JP7279522B2 - 熱伝導シート及び熱伝導シート製造方法 - Google Patents

熱伝導シート及び熱伝導シート製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱伝導シート及び熱伝導シート製造方法に関する。
一般に、パワートランジスタ、ダイオードなどからなるパワーモジュールは、その作動に伴い発熱する。特に、出力電力が比較的大きいパワーモジュールの発熱量は大きい。そこで、パワーモジュールの熱破壊を防止するため、パワーモジュールに、金属製(例えば、アルミニウム合金製又銅製)の放熱器(ヒートシンク)が装着され、その冷却効率が高められる。この場合、パワーモジュールの熱をヒートシンクへ効率的に伝導させるための熱伝導シートが、パワーモジュールとヒートシンクとの間に挟み込まれる。一般に、熱伝導シートは、熱伝達部材(フィラー)を含む合成樹脂材からなる。この合成樹脂材がパワーモジュールとヒートシンクとの間に挟み込まれた状態で少し溶融され、パワーモジュールとヒートシンクとが熱伝導シートを介して接合(接着)される。
例えば、特許文献1の熱伝導シートは、有機バインダに熱伝達部材としてのグラファイト微粒子とカーボンブラックを混ぜた有機溶媒分散液を金型のキャビティ内に注入(塗布)し、前記有機溶媒分散液を乾燥させて得られたシート状部材を焼成することにより製造される。この熱伝導シートは、シート面(表面及び裏面)に平行な方向へ熱を伝達し易い。つまり、シート厚方向への熱伝導率に比べて、シート面に平行な方向の熱伝導率が高い。
特開2015-212211号公報
特許文献1の熱伝導シートにおいては、熱伝達部材が、熱伝導シートの全体に亘って、略均一に分散配置されている。この場合、熱伝達性能を高くするために熱伝達部材の密度を高くすると、接合材(接着剤)として機能する合成樹脂材が相対的に減少し、熱伝導シートの接合性能(接着性能)が低下する。
本発明は上記課題に対処するためになされたもので、その目的は、発熱体と放熱器との間に挟み込まれる熱伝導シートであって、熱伝達性能を損なうことなく、発熱体及び放熱器との接合強度を向上させた熱伝導シート及びその製造方法を提供することにある。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の各構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
上記目的を達成するために、本発明の熱伝導シート(1、1A、1B)は、第1部材(PM)と第2部材(HS)との間に挟み込まれて、前記第1部材及び前記第2部材に接合され、前記第1部材から前記第2部材へ熱を伝達する。本発明に係る熱伝導シートは、シート厚方向に積層され、互いに融着された合成樹脂製の複数の階層部(11,12,13,14,15)を有する。前記複数の階層部は、シート厚方向に貫通する貫通孔(TH)をそれぞれ有し、前記複数の階層部のうち、隣接する2つの階層部のうちの一方の階層部の前記貫通孔の一部のみが、他方の階層部の前記貫通孔に重畳されている。前記貫通孔内に熱伝達部材(F)が充填され、前記貫通孔内において、前記熱伝達部材における熱を伝達し易い方向が前記シート厚方向を向くように、前記熱伝達部材が配置されている。
本発明の一実施態様に係る熱伝導シートにおいて、熱伝達率の異なる2つの領域(HA,LA)を有し、各階層部における、前記2つの領域のうちの熱伝達率の高い領域を(HA)を構成する部分に、複数の前記貫通孔が形成されている。
また、本発明の熱伝導シート製造方法は、合成樹脂製の第1シートであって、その板厚方向に貫通する貫通孔を有する第1シートを基台(B)に載置する第1シート配置工程と、前記貫通孔に熱伝達部材を充填する第1充填工程と、合成樹脂製の第2シートであって、その板厚方向に貫通する貫通孔を有する第2シートを、前記第1シートの貫通孔の一部に前記第2シートの貫通孔の一部が重畳されるように、前記第1シートに重畳する第2シート配置工程と、前記第2シートの前記貫通孔に前記熱伝達部材を充填する第2充填工程と、を含む。
