、公知であるBi2Te3系、BiSb系、FeSi2 系、PbTe系、SiGe系、ZnSb系などの熱電半導体の単結晶や焼結体などを使用することが可能であるが、絶縁性型枠11として上記の珪酸カルシウムの成型体からなる型枠を使用する場合は、該型枠の使用可能な温度領域からBi2Te3系が望ましい。上記p型熱電素子14及び上記n型熱電素子15の形状は、特に制限されないが、円柱状より、素子充填密度を高めることができる角柱状が好ましい。
【0020】
また、上記溶射電極17は、一般的なプラズマ溶射、ガス溶射、アーク溶射、高速フレーム溶射などの方法により形成可能であるが、緻密で均一な電極を得るためには、プラズマ溶射及びガス溶射の方法により形成することが望ましい。また、上記溶射電極17の材質としては、アルミニウムや銅などの導電性の高い金属が適するが、これらに限定されるものではない。また、上記溶射電極17は、熱電素子との剥離強度の向上や、接触電気抵抗の低減のため、熱電素子と電極との界面に他の導電性物質の溶射層(上記実施形態における上記金属下地層16)を介在させることもできる。
【0021】
上述の構成からなる上記▲1▼の本発明の熱電変換モジュールは、発電所などの排熱、ゴミ焼却設備の排熱、自動車の排熱、太陽光などを利用した熱電発電システムに適用することが可能である。
【0022】
次に、上記▲1▼の本発明の熱電変換モジュールの製造方法を、上述した図1に示す実施形態の熱電変換モジュールを製造する場合を例にとり、図2を参照しながら説明する。
まず、電気的且つ熱的絶縁材料を用いて、図2(a)に示すような、複数の貫通孔12及び該貫通孔12間を連絡する複数の電極用溝13が設けられた電気的且つ熱的絶縁性型枠11を作製する。この際、p型熱電素子14とn型熱電素子15との間を隔てる壁(隔壁)18の厚さが2.5mm以下となるように、上記貫通孔12を設ける。
【0023】
上記絶縁性材料として珪酸カルシウムを用いる場合は、まず珪酸カルシウムの成型体を、例えば特開昭62−123058号公報や特開平3−3635号公報に記載されている製造方法により製造し、得られた成型体を機械加工することにより上記絶縁性型枠11を作製すると良い。
【0024】
次に、図2(b)に示すように、上記絶縁性型枠11の上記貫通孔12に、p型熱電素子14とn型熱電素子15とを、素子スペーサー19及び20を用いて交互に配列する。
【0025】
次いで、素子スペーサー19及び20を取り外し、図2(c)に示すように、金属下地層16をプラスマ溶射などにより上記p型熱電素子14及び上記n型熱電素子15の両面に形成した後、アルミニウムや銅などの導電性材料を用いて、上記絶縁性型枠11の両面を被覆するように、溶射電極17を形成する。
【0026】
次いで、図2(d)に示すように、上記絶縁性型枠11の上記電極用溝13以外に形成された不要な溶射電極を平面研削盤などを用いて研削除去して、図1に示す実施形態の熱電変換モジュールを得る。
この不要な溶射電極を研削除去する際、絶縁性型枠11の表面も僅かに削り込むことによって、電極面の平面性が確保できる。
【0027】
次に、上記▲2▼の本発明の熱電変換モジュールの好ましい実施形態について説明する。
上記▲2▼の本発明の熱電変換モジュールの好ましい実施形態は、図1に示す熱電変換モジュールにおいて、電極用溝13の電極形成表面Aと、熱電素子14及び15の電極形成表面Bとの段差が0.2mm以下で、且つ、隔壁18と、熱電素子14及び15との間の間隙dが0.6mm以下のものであり、その基本構造は上述した上記▲1▼の本発明の熱電変換モジュールと同一である。
【0028】
上記▲2▼の本発明の熱電変換モジュールにおいて、上記段差は0.1mm以下であることが好ましく、また上記間隙dは0.3mm以下であることが好ましい。
【0029】
