JP2014135374A - 伝熱基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】大きな発熱を有する発熱素子を適用しても、接合部の劣化に伴う信頼性の低下や劣化が生じない伝熱基板を提供するもの。
【解決手段】金属板7と、金属板7の上面に積層した絶縁樹脂層8と、絶縁樹脂層8の上面側に埋設して上面のみを露出させた発熱素子実装基板9とを備え、金属板7の発熱素子実装基板9に対向する部分には発熱素子実装基板9側へ突出して天面に平面部を有した凸部11を設け、この天面を発熱素子実装基板9の底面に接触させた伝熱基板。
【選択図】図1
【解決手段】金属板7と、金属板7の上面に積層した絶縁樹脂層8と、絶縁樹脂層8の上面側に埋設して上面のみを露出させた発熱素子実装基板9とを備え、金属板7の発熱素子実装基板9に対向する部分には発熱素子実装基板9側へ突出して天面に平面部を有した凸部11を設け、この天面を発熱素子実装基板9の底面に接触させた伝熱基板。
【選択図】図1
Description
本発明は各種電子機器に使用される伝熱基板に関するものである。
以下、従来の伝熱基板について図面を用いて説明する。従来の伝熱基板は図7の断面図に示すように、セラミックやあるいは金属からなる基板1の上面に形成した回路部2や、あるいはさらに回路部2へ実装した発熱性素子3を設け、基板1の下面を半田などの接合材4を用いて金属板5へ間接的に接触させていた。そして、この金属板5を更に他の筐体6などに接触、固定させるものであった。
これにより、発熱性素子3が動作することによって発生した熱が基板1へ伝わり、あるいは発熱性素子3で生じた熱が回路部2を介して基板1へ伝わり、さらに基板1から接合材4を介して金属板5や筐体6へ伝わることにより、発熱性素子3から発せられる熱を放熱させるものであった。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては例えば特許文献1、2が知られている。
しかしながら、発熱性素子3から順番に基板1、接合材4、金属板5、筐体6へと、熱の伝達が行われると同時に、その熱による各部位における膨張が生じることとなる。特に発熱性素子3が発熱量の大きなLEDなどである場合、各部位の線膨張率の違いによる上記の膨張の度合いの差が顕著となるとともに各部位や構成要素間における歪が大きくなり、その結果として、膨張あるいは膨張収縮の繰り返しにより、特に半田などの溶接を用いることが多い接合材4に割れや亀裂が生じやすくなり、接合材4での伝熱特性の低下を起こしてしまう可能性があるものであった。
そこで、本発明は大きな発熱量を有する発熱素子を適用しても、伝熱特性をはじめとする信頼性の低下や劣化が生じない伝熱基板を提供することを目的とするものである。
そして、この目的を達成するために、金属板と、この金属板の上面に積層した絶縁樹脂層と、この絶縁樹脂層の上面側に埋設して上面のみを露出させた発熱素子実装基板とを備え、前記金属板の前記発熱素子実装基板に対向する部分には前記発熱素子実装基板側へ突出して天面に平面部を有した凸部を設け、この天面を前記発熱素子実装基板の底面に接触させたことを特徴としたものである。
本発明によれば、発熱素子実装基板の底面と金属板とを直接接触させるとともに、発熱素子実装基板を伝熱樹脂によって保持することにより、伝熱特性および信頼性を劣化させることなく、伝熱基板を常に安定した状態に保つことができるものである。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を用いて説明する。
(実施の形態)
図1は本発明の一実施形態における伝熱基板の断面図であり、伝熱基板は金属板7と、この金属板7の上面に積層した絶縁樹脂層8と、この絶縁樹脂層8の上面側に発熱素子実装基板9が半導体素子10を実装したうえで配置されている。ここで発熱素子実装基板9は、その上面のみを露出させたうえで絶縁樹脂層8に埋設されている。そして、金属板7の発熱素子実装基板9に対向する部分には発熱素子実装基板9側へ突出した凸部11を設け、この凸部11の天面は平面状としており、この天面を発熱素子実装基板9の底面に接触させている。