上記のように構成された熱伝導シートにおいて、各階層部の貫通孔内に熱伝達部材が充填されている。それらの熱伝達部材における熱を伝達し易い方向がシート厚方向を向くように、熱伝達部材が配向されている。そして、シート厚方向に隣接する2つの階層部の貫通孔の一部のみが重畳されている。これらの貫通孔の重畳部において熱伝達部材がシート厚方向に連続しており、当該部位を通って、第1部材の熱が、効率的に第2部材に伝達される。
また、熱伝導シートの一方の側面及び他方の側面における貫通孔を除く部分は、合成樹脂材のみからなり、当該部分が少し軟化(溶融)されて、第1部材及び第2部材にそれぞれ接合(接着)可能である。これにより、十分な接合強度(接着強度)が得られる。
上記のように、本発明によれば、熱伝達性能を損なうことなく、接合強度を向上させた熱伝導シート及びその製造方法を提供できる。
本発明の一実施形態に係る熱伝導シートが適用された電力供給装置の外観図である。 図1の熱伝導シートの平面図である。 図2のIII-III断面図である。 積層体の分解斜視図である。 図4の積層体を構成する2種類のシートのうちの一方のシートの平面図である。 図4の積層体を構成する2種類のシートのうちの他方のシートの平面図である。 フィラーを充填する工程を示す概略図である。 本発明の変形例に係る熱伝導シートを形成する積層体の分解斜視図である。 本発明の他の変形例に係る熱伝導シートを形成する積層体の断面図である。 図9Aの積層体を熱圧着した状態を示す断面図である。 図9Bの積層体を切断して得られた熱伝導シートの断面図である。
本発明の一実施形態に係る熱伝導シート1について説明する。熱伝導シート1は、例えば、図1に示すような電力供給装置PSに適用される。まず、電力供給装置PSの構成について簡単に説明しておく。電力供給装置PSは、パワーモジュールPM、ヒートシンクHS及び熱伝導シート1を備える。
パワーモジュールPMは、パワートランジスタ、ダイオードなどから構成され、直流電力を交流電力に変換する。パワーモジュールPMは、例えば、略長方形のカード型(板状)に形成されている。以下の説明において、パワーモジュールPMの長辺の延設方向に平行な方向を左右方向と呼び、短辺の延設方向に平行な方向を前後方向と呼ぶ。また、パワーモジュールPMの厚さ方向に平行な方向を上下方向と呼ぶ。なお、各図における矢印X1が右方に相当し、矢印X2が左方に相当する。また、矢印Y1が前方に相当し、矢印Y2が後方に相当する。また、矢印Z1が上方に相当し、矢印Z2が下方に相当する。ヒートシンクHSは、例えば、アルミニウム合金製の複数のフィンを備える。ヒートシンクHSは、パワーモジュールPMの一面(下面)に取り付けられ、パワーモジュールPMの熱を放散する。パワーモジュールPMとヒートシンクHSとの間に挟み込まれ、パワーモジュールPMとヒートシンクHSとを接合(接着)するとともに、パワーモジュールPMの熱をヒートシンクHSに効率よく伝達する。
つぎに、熱伝導シート1の構成について説明する。電力供給装置PSの平面視において、熱伝導シート1の外形は、パワーモジュールPMの下面の外形と略同一である。すなわち、熱伝導シート1の長さ(左右方向の寸法)は、パワーモジュールPMの長辺の寸法(左右方向の寸法)と同一である。熱伝導シート1の幅(前後方向の寸法)は、パワーモジュールPMの短辺の寸法(前後方向の寸法)と同一である。熱伝導シート1の長さは、例えば、100mmであり、幅は、例えば、70mmであり、シート厚は、例えば、200μmである。