上記▲2▼の本発明の熱電変換モジュールは、上記▲1▼の本発明の熱電変換モジュールと同様、発電所などの排熱、ゴミ焼却設備の排熱、自動車の排熱、太陽光などを利用した熱電発電システムに好適に適用でき、また、その製造方法も、上記段差が0.2mm以下で、上記間隙dが0.6mm以下となるように設計する以外は、上述した上記▲1▼の本発明の熱電変換モジュールと同様の方法により製造することができる。
【0030】
【作用】
上記▲1▼の本発明(請求項1に係る発明)の熱電変換モジュールは、絶縁性型枠に設けられた複数の貫通孔及び電極用溝に熱電素子と電極を埋め込み、熱電素子間を隔てる壁(隔壁18)の厚さを2.5mm以下とすることにより、熱電素子と電極との間の密着強度を確保することができ、また素子充填密度を高め、出力を高めることもできる。熱電素子と電極との間の密着強度は、前記の特許文献7に記載されている「金属製マスクを使用する方法」によっても確保することができるが、本発明では、このようなマスクを不要にできる。上記金属製マスクの作用は、溶射電極の形成工程において、絶縁性型枠の材料である熱的絶縁性材料が、溶射粒子により削られ、熱電素子表面に飛散して汚染することを防止して、熱電素子と電極との間の密着力の低下を防止することにある。本発明では、上記隔壁18の厚さを小さくすることにより、上記飛散が抑制され、その結果として同様の作用を及ぼしたものと推定される。
【0031】
上記▲2▼の本発明(請求項2に係る発明)の熱電変換モジュールは、絶縁性型枠に設けられた複数の貫通孔及び電極用溝に熱電素子と電極を埋め込み、上記電極用溝の電極形成表面と、上記熱電素子の電極形成表面との段差を0.2mm以下とし、且つ、上記熱電素子間を隔てる壁と、該熱電素子との間の間隙を0.6mm以下とすることにより、電極部分の破損による性能低下を防止し、高い耐久性を得ることができる。
【0032】
請求項3に係る発明の熱電変換モジュールの製造方法によれば、比較的簡単な工程で、大面積の熱電変換モジュールを安価に作製でき、大規模な熱源に適応した熱電変換モジュールを得ることができる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明の効果を具体的に説明する。
【0034】
実施例1
本実施例では、内燃力発電所の400℃程度の排ガスを熱源とし、熱電素子材料としてBi2Te3系を、絶縁性型枠として珪酸カルシウムの成型体からなる型枠を、溶射電極としてアルミニウム溶射電極を、金属下地層としてモリブデン溶射層を、それぞれ使用した。
まず、珪酸カルシウムの成型体〔宇部興産(株)製、登録商標;ウッディセラム〕を用いて、図2(a)に示すような絶縁性型枠11を機械加工(NCルーター)によって作製した。その際、p型熱電素子14とn型熱電素子15との間を隔てる壁(隔壁)18の厚さが2.5mmとなるように設計し、加工を行った。珪酸カルシウムの成型体は上述したように不燃、低熱伝導率、軽量、さらには加工性が良いなどの特徴を有するため、熱電変換モジュールの絶縁性型枠として好適である。ここで示す珪酸カルシウムの成型体の製造方法は、例えば、特開昭62−123053号公報や特開平3−3635号公報に詳しく記述されている。
【0035】
次に、Bi2Te3系熱電素子を次のようにして作製した。まず、原子比でBi0.3 Sb1.7 Te3 (p型)、Bi2 Te2.4 Se0.6 (n型)となるように各原料を秤量した。n型には、SbI3を0.1重量%添加し、キャリア密度の調整を行った。次に、これらの原料をガラス管に真空封入し、650℃で1時間溶融攪拌し、Bi2Te3系熱電材料を作製した。これらの熱電材料をスタンプミル及びボールミルで平均粒径10μm程度まで粉砕した後、390℃で12時間の還元処理を行った。得られた熱電材料粉末をホットプレスを用いて490℃で15分の焼結により熱電材料の焼結体を得た。得られた焼結体を薄切り盤、超音波加工機などを用いて角柱状の熱電素子(12mm×12mm×7mmh)を作製した。
【0036】