図1は本発明の一実施形態における伝熱基板の断面図であり、伝熱基板は金属板7と、この金属板7の上面に積層した絶縁樹脂層8と、この絶縁樹脂層8の上面側に発熱素子実装基板9が半導体素子10を実装したうえで配置されている。ここで発熱素子実装基板9は、その上面のみを露出させたうえで絶縁樹脂層8に埋設されている。そして、金属板7の発熱素子実装基板9に対向する部分には発熱素子実装基板9側へ突出した凸部11を設け、この凸部11の天面は平面状としており、この天面を発熱素子実装基板9の底面に接触させている。
この構成により、半導体素子10で発生した熱は発熱素子実装基板9を介して絶縁樹脂層8および金属板7へと伝えられる。また、発熱素子実装基板9と金属板7とは凸部11で直接に接しているために伝熱の効率が高く、半導体素子10から外部への熱の放出が非常にスムーズに行われる。さらに、発熱素子実装基板9と金属板7とは機械的な接触をさせているため接続部の熱による膨張や収縮による劣化等は生じにくく、長期の使用における伝熱性の劣化も生じにくいものである。
また、凸部11は、特に発熱素子実装基板9へ半導体素子10を実装した部分に対向して設けられているため、伝熱の効率を非常に高い状態とすることができる。
ここで、絶縁樹脂層8については接着性を有するものとし、これにより発熱素子実装基板9と金属板7との固定を行うことが望ましい。また、発熱素子実装基板9からの熱を金属板7へ伝えるうえで、絶縁樹脂層8を介して行うものによる効率を向上させるために、絶縁樹脂層8には高熱伝導特性を持たせることが望ましいことは言うまでもない。
そして、金属板7の周縁側ではその上面すべてに絶縁樹脂層8が積層される一方で、金属板7の凸部11の周縁側に位置する領域では金属板7の上面と発熱素子実装基板9との間に絶縁樹脂層8が設けられる。従って、絶縁樹脂層8は厚み寸法が大きな絶縁樹脂層8aと厚み寸法が小さな絶縁樹脂層8bとが混在することとなる。このため、絶縁樹脂層8の温度変化による膨張や収縮によって発熱素子実装基板9と絶縁樹脂層8との位置関係にずれが生じることや或いは発熱素子実装基板9へ応力が加わる恐れがある。これらを抑制するために、発熱素子実装基板9の熱膨張係数と絶縁樹脂層8の熱膨張係数とをほぼ同一の値とすることが望ましい。これにより、発熱素子実装基板9と絶縁樹脂層8との位置関係が安定し、発熱素子実装基板9と金属板7との接触状態も安定させることが可能となる。また、この点が発熱素子実装基板9と金属板7とを金属の溶接などを用いて接合する場合と大きく異なる点であり、絶縁樹脂層8は樹脂で構成されることで熱膨張係数の調整が容易で、あるいは周囲の構成物との間に熱膨張係数の差異が生じてもこれに起因する応力の吸収が容易であることから、熱を原因とした損傷が生じ難くすることができる。
上記について更に詳しく述べると、絶縁樹脂層8には熱硬化性樹脂を用い、その硬化の過程において発熱素子実装基板9あるいは金属板7の接触部分における接着や固着を行い、硬化後の状態では露出部分をはじめとして粘着性を有さないものであっても構わない。
またあるいは、絶縁樹脂層8には比較的低温の100℃程度で硬化が完了する熱可塑性の接着剤を用いても構わない。この場合、金属板7の接着や固着を行うことと共に、絶縁樹脂層8を硬化させる際に半導体素子10へ加わる熱ストレスを抑制できるため、様々な特性の半導体素子10を選択することが可能となる。
ここで、発熱素子実装基板9はセラミック製の板あるいは表面に酸化膜を施すなどの表面を絶縁処理した金属製の板であることが望ましい。特に、発熱素子実装基板9にセラミックを用いた場合は、衝撃などに対して脆弱なセラミックを保護するという観点から、絶縁樹脂層8に用いる材質は硬化後の状態で弾性率の小さい軟らかな材質の接着剤や樹脂とすればよい。
また、発熱素子実装基板9としてセラミック製もしくは金属製の材料を用いると共に、さらにこの絶縁樹脂層8を組成する無機フィラーとしてセラミックフィラーあるいは金属フィラーを用いればよい。