熱伝導シート1は、図2及び図3に示すように、多層構造を有する。すなわち、熱伝導シート1は、そのシート厚方向に積層された第1階層部11乃至第5階層部15を有する。各階層部(第1階層部11乃至第5階層部15)は、熱可塑性合成樹脂材(例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)を主成分とする材料、ポリフェニレンサルファイド(PPS)を主成分とする材料、又はポリアミド樹脂(PA)を主成分とする材料)からなる。詳しくは後述するように、第1階層部11乃至第5階層部15は、融着(熱圧着)されて一体化されている。各階層部には、それらの層厚方向に貫通する貫通孔THがそれぞれ形成されている。各貫通孔THの直径は略同一である。各階層部の略全面に亘って、複数の貫通孔THが、左右方向及び前後方向に等間隔に形成されている(図2及び図3参照)。上下方向に隣接する2つの階層部の各貫通孔THの位置が、左右方向に少しずれている。例えば、第2階層部12の各貫通孔THが第1階層部11の各貫通孔THから見て、右方に位置している。このずれの距離は、貫通孔THの半径以上、直径未満であることが好ましい。なお、第1階層部11の各貫通孔THと第2階層部12の各貫通孔THは、前後方向にはずれていない。熱伝導シート1の平面視において、第3階層部13及び第5階層部15の各貫通孔THの位置は、第1階層部11の各貫通孔THの位置と同一であり、第4階層部14の貫通孔THの位置は、第2階層部12の各貫通孔THの位置と同一である。なお、上下方向に隣接する2つの階層部の各貫通孔THの位置が、左右方向に代えて又は加えて前後方向にずれていてもよい。
各貫通孔THには、熱伝達部材としてのフィラーFが充填されている。本実施形態では、鱗片状の窒化ホウ素(BN)をフィラーFとして採用している。このフィラーFは六方晶系に属し、フィラーFの結晶面に垂直な方向(c軸方向)に比べて、フィラーFの結晶面に平行な方向(a軸方向及びb軸方向)への熱伝達率が大きい。この場合には、各貫通孔TH内において、フィラーFの結晶面に平行な方向が上下方向(貫通孔THの深さ方向)を向くように、各フィラーFが配向される。
つぎに、熱伝導シート1の製造工程について説明する。まず、熱可塑性合成樹脂材を用いて、図4に示すような、長方形のシートSA及びシートSBが製造される。シートSA及びシートSBの平面視において、それらの外形は、パワーモジュールPMの下面の外形と略同一である。すなわち、シートSA及びシートSBの長さLS(左右方向の寸法(図5及び図6参照))は、パワーモジュールPMの長辺の寸法(左右方向の寸法)と同一である。シートSA及びシートSBの幅WS(左右方向の寸法)は、パワーモジュールPMの短辺の寸法(前後方向の寸法)と同一である。シートSA及びシートSBの長さLSは、例えば、100mmであり、幅WSは、例えば、70mmである。また、シートSA及びシートSBのシート厚TS(図4参照)は、例えば、50μmである。
シートSA及びシートSBの角部には、それらのシート厚方向に貫通する貫通孔THCがそれぞれ形成されている。シートSA及びシートSBの周端面が同一平面内に位置するように両者を重ねた状態において、シートSA及びシートSBの貫通孔THCが上下方向に連通している。
さらに、シートSA及びシートSBの角部を除く部分には、それらのシート厚方向に貫通する貫通孔THSがそれぞれ形成されている。各貫通孔THSの内径は同一である。貫通孔THSの内径は、例えば、200μmである。シートSA及びシートSBの角部を除く部分の全面に亘って、複数の貫通孔THSが、左右方向及び前後方向に等間隔に形成されている。各シートにおける貫通孔THSの開口率(シートの表面積に対する貫通孔THSの面積の総計)が約60%以上であることが好ましい。シートSA及びシートSBを重ねた状態において、シートSAの各貫通孔THSとシートSBの各貫通孔THSの位置が、左右方向に少しずれている。ただし、このずれの大きさ(中心間距離)は、貫通孔THSの半径より大きく直径より小さい。具体的には、シートSAの各貫通孔THSの中心から見て、シートSBの各貫通孔THSの中心は、150μmだけ右方に位置している。なお、シートSAの各貫通孔THSとシートSBの各貫通孔THSは、前後方向にはずれていない。