次に、p型熱電素子14とn型熱電素子15をサンドブラスト処理し表面を粗面化した後、図2(b)に示すように素子スペーサー19及び20を用いて絶縁性型枠に交互に配列した。次いで、図2(c)に示すように、熱電素子とアルミニウム溶射電極の密着強度を向上させるためプラズマ溶射によりモリブデンの下地層16を100μm程度の厚みで形成した後、その上にアルミニウム溶射電極17を2mm程度の厚みで形成した。裏面のモリブデンの下地層とアルミニウム溶射電極の形成も同様にして行った。但し、素子スペーサーは裏面の溶射時には必要ない。
【0037】
次に、図2(d)に示すように、絶縁性型枠11の両面に形成されたアルミニウム溶射電極17を平面研削盤を用いて不要な部分を研削除去し、熱電変換モジュール10を10基作製した。この時、電極面の平面性を確保するために、絶縁性型枠も僅かに削り込んだ。
【0038】
以上のようにして作製した熱電変換モジュール(素子数31対、モジュール寸法150×80×10mm)を電気ヒーターと水冷板で挟み込み、低温面を30℃、高温面を230℃に設定することにより200℃温度差を印加し、発電特性の評価を行った。
測定には電子負荷装置を使用し、負荷抵抗は0.13Ωで測定を行った。その結果、内部抵抗は平均で0.135Ωと低減しており、1つの熱電変換モジュールで平均12.05Wの最大電気出力を発生することができた。また、上述の条件で3ヵ月間の連続試験を行ったところ、発電性能の低下は認められず、信頼性においても優れたものであることが確認された。
【0039】
比較例1
珪酸カルシウムの成型体を作製する際、p型熱電素子14とn型熱電素子15との間を隔てる壁(隔壁)18の厚さが3mmとなるように設計し、加工を行った以外は、実施例1と同一の工程により10基の熱電変換モジュールを作製し、実施例1と同様の試験を実施した。
その結果、全ての熱電変換モジュールは、その内部抵抗が0.5Ω以上と実施例1の熱電変換モジュールに比べて大きく、所定の性能を発揮できなかった。
熱電変換モジュールを分解して内部を観察したところ、アルミニウム溶射電極と熱電素子との接合部分が剥離しているものや、埋め込んだ熱電素子間を結合するアルミニウム溶射電極に、電極用溝と接する面に凹凸があり、一部変色が観察され、そのような部分を持つ電極について、電気抵抗を測定すると、所定の抵抗を大きく超える値を示した。
この不具合の原因は、以下のように解釈されるが、この解釈は本発明を何等制限するものではない。プラズマ溶射の際に、条件の微妙な変動によって、隔壁の電極形成表面の一部がブラスト効果により飛散し、それが隣接する熱電素子表面に堆積あるいは溶射電極そのものに混入し、熱電素子と電極との間の密着強度の低下や、電極の剥離が生じたものと推定される。
【0040】
参考例1
熱電素子の形状を円柱状(12mmφ×7mmh)とし、その形状に合わせて図3に示すような型枠を利用する以外は、実施例1と同一の工程により多数の熱電変換モジュールを作製したところ、その一つに、熱電変換モジュールのインピーダンスが異常に高いものがあった。その原因を調べるため、この熱電変換モジュールを分解して内部を観察した。熱電変換モジュールの分解は、図3に示すように、切断線a〜dの通りに電極の並びに平行に且つ切断線1〜8の通りに電極の並びに垂直に切断した。
これらの切断面を観察したところ、電極が剥離している箇所はなかったが、電極の周辺部に一部亀裂が発生している箇所があり、この亀裂箇所が性能低下の原因となっていた。これらの切断面における「電極用溝の電極形成表面と熱電素子の電極形成表面との段差」及び「隔壁と熱電素子との間の間隙」を測定した結果は、下記の表1、表2及び表3に示す通りであった。上記の亀裂箇所は、上記段差が0.25mmである表・低温面側の(d,1)、上記段差が0.21mmである裏・高温面側の(d,7)及び上記間隙が0.62mmである(b,3)の3箇所であり、何れも、上記段差が0.2mm超であるか又は上記間隙が0.6mm超である箇所であった。