つまり、発熱素子実装基板9をセラミック製の材質とした場合、絶縁樹脂層8におけるフィラーに発熱素子実装基板9と同一のセラミックをあるいは類似のセラミックを用いる。このとき絶縁樹脂層8は90wt%程度のセラミックのフィラーを含有することができ、これによって発熱素子実装基板9と絶縁樹脂層8とはほぼ同一の熱膨張係数をもたせることができる。当然ながら、このフィラーは絶縁樹脂層8の樹脂成分よりも高熱伝導率を有し、絶縁樹脂層8の熱伝導特性を高めるものでもあるため、フィラーを絶縁樹脂層8へ多く含有させることにより、熱膨張係数の整合性と熱伝導性との双方に効果が得られるものである。
従って、熱のストレスによって発熱素子実装基板9や絶縁樹脂層8が膨張あるいは収縮を繰り返してもセラミックが割れるなどの不都合は生じ難く、発熱素子実装基板9が絶縁樹脂層8へ固着された状態を安定的に維持することとなり、放熱性についてもまた長期に渡って安定した特性を得ることが可能となる。これは当然ながら、発熱素子実装基板9と金属板7との位置関係あるいは接触状態もまた安定することとなるため、この点からも放熱性について長期間に渡って安定した特性を得ることが可能となる。
またあるいは、発熱素子実装基板9を金属製の材質とした場合、絶縁樹脂層8におけるフィラーに発熱素子実装基板9と同一の金属をあるいは類似の金属を用いることにより、発熱素子実装基板9と絶縁樹脂層8とをほぼ同一の熱膨張係数とするとよい。これによって、発熱素子実装基板9が箔状や薄い金属であっても熱による膨張率の差異に基づいた発熱素子実装基板9の変形やあるいは波打ちなどは生じ難いこととなる。
従って、特に半導体素子10をLEDのような発光素子としたうえで、発熱素子実装基板9を金属製とすることでの表面に反射層(図示せず)を設けている場合であっても、その反射の状態が発熱素子実装基板9における表面の位置によって異なるという発熱素子実装基板9の変形に起因した不都合は生じ難く、発熱素子実装基板9は光源の光量に対応してムラなく安定した光量を反射、放出し続けることが可能となる。
以上の例では、絶縁樹脂層8へ含有させるフィラーとしてセラミックあるいは金属を用いることで説明を行っているが、フィラーとしては樹脂フィラーでもよく、樹脂フィラーとセラミックと金属との全てからなる混合物、あるいは2種類からなる混合物、またあるいはいずれか1つを含むフィラーとして所望の熱膨張係数となるように制御して用いても構わない。ここでのセラミックと金属との比率や絶縁樹脂層8におけるフィラーの比率は、絶縁樹脂層8と発熱素子実装基板9との熱膨張係数をほぼ一致させるものであればどのような値であっても構わない。
また、図2、図3は金属板7の凸部11を複数とした場合の断面図および斜視図である。これにより、半導体素子10で発生した熱は発熱素子実装基板9を介して絶縁樹脂層8および金属板7へと効率よく伝えられることについてはこれまでの説明と同様である。これに加えて、発熱素子実装基板9は側面のみならず底面においても面積は限定的ではあるが底面全般が分散した固定箇所で絶縁樹脂層8によって固定されることとなる。よって、凸部11と発熱素子実装基板9とは広い領域に渡って概ね均等な固着力で固定されるため、位置関係を常に適切な状態に維持することができる。
そして、発熱素子実装基板9は絶縁樹脂層8によって固定されていることから、熱による膨張や収縮に起因する固定状態の劣化等は生じにくく、長期の使用における伝熱性の劣化も生じにくいものである。さらに、凸部11が分散して複数配置させられていることから発熱素子実装基板9と絶縁樹脂層8との接着部位もまた分散されることとなるため、それぞれにおける温度が上昇する部位も分散されることとなる。その結果として絶縁樹脂層8での膨張や収縮に起因する応力の発生が発熱素子実装基板9の限られた一部分に偏り難くなり、発熱素子実装基板9と絶縁樹脂層8との固着状態を安定させることができ、伝熱性および放熱性の信頼性を向上させることができる。