上記のように構成されたシートSA及びシートSBが積層される。具体的には、基板Bの上面に、シートSAが載置される(図4参照)。基板Bの上面には、シートSA及びシートSBの貫通孔THCに対応したピンPが設けられており、このピンPがシートSAの貫通孔THCに挿入される。つぎに、図7に示すように、シートSAの各貫通孔THSにフィラーFが充填される。フィラーFにおける熱を伝達し易い方向が上下方向を向くように、フィラーFが貫通孔THS内に充填される、すなわち、フィラーF(窒化ホウ素)の結晶面が上下方向に対して平行になるように、フィラーFが充填される。なお、フィラーFの結晶面が上下方向に対して完全に平行でなくてもよく、多少傾斜していてもよい。すなわち、フィラーFにおける熱を伝達し易い方向と上下方向(シート厚方向)との間の角度が微小(例えば、5°以下)であればよい。
つぎに、上記のシートSAの上面にシートSBが重ねられる。その際、シートSBの貫通孔THCにピンPが挿入される。これにより、シートSAとシートSBの各貫通孔THSが左右方向に所定距離だけずれた状態で、シートSAとシートSBとが重ねられる。つぎに、シートSBの各貫通孔THSにフィラーFが充填される。この工程は、シートSAの貫通孔THSへのフィラーFの充填工程と同一である(図7参照)。
上記のように、シートSA及びシートSBが交互に重ねられる。そして、シートSA(シートSB)にシートSB(シートSA)が重ねられるごとに、その重ねられたシートSB(SA)の各貫通孔THSにフィラーFが充填される。このような工程が繰り返されて、3枚のシートSAと2枚のシートSBが重ねられた積層体PBが形成される。
最後に、積層体PBの上面が下方へ押圧されながら加熱されて、シートSAとシートSBとが熱圧着される。その際、例えば、積層体PBの温度が、200℃に設定される。また、その際の押圧力は、例えば、10MPaである。このようにして、熱伝導シート1が形成される。積層体PBの3枚のシートSAが、第1階層部11、第3階層部13及び第5階層部15をそれぞれ構成し、2枚のシートSBが、第2階層部12及び第4階層部14をそれぞれ構成する。シートSAとシートSBが熱圧着される際、各貫通孔THSの内周面が内側に少し入り込む。すなわち、貫通孔THSの内周面が、貫通孔THS内に充填されたフィラーF同士の隙間に少し入り込む。このように、貫通孔THSが若干縮径されて、各階層部の貫通孔THが形成され、その貫通孔TH内にフィラーFが固定される。上記のようにして形成された熱伝導シート1において、フィラーFの密度が、1.85g/cmである。
上記のように構成された熱伝導シート1が、パワーモジュールPMとヒートシンクHSの間に挟み込まれる。パワーモジュールPMがヒートシンクHS側へ押圧された状態で、熱伝導シート1(並びにパワーモジュールPM及びヒートシンクHS)が加熱されて、熱伝導シート1の上面及び下面が、軟化(溶融)し、パワーモジュールPM及びヒートシンクHSにそれぞれ接合(接着)される。
上記のように構成された熱伝導シート1において、各階層部の貫通孔TH内にフィラーFが充填されている。それらのフィラーFにおける熱を伝達し易い方向が上下方向(シート厚方向)を向くように、フィラーFが配向されている。そして、上下方向に隣接する2つの階層部の貫通孔THの一部のみが重畳されている。これらの貫通孔THの重畳部においてフィラーFが上下方向に連続しており、当該部位を通って、パワーモジュールPMの熱が、効率的にヒートシンクHSに伝達される。
また、上下方向に隣接する2つの階層部の貫通孔THのうち、互いに重なっていない部分にもフィラーFが充填されている。このような非重畳部における上下方向の熱伝導率は、重畳部における上下方向の熱伝導率よりも多少低いが、重畳部及び非重畳部の外側に位置する合成樹脂材が上下方向に連続する部分の熱伝導率より高い。よって、本実施形態のように、貫通孔THを左右方向(又は前後方向)にずらすことにより、熱を左右方向(又は前後方向)に拡散させることができ、熱を効率的にヒートシンクHSに伝達できる。
また、熱伝導シート1の上面及び下面における貫通孔THを除く部分は、合成樹脂材のみからなり、当該部分が少し軟化(溶融)されて、パワーモジュールPM及びヒートシンクHSにそれぞれ接合(接着)される。これにより、十分な接合強度(接着強度)が得られる。