この亀裂の発生の原因は、以下のように推定されるが、この推定は本発明を何等制限するものではない。上記切断面の亀裂箇所を詳細に観察したところ、亀裂箇所付近は何れも、溶射金属層が他の箇所に比べて空隙が多く見られた。該空隙は、恰も熱電素子と型枠との間の空隙箇所や段差箇所から成長しているように見受けられ、上記亀裂は、このような空隙が多く且つそのため強度が低いと推測される箇所から発生するものと考えられる。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
実施例2
電極用溝13の電極形成表面Aと熱電素子14及び15の電極形成表面Bとの段差が0.2mm以下、且つ、隔壁18と熱電素子14及び15との間の間隙dが0.3mm以下となるように設計し、加工を行った以外は、実施例1と同一の工程により多数の熱電変換モジュールを作製した。何れの熱電変換モジュールにも異常は認められなかった。
【0045】
【発明の効果】
本発明の熱電変換モジュールは、製造上歩留りが高く、信頼性及び変換効率が高く、且つ素子充填密度が高いため、高い出力を発生できる高性能の熱電変換モジュールであり、また大型化が容易なものである。
また、本発明の熱電変換モジュールの製造方法によれば、上記の本発明の熱電変換モジュールを効率的に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の熱電変換モジュールの一実施形態を示す断面図である。
【図2】図2(a)、(b)、(c)及び(d)は、本発明の熱電変換モジュールの製造方法の一例を示す工程図である。
【図3】図3は、参考例1における熱電変換モジュールの切断態様を示す図である。
【符号の説明】
10 熱電変換モジュール
11 絶縁性型枠
12 貫通孔
13 電極用溝
14 p型熱電素子
15 n型熱電素子
16 金属下地層
17 溶射電極
18 隔壁
A 電極用溝の電極形成表面
B 熱電素子の電極形成表面
d 間隙
Claims (4)
- 複数の貫通孔及び該貫通孔間を連結する複数の電極用溝が設けられた電気的且つ熱的絶縁性型枠と、該型枠の上記貫通孔に交互に配列されたp型熱電素子及びn型熱電素子と、上記型枠の上記電極用溝に上記p型熱電素子と上記n型熱電素子とが交互に電気的に直列に接続するように埋設された溶射電極とからなり、上記型枠、上記p型及びn型熱電素子、並びに上記溶射電極が一体的に固着されている熱電変換モジュールであって、上記p型熱電素子と上記n型熱電素子との間を隔てる壁の厚さが2.5mm以下であることを特徴とする熱電変換モジュール。
- 複数の貫通孔及び該貫通孔間を連結する複数の電極用溝が設けられた電気的且つ熱的絶縁性型枠と、該型枠の上記貫通孔に交互に配列されたp型熱電素子及びn型熱電素子と、上記型枠の上記電極用溝に上記p型熱電素子と上記n型熱電素子とが交互に電気的に直列に接続するように埋設された溶射電極とからなり、上記型枠、上記p型及びn型熱電素子、並びに上記溶射電極が一体的に固着されている熱電変換モジュールであって、上記電極用溝の電極形成表面と、上記p型及びn型熱電素子の電極形成表面との段差が0.2mm以下であり、且つ、上記p型熱電素子と上記n型熱電素子との間を隔てる壁と、該熱電素子との間の間隙が0.6mm以下であることを特徴とする熱電変換モジュール。
- 上記型枠が、珪酸カルシウムを主成分とする電気的且つ熱的絶縁性材料からなる請求項1又は2記載の熱電変換モジュール。
- 電気的且つ熱的絶縁性材料を用いて、複数の貫通孔及び該貫通孔間を連絡する複数の電極用溝が設けられた電気的且つ熱的絶縁性型枠を作製する工程と、上記型枠の上記貫通孔にp型熱電素子とn型熱電素子とを交互に配列する工程と、導電性材料を用いて、上記熱電素子を配列した型枠の両面に溶射電極を形成する工程と、上記型枠の上記電極用溝以外に形成された不要な溶射電極を除去する工程とを含む、請求項1〜3の何れかに記載の熱電変換モジュールを製造する方法。
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