さらに、熱の分散という観点で、ここでは図示していないが絶縁樹脂層8の上面に電極(図示せず)を設け、半導体素子10からのワイヤボンディング(図示せず)などによって接続し、半導体素子10により生じる熱を分散させるとよい。そして、この電極(図示せず)の下面に対向する部分に絶縁樹脂層8を介して凸部11を設けることで、半導体素子10によって生じる熱の放熱、伝熱特性を一層向上させることができる。
ここで、金属板7の凸部11と発熱素子実装基板9との接触面積は大きいほど伝熱特性は良くなるが、少なくとも3箇所の凸部11で接触させていれば面の固定が的確となるため特性を安定させることが可能となる。
また、伝熱の効率と固定状態の安定性とを一層向上させるために、半導体素子10に対向する、あるいは直下に位置する部位の凸部11を他の凸部11よりも大きな断面積として配置したうえで、発熱素子実装基板周縁部9aに対向する凸部11の断面積は小さく、或いは凸部11を配置した密度を小さくして、更には双方を用いることによって、発熱素子実装基板周縁部9aに対向する領域の絶縁樹脂層8の体積を大きくしても構わない。これにより、熱の発生源に近い部分の凸部11による伝熱性を向上させるとともに、発熱素子実装基板9を固定する力を大きくすることができることとなる。発熱素子実装基板9が対向する凸部11および絶縁樹脂層8の面積としては、発熱素子実装基板9が対向する面積の10〜20%の面積を凸部11の断面積とし、発熱素子実装基板9の残りの90〜80%が絶縁樹脂層8に対向する面積として十分に伝熱、放熱が可能となる。
ここまでの例では、図1に示すように金属板7の凸部11の天面は発熱素子実装基板9に対して直接接触する状態について説明しているが、図4に示すように金属板7に設けた凸部11の天面側と発熱素子実装基板9との間に絶縁樹脂層8cが介在する状態としても構わない。このとき、金属板7と発熱素子実装基板9とは平行な位置関係として配置させているため、必然的に凸部11と発熱素子実装基板9との間に位置する薄い厚みの絶縁樹脂層8cは、金属板7における凸部11を非形成としている領域と発熱素子実装基板9との間に位置する絶縁樹脂層8bよりも薄くなる。絶縁樹脂層8は金属板7よりも伝熱特性は劣るものの、絶縁樹脂層8cのように薄い層厚とすることで伝熱性の金属板7に比較しての劣化は非常に小さくなる。従って薄い絶縁樹脂層8cの直下に位置する凸部11の高い伝熱効率を活かすことができることとなる。そしてこれに加えて、発熱素子実装基板9の底面はその全面が絶縁樹脂層8と密着することとなるため、絶縁樹脂層8の発熱素子実装基板9に対する固着状態は非常に安定したものとなる。よって、この点からも発熱素子実装基板9から絶縁樹脂層8を介して金属板7へと伝熱、放熱を行うことに関しての信頼性を高い状態に維持できるものともなる。
またこのとき、発熱素子実装基板9は、その側面全面と底面全面とを絶縁樹脂層8によって保護する状態となり、さらに絶縁樹脂層8に用いる材質を硬化後の状態で弾性率の小さい軟らかな材質の接着剤や樹脂とした場合は、発熱素子実装基板9に加わる機械的応力を抑制することが可能となる。
またここでは図示していないが、絶縁樹脂層8に用いる材質を硬化後の状態で弾性率の小さい軟らかな材質の接着剤や樹脂とした場合は、補助的に発熱素子実装基板9と絶縁樹脂層8との固定にネジなどの固定手段(図示せず)を用いることも可能となる。つまり、発熱素子実装基板9および固定手段(図示せず)に比較して絶縁樹脂層8の弾性率を小さな値の材質を用いることで、固定手段(図示せず)から発熱素子実装基板9へと加わる応力が、絶縁樹脂層8に用いられる軟らかな材質の接着剤や樹脂により緩和されることとなる。このため、発熱素子実装基板9の損傷による特性の劣化を抑制しつつも、固定状態を安定した状態に維持することができる。
また、図5は金属板7の外周縁に第2絶縁樹脂層12を設けてその内側に絶縁樹脂層8を設けたものであり、この第2絶縁樹脂層12の頂部は発熱素子実装基板9の上面および絶縁樹脂層8の上面とほぼ同一面上に位置するあるいは絶縁樹脂層8の上面よりも高く位置するようにしている。