また、貫通孔THにフィラーFが充填された状態において、その中心部の強度が、その周囲の部分の強度に比べて低い。したがって、各階層部の貫通孔THの中心がずれていない場合には、当該部位を起点として、割れ(クラック)が上下方向(シート厚方向)に進行して、熱伝導シート1が破断し易くなってしまう。これに対し、本実施形態では、上下方向に隣接する2つの階層部の貫通孔THが左右方向にずれている。すなわち、1つの階層部の貫通孔THの中心部が、隣接する階層部の合成樹脂材のみからなる部分によって支持されている。よって、1つの階層部(例えば上層)の貫通孔THの中心部を起点として生じた割れ(クラック)が、その階層部に隣接する階層部(例えば下層)へ拡大することを抑制でき、熱伝導シート1の破断を抑制できる。
上記のように、本実施形態によれば、熱伝達性能を損なうことなく、接合強度(接着強度)を向上させた熱伝導シート1及びその製造方法を提供できる。
また、熱伝導シート1では、隣接する2つの階層部の貫通孔THの一部分のみが重畳されている。言い換えれば、隣接する2つの階層部の貫通孔THの前記一部分を除く部分が、他の階層部に熱圧着(融着)されて固定されている。よって、隣接する2つの階層部の貫通孔THが左右方向又は前後方向にずれていない場合に比べて、熱伝導シート1の強度を高く設定することができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、熱伝導シート1において、略全面に亘って等間隔に貫通孔THが設けられ、その貫通孔TH内にフィラーFが充填されている。これに代えて、図8に示すような、局所的にフィラーFが配置された熱伝導シート1Aとしてもよい。すなわち、熱伝導シート1Aは、パワーモジュールPMのうち、とくに発熱量が大きい部分に接合(接着)される高熱伝導領域HAと、パワーモジュールPMのうち、比較的発熱量が小さい部分に接合(接着)される低熱伝導領域LAとを有する。熱伝導シート1Aは、熱伝導シート1と同様に、複数の階層部からなる。これらの階層部は、上記実施形態と同様に、シートSA及びシートSBから構成される。シートSA及びシートSBにおいて高熱伝導領域HAを構成する部分には、貫通孔THSが形成され、その貫通孔THS内にフィラーFが充填されている。なお、熱伝導シート1と同様に、隣接するシートSA及びシートSBの貫通孔THSが左右方向(又は前後方向)に少しずれている。一方、シートSA及びシートSBにおける低熱伝導領域LAを構成する部分には、貫通孔THSは形成されていない。なお、熱伝導シート1Aの製造手順は、熱伝導シート1の製造手順と同様である。これによれば、パワーモジュールPMの熱を効率的にヒートシンクHSに伝達可能である。加えて、合成樹脂材のみからなる低熱伝導領域LAの面積が比較的大きいため、熱伝導シート1Aの強度を向上させるとともに、パワーモジュールPM及びヒートシンクHSと熱伝導シート1Aとの接合強度(接着強度)を向上させることができる。
また、フィラーFとして、窒化アルミニウム、アルミナなどからなる材料を採用してもよい。また、球状のフィラーFを採用してもよい。また、繊維状のフィラーFを採用することもできる。この場合には、各貫通孔TH内において、各フィラーFの繊維長方向が上下方向を向くように、各フィラーFが配向される。ここで、鱗片状の窒化ホウ素(BN)、窒化ホウ素ナノチューブなどは、電気絶縁体であるのに対し、鱗片状グラファイト、カーボンナノチューブなどは、導電体である。そこで、熱伝導シート1が電気絶縁体であることが望ましい場合には、窒化ホウ素(BN)、窒化ホウ素ナノチューブなどをフィラーFとして採用すればよい。一方、熱伝導シート1が導電体であることが望ましい場合には、鱗片状グラファイト、カーボンナノチューブなどをフィラーFとして採用すればよい。