このように第2絶縁樹脂層12を配置することにより、半導体素子10で生じた熱が発熱素子実装基板9を通じて金属板7へ伝わるにあたっての効率を向上させることができる。これは特に絶縁樹脂層8に100℃程度の低温で硬化する高熱伝導性の接着剤を用い、一方で第2絶縁樹脂層12に熱硬化性樹脂を用いた場合に有効である。
つまり、絶縁樹脂層8よりも熱伝導性の高い第2絶縁樹脂層12を絶縁樹脂層8が介在する状態で発熱素子実装基板9に対向して設けることにより、発熱素子実装基板9の側面からも熱を排出することが容易となるものである。これについては特に第2絶縁樹脂層12の図中における横方向の厚みよりも、第2絶縁樹脂層12と発熱素子実装基板9との間に介在する絶縁樹脂層8の厚みを小さくすることで、第2絶縁樹脂層12の伝熱性および熱容量が大きい特性を利用しやすくなることとなり、伝熱や放熱の効果を一層大きくすることができる。
ここで第2絶縁樹脂層12についても、フィラーとしてセラミック、金属、あるいは樹脂フィラーを用いてもよく、樹脂フィラーとセラミックと金属との全てからなる混合物、あるいは2種類からなる混合物、またあるいはいずれか1つを含むフィラーとして所望の熱膨張係数や熱伝導率となるように制御すればよい。ここでの樹脂フィラーとセラミックと金属との比率や第2絶縁樹脂層12におけるフィラーの比率は、第2絶縁樹脂層12の熱伝導性を絶縁樹脂層8よりも高くさせるものであればよい。
また、第2絶縁樹脂層12には熱硬化性樹脂を用いることにより、様々な形態で第2絶縁樹脂層12の天面部に電極(図示せず)を配置させることが可能となる。ここに電極(図示せず)を配置することにより、半導体素子10に発生した熱がボンディングワイヤ(図示せず)等に伝搬させ、さらに電極(図示せず)へ伝搬させたうえで、その熱が容易に第2絶縁樹脂層12を介して金属板7へと伝熱、放熱することが可能となり、電極(図示せず)の接続状態の信頼性を向上させることができる。
さらに、第2絶縁樹脂層12に熱硬化性樹脂を適用することは、伝熱基板全体を形成する際においても非常に有効なものとなる。これは、金属板7の上面かつ外周縁に予め第2絶縁樹脂層12を完全硬化させて形成し、この後で絶縁樹脂層8を充填し、最後に発熱素子実装基板9を配置する場合に有効となるものである。
つまり、半導体素子10を搭載した発熱素子実装基板9と絶縁樹脂層8との固着は、絶縁樹脂層8である接着剤や樹脂を硬化させる際の温度を加えることで十分なものとなり、この温度は100℃程度と低いため半導体素子10へ加わる温度ストレスは小さくすることができ、半導体素子10の信頼性や特性を損ねることが無い。
また、第2絶縁樹脂層12によって金属板7の外周縁を予め枠状に囲み、その後に硬化前の状態では非常に軟らかい状態の接着剤や樹脂を絶縁樹脂層8として充填させ硬化させることが可能ともなる。これにより、絶縁樹脂層8に適用する接着剤や樹脂を様々な粘度のもの、特に粘度が低く流れ易い接着剤あるいは樹脂であっても対応することが可能となる。そして、硬化前に非常に粘度が低い絶縁樹脂層8であっても、金属板7の凸部11の上面側が発熱素子実装基板9の位置決めを担うこととなるため、発熱素子実装基板9を的確な位置に固着させることができる。
またあるいは、第2絶縁樹脂層12によって金属板7の外周縁を予め枠状に囲むことで、その後に硬化後の状態でも軟らかく弾性の小さな接着剤や樹脂を絶縁樹脂層8として適用し易くもなる。つまり、金属板7の外周縁を予め枠状に囲むことで絶縁樹脂層8の特に外周縁近傍の変形を最小限に抑制して伝熱基板全体としての寸法変化を抑えつつ、発熱素子実装基板9に加わる応力を小さくするものである。
以上の実施の形態では発熱素子実装基板9には直接に半導体素子10を実装するように示しているが、当然ながら実際には発熱素子実装基板9上に設けた配線パターン(図示せず)の上に半導体素子10を実装することや、半導体素子10を発熱素子実装基板9上に接着して発熱素子実装基板9の上に設けた電極(図示せず)へ半導体素子10からの配線を行うことなどにより実装を行っている。