また、シートSAとシートSBの材料を異ならせてもよい。例えば、シートSBの材料として、ガラス繊維を含む合成樹脂材を採用してもよい。これによれば、熱伝導シート1(1A)の引っ張り強度(熱膨張及び熱収縮に対する耐久性)を向上させることができる。
また、図9A乃至図9Cに示すような手順で熱伝導シート1Bを製造しても良い。この例においても、上記実施形態と同様に、シートSA及びシートSBが交互に重ねられるごとに、貫通孔THSにフィラーFが充填される。ただし、この例では、シートSBの貫通孔THSがシートSAにおける隣接する2つの貫通孔THS,THSの間に位置している。すなわち、平面視においては、シートSAの貫通孔THSとシートSBの貫通孔THSは重なっておらず、外周縁部同士が接している。なお、上記実施形態と同様に、平面視において、シートSAの貫通孔THSとシートSBの貫通孔THSが多少重なっていても良い。また、上記実施形態では、フィラーFにおける熱を伝達し易い方向が貫通孔THSの深さ方向に一致しているが、この例では、フィラーFにおける熱を伝達し易い方向が貫通孔の径方向に一致している。さらに、この例では、上記実施形態に比べて、層数(シートSA及びシートSBの枚数)が多い。
上記のように構成された積層体PBが加熱されながら、その層厚方向に押圧される。すなわち、シートSA及びシートSBが熱圧着される。その際、図9Bに示すように、シートSA及びシートSBの層厚が少し小さくなり、シートSBの貫通孔THSがシートSAにおける隣接する2つの貫通孔THS,THSの間の上端部(又は下端部)に少し入り込む。これにより、シートSAのフィラーFの一部とシートSBのフィラーFの一部とが左右方向に連続する。
最後に、図9Bに示すように、積層体PBの一部が切り取られる。すなわち、積層体PBが、左右方向に所定の間隔をおいて切断される。その1つの断片が、図9Cに示すような、熱伝導シート1Bである。なお、この熱伝導シート1Bのシート厚方向(図9Cにおける上下方向)が、元の積層体PBの左右方向に相当する。
B…基板、F…フィラー(熱伝達部材)、HA…高熱伝導領域、HS…ヒートシンク(第2)部材、LA…低熱伝導領域、P…ピン、PB…積層体、PM…パワーモジュール(第1部材)、PS…電力供給装置、SA…シート、SB…シート、TH…貫通孔、THS…貫通孔、1,1A,1B…熱伝導シート、11,12,13,14,15…階層部

Claims (3)

  1. 第1部材と第2部材との間に挟み込まれて、前記第1部材及び前記第2部材に接合され、前記第1部材から前記第2部材へ熱を伝達する熱伝導シートであって、
    シート厚方向に積層され、互いに融着された合成樹脂製の複数の階層部を有し、
    前記複数の階層部は、シート厚方向に貫通する貫通孔をそれぞれ有し、
    前記複数の階層部のうち、隣接する2つの階層部のうちの一方の階層部の前記貫通孔の一部のみが、他方の階層部の前記貫通孔に重畳されていて、
    前記貫通孔内に熱伝達部材が充填され、
    前記貫通孔内において、前記熱伝達部材における熱を伝達し易い方向が前記シート厚方向を向くように、前記熱伝達部材が配置されている、熱伝導シート。
  2. 請求項1に記載の熱伝導シートにおいて、
    熱伝達率の異なる2つの領域を有し、
    各階層部における、前記2つの領域のうちの熱伝達率の高い領域を構成する部分に、複数の前記貫通孔が形成されている、熱伝導シート。
  3. 合成樹脂製の第1シートであって、その板厚方向に貫通する貫通孔を有する第1シートを基台に載置する第1シート配置工程と、
    前記貫通孔に熱伝達部材を充填する第1充填工程と、
    合成樹脂製の第2シートであって、その板厚方向に貫通する貫通孔を有する第2シートを、前記第1シートの貫通孔の一部に前記第2シートの貫通孔の一部が重畳されるように、前記第1シートに重畳する第2シート配置工程と、
    前記第2シートの前記貫通孔に前記熱伝達部材を充填する第2充填工程と、
    を含む、熱伝導シート製造方法。
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