また、伝熱基板からの放熱を一層向上させるために図6に示すように金属板7の下面にモータファン13などの流体循環用装置を配置しても構わない。特に、金属板7における発熱素子実装基板9側に凸部11を複数配置することで発熱素子実装基板9からの熱は金属板7の面方向に分散されて伝えられるため、複数に分散されて設けられた吸入孔14を用いることでのモータファン13による排熱は非常に効率良く行われることとなる。ここで特に、金属板7における凸部11の裏面側に、凸部11に対向した位置に吸入孔14を設けることが望ましい。これにより、半導体素子10からの熱を多く受ける凸部11から凸部11との距離が近い吸入孔14の表面で特に上面への伝熱やそこでの放熱が行いやすく、モータファン13による排熱を一層効率良くすることが可能となる。当然ながら複数の吸入孔14全てが、複数設けられた凸部11の裏面で凸部11に対向した位置に設けられることが望ましい。しかしながら、凸部11と吸入孔14とが必ずしも1対1で設けられる必要はない。
あるいは、金属板7における特に凸部11から、吸入孔14の凸部11側に該当する吸入孔14の上面への伝熱に関しては、半導体素子10の直下に位置する部分の吸入孔14では他の部分の吸入孔14に比較して伝熱の効率が高いことが望ましい。つまり、吸入孔14の深さを大きくして、凸部11の天面側から吸入孔14の上面までの距離を半導体素子10の直下に位置する部分では他の部分に比較して小さくするとよい。これにより、半導体素子10からの伝熱量が大きい部分で、金属板7の凸部11側から吸入孔14側への伝熱および吸入孔14での放熱を効率よく行うことができる。そして、これに加えて吸入孔14側の開口面積が大きくなるため放熱性そのものも向上させることができる。
ここで実施の形態としては流体循環装置にモータファン13を用いることで、空気が吸入孔14を通過させられて、この空気が金属板7を冷却させるように流体循環装置を配置している。しかしながら、金属板7を冷却するための流体は空気ではなく、水をはじめとした液体であっても構わない。この場合は吸入孔14に直接に液体を流す、あるいは吸入孔14へダクト(図示せず)を通したうえで、そのダクト(図示せず)へ液体を流す構成とした流体循環装置を金属板7の下面に設けるとよい。
また、図示はしていないが、吸入孔14を設けることで金属板7の冷却を行う場合、複数の吸入孔14のうち半導体素子10の直下に位置する吸入孔14が冷却に寄与する割合は大きくなる。従って、半導体素子10の下側に位置する吸入孔14は金属板7の端部側に位置する吸入孔14に比較して、断面径を大きくすることやあるいは表面積を大きくするとよい。これにより、金属板7の冷却の効率を高めることができる。
ここでの説明では、金属板7の下面に吸入孔14を設けた形態で説明しているが、これは金属板7とモータファン13とを組み合わせる関係で吸入孔14として表現している。しかしながら、モータファン13が存在しない状態では吸入孔14は溝状に形成された露出状態のものである。またあるいは、吸入孔14は伝熱基板の断面に対して垂直方向に連続して走向した溝状の吸入孔14とせず、金属板7の下面側から見て島状に分散した複数の第2凸部15の隙間を吸入孔14としても構わない。この場合、吸入孔14の空間が大きくなり放熱性を向上させることとなり、これに加えて、金属板7から接触部分を介してモータファン13へ伝わる熱を抑制でき、この熱からモータファン13を保護することができる。
以上のように、発熱素子実装基板9からの熱が、直接あるいは絶縁樹脂層8を介して金属板7へと急激に伝わる構成とすることに加え、金属板7からの放熱を効率よく行うことができる構成としている。これにより、絶縁樹脂層8に滞留する熱を少なくできるため、絶縁樹脂層8や発熱素子実装基板9に変形などが生じ難く、発熱素子実装基板9の放熱や伝熱の特性あるいはその他の特性についての信頼性を維持することができる。
本発明の伝熱基板は、安定した伝熱性および放熱性を維持する効果を有し、発熱素子を用いる各種電子機器に適用するにあたって有用である。
7 金属板
8、8a、8b、8c 絶縁樹脂層
9 発熱素子実装基板
9a 発熱素子実装基板周縁部
10 半導体素子
11 凸部
12 第2絶縁樹脂層
13 モータファン
14 吸入孔
15 第2凸部
8、8a、8b、8c 絶縁樹脂層
9 発熱素子実装基板
9a 発熱素子実装基板周縁部
10 半導体素子
11 凸部
12 第2絶縁樹脂層
13 モータファン
14 吸入孔
15 第2凸部
Claims (11)
- 金属板と、この金属板の上面に積層した絶縁樹脂層と、
この絶縁樹脂層の上面側に埋設して上面のみを露出させた発熱素子実装基板とを備え、
前記金属板の前記発熱素子実装基板に対向する部分には前記発熱素子実装基板側へ突出して天面に平面部を有した凸部を設け、
この天面を前記発熱素子実装基板の底面に接触させた伝熱基板。 - 金属板と、この金属板の上面に積層した絶縁樹脂層と、
この絶縁樹脂層の上面側に埋設して上面のみを露出させた発熱素子実装基板とを備え、
前記金属板の前記発熱素子実装基板に対向する部分には前記発熱素子実装基板側へ突出して天面に平面部を有した凸部を設け、
前記発熱素子実装基板の底面と前記凸部の天面との間に介在する前記絶縁樹脂層は、
前記発熱素子実装基板の底面と前記金属板における前記凸部の非形成部分との間に介在する前記絶縁樹脂層よりも厚み寸法を小さくさせた伝熱基板。 - 発熱素子実装基板の熱膨張係数と絶縁樹脂層の熱膨張係数とは同一の値とさせた請求項1もしくは請求項2に記載の伝熱基板。
- 金属板は複数の凸部を有する請求項1もしくは請求項2に記載の伝熱基板。
- 絶縁樹脂層は、前記樹脂層を構成する樹脂成分よりも高い熱伝導率を有する樹脂フィラー、金属、セラミックのうち少なくともいずれかのうち1つのフィラーを含有する請求項1から請求項4のいずれかに記載の伝熱基板。
- 金属板の上面外周縁には熱硬化性樹脂からなる第2絶縁樹脂層を設けた請求項1もしくは請求項2に記載の伝熱基板。
- 第2絶縁樹脂層は、前記第2絶縁樹脂層を構成する樹脂成分よりも高い熱伝導率を有する樹脂フィラー、金属、セラミックのうち少なくともいずれかのうち1つのフィラーを含有するとともに、絶縁樹脂層よりも高い熱伝導率とした請求項6に記載の伝熱基板。
- 金属板の下面には、流体を通過させるための吸入孔を設けた請求項4に記載の伝熱基板。
- 吸入孔は凸部に対向した位置に設けた請求項8に記載の伝熱基板。
- 金属板の下面には流体循環装置を配置した請求項8もしくは請求項9に記載の伝熱基板。
- 金属板の下面にモータファンを配置した請求項10に記載の伝熱基板。
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JP2013002279A JP2014135374A (ja) | 2013-01-10 | 2013-01-10 | 伝熱基板 |
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Cited By (3)
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JP2017216362A (ja) * | 2016-05-31 | 2017-12-07 | 日亜化学工業株式会社 | 発光装置 |
JP2019075577A (ja) * | 2018-12-26 | 2019-05-16 | 日亜化学工業株式会社 | 発光装置 |
KR102127233B1 (ko) * | 2019-12-16 | 2020-06-29 | (주)엘아이티씨 | 열방출 특성이 개선된 led 등기구 |
-
2013
- 2013-01-10 JP JP2013002279A patent/JP2014135374A/ja active Pending
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